Wireless GOを首から下げるアダプタDIY

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前記事でWireless GOの新クリップオプションも評価しましたが、やはり次々と使用者が入れ替わるユーザーテストや商品インタビューのような用途ではネックストラップが一番手早いなということで、ワイゴーを首から吊すための方法を検討しました。

なお、UT/インタビューが捗りまくりなRODE Wireless GO2のレビューはこちらをどうぞ。

■首から下げるための様々なトライアル

Wireless GOシリーズは背面に胸ポケットなどに留めるクリップがついています。ぶっちゃけ適当な紐をここにひっかけて首に下げれば済むっちゃ済む。

ただマイクをできるだけ口元近くに持ち上げる為、こういう長さ調節機能のあるストラップを使いたかったのです。

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このストラップは本来社員証やカードキーを首にぶら下げるためのもので、先端の様々なパーツが選択可能になっているのですが、Wireless GOに留めるにはどれもイマイチでした。

(余談ですがこのストラップの紐は材質がPETとなっています。ポリエステル記事にアレルギーがある人にはあまり適さないかも知れません。そういう対象者が現れ、かつ襟のない服だった時のために代替手段を用意しておくと良いでしょう。自分も綿とかの素材のものを探してみようと思います。)

まず簡単なのはマグネットでつける方法。Wireless GO用のオプションでMagClip GOというのがあります(上述のFlexClip Goにも含まれます)。

これはクリップ部分にとりつける金属プレートカバーが含まれており、取り付ければ下の写真の白いRODEロゴがある部分が磁石のくっつく鉄板になります。

ホームセンターで入手できるパーツで自作したアダプタ

ということで、それを利用したものが上の試作治具です。右はただの金属プレートにリングを通したもの。これ自体に磁石がつくので、MagClip Goの磁石の両面にこれとWireless Go本体をサンドしてくっつけます。MagClip Goの磁石はかなり強力なのでバチーンと固定できます。ただ金属プレート+金属リングがカチャカチャ鳴ってマイクが拾ってしまう可能性がありそうで微妙。

次に作ったのが左のネームプレートに磁石を両面テープ止めしたもの。

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MagClip Goが2,300円ほどすることを別にすればかなり安上がりです。見た目はアレですがプレートを黒く塗ればマシになるでしょう。逆に初代Wireless GOのホワイトモデルの人はこれもアリ?

既にMagClip GOをもっている自分だけならここで満足するのもアリでしたが、ちょいちょいクライアントにも推奨機材として紹介するので、MagClip GO抜きで実現できるソリューションを開発したいと思いました。また強力なマグネットは時としてトラブルの元にもなるので、マグネットフリーにしたかったという理由も。

■3Dプリンターで自作!

といことでお正月休みを使って久々にCADソフトを使って設計してみました。ワンオフなのでプラ板や金属板などをカットして作ればいっか、と思っていたんですが、よくよくWireless GOを眺めると背面のクリップ付け根部分は無駄に(?)複雑な造形をしていて、綺麗に沿わせるにはCAD使った方がいいかなと。

FreeCADを使用。昔使ったFusion360よりとっつきづらかった…

3Dプリンターはないので.STLデータをDMM.makeのプリントサービスにアップロードして出力注文。毎度素材選びには悩みまくりですが、とりあえずある程度弾性があって割れにくそうなもので、短納期、低価格だったMJFという素材をチョイスしてみました。ナイロンベースの粉末素材を薬剤で固めてつくるようで、積層痕も目立ちにくいようです。研磨オプションは素材の厚み的にギリギリだったのでつけずで、表面は結構ザラザラしています。お値段は1,890円でした。量産品ではないのでまぁこんなものでしょうか。最近は機材を自前で揃えたいクライアントの相談に乗ることも多いので、その時にWireless GOリシーズを選定させていただいたお客さんには1つサービスで進呈してもいいかなくらいの価格です。

3Dプリンターで自作したアダプタ(Do-guganロゴ刻印入り)

上述のストラップと組み合わせてWireless GOに取り付けてみた感じ。横幅を本体幅にあわせたのでいい感じ。ストラップに付属しているフックやループパーツは使用せず、直接固定されているプラリングを使ってぶら下げています。

WirelessGO2に装着した状態

ロゴの部分をクリップで挟み込んでいる感じなのでガタついたりもしない感じ。ただ長時間身につけていると多少はズレて傾いたりはするかも。穴のサイズをもう少しギリギリに狭めればいいんでしょうが、手元に3Dプリンターがなく、毎回上記コストと数日の時間がかかるので一旦はこのままかな…壊れたりなくしたりして再発注する際にはもう少し調整するかも知れません。

首下げイメージ

実際に首に下げてみた感じ、しっかり上面のマイクが常に上を向く感じで良いです。

実際に実務で使ってみて、

  • すぐに壊れてしまわないか
  • マイクに擦れ音などノイズが入らないか
  • 向きがズレていったりしないか

などを評価していく予定ですが、とりあえず欲しい!という方のために、DMM.makeのクリエーターズマーケットというサービスがあり、3Dプリンターの知識がない人でも簡単に素材や色を選んで注文できるようになっていますので、そちらでの出品しておきます。

またご自身で3Dプリントできる環境がある方向けに生STLデータはGitHubに公開しておきます。充分な検証はしていませんが、as isでお使いになりた方はどうぞ。

Wireless GOの追加クリップ3種 FLEXCLIP GO

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昨年の実査でも大活躍だったRODEの小型ワイヤレスマイクシステムWireless GOシリーズに新しいクリップパーツが追加されました。既発売だったマグネット式おMagClip GOを含む3種類の固定具がセットになったFLEXGCLIP GOです。

MagClip GOは単品で販売されていたものとほぼ同じですが、マグネットプレート側の質感、デザインがやや変わっています。

CrossClipは前留めのシャツの合わせ目にはさんで留めるタイプのクリップで、右前でも左前でも対応できるように左右にクリップが対になってついています。

VampireClipは安全ピンが2本、牙のように生えていることに由来するネーミングなんでしょうが、ちょい微妙でした。

自分がそうでしたが写真ではどう使うかいまいちイメージがわかない方もいると思い、元旦早々動画撮ってみました。

一日に何人も参加者が入れ替わるユーザテストや製品調査系のインタビュー業務では、標準クリップも含めどれもイマイチで、結局ネックストラップで首からさげてもらうことが多いです。ただこれだとWireless GO本体がおじぎしてマイクが口を向かなくなってしまったり、ストラップを付け外しするさいにWireless GOが外れて床に落ちたりということが頻繁に起きるので、今年は自作のストラップ吊り下げ治具を作成したいと思っています。

動画眼3の公開ベータ版をリリースしました

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2022年、あけましておめでとうございます。

秋ごろから取り組んでいた動画眼の新バージョン、動画眼3の公開ベータ版をリリースしました。なんとか2021年末を目標にしていましたが、やたら仕事が立て込んできて、仕事納め後に最終調整して大晦日も作業していたんですが、結局日をまたいでしまったので元旦リリースとしました。

残念ながら正式版としての公開は間に合いいませんでしたが、機能的にはほぼ完成していて、この後は配布方法の調整(ストアで配布するかとか)になりそうなので、まずは気軽に試せるインストーラー形式でも配布しておくという意味もあって一旦ベータ版として出すことにしてみました。是非お試しいただきフィードバックいただければと思います。

2022.1.7追記:

GitHubリポジトリも公開しました。改善要望やバグレポートなどはこちらのIssuesに直接投稿していただいてもOKです。

■ついにMacに対応!

