RODECaster Videoをテストしてわかったことメモ

RODECaster Video(以下RCV)が液晶保護フィルム製作から返ってきたので色々検証を始めています。

実査投入の時のために色々判明したことをメモしていこうと思います。

■ストレージ周り

本機は内蔵ストレージ、microSDカードスロット、USBポート3にSSD接続という3つのストレージがあります。マニュアルによると内蔵ストレージは基本的に設定を保存したりファームウェア更新に使用するためで、挿入用のメディアファイルはSDカード、録画はUSBストレージにしてね、ということぽいです。microSDに録画できないのは残念ですが、書き込みスピード的に難しいのでしょう。今は1TBのmicroSDとかもあるのでISOは無理にしてもPROGRAM出力だけでも録画できたら良かったんですが。逆に挿入用メディアファイルはmicroSDからしか読み出さないようです。

ATEM MINIでは相性があってSanDiskのSSDが認識しなくて(途中まで使えてた気もするけどどこかのアップデートでNGになった記憶j)、SamsungのT5やT7 Touchを買い足すなどしていました。そこら辺の動作検証をしておきたいと思います。

本機はATEM MINI Extreme ISOと同様、合成後のPROGRAM映像と別に各映像ソース、音声ソースの生ストリームを個別に録画しておくこともできます。あとで編集で映像切換をしたり、音声のリバランスをしたりができるわけです。特にUTでは参加者毎の音量差がある時にあとで補正できるのは安心材料です。

このISO記録を有効にすると当然ながら書き込み速度は何倍も必要になるので、こちらでテストをしておけば、ISO OFF時は余裕と考えてよいでしょう。

なお録画用ストレージはexFATでフォーマットしてある必要があります。今のところPCでフォーマットしたものが普通に使えているようです。

テストに使ったSSDは、

  • SanDisk Extreme Pro 500GB (Model No.SDSSDE80-500G)
  • Samsung T5 2TB (Model: MU-PT2TB0B)
  • Samsung T7 Touch 500GB(Model: MU-PC500K)

の3モデル。

(↑リンク先は1TBモデル。今はもっと後継モデルが安く手に入るはず)

(↑リンク先は2TBモデル)

特にATEMで使えなかったものの速度は最も速いSanDiskと、指紋認証ロックがかけられるT7 Touchの挙動が気になります。PCレスで指紋認証がかけられるT7 Touchは録画して持ち帰る時に紛失しても安心なので、引き続きメイン録画ストレージとして使いたいものです。

結果としてはどれも大丈夫そうです。T7 TouchはATEMの時と同じで、USB接続して電力供給された後で指紋センサーにタッチすればランプがグリーンになり録画可能になります。

映像のISO録画オンの状態で、500GBのT7 Touchの録画可能時間は12時間以上と出ます。これだけあれば通常のUT実査では問題なさそう。少なくとも1日分撮れないということはないでしょう。そもそもUTでは映像のISOはオンにすることはあまりないですし。

2時間くらい録画して、PROGRAM出力のmp4が7GB位でした。Windows11のExplorer読みで8Mbpsくらいのようです(1080@30p)。ちょっとそのまま納品ってサイズじゃないですね。編集耐性も考えるとまずまず良いバランスかなと思います。

■音声遅延周り(映像 vs 音声)

RCVでは遅延しがちな映像に対して、音声を揃えるために意図して遅延を入れる設定があります。さすがに音声ソース毎は無理ですが、Mix音声に対してフレームまたはミリ秒単位で遅延をさせて映像とあわせることができます。この辺りも自前のカメラ、マイクで最適値を探っておきたいと思います。

テスト環境はRCVに直接ペアリングしたRODE Wireless Proです。XLRなど有線マイクなら更に遅延が少なく映像と差が開くのかも知れませんが、現状自分の利用シーンではほぼWireless Proを使うことになると思うので、当面それ基準で行きます。

映像デバイスとして使ったのは、Webカメラ2台とHDMI出力のついた書画カメラです。

  • Logicool Brio
  • OBSBot Tiny2
  • iPEVO VZ-R

RCVはUVC準拠のWebカメラが使えるといっても非圧縮(YUV)伝送ができるものに限られるので、国内で手に入る対応Webカメラは10種類に満たないレベルで、ややお高いものが多いのは仕方ないです。

書画カメラはスマホを操作する手も含めて画面収録するのに使います。これもUSB(UVC)出力がありますが非圧縮ではないのでHDMIで接続する必要があります。

VZ-Rはフリッカー防止スイッチを60Hzにすると1080@60p、50Hzにすると1080@50pになりました。GoProみたいですね。フリッカー観点だと関東だと50Hzにするべきなんですが、1080@60pで撮ったり最終的に15や30フレームに落とすのであれば60Hzにしておきたところ。どのみち今時はLED照明器具なので、関東関西はあまり関係なく、その場でチラつかない方を選ぶ感じになるかとも思います。

さて遅延としては24フレーム/秒止まりのBrioがもっとも大きく、Tiny2と並べると明らかに1テンポ遅れがある感じです。どうしてもカメラが足りない時でないとBrioは使わないかな。

で、Wireless Pro音声との差ですが、HDMI入力のVZ-Rは0遅延といって良いレベル。Tiny2は1フレームだけ音声を遅延させると合う感じ。ただ1フレームなんて波形を見なければ気にならないレベルです。

