X1-Carbonのフィラメントセンサー交換 ~予備部品在庫って大事!

0.2mmノズル、詰まりやすくて大変ですね。

まぁそれに限らずちょいちょいエクストルーダー詰まるわけですが、先日けっこうガチめに詰まってしまい、たぶんペンチでフィラメント片を引っこ抜いた表紙だと思うんですが、エクストルーダーの上寄りについているチューブコネクターと一体化した透明のパーツ、あれについている米粒ほどのマグネットが外れました。あとスプリングがゆるゆるに。ここも詰まり具合によってはエクストルーダーから脱着したりするわけですが、よく見るとネジ周りにもクラックが入ってしっかり締められなくなっている満身創痍状態。ネットで動画をみまくってマグネットの本来の位置に貼り付けてみたんですが、たぶん接着が剥がれてるのですぐに取れてしまう。実際、フィラメントのロードができなくなってました。

破損したフィラメントセンサー

原理的にはチューブコネクターをフィラメントが通過すると反対側の出口についた金属の抑えパーツが持ち上がって、そこについたマグネットが基板に近づいて反応する(フィラメントが挿入されたことをシステムに通知する)、という感じでしょうか。それが正しく検知されないので、AMSから無限にロード/アンロードを繰り返してしまいます。

幸いBambu公式ストアでこの部品だけ購入することができます。「押出フィラメントセンサー」という名称で1,980円(税込み、送料別)。

エクストルーダー(押出ユニット)まるごとだと7,680円もするので、それよりはだいぶ安く済んでありがたい。ダウンタイムが2日ほどありましたが無事交換してことなきを得ることができました。

ちなみにケーブルはボンドで固定してあります。ヒートガンやドライヤーで温めて除去してからコネクターを引き抜きます。でないとエクストルーダー基板側のコネクターを破損したらまるごと交換になるので危険です。このケーブルはフィラメントセンサーにネジ2本で固定されているので、正直エクストルーダーが詰まって脱着するたびに外すのが面倒で、このコネクター側を外して取り出したいところですが、やはりコネクターが摩耗/破損したら困るのでやめておいた方が無難かも。実際、再度固定しろとばかりにボンドも付属していました。

パーツストック大事

今回たまたま製作依頼が立て続けに入っていたタイミングだったので焦りました。公式ストアに在庫があったので良かったですが、けっこう品切れのこともあって、本国から再入荷するのに結構待たされたりすることもあるので、こうした替えの効かない、Amazonなどで買えないパーツは予備のストック必須だなぁと痛感。Amazonの公式ストアはフィラメントはあるけどこういう保守パーツは扱ってないですし。

今回も2つ買おうかと思ったんですが、まずそれで治ることを確認したかったのと、予備としてはセール狙いでもいいかなと日和ったというのがあります。次のセールまでにパーツを選定しておこうかなと。クリティカルだからといってなんでもかんでも予備を買い揃えておけるわけではないので、突然破損しやすそうなもの、替えの効かないもの、費用面で現実的なもの、といった観点でのチョイスとなるでしょうか。例えばタッチスクリーンユニットとか、ガラスパネルとかはさすがに、といった感じです。

今のところ考えているのは、

  • フィラメントセンサー(今回交換した部品)
  • 0.4mmホットエンド(ユニットではなく単体)
  • 冷却ファン系
  • ベルト系

など。ホットエンドは本体だけあれば、ファンやセンサーは最悪他のサイズのノズルから移植でもできるかなと思っています。まぁ買っておくにこしたことはないですが。ともあれ0.4mmだけはダウンタイム無しで使えるようにしておきたいところ。ベルト系はどうなんでしょうね。徐々に緩んで造形精度が落ちてきたりはするでしょうが、突然切れたりとかするんでしょうか?

