3Dプリンターフィラメントの真空バッグ保管を電動ポンプで効率化

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3Dプリンターの素材となるフィラメントは湿度に弱く、長時間空気中に晒すと湿気を吸ってしまいプリント品質に影響(汚くなったり脆くなったり)が出ます。

プロい機材としてはフィラメントのリールごと加熱して湿気を散らすヒーターがありますし、普段はシリカゲルと一緒に防湿庫などに入れておく等の対策もあります。ただそれらはどうしてもスペース的に非効率だったり高くついたりするので、我が家ではこちらの真空バッグを使っていました。

これなら裸でリールを保管するのに比べてほぼ体積は増えないですし、コストも1袋辺り200円前後なのでコスパも良いです。

ただ難点は付属の手動ポンプでシュコシュコするのが大変ということ。かなり厳密に位置決めをした上でポンピングしないと全然空気を吸い出してくれません。いつも100回くらい無駄にポンピングをしながら位置を探り、そこからようやく吸い出しが始まるという感じで数分から10分近くかかっていました。面倒くさいのでつい使い終わったフィラメントを保管するのが億劫になり、最後に使ったものはプリンターにセットしたまま、ということになりがち。

そんなある日、3COINSのこちらの真空ポンプ機の記事を読みました。

https://www.palcloset.jp/display/article/detail/?acd=2304053co_001&b=3coins

食品用のポンプですが専用バッグの空気抜きの穴を見る限り同じような仕組みで流用が効きそう。しかも1,100円!ということで記事を読んだ翌日に速攻で3COINS店舗に買いにいったんですが、なんと近隣店舗含め長期欠品中有で次回入荷は2ヶ月先orz。

待ちきれないのでAmazonで類似品を探してこちらをゲット。

残念ながら価格は倍くらいしますが翌日にゲットできました。

使った感じ、ばっちり吸引することができました。あんなに苦労してシュコシュコしてたのがウソみたい。吸い出し口の上に置いてスイッチを押すだけ。手で押さえてる必要すらありません(ただフィラメントの方が圧倒的に重いので、吸い出し口の方が吸い寄せられて動くので、たまにポンプが倒れそうにはなります)。あの苦労はなんだったんだと。もっと早く知りたかった。3Dプリンター関連アイテムのショップはもっとこれを扱うべき!

充電はUSB microB。Type-Cでないのが惜しい。

また先端のノズルを付け替えることで空気入れにも使えます。

■ちょっとした不満を3Dプリンターで改善

少し不満もあります。先端が交換式になっており、吸引用のアタッチメントがこんな感じで細い支柱があってグラつくのです。受け側は空気が漏れないようゴムになってるのでなおさら。勝手に抜けるようなものではないですが、その辺に転がしておくにも少し扱いづらい。これのおかげで多少雑な角度で当ててもピッタリ吸える、というメリットもあるんでしょうが、手放しで上に置いて吸わせるだけならあまり利はありません。

商品写真ではこういう形状であることを意図的に隠してるんじゃないかとすら感じます。この点は3COINS製品のように吸引専用で割りきっている製品の方が面倒くささがないなという印象。

ということで、3Dプリンターのためのアイテムは3Dプリンターで改善を図ろうということで、簡単なアダプターを作ってみました。これで雑に扱っても折れるとか曲がる心配はなさそう。

アダプターを取り付けたところ。右が作成したアダプターの失敗作。

ちなみに、ちょうど買ったばかりのブラックのカーボン入りPETGを初試用。確かに普通のPETGやPLAより硬質な感じ。力のかかるパーツに使えそう。

これから買う人は(吸い出し専用が欲しいなら)3COINS製のように先端まで一体形状になってるものを選ぶとよいかも知れません。本製品の長所としては空気入れにも使えたり、汁物を真空にできるカップアタッチメントがついてくるところだと思います。

クラウンのスペアホールにDタイプスイッチがはまらかなかった話

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自動車のスイッチユニットはメーカー毎にサイズが規格化されていて、オプションの有無によって空きスロット(スペアホール)があり、そこに新たなスイッチや最近だとUSB充電器などを取り付けられるようになっています。トヨタ車だとA~Dの4タイプがあるようです。

例えばこういうものがDタイプです。

今回クラウンのスペアホールにデータシステムのTV-KITの切り替えスイッチを取り付けようとしたところ、元からついてたキャップと同社の付属スイッチTSW016がサイズが全く違って取り付けられませんでした。