2019年にフルスクラッチで再構築した動画眼2から2年半でまたもフルスクラッチした動画眼3の最大の見どころは、ついにmacOSに対応した点です。ElectronというWeb技術をベースにしたプログラミング環境に移植することで、ほとんど追加の手間なくWindows用とMac用に両対応させることができるようになりました。自分でもMacを使うことが増えてきていて、Windowsでしか使えない動画眼2をメンテナンスするよりも、ここで頑張ってまたゼロから作り直す手間をかけてもElectronベースに移行しておこうと決心したのです。現時点ではようやく動画眼2相当の機能を盛り込んだというレベルで、2->3になって新しくできるようになったことはそれほどないんですが…

両対応するにあたって、各OS標準のキーボードショートカットとのコンフリクトを避ける意図で、従来シリーズのショートカットから一部変更になったものがあります。特に再生、一時停止のCtrl + SpaceはmacOSではIMEの切り替えなどで使われるので、今回、前後スキップのCtrl + Q/Wと並んでCtrl + Eに変更してみました。個人的には左手小指をCtrlキーにおき、薬指、中指、人差し指をQ/W/Rキーにおいておくとなかなか効率が良いかなと思います。ただし左Ctrlキーが左Shiftキーの上にないWindowsの日本語キーボードユーザも多いと思うので、今後なんらかの手当(ユーザカスタマイズなど)を検討したいと思っています。

またElectronは内部的にはブラウザのChromeを丸まる抱えているような構造で、メディア再生周りもHTML5技術ベースになります。その影響で、対応可能な動画形式がかなり限定される結果となりました。ただデファクト中のデファクトであるmp4は問題なく扱えるので現実としてそう困ることもないかなという割り切りです。またブラウザベースでインストール不要の動画眼Liteを活用するための推奨動画フォーマットはmp4となるので、ご理解いただければと思います。

正式版までの目標

今後、動作検証も兼ねて自分でも実務で使い、細かい調整やバグ修正をしていきつつ、正式版では以下の点を目指しています。

  • コードサイニング証明書によるデジタル署名
  • 自動アップデート機能の実装

1つ目は主にインストール時の警告抑止のためです。Windowsだと結局ダウンロード実績がないとSmart Screen警告が出てはしまうのですが、一応身元表示が出るだけいいかなと。また最終的にMicrosoftストアやMac AppStoreなどでの配布も視野にいれており、そのためのマイルストーンとして念願のコードサイニング証明書取得にむけて手続きを進めているところです。

2つ目は、やはり当サイトを熱心にチェックいただいてる方ばかりではないと思うので、アプリを起動するたびに自動的に新バージョンをチェックしてお知らせするようにしたいと思います。実はこのためにもコードサインが必要だったりして、1つ目とセットで今後の課題としています。

■動画眼のその次

動画眼は基本的に動画ファイルに対してメモをチャプターとして打ち込んでいくツールで、UTやインタビューの事後分析のためのツールです。セッション中にリアルタイムで入力するために動画眼Noteがありますが、今後はこれを大幅に刷新していく予定です。単にセッション中の記録だけでなく、事前のタスク設計や事後のまとめ作業などUT実務のより広いプロセスをカバーする統合ツールを構想しています。これこそWin/Mac両対応にしたいと思っての、その練習として先に動画眼3に着手したようなものです。Electronにもだいぶ慣れてきたので、今年はいよいよこちらの新ツールにも取り組んでいきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

今年UT/インタビューに導入して良かった機材紹介 2021

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今年は後半にちょいちょい会場実査を実施できるようになってきたものの、やはりトータルとしてはリモートが多かったです。基本、会場だとハード、リモートだとソフト面での機材やノウハウが中心になりますが、それぞれについて「今年これが役に立った!」というのを紹介してみたいと思います。

■ハードウェア編

OBSBot Tiny(パンチルト制御できるWebカメラ)

まだ2実査ほどしか使ってないですが、個別記事をまだ書いてなかったのでここでトップに挙げておきます。

Webカメラです。普通のWebカメラとの違いはパンチルト(上下左右に向く)機構がついている点と、それを使ってAI画像処理で人物を自動で追いかけてくれる点。アギレルゴの川口氏が使ってみたけどイマイチだったということで譲り受けました。

通常UTやインタビューでビデオカメラ撮影する時、三脚雲台でアングルを調整したりすると思います。しかし参加者が姿勢やデバイスの持ち方を変えるとちょいちょい画角から外れてしまい再調整を余儀なくされがち。そういう時に、電動でリモート制御できるPTZ(パンチルトズーム)カメラだと便利です。UTラボなんかだと天井についていたりしますね。あぁいう製品は監視用カメラの流用だったりして大変お高いですし、一般会議室にポっとつけられるものでもありません。映像信号やコントロール信号も特殊でPCに直接つなげられないことも多いです。

ところがこのOBSBot TinyはUSBケーブル1本で映像音声は普通のUVC/UAC接続のWebカメラである上、専用ユーティリティをPC/Macにインストールすれば簡単に操作ができます。ありそうでなかった大変レアな製品です。映像音声とパンチルト制御は独立しているので、映像音声をOBS StudioやTeams/Zoomなどに入力しているのと全く独立に制御可能です。OSB Studiの場合、映像ソースのプロパティ画面からもPTZ操作可能です。さらに専用ユーティリティで各操作にキーボードショートカットがついていますので、Bluetoohtキーボードや後述のマクロキーパッドを使って離れたところから操作もできます。例えば、OBSBot Tinyと録画配信用PCはインタビュールームに置きつつ、Bluetoothが届く隣の部屋から見学者がカメラ操作する、なんてユーザビリティラボみたいなことが実現できるのです。少なくともPCがモデレーターの手の届くところにあれば、カメラ+三脚のところまで歩いていって調整する必要はなくなります。

実のところAI自動追尾機能はまだ実務では使用していません。誤動作したらイヤだなと。ざっと試した限り、追跡自体はそこそこ正確だと感じますが、顔を画面のどのいちに持ってくるのかが制御できません。通常UTやインタビューでは身体全体ではなく顔だけを抜いて画面の片隅に入れたりすることが多いですが、こいつのAIが顔を画面の中心にもってくるのか、身体全体でセンタリングするのか、みたいなところがコントローラブルではない上に、仕様でもあまり触れられていません。川口氏曰く身体を基準にしてるっぽいとのこと。なんで、画面の一部を切り抜いて使用するには厳しいかなと。顔の位置を決まったサイズ、決まった位置にして追ってくれるなら有り難いんですけど。

なおユーティリティで自動追尾は無効にできるので、完全にPTZ Webカメラとして使うことができます。この状態で使ってみましたが、途中で不具合を起こすこともなく快適に使用できました。デジカメ+HDMIキャプチャなんかよりよっぽど安定感あります。これで光学ズームがあれば最高ですが、最近海外で販売開始された4Kモデルならば電子ズームでも充分な解像度が出ると思うので、国内販売が始まったら買ってみようかと思っています。

ちなみに海外ではパンチルトズームに使えるリモコンも売られてるようですが、Bluetoothで技適をとってないのか国内の代理店からは販売されていないようです。またOBSとついてますばOBS Studioとはなんの関係もありません。

USBの規格上の制限としてケーブル長を4mくらいまでしか延ばせないという問題がありますが、それ以外ではもうビデオカメラいらなくね?と思える優秀な製品です。

RODE Wireless GO2(ワイヤレスマイク)

今年一番活躍しました。詳細は個別記事にて。簡単にいうと、1つの受信機で2台の小型ワイヤレスマイクを受けられるインタビュー向けのマイクシステムです。進行役と参加者それぞれが胸元に装着しておけば、バウンダリーマイクよりも明瞭に音声を拾えます。またマイク内にメモリが内蔵されて録音もできるので別途バックアップ用ICレコーダーを用意しなくて済みます。

AZ Macro (マクロキーパッド)

