添付ファイルの暗号化どうしてますか?

 σ(^^)はメールのセキュリティに危惧が強いほうで、S/MIMEやPGPといった暗号化メールの普及を願う一人です。ただ、これらは双方が導入していなければやりとりはできませんし、比較的一般的なメーラーで導入が容易なS/MIMEは電子証明書が有料なものが多かったりとなかなか業務でも利用できる機会は少ないです。

 ではせめて、と添付データだけはパスワードで暗号化をすることを勧めています。意外なことにMicrosoft Office自体には閲覧を制限するパスワード機能はありませんので、なにかしらのコンテナで暗号化する必要があります。最近はAES暗号も使えるzipなんかもいいんですが、セキュリティに厳しいサーバーだと.zip形式の添付がついたメールをはねるところすらでてきていますので、個人的にはPDFがオススメです。最近のAcrobatはPDFファイルに添付ファイルを埋め込む機能がついています。レポートをPDFに変換し、その元ファイル(WordやExcelファイル)を必要に応じて埋め込んで渡す、というのが多いです。相手がOffice使ってて当然とばかりにWordファイルを送りつけるのも個人的には抵抗がありますしね。で、PDF自体は暗号化機能をもっているので、添付ファイルごと暗号化してしまえば良いわけです。今のところPDF添付をはじく設定のメールサーバーというのは聞いたことがありません。

 さて、電子証明書と違ってパスワードによる暗号化の場合はそのパスワードの伝達方法が問題になります。これが漏れたら意味がありません。暗号化ファイルを添付したメールの本文に書いておくというのは論外です。と思っていたら、最近「パスワードは別途メールします」と直後にもう一通別のメールで送る、という方法を採っている人を複数見かけました。これもあんまり意味はないでしょうね。あるメールが読まれているということは、その前後のメールも読まれるという可能性は高いです。送信側のミスで間違った相手に送ってしまった場合の予防策という向きもありますが、これも連続して送る分には同じ間違いを犯してしまう可能性は高いんじゃないでしょうか?やはりできるならパスワードは電話などの別手段で伝えることが望ましいでしょうね。ただしFAXのように物理的に残るものは避けるべきでしょう。

 ただ、σ(^^)のように夜行性だとやはりメールで済ませたくもなります。比較的付き合いがあってケータイのメールアドレスがわかっている場合は、パスワードのみそちらへ送ったりします。もちろん「これがパスワードです」なんて書いてはいけません。「さきほどPCのメールへお知らせした件です」みたいな感じで単独ではなんのことかわからないようにします。ケータイ上の情報って意外とPCとは隔離されているので安全ではないかと。

 ではケータイのアドレスもわからない時は?σ(^^)は相手だけが知り得るような情報を使うようにしています。相手にもらった名刺にある情報をつかって、「電話番号の下五桁です」とかしておけば、単にメールを傍受した無関係な人には展開できないでしょう(産業スパイに狙われたりすればまた別ですが)。以前に打合せに尋ねた時に食事でもしていれば、その時出た趣味やプライベートな内容を反映させるのも有効かも知れません。

 でもこの手の方法は同一の添付ファイルを複数の担当者に一斉送信する時なんかにはやりづらかったりしますよね。

 みなさんはどうされてますか?良いアイデアがあれば是非聞かせてください。

写真でかける電話機

Engadget Japanese

 これ面白いですね。相手の写真を台の載せることでその相手に発信できる電話機で、高齢者向けに考案されたんだとか。最初に誰かが電話番号データの入った写真を用意してあげないといけないんでしょうけど、それができてしまえば確かに簡単そう。

 というか、RFIDやバーコードを使うんだとすれば、名刺やチラシにも応用できそうですね。ポストに入ってた宅配ピザのチラシを電話機の上に置くとかけられたりすれば楽ちん(←死語?)ですよね。

追記:

 あー、こういうのってPCにもリーダーつけて、公開鍵認証による電子署名&暗号化の公開鍵として名刺が使えたりすると便利かも知れませんねぇ。

『古田さん、それって使いやすいですか?』第三回掲載

"使いやすさ"への取り組み / 古田さん、それって使いやすいですか? 第3回 | ricoh JAPAN
 株式会社リコーさんのサイトで書かせていただいているコラムの第3回が掲載されました。
 今回のポイントは、一般ユーザはなにも専門家と同じ評価スキル、視点が必要な訳じゃないですよ、という点です。実際、有限の選択肢から最善のものを選ぶだけなので、随分シンプルな課題じゃないでしょうか。
 前置き的な内容でひっぱるのもそろそろ限界ですかね。次回くらいからもう少し実際的な内容にしていきたいと思います。といつも思いつつ、毎回書き始めると「あぁ、これも先に触れとかなくちゃ」という内容に思い当たって軌道修正してしまうんですよね…
 ご意見、ご感想などをお待ちしています。