右が取り外したキャップ。左がTSW016。
ボタンの大きさは23×23で同じ。紛れもなくDタイプ。

ボタン自体は同じっぽいのですが、後方のスイッチのケース部分が大きく違っています。取り外したキャップの方が大きいので、TSW016がスカスカで固定できません。なにかサイズ変換アダプタのようなものが売ってないか探してみたんですが見つからず。テープなどでグルグル巻きで太くしたり、厚めの両面テープで止めるなども考えましたが、差し込み方向できちっと固定するのは至難の業。

2023.4.28追記:

データシステムさんから返信がありました。やはり仕様として4つあるスイッチパネルのうちの左端には取り付け不可とのことで、その隣につける想定のようです。ただウチの仕様だと左から2番目のパネルは元からウインドウシールドデアイサーのスイッチが入っています。ウインドウシールドデアイサーは寒冷地仕様に含まれるので、寒冷地仕様をオプションでつけた人や(それが標準となる)北海道の人はそもそもこのビルトインスイッチは取り付けできない、ということになります。それは是非適合表にも注釈を載せておいてほしいとお願いしておきました。

アダプタを自作

仕方ないので3Dプリンターで自作してみました。

当該スイッチをセットしたところ

フィラメント(プリント材料)は少しでも熱に強い方がいいかなと思いPETGにしたら色が半透明というかほぼ白なので色を塗らないとかもと思ったんですが、取り付けてみると全然見えないので平気でした。少し奥行きが短いのは単純に時短です。上下の三角の突起で固定されるので、それより後ろはなくても同じのはず。スイッチと作成したケースの固定は、スイッチを前から押し込む形で特にロック機構はなし。普通に使っている分には手前に引き出す方向の力はかからないのでいっかと。

予定外の作業が発生してすっかり夜になってしまいましたがバッチリ取り付けできました(そのうち昼間に撮り直します)。

もしかしたら見落としているだけで既製品があるのかも知れませんが、とりあえず即日で対処できたので良かったです。クラウンのこのパネルはかなり他のパーツと絡んでいて、ここを取り付けなければ他のパーツも組み戻せず、車両を使えない時間が増えるところでした(翌日乗る用事が控えており焦りました)。

単純なプラスチック部品で済む話なので、データシステムさん含めどこかが商品化してくれるといいんですけどね。もしこんな間に合わせの設計データでも欲しいという方がいらっしゃいましたらDMM.make辺りにSTLデータを公開しようかと思います。

ついに3Dプリンター導入 Migda Magician X

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ようやく3Dプリンターを導入しました。以前からDMM.makeでデータ入稿してプリントしたものを宅急便で送ってくれるサービスは活用していましたが、設置場所とか機種選定とかで悩み自宅には置けていませんでした。

最近でいうとレジンを使う光造形方式のものが精度感が高いぽいので気持ちが傾いていたんですが、居室で使うとかなり匂いが気になるということで躊躇していました。同居人の商売の在庫置きに使っている部屋に置いてもいいよとは言われてまましたが、それはそれで何度も行き来するのが大変そうだしなーとか。

そんな中、昨年11月のブラックフライデーセールでSK本舗さんでMingdaのMagician Xという機種が3万円台になっているのを発見。

定価8.8万円、通常4.7万円で売られている製品が4万切り。うーん、レビューも悪くないしこの値段なら最悪失敗してもいいかな?と特攻。入荷待ちで届いたのが2022年末ギリギリでしたが、年明けてようやく触ることができるようになりました。

Magician Xは所謂FFF方式、つまりフィラメントを溶かしてプロッタープリンタのように配置していく方式のもの。多くの人が「3Dプリンターってこういうヤツでしょ?」って思ってる方の方式です。このタイプは中華ブランドが乱立していて素人にはもはやどれを選んでいいかわからない状態です。またコストや輸送費削減のためか部品がバラバラのまま納品されて、自分で何時間もかけて組み立てる必要があったりすると聞きます。精度が勝負みたいな3DプリンターでDIY組立してチューニングして、とか初心者には不安要素でしかないですよね…

その辺り、本製品はだいぶ考慮されていて、ベースモジュールにガントリー部を突き立ててネジ数本、ケーブル数カ所を止めるだけ、というシンプルさ。かつオートレベリングという自動キャリブレーション機能も搭載してあるので、初心者泣かせな部分がだいぶ緩和されている印象。

