前記事にも書きましたが、前から気になっていた外付けSSDがAmazonのBlack Fridayセールでかなりお買い得だったのでゲットしました。SAMSUNGのT7 Touchです。
容量は500GB/1TB/2TBの三タイプで、500GBを例に挙げると、現時点でヨドバシが17,090円(-10%還元)、Amazonの通常価格が13,616円、それがBFセールで1万円切りの9,990円です。先日ヨドバシ店頭で買おうと思ったんですが品切れで買えなかったのが今となっては幸いです。
SamsungのこのシリーズはUSB 3.x gen1(500GB/s)のT5と、gen2(1,000GB/s)のT7があり、T7で指紋認証に対応したものがT7 Touch、という構成になります。以前ATEM MINI用にT5を買って使ってましたが薄型コンパクトで携帯用にも便利で両用という感じでした。
ただM1MaxのMacBook Proを購入して最新インターフェイスを活かしてみたかったのと、指紋センサーでセキュリティを確保しつつ、実質の使い勝手も落とさないという両立に魅力を感じて買い換え/買い増しを狙っていたという感じ。
通常、外付けストレージを暗号化して使う場合、専用ユーティリティによるパスワード入力が必要になります。普通にPCにマウントするとそのユーティリティのみが保存された小さなパーティションが見え、そこでパスワードロック解除をするとメインのパーティションが追加、あるいは置き換わるようにしてマウントされる、という作りのものが多い気がします。以前はこれがWindows専用だったりして困ったものですが、最近はさすがにmacOSも対応しているものが当たり前になってきました。
ただやっぱりこれは普通に面倒くさいし、仕事でデータの受け渡しをする際に、見慣れぬユーティリテイを起動してもらって、パスワードを打たせてもらう、などの手順は互いに煩雑です。感染対策としても互いのデバイスに触れる機会は減らしたいもの。そこでこの指紋センサー付きのストレージデバイスが脚光を浴びるのです。以前からUSBフラッシュメモリなどではちらほらありましたが、より高速、大容量なSSDでは比較的珍しいのではないかと思います。
■操作イメージ
最初のパスワードロックと指紋登録にはやはりWindowsまたはmacOSの専用ユーティリティが必要になります。これは自宅・会社PCなどにインストールしておけば良いでしょう。指紋は4つまで登録できます。法人で部署で共有するには多少心許ないかも知れません。ただし指紋の再登録は中のデータを消さずに行うことができます。また専用ユーティリティでパスワードや指紋を変更したりロックのON/OFFをするのは指紋ではできずパスワードが必須になります。万一パスワードを忘れても指紋で普段使いは可能ですが管理操作をするには必ずパスワードが必要になるので、忘れないように注意が必要です。パスワードがわからなくなったら同じ指紋で使い続ける(設定変更は不可)か、全データ初期化するしかなくなります。
指紋登録した後も、マウント時の挙動は一般的なパスワードロックされた外付けストレージ機器と同じです。WindowsとMac用のユーティリティがおかれた小さなパーティションがマウントされます。ここでそれを起動してパスワードを打つ代わりに、本体の指紋センサーに登録した指を軽くタッチすることでロックが解除されます。もちろんケーブルをつなぐ前の時点では通電していないのであらかじめアンロックしておくことはできないですが、USBケーブルを挿したその手でタッチする、などすれば、ほぼパスワードロック無しのストレージと同じ感覚で使え、他人のPCに一時的につないでデータを読んだり書いたりしてもらう時に、とてもスムーズにできます。
最近では法人と契約する時にセキュリティチェックシートなどを記入させられ、その中の項目に「持ち運ぶリムーバブルメディアにパスワードロックなどアクセス制限をかけているか?」などの質問も含まれることが多いですが、これで堂々とYesと回答し、なおかつ使い勝手を落とさず利用できます。
■ATEM MINI Proへの録画は?