インターフェイス研究が教育/学習理論にならうべきこと

 TCシンポジウム(マニュアル屋さんの集い)でのパネル討論に参加してきました。

 とりあえずやっぱり緊張すると早口になってしまう癖が出てしまいました。反省。聞いてくださった方、聞きづらかったかと思います。ごめんなさい。

 パネルの議題は、「使い手中心のマニュアル作りはどうあるべきか?」のようなものでした。σ(^^)の方で問題提起してみたのは3点。

  • 背景理解を誘発しない今のマニュアル
  • ジャーゴンってそんなに悪いもの?
  • 熟達者にも簡単シートを!

の三点です(なんかサザエさんの予告みたいだw)。今回のシンポジウムは「脱皮」がテーマだったので、あえて従来アプローチからすればアンチ的な要素を

■背景理解を誘発しない今のマニュアル

 現在の「取り扱い」説明書って、取り扱い方法、つまり手続き的な操作方法を伝達することを第一義としていますよね。でもそれって、σ(^^)が学生だった頃(σ(^^)は第二次ベビーブーム頂点世代)に盛んだった、詰め込み型の教授法そのものです。こういう方法で“使い方だけ”を詰め込まれた文法や公式は、役に立たない(学習者が現実の問題に適用し利用することができない)ことは実感される方は多いのではないでしょうか?

 最近の事例だと、無線LANルーターなんかについてくる「簡単設定シート」みたいなものが例に挙げられます。画面写真と「こう操作してください」の羅列で、「はい、Yahooが見えました。おめでとう。インターネット開通です!」みたいなアレです。その過程には無線LANの接続設定、ルーターのプロバイダ設定、プロバイダのIP電話設定、Yahooトップ画面と様々なものが含まれますが、簡単設定シートだけを読んだユーザからすれば、全てブラウザ上に表示されるもの=インターネットになっちゃいます。だからある日ネットが見えなくなっても、無線が圏外なのか、プロバイダがメンテなのか、相手サーバーが落ちてるのかといった切り分けはできずにただ「インターネットがつながらないっ!」になっちゃう訳です。

 メーカーも「背景理解抜きで使える製品」をウリにしたいでしょう。もちろんユーザだって「ただ使えりゃいい」、「背景知識は知らずに済ませたい」でしょう。でもね、それは

悪いけど今日明日には無理!

そういうものを目指して頑張る人は常に必要ですが、一方で僕らは今日困っている人を助けてあげなきゃならない。そこで理想や体面は二の次。ユーザさんに頭下げて「すみませんけどちょっと時間使って、これだけは理解してといてください。そしたら今よりずっと使えるようになるはずです。」と言える潔さを持ち、なおかつユーザに対しても啓蒙をしていくべきなんじゃないでしょうか?

 カーナビの音声認識技術だって波形マッチングやってるという理解でない人に「決まった言葉しか理解できません」と説明だけしても、「千葉県と滋賀県はいつも間違えるくせに、検索と探索なんて似たような意味の言葉は融通聞かせて受け付けてはくれやしない!」ってことになりますよね。ちょっと時間使って波形マッチングのメンタルモデルが頭の中にあれば、意味の類似度ではなく発音の類似度が重要ってことがわかって、より誤認識されにくいしゃべり方が自然とできるようになると思います。

 難しい概念を隠蔽するとか、かわりに自動でやってあげる、というアプローチもまた教育論的にはすでに時代遅れで、いま教育現場は必死にそれから脱却しようとしています(以前のエントリも参照いただければと思います)。

 ちなみに誤解しないでいただきたいのは、背景知識理解“だけ”を推し進めてもダメだということです。僕らの世代の中学英語は「This is a pen.」というもっとも基本的な文法構造から初めて徐々に複雑な表現形態を覚えて行くの積み上げ式が良いと信じられていました。ところが現在の教科書でLesson 1は「How are you?」から始まります。いきなり疑問文です。もちろん疑問文なのが重要なのではなく、現実場面でもっとも有益な知識だからです。ちなみにアメリカの幼稚園の作文授業ではいきなり「通販で買った花瓶が割れてました。クレームのお手紙を出してみましょう」あたりから始まるんだそうです。文法概念なんてのは使ってるうちに身に付く。そこの理解は目的ではない訳です。不規則動詞を思い出してください。英語の不規則動詞は皆さん暗記的に覚えさせられたと思いますが、日本語の不規則変化な誰に習うでもなく使いこなせていますよね?つまり学習ってのはその知識を使うべき場面で自然に起こるもので、知識単体で“伝達”してもしょうがないんだ、という考え方です(ここいらも上でリンク張ったエントリで触れてます)。

