QRコードひとつでNATも超えて映像受信できるNDI RemoteがUT/インタビューで使えるかも?

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先日からちらほら名前を出しているNDIというネットワーク経由の映像配信プロトコルがあります。

先日こちらのメジャーバージョンアップとなるNDI5がリリースされました。従来の(私の理解では)NDIは同一LAN内での配信がメインだったのに対し、NDI5ではインターネット越しのリモート配信をセキュアにかつ簡便に行えることを主眼としているようです。

NDIはいくつかのユーティリティ群の集合体ですが、NDI5に含まれるNDI Remoteというツールを使うと、ZoomやTeamsのミーティング招待を送るように、URL(とそれを示すQRコード)を発行し、招待された側は特別なアプリ不要でブラウザから開くだけで映像と音声を招待者に送ることができます(ブラウザのカメラ及びマイクアクセスを許可する必要あり)。招待した側がどのように映像を受け取るかというと、(他にもあると思いますが)NDI Webcam Inputというツールを起動しておき、そこから仮想ウェブカメラにリダイレクトする形になります。NDI Webcam Inputが起動していると、ZoomやTeams、OBS Studioといったツールのカメラ選択メニューに「NewTek NDI Video」という仮想カメラが出現し、それを選ぶと、遠方から送られてくる映像が受け取れ、Zoomなどに流せる、というわけです。ZoomやTeamsに流すだけなら最初から被招待者をZoomやTeamsのミーティングに参加してもらえばいいんじゃ?という気もしますが、メリットとしては、

  • スマホの場合でもアプリをインストールしてもらう必要がない
  • ユーザ登録も必要ない
  • より高い画質、解像度の映像を受け取れる(Zoomは標準で720p、Teamsは通信速度に応じてかなりコロコロ変化するで使いにくい)

などがありそう。遅延が少ないというのもNDIの特長と言われていますが、実際のところ様々な条件で比べたわけではないので確証はありません(むしろZoomやTeamsといった会議プラットフォームの方が画質を犠牲にして遅延を最低限に抑える方向に機能するイメージ)。

またWebcam Inputの映像をZoomやTeamsではなくOBS Studioのような録画/配信ツールに入れるなら更にメリットも増えます。

  • 表示(録画)レイアウトを自由にできる
  • 無料プランでも時間制限を気にせず長時間使える(録画もできる)

ただし双方向サービスではないので、インタビューやユーザテストにZoomやTeamsの代わりに単体で導入できるものではないでしょう。今のところ私が使ってみたいなと思うシーンは、ZoomなどでリモートUTをする時、相手の(Zoomでつながった)スマホで画面共有をしてもらうと、インカメラが無効化され相手の表情が見えなくなります。あるいは画面共有だと操作する指が映らないのが難点となります。こういう時に相手方にもう一台スマホなりがあれば、ZoomでNDI RemoteのQRコードやURLを送って、サクっと映像ストリームを増やせるかなと。そちらのスマホで顔なり手元なりを映せるポジションに固定してもらえばいいんじゃないかと。1つのミーティングに同じ場所から複数端末で参加するとハウリングが起きて慌てたりしがちですが、NDI映像を主宰者側で独立ストリームで受け取れるならミュートなどもそちらで制御できます。さらにTeamsならばミーティング側の個別ストリームもNDIで取り出せるので、OBSで自由にレイアウトしたUT動画を組めそうな気がします。

以前にも書いた通り、ケーブルの引き回しに関するメリットもあります。

「またHDMIやUSBの問題としてケーブル長の限界があります。USBは3.0だと数メートルが限界(規格上の上限)ですし、HDMIも10mものばすとケーブルや機器の相性が出やすくなるようです。より長い距離を伝送するにはリピーターのような増幅機器が必要だったり、HDMIだと内部が光ファイバーになっている光学なケーブルなどもあるようですが、NDIだとイーサネットケーブル、場合によってはWi-Fiでもとばせるので低コストで距離が出しやすいのも特長だと言えそうです。」

NDIはこれから注目していきたい伝送方法だと思います。

色々機材的にチャレンジングだったUTのふり返りメモ

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先日の案件で撮影や配信面で初挑戦をしたので、所感をメモしておきます。

セッテイングとしては、とあるハードウェア製品の調査で最終的に4カメラの映像ストリームをOBS Studioで合成して、ウェブ会議ツールに画面共有で配信という内容でした。4ストリームの内訳は、

  • 対象製品(アングル1)
  • 対象製品(アングル2)
  • 参加者表情
  • 資料提示用プロジェクター画面

てな感じ。セッション/タスクの進行にあわせて特定のストリームをアップにしたシーンを切り替える(タスク中は製品、インタビュー中はプロジェクター、表情は常に右上にPinP、とか)ということもしました。モデレーター、提示プロトタイプ、提示資料の切り替え、見学者からのチャットメッセージ対応、配信映像(シーン)切り替えとワンオペでこなす必要があったので、1ボタンでスイッチできるようにしたりと省力化の工夫もチャレンジの1つでした。

■4ストリームの合成

1台のPCで4ストリームをキャプチャし、合成し、配信するということを安定して行うため、最新ノートPCを導入しました。ゲーミングPCです。8コア16スレッドのRyzen 9というパワフルなCPUを搭載しつつ、GeForce RTX3070という協力なGPUで映像のハードウェアエンコードをこなしたり、AI処理による優秀なマイクノイズ抑止機能が使えたりする点が特徴です。

この性能を14インチに詰め込んだだけあって、さすがにファンはうるさめでしたり、更に外付けというか下にしくタイプのノートPC冷却台もぶん回しました。

ソフトは本ブログでも何度も紹介している定番OBS Studioを使用。HDMI USBキャプチャを複数台つなげたところUSBポートの電力不足か非常に動作が不安定になり、セルフパワー式のUSBハブを入れたり、最終的には1つは後述のNDI(ネットワーク)経由でのキャプチャに切り替えたりしました。

ATEM MINIシリーズの上位モデルであるExtreme /同ISOであれば4系統の映像を好きなレイアウトで合成することができるので、PCとATEM MINIのどちらを買い換えるか悩みましたが、今回は汎用性の高さでPCを選びました。

今のクライアントも追々機材を買い揃える予定ということで、今後また4ストリームの合成が必要になる機会がすぐにあるかわかりませんが、いずれ懐に余裕ができたらATEM MINI Extremeも導入しておきたいなと思います。

教訓:USBは消費電力総量を意識し、セルフパワーハブを使う(特にノートPCの場合)

■デジタル一眼カメラの投入

当初クライアントがもっていたUSB Webカメラ x4台を使用するてはずでしたが、やはりノートPCのUSBポートは電流不足なのかめちゃめちゃ不安定で、ハブに1つずつ挿していくと3台目、4台目あたりで認識しない、映像が止まるなどトラブル続き。カメラに加えてUSBのケーブル長を伸ばすリピーターケーブルも使ったせいもあるかと思います。またUSB Webカメラは光学ズームがなく望遠撮影ができないため、カメラ設置場所に制約がでてしまうので、持ち込みでビデオカメラ + HDMIキャプチャを使用させていただくことにしました。

その際、古いビデオカメラだとHDMI出力にOSD(タッチパネルGUI)が載ってしまったり、撮影してないと電源が落ちてしまうなど問題があり、代わりに写真用に買ったα6600を投入しました。デジタル一眼だと業務用ビデオカメラ同様に各種設定(ピント、ホワイトバランス、露出など)をマニュアルで固定したり、その設定を保存できたりして結果的にかなり便利でした。唯一光学ズームだけは電源入れ直すと戻ってしまい都度再調整していましたが、そこは多くのビデオカメラも同様です。

ビデオカメラの方が光学ズームと長時間録画の安定性の面では信頼感がありますが、本体録画しないでOBS用に映像を出力するだけのデバイスとしてみると、カメラ性能や機能面ではむしろデジタル一眼カメラいいな、という感触です。

■配信用サブモニタの設置

OBS StudioはPCにつながった特定のサブモニタに全画面プレビューを出すことができます(詳細はこちらの記事の「■OBS Studioからサブモニタをプレビュー用に使う」の項をご覧ください)。

独立のモニタに常時プログラム映像を映し、その画面全体をウェブ会議ソフトで画面共有するという体制をとりました。こうすることで常に見学者に見えている映像が確認できて良かったです。メイン画面には進行シートや見学者チャットなどがゴチャついているので、ウインドウ共有だとうっかり他のウインドウがかぶって更新されないエリアなどが出てしまいます。またOBSのUIなど余計なものが配信に映り込まず、映像をフルスクリーンでお届けできる点もマル。