次にマイク入力のあるFX30にRode Wireless Proを3.5mmアナログケーブルで接続し、映像と音をHDMIソースとして入力した時は2フレの遅延がありミックス音声はエコーのような状態になってダメでした。そこでRCVの遅延設定で+2フレームにしてやったところ改善。これは全ての音声ソースにかかるものの、HDMIソースの音声は対象外で、結果としてHDMI経由の音声とそれ以外の音声のタイミングが揃えられるみたいです。HDMI音声はLRをスプリットして独立音声トラック扱いにできるので、本体操作パネルで個別に音量調整ができたり、ISO録音ファイルも別個になるので、RODE Wirelessシリーズのように2子機の音がステレオで入るケースではこの遅延設定でズレを解消しつつ活用できそう。

現時点の結論として、

  • UVCはモデルによるが、Tiny2は実質気にしなくて良いレベル
    • Webカメラにマイクが内蔵されていても音は入らなそう(未確認)
  • HDMIは音声ともども遅延があるが、本機のディレイ設定でほぼ解消できる

という感じ。ちなみにたぶんデフォルト状態だと思うんですが+5フレームの遅延が設定されていました。

■音声遅延周り(音声ソース間)

続いて、音声をマルチトラックで録音して、トラック間のズレがどうなるか実験してみました。機材構成は、

  • XLR接続のガンマイク(ベリンガーC-2)
  • 直接ペアリングしたWireless Pro x2
  • USB接続のWireless Pro x2

の4トラック。USB接続のWireless Proはステレオトラックとして認識されました。ATEMのように設定でセパレートトラックとして扱えないかと思ったんですが見当たりませんでした(HDMIとコンボのみ可能ぽい)。Premiere Proで個別調整する時は手動で左右分離をしないとならずひと手間かかりそうです。今回はステレオペアのままで比較しました。ちなみに表示上「Wireless Pro」と表示されるので、USBデバイス名などから認識はしてるらしいです。もしかしたら同機種固有にチューニングもなにかしらされてるかも?

また音声ディレイは0設定です。

結果はこんな感じ。青いトラックの上側がミックスされたPROGRAM OUTの音声、その下はISO録画された映像トラックに入る音声。緑のトラックが個別トラックで、上からXLR、直接ペアリングしたWireless Pro、USB接続のWireless Proです。USB接続したWireless Proはステレオ扱いになり、ATEMのようにモノラルスプリットはできなそうです。Premiere Pro等で個別バランス調整したい時はトラック分割のひと手間が必要です。

パンっと拍手をした瞬間を撮っており、マーカー(縦線)がPROGRAM映像でみて両手のひらが当たったと思えるフレーム位置です。まず前後の誤差は30fpsで1フレーム程度。個別に聞けば違和感は感じない程度です。それでもミックスした音声を聞くと「パンッ」が「パパンッ」とか「パララッ」という感じで聞こえます。

不思議なのはISO録画された個別映像トラックに入る音声の方がミックス音声よりも1フレームほど早い点。ISO録画にはミックス音声がそのまま入るということだったような?ただ映像も1フレームずれている気がするので、ISO録画は開始が1フレ遅れるということなのかも知れません(Premire上で先頭を揃えて配置している)。

次に直接ペアリングしたWireless ProはXLRに対してほぼ遅延がありません。この2トラックだけをONにして聞いてもほぼ違和感はないレベル。それに対してUSBで親機を接続したWireless Pro(一番下のステレオTr)はほんの少しだけ遅延があります。1フレ以下なので補正もできないレベルですが、やはり同時に聞くと多少のズレは感じます。気にしなければ気にならないレベルかも知れませんが、音声を長時間聞き取るユーザーテストやインタビューだと聞き疲れはどうかなというところです。3台以上のRODEワイヤレスマイクを使う時は、両方の親機(Tx)をUSBか両方アナログ(コンボジャック使用)で揃えた方が無難かも知れません。もしくは直接ペアリングとコンボジャックならさほど気にならないと思います。この辺りはまた実際にグルイン等の案件があった時に検証しようと思います。

とりあえず1on1のユーザーテストならWireless Proの直接ペアリング2台か、Wireles Pro + XLRマイクで同期処理いらずで問題なさそうなのは安心です。

■まとめ

現状、セッテイングとしてはこんな感じを基本にしていけそうです。

・PC Webのユーザーテスト

  • PCのHDMI出力をRCVに
  • 音声はWireless Pro
  • 表情カメラはTiny2、またはOBSBot Tail AirをHDMI入力
  • 遅延設定は±0

・スマホWeb/アプリのユーザーテスト

  • VZ-RのHDMI出力をRCVに
  • 音声はWireless Pro
  • 表情カメラはTiny2、またはOBSBot Tail AirをHDMI入力
  • 遅延設定は±0

・カーナビ等のユーザーテスト

  • FX30に距離に応じたレンズをつけてHDMI出力をRCVに
  • 音声はWireless Pro
  • 表情カメラはTiny2、またはOBSBot Tail AirをHDMI入力
  • 遅延設定は±0

・グループインタビュー

  • 4名までなら2台のWireless Pro。ただし直接ペアリングは使わず、親機をUSB接続して遅延を揃える。コンボジャックだと充電時に(グラウンドループ)ノイズが心配。ただUSB接続しても親機が充電されないっぽいので、定期的に外して充電する必要がある。だったらアナログノイズ対策をした上で充電しながらコンボジャック入力もありかなぁ。カメラがFX30ならそちらのマイク入力に入れて、HDMI音声をスプリットすればRCVで個別音量調整もできそう。その場合の遅延設定を2フレームとか入れると良さそう。
  • 5名以上ならXLRかUAC経由でマイクを追加。時間差が出るようなら音声はZOOM F6でまとめて遅延補正してUACで本機へ入力(オートスイッチは使えない)F6は認識しませんでした
    • おそらく直接ペアリングした場合はXLRと比較して実用上問題になる遅延は発生しなさそう。親機をUAC接続した場合の遅延をテストしておく。いっそアナログの方がマシ?
    • ただUSBマイク入力がUACならなんでもなのか、Webカメラのように要件があるか不明。RODE製マイク以外でも使えるかは別途確認。→Zoom F6はダメでした
  • 映像は必要に応じてチョイス。オートスイッチ機能を活用して話者の映像に自動切り替えしてみるのも実験したい。