■とりあえずテストプリント

製品には試供品のフィラメントや、テストデータの入ったSDカードが同梱されているため、とりあえず動作確認まではすぐにできるようになっています。初心者にはとりあえず達成感が得られやすい上、初期不良確認も確実にできて良い配慮だと思います。

操作はタッチパネル。さすがにネットワーク機能はなくて、SDカードやUSBフラッシュメモリにデータを入れて使います。USB-C端子もあってもしかするとUSBケーブルで制御できるのかも知れませんが、PCから離れた場所に設置したので未検証です。

とりあえず付属データ、付属フィラメントで一発で出力完了しました。謎のキャラクターだと思ってましたが、どうやら北京五輪のマスコットキャラクターのようです。所要時間は1時間35分となっています。音は無音ではないですが充分静か。隣の部屋が寝室ですが動いていても全く聞こえません。なんなら同室でも全然寝られると思います。強モードの空気清浄機や布団乾燥機の方がよっぽど気になります。ヘッドがスライドするウィーンという音はしますが耳障りな音質ではないです。

出力されたもののアップがこちら。FFF方式につきものの積層痕はありますが、自分の主目的であるDIYパーツ類であれば充分かなと思います。頭頂の方の角度が急というか水平に近い斜め部分はさすがに目立ちますね。フィギュアやアクセサリのような見映え重視のものならやはり光造形方式の方が良いのかも知れません。

■ソフト環境

3Dプリンターのデータ作成には別途ソフトが必要です。用途にもよりますが部品設計など厳格な寸法ベースのものを作るなら3D CADソフトを使います。メジャーなのはFusion 360でしょう。個人利用なら無料で使えます。ただ商用となると一気にお高くなるのが悩ましい。例えば年数万円とかかかります。うーん、ちょっとしたパーツをDMMやフリマサイトで売るとかも商用なんですかね。まとまった収入につながらないとちょっと使いづらいかも知れません。そのデータ作る時だけ月額プランを申し込むとかですかね。

完全に無料でやるならBlenderもいいかも知れません。どちらもかじった程度ですが、フィギュアのような自由形状のものはBlenderの方が詰めやすい印象。なにか既存の製品を計測してそれにピッタリフィットする治具を作るならFusion 360かなという感じ。ここら辺、また使い比べて使い分けを考えていきたいと思います。

また3D出力段階でスライサーというジャンルのソフトも必要になります。Fusion 360やBlenderで作ったファイルを.stl形式などで書き出し、このスライサーに読み込んで3Dプリンターの制御情報に変換してSDカードやUSBフラッシュメモリに書き込むという手順になります。スライサーは文字通り3Dデータを層毎の描画情報にスライスするだけでなく、ラフトやブリム、スカートといったプラットフォームに食いつきを良くするための土台部分を自動生成したり、形状的に倒れたり折れたりしそうな箇所にサポートという支持部分を追加したりといった役割があります。色々な製品があるようですがMagician X、というかSK本舗さん添付の資料で推されていたUltiMaker Curaというものを使ってみています(無料)。同社の3Dプリンター向けのスライサーソフトのようですが、プリンターやフィラメントの定義プロファイルを追加することで他社製品でも使えてしまうようです。Magician Xもプリセットとして登録済みでした。フィラメント毎にスピードや送り出し量、温度設定などを細かく指定できるので便利そうです。

■定着ミスで四苦八苦

手習い的にいくつかの出力をしてたんですが、少し大きめの(10x10x20cmくらい)のモデルを出力していたところ、なぜか途中でフリーズして進まなくなってしまいました。仕方なく電源を落としたんですが、問題は出力途中だった失敗品の取り外し。ベタ面の底部分がガッチリくっついて剥がれず。ヘラをつっこんだりしてかなり強引にベリっとはがしました。後で調べるとMagician Xのようなガラスのプラットフォームでは充分に冷ませばかなり簡単に剥がせるらしく、失敗したなと反省。そのせいかのかどうか定かではないですが、その後の出力がことごとく失敗するようになりました。具体的には素材がプラットフォームに貼り付かずにクシャクシャになってしまう現象です。本機のプラットフォーム(出力物が載る台の部分)は「カーボランダム・ガラスプラットフォーム」となっており、たぶんカーボン的なブツブツが表面についていて滑り止めのような効果をもっているのですが、もしかしてそれごとベリっと剥がしてしまったのかと…?気持ち指触りがそこだけ滑らかになってるような?また写真にもある通り、印刷の最初に左端に1本線を描くのですが、ここはわりとしっかり定着します。