押し出しユニットは今回のフィラメントセンサーとギア以外はそうそう壊れることはなさそうに見えます。ギアはBIQUの金属製に交換してあるので、まず摩耗しないし、最悪純正の樹脂ギアも残ってます。やはりフィラメントセンサーかな。

あとはなんといってもビルドプレート系ですね。よく使うのはスムーズPEI、SuperTack、エンジニアリングプレート。スムーズPEIがいちばんダメージ受けやすいので、これは複数ストックほしい。SuperTackも頑丈とかいいつつ割とフィラメントが剥がれずに残ったりしがち。エンジニアリングプレートはASAとか高温フィラメントで使いがちですがこれ公式でもう売ってなさげ?他で代用せよということなんでしょうか。テクスチャーとスムーズの中間くらいの質感で良いんですが。SuperTackはPLA専用という感じ。PETGとかは割と温度上げないと定着せず、言う程メリットを感じてないですが、まぁPLAで大量に造形するにはいいかなと使い続けてます。

AMS系はどうなんでしょうね。4フィラメントフルに駆使して造形することは基本ないので、1,2台壊れてもクリティカルということはなさそうかも。全体がダウンするようなハブとかがあるといいのかな?あれも直接いじることはそうそうないので破損リスクも低そうですが。

「こいつは突然死するから予備買っとけ」みたいなのあれば是非教えていただければと思います。

[3Dプリント] カバーつけてても使えるJoy-Con2グリップを作成

Switch2にはこのカバーをつけてみました。

重視したのはそのままドックに刺さること。デザイン的には同じSpigenのこちら↓もラギッド感あって気になったんですが、やはり90% TVモードで使う自分にはドックとの相性は重要で。

初代ではグレーを買ったんですが、現状Switch2では左右Joy-Conに初代を彷彿とさせるネオンレッド&ブルーのアクセントが入っています。だったらいっそこれを活かすカラーがいいかなと思いチョイス。

あと、ボタンまわりがカバーされてしまうとボタンの押し心地が変わってしまう(押し込みづらくなる)のも嫌ったというのも理由です。

肝心のドックへの刺さりですが、「少しキツくなるけどしっかり挿せばOK」くらいの感触です。本体を持ち上げると途中までドックがついて浮き上がってくる感はあります。別途ドックを固定する方法を考えたい。

Joy-Con2グリップが使えなかった!

で、「装着したままドックに刺さる」ことはしっかり確認して選んだんですが、思わぬところにトラップがありました。Joy-Con2グリップが使えなくなったのです。JOY-Con2背面側にカバーの厚みが加わるのでそりゃそうかって感じではあるのですが、まったく考慮していませんでした。今はまだプロコン2(もしくはそれにかわるコントローラー)をゲットしてないのですが、旧プロコンだとリモートで本体の電源を入れることができないので、ドンキやマリオカートくらいなら当面はJoy-Con2グリップでしのぐかぁと思ってた矢先なのでショック…

そんな時の3Dプリンターですよ!

ということでMakerWorld(BambuLab向けの3Dモデル共有サービス)でJoy-Con2用互換グリップを物色。こちらを見つけてプリントしてみました。

純正グリップのような並行型ではなく逆V字アングルがついているタイプ。背面側にサムグリップ形状がなく、Joy-Con2と同じ厚みなので、カバーがついても干渉しません。

同じようなモデルはたくさん投稿されてたんですが、このandreiさんのモデルで良かったのは接合部にマグネットを仕込む凹みが設けられている点。本体同様にカチャっと吸い付くようにつき、背面ボタンを押して外すことができます。今のところ不用意に外れるような不安感もないです。もちろん意識して引っ張れば外れますが、普通に握ってる分には問題なさそう。わずかにガタつきもあるけど実用範囲かな。

Seriaで売ってる6mm径のマグネットを瞬間接着剤で埋め込みました。モデルは6mm径用だと2mmと3mm厚のものが用意されてるんですが、Seriaの6mmマグネットは2.5mmとちょうど中間。0.5mm位別にいいかとも思ったんですが、一応PLAで0.5mm厚の丸板を作って間に敷いておきました(stlモデルは再編集が大変)。たぶんちょうどその分だけベース面からマグネットが飛び出す感じになっていますが、逆にJoy-Con2側のマグネット部分が微妙に凹んでるのでちょうどフィットしていそう。

逆V字が良いのかどうかはもう少し使い込んでみないとわかりませんが、今のところ特にネガはない印象。人間工学的には手首に優しそうではあります。

最終的にはFPSやアクションゲームで背面ボタンはほしいので、いずれプロコン2を買うか、PS配置が好きなので、8bitdoのPro3が日本に入ってきたらそっちかとは考えていますが、それまでの繋ぎとしては充分用を足してくれそうです。

