3Dプリンターフィラメントの保管湿度目標

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3Dプリンターの素材であるフィラメントは湿度に弱く、高湿環境に長時間おくと水分を吸って造形品質や強度が落ちると言われています。ドライボックスに入れて保管したり、使用前にフィラメントドライヤーで熱して水分を飛ばしたりといった苦労もあります。

先の記事で書いたようにAMS内に湿度計を入れてみたので、具体的に何%程度を保持するか目標値を検討してみました。

チャットAIのClaude4さんに尋ねたところ、以下のような回答が返ってきました(ちなみにChatGPT4にしたCopilotさんは一般論ばかりで具体的な数値は答えてくれませんでした)。

3Dプリンターのフィラメントを適切に保管するためには、湿度管理が重要です。

一般的に、フィラメントの種類によって最適な保管湿度は異なりますが、以下のようなおおよその目安があります。

PLA(ポリ乳酸):20%~50%

PETG: 20%~40%

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン):25%~50%

ナイロン:20%~50%

低湿度過ぎると、フィラメントが乾燥し過ぎて脆くなり、高湿度過ぎるとフィラメントが湿気を帯びて品質が低下します。

できれば40%前後の湿度を保つのが理想的です。また、遮光された密閉容器に入れて保管することで、湿度変化の影響を最小限に抑えることができます。一部のメーカーでは、乾燥剤付きの専用保管ケースを販売していますので、フィラメントの種類に合わせて活用するのがよいでしょう。

定期的にフィラメントの状態を確認し、湿度が高くなりすぎた場合は乾燥する必要があります。適切な保管により、フィラメントの品質を長期間維持することができます。

cloude.ai

素材によっても違いますが、40%とは思ったより全然高い値でした。現在は付属の乾燥剤のみで22%を指しています。(本当は同じ湿度計で比べるべきでしょうが)SHARPの空気清浄機の表示で30%の環境下です。AMS内で20%台を保ててれば充分そうですね。まぁこれが夏場になったり、冬に加湿機をつけたりするともう少し維持が大変かもですが。

3Dプリンターを活用しだすと、あの色も使いたい、この素材も試したいとフィラメントが積み上がっていきがちですが、(保管場所の問題は別にして)日本の気候でもそこまで神経質にならなくてもいいのかも知れません。

大学進学した姪1号に家電をプレゼントとPC強化

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高校生になった姪にデスクトップPCを組んでやったのからもう3年も経ちました。

昨年は自分のメインPCのお下がりでCPUとGPUを強化してやったり。

4月からはクリエイター系の大学に行くことになり、大学指定スペック(i7、GTX1050以上)のノートPCが必要というので、10万ちょいくらいの新品か、お下がりのRazer Blade 14(Ryzen9/RTX3070)とどっちがいい?と提示し、まずはしばらくRazer Bladeを貸し出すことに。学校がi7を指定してるのが性能指標としてだけなのか、Intelでないとダメなのか不明だったりするので、まぁしばらく使って問題がでたら返してもらって適当なPCを別途検討しようと。

で大学の課題は基本的にそっちのノートでやればいいんですが、せっかくデスクトップあるし大学から各種クリエイター系ソフトのライセンスももらえるので、自宅ではデスクトップで作業できた方が効率いいんじゃない?ってことで引っ越し手伝ってきたついでに勝手にメモリをプレゼントして16GB->64GBにしてきました。ITXマザーでメモリスロットは2枚差しなので、

  • コスパ重視で16GB x2で32GB
  • 32GB x1で将来的に増設余地を残す
  • 32GB x2で最大容量64GB積む

で迷いましたが、なかなか下宿先までいって交換してやるのも難しいのでちょっと無理して特盛りにしときました。

自分用だとレイテンシとかも気にしたりしがちですが、そこまでわかる相手ではないのでネイティブ3200MHzでコスパ重視。一応「光らなくなった」とがっかりされないよう今回もRGBにしつつお手頃なVENGENCEにしてみました。

これだけあればクリエーター系ツールを複数同時起動しても楽勝でしょう。幸いマンションのネットも有線LANがあり夜11時頃でも下り700MB、上り400MBくらいでてたので、PC周りはかなり快適そう。Wi-Fiだけ2.4GHzオンリーだったので、そのうち余ってる6Eルーター送ってあげようかなとか。