今回はフルHDで配信できるよう液晶の実解像度もフルHDでサイズも手頃なこちらのモニタを導入しました。

ガチ目のフィールドモニターだと画質が良いかわりに7インチとか5.5インチとか小さめのものが主流で、老眼はじまってる目にはピント来てるかの確認などは辛いものがあります。10.8インチというとiPadくらいですが、額縁が細い分専有面積はそれよりもやや小さいくらいで手頃でした。USB Type-C(Alt Mode)なら電源供給も含め1本のケーブルで賄えるのが長所ですが、今回はUSB周りはキャプチャで過負荷状態だったので、電源は付属アダプタからとり映像はHDMI接続としました。

■NDIを使った映像送信

NDIとはNewtek社が開発しているネットワーク映像伝送規格です。HDMI入力映像をネットワーク経由で送受信するハードウェアのエンコーダーやデコーダーもありますが、OBS Studioでも送受信ともに行うことができます。

今回、HDMI-USBキャプチャでUSB周りがパンク気味だったので4つ目のストリームとしてプロジェクターに映像を出していた別PCの画面はNDIプラグインを入れたOBS同士で伝送する方式に切り替えました。ギガビットイーサネット経由でフルHD/30pだと多少遅延を感じましたが、もともと動画と静止画を映示する用であまり遅延は問題にならないコンテンツでしたし、更に途中からは送信画質を720pに落としたりしてからは遅延も気にならなくなりました。

またHDMIやUSBの問題としてケーブル長の限界があります。USBは3.0だと数メートルが限界(規格上の上限)ですし、HDMIも10mものばすとケーブルや機器の相性が出やすくなるようです。より長い距離を伝送するにはリピーターのような増幅機器が必要だったり、HDMIだと内部が光ファイバーになっている光学なケーブルなどもあるようですが、NDIだとイーサネットケーブル、場合によってはWi-Fiでもとばせるので低コストで距離が出しやすいのも特長だと言えそうです。

先日新バージョンであるNDI5が発表され、インターネット越しのセキュアな伝送や、アプリいらずでQRコードなどでURLを共有するだけでスマホのカメラ映像をNDI送信する機能が実装され、今後ますますNDIは目が離せなくなる技術なんじゃないかという気がしています。今後信頼性なども含めて検証をしていきたいテーマです。

■音声収録ミスとバックアップ録音からの救済

今回の音声はRODE Wireless GO2を使いました。実践初投入です。

マスクをしたり参加者とモデレーターの間にアクリルシールドを立てたりした環境でしたが、本製品で互いの口元にワイヤレスマイクを配置できたおかげでクリアな収録ができました。Wireless GO2は音質、安定性、バッテリー保ちなど満点でした。100分のセッションに1時間のインターバルで一日3セッション実施しましたが、インターバル時間の追い充電で余裕をもって回せました。唯一クリップで胸ポケット留めした時に、生地によっては本体の自重でおじぎをしてしまいマイクが下を向いてしまうことがわかったので、別途ネックストラップを首にかけてもらい、それに装着することにしました。長さ調節できるものを百均で買ってきて、首にかけた後で少し持ち上げるように縮めてもらえば、口元への距離も近づいてGoodでした。目立つストラップにしておけば参加者さんがうっかりそのまま首にかけて帰ってしまうリスクも軽減できるかなと。

そして今回OBSの設定ミスで、途中で追加したシーンに音声ソースが追加されておらず、画面レイアウトを特定シーンに切り替えた時だけ音が途切れる、という動画が出来上がってしまいました。そこでWireless GO2の特長である送信機内へのオンボード録音機能で残っていた音声ファイルを使い、Premiere Proで合成して事なきを得ました(デフォルトOFFなので事前に専用ツールで有効化しておく必要があります)。

送信機に残っているデータはRTX Broadcastのノイズ低減フィルターを通らない素の音で、少し音量を持ち上げてやるとさすがに少しホワイトノイズが気になる感じでした。それもPremiere Proのクロマノイズ除去で簡単に消えたので、人の声に限定してみれば音質的な素性は良いんじゃないかと思います。ちなみにRTX BroadcastとPremiere Proのクロマノイズ除去では前者の方がより声の変質が抑えられていて、自然な感じでした。RTX Broadcast >>> クロマノイズ除去 > Krispという感じかな。クライアントからも聞きやすいと言ってもらえてRTX Broadcastが使えるノートPCに買い換えた甲斐があったなと思います。

教訓:音声系統のバックアップは必ず録ろう。

■AutoHotKeyによる1キーオペレーション

プロジェクターに動画や静止画、PowerPointスライドといった資料を映して、それについて感想などを聞くステップがあり、しかも結構な頻度で行き来する必要があった為、マウスで選んでダブルクリックという手間すら惜しんで、キーボードの1~0キーで切り替えられるようにしました。

実装にはAutoHotKeyをいうWindows向けのフリーソフトを活用。設定方法については別記事にまとめてありますのでご覧下さい。

PowerPointファイルの場合、sleepコマンドを使ってファイルを開いた少し後にF5キーを送信するようにしました。

 

さすがに10キーあるとどれが何だったか忘れがちで付箋に書いて貼ったりも。

■マクロキーパッドの活用

同様にプロトタイプを実行するiPadでもモデレーター側でリモート操作する必要があり、プロトタイプ作成者にキーボードショートカットを仕込んでもらい、Bluetoothキーボードの一種であるマクロキーパッドAZ-Macroを活用しました。

PC3台、ATEM Mini Pro、キャプチャアダプタ、USBハブ、充電器などがひしめくモデレーター席で、更にBluetoothのフルキーボードを置くスペースはなかったし、キー数が少ないことで混乱なく所定の操作を一発でトリガすることができました。

AZ-Macroは本体内にキーアサイン設定を書き込むことができるので、AutoHotKeyのようなキーリマップツールを使わなくてもあらかじめ所定のキーコンビネーションを割り当てておける上、それを非Windows環境であるiOSやAndroid、ChromeOSといった端末でも再現できるのが素晴らしい点です。

■まとめ

これだけやっても結局のところ結構ミスしたり切り替え操作したりとワタワタでしたが、クライアントさんも温かい目で見守ってくれていたのでなんとか無事終わらせることができました。

ようやく対面でUTが実施できるところまで戻ってきましたが、まだまだ首都圏は油断ならない状況ですし、見学者はリモート、という流れは感染が収まっても続いてく可能性は高いので、これからも精進していきたいと思います。

なんやかんやでゲーミングノートPC含めて新規導入機材が嵩んでしまったので、これから頑張って元を取っていかねばなりませんので、お仕事のご相談お待ちしております。UT自体は自分達で回せるよという場合でも、機材や配信周りの案件でもご相談いただければと思います。

NDIを使ってTeamsインタビューの録画レイアウトをカスタマイズする

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TeamsやZoomを使ってリモートUTやリモートインタビューを実施することも増えているご時世かと思います。こうしたオンライン会議ツールはボタンひとつで録画が行われるのも便利な部分ですが、UTに使うににはやや難点あります。それは複数の画面ストリーム(UTだと、参加者カメラ、モデレーターカメラ、画面共有など)を1つの録画映像としてレイアウトする時の自由度の低さです。UTでは画面共有がメインで大きくみたいことがほとんどだと思いますが、そこの制御が自動まかせで意図通りにいかないことがあります。3ストリームが単純2×2の四分割とかになると、無駄に顔が大きく映っていて、共有画面が小さく文字が読めない、しかも1/4は真っ黒で無駄、みたいな。Zoomだといくつかのパターンから選べるみたいですが、これもやっぱり制約は残ります。画面の右上が重要だから話者は左下に置きたい、とか。こうしたレイアウトはサーバー側で組まれた状態で配信されるので、クライアント側ではどうしようもないと思っていました。

しかし、TeamsでNDI出力という機能を使うと、参加者毎、画面共有、アクティブスピーカー(自動切り替え)といったストリームを個別に取り出せ、しかもOBS Studioのプラグインを使えば独立のソースとして扱えるということがわかりました。OBS上で独立ソースとして受けられるのであれば、レイアウトは好きに組み放題で、それを録画したり別のサービスに配信したりも可能です。またこれらの映像/音声はネットワークを経由した伝送になるので、TeamsクライアントとなるPCとOBS Studioで録画/配信を行うPCを分けることができ負荷分散させることもできます。