・ストレージ周り

録画ストレージは手元のどのSSDでも良さそう。セキュリティを考えるとT7 Touchをメインに。容量が不足しそうな案件ならT5 2TB。

・安定性

現状、映像3、音声2のISO録画程度ではなんの不具合もなく収録できてそうでひと安心です。発熱も底面もほんわり温かい程度で、これなら普通に室温が維持された室内ならなんの問題もなさそうです。プロセッサーは不明ですがATEM MINI Extreme ISOの時代から進んでよりプロセスルールの細かいものに進化して電力効率上がってるのかも知れません。とりあえずここまで書いたあと、録画回しっぱなしで2時間くらい出かけてみたいと思います。>問題ありませんでした。

RODECaster Video用に安全な代替USB PD電源アダプタを購入

RODECaster Video(以下RCV)はUSB PD 65W電源で駆動します。もちろん専用のACアダプターは付いてくるのですが、箱の両端にUSBケーブルとACケーブルが生えているタイプで箱のサイズもそこまで小型化はされていません(写真は記事末尾)。しかもAC側は海外仕様の3ピンで、3ピン→2ピン変換アダプタも必要なタイプ(付属はしてます)。両端ケーブル型は出張UTの時の取り回しも悪いので、せっかく汎用規格であるUSB PD給電であることを活かすべく代替品を調達することにしました。

■マルチポート充電器のリスク

すぐに思い浮かぶのはマルチポートのUSB充電器です。UTでは他にも様々な機材を使います。例えばRCVからの映像をプレビューするためにモバイルモニターなど。これらもUSB Type-Cポートで給電するので、マルチポート充電器1つでまとめて給電できれば便利です。しかしここに落とし穴があります。世の中の多くのマルチポートPD充電器は、ポート間の給電バランスを最適化する為、各ポートにデバイス(ケーブル)を抜き差しする度に一旦給電を止める仕様になっています。その時点で各ポートのPD充電デバイスが何ボルト、何アンペアまで受け付けるのかをネゴシエートし、割り振りを計算してから給電を再開します。スマホやノートPCなどバッテリー機器を充電する分にはさして問題にならないのですが、RCVやモバイルモニターのようにUSBポートから常時給電を前提にしている機器だと、このタイミングで電源が落ちてしまいます。モバイルモニターも一瞬画面が暗転するだけならいいかもと思われるかも知れませんが、PC側でモニターの接続が切れた(モニタ数が変化した)と検出されると色々な問題がおきます。特にOBS Studioでディスプレイをキャプチャして配信している時にこれが起きるとOBS Studioがクラッシュして配信が止まってしまいます。

つまり、これらバッテリーがなく即落ちする機器を使うなら、

  1. マルチポート充電器を使わない
  2. マルチポート充電器を使う場合、配信中に絶対にデバイスを抜き差ししない
  3. デバイスのプラグ/アンプラグで給電が停止しないマルチポート充電器を使う

といった配慮が必要です。

3.の仕様の充電器があるならそれを使えば解決なんですが、この細かい仕様は商品サイトや仕様表にはなかなか記載がなく、買って試してみないとわからないことがほとんどです。内部的に独立回路になっているかかなり高度な制御システムが入っている必要があり、高くて大きな製品でないとほぼ期待できないでしょう。回路が完全独立ということはポート間で電力の融通が利かせられないということなので、一般的にはデメリットで、むしろ自動ネゴシエートを売りにしている製品の方が多いくらいです。

唯一期待できるのは、まさに同じ問題に着目してレビューをしてくれているドリキンさんのこちらの動画で紹介されている、AnekrのPrime Chagerの250W、6ポートタイプのものです。動画の9分45秒目あたりから検証しています。

トータルの供給電力量も250Wありヨサゲですが、現場にもってくにはちょっとデカい…

これだけあればPC、モバイルモニター、ルーター、書画カメラなどあらゆるもとをまとめて給電できそうではありますが、そこまで1つに集約するのも逆に不安も。

いずれ欲しくなりそうですが、今回は保留。

■結局買ったACアダプターはこれ

今回は安全運用を優先してマルチポート充電器は諦め、こちらのシングル充電器をチョイス。出力65Wな点以外に選定の理由としては、

  • ケーブルが固定で2mついている
  • プラグが折りたためる
  • その中でGaN IIs採用で小さい

といった辺り。以前の記事で書いた通りRCVは電源ポートがUSB Type-Cなので、ねじ式のロックコネクタのATEM MINIと比べるとスッポ抜けのリスクはあります(ケーブルがスッポ抜けて配信が止まるのと、本体ごと引っ張られて落下して壊れるのはトレードオフですが…)。少なくともコンセント側が固定式であることでリスクが半分にできます。

また運搬時はプラグを折りたためることで他のモノにキズをつけたりするリスクも減らせます。

ケーブル長は2mで壁コンセントや床上のタップから卓上に引き回すと考えるとギリギリ不安が残りますが、まぁ最悪タップを寄せればいいかなと。

ということで、RCV付属充電器との比較写真を参考に貼っておきたいと思います。

付属ACアダプタ(左) vs ELECOM EC-AC8665BK

だいぶスッキリしました。

現状特に問題なく使えています。小さいからめちゃくちゃ発熱したりとかも心配でしたが、そこまで熱を持つこともなさそうです。

RODECaster Video、手持ちWebカメラ動作確認

RODECaster Video(以下RCV)はUSBポートの4と5にUVC(Univeral Video Class)仕様のWebカメラを接続することができます(標準ではカメラ5と6に割り当て)。