Switch2ゲット、USBカメラ要件が厳しい…

発売日を過ぎること1ヶ月半。ついにSwitch2を入手しました。というかむしろ当面見送りと思ってたんですが、同居人は欲しがっていたので、あちこち抽選応募したり店頭彷徨ったりしているうちに、ある時楽天ブックスで単品+ドンキーコングバナンザのセットパッケージが注文でき、その翌日同居人自身が応募していた有隣堂店頭抽選を引き当ててダブついてしまい、、、楽天ブックスはキャンセルも不可だし、どうしようかなぁ。だれかほしい人に譲ろうかなぁと悩んだ挙げ句、まぁ色々テストしたいち自分用にしとくか、と。あと、セーブデータはまるごと引っ越ししかなくて、先に使ってない初代モデルを売ってしまうとかできないと思ってたので、はやめに2買って1を売った方が得かなとか。でも買っていざ引っ越ししようとした段で、クラウドバックアップもできると判明…

それまでNintendo Onlineはもちろん、ヨドバシ、ビック、ゲオ、イオン、古本市場、有隣堂、ドンキホーテなど複数回ずつ落選しまくったのに、まさかの(二人で)二日連続で引き当ててしまい。

ちなみにプロコン2はもう少し前にAmazonで買えたのを同居人に譲り、自分用はまだ悩み中。PlayStationレイアウトの方が好きなので、8bitdo Pro 3辺りが日本に来るのを待とうかなとか。

■ファーストインプレ

まぁ散々インプレは出尽くしてるので今更ニュースバリューもないので簡単に。

  • Joy-conのマグネット脱着はとても快適
  • 手に持って遊びにはちょっとデカい。特に寝転がっては厳しい。
  • Splatoon3などははっきり画質の向上と動きの滑らかさがわかる
  • スタンドはまだちょっと折れそうで不安
  • USBポートが上にもついたのは神
  • IPv6に対応したっぽい

というとこでしょうか。もともとほぼTVモードでしか使ってなかったので、携帯性はわりとどうでもいいというか、むしろLiteやAYANEO Air(395g)くらい突き抜けて小さい方が有り難く、大きくなった喜びはあんまりないかな。でもまぁ同じ8インチ前後のLegion Go(854g)と比べてもかなり軽い(398g)のでワンチャン寝ゲームもできるかな?

ドックに有線LANポートが内蔵されたのはスッキリして良き。でもなんかリンクが切れる問題とかどうなるんだろ(初期報では本体ごと初期不良交換みたいなことも言われてたけど)。実際、一度初期セットアップのゲームソフトダウンロード中に有線LANが無効化される現象出ました。

■USBカメラとマイクの動作検証

Switch2はチャット機能が強化されており、外部カメラを接続するとビデオチャットもできるようになりました。その際のカメラは純正だけでなく一般的なUVC準拠のWebカメラが使えるっぽい、ということで恒例の手持ちカメラ動作テスト。ただすでに先行レビューでUVC1.0でないとダメそうということが言われており、1.1や1.5のWebカメラは望みが薄そう。OBSBotのTiny 2, Tiny 2 Lite, Meet 2, Tiny SE, Meet SEは2025年後半にファームウェアアップデートで対応するという話もあるっぽい。うちはTiny2とMeet2があるので期待。特にMeet2は画質も良いながら非常にコンパクトなので、Switch2の上にマウントしたら便利そうだなと思って3Dプリンターでマウンター作る気でいます。

ということで、案の定手持ちの高画質系のカメラは全滅でした。

OBSBot Tiny2、Meet2はいわずもがな。旧モデルの初代TinyもOBSBot Tail Airもダメ。Logicool 初代BrioもSONY α7IVもダメ。初代Tinyだけはカメラとして認識されるも白画面。他はカメラとして認識すらされてなさそう。ちなみにマイクとしてはどれも使用可能でした。マイクは汎用性高いなー、、と思いきやRODE Wireless Proは認識しませんでした。32bit float機はさすがにダメかな?