ということで早速テストしてみました。

Teamsの映像/音声を外部送信するのはプライバシー的な問題もあって許可設定が多段になっていているので順を追って説明します。

■Teams管理者画面でNDI出力を許可する

はい、いきなりこれが一番大きな壁です。大元のところでNDIを許可する必要があります。私は個人契約なのでホイっとONにするだけですが、企業アカウントとかだと管理者に事情を説明してONにしてもらうのが大変かも知れません。頑張ってください。全員まとめてON/OFFではなく会議ポリシーというのを複数作成してわけることができるので、きちんと設定すればリスクは最低限にできるはずです。

参考までに「Teams管理センター」(Web)の画面を貼っておきます「会議ポリシー」を開くと、作成済みのポリシーセット一覧画面になるので、許可したいポリシーセットを選びます。私は個人なので「グローバル(組織全体の規定値)」を選んで丸ごと許可してしまいました。「NDIストリーミングを許可する」を「オン」にします。以下の第二、第三の壁があるので、意図せず会議が盗聴されるようなリスクはほぼないんじゃないかなと思います。

Web管理画面

■Teamsクライアントアプリ上で有効化する

次がTeamsアプリ上での許可です(ブラウザやモバイルアプリではできません)。「アプリのアクセス許可」を開くと「ネットワークデバイスインターフェイス(NDI)」という項目があるので有効化します。

PC用Teamsアプリの設定

これはトラップがあって、「Teamsアプリを起動する度にオフに戻る」仕様となっています。うっかり有効化したままにならないようにとの配慮なんでしょうが、忘れがちなので↓の操作ができなかったらここを再確認してみてください。

■会議ごとの開始操作

最後に会議中の開始操作が必要です。三点メニューから「NDIで送信」を選びます(止める時も同じところから)。

会議中に個別に開始操作

ここまでしてようやくネットワーク上にNDIフォーマットでのポートが開くことになります。

■OBS Studioで受信する

NDIはNewTek社が策定した規格なので、準拠している製品からなら送信や受信ができます。ここでは無料ツールのOBS StudioをTeamsと同一PC上で起動してテストします。

OBS Studioの基本操作はこちらの記事などを参考にしてください。

OBS Studio単体ではまだNDIに対応しておらず、別途こちらのプラグインをインストールします。Releaseページからお使いのOSにあわせたインストーラーをダウンロードしインストールします(Windows版は再起動が必要でした)。

インストール後にOBSを起動すると、ソース一覧に「NDI Source」が出現するはずです。こちらを追加してやるとプロパティ画面が開き、「Source name」プルダウンメニューにTeams会議上の参加者別のストリームが現れます。

NDI Sourceからストリーム一覧が選べる

この例だと「ローカル」が同一PC上のカメラ画像、「古田一義」がスマホから参加したカメラ画像、「共有画面」はその名の通り共有画面で、「アクティブなスピーカー」は今しゃべっている人のカメラ画像に自動で切り替わるストリームだと思います。

必要な数宇だけ「NDI Stream」ソースを追加し、ここでそれぞれのストリームを選んでやるだけです。

ちなみにTeamsはネットワーク速度にあわせて解像度を変化させていまうので、それに追随させずに大きさを固定にする方法はこちらの記事が参考になります(「余談」のすぐ上の辺り)。

「アクティブなスピーカー」をソースにする場合も設定しておくのが良いかも知れません(スマホ参加者だと縦長になったり)。

■まとめ

今まで名前くらいしか知らなかったNDIという規格ですが、色々と使い道がありそうです。Teamsから個別のストリームが取り出せるならば、インタビューをTeamsで実施しつつ、OBSで特定の画面だけ取り出したり自在にレイアウトをした映像を見学者向けにZoomで配信したりとかもできます。

またスマホのカメラ映像をNDI出力するアプリを使えば、OBSのソースに直接取りこめるので、なんらかのツールでいちどPCの画面に映したものをOBSでウインドウキャプチャする、みたいなことをしなくて済むようになり、画面の使用効率を良くなるしおそらく負荷的にも軽くなるんじゃないかと期待されます。そうしたアプリとしてはNDI HX CameraがiOS、Androidともにあります。

iOS版がちと良いお値段しますが、憶えておいて機会ができたら試してみようと思います。

他にもHDMI入力をNDI出力したり、その逆をするハードウェア製品も存在するようで、思索が広がります。

ちなみにATEM Miniシリーズで有名なBlackmagic Design社からも似たようなネットワーク映像/音声ストリーム->HDMI変換装置Streaming Bridgeが出ていますが、NDIとは互換性がないようです。どちらかといえばRTMP勢で、ATEM MiniやOBSからの配信を受けてHDMIでモニターに映すなどするものと思っておけばよさそう。NDIはローカルネットワークでのやりとりに使うものですが、RTMPならインターネット経由でも使えるので、用途で使い分ける感じですね。こちらも機会があれば試してみたいものです。

 

ノートPCでOBS Studioの負荷テスト(3カメラ、USBマイク、Teams送信)

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近く機材持ち込みUTで3カメラの映像をミックスしてTeamsに中継することになりそうなので、手持ち機材で追いつくかどうか検証してみました。

■機材説明

PC

2018年購入のDELL XPS 15 2-in-1(9575)で、第8世代のCore i7/定格3.1GHz、4コア8スレッドのCPUに、AMD Radeon Vega Mをオンチップで抱き合わせた8705Gという異色のモデル。メモリが16GB、SSDが1TBという感じ。

ゲーミングPCとまでは行かないまでも、独立GPU(dGPU)がついています。ただしOBS StudioはどちらかといえばNvidia (GeForce)贔屓で、最近ではNvidia Broadcast(音声ノイズ除去)相当のライブラリも搭載するなどして、「ノートでOBS Studio配信するならGeForce RTX搭載モデルだよね」という風潮があります。エンコード処理はCPU単体で回すかdGPUのハードウェア支援を受けられるかでかなり負荷が違うので、どうだろうなーと思っていました。

映像ソース

クライアントが所持するカメラを使用。UVC互換のフルHD Webカメラを3アングル。のでHDMIキャプチャなどは必要なし。そのままOBSの「映像キャプチャ」デバイスとして認識させられるはず。

今回のテストでは同型、同性能のWebカメラが3台手元になかったので、少し古い製品も含めての計測になりました。

  • 4K/60pのLogicool BrioをフルHD/30p設定
  • 同じくLogicoolのかなり古いWebカメラを864×480/15fps
  • XPS内蔵カメラを1280×720/30p

という設定。1920×1080/30pよりやや軽いコンディションになるので、代わりにというかタスクマネージャーのCPUグラフを「ウインドウキャプチャ」で取り込んで配置してみました。

(2021.6.15追記:フルHDx3ソースのテストも結果のところに追記しました)

BRIOはなぜかUSBハブ経由では映らず本体Type-Cポートに直結する必要がありました。ここらへん、当日のカメラでどうなるかわからないのでハブやA->C変換アダプタはいくつか予備をもっていこうと思います。

2021.6.15追記:BrioのハブはXPS9575の左側のThuderbolt3対応ポートにしたらハブ経由でも映像がとれました。

音声ソース

本番でも使う予定のRODE Wireless Go IIをUSB接続。送信機を2台起動しステレオの単一トラックとして入力。

またいつも使用しているNVidia Broadcastのノイズキャンセルが使えないので、代わりにKrispをインストールして試してみました。

設定周り

OBS Studioでのエンコード出力レートは2.5Mbps。また仮想ビデオ機能をオンにして、Teamsのカメラソースに選択し無人のオンライン会議に流した状態で計測を行いました。本番でも自分以外はすべて見学者でカメラ、マイクをオフにする想定なので、おそらくTe

■OBSでハードウェア支援は受けられる?