 背景知識だけ詰め込んでもダメ。先ほどの「簡単設定シート」の類でユーザが「さぁ、インターネットつなぐぞぉ!」って気になってる時に、上手く背景知識を織り込んであげるのが理想なんじゃないでしょうか。

 インターフェイス分野でもこういった教育/学習理論の知見の中に倣うべきものは非常に多いのではないでしょうか?マニュアル込みで製品の学習を“デザイン”しましょうというお話。

■ジャーゴンってそんなに悪いもの?

 これは以前にコラムでも取り扱ってます。そもそも人は放っておいてもジャーゴンを作る(時にはそれ自体を楽しみさえもする)じゃないですか。マルキューとかシロガネーゼとかw。それって実はヒトとしての基本的な方略だし、コミュニケーションの効率化に大事だよね、って話。

 こないだ買ったEverioではデフラグのことを「ディスクの整理」と呼んでました。専門用語を独自の身近な日常語で置き換えることはよくやられますが、本当に有効でしょうか?冗長になってマニュアルが分厚くなるし、別メーカーのものに買い換えたら通じないし、せっかくデフラグを勉強していた上級ユーザにも通じない。たぶん店員さんに「これのディスクの整理をしてたら…」と質問しても「は?」とか言われちゃいますよね。

 もちろん、マルキューやシロガネーゼみたいなすぐに意味がわかるジャーゴンをデザインすることは大事だし、扱う概念自体が新規なものなその理解に対する“足場かけ”は重要だとは思います。

■熟達者向けにも簡単参照シートを!

 熟達者でもマニュアル見ないと使えない情報ってあります。例えばケータイの初暗証唱番号とか、ルーターの管理ページのアドレスとかですね。こういうのって、初心者向けの冗長な説明フローの中に埋もれていたり、時には上記の例の様に呼び方すらかえられてマニュアルのどっかに埋もれています。「玄人はこれだけで充分。玄人でもこれだけは必須」って情報を、呼び方やフォーマット決めて、マニュアルの裏表紙に書いとく、みたいなデ・ファクトを確立したい今日この頃です。

 とまぁ、そんな感じで話をしてきました。How toやWhat is型の情報は今後、どんどんオンラインヘルプの延長としてシステム自体に組み込まれて行くでしょう。そんな中で依然としてマニュアル(紙であれ電子媒体であれ)の役割として残るのは背景概念の説明の部分なんじゃないでしょうか?単なる“取り扱い”説明書ではなく学習書、簡単設定シートだけではなく簡単理解シートも添付しようよ、って言ってみる。

プレゼンテーションソフトがテトリスにならうべきこと

 24日のHQLセミナーと本日のTCシンポのパネルディスカッションで久しぶりにパワポを使ったプレゼンテーションをしました(それぞれの感想と反省については近日中に)。

 そこで感じたプレゼンテーションソフトへの要求仕様は、「次のスライドが見えていること」ですね。そう、テトリスで次に落ちてくるブロックの予告が出ているじゃないですか?アレです。

 ある事柄を説明するスライドが2枚A、Bあった時に、ついAのスライドだけで最後まで説明してしまって、めくってみたら今話しちゃった内容が出てくる、なんてことありますよね?そういうことを防止するために、「次にこんなスライドが来るよ」というのがどこかで小さく出ているといいなと思います。今回のHQLセミナーではノートPCを2台並べて、パートナーの人に1枚先行でめくってもらったりして結構役に立ちました。

 パワポはそれに限らずデュアルモニタの活用が不十分ですよね。せっかくTabletPCでペンを使って書き込みができるのに、手元側でノートを参照しつつ、ということが出来なかったりします。手元側がノート込みのビューで、外部出力側がフルスクリーンのスライド、というところまではできるんですが、その状態でペン書き込みができないんです(ペンツールがフルスクリーンでないと表示されないため)。

 その辺り、後発のKeynoteやOOoなんかはどうなってるんでしょうね?ご存じの方がいらしたら教えていただければ幸いです。