ということで、なんと現在我が家で使えるカメラないかも。まぁ現時点でSwitch2もっててビデオチャットするような知り合いほぼいないからいいんだけども。

時間できたらビデオキャプチャデバイス系も試したい。RODE VideoCasterとか。

2025.7.24追記:

Logicool Brio 4K (V-U0040)はファームウェアのダウングレードで認識しました!

■ドックの冷却スタンドを3Dプリント

今回もほぼTVモードで使うのでテレビ近くにドックを配置。DIYで作ったテレビ台のルーターを置いてる隠し空間に並べておこうと思ったんですが、ここたまにケーブルの重みなどで背面に落下することとがるので、きちんと固定してみることに。

自分で簡単な固定治具を設計して3Dプリントしようと思ってたんですが、MakerWorldを眺めてたらいい感じのドック台がありました。どうやらDock自体も4K出力や有線LANの負荷で発熱するらしく、本体とは独立の冷却機構を備えており、下から吸気、上から排気というエアフローになってるぽい。そこでこの台では25mm角のファンを2機搭載でき、ドックのUSBポートから給電して補助冷却ができるとのこと。これでいいじゃんってことで、STLファイルをもらってきてネジ穴だけあけました。

3.8mmのビス用の穴を2箇所追加

2×4材で作ったラックに木ネジで固定しまおうと。

設計者がリンクしている25x25x10mm厚のファンx2台ペアの製品は日本で見付からなかったので、こちらの同サイズのファンセットを買って、2ピンコネクターをカットしてUSB Aプラグをハンダ付けしてしのぎます。LEDいらなかったけどあった方が安いあるあるで。

普通の光らない黒いファンがいいならこちら。

定格電流が0.19Aと書いてあるので、2台でも0.38A。Switch2のドックのUSB AポートはUBS2.0で0.5Aは流せるはずなので、まぁ大丈夫でしょう。

先日買ったばかりの半田ゴテが火を噴くぜ。

ドックのUSBポートは本体がスリープ中でも常時給電のようです。実際スリープ中でもアップデートをダウンロードしたりとかするのでまぁいいかと。

うるさかった

残念なことに、このファンは結構ファンの動作音が大きかった。テレビ裏に置いて2mくらい離れていても結構聞こえる。猫も「なんの音だ?」と振り返るレベル。これは家族からクレームきそうだからボツ。スペックだけみると19.6dBAって結構静かそうだけど、さすがにこのサイズで8,000rpmってそんなに静かなわけない?

ちょっとファンを交換して再チャレンジ。しかし以外とこれより低回転数の25mmファンがない。アリエクで5,000rpmを発見したので注文。届き次第追記します。

WordPress記事に3Dモデル(STL)を貼る

3Dプリンター製作物の紹介記事が増えるにつれ、その形状をブラウザ上でグリグリできるような形で紹介したいことが増えてきます。

以前はEmbedSTLというプラグインを使用してこちらのような貼り方をしていたのですが、あまり自由度がなくイマイチでした。また2年ほどアップデートがされておらず、メンテナンスが終了している可能性もあり、ちょっと使い続けるには微妙かなと。

EmbedSTLの表示例

そこで改めて物色し、Woo3DViewerを発見しました。こんな感じの表示になります。まずはそれぞれ使い比べてみてください。

操作方法は共通で、

  • 左ドラッグでアングル
  • 右ドラッグで位置移動
  • ホイールでズーム

です。

Woo3D Viewerの表示例

Loading file
  • Fullscreen
  • Wireframe
  • Zoom In
  • Zoom Out
  • Rotation
  • Screenshot
  • Help

Controls

×
  • Rotate with the left mouse button.
  • Zoom with the scroll button.
  • Adjust camera position with the right mouse button.
  • Double-click to enter the fullscreen mode.
  • On mobile devices swipe to rotate.
  • On mobile devices pinch two fingers together or apart to adjust zoom.
  • On mobile devices 3 finger horizontal swipe performs panning.