CPUダイにRadeon Vega Mが統合されているので、obs-media-encoderをインストールすればOBS Studioでハードウェア支援を受けられるかと思いきやメニューの現れず。

ただしIntel側の支援機能である「QuickSync H.264」が出ていたのでそれを使うことに。

■測定結果

結論からいうと「どうにかいけそう」という感じ。OBS上の読みで10%前後、タスクマネージャーによるシステム全体の負荷が50%前後で推移して30分くらいは正常に録画できました。録画したままKrispをインストールしたらOBSが落ちたのでそれはまぁそのせいだと思って一旦計測は終了。本来は90分程度のセッションになるので本番前に一度は回しておきたいところ。

そしてKrisp(CPU演算を使うノイズキャンセラー)を有効にしたところ、システム負荷が+10%といったところです。つまり60%台。一応余裕はあります。

ゲームをしながらOBSで録画/配信をするとなると厳しいですが、そういうメインタスクなしで純粋にエンコードするだけならなんとか賄えそうかなという感想です。各ソースが1080p/30pになったりするとどう変わってくるかですが、一応次のテストではこの構成でいってみようと思います。

あるいはそれまでにAMDのハードウェア支援も試してみたいところ。

追記:結局OBSでAMDのハードウェア支援(VCE)を有効にできてはいませんが、代わりにXSplit Broadcasterを使って同じフルHDx3ストリームで録画しながら仮想カメラ機能でTeams配信を行ってみたところ、システム全体のCPU使用率は50~60%の微増。かつ同時にブラウザを起動すると100%になりがちとなりました。警告ダイアログも出ました。OBS使用中でも同じ様に跳ね上がるものの80~90%台に収まる感じ。XSplitでは明示的にCPU/Intel QuickSyncVideo/AMD VCEの使い分けを指定できるので、QSVに固定してみても傾向はかわらず。XSplit自体の重さなんでしょうか。エフェクトなどは充実していてちょっと使ってみたいとも思ったんですが、今回の案件ではちょっと厳しいかな。余裕のあるリモート調査(デスクトップPCが使える時)などに試してみようと思います。

フルHD x3入力で追試

Brio、ATEM Mini Pro、AverMedia BU110を組み合わせて本番に近いフルHDの3入力体勢を組んで追試しました。結果は大差なし。むしろ下がったくらいで40%前後(タスクマネージャー読み)で録画&Teams配信できました。またソースをON/OFFしたり、入力解像度をフルHDと720pで切り替えたりしてもさほど変わらなかったことから、「入力ソース解像度に寄らず、レンダリング後の出力映像のエンコード負荷が大半を占める」ということが言えそうです。もちろんソースをOFFにする毎に僅かずつCPU負荷は下がっていくんですが、全部OFFにしてタスクマネージャーの画面キャプチャのみにしても30%台のままで、1ソース辺りの負荷は2,3%の誤差という感触でした。

OBS Studioでの録画(H.264変換)と、仮想カメラ機能を経由してTeamsがエンコードしてるのと同じ映像を2ストリームで変換してる気がしますが、どちらもハードウェアエンコードが効いているんでしょうかね。

■もしダメだったら…

近日中に予定されている接続テストで本番通りのセットアップをして検証する予定ですが、もし負荷が厳しそうとなったら、この辺りのeGPU箱を買って、自宅メイン機のRTX3070を一時的に付け替えてみようかと思っています。幸いXPS 9575はThunderbolt3に対応しています。これならばRTX Broadcastも使えた上でかなり余裕ができるんじゃないかと。

内蔵Radeonがある状態できちんと動いてくれればいいんですが、、、

もう少し安い3万円台のものもあるし、Chromaの光る要素とかは別にいらないですがw、USB3.1のAポートが4つと、Ethernetポートがついているので、ごちゃつきがちな出張荷物、配線を多少でもスッキリさせられるならこれでいっかなと思っています。

あるいはDSP内蔵オーディオインターフェイスのUA AppoloシリーズにC Suice C-Vox Noise & Ambience Reductionというノイキャンプラグインが出ていて気になっています。

これはプラグインソフトウェアをDSPで動かしPC側に負荷をかけないで音声フィルターをかけられる製品らしいのです。ただプラグインだけでも$300以上するし、ハードもDSPコア数が1つのもっとも安いものでも数万円。あわせると結構なお値段だし、そもそもこのプラグインが1DSPモデルでちゃんと動くかどうかもよくわからず手を出しあぐねています。自宅で使う分にはRTX3070 + NVidia Broadcastで特に不満がないので悩ましいです。

むしろ今後少しずつ会場実査が戻ってくるならばノート向けRTXグラフィックが載ったPCに買い換えるのが一番いいかなと思いいます。ちょうどRazerのBlade 14の新モデルが海外で発表され、中モデルが$2,200なら日本はいくらよ、、とドキドキしています。

■画面共有かカメラ映像か?

OBS Studioに「仮想カメラ」機能があるため、ついTeamsやZoomでは参加者カメラの映像として送信しがちですが、本当にそれがベストかはケースバイケースだと思います。まずZoomは基本的にカメラ映像が720pになる模様。法人ライセンスの場合は申請すれば1080p封印が解かれるらしいですが、それが難し場合は画面共有を使ってOBS Studioの画面なしろキャプチャした方が綺麗な可能性もあります。

Teamsの場合はネットワーク速度に応じて自動調整されてしまいますが、一応1080pが最初から使えるようです。

■Krisp所感

ついでにはじめて使ってみたKrispの感想をNvidia Broadcast(以下NB)と比べて。ぶっちゃけNBの方が品質は高いです。ノイズキャンセル力は甲乙つけがたいですが、フィルターをすり抜けた人の声がNBの方が自然で違和感がない。Krispのはよく聞くと人の声の中にノイズのようなクリップのようなザリザリ感があります。会場でどうにも外来ノイズが酷いようなら検討しますが、いまのところお金を払ってまで使いたいクオリティじゃないなというのが正直な感想です。

■まとめ

eGPUボックス買ったり、自宅デスクトップからRTX3070を付け外ししたりはしんどいなと思ってましたが、今回はCPUが100%に貼り付くみたいなギリギリ感はなくなんとか乗り切れそうな気がして一安心です。でもまぁファンはずっとシューシュー言い続ける状態だし、より静かに安定して実査録画ができるならeGPUボックス導入してしまうのもアリかなぁと思わなくもないです。ただIntel、AMD、NVidiaのグラボが混在してしまう状態になって、まともにOBS Studioが動いてくれるかって面も不安でいまいち思い切れないというところ。

オンラインインタビュー/プレゼン中のスライド操作を簡便化する

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ZoomやTeamsなどオンライン会議ツールでプレゼンテーションや資料共有しながら会議をすることが増えてきたと思います。そんな時、PowerPointでスライドを表示しつつ、Zoomでチャットコメントを読み書きしたり、さらに予定表を確認したりWeb検索したりと様々なアプリケーションを併用してデスクトップがわちゃわちゃしがちです。私もオンラインインタビュー等をする場合、資料提示用のパワポ、参加者プロフィールや予定表のExce、インタビューガイドのWord、Zoom/Teamsなどオンライン会議ツールのウインドウ、さらにはカメラ映像をOBS Studioで制御しようなどとすると大変です。

そんな時でも最優先でPowerPointのスライドを制御(ページめくり)したくて方法を模索しました。

ちなみに最新のZoomやTeamsではPowerPointファイルを直接共有ウインドウやバーチャル背景として選択できるようになっており、これを使うとZoom/Teamsのミーティングウインドウ上でスライドめくりボタンで移動することができかなり使い勝手が良いです。ただPowerPoint固有の機能(ペン記入とか)が制限されたり、そもそもPowerPoint以外のツールを使いたいこともあるので、今回はややマニアックな方法で実現することにしました。

完成イメージとしては、「そのアプリがフォアグラウンドにいても(=PowerPointがバックグラウンドにいても)、Ctrl + PageUp/Downを押すとPowerPointがフォアグラウンドに来た上でページが移動する」というスタイル。PageUp/Downはカーソルキーやスペースキー操作の陰に隠れて忘れられがちですが、こちらもPowerPointの標準のスライドめくりショートカットです。これにCtrlを追加することで、グローバルなキーボードショートカットにする、というワケです。普段からPageUp/Downなんて使わないよって人なら、Ctrlなしをトリガーにしてもいいでしょう。

実現方法としてはAutoHotKeyという多機能キーボードショートカットカスタマイズツールを使います。
AutoHotKeyの使い方をイチから説明すると大変なボリュームになるので、とりあえずコード例だけ。AutoHotKeyをインストール後、これをメモ帳などにコピペし、「いつでもパワポ.ahk」みたいな名前で保存(拡張子のahkはAutoHotKeyの頭文字です)し、ダブルクリックすればAutoHotKeyが起動してこの設定が読み込まれます。タスクトレイにグリーンの「H」アイコンがいれば常駐している証です。

