[3Dプリント] 新型クラウン用のマグネット式リモコンホルダー

クラウンクロスオーバーの運転席周りにFireTV Stickのリモコンを固定する場所がなかったので3Dプリンターで自作して当初は両面テープで固定していたんですが、出張でホテル用に持ち出したい時やちょっと音声認識をさせるのでリモコンを口元に持って来たいことがあるなーということで着脱式にチャレンジ。

シフトレバーを右に倒した時に干渉しないようやや外側(ドライバー側)にオフセットする調整がシビアでした。若干パノラミックビューモニターの起動ボタンが押しづらくはなりますが、これ以上後方寄りにすると、更に右オフセットを大きくとらないとならず、それはそれで邪魔な感じでした。リモコンが斜めになってもよければやり様はあるんですが。でもまぁ自分の体型的に指が自然に届くという意味でもこの辺りがベストかなと思っています。

裏面はこんな感じ。

ベースプレートとリモコン背面プレートそれぞれに百均のマグネットが埋め込んであってピタっとくっつきます。ボタンを押した時にシーソーみたいにリモコン自体がガタついてしまわないよう、プレートの長さも調整しました。ミュートや電源ボタンはまだ不安がありますが、ほぼ使わないのでヨシ!

あとプレートをつけたまま電池ブタを空けて電池交換ができるところもポイントですね。

ちなみに現在の動画サービスボタンがついているProリモコンだと背面の湾曲度が微妙に違っていて互換性がないです。そちらも追加購入してもっているんですが、そっちはBluetoothヘッドフォン切り替えボタンがついててホテル用に便利なので、使い分け。

動画でみるとこんな感じ。

[余談] 車載にFireTV Stickが良いワケ

AppleTV、FireTV Stick、Chromecast with GoogleTVをすべて複数所有している自分が最近は車載用としてはFireTVに落ち着いている理由を簡単に。まぁまずは価格が安いのは大きいですね。あとはDOPのHDMI入力に使う分には問題ないんですが、PICASOU2 ProのHDMI入力経由の場合、ナビ側のCarPlayプロセッサの能力で絵と音にズレが生じます。これをOSレベルで補正できるのがFireTVだけなんですよね。まぁPICASOU2 Pro使うならそちらでネイティブに動画サービスアプリを実行すりゃいいじゃんって話なんですが、クラウンの超ワイド画面だと想定外のアスペクト比で割と使いにくかったり。あと画面タッチも遠いし。

いずれにせよ他のリモコンも大概手元にあるので要望があれば対応のご相談もお受けできると思いますのでコメントでお知らせください(実費くらいは御請求になると思います)。

[3Dプリント] pulitoトイレラックにピッタリの引き出しを作る

ウチの2Fのト入れにはこちらのpulito(プリート)トイレ収納ラックが設置してあります。

コンパクトながら左列にトイレットペーパーのストック、右列には扉の中に掃除道具などが入れられます。

ただトイレ自体があまり広くないのもあって、右上のスペースによく使うクリーナーをつっこんでおくと、飛び出してしまって足がひっかかって落としてしまうことがしばしば。

地味にストレスだったので解消すべく3Dプリンターでピッタリサイズの引き出しを作成しました。

レンダリングイメージ

これでクリーナーが飛び出すことがなくなりました。

幅も奥行きもぴったり決まって大変気持ちが良いです。手前面の湾曲にもピッタリ沿わせて純正感を出しています。

手前の指を入れる穴の上下の層でサポートフィラメントに換装する時間がかかったせいか積層痕が2本出てしまいました。これくらいの厚みならサポートフィラメント使う必要なかったかも。というか高さを一杯にしなかったので穴自体いらなかったんじゃないか説…

PLAで造形に5時間かかったのでやり直すはイヤなのでペーパーがけで消してみようかな。

TPUフィラメントを乾燥させてみたらスゴかった

3Dプリンターの素材であるフィラメントは様々ですが、ものによっては吸湿性が高く、開封後しばらく放置すると湿気を吸って造形品質が悪くなる場合があります。もっともメジャーなPLAはそこまででもないですが、PETGやABS、TPUといったものは気を使います。

通常真空密閉されて送られてくる新品を開封した後は、乾燥剤を入れた密閉容器に保管するなどする必要があり、ものによっては改めて使用直前に加熱乾燥することが推奨されているものも。

とはいえ自分は売り物を作ってるわけでもないので、「使えればいいや」くらいで最低限の除湿剤保管くらいしかしてきませんでした。先ごろ購入したX1-Carbonはヒートベッドの加熱機構を流用して乾漆乾燥するモードが備わってますが、実際やるとなると8時間とか12時間とか占有されてしまいプリントができなくなるので躊躇していいました。

そんな折、久しぶりにTPUフィラメントを使う機会があったので、実際どれくらい違いがあるもんかと試しに加熱乾燥をして比較してみました。

1月(4か月前)に購入して除湿剤(シリカゲル)を入れて密閉バッグに入れていたフィラメントです。X1cのプリセットでは12時間となっていましたが、途中で切り上げたので10時間くらいだったと思いいます。X1cの加熱チャンバー容積はフィラメントスプールに対してかなり大きいので、フィラメント購入時に入ってる段ボール箱をかぶせるか、配布されているカバーのモデルを自分でプリントして使うことが推奨されています。ただ後者は加熱に耐えるPCなどの素材が指定されており今回は段ボール箱で実施。