ユーティリティ不要でアンロックできるので、WindowsでもmacOSでもない機器にもマウントできる点も長所となります。例えばiPadOSやAndroidなどUSBストレージを認識できるOSなら使えるっぽいです。まぁこれらでそんなに高速なストレージが必要になる場面は今のところないですが…。いつかM1 iPad Proに買い換えたら簡単な動画や写真編集はiPadでやりたくなるかも?
SanDiskが認識せずT5を買い直すきっかけになったATEM MINI Proではどうでしょう?指紋でアンロックした時の再マウント動作が影響しそうな気はします。
結果は、バッチリでした。最初に接続した時はATEM MINI Proのランプがオレンジに光ってエラーを示しますが、T7 Touch側で指紋認証すると再マウントされてグリーンにかわります。短時間ですが録画ができることを確認しました。
当初、「一見マウントできているようで指紋アンロックを忘れて撮れなかった」みたいなミスをやらかすリスクがあるかな?とも思ったんですが、実際に試してみると、書き込み中はT7 Touchの指紋センサーの周囲の四角形のLEDが4辺毎に独立してクルクル回るように光るので、何も光らないT5よりも録画インジゲーターとして良い確認手段なんじゃないかという気すらしてきました。
ATEM MINI Proで録画して、高速にPC/Macに取り込む、という使い方にも充分使えそうです。
SanDiskが使えなかったのはNVMeだからという仮説があったんですが、あっさり覆ってしまいましたね。単に相性だったんでしょうか…
■外観、付属物
いわゆるクレジットカードサイズで、厚みは1cmを切っていて非常にコンパクトです。PCバッグのポケットなどにスっと入れておけます。ケーブルは内蔵しておらずUSB Type-Cポートがついているだけなので、別途ケーブルも持ち歩く必要があるのはやや煩雑ではあります。ただ付属品としてA-CとC-Cの短いケーブルがついているので購入する必要派ありません。むしろそこらの適当なケーブルを使うと速度が出ないことがあるので、基本は付属ケーブルを持ち歩くのが無難でしょう。何故か手持ちのUSB3.2 C-CケーブルでもMacで認識しないものがありました。相手PCとのやりとりを考えると、A-CとC-Cは両方持ち歩く必要があるので、短くて先端だけ変換できる10Gbps対応ケーブルが見付かったら買ってもいいかなと思います。
■速度ベンチマーク
実のところ500GB/sのT5でも1GB程度の動画ファイルなら数秒で書き込みできるのでそれほど不満ということもなかったのですが、やはり待ち時間は短いほど良いということで。
比較のため、500GB/sのT5と、同じ1,000MB/sのSandiskのものも測ってみました。
SanDisk ポータブルSSD 500GB 最大1050MB/秒 【PS4 メーカー動作確認済】 USB3.1 Gen2 防滴 耐振 耐衝撃 S…
Windows(Razer Blade 14 2021)
まず参考までに計測い使ったRazer Blade 14 2021の内蔵SSDを計測。
T7 TouchとSanDiskはほぼ互角でシーケンシャルアクセスは理論値近くまで出てる感じですね。T5は理論値の500GB/sを超えてます。
MacBook Pro 2021 (M1 Max)
こちらも参考までにMBP2021の内蔵SSDは読み書きとも5,000MB/s以上出ます。素晴らしい。ここからコピーしたりされたりするわけなので、やはり少しでも速いストレージを使いたいものです。
T5の倍とはいきませんでしたが確実に速くなっているのがわかります。理論値の7割程度というところ。同じGen2のSanDiskよりも読み込みはちょい負けて、書き込みは勝ってるという感じですね。
まとめ
速度ヨシ、セキュリティとユーザビリティの両立ヨシ、そしてSanDiskのようにATEM MINI Proで認識しないなどの問題もなく互換性もヨシ、シンプルなデザインもヨシ、そしてAmazonのBlack Fridayセールでコスパもヨシとかなり良い買い物ができました。
Black Fridayセールはもうすぐ終わってしまいますが、元の値段に戻ったとしてもこれからT5買うよりはセキュリティ、速度で優れるT7 Touchをオススメしたいところです。