「^PgDn::」が起動キーの定義で「^」がCtrlキーです。Altなら「!」、Shiftなら「+」に変更します。Altキーを押しながら右カーソルなら「!Right::」でいけると思います。
ミソは「if WinExist(“ahk_exe POWERPNT.EXE”)」のところで、起動中のアプリにパワポがあったらという条件設定を意味します。「WinActivate」でアクティブ化(フォアグラウンド化)し、「Send {PgUp}」で文字通りキーコードを送信しているという寸法です。

個人的にはパワポウインドウはOBSなどで見えていれば良い場合もあるので、バックグラウンドのままとか最小化したまま、仮想デスクトップの別画面に追い出した状態のまま、とかもチャレンジしたんですが上手くいきませんでした。ControlSendコマンド辺りを使ってどうにか、と思ったんですが成功しませんでした。なんか方法をご存じの方がいたら是非お知らせください。

またこの例ではあまり使っていないキーコンビネーションをトリガーに使いましたが、先日裏ブログで紹介したマクロパッドなどに割り付けて1キーで制御するのもアリかなと思います。

この手のことはElgatoのStream Deckがメジャーですが、AutoHotKeyを駆使すれば「特定のアプリに対して送信」「特定のアプリがフォアグラウンドにいる時だけ送信」などの制御も可能なため、安価に近いことが実現できると思います。

キートップが液晶で動的に変化はしませんが、既製品ではこういう小型キーボードも使えると思います。

AutoHotKeyは究めればかなり複雑な制御ができるので是非研究してみてください。

インタビュー収録に最適なRODE Wireless GOが進化してII型に

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コロナ禍で感染対策を行いつつのインタビュー収録では、マイクが肝となります。繰り返し書いて来ましたが、

  • マスクをする
  • 話者同士が距離をあける
  • 間にアクリル仕切り板を立てる
  • 換気のために窓やドアを開ける
  • 換気装置、空気清浄機などを稼働させる

など、すべてが音声収録の障害となります。通常インタビュールームでは二人の間にバインダリーマイクを1機設置で足りることが多いですが、上記対策を行うとそれではかなり聞き取りづらくなります。特に今はセミリモートで遠隔の見学者に生配信をしなければならないことも多く、後編集でノイズを消したりゲインを上げたりするのでなく、リアルタイムに品質の良い収録をする必要があります。

また先日紹介したPremiere Proを使った書き起こしなども視野にいれると、話者毎の高品質な音声収録は更に重要度を増してきます。

当ブログでは小型で便利なワイヤレスマイク、RODE Wireless GO(以下GO)を以前紹介したことがあります。

私も当初1台購入し、バウンダリーマイクの補助として使用していましたが、非常に便利だったので結局2つ目も購入し、モデレーターとインフォーマントの双方がワイヤレスマイクで収録できるように強化しました。

が、発売から1年半ほど経ち、後継機となるWireless Go II(以下GO2)が発表されました。海外で先行して発売されていましたが、一ヶ月ほどしてようやく日本でも発売が開始となりました。

■進化ポイント

もっとも大きな違いは送信機が2台になった点。受信機が1つで二人(二箇所)の音声を収録できるので、インタビュー用途にはフィットします。従来は2ペアで使うには2台の受信機からのケーブルをミックスして録音機器に入れる工夫などが必要でした。その為のオプションケーブルやカメラに2台マウントするステーなども発売されていました。

GOを2セット買うと約5万円、このステーとケーブルでさらに5千円ほどかかることも考えるとGO2の実売4万円はかなりコスパが高いと言えるでしょう(本国で$299だと思うとちょいと高い気しちゃいますが…)。値段が安いだけでなく、セッテイングがシンプルになり、バッテリー管理する機器が1つ減ることもプライスレスです。

しかも進化点はこれだけではありません。

・送信機内にバックアップ録音ができる

送信機内に24時間分の録音データが残るため、万一電波状態が悪く録音機器への送信が途切れても、あとで正常な音声ファイルをサルベージできます。更にVer1.6.0から受信機とリンクしなくても送信機の電源を入れるだけで録音されるAlwaysモードも追加され、単体のICレコーダーx2台としても使えるようになりました。

・USB-CでPCやスマホにデジタル録音できる

GOはアナログ3.5mmジャック専用でしたが、最近のPCやスマホではこのマイク端子がないことも多く、実質ビデオカメラ用という感じでした。しかしGO2はUSBデバイスとして認識できるようになったことでPC/スマホに直接挿し、ZoomやTeamsへダイレクトに音声を渡せるようになりました。iPhone用のUSB-C – Lightningケーブルも発売されます。スマホ内蔵カメラで映像を撮って、音声は2台のワイヤレスマイクで高品質に収録、なんてミニマルなセッテイングも可能です。

・伝送距離が見通し70mから200mに拡大

インタビュー用途でそこまでの見通し距離は必要ないですが、到達距離スペックが向上したということは普通にノイズ耐性も上がっていることが期待されます。特に2.4GHz帯の無線はWi-Fiだけでなく古いコードレス電話や電子レンジとも干渉しやすいので、基本スペックの底上げは有り難いです。

■早速予約して購入しました

まだまだリモート調査が多くて、すぐに必要というほどでなないですが、現在増補版を執筆中の下記書籍にも載せたいと思って速攻で予約しました。

マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書 (プレミアムブックス版)

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開封動画はこちら。

サイズ感は初代と全く同一。重さも手で持った感じは違いを感じません。液晶保護フィルムすら互換性ありそう。まだGo2用3枚セットは出てなさそうなのでこれを2セット買うか悩みます。結構お高い。

とりあえず書籍用の写真を撮ってみました。こんな感じでICレコーダー、ビデオカメラ、PC、スマホとなんにでも組み合わせられるようになったのが新型の進化ポイントでしょう。

ICレコーダーにアドオンで離れた話者2名の音声を明瞭に収録
PCにUSB接続で外部マイクとして認識。OBS、Zoom、Teamsなどの音声ソースとしても直接使用可能

付属のアナログケーブル(赤色)はカールコードからややフラットなものに変更されました。カールコードはカールコードでなにかに引っ掛けた時に千切れにくくて良かったですが、新しいケーブルの方がよりスッキリしていいかも知れません。幅は少し広めなので強度もそれなりにありそう。

付属USBケーブルはUSB A to Cが3本。これは充電にも使いやすいという配慮でしょうか。こんな感じの3ポート充電器を用意しておくと捗りそうです。

他方、USB C to CのケーブルやiPhone/iPadにつなぐUSB-C – Lightningなケーブルは別売り。RODE純正のもあるんですが30cmと長めなので、別途ショートケーブルを注文。とりあえずUSB-C to Cケーブルは自宅にあったものでも普通に使えたので、へんな制限はかかってなさそうです。

2021.4.4追記:

サードパーティ製ケーブルについて少し検証してみました。購入したのはこちらの2点。

USB-CとLightning用でそれぞれできるだけ短いのが欲しくてチョイス。USB-C用はPCでもiPad Proでも問題なく使えました。PCはArm64 WindowsのSurface Pro Xでも大丈夫。ただChromebookでは認識されているか画面で識別不能。感度で調べた限り切り替わってなさそう。これはChromebookの問題かもですね。

Lightningの方は残念ながらNGでした。公式の説明によると「Note that you must use a Lightning Accessory Cable, such as the SC15, to connect the Wireless GO II to an iOS device. This is different to the ‘charge and sync’ cable that may have been included with your device.(SC15のようなLightningアクセサリケーブルが必要で、これは端末付属の”充電と同期”用のケーブルとは別物)」とのことです。Lightningアクセサリケーブルという規格は初めて聞きました。ググってもそれと謳う製品は見つけられず。現状確実なのはRODE純正のSC15くらいでしょうか。

SC15は30cmと長いので保留。私は当面iPhoneで使う必要はないので、そのうちいいのが見つかれば買うくらいで。

(追記おわり)

送信機上のバックアップ録音はPC/Mac用設定ツールRODE Centralから有効化しておく必要がありますが、有効にしてあれば電源オンのあいだは常時録音してくれるようで、録り忘れもなく良さそう。バッテリーの減りがどれだけ変わるのかとかは記載が見当たらず。

音質や電波到達距離などはもう少し使ってみないとなんともですが、2チャンネルのワイヤレスマイクシステムとしては非常にコンパクトで多機能、ユーザビリティも高い、とコロナ下のインタビュー録りには最適な製品に進化したなと思います。