なにもしないで造形したのが写真右、乾燥後に再度造形したのが左です。

結構違いが出ましたね。ブルーの半透明フィラメントですが、未乾燥の方はところどころ白くなっている上、糸引きがちぎれたようなプツプツが無数にできて全体にザラザラしていますが、乾燥してからやった方はそれが完璧とはいわないまでもかなり改善されています。

やっぱり効果あるんだなぁと実感。

TPUの使用頻度はそこまで高くないですが、柔らかいものを作りたい時などは第一選択しになる素材です。PLAの次に使うPETGなどでもそこそこ効果があるみたいなので、やはり面倒でも仕上げにこだわるときは乾燥した方がよさそうですね。

ということで専用ドライヤーを購入

ということで、長時間X1cで乾燥させるのは不便だし、熱量的にも効率が悪いと思うので、専用のフィラメントドライヤーを購入することに。ものによっては一度に複数のフィラメントを乾燥できるものもありますが、設置場所の問題もあるのでとりあえず1スプール用から。

要件として考えたのは、

  • 静音性が高いこと
  • 温度x時間指定しなくてもフィラメント種別指定で済むタイプ

あたり。

候補として挙がったのがSANLUとCREALITY。

価格差は誤差程度。ちなみにアリエクでもそんなに値段がかわりませんでした。

操作系もほぼ同じ、というか同一パネル?

大きく違うのが設置方向。SANKUは横向きにスプールが入って、フタも横に開くので左右方向にスペースが必要。逆にCrealityは前後方向にスペースを食う感じ。想定した設置場所の都合でSANLUにしてみました。デザイン的にはCREALITYの方がかっこいいんですけどね。

しばらく使用しての所感

動作音はほぼ無音で気になりません。最大消費電力も48Wなので電球くらいでしょうか。設置位置の都合上、X1cと同じコンセントから電源をとっていますがタコ足で心配する必要はたぶんなさそう。そうした基本的な使い勝手は概ね満足しています。いくつか不満点としては、

電源アダプタのコネクタ形状がイマイチ

本製品は付属のAC-DCアダプタで電源供給をするわけですが、プラグは一般的な丸型コネクタで、背面側から垂直に突き出る格好になります。なので本体を壁ピタで設定できなかったり向きをかえる時に引っかかったりしがち。どうせ足で浮いてるんだから底面とかからもう少し上手く生やしてほしかったなと思います。

フタ形状がイマイチ

スプールの出し入れにフタをほぼ180度バカっと開く必要があるので、実質のフットプリントはやや大きめ。出し入れのたびに本体の位置や向きをかえています。

またフタをロックする機構がなく、フタの穴にフィラメントを通して造形を行うと、たまに穴をスムーズにフィラメントが通過できなくてフタがパカっと開いてしまったり、スプール毎持ち上がったりしてフィラメント供給が止まってプリンター側でエラーになったりします。

70℃までしか設定できない

最近ASAを使ってみてるんですが、Bambu Lab製の公式の推奨乾燥要件は80℃で8時間です。しかしSanlu S2は70℃までしか対応していません。実際フィラメントプリセットにASAがありません。PLAやPETG系なら55℃とか60℃なので問題ありませんが、ABS/ASA/PCなどを利用する場合はちょっとスペックが足りないので要注意です。

自分はアニール処理やシリカゲル乾燥用途も兼ねてこちらの低温コンベクションオーブンを購入しました。

これはこれで専用機ではないので温度によってはスプールが溶けてしまうなどのリスクがあるし、そもそもフィラメント乾燥を目的として開発されている商品ではないのでご参考まで(ご利用は自己責任で)。

まとめ

多湿な日本の夏において、やはりフィラメントの乾燥は気を配った方がいいんだなということが実感され、ドライヤーを購入しました。一回に数時間とか半日かかるので、さほどきっちり毎回やるのは難しいですが、誰かに納品するような品質重視の時にはしっかり活用していきたいと思います。

またABS/ASA/PCのような造形温度が高いフィラメントは乾燥に必要な温度も高く、この機種では不足も感じます。それらを多用する場合は他の機種を検討した方がいいかも知れません。

MagSafeスマホホルダーをクラウンに最適化

クラウンではこちらのMagSafe式のスマホホルダーを使っていました。

ナビアプリなどを使うのに一番見やすい位置にスマホを保持できます。今のスマホ(iPhone 15 Pro Max)のバッテリーもちなら特に車内充電の必要を感じず、単にMagSafe規格のマグネットでペタっとくっつくだけのものです。

最近は純正ナビよりもNP1の方でナビをすることが多く、毎回スマホを操作してNP1アプリを起動した上でペタっとつける、というのも手間に感じるようになってきました。そこでシール型のNFCタグを購入して、iPhoneをかざすとNP1アプリが開くようにしたんですが、このシールを貼る良い場所がまたない。