UVCはWebカメラの事実上標準規格ですが、WebカメラならなんでもOKというわけではなく、非圧縮(Uncompressed)コーデックである必要があるぽいです。大抵のWebカメラはUSB帯域が狭いため、カメラ側でMotionJPEGとかH.264で圧縮してPCに送ります。それをPC側でまたデコードして使用します。その分、レイテンシや画質が犠牲になりがち。

一方、USB3.xに対応して高速通信が可能なWebカメラでは、圧縮しない生映像をPCに送ることができます。この贅沢な仕様は配信者が使用するような高級な機種に多く、ゲーミングブランドから出ていることが多いです。

公式リストに挙がっている機種は、2025年1月現在、

  • AnkerWork C310
  • Elgato 4K X
  • Elgato Cam Link 4K
  • Elgato Facecam
  • Elgato Facecam MK.II
  • Elgato Facecam Pro
  • Elgato HD60 X
  • Logitech Brio STream
  • Logitech Brio ULTRA HD Pro
  • Logitech C920 HD Pro
  • Logitech StreamCam
  • Obsbot Tiny 2
  • Razer Kyio Pro(Kiyoの間違いでしょう)
  • Sony FX30
  • Sony FX3
  • Sony ZV-E1

となっています。ElgatoとかRazerはガチゲーミング向け。Logitechは日本ではLogicoolのことですが、Brioは高級ビジネスブランドです。Sonyの3つはミラーレスデジカメですが内蔵USBポートがUVCクラス準拠なためWebカメラとして使える、というものです。

■手元で試したWebカメラの接続可否をメモっていく

我が家には幸い、OBSBot Tiny2もBrioもFX30もあるので、活用できるだろうという目論見もあってRCVを購入したのですが、せっかくそれ以外にも同一メーカー製カメラもいくつかあるので、接続テストをしてみました。(随時更新予定)

・Logicool Brio V-U0040: OK

4K対応高級Webカメラの先駆けみたいなモデルです。今Brioブランドでいくつも派生モデルが出ていて、手元のが公式リストにあるBrioなのか不確定でした。ウチのはBrioナンチャラって一切ついてなかった頃の単なるBrioだったはず。モデルナンバーはV-U0040となっています。2018年発売なので、多分これだと思います。本体のどこにもC1000eRという型番は書いてないのですが…

結果はOK。インスペクト機能でみると「1920x1080p 24 YUV」と出ます。Brioは4K対応ですがRCVがフルHDまでしか対応してないので「まぁそうなりますわな」という感じ。

注記:初出時、「1920x1080p 30 YUV」としていましたが、後日映像が割とカクカクするなと思って改めてみたら24でした。設定をあれこれ見ても変えようがないので見間違えだったというのが現在の結論です。カタログスペックでは30いけそうなんですがLogicoolの仕様表はMJPEG時とYUV時で書き分けていないので、YUVではフレームレートが落ちるということなのかも知れません。

ユーザテストの納品ビデオは容量削減優先で15fpsで書き出すことが多いのですが、その際も整数倍の30fpsからダウンサンプルする方が滑らかになると思うので、できれば30fpsで使いたかったところです。

他に現在国内ではBrioを関するカメラとして、100、500、700といったモデルがありますが、公式リストにあるSTreamとかULTRA HD Proはどれやねん、という感じ。

・OBSBot Tiny 2: OK

これも公式リストにあるんだから当たり前ですがOK。表示は同じく「1920x1080p 30 YUV」。Tiny2の公式スペックをみるとYUV出力時はフルHDでも30p止まりのようです。残念。

またRCV経由だと強みであるPTZ(パンチルトズーム)が活かせないのがもったいないですね。一応AIジェスチャー認識やトラッキングがありますが、個人的には誤動作して思わぬ方を向いてしまうのがイヤでOFFにしています。Tiny2の公式FAQによると画質設定などはカメラ側に保存されるようなので、一度PCにつないでOBSBot Centerで調整してからRCVに繋ぎ直せば色味などのチューニングはそのまま反映されるのかも知れません(未確認)。

なお廉価モデルのTiny 2 LiteだとYUV出力時640×480までなので使えなさそう。

・OBSBot 初代Tiny および同4K: 実質NG

スペックはYUV時1920×1080@5fps。実機があるので試してみたところ、映りはしてインスペクタでは「1920x1080p 24 YUV」と出るのですが遅延が大きい。おそらく実際は5コマンしか出てないがRCVが想定してないコマ数なので最低の24と表示している、みたいな感じじゃないかと推測します。フレームレート低くても遅延がなければ使い道もあったかもですが、ちょっと実用性に欠けるかなということで「実質NG」。

・OBSBot Meet2: NG

残念ながら映りませんでした。インスペクト画面には「CONNECTED」と出るものの、上記機種達のように解像度やコーデックは表示されず、当然絵も真っ黒。公式スペックによるとこの機種はYUV時は640×480までしか出ないようです。Tiny2譲りの高画質、高コスパモデルだけに惜しいです。

ちなみに旧モデルのMeet、Meet 4Kは初代Tinyと同様YUV時1920×1080@5fpsのようなのでこれも映っても実用にはならなそうですね。だからあえてMeet2では削ったのかも知れません。Meet 4Kはつい先日手放してしまったので試せず。