テンキーより更に少ないボタン数に絞った特定用途向けの小型キーボードのことをマクロキーパッドと呼びます。PhotoshopやPremereのようなやたらツールがたくさんあるソフトやゲームなどの操作を支援するものです。多くの製品はUSBキーボードとして固定のキーコードを発するもので、ソフト側でショートカットアサインをあわせたり、AutoHotKeyのようなユーティリティを使って変換したりします。一部の製品はファームウェアをいじって設定を書き込める場合もあります。

しかしこのAZ Macroは手軽なWebベースの設定システムを持っていてブラウザから簡単に各キーがどんなキーコードを送出するかをカスタムできます。

これを使って、

  • OBS Studioのシーンを切り替えたり録画開始
  • 上記OBSBotのパンチルト操作
  • Zoom、資料パワポ、進行シート、記録エディタなど狭い画面に様々なウインドウがひしめくオンラインインタビューで、「(例えパワポがバックグラウンドにいても)1キーでスライドを1ページめくる」みたいなマクロを実行

などの操作を1ボタンで実行できるようになり、よりスムーズなセッション進行を手助けしてくれました。さらにこの製品はBluetoothキーボードとして動作するので、少し離れた場所から進行役以外の人がさりげなく操作をすることができたりもします。同人ハードなどで入手性にやや難ありですが利用シーンがピンとくる方は是非チャレンジしてみてください。自分でハンダ付けするDIYキットと完成品が選べます。

■ソフトウェア編

XSplit VCam、Audio Hijack + Loopback

今年は久ぶりにメインPCをMacにしたので、いままでWindowsで愛用していたNVIDIA Broadcastが使えなくなりました。そこで、単体のバーチャル背景ツールとしてXSplit VCam、マイクノイズ除去ツールとしてAudio HijackとLoopbackの組み合わせを導入。これでリモート案件もMacでつつんがなくこなせるようになりました。(バーチャル背景なんて今時ZoomにもTeamsにもビルトインで実装されてるじゃないか、とお思いかも知れませんが、業務用のインタビューシステムではついていないことも多いのです…)

AutoHotKey

Windows専用になりますが、あるキー入力に対し、別のキーイベントや特定の操作をプログラムできるフリーソフトです。カメラや配信ツールの制御をしたり、オンライン会議のミュート操作、インタビューに相手に提示する写真や動画、スライドの切り替えなど、色々な制御を自動化、ショートカット化できます。きちんと体制の整ったチームで仕事をするなら作業分担もできますが、私はワンオペなことも多く、事前にこういうツールを駆使して仕込みをしておくと本番中に楽ができます。AutoHotKeyはプログラミング的な素養が必要かも知れませんが、とても多くのことができる良ツールです。

動画眼Lite

手前味噌で恐縮ですが、動画ファイルに頭出し用のインデックスをつける拙作「動画眼」シリーズに、専用アプリのインストールを必要とせずブラウザ上で簡単に閲覧(のみ)できる「動画眼Lite」をリリースしました。

動画眼でデータを作る必要がありますが、Lite形式出力したhtmlファイルを動画といっしょに渡すだけで、相手方は動画眼をインストールせずとも、またMacであってもチャプター付き再生をすることができます。ソフトウェアのインストール制限がある企業さんで重宝するかなと思って作成し、実際にいくつかの案件で納品ビデオデータにこれでチャプターを入れてお渡ししたところ便利だとご評価いただきました。

現在、このデータを作成するための動画眼もWin/Mac両対応となるVer3を準備中です。年内に出したかったけどちょっと厳しい雲行きになってきたかな…もう少々お待ち下さいませ。

■まとめ

コロナ禍で急遽リモートでユーザーテストをしなくちゃとなった昨年からだいぶ経って、自分達も、リクルーティング会社もそして参加してくださる方達やリモート見学するクライアント側も色々と知見が貯まって色々とスムーズに回るようになってきた感があります。それでも、より会場実査に近い形で例えばハードウェア製品を使って評価してもらうことはできるか?などと意欲的な要望もいただいたりとチャレンジは続きます。

会場実査は会場実査で、感染対策をしつつ見やすい/聞きやすい配信を見学者にお届けする工夫や新しい技術は毎回頭をひねりながら試行錯誤しています。

上に紹介したような製品は良さげだけど使いこなせる自身がないという方は是非ご相談いただければと思います。リサーチ案件としてだけでなく機材支援のみでもお受けしておりますので、「タスク設計や進行役は自前でやれるので、配信だけ手伝って」みたいな案件も歓迎です。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

『ユーザーインタビューのやさしい教科書』連動動画Vol.2公開と裏話

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『ユーザーインタビューのやさしい教科書』の連動解説動画の第二弾公開しました!

今回もなかなか見る機会がないと思われる、インタビューガイドの作成(仕上げ)の模様をライブっぽく収録したものになります。著者の1人、奥泉さんが作ったドラフトを元に、他の著者陣で議論をしながらブラッシュアップしていくという内容。第一弾では割と事前に打ち合わせをして、どこをどう直すというのをシナリオで決めておいてコンパクトにまとめましたが、その過程で、「この打ち合わせ自体をコンテンツにした方が有益なんじゃね?」という気付きがあり、今回は打ち合わせなしのぶっつけ本番で撮ってみました。おかげで90分くらいのボリュームになってしまい、編集担当の私は大変でした、、それでも40分とかになってしまい恐縮ですが、一言一句漏らさず聞くというよりは、現場ってこんな風に改善してくのねという雰囲気だけでも感じでもらえればと。一応ポイント的なところも頑張ってチャプターを切りましたので、概要欄にあるリンクから見返したいところにとんでいただければと思います。

■技術的な裏話というかメモ

今回も緊急事態宣言下で完全リモート収録だったんですが、話者が2人->4人に増えたりして色々大変だったので次回のためにも記録を残しておこうと思います。内容に関係ない技術的なお話なのでご興味のある方だけどうぞ。

収録はTeamsのNDIエクスポートを使用

普段著者陣の会議はZoomですが、この時だけは慣れないTeamsを使ってもらいました。その理由はTeamsがNDIというIPベースの映像出力規格に対応しているからです。しかも参加者毎、および画面共有の個別で取り出せます。

やり方は以前の記事で紹介しています。

普通にZoomやTeamsの録画機能で撮ったり、会議画面をスクリーンキャプチャで撮ると、レイアウトの自由度が制限されてしまいます。そこでNDI経由で個別のストリームをOBS Studioに入れ、今回のようなレイアウトを組んだ状態で(OBSで)録画しました。通信量や処理的には結構重たそうですが、光回線 + Ryzen 3900 + RTX3070機で割と普通にいけました。

回線状況で受信解像度が変化しても表示サイズを一定に保つ

Teamsの仕様上、通信速度が遅いと解像度が動的に変化してしまい、OBSに入力されるストリームの解像度も大きくなったり小さくなったりするので、OBS上で常に固定サイズ、固定位置で表示されるように設定に苦慮しました。

各参加者のNDIソースを右クリックして「変換の編集」ダイアログを出し、位置揃え、バウンディングボックスの種類/配置をそれぞれ「左上」「境界の幅に合わせる」「中央」にしました。

OBSの「変換の編集」内容

あくまで個別ストリームなのはTeams->OBS間の話で、それぞれを個別に録画をしたわけではないので、後の編集耐性のため、OBSのキャンバスは4Kにして、極力高解像度のまま録画するようにしました。

音声周り

最近のOBS StudioはRTX Broadcastの強力はノイズキャンセルをフィルターとして活用できるようになっています。なので、周辺雑音がひどい参加者がいる場合、個別にフィルターをかけることができます(同時処理ストリーム数が不明で、何人まで個別にかけられるかは不明)。ただTeamsのNDI出力の場合、音声は各ストリームに録画者以外の声が全員分載ってきてしまうようです。なので、後から「この人の声だけ大きく」ということは基本できません。ナノで音量バランスは事前に確認をして各自の送信音量を調整してもらう必要がありました。