リモートUT/インタビュー時、カメラ映像に時計やメッセージを入れる

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リモート(ウェブ会議)でユーザテストやインタビューをする時、こちらのカメラ映像に時計を出せないかなとふと思いました。例えばパイロットセッションをする際、どのタスクが何分くらいかかるか目安を把握するのも重要なわけですが、画面に共通の時計が出てれば記録係や見学者の人とも疎通しやすいかなと。UTの本番ではあまりタイムプレッシャーになるようなことは避けるのが王道ですが、まぁパイロットなら利便性の方が勝るかなと。

で、パッと思いついた方法は、別PCでグリーンスクリーン上に時計(ストップウォッチ)を表示した画面を作って、ATEM Miniでクロマキー合成する、というやり方でしたが、少し調べてみたらもっと簡単にソフトウェアだけで実現可能でした。

■OBS Studioの「テキスト」ソースを使う

OBS Studioは本ブログでも以前に取り上げたフリーの配信ツールです。最近のアップデートで仮想カメラ機能が搭載されました。仮想カメラというのはOBS Studio上で作った画面を、あたかもWebカメラ入力であるかのように見せかける仕組みです。これをONにすると(右下のボタンで「仮想カメラ開始」をクリックするだけ)、ZoomやTeams、Skypeといったウェブ会議ツールのカメラ選択メニューに「OBS Virtual Camera」が出現し選択できるようになります。

そしてOBS StudioにはWebカメラを初めとする様々な映像入力ソースに加え「テキスト(GDI+)」という項目があり、OBS上で指定した固定テキストもしくは特定のテキストファイルの中身を画面上に指定したフォントやサイズで合成することができるのです。テキストファイルを指定した場合、その中身はリアルタイムで反映されるので、時刻やタイマー、ストップウォッチを文字列で「00:00:00」みたいに上書き保存し続けるソフトさえあれば、、、ということで、まさにそれをしてくれるソフトがSnazです。

このOBS StudioとSnazの組み合わせはこちらの記事で知ることができました。詳しい設定方法などもこちらをご覧ください。

OBSでカウントダウンや時計が表示できるタイマー”Snaz”の使い方 | しふぁチャンネルのゲーム実況ブログ (shifa-channel.com)

で実際にウェブ会議で使う想定で作って見たレイアウトがこちら。フォントカラーの他に縁取りの色や太さも指定できるので背景映像に埋もれて醜くなるのを避けることができます。

■時計以外にもテロップを入れられることの価値は?

OBSは複数のソースを自在に重ねることができるので、ついでにインタビュー中の話題をテロップとして入れてみたらどうかな?と思って画面下部に字幕のように入れてみました。こんな感じでインタビュワーが聞きたいことや、ユーザテストでのタスク内容、ダミー個人情報のような提示情報を重ねられると便利なんじゃないでしょうか。多くのウェブ会議システムでは画面共有機能があるので、メモ帳でもWordでも使って映せばイイジャナイ?と思われるかも知れません。しかし、ユーザテストではそもそもユーザがプロダクトを操作する様子を画面共有を使って映してる場合もあり、そのチャンネルを占有しないで簡単な情報を伝えられるメリットはあるんじゃないかと。

また複数行も扱えるので、議事録テキストファイルを指定すれば、こんな感じで記録を参加者間で確認しながら会議を進めることもできるかも知れません。設定画面内の「チャットログモード」という機能を有効にすると、テキストファイル中の指定した最後の行数だけを表示してくれる(UNIXでいうtailフィルタ)ので、書き進めるにつれてスクロールしていく感じになります。

■簡単な専用ツールを作ってみようかなって

基本的な機能としてはOBS Studio単体で実現できるんですが、実査/会議中にリアルタイムでテキストを書き換えるのはちと手間です。要はテキストファイルに都度落とし込めばいいので、例えばインタビューのスクリプトに沿った話題の見出し一覧をクリックするとそれが書き出されるとかいうツールがあったらヨサゲ。実際、OBSの標準機能だとセンタリングや折り返しに制限があるので、いい感じに前後にスペースを入れてくれるような処理を入れるといいかも。

また議事録モードに関しても、任意の箇所にスクロールして戻る、みたいなことが標準ではできないので、そういう部分も考慮したテキストファイルをリアルタイム生成する、みたいな。

そんなに難しい仕組みではないので、たぶん1日仕事でしょう。.NET 5.0の練習にいいお題かも知れない。年末年始の宿題ですかね。

 

 

Zoomなどのリモート会議に電話の通話を流す概念実証

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みなさん、リモートUT/インタビューしていますか?コロナ禍の下、私もぼちぼちそんな案件をやらせていただいています。Zoomなどのウェブ会議ツール上でインタビューやユーザテストをし、クライアントもそこに入って見学/傍聴をするというスタイルです。

今回もある案件の準備をしていて参加者募集のアンケートを業者さんに作ってもらっていたんですが、その中で「もしネットが不調だったら電話参加に切り替えるかもです」みたいな一文があってちょっと気になりました。

ZoomにはPC/スマホがない人向けに、電話で音声参加する手段が提供されています(有料サブスクリプションのみ)。ミーティングIDと一緒に電話番号が発行され、参加者はその番号にかけるとみんながいる会議室につながるという寸法です。しかし日本向けの番号はフリーダイヤルではなさげなので、もし参加者が今時の20円/30秒の通話プランだと一時間話したら2,400円にもなってしまいます。これはちと申し訳ない。しかもZoomでプレミアム音声オプションを契約してないとなので、クライアントのプラン次第ではそもそも使えない場合も。

ということでモデレーターであるウチの設備を使って電話の通話をZoomの通話にミックスできないかというテストをしました。

■通話し放題プランの携帯電話

私も普段はほとんど電話しないのでメインのdocomo回線のiPhoneは1回5分まで無料の通話パックをつけています。2020年12月時点で+700円/月。これをかけ放題にすると+1,700円/月なので1,000円上乗せ。まぁわかっていれば案件のある時だけ保険で変更しておいてもいいかなくらいですね。

ただ今は楽天UN-LIMIT契約のGalaxy Note 10+があるので、今回はこちらを使います。専用アプリから発信すればかけ放題です。これが3月まで無料!

■音声経路の整理

今回もモデルケースではA) モデレーター(ウチ)、B) 参加者、C) 見学者の3者がいます。

AとCは携帯電話、AとBはZOOMでつなぎます。Bの声はAを通じてCへ聞こえる必要がありますが、Cの声はBに聞こえる必要がありません。またAの声はBC両方に聞こえる必要があります。

今回はこれを先日導入したUSBオーディオI/FにもなるフィールドレコーダーのZOOM F6を使って実現します。他のUSBオーディオI/Fにもなれるミキサーでも可能なはずです。ちなみに日本のレコーダーメーカーのZOOMとウェブ会議システムプロバイダーのZoomは無関係です。どっちもロゴはzoomみたいな小文字っぽい表記でどう書き分けるのが正しいのでしょうね。とりあえずレコーダーメーカーはZOOM、ウェブ会議はZoomとしておきます。

このF6のスゴさはまた別記事にて。

■ケーブリング

F6にはXLR端子の入力が6系統あります。ここにAの声とBの声を入れる必要があるわけです。まずAの声は適当なマイクを用意します。問題はBの声です。一昔前ならスマホにイヤホンマイク端子がありましたが、今ではそうもいきません。LightningやUSB-C端子からオーディオ入出力ケーブルを使って取り出します。今回はGalaxyなのでUSB-C、またアナログ側はイヤホンとマイクがそれぞれ別口になっていた方が配線しやすいので、こちらのアダプタを購入しました。

iPhoneなどオーディオ変換アダプタはついてるけど4極の1口タイプだって場合はこういうのを買い足してわけてやります。

今回はミキサー側がXLRなので更にこういう変換アダプタも用意しました。

【国内正規品】RODE ロード VXLR TRS-XLR変換コネクタ VXLR

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逆にミキサーからAの声をスマホに戻すには、F6のヘッドフォン端子と上記アダプタのマイク端子をミニ<->ミニプラグのケーブルでつないでやります。

これでミキサーとスマートフォンで音声の入出力がともにつながりました。

■ZOOM F6設定メモ(自分用)

ダイヤルのフェーダーで臨機応変にボリュームが変えられるよう、入力設定のトリムであらかたの音量を揃える。スマホからの入力が+35db、マイク(MS2)側が+53db。マイク側はファンタム電源の設定も。