■家電もいくつかお祝い

まぁメモリは個人的な趣味とこだわりで勝手にあげたわけですが、それはそれとして、一人暮らしを始めるということで必要な家電もいくつか。妹(母親)と相談して、電子レンジとドライヤーを引っ越しの手伝いの後で一緒に家電店にいってプレゼントする約束に。以下、いつかのためにモデル名を記録。

・電子レンジ(とオーブントースター)

平日は食事が出る学生向けマンションなので、そこまで自炊を頻繁にしないということだったので単機能レンジを想定。ニトリとか量販店の最安クラスだと1万円切りますがワット数が500Wくらい。またターンテーブル式になりがち。ターンテーブルの弱点は、

  • 部品点数が増えて掃除がしづらい
  • 大きなコンビニ弁当とかいれるとひっかかって回らず、加熱ムラになりやすい

など。できればフラットにしたいというおじさんのこだわり。あとドアも横開きよりは縦開きの方が狭いところでも使いやすい。本人は色が白がいいというので、選んだのはこちら。

またオーブンやトースト機能も迷ったんですが、やはり電子レンジのトースト機能は時間がかかるし仕上がりもいまいちなので、別途2,980円からあった単機能オーブントースターを買う流れに。ただそこまで安いとタイマーのみで温度調節ができない。また同時に焼ける食パンも2枚。じっくり時間をとって焼きたい場面もあるだろうということで、温度調整でき、4枚焼き、そしてホワイトでということでPanaのこちらに決定。部屋に備え付けの冷蔵庫がかなり背の低いものだったので、上に二段積みしても不便はなさそうでした。

・ヘアドライヤー

ドライヤーは温度低め風量強めが時短で髪も傷めないのでお勧めよ、ということで「大風量」のコーナーからデザインが好みなものを選ばせました。薄い水色っぽいカラーが好きらしく、これに。

これかアイリスのこちらか悩んで、実際に電源つないで風の具合を試させてもらいました。

JIS基準ではPana 1.6m^3/分、アイリス 2.0m^3/分でアイリスの方が上なんですが、Panaは自社基準で吹き出し口ではなく頭に届く風が3.0m^3/mに達するという表記。どうやらいい感じに渦巻きで周りの風を巻き込んで吹き出し量以上の風を送るということみたい。実際に風を出してみても明らかにPanaの方が強い感じがする。大してアイリスは風の中心部分に冷たさを感じる。意図した設計かどうかわかりませんが、ちょっと気になりました。

デザインではアイリスがやや優勢だったぽいですが、店員さんの説明やメーカー的な品質差も勘案してPanaに。

ちょうどヨドバシもビックも13%還元セールをやってたんですが、ヨドバシがほぼ全品という雰囲気なのに対しビックは「当社指定商品」という感じで対象製品の網羅範囲にかなり温度差。でもアプリで「ヨドバシは13%ですね!」で3商品とも13%にしてもらえましたw(カード決済したので実際は11%)。

それぞれの使用感などはまた聞けたら追記していこうと思います。とりいそぎなにかサポートが必要になった時のための記録として。

下の子も高校進学なのでなにかしら考えないとですが、上の子ほど明確にほしいものややりたいことが出てこないので保留中です。なんにしろPCは慣れといた方が将来の幅が広がると思ってるんですが、PCオタおじの思い込みですかねー。

VブレーキのPanasonic電動アシスト自転車ハリヤにSesameサイクル2を取り付けようとしてハマった(3Dプリンターで解決した)

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少し前の記事で、Panasonic電動アシスト車のハリヤ(2016年モデル)につけていた車外品のナンバー錠が壊れて、ノブを3Dプリンターで作って直したことに触れました。

その時、書いたスマートロックのSesameサイクル2ですが結局とりつけることにしました。理由は深夜のジム通いに使っていて、明かりのない駐輪スペースに駐めることが多いため、手探りでこのナンバー錠をアンロックするのが地味に面倒くさいと感じたから。特に寒くて手がかじかんでいたり、手袋をしていたりするとちょっとしたストレス。

そういうしているうちにアナウンスされていたSesame Touch(指紋センサー)の自転車ハンドル用ホルダーが発売されたので、勢いで特攻。

Sesameサイクル2、Sesame Touch、ホルダーで総額1万ほど。

■つかない!?