また「録画者以外」と書きましたが、当然ながらローカルでしゃべってる自分の声は送信されることはあれど受信で返ってはきません。なので自分の声だけは別途OBSにも取り込んでミックスする必要がありました。自分の声だけはネットワーク経由しないのでもしかすると若干音質が良かったりするかも知れません。ちなみに画面共有も録画者のPCからはできない制約があります。完璧を期すのであれば、参加者と録画者のPC/Teamsアカウントは独立にした方がいいかもです。

結局、OBS上では、

  • 話者1のNDIストリーム音声
  • 話者2のNDIストリーム音声
  • 画面共有NDIストリーム音声
  • ローカルのマイク音声(自分の声)

くらいをマルチトラックで録った気がします。NDIストリームの音声は基本どれも同じ(自分以外の全員の声)なんですが、フィルターの掛け方を変えたり、音ズレがあったりで保険として機能した感じです。別トラックに録ったので、後で個別に取捨調整ができます。間違えてもこれらをミックスで録らないのが重要。

例えばノイズキャンセルですがRTX Broadcastは強力すぎてキー打鍵音はマウスクリック音も完璧に消し去ります。今回は画面共有したWordファイルを編集しながらという映像なので、逆に打鍵音やクリック音はあった方が自然だなと思い、結局NCかけなかったトラックを採用し、後処理で可能な範囲でノイズを低減しました。

画面共有ストリームのズレ

どのストリームがどれだけズレてたのか正確に記憶してませんでしたが、OBS Studioに集約して録画したデータをみると、画面共有ストリームだけズレがあることがわかりました。顔同士はピッタリ、音同士もズレはなく、画面共有か顔映像のどちらかが音声にあってるような状態でした。音は独立でズラせるのでどっち基準でもいいんですが、リップシンクをとると、同じ音声トラックに入っている打鍵音はクリック音がどうしても画面共有とズレてしまい違和感が出ます。

これはPremiere Pro側で映像を2レイヤーに複製し、画面共有部分だけをくり抜いたものを時間的にズラして重ねる、という技で凌ぎました。つまり4K映像x2枚(実質1.6枚くらい?)くらいの処理が必要になり、先述のスペックのPCでもかなりしんどかったです。編集時のタイムライン移動時にもデコードが追いつかずカクカクしたし、最終の4Kエンコードも40分ソースが10時間くらいかかりました…(なぜかGPUが使われずほぼCPUエンコードされてたっぽい)。普段の編集時は画面のズレには目をつぶって補正したレイヤーを非表示にして作業し、最後のエンコード段階でのみ表示に戻すという感じで凌ぎましたが、次はプロキシを作ってしまった方がいいかも。

Adobe StockでBGMを購入

いつもなら無料BGM素材を「甘茶の音楽工房」さんなどでいただいてくるところですが、今回は少しこだわろうと思ったのと、先日受講したPremiere ProのセミナーでAdobe Stockからの直接インポートを学んだのを使ってみたくてAdobe Stockを使ってみました。Premiere Proの画面上で直接映像とあわせて色々なBGMを試聴できるので強力です。楽曲自体のバラエティや品質もやはり有料なだけあるという実感。キーワードも日本語で売ってもきちんと英訳された候補が挙がってくるので、かなりの選択肢があります。

とはいえ1曲実質1,200円ほどするのは個人の趣味範囲で利用頻度も一定しない身からするとちょい高いですね。クレジットパックも6ヶ月の利用期限があるので、あまりお得だからと大きなものを買っても使い切れるかというところです。CCのサブスクリプションに月1本分でいいからライセンス付与してくれないですかねー…

あと面倒なのはAdobe上はきちんと料金を支払ってあっても、Youtubeでは一旦不正使用の疑いがかかり、Adobe側で取得できる認証キーをコピペして権利を証明しないとフラグが消えない点です。公開が差し止められたりまではしないですが、管理画面上に出続けるのでなんとなく気分を悪いです。

でもこの便利さ、ラインナップはクセになります。通常業務ではBGMをつけることはないですが、他の映像素材も買えるのでなんか活用方法を考えたいなと思いました。

■まとめ

などとまぁ趣味で培った技術の機材を投入して頑張って編集しました。4Kでアップしてあるので高解像度環境で見ていただければWordの文字などもクッキリ鮮明かと思います。是非ご覧いただければと思います。

Vol.3はまたかなり濃縮されたコンパクトなコンテンツになる予定です。

『ユーザーインタビューのやさしい教科書』発売と連動動画公開のお知らせ

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『ユーザーインタビューのやさしい教科書』本日発売です。朝からiPhone13ProMaxが届いてデータ変更作業中なので、まだ書店に記念写真撮りにいけてないですが、たぶん店頭には並んでいるはず…(あとで行ってきます)。

また発売を記念したコラボ動画作りました。文章で読んでも実際にやるイメージわかないなーという方のために、筆者陣が各章の実務作業をしている様子を撮ったものです。何本か作って行く予定ですが、第一弾として、伊藤さん、奥泉さんによる「参加者募集アンケートをつくる」編(二章前半部分に対応)が公開済みです。今のところFacebookページからご覧いただけますYoutubeチャンネルで公開しました!)。Googleフォームを使って作ったスクリーニングアンケートのドラフトを2人が精査して議論しながら仕上げていく様子を撮っています。

コロナ禍なので完全リモートワークで製作しました。一部映像が乱れる部分がありますがご了承ください。第二弾は同様にインタビューガイドの作成(仕上げ)部分をお送りする予定です。全体にまずは遠隔コラボレーション作業で作れるものから作っていき、後々状況が落ち着いてきたら二章後半の会場設営なども撮っていきたいと思っています。実査や分析のところはどちらでやるか思案中です。

我々も手探りで作っていますが、こんな映像が見られたら参考になりそう、自分達でもやってみられそう、といったリクエストなどありましたらFacebookページなどにお寄せ下さい。

とりあえず、すぐに1時間超えてしまうノーカット版を出すべきか、イイハナシしてるとこだけ切り抜いてまとめた方がいいのかってところから悩んでいます。とりあえず第一弾はダイジェストにしてみましたが、こちらもご意見いただければと思います。

HDMI出力にも対応したIPEVO書画カメラの上位モデルVZ-Rを導入しました

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スマホ向けサイトやアプリ、モバイルデバイスのユーザテスト(UT)に欠かせない書画カメラ。台湾メーカーIPEVO社の製品をご利用の方も多いかと思います。私も2015年からから愛用しています。2019年にV4Kを購入し活用してきました。

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が、先日の実務で事前設営をしようとしたところなぜか映らず。USBポートを挿すと他のカメラも一斉に停止。ひどいとノートPCの内蔵キーボードまで効かなくなるという状態。そしてカメラ部分がかなり発熱していることに気付きました。これはショートなど物理的な故障の可能性が高いぞと。書画カメラはミッションクリティカルな装備なので、予備として念のため持参していた旧モデルiZiggiに交換してその場は乗り切りましたが、こちらのモデルはカメラ性能が弱く1028×768程度の解像度で15fps(コマ/秒)しか出ません。手などを素早く動かすと動画ブレが起き見辛い映像になります。非常用ならまだしもこれをメイン機とする気にはなれなかったので、大急ぎで代替機を手配することに。

ちなみにIPEVO社のサポート規定によると

  • 購入1年以内の不具合は交換対応
  • 修理はしていない

という割り切り仕様。つまり1年過ぎて壊れたら捨てるしかないということです。この辺りはELMOやEPSONといった国産メーカーと考え方が違うところでしょうか(この2社の体制は調べていませんし、価格差もあるので一概に非難をする気はありません)。

■修理できないので買い換える。どれにしよう?