・OBSBot Tail Air: NG

この機種はUSBだけでなくHDMI出力もあるので、あえてUSBを使う意味はあまりないですが(ケーブル1本で電源供給できる点くらい)、Tiny2と違って専用リモコンでPTZコントロールができるのは良いです。

結果は、NG。OBSBotの最上位モデルとも言えるのに残念。Meet2と同じ挙動で「CONNECTED」とは出るものの解像度、フレームレート表示にならず映像も来ません。非圧縮に対応してない時の挙動でしょう。仕様ではUSB2.0となっているので非圧縮伝送できる帯域がなさそう。多分高くて買えないけどもうすぐ予約解禁のTail Air 2に期待。

正直これが一番使いたかったんですが、まぁHDMIでつなげばヨシ。

・SONY FX30: OK

「1920x1080p 30 YUV」でしっかり映ります。ミラーレスカメラなので光学性能の良いレンズと組み合わせて高画質映像を送るとか、望遠域が必要な時に重宝しそうです。

ただBrioに比べるとほんの少しだけ遅延があるようにも感じました。Tiny 4Kの時のようなあからさまな遅れではなく、注視しなければ気にならないレベルではありますが。

SONY α7IV: OK

RODE側の公式リストには記載がなかったですがちゃんと映りました。「1920x1080p 30 YUV」です。気のせいかFX30より遅延も気にならないような?ちょっとここは体感なのでなんともです。きちんとフレーム数表示している画面を撮るなどして比べるといいのですが、今回そもそもRCVとPCをUSBで接続しているので、そこの遅延も一定量ありそうで。HDMIでモニタを接続した際にまた検証してみます。

ともあれ、フルサイズセンサー機からフルHD@30pが取り出せるのは美味しいですね。とはいえこの辺の機種はHDMIでつなげば60p出るだろうからあえて2ポートしかないUSB使う意味はないかな…

・GoPro HERO 11: NG

GoProはPCに専用アプリを入れるとWebカメラとして使えますがUVC準拠とは言えないのかも知れません。案の定、GoPro側はUSB接続モードになるものの、RVC側で認識せずNG。

DJI Action 2: NG

アクションカメラでもういっちょ。これも他の非圧縮非対応カメラ同様「CONNECTED」と出るだけで映らず。

・[ネタ枠] iPhone 16 Pro Max

充電できましたw。

当然ながらUVCに対応していないので他にも何も起きません。RODE Captureとか純正カメラアプリを起動しても同じ。マイクとしても認識されず。RODE Capture(RODE謹製カメラアプリ)がRCVと連携できるようになったらしいですが、やはりUSB-C(またはLightning)-HDMIアダプタを経由してHDMIポートに接続しないとダメそげです。シンプルにUSBケーブルでカメラにできたら使いどころはありそうなんですけどね。

またスマホを使いたければ、こういうUSB-C – HDMIケーブルみたいなのを使うしかなさそうですね。(動作未確認です)

まとめ(音は出ない?)

非圧縮伝送できないと使えないことは事前に把握していましたが、それ自体が明記していないWebカメラも多く、いくつかは期待もしたんですがやはり非圧縮の壁は高かったという感じです。単にUVC対応WebカメラというだけでRCVに挿しても使えないので注意が必要です。

その他気になった点というか惜しい点として、どのWebカメラからも音が入りませんでした。RCVのUSB4/5端子はUAC(Unversal Audio Class)にも対応してるはずですが、もしかしたらUVCとUACは同時使用ができず、カメラかマイクどちらかとしてしか使えないのかも知れません。

■RODECASTER VideoにオススメなWebカメラ

ここからは自身で検証できていないものもあり、あくまで公式リストやカタログスペックを信じればという前提で書きます。

これからRCVを使ったシステムを組もうといった時にオススメのWebカメラを考えてみたいと思います。もちろん撮影対象次第で画角とか最短撮影距離(どこまで近づいてもピンとが合うか)といった要素の適不適は出てくるでしょうが、まずはそもそもあえてWebカメラを使う意義として、

  • コスパが高い
  • コンパクト

といった観点があるでしょう。その辺を気にしないならミラーレスからHDMI経由でいいじゃんってことになりがち。小さなWebカメラを三脚につけてUSBケーブル一本でつなぐというのが醍醐味な気がしています。

その意味でいうとダントツに安いのがLogicoolのc920でしょう。ただこれはちょっと仕様がはっきりとしない。公式リストにはあるものの、Logicoolの仕様表をみても非圧縮フルHDに対応してないような?またAmazon限定のc920nとc920の違いもわからない(値段が半額違い)。

LOGICOOL HDプロ ウェブカム C920

LOGICOOL HDプロ ウェブカム C920

9,800円(01/14 19:09時点)
Amazonの情報を掲載しています

この方のブログ記事をみると、後継のc922ですらYUVのフルHD出力は5fpsとなってるが大丈夫?という感じ。公式リストにあるとはいえ、ちょっと冒険かなという気がしています。たぶん自分では買わないかな。もし試された方いたら是非結果をコメントで教えていただければと思います。

全体にLogicoolの仕様表はYUVとMJPEGではっきり出力仕様を記載してないので、フルHD/60pを謳っていてもYUVでも対応してるの?ってところが曖昧です。

それでいうとOBSBotの仕様表は明確にMJPEGとYUV別個に記載していて安心感が高いです。

ただ現状Tiny2一択でお値段がお高いのが難点。その要因であろうPTZの部分もRCVで使うんだと活かしきれないというかAIトラッキングまかせになるのでちょっともったいない感じはします。