ハリヤは通常のママチャリでサイクル2をつけるべきところにVブレーキという後輪用ブレーキがついています。

わかりにくいですが、一番下のSHIMANOロゴがついているのがVブレーキ。その上のLOCKと型抜き文字がついている鉄板は、以前のGORINのナンバー錠をつけていたマウントです。Vブレーキを固定するボルトで共留めされています。その上にかざしているのが今回取り付けたいサイクル2です。

8年も前でころっと忘れてましたが、当時GORINのナンバー錠もわざわざVブレーキ用というのを買ってたみたいですね。

しかし残念ながらこのマウントではネジ位置があわずにSesameサイクル2は取り付けできませんでした。タイヤや泥よけの太さにたいして、Sesameサイクル2がかなりギリギリなので、泥よけにベタ付けするくらいの位置に垂直に立てて配置する必要があります。いいかえるとVブレーキやフレームに対して少し斜めに倒してつける感じです。ぐぬぬ。

裏返しにしてフレームの反対側につける手もあるみたいですが、レバーも車体の向こう側になっちゃうし結構不便そう。

そんな時の3Dプリンターですよっ

ということでマウントを自作しました。かなり空間的な位置決めで苦労して4回ほど作り直しましたが、どうにか形になりました。ネジでしっかり固定するため金属ナットを埋め込む手法にも初挑戦。

これを使ってどうにか正位置に取り付け成功しました。

■SESAME タッチホルダー(自転車専用)レビュー

Sesame Touchのレビューはこちら。

玄関などに使うSesameロックシリーズのオプションで、スマホアプリからの操作をせずに、指紋やFelica(モバイルSuica、SuicaやnanacoなどのFelicaチップ搭載カード)で開錠、施錠ができるデバイスです。Sesameサイクルでは開錠のみの用途になります。

もともとSesame Touch発売時には背面はフラットなパネルで両面テープで壁面などに貼り付ける方式でした。これだと電池切れやフリーズを起こした時に毎回両面テープを貼り直さなければならず、CandyHouseにしては詰めが甘いデザインだなと思いました。後日脱着を用意にするマグネットも発売され、次に貼り直す際にはこれにしようと買ってあります。

しかし、今回あらためて自転車用に1つ買い足してみたところ、背面パネルの仕様が変更になっていました。スライド式のパネルが追加され、そちらを両面テープで固定しておけば、Sesame Touch本体は上にスライドして抜くだけで電池交換ができるようになっています。知ってる人は簡単に盗める、という点はさておき、使い勝手は大幅に向上ですね。既存ユーザにこのパネルキットだけ売ってほしいレベル。(ググると無償送付の予定もあるみたいですね)

そして今回の自転車ホルダーはこのスライドパネル互換の形状をしていて、両面テープ付きのパネルのかわりにはめこむ形になります。ハンドルへの固定はベルやスマホホルダーなどと同じ感じです。写真には映ってないですが太さ調整用のスポンジテープも付属しています。

ハンドルにつけた感じはやや大きい気もしますが、まぁ仕方なし。

これもとりつけられなかった…

でこいつもまたハリヤのハンドルにはつけられませんでした…ハンドル径に対してホルダーのリングが小さすぎます。ハンドル以外のあらゆる部分につけられないか模索してみましたが全滅でした。基本的にSesameの自転車製品はママチャリ基準で設計されてますね。さてどうしたものか。こちらはしなやかさが求められる部品なので、3Dプリンターで作るにしても素材からして難しい。また脱着可能パーツのいいとこだけ再利用しづらいというかリングだけ取り外せる機構になってないので、スライドパーツの受け部分から互換形状を設計する必要がありそう。なにか市販のスマホホルダーを買って来て改造した方が早いかも。

とはいえ、現状、AppleWatchのコンプリケーションに登録してしまえば2タップで開錠できるので、あんかも一旦これでいいか、、という気になりかけてますw。Sesame Touchのホルダーが無駄になりますが。まぁいずれ時間があったら挑戦するかも知れません。必ずしもハンドルでなくていい気もしています。サドル下とか。