スマホからの音声がスマホへ戻らないように、出力->ヘッドフォン出力->ルーティングを開き、スマホ入力ソースがOFF(クリア)されていることを確認。

最後にシステム->USB->オーディオI/Fで「ステレオミックス(PC/Mac)」を選択。これでPC側からは「ZOOM Recording Mixer (ZOOM H and F Series Audio)」というサウンドデバイスとして認識されるので、ZoomやTeamsのマイクソースとして選択する。

残念ながらこの状態ではF6側の録音はできない模様。録音フォーマットを「AIR with Rec」モードを使ってPCに認識させればできそうだけど、WindowsではASIOデバイス扱いになるので、Zoomなどのマイクソース選択メニューに現れなかった。

またCの音声をBにも回したい場合は、ループバック機能を使えばできそう。ただUSBループバックの音声はF6上で音量調整できないぽいので、PCのヘッドフォン出力からアナログで別chに入れた方が制約がなくてやりやすそう。いずれにせよBの声をミキサーにつないでしまうとAがモニタリングする方法を別途考えなければならないかも。それをスピーカーから出すとマイクが拾ってしまうのでヘッドフォンにしないとならなかったり、とにかく指数関数的に面倒くささがますのでとりあえず本当に必要になってから考える。

 

というわけで、実際に必要な場面が来るかどうかもわからないですが、いざとなったらできそう、というメモでした。

 

ATEM Miniのお供に最適なワイヤレススクリーンレシーバーj5 ScreenCast JVAW56

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ユーザテストでスマホ画面を観察室のモニタに映したり録画したい時ってどうしていますか?

例えばiOSなら

  • Lightning-HDMIアダプタで出力
  • MacにLightning-USBケーブルでつなぎ、QuickTime Playerなどで表示・録画
  • AirPlayを使ってAppleTVや互換ソフト(ReflectorやAirServerなど)へ表示

またAndroidならHDMIへ出せる機種が減ってきていて、ワイヤレスになると思いますが、

  • Miracast
  • Google cast (Google)
  • Smart View(SAMSUNG)
  • Screen Share (LG)

など規格がバラバラで客先毎の対応に困ることがあります。例えば参加者のスマホを使ってもらってう場合など、事前にテストもできなかったり。

 

よく使っているのはReflector 3というレシーバーソフトです。これ一本でAirPlayとMiracast、Google castを受け、録画することもできるMacおよびWindows用の有料ツールです。有料といってもOS毎2,000円くらいなのでリーズナブル。ただ現状で配信機能はないので、ZoomやTeamsに配信しようと思ったらそれらの画面共有機能を使って配信する形になります。スマホからのWi-Fi経由のストリームをデコードして、それを画面に表示してまたエンコードする、みたいな。また1画面のみの配信ならいいですが、実際にはカメラ映像とPinP合成したりとかもする必要があったりして、さらにOBS Studioなどのミキサー/配信ソフトも必要になります。あれやこれや全てソフトウェアで処理するとなかなかの性能のPCが必要になります。

そこでせっかくATEM Miniがあるので、HDMI出力で出せるワイヤレスレシーバーが欲しいなと。とある会社さんではFireTV Stickを利用していました。これは標準ではMiracastレシーバーを搭載しています。またAirPlayやGoogle castはアプリを入れることで利用可能になります。端末も安いしいいかも。

 

Chromecastもお手頃価格ですが、どうも全出力に著作権保護がかかるらしく、ATEM MiniのHDMI入力に入れると映像が真っ黒になって利用不可でした。

そんなこんなで、多様なスマホのスクリーンキャスト規格に対応できる体制を作るにはちょっとノウハウや複数の機材の組み合わせが必要でした。

そんな折りにふとニュースリリースを見つけたのが台湾のj5 create社が発売したScreen Cast JVAW56です。

本製品の特徴として、

  • 一台で対応するキャスト規格が多い
  • Wi-Fiが2.4GHzに加え5GHzにも対応
  • 非常にコンパクト(まるでHDMI-USBケーブルのよう)
  • 出力は最大1080/60p(高フレームレート)
  • お手頃価格(購入時10%クーポンで6,282円)

という感じ。macOSはAirPlay、WindowsはMiracastに標準で搭載しているので、iPhone/iPad/Mac/Windowsとほぼ大多数のAndroidを1台でカバーできます!

Wi-Fiは以前2.4GHzのAndroid端末で目に見えて動きがガタガタになったことがあり、5GHz対応は有用だと思いました(端末が2.4GHzオンリーだと意味ないですが。または2.4GHzオンリーなグレードの端末だったからガタガタだったという可能性も)。

「ちょっとコネクタが大きいケーブル」というサイズ感は「一応バッグにいれとこうかな?」って感じがして良いです。片側がHDMI、もう片側はUSBになっており、HDMI側をテレビやプロジェクターに挿し、USB側は電源をとる用なのでUSB充電器やモバイルバッテリーに挿します。5V/1AでOKのようなので、比較的小さい/古い充電器でも使えます(充電器は付属しません)。HDMIポートとUSBポートが物理的に離れている時のために、60cmのUSB延長ケーブルも付属します。

ちょっとコネクタの大きなケーブル?的な外観

個人的には4 HDMIスイッチャーであるATEM Mini Proにワイヤレス入力を追加するバディガジェットとして最適かなと感じています。この手の互換キャストデバイスとしてはAnyCastのようなドングル形状のものがよくありますが、ATEM Miniのように複数のコネクタが並んだ機器に挿す時に隣のポートに干渉するリスクがあります。その点、本製品なら普通のHDMIケーブルくらいのコネクタ幅なので問題なしです。

■接続テスト

HDMI映像機器とUSB充電器につないで映像機器の電源を入れるとこんな画面になります。

本製品の待機映像(Wi-Fi設定済み)

既存Wi-Fiへの接続設定がない場合は、「ScreenCast-xxxxxxx」のようなSSIDのWi-Fi電波を飛ばすので画面に出ているパスコードを使ってスマホやPCから接続し、ブラウザで192.168.203.1にアクセスすれば設定画面に行けます。そこで既存Wi-FiのSSIDとパスワードを設定してやると、LANにつながります。この状態で(各端末も既存Wi-Fiにつないだ状態で)各OS別のインストラクションに従って本機にキャストをすればネット接続を維持した状態で画面を本機に映すことができます。既存Wi-Fiを使わない状態で、端末を直接「ScreenCast-xxxxxxx」につないでキャストすることもできますが、その場合は端末がネットに出られなかったり、LTE経由での接続になったりするので注意が必要です。基本的にはまず本機を既存Wi-Fiにつなげておくのがオススメです。

一度設定したWi-Fi情報は本体に記憶されるので、次回は電源を入れるだけでOK。もし場所を移動して設定済みのWi-Fiを発見できないまま一定時間が経つと自動的に「ScreenCast-xxxxxxx」電波を飛ばしてくれるようです。

とても親切な本画面ですがややゴチャゴチャしているので、自分でカスタマイズした静止画像に差し替えられるといいなと思いました。その利用場面に最適化したインストラクションのみを表示したり、自社ロゴなどが入れられるとヨサゲ。一番上の部分はステータス表示なので消えたら困るでしょうが、星空の壁紙のエリアだけ刺し替えるとか、刺し替えた壁紙の上にステータスをかぶせるとかでいけると思うので、是非今後のファームウェアで実現してほしいなと思います。

テスト結果は上々。iPhone(AirPlay)はもちろん、Pixel3XL(GoogleCast)、Galaxy Note10+ (Smart View)、Surface Pro X(Miracast)からのキャストができました。ATEM Mini Pro経由でOBS Studioに収録もできました。Chromecastのように無条件に著作権保護していて真っ黒、なんてことがなく安心です(ただし説明書によるとAmazon PrimeやNetflixなど著作権保護されたコンテンツを再生すると真っ黒になる場合もあるようです。映画などを大画面に映すようにお考えの場合は個別に対応状況を御確認ください)。

少し気になったのは唯一Pixel3XLからのキャストで縦画面の時は解像度が低いかのように文字などがガタガタになりました。GoogleCastの問題かPixel3XL固有の問題か不明。横画面にすればそれなりに綺麗。たまたまピクセル数比がジャギり易い組み合わせだったとか?

