今日は本の紹介です。
2000年に出版されてから10年も経っている本ですが、昨年読んだ本の中で、一番影響をうけた本でもあります。
安西徹雄さん著 「英語の発想」
この本、簡単にいえば、日本語を英語に翻訳するコツがたくさん書かれている本です。しかしその内容は、ただの翻訳本にとどまらず、日本語の特性の証明から、日本人の考え方の分析にいたるまで、とても興味深い内容です。
さらに、本の中では、「日本語は人間中心主義」という表現まで飛び出しています。
日本人のものの考え方、表現の仕方について興味がある方にお勧めです。
ちなみに、ここで書かれている"発想"とは、インスピレーションやアブダクションの類ではなく、ものの捕らえ方、考えにいたる動機、に近い意味のようです。
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興味深い文章を抜粋してみます。
p.11
英語流のものの捉え方は客観的な<もの>を焦点に組み立ててゆくのにたいして、日本語はある状態なり出来事なりを、もっとも情況に即して、全体的、直感的に、つまり<こと>としてすくい取ろうとするらしいという、発想の根本的な型の違いにまで突き当たってくる・・・
p.33
日本語はどうやら直接話法が肌に合うという点にしろ、待遇表現ということにしろ、さらには動詞中心型で、情況を全体的な一つのまとまりのまますくい取ろうとする点からしても、その発想の根本に、情況に密着した表現を好むといういわば、情況論理的性格があるのではないか・・
p.98
人間には、情況に反応する者、情況とのかかわりを認識する者としての「人間らしさ」もあるはずで、日本語は、まさにそのような意味で人間中心主義なのではないか。
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日本人が、いかに生活の中で人との関係性を重視し、その繊細なコンテクストを言葉の構造の中に組み込んでいったのかがわかります。そして、日本語は、状況描写、状況を含んだコトのデザインにおいて、優位性を持っていることもわかります。
日本語でどう発想させるのか?
英語で発想するには、何が違うのか?
発想と言語の関係は根深い。
ブログの内容について、Twitterで興味深いやりとりがあったので、転写しておきます。
@ishii_rikie とても興味深いですね。その「発想と言語はとても根深い」1つだけを材料にしても様々な仮説が考えられそうで、おもしろなーとおもいました。
@ishii_rikie もしかしたら、創造的アイデアのフェーズにむく言語(あるいは、しゃべりかた)があるのかな、とおもったり。
@na0ka 発想と言語は、きっても切り離せないと思います。ボキャブラリーしかり、話し方しかり。
@ishii_rikie 面白いですね。私は、明示的に考えたことなかったです。この主題1つでも、4時間ぐらい考えこみたいくらい面白い、と思いました。