2024.4.7追記: Sesame Touch対応版も作りました。

■使用感

ともあれサイクル2自体はなんとか取り付けできて使える状態になりました。

操作感としてはロックしたという感触が希薄なのは気になっています。前のがしっかりレバーを引き下げた時に「カチっ」と感触と音があったので余計に。「あれちゃんとロックかかったかな?」と不安になって再度押し込んでみたり。まぁロックされてなければバネでもとの位置に戻ってくるのでわかるんですが、慌ててる時などにしっかり感触で反応があった方がありがたいなと。

上述の通り、せっかく購入した指紋センサーのSesame Touchは取り付けできずに、現在はApple Watchからの操作ですが、そこまで手間でもなく、むしろ自転車から少し離れたところから操作を始められるので、自転車脇に着くと同時に開錠、くらいの流れで扱えてスムーズに乗車できています。これまでのナンバー錠と違って暗い場所でカチャカチャ暗証番号ボタンを押したりしなくても良くなったしかなり快適になりました。

■まとめ

Sesameサイクル2や自転車ホルダーはママチャリ向け設計になっているので、Vブレーキのスポーツ車やハンドル径が太い車両は事前に念入りなサイズ確認をしましょう。といってもあまり公式サイトに適用条件などが書いてないんですよね…

男の子の好きなヤツ!インサートナットの熱圧入をやってみた

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3Dプリンターで樹脂部品を作って、なにかにネジ止めする際、樹脂素材に直接ネジ穴を切ってもちょっと強度に不安があります。ちょっとネジを締めすぎるだけで壊れてしまうんじゃないかと。またネジ山の精度も本当に工業製品の雄ネジとがっちり噛み合う精度で造形できるの?と。

そんな時に活躍するのがインサートナットという部品です。つまり金属できっちり作られたネジ穴(雌ネジ)部分を後から埋め込むという手法です。実際の部品はこんなものです。

M5 8mmのインサートナット

外側がギザギザしていて素材にガッチリ食い込むようになっています。

これの挿入方法はいくつかあるようですが、3Dプリンター素材の場合、熱圧入というのが一般的なようです。文字通り熱で炙ってグイっと押し込む!という方法。そうすると樹脂素材がじわっと溶けていい感じに固定されると。

具体的にはライターで炙って押し込むとか、ハンダごてのコテ先につけて、とかあるらしいですが、例によって道具から揃えるのが好きなので、専用のコテ先セットを買ってみました。

先端がMサイズの太さをした円柱形状で通常の尖ったコテ先よりもしっかりはまり、真っ直ぐに押し込みやすいです。今回使ったM5ナット用の先端を装着したのがこちら。

PLA素材が200℃前後で造形する素材ですがもうちょい高めの300℃くらいのハンダごて設定でやりました。数秒でじわっと溶けて沈み込んでいくので、深く入れすぎないよう注意します。やはりツライチになってると綺麗。

使用したナットの仕様がM5x8x7となっていて、おそらくネジ穴径がM5、全長が8mm、外径が7mmという意味なので、3Dプリント部品側には外径と同じ7mmの穴をあけておきました。冷えた状態だとまったくはまらない直径ですが、そこを熱でズブズブと入れるので結果としては余計な隙間もできずいいのかなと。

実際に使ってみたのがこちら。

これがなんの治具かは別記事にて

謎の満足感があります。単なるDIY部品が急に工業製品になったかのような。

更に念のためにネジの緩み止めを買って塗っておきました。

こうしてしっかりしたネジ穴が付けられるなら、単体部品ではなく色々なものに固定して使うようなものや、微妙な調整幅をもたせたいもの、力のかかる箇所は金属部品で作りたいもの、など応用の幅がめちゃくちゃ広がりそうです。

そしてネジといえば撮影、録音機材で一般的な三脚穴サイズ(1/4-20UNC)!これが使えるならカメラマウントとかリグになにかを取り付ける系の治具を作れます。こちらは日本のAmazonでは手頃なものが見付からず、AliExpressで購入しました(アリエクはたまにリンク先の商品が差し替わっているので、サイズは確認した上でご購入ください)。60個も使い切れないけど、ともあれなにかそっち系のアイデアができたら活用しようかと。