サイズやモデル、背景の色もことこまかにカスタムできるのがいい感じで、乗り換えることに。

■Woo3DViewerの特徴

Woo3DViewerは基本機能無料で、一部の機能は有料版のProのみ利用可能となります。ちなみにWordPressのプラグインディレクトリでは「Easy 3D Viewer」という名前で表示されます。

以下がプラグインの画面です。WordPressプラグインあるあるですが、入り口がサイドバーの歯車アイコンで、他のプラグインとかぶっているのはご愛敬。メディアライブラリにアップロードした3Dモデルを「Set Model」から選択し、各種パラメーターをプレビューを見ながら設定し、「Generate」ボタンでショートコードが生成されます。これを記事にコピペすることで上記のような表示ができます。正直手間としてはEmberSTLに比べるとひと手間かかります。また修正したい場合も、ショートコードを記事からこの画面にコピペして戻してやる必要があったりします。データベースには残らず、あくまでショートコードジェネレーターという仕組みですね。簡単なパラメーター変更ならショートコードの中身を直接書き換えてもいいんでしょうけど。

そのちょっとした使いにくさを補ってあまりある機能的長所があります。[PRO]と書いたのは有料版の機能です。

  • モデル色、背景色、質感などをカスタマイズできる
  • 全画面モードがある
  • 自動回転アニメーション
  • STL以外のファイル形式にも対応(.OBJ, .STL, .GLTF, .GLB, .ZIP [以下PROのみ].3MF, .WRL,)
  • 各種初期パラメーター(角度、ズームなど)も指定可能
  • [PRO] PNG、アニメGIFなどへの変換
  • [PRO] モデルの修復、ポリゴン削減、圧縮(読み込み高速化)
  • [PRO] 外部サイトのモデルを表示
  • [PRO] 1ページ内に複数モデルの表示(10個まで)

有料版は$29で、購入時点で税込み5,477円でした。正直プラグインとしてはお高いなと感じてしまいましたが、個人的には1記事に複数貼りたいケースもあるなということで購入に踏み切りました。特に今後取り組んでいきたいクライアントワークで、客先にイメージを伝えるのにブラウザ上でプレビューを見せられるのは有用だなと思い。WordPressで固定ページを作りパスワードをかけて共有すれば、相手がSTLビューワーをもってなくても超簡単に閲覧してもらうことができます。全画面モードでみてもらえばかなり詳細まで確認できて良いなと。

STL保護が課題

EmbedSTLでも同様ですが、一番の懸念は生stlファイルをアップロードしてURLで参照するので、HTMLソースをみれば直リンクが露呈してしまう点。例えば販売商品紹介で使うとSTLを取得され勝手に複製されるリスクがあります。それもあって、今までもあまりEmbedSTLを積極的には使ってこなかったし、そこはWoo3D Viewerになっても同じかなと。当面は「販売予定がなくSTL盗用されても惜しくないもの」と、パスワード付きでクライアントワークの成果物共有用という形になるかなと思います。

はんだごてを買い換え。goot PX-280はインサートナットにも最適解!

4年ほど前に購入したこちらの半田ごてが壊れました(以下Manelord)。

電源ランプは点くものの、全く温まりません。というか温まったり温まらなかったり。分解してみるとヒーターにつながるコードのハンダが剥がれてました。ヒーターに通電しないんだからそりゃ温まるわけがない。というか普通に危ない。最近、インサートナット用のこて先が固着してペンチでグリグリしたのも良くなかったかも。

(インサートナットとは3Dプリント造形品に専用ナットを熱で埋め込んで、頑丈な金属ナット受けを作る技法です。)

ハンダ付けし直せば治りそうですが、それには半田ごてが必要ですw。自動車のインロックみたいな状況。

仕方ないので追加で1本買って、古いのはもし直せたらインサートナット専用にしようかなと。ちなみに使っているのはこれ(以下ShineNow)。先端のチップがネジで脱着式になっていて1つで様々なサイズに適用できてコスパが高いです。

■どうせ買い直すなら良いのにしよう!