選択肢として、

  1. もう一度、V4Kを買う(1.5万円)
  2. 最近出た上位モデルのV4K Proを買う(2万円)
  3. HDMI出力もついたVZ-Rを買う(3.3万円)

という感じでした。

V4K Proは先月か先々月くらいに発売されたばかりのUSBモデルでは最上位機種。V4Kとの大きな違いは、ライトがついたことと、マイクにAIノイズキャンセルがついた点。スマホ画面を撮る場合、ライトはむしろ反射して見辛くなるので不要です。IPEVO歴代モデルのマイクはク〇みたいな音質で、個人的には最初からないものとして見ていましたが、ようやくそこにテコ入れをしてきたなという感じです。マイクも個人的にはより品質の高い外付けマイクを使うのでさほど魅力を感じませんでした。よりシンプルなセッティングで済ませたい人にはいいかもですが、私の使い方だと+5,000円の価値はないなということで選外。

奮発してVZ-RにすればHDMI出力がつきます。つまりATEM MINIシリーズと組み合わせてPCレスで収録ができます。実はATEM MINIを手にした当初から書画カメラもHDMI付きがほしいなぁと思っていましたので、これはチャンスといえばチャンスです。臨時出費としては痛かったですが、これを気にVZ-Rにしてみました。

ちなみに他のラインアップとしては、USBモデルに小型軽量なDO-CAMと、HDMI & USBに加えiZiggiのようにワイヤレスにも対応した最上位機種のVZ-Xもあります。DO-CAMはマイクがないかわりに畳んだ時のサイズがかなりコンパクトそうです。出張UTには良いかも知れません(余裕ができたら予備に欲しい)。ワイヤレス機能もiZiggi以降使って折らず、やはり通信トラブルなどのリスクを考えると、UTのような固定位置での使用でわざわざ無線化するメリットはなく選外でした。

ちなみにカメラ性能は4Kモデルも含め30fps出るのはフルHDまでとなるので、実質同等と考えていいかなと思います。

IPEVO製品は国内では基本的にAmazonの公式ストアでの購入となります。プライム配送だったので本番の前日に入手することができました。

■VZ-Rレビュー

(照明の関係で明るい色味に見えますが、実際はもう少し濃い落ち着いたグリーンです)

アームを畳んだ状態

今回は既にセッテイングが固まっていたこと、同時にZoom配信をする必要があったことなどがあり、せっかくHDMI対応モデルを買ったものの引き続きUSBでの使用となりました。

USBモデルとの違いは関節数です。USBモデルは3箇所が可動するのに対し、HDMI系(VZ-R、VZ-X)は2箇所です。おそらくHDMIやワイヤレス機能を担うメイン基板が支柱部分に入っているのでしょう。そこが垂直に立ち上がり、その上端からアームが生える形です。この自由度の低さが設置性に影響しないかは懸念でしたが。実際被験者がスマホを構えた位置からの距離がとりづらく、アクリルパーティションと干渉してしまいましたが、斜めに配置してカメラ向きの回転で調整できたので実用上は問題とはなりませんでした。強いて言えば、アクリルパーティションの隙間から手を差し込んで角度を微調整するのが少しやりづらかったなという位。

アームが斜めになるように設置し、カメラだけ回転して調節すれば、奥行きが狭い場所でも使用可能

また関節部分にネジを増し締めできる機構がなさげ。今のところまったく問題ないですが、将来的に緩んできたらどうなんだろう?

操作ボタンは支柱部分のフロント側に並んでいます。USB接続の場合は専用ユーティリティやドライバ画面(OBSの場合、プロパティ画面から呼びだせます)でも操作可能。HDMIの場合はそれができないのでオートフォーカスとかでうまく録れない時なんかは少し困るかも知れません。

操作ボタン。側面にラベルが入っているので、最悪この面が見えるとブラインド操作も可能?

背面には50/60Hz切り替えスイッチがありました。これは富士川をまたいで移動しない限り触らないので、むしろソフトの設定漏れで不適切な設定になってしまうことがなくて安心かも知れません(Logicoolのカメラが少し前までOSを再起動すると60Hzに戻ってしまうバグがあって大変悩まされた経験)。

充電ポートがUSB type-Cなのも今時で歓迎。HDMI出力時はこちらから別途電源供給する必要があります。

2022.1.14追記:この機種のUSB電源ポートはちょっとクセが強いみたいです。USBケーブルをメチャメチャ選びます。特にType-C to CでMacBook Proなどに直結しようとすると通電すらしないことが多いです。USB 3.2やPDに対応したケーブルを使ってみたり、逆にUSB2.0結線のみのC-Cケーブルにしたりするも電源が入りません。より確実なのはPC/充電器側がType-AになっているA-Cなケーブルを使うことです。MacBookのようにType-CしかないPCだとわざわざUSBハブを使う必要があり、なんだかなーという感じです。付属ケーブルが一番いいんでしょうが、長さの都合などで汎用品を使いたい場合などは、必ず本番環境で通電/認識することを確認できたケーブルを用意しましょう

足の円盤部分は2本のネジで固定してあり、持ち運ぶ時にさっと外して、というわけにはいきません。箱には簡易ドライバーが付属してはいました。基本的に裸で運搬することは想定していないんでしょう。キャリングポーチ的なものも付属しませんし。ちょっと機材バッグに入れて行くには嵩張るかなという感じ。円盤自体は金属製で重みがあるので、USB系より重心は高いものの、使用時の安定感は充分です。ちょっと手が当たったくらいで倒れることはないでしょう。

底面プレートはネジ止めで頻繁に付け外しする想定ではない

とりあえず今回の2時間 x 7セッションの間、一度も不具合なく安定して使用できました。

■V4KはDYI修理も失敗…

実査出張が終わって帰宅した後、なんとかDIY修理ができないか挑戦してみました。とりあえずUSBコネクタ側の接点不良などを疑い、コネクタをちょん切って新しいコネクタをつけてみましたが、やはりUSB 4ピンのうちの両端(電源の+と-)がショートしていました。ケーブルの途中でのショートを疑い、今度はカメラに近い側で切断してみましたがケーブルは問題なし。つまりカメラ基盤内でのショートかなと。さすがにこれ以上は私の技術ではどうしようもなく断念。廃棄としました。2年、数回の使用でした…

翌日セルフパワーのUSBハブも故障して電源アダプタをつないでおくだけで異常発熱していることが発覚。まだ一ヶ月くらいしか使っていない新品に近い状態でした。ショートしたカメラのせいでハブが壊れたのか、ハブのせいでカメラが壊れたのか知る術はありません。

■これからIPEVOカメラを買う人へのオススメ

今回の故障は外部要因かV4K自体の問題かわかりません。またIPEVOのサポート体制は先に書いた通りです。そこはまぁとりあえずそういうものだと思える人向けですが、これからIPEVO書画カメラを買おうと思う人へのアドバイスというか考え方を書いてみます。

・USBかHDMIか

HDMIがあるとプロジェクターに直結して投影することができます。ただUTではさほどニーズはないのかなと思います。どちらかといえばPCについないでOBSなどのツールで録画したり、ZoomやTeamsの入力カメラとして中継したりという使い方が中心になるのではないでしょうか。USBモデルの方が安いし、基本はそちらでいいんじゃないかなと思います。

USB系では先に書いたように、ノイズキャンセル(以下NC)マイクがついたV4K Proが最上位モデルとなります。このNC性能は自分で確かめたわけではないので定かではないですが、推奨距離は30-70cmとのことで、無指向性だとしても、書画カメラの真ん前に陣取った人(被験者)の声がよいでしょうが、モデレーターの声はどうかなという気がします。だったらV4KかDO-CAMにして差額でWireless GO2のような良いマイクに投資した方が良いかなと思います(差額で買える値段じゃないですけどw)。V4KかDO-CAMでいえば差額を考えるとDO-CAMにあまりメリットはない気がします。ただ違いを考えるとV4Kはもしかすると終息していきDO-CAMとV4K Proに集約されそうな気もします。見張っていればV4Kがなくなる瞬間にバーゲンプライスになるかも?

