“?”がアイコンかアイコンじゃないか?

ジャストシステム、東京地裁での敗訴を受け会見
 なんかもう触れるのもバカらしい話ですが、一応時事ネタなのでサラっと扱ってみます。

・松下が出願した平成元年時点で本当に特許になるほどの新規性があったの?

 そもそも元の特許自体、いまや当たり前のいわゆるバルーンヘルプのインタラクションな訳ですが、MacOSのSystem7とか出てなかったのかな?どうしても現在の感覚で考えると、なんでこんなものに特許としての新規性が認められるの?という気がしてしまいますね。今これだけ当たり前になっているということは、元々のアイデアが優れていたことを証明している訳ですが、単なる早い者勝ち居座り系のサブマリン特許なら情状酌量の余地無し。もしそうならσ(^^)も松下製品不買運動に参加しようかな。

・争点がアイコンかどうかって…

 ボタンが「?」だけの製品では松下敗訴の判例が出ているワケですよ。「?」ボタンによるバルーンヘルプ(WhatIsThis型ヘルプ)はWindows自体にも搭載されてるし松下も控訴していない。
 だからってマウスの絵が入ってたらアイコン、「?」だけならセーフ、ってなんかもうヤケクソの水掛け論ってカンジですよね。普通に考えれば「?」だってアイコンでしょう?元々が表形文字かどうかまでは知りませんが、現在では(平成元年当時も)言語によらず世界中の大多数の人が同じ概念を想起できる「記号」なワケですよ。いや、別に松下がもっと広範に権利を主張して良いということが言いたいワケではないんです。特許申請の文面がどうあれ、元々の含意はGUIインタラクションを指していることは容易に推測できますよね。GUIボタンをマウスでクリックするというインタラクションそのものが問題だったワケで、「“?”は文字だからCUIなんです。対象外なんです。」とかそういう議論じゃないだろ、と。なんだか「天下のMicrosoftに盾突く度胸はないけど、少しでもお金とれるところを無理矢理探しました」みたいな小狡さは否めませんね。
 このヘンが憲法第九条の解釈問題なんかにも通じる、特許議論のバカらしさなんですよね。
 ただ、バカらしいとは言え、Amazonの1クリック特許同様、こういう類のものがいちいちまかり通るとソフトウェア開発者の負担が、本来の設計開発以外の部分で激増してしまいます。特許が怖くてアマチュアのプログラマーやオープンソース系プロジェクトが作品を公開できない、なんて時代にならないことを祈ります。

““?”がアイコンかアイコンじゃないか?” への2件の返信

  1. 青色ダイオードでもそうですが、裁判官ってのは文系の極み、パターンマッチングしかできない人、理系なのは足し算引き算掛け算割り算(要は賠償額の算定程度)しかできない人種なのでしょうがないでしょう。
    日本の大学で、真剣に知的財産を学ぶ学科・学部や、理系学生に法律を教えるべきだと思うんですよねぇ。
    あと、ネーミング帝王な人向けに、商標に関する講義とかもいるかも。>furuta

  2. 私もこのニュース読んでビツクリしました。
    別に一太郎も花子も使ってないですが、
    「え?たったそれだけで差し止め?」
    ていうのが、最初の感想。
    よくよく読んでみて、「そんなの他でもやってないかい?」というのもあるし。
    特許って、難しいですね。とにかく、ATOKを愛す者としては、がんばれジャストシステムって感じでした。
    私がこう言ったって、何の足しにもならないでしょうが・・・

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