なんだかんだでちょいちょい使うので、どうせなら性能や使い勝手の良いものに投資しましょうということで検討開始。

まず思ったのは温度がデジタル表示付きで確認&設定できるものがいいなと。海外の劇安品でもあるにはありますが、やはり信頼性で国産のHAKKOかgoot(太陽電機産業)くらいを狙いたい。有名なHAKKOは7千円くらい、gootで5千円、海外製だと2千円台といった相場感。

値段もさることながら、いくつかの理由でPX280に決定しました。メーカー公式ページはこちら

・goot PX-280の魅力

インサートナット用こて先ラインアップが豊富

古いのを直してインサートナット用にするつもりではありますが、万一きちんと治らなかった時の選択肢として重視。アリエクで売っているようなインサートナット用こて先は古めのデ・ファクトスタンダードの規格で作られていて、現行の国産半田ごてには使えないものがほとんど。色々なサイズがセットになっててお手頃なのはいいんですが、逆にまたそれにあわせて古い規格の半田ごてを買い直すのもなんだなと。

その点、PX-280は純正でインサートナット用のこて先が何種類も出ているのが良き。ただアリエク品のように先端だけねじで交換できる方式ではなく、サイズ別のこて先まるごと交換なので、M3,4,5…と買い揃えると地味に値段がはります。それでもまぁあるのは有り難いなということでPX-280選択の理由のひとつになりました。

耐熱保護キャップがある

太洋電機産業(goot) PX-280専用 耐熱保護キャップ PX-28CAP

太洋電機産業(goot) PX-280専用 耐熱保護キャップ PX-28CAP

440円(08/01 03:57時点)
Amazonの情報を掲載しています

別売りになりますが、シリコン製のキャップが用意されており、熱いままの半田ごてをすぐに収納できます。気持ち的に収納までするのはやや不安ですが、少なくともそこらに転がして冷ましておくことができます。もちろんManelordに付属していたこてスタンドもあるので、それに挿して冷ませばいいんですが、猫とかもいるしキャップしておけるのは安心感あります。

PX-280側がネジのように見えますが、実際には押し込むだけでピチっとはまり、瞬時に脱着できます。PX-280を買うなら是非セットで買うことをオススメします。

その他の機能として、

  • Manelordの60Wに対し80Wなので加熱が早く、すぐ使える
  • 振動センサーで使っていない時は200℃(設定で変更可能)まで温度を落として待機、手に持つと自動で設定温度に向けて復帰開始
  • 更に長時間放置(初期値60分で0〜999分で設定可能)すると、自動で電源OFF
  • 断線、異常などのエラー表示

といった感じ。省電力、安全面でも配慮がされているなという感じ。80W、操作UIがある分、今までのManeloadに比べて一回り太くて重いので取り回しが悪くなりますが、立ち上げの速さは感動ものです。

なんということでしょう!

嬉しい誤算なのですが、前述のShineNowのインサートナット用のこて先がPX-280にもピッタリ装着できました!これはManelordの半田ごてはいらないんじゃ?実はManeloadにShineNowのこて先つけると微妙に長さが合わなくてしっかり固定できなかったり、装着したまま冷ますと固着して外せなくなったりと微妙に合わなかったんですよね、、それを考えると、無理にハンダ作業用とインサートナット用で使い分けなくても、どちらもPX-280で使っておけばいいのかも。まぁManeloadをインサートナット専用にするなら別に脱着できなくてもいいし、温度調整もそれほどシビアに感がなくていいので、付け替えの手間を思えば使い分けもメリットあるんですが。ちょっとその辺りは実際に運用しながら検討してみます。MakerWorkdなどにモデルがたくさんある、インサートナット専用スタンド(垂直にまっすぐナットを入れる工具)を作ってみるのもいいですが、置き場所がなぁ…

■Bento3Dで専用ボックスを作る

Maneloadのセットに付属のプラケースでは入らないし、ツメが折れたりもしてきてるので、ハンダ用品一式を入れる収納ボックスを用意しようと思い足しました。百均で物色してきても良かったんですが、せっかくなので前々から気になっていたBento3Dでジャストフィットなボックスを作ってみることに。Bento3Dはブラウザ上で簡単に仕切り付き、フタ付きの収納ボックスを設計してSTLファイルをダウンロードできるWebサービスで、3Dプリンターがあれば簡単に思い描いたボックスを出力することができます。