もしくはV4K Proのマイクは被験者用と割りきって、モデレーター用に別のマイクを用意するとかはアリですね。

UTユースでHDMIが欲しくなるのは、私のようにATME MINIなどHDMI入力の録画機器、スイッチャーを組み合わせたいケースになるかと思います。専用テストラボで録画機器が別室の観察ブースにあって、そこまでケーブルを長く引き回さなければならない時もUSBでは限界があるのでHDMIを使う必要があるでしょう。ワイヤレスのVZ-Xは一見手軽なように見えて、つながらない時のトラブルシュートはむしろ知識が必要になるので、玄人向けだと思います。画質、安定性の面では有線をオススメしたいです。

使い方次第なので、「これ一択!」というのはありませんが、参考になれば幸いです。

「ユーザーインタビューのやさしい教科書」が発売されます!

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2015年に共著で出した「マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書」が増補改訂され、「ユーザーインタビューのやさしい教科書」として発売されます!

ユーザーインタビューのやさしい教科書

ユーザーインタビューのやさしい教科書

奥泉 直子, 山崎 真湖人, 三澤 直加, 古田 一義, 伊藤 英明
2,739円(01/29 17:46時点)
Amazonの情報を掲載しています

オリジナル版はマイナビさんのオンデマンド出版的な枠で、ごく一部の店舗を除き、基本Amazon専売でした(電子版は複数のサイトで買えた)が、今回は一般流通ルートでの販売なので、お近くの書店でもお買い求めいただけます。もちろんKindleなどの電子版もあります。これもオリジナル版をお読み下さった反響のお陰です。ありがとうございます。

改訂内容としては、出版から年月が経ち読者の方からお寄せいただいたご意見などを元にした修正や補足と、コロナ禍で対面インタビューが難しくなったことを受けて増えたオンラインインタビューに関するノウハウの追加が主になります。私も二章後半の準備や機材部分のところで

  • 対面インタビューを実施する際の会場の感染対策について
  • 感染対策(マスク、パーティション、ディスタンス、換気)などによる音声収録面の課題を解決する為のセッテイング

などについて書かせていただいています。2015年当時にはなかった推奨機材の、Rode Wireless GO2ATEM MINIシリーズについても簡単ながら紹介させてもらっています。

コロナ禍になり、これは今までと全く違うやり方をしなければインタビュー自体できなくなるぞ!という危機を感じ、本書でもノウハウを共有したいと思って執筆に着手。できるだけスピーディにリリースしたいという思いからオリジナル版を改訂するアプローチを選択。それでも思いのほか時間がかかってしまい、そういうしている間にワクチンが承認されて「あれ、これ出版される頃にはコロナ禍とか過去のものになってんじゃね?」みたいな軽口も著者陣で交わされていました。しかし現実はなかなかワクチン接種も進んでなかったり、変異株が登場してブレークスルー感染も起きるなど、まだまだ混迷の出口は見えてきません。その状況においてもユーザーリサーチを止めずに開発を進めて行くために、本書の情報が役に立てば嬉しく思います。是非お手にとっていただき、さらなるブラッシュアップの為に、ご意見などお聞かせいただければと思います。

(コメントは本記事でも良いのですが、他の著書陣にも直接伝わるFacebookページがオススメです。)

 

 

ブラウザ同士で簡単に映像送信ができOBSにも取りこめるVDO.Ninja

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VDO.Ninjaの情報を求めて来られた方は次の見出しまでジャンプしてください!

■屋外UTの中継をするための試行錯誤

先日、複数の場所を往復しながら実施するUTがありました。インタビュー部屋とプロダクトを触る部屋が異なる、みたいな感じ。しかも後者はWi-Fiが使えない屋外。どうにかこれらの映像をシームレスに記録と見学者への配信を行いたい、というニーズ。セッション全体の1/3、30分位の時間ですが炎天下の屋外に移動する為、バッテリーが保つこと、機器やネットワークが安定した機能することも視野に入れなければなりませんでした。

250mほどの距離で当然HDMIケーブルやLANケーブルが敷ける距離でもなく、Wi-Fiも届きません。同一ネットワーク下にないので先日紹介したNDIなども使えません。別記事で紹介したRTMPも受信拠点側をポート開放する必要があったり遅延が大きめだったりで微妙に使いにくい。すぐに思い付くのはZoomやTeamsといったオンライン会議ツールでの参加ですが、スマホのカメラは光学ズームが弱いので、物理で寄らないと手元など細かい対象を撮ることができず、ソーシャルディスタンスやラポール形成的に不利。できれば光学ズームのビデオカメラ映像を使って配信したいなと思いました。(ちなみに最近では望遠レンズを備えたスマホもありますが、Zoomなどのアプリはそれらを使えません。ピンチズームしても標準カメラの像がデジタル拡大されるのみです。Android版に至ってはピンチズーム自体できませんでした(執筆時点)。屋外なので騒音対策としてきちんとワイヤレスマイク(Wireless GO 2)を使った音声収録をしたいのですが、これら外部マイクもスマホ版アプリは制限が大きかったりします(後述)。

そんなこんなでどこにも行けない御盆休みは手持ちのRTMP配信カメラ(HXR-NX80)、GoPro Hero9、スマホ版Zoomアプリ、UMPCなど持てる機材をあーでもないこーでもないと組み合わせて試行錯誤をしておりました。

本題と関係ないですが、その試行錯誤の様子を貼っておきます。

まずは手持ちスタイル案。

手持ちスタイル案

ビデオカメラのHDMI出力をAndroidでも使えるHDMIキャプチャアダプタBU110を経由してGalaxy Note 10+に入れています。ブラケットやホルダーも含めると845gにもなりました(笑)。ビデオカメラのバッテリーは小さいものだし、スマホのUSBポートもキャプチャで塞がるので外部給電もできず、スタミナにも不安。前述の通りAndroidのZoomアプリは外部カメラやマイクを認識しないので配信系のアプリでRTMP送信するしかない点もイマイチ。

そこでモビリティは落ちるものの、安定性やスタミナ重視で組んでみた装備がこちら。

三脚+UMPC案

三脚にセリアで買った木製パンチングボードをタイアップで吊り、そこに各種装備を固定しまいた。三脚の根元にぶら下げているだけなので、足をたたんで移動することも可能。PCは手持ちラインナップでCPUパワーとサイズのバランスをとってOneMix 3 Pro。Surface Go2 (CoreM3 + LTE版)だと見た目はスッキリしますがちと配信能力に不安があったので。OneMixはLTE非搭載などで別途モバイルルーターを追加。さらにはUSB PD給電のためのモバイルバッテリー、とか詰んでいったらこれまたエラい重量になってしまいました。ドリーが欲しいところです。ただWindowsなのでZoomなどのプライベート通信サービスでも外部カメラ、外部マイクは区別なく使えるので映像、音声の品質は向上させられます。

ちなみにどちらもビデオカメラ側で録画ができるので、保存用としての品質は保持できます。あと、最近の家庭用ビデオカメラによくあるスマホ用プレビューアプリを使い、スルー画をスマホに映した状態をZoom等の画面共有で流す、という方法も検討しましたが、

  • スマホプレビュー中はビデオカメラ側の液晶が真っ黒になってしまい、撮影に支障が出る(SONY、Panasonic)
  • Panasonicはアプリから音も拾えるがそれをZoomでキャプチャして流すことはできない。SONYはそもそも音は聞けない。
  • スマホに直接マイクを接続した場合も、やはりアプリが認識しなかったり、しても絵との同期に問題が出そう。