2024.03.23追記

上記部品のサイズが微妙にあわなくて作り直すことにしました。その際、このインサートナットは再利用できるのかという疑問が頭をかすめます。今回は専用半田ごてヘッドの取り付けねじがM5サイズだたので、ヘッドを外した状態でそのままナットに取り付けることができました。その形で300℃に熱して引き抜けばぬちょーっと引き抜けました。ただ多少フィラメントの溶けカスが残るので、同じ色のフィラメント部品に再挿入するならいいですが、違う色となると場合によっては綺麗には再使用できにくいかも知れません。丁寧にこそぎ落とせばいいんですが。そしてM5以外のナットの場合は、別の方法、例えば適当な雄ネジをつないでそれを熱してペンチで引き抜く、などの方法が考えられます。

計算上の単価はさほど高くないですが、例えば今回買った330個入りセットに同サイズは10個しか含まれてないので、ちょっと使い捨てるには惜しいですね。

2024.03.27追記

ネジをきつく締めすぎたか、少しナットが浮いてくるというか抜けてくることがありました。なるべく強度を上げるためにはウォールを厚くしたりした方がようさそう。あとはフランジのついたネジで圧入した面に密着するような形で締め付けるのも重要かなと思いました。

2024.04.07追記

部品を交換する機会があったので上記の状態を写真で撮ってみました。

手で抜けるところまではいってなかったですが半分ほど抜けてしまっていました。ナット自体の再利用がよくなかったのか、PLAという素材がダメか、はたまた自分の腕が悪いのか。ピタっとツライチになったらすぐに小手を抜いてますが、もう少し長く保持して熱でPLAがしっかり溶けて馴染むのを待った方がいいとかあるのかも?

交換後のパーツは外壁を6層で再施工(上記写真のは設定覚えてない)。またしばらく様子をみようと思います。いずれにせよ屋外で使うものなので次の機会にはPLAではなくASAとかPC(ポリカーボネート)フィラメントを使ってみたいところです。

■まとめ

3Dプリント造形物にガッチリしたネジ穴を設置するインサートナットと埋め込み用のコテ先を試しました。簡単でなおかつ埋め込み作業が気持ち良いw。3Dプリント造形物の活用の幅が広がるので活用していきたいです。

配信中を家族に知らせるランプを作る~OBS Studio、IFTTT、SwitchBot連携

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世の中、テレワークが増えて、会議中に家族が部屋に入ってこないように知らせるいわゆるON AIRライトが欲しいとずっと思っていました。しかも廊下まで行って手動でON/OFFする必要があると面倒だし絶対忘れまる。実際には会議終わってるのにライトは点きっぱなし、とかいうことに絶対なる。

自分はZoomとかTeams、Meetとクライアントによって色々使うので、汎用的に使用中を検知する方法はまだ思いついてないんですが、とりあえず家族がたまにやるOBS Studioを使った配信ならいけそうな方法を見つけました。(別記事にまとめました)

自分はライブ配信はしないですが、収録には使うので、同様に録画開始/停止をトリガにすれば、「収録中入室禁止」のランプにはなりそうですね。ただ自室の廊下付近に電源を取れる場所がないので、それは別途解決せねばなりません。

ということで、今回は家族の配信部屋前に設置する「配信中」ランプを作ってみます。

座組としては、

  • SwitchBotのLEDテープで光るランプを作る
  • IFTTTのWebHooks(所定のURLにアクセスしてトリガ)からSwitchBot製品を制御
  • OBS StudioのLUAスクリプト配信開始/終了時に上記WebHookのURLを叩く

という流れ。これで完全自動になりますが、場合によっては家族が使っているStream Deckから手動でON/OFFできるようにすることも考えます(IFTTTを経由してもいいし、直接SwitchBotのAPIを叩くとレスポンス上がりそう)。

■ランプの製作

家族はちいかわ(のモモンガ)が好きなので、こちらのランプを魔改造することにします。

バッテリー充電式なので外部の電源入力のON/OFFでは直接点灯制御はできなそう。最悪分解してバッテリー線を切断とかしたらいけるかなくらいで特攻。案の定、充電とは別で電源スイッチを押さないと点灯しません。さらに色が電球色と昼白色か昼光色の色温度の高い色の2色切り替え式で、最初は必ず電球色になります。モモンガの毛色としては違和感ありまくりなので解釈不一致のクレームになってしまいます。これは改造無理なんじゃ…とバラしてみるとこんなランプユニットが出てきました。