非PTZな選択肢だとKiyo ProかFacecamがセンサーサイズも大きめで良さそうではあります。自分がもしこれから買い増すならKiyo Pro、Kiyo Pro Ultra、Facecam Mk2あたりが1080@60pが狙えそうで気になりますね。

ともあれ、RCV用に買う場合、「YUV(非圧縮)フォーマット時の」解像度やフレームレート仕様を確認して買うのをオススメします。

ビデオスイッチャーをATEM MINI Extreme ISOからRØDECaster Videoに乗り換え

複数の映像ソースを画面合成して録画したり配信したりするビデオスイッチャーとかビデオミキサーと呼ばれるカテゴリの製品。自分はBlackmagic designのATEM MINIシリーズを初代からExtreme ISOと乗り換えて使ってきました。

入門機のATEM MINIでは二画面のPinP合成ができましたが、ユーザーテストで参加者の顔映像、手元映像、画面映像など3画面以上を合成したいこともあり、上位モデルのExtreme ISOに乗り換えたのが2022年。

そろそろモデルチェンジか?でも4Kとかにすると一気に高性能プロセッサが必要になって値段上がりそう。ていうか買った時から円安進行で定価も上がってる。手の届く値段で後継機出るの?という感じでした。

また使っていていくつか不満も出てきていました。

HDMIx8系統はオーバースペック

基本現場に持ち込んで使うので大きい筐体は負担で、ノートPC+OBS Studioでいっかーとなりがち。自分の使用実績では最大で4入力なので、4入力モデルで3画面以上の合成ができるスーパーソースが使えるモデルが出ればなーと思っていました。

最近はHDMI出力のビデオカメラ/ミラーレスよりUSB Webカメラ

またカメラもミラーレスやビデオカメラよりも高画質なWebカメラの方がコンパクトにまとまるし参加者の目からも存在感を押さえられます。今まではOBSBotのUVC-HDMIコンバーターを使ったりして、電源配線などがゴチャゴチャしがちでした。

自由なレイアウトを組むスーパーソースの複数管理と切り替えがし辛い

基本3画面以上の入力を駆使する時に使うので、PinPではなくスーパーソースを使うのですが、それを複数パターン(シーン)組んで切り替えるのがあまり使い勝手がよくない。

基本1つしか作れないので、マクロを使って瞬時に再配置する感じになるんですが、そのマクロをアサインできるボタンが小さく押しづらいし、そもそもOBS Studioではなく専用機を使う場面は、自分が操作するのではなく誰かにまかせる時だったりするので、ボタンが見つけづらいのも難点。

3.5mmアナログでマイクをつなぐとノイズが乗ることがある(グラウンドループ現象)

最近はRODE Wireless Proを使うことが多いですが、これをアナログ入力でつなぎ、かつ電源ラインをまとめたりすると、電気信号がループするとで起きるノイズが激しく乗ってしまし、ノイズアイソレーターを入れたり、電源を違うところから取ったりと工夫が必要になったり、これまた配線がゴチャつきがち。

たまーに熱暴走

動作するSSDが限られる

など。

そんな辺りが改善した後継モデルや競合機の登場を待っていました。YoloBoxとかOBSBot Talentとかタッチパネルモニター型の製品が出たりもしましたが、なんかAndridベースで大丈夫なん?とか高くね?とか思って躊躇してました。

■RODECaster Videoを導入!!

そんな2024年末に登場したのがあの音響機器メーカーRODEのRODECaster Videoです。

個人的に上記不満点がいい感じに回避できそうでかなり刺さりました。値段は正直高いです。US価格が$1,199なのでほぼ為替通りとはいえ、ATEM MINI Extreme ISOが実売13万くらいなのを考えるとかなり強気ですね。果たしてそれに見合うメリットはあるのか?

先に挙げた不満点がどうなったか見て行きます。

[ATEMの不満1&2] HDMIx8系統はオーバースペック& 最近はHDMI出力のビデオカメラ/ミラーレスよりUSB Webカメラ→改善

本機はHDMIが4系統と必要充分な数に抑えられた上、、USB入力(カメラ&マイク兼用)が2系統という構成で、自分の使い方にはかなりフィット。UVC-HDMIアダプターも不要になります。

注意点としてはUVCのWebカメラならなんでもよいわけではなく、非圧縮映像を出せる機種でないとダメな点。カメラ側でH264などにエンコードしてたらNG。非圧縮伝送だとデータ転送量が多いので、総じてUSB3.0を使ってるカメラが多い気がします。一応、公式の対応リストとしては以下が上がっています。

  • AnkerWork C310
  • Elgato 4K X
  • Elgato Cam Link 4K
  • Elgato Facecam
  • Elgato Facecam MK.II
  • Elgato Facecam Pro
  • Elgato HD60 X
  • Logitech Brio STream
  • Logitech Brio ULTRA HD Pro
  • Logitech C920 HD Pro
  • Logitech StreamCam
  • Obsbot Tiny 2
  • Razer Kyio Pro (おそらくKiyoの間違い)
  • Sony FX30
  • Sony FX3
  • Sony ZV-E1

我が家にはLogitech(Logicool)Brio、OBSBot Tiny 2、FX30があるのでまずまず困らなそう。なぜかクライアントが使ってることが多いC920も入ってるのもGood(あれ非圧縮だったんだ)。

ただしOBSBot Tiny2をつないだ場合、パンチルトズーム操作はできなくなります。入力解像度はフルHDまでなのでレイアウト時に拡大すると画質的にはちょっと不利かも知れません。

OBSBot Tail Airはリストにないですがどうなんでしょ。こっちなら独立でリモコンから操作可能ですが、こちらはHDMIでもつなげられるんですよね。まぁ電源がUSB一本で済むのはいいかも。→NGでした