設定画面にSAMSUNGのSmart ViewとLGのScreen Shareという表記がありますが、これらがGoogle Castとどの程度互換性があるのかは不明。実質はほぼ同じでマーケティング上差別化した名称を用いているだけ(DLNAを”お部屋ジャンプリンク”といってみたりするアレ)な気もします。もしくはMiracastとGoogle Castに区別なくつながりますかも。いずれにせよAndroidブランドを選ばずつながってくれるのは心強いです。

まだ実践投入はしていませんが、テスト結果は上々。ちょうどワイヤレス接続を使いそうな案件の打診が来ているので、早速活躍してくれるかも知れません。

 

 

 

 

 

ウィズコロナ・ユーザテストのセッテイングで工夫したこと

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先日、6,7月はインタビューを2件ほどやりました。新コロナ感染防止のため、クライアントは見学に来られず、オンライン会議ツールに映像、音声を流す形での実施となりました。1件はモニタさんもリモート。1件はモニタさんとモデレーターは同じ会場で、クライアントのみリモート、という感じです。特に後者では会場での感染防止策としていくつかルールがあり、それに対応するセッテイングに苦心したのでメモしておきます。

ウィズコロナの会場調査で、実施会場側から指示されたのは、

  1. 双方マスクの着用
  2. 飛沫感染防止の為、モニタさんと距離をとり、間にアクリル板を設置
  3. 定期的な換気

でした。これらの全てが音声収録に悪影響を与えるので、従来のセッテイングでは声が聞き取りづらいというセッションがありました(ほぼ大丈夫だったのですが、やや話し声が小さい方のセッションで見学者から複数回「なんとかしてくれ」と要望がチャットでとんできました)。

■バウンダリーマイクでは厳しかった

私がよくやる1on1のユーザテストやインタビュー調査では通常卓上にバウンダリーマイクを設置します。こんなやつですね。

「録ってます」感が希薄なのが長所です。これらは見た目では区別つきづらいですが、指向性が360度(無指向性)のものと、前方に指向性がついたもの(厳密には後方を集音を押さえたもの)があります。単純に広い方がいいというものでもなく、1on1で二人が並んでいるようなレイアウトならそれをカバーできるギリギリの狭い指向性をもっていた方が、後ろ側にあるノイズは押さえられて聞きやすくなります。

無指向性マイクの場合

 

指向性マイクの場合

 

ところが、ウィズコロナ・レイアウトの場合、二人の距離がソーシャルディスタンスで離れるので、

ウィズコロナ・レイアウトだとカバーできない

その分、感度の高い(=距離が稼げる)マイクにするか、ノイズ覚悟で二人のど真ん中に無指向性マイクを設置するか、といった感じ。

さらにもう一つ問題がありました。定期的な換気が義務づけられていた為、窓やドアを開けたりサーキュレーターを回したりで外来ノイズが増えたのです。つまり、声が遠い上にノイズが多いという二重苦でS/N比が下がってしまい、結果として録音&中継している音声が聞き取りづらくなってしまいました。

少なくとも手持ちの3万円クラスのバウンダリーマイクではあれこれ向きや位置を工夫しても、やや声の小さなモニタさんだと厳しかったです。より性能の良いマイクなら良かったのも知れませんが、それはそれでノイズも高感度で拾ってしまうので、結果的にハイパス/ローパス・フィルターをかけたり、今ならRTX VoiceKrispといったソフトウェアのノイズキャンセルフィルタを組み合わせる必要があるかも知れません。RTX Voiceは効果は高いですがNVidia製の最近めのグラフィックボードが必要なので持ち込みノートPCでは利用できませんでした。Krispはサブスクなのでまだ試してないのです。

■結局ワイヤレスマイクを投入

で、今回の業務では以前使って評判のよかったワイヤレスマイク、RODE Wireless GOを再投入しました。

ワイヤレスマイクシステム RODE Wireless GOがとても良かった

出し惜しみしたのには理由があって、ワイヤレスマイクの弱点、注意点として、

  • その場の電波状況に左右されるリスク
  • 電池切れを起こすリスク
  • モニタさんが身につけたまま帰ってしまうリスク
  • モニタさんとの接触機会を増やす=感染リスク

があります。Wireless GOはカタログスペック上、フル充電で7時間保つことになっていますが、一日で60〜90分×数セッション行うUT調査では合間に充電しないと不安な数字です。またセッションの合間合間にそういう気を配らないとならない些事が増えるのは望ましくありません。

また最悪、モニタさんの胸元につけたマイクをうっかり取り外し忘れて帰られてしまうと悲劇です。後日回収できたとしても当日のセッションでは使えなくなってしまいます。

またせっかく距離をおいたりアクリル板をはさんでいるのに、一時的とはいえ近づいたりマイク自身を互いがベタベタ触るのはウィズコロナとしては避けたいものです。

乾電池式のものを使うとか、しっかり気をつけるとか対処はありますが、バウンダリーで済むならそれに越したことがないというのが正直なところです。

ちなみに今回は少しでもリスクを低減する工夫として、「モニタさんを送り出す時に使うカードキーホルダーにWireless Go送信機をクリップでつけ、モニタさん直近の卓上に置く」という手を取りました。

それで充分に聞こえれば接触不要で持ち帰られる心配もあります。で、もし声がどうしても小さくて聞きづらい方がいらした時だけ、それを首にかけてもらいます。女性の服だと胸ポケットなど取り付けやすい場所がないことも多いので、その対策も兼ねています。最後に出口にお送りする時に必ず使うカードキーと一体化することで、持ち帰りも防げる、というワケです。またそれを机上ノイズ(タイプ&クリック音など)除けと、マイクの向きを調整しやすくする意味で、下にタオルやハンカチを敷くのもオススメです。今回は最後の方で投入したので、結局首にかけてもらうケースまでは発生しませんでしたが、とりあえず見学者からのクレームはなくなったので良しとします。なおモデレーターの声はバウンダリーで拾ってミックスしました。

取り回しや安定性ではバウンダリーが理想だけれど、距離をとったりノイズが増えがちなウィズコロナ・レイアウトだとワイヤレスマイクを一人一台装着するのが理想かなぁというところです。見学者側も慣れないリモート視聴で聞き疲れしやすいので、少しでも聞きやすい声で配信したいものです。

Wireless GOは同じ場所で2台使っても混信とかはなさそう(公式にOKとは書いてないけど結構使ってる人いて平気みたい)なので、もう一台追加購入してモデレーターとモニタに一台ずつつけられるようにしようかしら。そういえば最近ホワイトが出てますね。白黒一台ペアだと取り違えも置きにくくていいかも。

また、とりあえずWireless GOをハンドマイク型にするスティック型オプションも買ってみました。

これは本来インタビューワーが手持ちで相手の口元にマイクを向けるためのものですが、これを介することで一般的なマイクスタンドに取り付けが可能になるので、よりモニタさんの口モノに配置ができます。Wireless GOはパッと見でマイクだとわからないデザインなので、下手な自作スタンドで高さを出すよりは、見た目「マイク!」って感じの方がわかりやすいかなとか。まぁ本来はあんまりマイクを突きつけるような形にはしたくないんですが、、

■いきなりステーキ型マスク

ついでにマスクの

  • 聞こえにくさ、
  • 蒸れやすさ
  • 表情の伝わりにくさ

を考慮して、モデレーター用に口元のみのシールドを使用してみました。一般的な呼称がわかりませんが、私は「いきなりステーキマスク」と呼んでいます。いきなりステーキの店員さんがやってるヤツです。実際それでググるとちゃんと商品が見付かります(笑)。

笑顔の見えるマスク10個入り

笑顔の見えるマスク10個入り

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ちなみにフルフェイスのシールドは手元のデバイスが反射で見辛くなることを考慮するとナシかなと思っています。会場のルールでは「マスクをせよ」ということになっているものの、マスクの定義は曖昧だったので一応現場担当者に了解をとりつけましたが、飛沫ブロック力としては通常の不織布マスクよりは劣るかも知れません。是非富岳さんにもこのタイプをシミュレーションしてほしいものです。

顎で支える仕組みで最初違和感がありましたがすぐ慣れました。それより紐が少し短くて耳の痛さが気になりました。次の実査では各種痛み軽減グッズを試してみようかと思います。

■そんなこんなで、、

ウィズコロナ対応セッティングのノウハウを少しずつ蓄積しつつ、どうにか実査を回しています。ご相談、ご提案はお気軽にお寄せ下さいませ。