こういう時はスティック糊をプラットフォームに塗ると良いらしいのですが、後片付けも面倒になったり底が完全フラットにならなくなったりと弊害もあるので、まずは他の方法で改善できないかとフィラメント(エクストルーダー)の温度や出力速度をCuraで調整してみても変わらず。マスキングテープも貼ってみましたがダメ(これはちょっと質感がツルツルだったせいかも)。

もうガラスプラットフォームを交換するしかないかー(泣)と思いながらSK本舗さんの関連アイテムを見て回るとガラスプラットフォームの交換品は単体では売って無さそう。かわりにPEIシートという便利グッズ的なオプション品があったので買ってみました。これは適度な凸凹がついたプラットフォーム用の樹脂シートで、出力後にプラットフォームから外して、グイっと曲げることでプリント物が剥がしやすくなるというものです。Magician X専用のものはガラスのかわりにマグネットシートを両面テープで貼り付ける仕組みでした。出力時はそのマグネットシートにPEIシートをペタっと固定します。指がかかる切り欠きがついているので、そこから簡単にペリっと剥がすことができます。裏表使えて1,800円ほど。利便性も考えると消耗パーツとしてアリかなと思います。

だがしかし、これを使っても未定着問題は改善せず。結果として効いた(と思う)のはプラットフォームの温度でした。CURAでは、エクストルーダー温度(1層目とそれ以降)、プラットフォーム(1層目とそれ以降)を指定できます。スライサーは1層目をしっかり定着させるために独立で温度や速度、送り出し量を設定できるのですが、プラットフォーム側の1層目温度を5℃〜10℃あげてやるとすんなり定着してくれました(PLA素材のデフォルトが60℃だったのを70℃にする等)。テスト出力も含めた数回はこれをせずとも普通に出力できてたんですがなんだったんでしょうね。室温?

カーボンドットが剥がれているかも知れないガラスでもプラットフォーム温度を上げれば大丈夫だった可能性がありますが、すでにPEIシートのベースマグネットシートを両面テープで固定しまったので、もはやガラスに戻すことが出来ず検証不可能です。まぁPEIシート便利だから良し、と思っておくことにします。

ちなみに、ブリムとかラフトといった土台追加ですが、今回はそもそも1層目がまともに定着してくれてなかったのであってもなくても同じという感じでした。ただそれはそれとして、層を積み上げていった後でボロッととれてしまわないようにするのには有効というか必須かなという感じ。ブリムは造形物自体は1層目からスタートしつつ、周りに補助材を付加。ラフトはベースの土台を何層か敷いた上に造形物を作り始めるという違いと理解しています。当然ラフトの方が時間もフィラメントもそれだけ消費しますが、完成品を剥がした時の面の綺麗さは一歩秀でるなという印象。これも形状というか1層目の面積次第なところだと思うので、引き続き試行錯誤や情報収集をして使い分けを極めていきたいと思います。

■フィラメントの湿気対策

3Dプリンターの素材であるフィラメントは湿気に弱いらしく、真空パックで送られて来ますし、開封後はきちんと防湿しないと綺麗に造形できなくなるようで、保管体制が悩ましいです。巷ではDAISOの樹脂製の米びつケースを流用して、中に入れたまま3Dプリンターに送出できるようにするDIYなども流行っているようです。とりあえず自分も改造まではしないですが、同じケースを買って来て、中にシリカゲルと湿度計を入れて管理してみようと思います。

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電気的に加熱して除湿する保管庫も売られていますが、価格、設置場所的にとてもフィラメントの数だけ揃える気にはなりません。

今後、どれくらいの素材、色のバリエーションを揃えて、どれくらいのペースで消費するかを見据えつつ検討したいと思います。カメラレンズ用の防湿庫をサイズアップしてまとめて放り込んでおくのも意外といいかなとか。

■まとめ

憧れの3Dプリンターを導入し、日常のちょっとしたDIYパーツが高品質に作成できるようになりました。

家庭内あるいは業務機材周りのちょっとした不便や不整合を埋めるパーツを色々作っていけたらなと思います。

あとはベースとなるアイテムをスキャンできる3Dスキャナーがもうちょっと手頃(数万円台)に落ちてくると、色々捗りそうな予感。

精度は低いながらもLiDAR対応iPhone/iPad Proでもそれらしいことはできるっぽいので、それも追々試してみたいなと思います。