勝手ユーザビリティ改善提案を阻む“壁”

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大手サイトの不備を模造サイトで指摘するユーザーたち [Yahoo! コンピュータニュース]
 使い勝手の悪いWebサイトを自サイトにコピーして、HTML、CSSを書き直して勝手改善バージョンを公開かぁ。確かにやり方としてはグレーな部分もあるでしょうが、上手く回れば素晴らしいことです。この企業サイトも器量が狭いなぁ。恥ずべき、責められるべきは高い金とって使い勝手の悪い制作をしたデザイン会社だろうに。そこに払うお金のほんの何割かでもボランティアに回せばよろしかろう?
 σ(^^)もお気に入りのサイトのちょっとしたバグ(Operaで問題がある場合とか)くらいなら「不便なので直して下さい。こうすりゃ直ります。」とメールしたりもしますが、こんなサイトを丸ごとリデザインするような手間をボランティアでかけてくれるなんて貴重以外の何ものでもないですよね。
 またσ(^^)は自分でも多少プログラムをたしなみますが、売り物にするでもなし、やっぱり限られた時間では「動けばいいや」的に妥協しちゃう点も多いです。HTML/CSSや情報デザインもそれほど詳しくないので、(ユーザビリティ屋のサイトのクセに)Webサイトの出来も多分ツッコミ所満載だと思います。それをざわざわ手間暇かけて改善してくれるなんて、羨ましい話しですよ。
 世の中、「バカの壁」ならぬ「成果帰属の壁」みたいなものが立ちはだかってますね。皆が幸せになれるなら、それが誰の手によろうといいじゃないですか。どうせユーザビリティにもデザインにも完成なんて遠すぎる幻で、全ては発展途上なんです。世の中のあらゆるオイシイところはどんどん取り込むべきです。世界のどこかに自分の知らないアイデアや知見が転がっていて、それを「あなたのサイト/製品にも取り込んでみたら?」と紹介してくれる人がいるんなら、それは恥ではなく得なんではないでしょうか。
 もらいっぱなしじゃ申し訳ないとか悔しいっていうなら、逆ギレするんじゃなくて、今度は自分の知見を周りに提供していきゃいいんじゃないですかね。そんな連鎖が生まれたら、世の中ものスゴイ勢いで進歩すると思うんですけどね。理想論ですか、そうですか…
 まぁ現実的な話し、アドバイスする側も、制作者側のプライドという名の「成果帰属の壁」を極力刺激しないような方法は考えることに関しては、もう少し真剣に取り組む価値があるでしょうね。例えばいきなり公にするのではなく、まずはサイト制作者にだけフィードバックする形をとるとか。昨今セキュリティ・ホールの指摘方法についても問題になっていますが、ひっくるめて、こういったの善意を無駄にしないような枠組みや、それを受け入れることは制作者にとって恥じゃないんだというコンセンサスを上手く作っていきたいですね。これは何もこういたボランティア・ハッカーに関する話しに限らず、一般にユーザビリティ・コンサルタントが設計者、デザイナーと付き合っていく上で非常に重要なことでもありますしね。

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