一応目立たないよう黒いものにしたんですが、やはり質感が違うのでメータークラスターのパネル正面に貼りたくはない。さりとてシボの入った上面部分だとかざしづらい。マグネットリングの中央だと動作としてもスムーズかなと思って3Dプリンターで魔改造してみました(ちなみにリングの中央に当たるパネル正面にも貼ってみましたが奥行のせいで届かないのか磁界が邪魔するのかNFCを認識できませんでした。)

完成したのがこちら。

リングの中にちょうどハマるパーツを作成し、裏蓋の中にNFCシールを貼って隠せるようにしました。シール面から手前のNFCロゴの面までは1mm程度しかなく問題なくNFCチップは動作します。

ついでにフレキシブルなアームのせいでややグラつきがあって扱いづらかったので、基台部分を取り外してがっちり固定できる台を独自に制作。ダッシュボードの微妙な傾きに沿うようにして両面テープで固定しました。これでスマホをやや雑に引っ張ってもいい感じに脱着できるようになりました。

当初、耐熱性が60℃程度のPLAより高いPETG(70℃程度)で造形してみたんですが、なかなか表面が綺麗にならず、結局ASAという100℃くらいまで耐えられて紫外線耐性も高いフィラメントを購入して作り直しました。表面の滑らかさではPLAに劣る気もしますがまずますの仕上がりになりました。仕上がりの綺麗さと強度でいったらカーボンファイバー配合のPLA-CFもいいかなと思ったんですが、調べてみると通常のPLAよりもさらに耐熱性は落ちるみたいで断念。

ASAはABSについて匂いが出ると聞いて躊躇していたんですが、心配していたよりは気にならない匂いと強さでした。確かに造形中独特の匂いはしますが、刺激臭というレベルではなかったです。ABSよりは高いですが、Bambu純正の価格でいえばPLA-CFなどよりはずっと安いので、こうした車内、屋外用途では積極的に使っていこうかなと思います。

[3Dプリント] TPUスマホケースにストラップホールをあける補助具を作成

使いたいスマホケースにストラップ穴が空いてなかったり場所が気に入らない時はどうしていますか?特に衝撃吸収性が優れたTPU素材の場合、グニャるのでドリルやピンバイスで穴を空けるのも一苦労だったりします。実際同居人が毎度左サイドのにストラップをつけたいのに右にしか穴がなくて自分で空けるのに苦労していたので、今回3Dプリンターで治具を作成してみました。

出来上がったのがこちら。

パッと見どう使うかわかりませんねw。一番左の大小の穴が4つ空いているのがAパーツとします。残りの突起がついたピンクと半透明のをBパーツ1&2と呼びましょう。Bパーツの1&2の違いは穴の径です。今回は25mm用(ピンク)と28mm用(半透明)としています。

実際に使う時はこんな感じ。

穴を空けたいスマホケースの内側にAパーツをセットして、スマホケースをはさむようにしてAパーツを取り付けます。この時、Aパーツの大きな穴とBパーツの円錐突起をはめ合わせる様にすると、小さい穴つまりドリルを通す穴がピッタリ合うようになっています。またAパーツの横端をスマホケースの底面(写真では上側)にピッタリあわせるようにすると、反対側の元々の穴と同じ位置にドリル穴がくるように計算してあります。両パーツの大きな凹みは指でつまんで持ちやすいようにつけてみました。

この状態でしっかりスマホケースをはさんでA/Bパーツを固定しながら2.5mmまたは2.8mmのピンバイスでグリグリ穴を空けていきます。ドリル刃は真っ直ぐケースに垂直にブレずに当たるので正確な位置に綺麗に穴が空けられます。両側からサンドしているのでグニャって逃げることもできないので力もさほどいらなかったようです。またBパーツを交換することでドリル穴径も変えられるので、下穴として最初に小さな穴をあけ、そこから太いドリル刃にかえて穴を拡張していく際にも正確に同じ位置に差し込めます。今回は作りませんでしたが下穴用なら2mm以下のより細いものを用意してもいいかも知れません。

TPU素材のケースの場合、一発で綺麗な穴にならずちぎれかけた素材がへばりつく場合もあり、適宜ニッパーやカッターで整える必要が出てくる場合もあります。本当はドリル刃をライター等で炙ってやると綺麗な穴になりますが、3Dプリント造型物は数十℃~100℃程度で溶けてしまうので使い捨て覚悟でやることになりそうです。もしくは下穴をこれで空けてから、最後に切り口を揃える為に炙ったドリル刃を再度通す、とかですかね。

今回はGalaxy S24 Ultra用のケースを想定して作成しました。スマホの厚みや底面からの距離、穴と穴の間隔などは簡単に調整できるようにモデルを組んだので、別機種にも対応できそうな気がしています。というか自分で位置決めしてしっかり挟んでおけば汎用的に使えそうな気も。

ともあれ、「すでに手で穴を空けてしまったケースも買い直してこれを使いたい」と言ってもらえる程度には成功したかなと思います。ご興味あればコメントでお知らせください。