ポート類が最適化されて小型化はされたんでしょうか?RODECaster Videoの外形寸法、重量スペックは以下。

外形寸法重量
ATEM Mini Extreme / ISOW370 x D136.6 x H39.61.235kg
RODECaster VideoW305.9 x D132.5 x H61.41.257kg

幅がかなり狭まったので小さく見えますが、高さが結構違っていて、縦x横x奥行きのかけ算で容積を出すとRODECaster Videoの方が2割程度大きいかな?ポート並びだけで言えばHDMIポートが水平に並んでいたATEMに比べ、縦配置になったので、その分高さも出たという感じでしょうか。どちらもトップが斜めなのでそう単純な比較もできないですが。重さは誤差レベル。重量と容積関係でいうと、RODECaster VideoはUSB PD 65Wで動くみたいなので、他の充電器と共有できれば多少荷物を減らせるかも?

[ATEMの不満3] 自由なレイアウトを組むスーパーソースの複数管理と切り替えがし辛い→改善

RODECaster VideoはHDMI x4 + UVC x2の6ソースボタンに加え、A~Gの切換ボタンがあり、それぞれにカスタムレイアウトをアサインできるぽいので、セッション中にインタビューパートとUTパートでレイアウトを切り替えるなんて時にわかりやすくかつ押しやすいと期待できます。

[ATEMの不満4] 3.5mmアナログでマイクをつなぐとノイズが乗ることがある(グラウンドループ現象)→仕様的には改善?検証待ち

RODEは音響メーカーだけあって、オーディオ周りがかなり強化されている印象です。

  • まずノイズに強いXLR入力が2系統あり、ファンタム電源が必要なコンデンサマイクも対応
  • UVCカメラと排他ではあるもののUSB端子にUACのマイクを2台接続可能
  • 同じRODEのワイヤレスマイクを2台直接ペアリング可能
  • Bluetoothでスマホ通話音声もミックス可能

といった感じ。これらがオールインワンで最低限の外部配線で使えるのが魅力的すぎます。

ワイヤレスマイクはディレイの少なさでRODEしか勝たんと先日もWireless Proを買いましたくらいなので、RODE囲い込み上等です。親機の充電も気にしなくてよいなど、かなり機材構成をスッキリさせられます。

他、音声周りでいうと各種フィルタが使えるのはATEM MINIと良い勝負。映像との同期のためディレイをかけられますがおそらくオーディオミックス後でまとめてかけられるだけで、ソース毎の個別はできなそう。ワイヤレスマイクもRODE Wireless Proで統一したので、個別ディレイが必要になることはたぶんなさそうなのでまぁヨシ。

UTではあんまり使わなそうですが、音声入力にあわせて映像をスイッチすることも可能で、Web会議のように発話した人の顔が大きく映る、みたいな自動スイッチングもできるぽい。

また出力音声トラック毎にミックスがかえられるので、Bluetooth経由で通話参加している人に自分の声を返さないミックスマイナス、マイナスワン的なセッテイングもできるはず。

[ATEMの不満5] たまーに熱暴&動作するSSDが限られる→検証待ち

この辺りのカタログスペックに出てこないロバストネスは実際に使ってみないとなんともですが、観測範囲ではATEMほど熱暴走するとか冷却必須とかいう話は聞こえてきてないです(というか日本のレビューはまだほとんどない)

その他の進化点

これまで有線LANのみだったATEMに対し、本機はWi-Fiにも標準で対応しました。直接配信に使えるのももちろんですが、管理ツールによる設定作業も無線でできるのが良き。個人的にRTMPで直接ライブ配信サービスに使うことはなくて、PC経由でZoomなどクローズドなWeb会議に流すのがメインなので、主に後者です。例えば配信用PCへは有線でつなぐけど、スイッチング操作やオーディオ調整などは別室のPCから補助スタッフが行うなんて時に、LAN接続が不要になるならハブからのケーブル取り回しを考えなくてよくなります。

管理ツールの複数人同時使用でいうと、USBポートも配信用(UVC出力)のUSB1と別に操作PC専用のUSB2がついたので、USB接続の場合も配信と操作を別々のPCから行えるようになりました。

ということで年末駆け込み経費で注文しちゃった(てへぺろ

発表直後に少し迷っていたら、日本代理店の銀一で早々に初回入荷分は売り切れで、次は2ヶ月前後ほどかかる見込みとの表示。ヨドバシ、ビック、Amazonなども在庫無し、入荷未定な雰囲気で、来年使いそうな案件来た時に探すかーとなってました。

しかし年の瀬ギリギリになって、節税的になんか買っておこうかってなった時に、最近のMacBook Proは30万軽く超えて一括償却できないし、コイツが手頃かも!と思って探したら奇跡的にシステム5さんに在庫1表示が!大晦日だったので発送は休暇明けになりますが、速攻で注文を入れました。

■届いた!使用感チェック

年明け営業開始初日に発送され、本日届きました。とにかくどこも品切れの商品なので「やっぱ在庫切れてましたがスンマソン!」って言われる可能性も考えていましたが、無事届いてひと安心です。

ATEM MINI Extreme ISOとサイズ感比較

さっそくATEM MINI Extreme ISOと並べてみました。

やはりATEM MINI Extreme ISOよりは短いが高いという感じですね。これはまだ2本のWi-Fiアンテナを装着していない状態です。横からみた状態は倒したL字のようですが、実際は底面はフラットになっていて、直角三角形といった方が正しいです。底の部分にはファンを含めた冷却機構が収まってるようです。