などの問題があってボツ。

で、結局のところどうなったかというと、先ほど先方から連絡があり、関係者に発熱者が出て実施が無期限延期になりましたorz。難しいですね。炎天下の屋外作業を伴うプロジェクトだったので発熱はしますわ。自分も昨年の案件で軽く熱中症と思われる発熱。PCR検査では陰性でしたが安全優先で実査を中止にさせてしまったことがあります。涼しくなった頃にまたリトライできるといいなと思います。

で、やっと本題。今回の試行錯誤の中で見つけたとある映像伝送手段が色々と応用が利きそうで、まだあまり日本語の解説ページが多くなさそうだったので、ご紹介してみようと。

■VDO.Ninjaの紹介と簡単な使い方(ここから本題)

上記の試行錯誤をしている間に、たまたまFacebookの(英語の)OBSグループで名前を見かけ、調べてみたらスゴいじゃんこれ!となりました。ちなみに少し前まではOBS.Ninjaという名前だったぽいです。実際にはOBS Studio以外でも使える汎用性の高いサービスなので改名したんでしょう。

簡単にいうと、ブラウザ同士で簡単に映像&音声伝送が低遅延で行えるサービスです。OBSには「ブラウザソース」という指定URLの内容をソースとして扱う仕組みがあるので、わざわざブラウザで当該ページを開いてそれをウインドウキャプチャする必要なく映像を受けることができます。無料です。

少し技術的な説明をした方が理解が深まりそうなので、ベースとして用いるWebRTCというプロトコルについて先に説明します。

WebRTCはモダンなブラウザが実装している映像、音声を伝送する標準規格で、暗号化もブラウザが受け持ってくれて、ZoomやTeamsがブラウザからも参加できているように、HTML5上で比較的簡単に映像、音声を伝送するサービスを構築することができる仕組みです。利用者は専用アプリをインストールしたりしなくていいし、開発者も本来高いスキルを要する映像通信技術の大半(ファイアウォール超えや暗号化、GPUのハードウェアエンコード支援の利用、etc.)をOSの区別すら必要なく実装できてしまいます。しかもRTMPのような従来のプロトコルよりも遅延が低いとか。

さてそのWebRTCですが映像伝送自体はPeer-to-Peer、つまり端末同士の直接通信で行われ、暗号化も自動で行われます。ただし最初のハンドシェイクの部分だけはインターネット上のサーバーが仲介する必要があります。VDO.Ninjaはその互いの紐付けの部分を代行してくれるWebサービスという理解でいいと思います。実際の映像通信はここのサーバーを経由しないので比較的小規模で運用できるのか、Steveさんという個人主体のプロジェクトのようです。しかもサーバー一式はGithubで公開されているので、自前サーバーや完全閉鎖LAN内で稼働させた人はそちらを利用することも可能でしょう。Steveさんはサーバー代月$1,500を支援するスポンサーを募集していますので、VDO.Ninjaが有用で長く続いて欲しいと思う方は是非寄付を検討しましょう。Github Sponsorsによる継続支援やPayPalなどによる一時寄付も選べます。

■VDO.Ninjaを使ってみる

全体的に英語UIですが、手順はクッソ簡単です。サービス名であるVDO.ninjaは実はそのままサービスのURLになっています(.ninjaなんていうgTLDがあったんだ…)。つまりブラウザのアドレス欄に「vdo.ninja」を打ってリターンをします。いくつか方法はありますが、まずは映像を送信する側の端末(スマホ等)で開きましょう。

トップページ

「Add your Camera to OBS」はカメラ映像の送信、「Remote Screenshare into OBS」は画面共有です。ただし現状スマホからは画面共有は使えずボタンも出現しません。

ここでは全者をPCから開いてみます。

準備画面(カメラ/マイク設定。実際には黒枠にカメラ映像が映ります)

「Video Source」と「Audio Souce」プルダウンメニューにOSが認識しているカメラとマイクが表示されるので選択します。その前にブラウザからカメラとマイクへのアクセス許可ダイアログが表示されるので許可します。一度拒否してしまうとこのサイトがブラックリストに入れられてダイアログも出ずに不許可になってしまう場合がありますが、その時は(操作はブラウザによりますが)プライバシー設定などから除外対象サイトから外すなどします。(ちなみにこのようにWebRTCはブラウザがカメラやマイクにアクセスする際に必ずユーザの許可を得る仕組みになっているので、URLを踏んだだけでカメラやマイクが不正アクセスされることはありません。)

実際には黒枠内に選択したカメラの映像が見え、「Audio Source」見出しの脇に音声に応じたピコピコ(レベルメーター)が表示されます。

次ページで発行されるURLの乱数部分が含まれますが偶然一致してしまう可能性もあるので、ここでパスワードを付加することもできます。

で、「START」を押すと送信が開始されます。

送信中画面(実際には黒枠内にカメラ映像)

右上にグリーンで表示されているURLが受信者用のURLになります。このURLを相手方にメールやMessengerなどで伝え、ブラウザで開いてもらえば映像と音声が流れるはずです。

ここの時のURLのフォーマットを比較してみると、

  • 送信者用: http://vdo.ninja/?push=hogehoge
  • 受信者用:https://vdo.ninha/?view=hogehoge

という感じで、pushかviewかの違いのみになります。要するに=の後のhogehgoeの部分が一致すれば映像/音声が流れます。このサイトでは乱数で決めてくれますが、自分で他の人とかぶらない文字列を指定しても大丈夫なはず。かぶりそうな時はパスワードを追加します。パスワードがついたURLは、

  • 送信者用: http://vdo.ninja/?push=hogehoge&pw=abcdef
  • 受信者用:https://vdo.ninha/?view=hogehoge&pw=abcdef

となります(abcdefがパスワード)。

OBS Studioにソースとして取り込む(1)

2つの方法があります。1つ目はもっとも簡単な方法で、OBS Studioのソースとして「ブラウザ」ソースを使います。

OBSの「ブラウザ」ソースに設定

URLに発行したID、PW入りのURLを貼り、表示したいサイズを指定、音声も取り込みたい場合は「OBSを介して音声を制御する」チェックボックスをONにします。

OBS Studioにソースとして取り込む(2)

もう一つの方法は作者のSteveさんがリリースしているElectron CaptureというビューワーでURLを入れ、表示された映像をOBS Studioのウインドウキャプチャで取り込む方法です(Windowsのみ)。一見、外部ツールを使う分効率が悪そうですが、Steveさん曰く「it may offer a more flexible and reliable method of capturing live video than the browser source plugin built into OBS.」とのことです。マウスカーソルが完全に隠せるとか、バッファー指定で音声同期が外れにくいなどあるようです。メリット一覧はこちら。パケットロス耐性が高く、システム負荷が低いということなので、面倒ですが使った方がよさそうですね。

送信側のハードウェアエンコード支援を使用する

一般にOBSを動かしたりする受信側ハードよりも、スマホ等を使う送信側の方が非力であることが多いでしょう。その時、ローエンドなCPUやモバイルSoCでも映像をリアルタイムに圧縮して送信するにはGPUのハードウェア支援を使用することが重要になってきます。WebRTCベースである利点として、ここいら辺は各OSのブラウザが(ハード的に対応していれば)活用してくれるという点。VDO.NinjaでこれをONにするには圧縮コーデックにH.264を指定するのみです。H.264はBlu-rayなどにも使われるメジャーなコーデックなので数年前のCPUやスマホでもフルHDくらいなら支援が受けられます。

送信側でハードウェア支援を有効化する為に、H.264を使うぞという宣言を受信側のURLオプションを使うのがミソです。

  • パスワード無し: http://vdo.ninja/?push=hogehoge&codec=h264
  • パスワード有り:https://vdo.ninha/?view=hogehoge&pw=abcdef&codec=h264