まず外形サイズはこんな感じ。本当は250mm取りたかったんですが、X1-cのビルドプレートに収まらなかったので縮小。PX-280はナナメにすれば入るという感じ。

せっかくなのでパーティションもつけてみました。

この設計を元に自動的に

  • 外箱
  • フタ
  • リッド(留め具)
  • 内部仕切りボックス

の4パーツのSTLファイルがダウンロードできるのでスライサーに読み込んで造形します。

内部仕切りボックス以外の3点はレイヤー高さ0.1mmが推奨設定でしたが、めちゃくちゃ時間がかかってしまうので、0.4mmノズル・0.12mm高で妥協。「お好きに」と書いてある内部仕切りボックスは久々に0.6mmノズルを使ってさらに大雑把に造形しています。所要時間とフィラメント量はこんな感じ。フタは文字を入れたのでその分増加しています。

フィラメント使用量所要時間
外箱172g5時間46分
フタ104g2時間38分
リッド(留め具)1.8g31分
内部仕切りボックス193g5時間21分
合計約470g約14時間

まぁまぁの大物プリントです。フィラメント使用量は約0.5kg=半スプールと考えると、原材料は1,000円弱というところでしょうか(主にELEGOO RAPID PLA+を使用)。

プリントパーツ以外のネジ類が必要です。

Amazonではねじは30本入り1,419円しかなく、平行ピンは売ってすらいません…

すでに大半の造形を終えていたので焦りましたが、どうにかモノタロウで発見。それぞれリンクしておきます。小計799円+送料500円でしたが、初回登録500円クーポンが適用できたので、税込み879円で購入できました。少し高いですが4,5回分はあるのでまぁヨシ。ネジはコーナンとかでもありそうだけど、平行ピンはどうかなぁ。今度行ったら探してみます。

実質の原価合計でいうと1,100円というところかな。百均で買うことを思えばかなり割高ですが、一度Bento3D使ってみたかったのでヨシ!

代行出力のご相談もお受けしています(とはいえ上記の値段にはなりませんが)。

仕上がり

使い道がなくスペースをとっているゴールドのフィラメントを消費しようとも思ったけど、さすがに派手すぎるのでワンポイントだけ使用。

■まとめ

安物の半田ごてManeloadが壊れたので、これを気に少し良いgoot PX-280を購入しました。デジタル温度表示で通電後みるみる温度が上がっていくのは非常にストレスなく使い始められます。耐熱キャップの存在や、電源切り忘れても自動でOFFになるなどの安全面でも安心感あります。それでいてHAKKOよりはお手頃だし、結果的にShineNowのインサートナット用こて先も流用できたので、非常に満足度の高い買い物になりました。

数年使ったManeloadより一回り大型化してしまった点だけが気になっていますが、総合点では明らかにメリットの方が大きいのでしっかり慣れていきたいと思います。

2025.7.9追記: 専用こて台も買ってしまった

PX-280が予想以上に気に入ったので、専用こて台まで買ってしましました。

PX-280専用というよりgoot製汎用ですが。

最近はスタンドはManelordの付属のものを使い、こて先クリーナーはHAKKOのワイヤータイプ(金だわしみたいなヤツ)の599Bを使ってました。が、ManeloadのスタンドだとPX-280はやや重くて不安定だったのと、ぼちぼち599Bの金だわし部分が寿命かなという感じだったので、これを気に買い換えることに。

最近は専らワイヤータイプのクリーナーでしたが、やはり水を含ませたスポンジも一長一短でしっかり使い分けた方が良さそうということで、探したところ、ちょうどgootの純正スタンドに両方ついたST27が。少しフットプリントは大きいですが、485gとしっかりとした重みがあって安定感あります。また半田ゴテを挿入する部分の角度が調整可能なのもヨサゲ。

実際にPX-280を置いてみると、さすがのピッタリ感。そして写真のように金属のループが引っかかって半田ゴテが持ち手側にひっくり返る心配もなさそう。総じて安心感が高いこて台だなという印象です。

角度調整はしっかりネジで締め付けて固定する方式なので、こまめに調整するというよりは固定でガッチリ角度を決める想定なのかな?作業場に出しっぱなしな人向けという感じ。自分みたいに使う時だけデスクの空きスペースで作業するという場合は、都度都度角度調整したくなるかも?まぁでもネジの締め具合次第でいい感じの固さにもできるかな?