カバーの接着も固く、想像にこのユニットを使うのは放棄。上部のモモンガ型のシリコンカバーだけを流用することにします。

発光体としてSwitchBotのLEDテープを使うことにしました。電球タイプでは入ったとしても発熱がスゴそうなので。

IFTTT連携ができればいいのでもっと安いものもありますが、我が家ではSwitchBotを元々使っており、新たにアプリを入れなくてもいいというのでこれにしました。

テープ状のLEDを巻き付けるコアパーツを3Dプリンターで作ります。なんとなく体型に沿うようにしたら結局電球みたいなフォルムに、、まぁ大きさが違うんですが。

ボディのシリコンカバーを固定する底の円盤部分を元のランプユニットのサイズで正確に設計。これでシリコンカバーがカポっとはまります。いかにも配信中であるというプレートも手でもってるように取り付けてみました。実際には3つのパーツで別々に造形しています。プレートは半透明PETG素材で光が透けるようにしてみたんですが、透明度が低いのイマイチでした。

LEDテープを巻き付けた写真を撮るのを忘れてたんですが、このパネルの下に伸びるステーが非常に折れやすく2回折れては補強を増して造形したりして、もう分解したくないので割愛。

■SwitchBot設定

LEDテープはRGBで色も明るさも自由にできますが、当面はON/OFFでいいので、SwitchBotのスマホアプリで解釈一致な毛色を再現してお気に入りに入れておきます。普段はIFTTT経由でON/OFFだけすれば色や明るさは固定されます。

必要があればIFTTTから色や明るさ指定もできるはずなので、録画中は赤とか動作を変えることもできるはず。

■IFTTT設定

配信開始(点灯)と配信終了(消灯)のそれぞれのアプレットを作ります。IF(トリガ)がWebHooksで、THENがSwitchBot制御です。

動作確認も兼ねてスマホアプリへの通知も挟んでいます。

WebHooksの中身はこんだけ。配信開始用アプレットではイベント名を「stream_started」、終了用は「stream_stopped」とします。

SwitchBot側は「LED Strip Light On/Off」モジュールを使います。

WebHooksとして使うURLは、ユーザーアカウントを示すキーと、そのユーザが作った中でどの動作を叩くかを示すイベント名を含みます。そのうちイベント名は上記で指定したものになります。キーはユーザ毎に固定なので、「My Services」→「WebHooks」の画面にいって調べます。

この画面にあるURLの/use/の後の文字列がキーになります。

これを使って、

みたいな形式がトリガ用のURLとなります。これをブラウザなどで開くとアプレットが実行されるわけです。これをstream_startedとstream_stoppedで2つ作っておきます。

■OBS Studio設定

で、OBS Studioの配信開始や終了時に上記URLを(ウインドウを開かず裏でひっそり)開けばいいわけですが、そこら辺は汎用的な情報なので別記事として切り出しました。

■完成!

これが完成したライトです。RGBテープライトなので色味を調整でき、いい感じの白さを出せてると思います(原作知らんからイメージですが)。さすがに耳の中までは光が届いてない感じ。

プレートはX1-Carbonで始めて多色造形したんですが内部サポートが黒になってしまい格子模様がでちゃってます。どうも外枠を黒にすると吊られて内部構造も黒になってしまうぽいので、別パーツにして組み合わせるとかしないとかも。

右の半球のが元から入っていたライトユニット

ライトの熱でシリコンカバーが焦げたり燃えたりしないか不安でしたが、輝度設定としては15%くらいで充分綺麗に光るし、一晩点けたままにしても平気でした。万一参考になさる時は自己責任でお願いします。

別にちいかわでなく、電源供給で(スイッチ無しで)ON/OFFできるランプならもっと簡単にできると思います。

この場合は、こういうスマートコンセント型のデバイスでON/OFFすればいいでしょう。

電源だけは必要にせよ、PCからの線が届かない位置でも、なんなら地球の裏側でも配信の状態を知ることができるので、ニーズがある人の参考になれば幸いです。