持ち運びはどっちが楽かというと悩ましいところです。またATEM MINI Extremeは社外製のアクリルカバーがあったんですが、本製品にはまだそういったサードパーティアクセサリが充実しておらず、突起物であるダイアルやWi-Fiアンテナを保護しつつ持ち運ぶか、ケース探しからやり直しです。

現時点でポータビリティは互角というところでしょうか。

傾斜している分、デスクで使う時には扱いやすいと思います。そしてなんといってもボタン数が少なく、個々のボタンが大きく押しやすいのは長所です。先にも書きましたが、自分はモデレーターの集中して、誰かスイッチ操作をお願いします、ってなった時に「ここ押してくれればいいから」がとても言いやすいです。

電源周り

ATEM MINI Extremには電源スイッチがなく、専用ACアダプタのネジ式のロックコネクターを抜き差しすることでオン/オフします。正直煩わしさもありました。専用ACアダプタ忘れたらアウトだし、数日の実査で毎日電源を落として帰る度にネジをクルクル回してコネクタを抜くとかが地味に面倒。ケーブルがテーブルの裏に落ちてしまったりとか。

対して本機はUSB Type-CコネクタのPD(Power-Delivery)65Wの電源仕様です。汎用品が使えるので、もしもの時も調達しやすいです。ケーブルを抜き差ししなくても電源ボタンでオン/オフできるのもGood。ただそれ故に恐い部分もあって、

  • ロック機構がなく簡単に抜ける
  • マルチポートUSB充電器は鬼門

複数のType-C(PD)給電ができるマルチポート充電器は、どこかのポートに挿抜が発生すると、一度全てのポートの電源を落としてから改めて各ポートへの配分を決定して再給電する仕様のものが少なくありません(というかほとんどそうです)。つまり、同じ充電器でマイクを充電しておき、「さぁ始まるぞ」とマイクを抜いたら本機が落ちます(恐。実査中(配信中)に予備マイクと入れ替えようと思って抜き差ししても落ちます。これは別に本機が悪いわけではないのですが、運用としては注意が必要そうです。OBS Studioで外付けのモバイルモニターの画面をキャプチャして配信している時によくやりました。モニターが切れてOSが画面を見失うとOBS Studioはクラッシュするので、配信事故ります。モバイルモニターにしろ本機にしろ、マルチポート充電器で他機器と共有せず、付属アダプタなど1ポートのみで専用ラインを用意した方が良いでしょう。

この辺り、テレビ放送機器メーカーのBlackmagic Design(ATEMのメーカー)と、(個人的イメージですが)ハイアマ/プロシューマー位までがメインのRODEで考え方の違いを感じて興味深いです(優劣ではなくRODEはRODEで利便性ではメリットが大きいと思います)。

ソフトウェアも含め操作が圧倒的に楽で直観的

上述のハードウェアボタンの少なさもそうですし、管理ソフトのRODE Centralから行うシーン設定も圧倒的に楽です。例えば画面内に複数の映像ソースを並べてレイアウトを組む際、ATEMのはx位置/y位置/サイズ(ズーム率)を数値で入れていくUIでした。アスペクト比を変えたり一部を切り抜くなら別項目の「クロップ」で上/下/左/右をまた数値指定。これがなんともめんどくさい。APIが公開されているのでサードパーティソフトを使えば幾分マシではありましたが。

それと比べRODE CentralのScene BuilderならOBS StudioやPowerPoint感覚で各ソースの枠を直接ドラッグ&ドロップして位置、縮尺、クロップを直観的に制御できます。ATEMはなぜこれを実現してないのか小一時間問いたい、問い詰めたい。

しかも複数シーンを7つのハードボタンにアサインしてサクサク切り替えられます。ATEMは各パラメーターを変更するマクロを組んで、小さな6ボタンに割り振る感じ。ハードボタン総数がエゲつないので、人にも教えづらいです。

各ソース毎の音量調整も、ATEMは▲/▼ボタンでポチポチで、しかも現在のレベルはハード上では視覚確認できませんが、本機は内蔵液晶でレベルメーターを見ながらダイヤルで調整できます。ソース毎に画面切り替えは必要ですが、ダイヤルでの回転と押し込みで上手く調整できるようになっているという印象です。

そんなこんなで、必ずしも専門要員がいない手弁当状態のプロダクトリサーチ系の現場にはかなり薦めやすいユーザビリティを備えていると言えます。

配線周りがシンプルに

先にも触れたことも含みますが、

  • USB(UVC)入力が2ポートついて、UVC-HDMIコンバーターを使わなくてもWebカメラを映像ソースとして使えるようになった
  • RODEのワイヤレスマイクを親機接続不要で直接ペアリングして音声ソースとして使えるようになった
  • 録画用ストレージとしてUSB接続のSSDだけでなく内蔵microSDカードスロットも使えるようになったSSDは合成素材読み込み用で、録画はUSB SSDが必要っぽい

といった点が重なって、使用時の接続ケーブル数や電源系統数が劇的に減る結果となりました。出張業務での持込荷物点数が減るとか信頼性の面でもメリットは大きいです。

■まとめ

2022年に導入したATEM MINI Extreme ISOから今回新登場の競合機器のRODE RODECaster Videoに乗り換えました。できることは大きくかわらないですが、設営や操作をシンプルにできより安定した収録ができそうで実践投入が待ち遠しいです。

とりあえず自宅で耐久録画/配信テストをしてみてまた追加で気付いた点などあれば追記するか別記事を出したいと思います。

また手持ちUSBカメラで試しまくってみた動作検証記事書きましたので、ご興味あればご覧ください。UVC/UAC機器を入手したら随時更新していこうと思います。

PDA工房さんにオリジナル液晶保護フィルムを製作してもらったので、プライベートブログの方で記事にしました。