ブラウザにもよるかも知れませんが、標準ではVP9というYoutubeなどで使うコーデックが優先されるようです。ただ最新のハードだとVP9でもハードウェア支援が受けられたりするので、あまり違いは出ないかも知れません。スマホや非力なPCの場合に試してみて、画質やCPU付加を比べて良い方を使えば良いでしょう。

ちなみに送信側でハードウェア支援を活用できているかの確認は、映像送信中に送信側のブラウザ上でCtrlキーを押しながらプレビュー映像をクリックします。

送信側で詳細情報を確認

するとこんなリストが出てくるので「video_encoder」の欄が「ExternalEncoder」になっていればOKです。試しにURLから「&codec=h264」をなくすと「libvpx」となりVP8か9のソフトウェアエンコーダーライブラリが使われているのがわかります。

URLパラメーターにはコーデック以外にも色々指定できます。使い方はこちら。パラメーター一覧はこちらです。ビットレートを指定したり、カメラ/マイクデバイスのリストでデフォルト選択されるデバイス名を埋め込んだりできるようです。

再利用可能なリンクを作る

上記の手順でAdd your Camera to OBS」や「Remote Screenshare into OBS」から送信URLを生成すると毎度ランダムな文字列のIDが発行され、OBS Studioなど受け側で毎回URLを書き換えなければならず不便です。また上記のようなオプションパラメーターをURLに埋め込むのも骨がおれる作業です。

そういう場合はこちらのジェネレーターを使ってGUIでオプションを指定してURLを作成し、送信側、受信側に渡せば何度でも再利用することができます。

ルーム機能について(検証途中)

まだしっかり試せてないのですが、サーバー上に仮想ルームを作成し、一旦そこに複数のカメラ映像を集め、ブラウザ上でスイッチャーのように使ったり、音声のノイズ低減やテキストチャット機能が使えたりするぽいです。

■まとめ

驚くくらい簡単に遠方の端末のカメラ映像、音声、画面共有を表示したり、OBS Studioなどのソースに入力できるVDO.Ninjaを紹介しました。原理的にはNDIの遠隔版であるNDI Bridgeとほぼ同じ仕組みだと思いますが、送信側がブラウザなのは同様で、受信側があちらは専用ツールが必要、こちらは不要という点が異なります。厳密に画質や遅延、処理負荷などを比較したわけではないですが、おそらく原理上は似たり寄ったりになるんではないかと思います。だとしたら手軽さでは断然こちらに分があるのではないかなと思います。

望みはスマホからUSB(UVC規格)経由のWebカメラやHDMIキャプチャアダプタ経由のビデオカメラ映像を送信できるようになることですね。これはOS側の対応待ちというところです。ちなみにChromeOSはUSBカメラをソースとして指定できました。できるだけ軽量安価な端末というと現状ではChromeOS+Chromeが候補でしょうか。Raspberry Pi4やJetson NanoにLinuxを入れてChromeを使ってもいいようなので、いずれ自作でVDO.Ninjaエンコーダーユニットを組んでみたい気もします。

私の理解ではファイアウォールを超えられつつもきちんと暗号化でP2P通信ができるので、なんだかんだでZoomやTeamsになりがちな業務案件でも説得の余地があるかなと。最悪ソースもってきてローカルサーバーを建てたらどうなの、とか。まぁ企業さんだと現場寄りの人を説得するだけでなく、そこから伝言ゲームで情シスとか上司とかに納得してしてもらう必要があるので難しいかもですが…

ともあれ非常に汎用性が高く、手軽で、遅延が少なく、安全な映像伝送手段としてNDIと並んで注目株ではないかなと思います。どこか機会があったら活用してみようと思います。

RTMP実験続き。HDMIキャプチャ+Android経由にて。

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前回の屋外UTに向けた配信環境の検討実験。

Androidでも使えるHDMI-USBキャプチャアダプタBU110で、スマホ画面にビデオカメラからの映像を映し、それをZoomやTeamsの画面共有で送ったらいいかなと思ってセットアップしてみた。

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そしたら以前に購入してあったUSB Camera Proというアプリが、(USB WebカメラやHDMIキャプチャの多くが対応する)UVC入力映像を表示するだけでなくRTMP始め多くのプロトコルで配信できることを発見。前記事で構築したOBS Studio + NGINXの受信環境に対して送信テストしてみました。

USB Camera Proの特長として、

  • ハードウェアエンコーダによるH.264またはHEVC(H.265)エンコード対応
  • 自動または固定ビットレート、キーフレームの挿入秒数を指定可能
  • 解像度とそれに応じたフレームレートも指定可能。
  • 音声はステレオ48kHz固定(多分)
  • 複数のRTMPサーバー設定を記憶し、送信時にリストから選択可能
  • UVCカメラ検出時に自動起動
  • 起動時に自動RTMP送信開始
  • その他、録画や動体検知なども可能

という感じ。600円にしてはなかなか多機能です。UIは最低限でかなり使いづらいけどw。解像度とフレームレートは一定の関係があるらしく、例えば1280×720の場合、50~60fpsしか指定できず、30fpsや15fpsに落としてレートを稼ぐということはできないぽい。

WiFiで試した感じは先のビデオカメラ(NX80)内蔵のエンコーダーよりもかなりマシで1秒遅延くらい。音もきちんと届きます。

WAN経由は使ったAndroid端末のGalaxy Note 10+に入っている楽天モバイルMNOのSIMだとなぜかエラーになってつながらず。仕方ないのでまたしてもdocomo契約のiPhoneにテザリングさせたらすんなりOK。さすがにWAN経由だと遅延や画質が酷くなるかと思いきや、調子がいい時はWiFiとかわらない1秒遅延で収まることも。ただしその幅自体が不安定で、45秒くらいになったり音が途切れたり。途中で設定変えるとおかしくなりがちで、OBS再起動したり、「メディアソース」のプロパティ画面を一度開いてOKすると治ったり。ちょっと実務で使うのは不安が大きいかなー。

H.264と265ではビットレート1/2で同等の画質といわれるくらいデータ効率が良くなってるはずですが、ここもあまり差は感じず。ハードウェア支援が入ってる端末なら負荷もそんなに変わらないのかな?長時間送信し続けた時のバッテリーの減り方などまでは検証できておらず。

バッテリーの減りはやはり激しいです。問題なのは唯一のUSBポートがキャプチャアダプタで塞がるので充電しながら使えないという点。一応USB PD給電対応のハブで使えはしました。ただ充電しながらで発熱などはどうなるかは未知数。

■Teamsで画面共有してみる

とりあえずスマホ画面にカメラのスルー画を映すこと自体はできたので、今度はこれをTeamsの画面共有で送信してみました。結果としてはさすがにオンライン会議ツールだけあって遅延はかなり少なく1秒あるかないか位で安定。画質が犠牲になってそうですが、RTMPよりは安定してる印象。Teamsは解像度をかなり動的に変化させますがさほど見づらさなどな感じず。圧倒的にこちらを使った方が良いです。Teamsならば個別のストリームをNDIで取り出せるのでOBSに入れるのも楽勝。

ただPCの様に画面共有時にシステム音声を送信する機能はないので、カメラからの音声をTeamsに流すことはできなそう。スマホ本体のマイク音声になってしまうかも。Wireless Go2のようなUSB外部マイクの音を入れるにはさらにUSBポートが必要になるし、どうかなーって感じです。なおUSB Camera Pro自体は音声モニター機能がありUVCから来た音声をスピーカーで鳴らすことはできます。

■まとめ

RTMPはやはり古い規格なせいか、遅延やビットレート辺りの画質の安定性ではしんどいなーという印象。Teamsが直接UVCカメラの映像や音声を共有してくれたらなーと思えてなりません。