最近のBambuLab X1-Carbonとか3Dプリントとか

今年3月に導入したX1-Carbonと3Dプリント活動の近況をまとめてみたいと思います。

最近は月イチくらいで依頼を受けてモデリングとプリントをしている気がします。主にはというか全て過去のブログ記事から「これ欲しい」とご連絡いただきつつ、なんやかんやカスタムもしているという感じ。手元に対象機器がないものへの治具をリモートで作るのは結構大変で相手にノギス買って下さいとも言えず、何往復か試作品をやりとりする前提みたいな感じで進めています。大抵のものはクリックポストか定型外郵便で200円以下で送れるので一旦送料500円として数回発送やって上手くいかなかったらまた相談、みたいな感じです(パーツ代自体は別)。ベースとして自作モデルがあってカスタムでこれなので、フルスクラッチの請負モデリングとかやってる人はどうしてるんだろ?お互い損にならないやりとりの方法があるといいんですが。

■最近のX1-Carbon

社外フィラメントを使った時の送出エラーに悩まされてきましたが、このModを組み込んでからかなり解消した気がしています。

https://makerworld.com/en/models/452104#profileId-359257

黒い方が標準のスプール送りローラーで、そのゴムを剥がしてオレンジの3Dプリントパーツを取り付け、更にその上にシリコンチューブを巻くことでスプールのスリップを防ぐというものです。

シリコンチューブは内径10mm/外径14mmのものが指定されており、日本のAmazonで買えるものとしてこれを使いました。

これをつけて、これまで付けてきた補助具は全て外してしまいましたが、社外フィラメントでも快調に使えています。

もっとも使うフィラメントもだいぶ固まってきたというか、以前から試作用にできるだけ安いPLAフィラメントとして、ELEGOOのRAPID PLA+を使っていましたが、品質的にも問題なく、黒と白は2本セットで買うとかなり安いので、カラーが必要ない用途はほぼこれにしています。紙スプールですが、外周になにか塗ってあるっぽいのでたぶん何かしらAMSのスリップや削れ対策をしてあるんじゃないかなと。

履歴をみるとセールで3,199円で買えてたので、1スプールは1,600円くらいです!

なお純正PLA(300mm/s)より速い600mm/sの高速印刷対応を謳っていますが、BambuStudioには公式プロファイルがないので、いまひとつ活かし切れてない状態です。一応それらしいパラメーターは変更してみたんですが果たして変わっているかどうか。まぁ最高速が活かせるのは直線の長い造形箇所だけなのであんまり真面目に調べてないです。公式プロファイルが入るといいんだけどなー。

他にModとしては、AMS用のシリカゲルケースをこちらに変更しました。

https://makerworld.com/en/models/122484#profileId-131954

今までのよりもギリギリまでスペースを使うのでフィラメントをセットしたままでは抜き差しできないですが、その分シリカゲルがたくさん入るので取り出して乾燥/交換する頻度自体が減ればいいかなと。フタも開閉が楽で良いです。ただ造形は地味に一晩かかりました。

センターにはこの角形の湿度計をセットできます。

■0.2mmノズルがスゴかった

標準添付の0.4mmよりも細かい造形ができる0.2mmノズル、買ってはあったんですが面倒で使っていませんでした。最近キートップの依頼があって表面の曲面をなだらかにしたかったのでようやく重い腰を上げてホットエンドの交換作業にチャレンジ。単純に言って層数が倍になるので造形時間はめちゃめちゃ延びますが、その甲斐あってかなり段々畑状態が緩和されると感じました。プリンターの性能が上がったよう。これは今後も積極的に活用していきたいです。

ただやはり交換はめんどくさい。カバーをはずし、小さいコネクタを3つ、H2のネジを2つ緩めて外す必要があります。もともとこれのためにちょっと良いアレンキー(六角棒レンチ)を買ってあったんですが、地味に時間がかかるし、中腰作業で腰に来るので、AmazonのBlack Fridayセールで安くなってたペンシル電動ドライバーを買ってしまいました。

これの良いところは先端にLEDライトがついているところで、薄暗いX1-Carbonのエンクロージャーの中で使うには以前買ったXiaomiのアレよりも便利です。その他の点での優劣はもう少し使ってみて評価したいと思います。

あと小さなコネクタを抜くのに、このツールが重宝しています。

ENGINEER エンジニア 基板コネクター抜き SS-10

ENGINEER エンジニア 基板コネクター抜き SS-10

818円(01/25 18:16時点)
Amazonの情報を掲載しています

これは自作PCとかやる方はマザボからコネクタ抜いたりするのにも便利なので普通に持ってて損はないと思います。

■サポートフィラメントの代わりにPETGを使う

以前、サポートの接触面にだけサポート専用フィラメントを使うと良いという記事を書きました。

単価がたいていの主材用フィラメントより高いサポートフィラメントですが、接触面だけに限るだけでかなり消費を抑えられます。ただそれでも高いことは高い。

こちらのPolymakerのは0.75kgで8,000円強と、Bambu純正の0.5kgで6,000円位のより少しだけ割安ですが、2本目を買うのを少し躊躇してしまいました。

そこで前々から知識としては知っていたPETGを使う方法を試してみたんですが、なるほどまずままずの剥がれやすさな気がします。PLAとPETGは相性が悪いのでPLAのサポートにPETG、PETGのサポートにPLAが使えるというワケです。PETGならPLAと似たり寄ったりの単価なので遠慮無く使えます。すごく小さいところにこびりついてカッターで削るようにしないとならないこともありますが、それはサポート専用フィラメントでもなる時はなる気がしますし、当面はPETGで頑張ってみようかなと。

主材に白を使うことが多いので、見た目にサポート用フィラメントが残っていることが判別つきやすようオレンジのPETGを買ってみました。

これまたELEGOOの高速タイプ。また使ってみてレビューを追記します。

■その他の便利ツール

造形後の整形に重宝しているツールをいくつか。まずは精密ニッパーはこれ。先端が細い上に模型用ニッパーのように片側がフラットな刃形状なので、カットした後の面が綺麗です。

ツノダ(Tusnoda) King TTC エッジニッパー 115mm MEN-115

ツノダ(Tusnoda) King TTC エッジニッパー 115mm MEN-115

1,375円(01/26 03:27時点)
Amazonの情報を掲載しています

また細かいサポート材やもじゃもじゃの除去にこのピンセットも愛用しています。先端がかなり細い割にけっこうガッチリつまめます。

あとはカッター。有隣堂のYoutubeチャンネルで知ったんだったかな?ひと手間ロック機構の操作があるのはちと面倒ですが、刃がガッチリ固定されてブレないので細かい切削作業がしやすいです。刃先の角度も鋭利なのでほじくるような作業にも良い感じ。

他、造型物の接着にはロックタイトの3種類を使い分けしています。アロンアルファとかよりも乾きにくくきっちり使い切れる気がします。

標準がコレ。

ハケタイプ。

特に高耐久性が求められる時はコレ。

あと、定期メンテナンス用にぼちぼち付属のグリスを使い切るので物色。海外での定番はコレ。

公式Wikiには、

You can use the BX-300/F series grease in the link, but other lubrication alternatives can be used. 

A popular lubricant is Super Lube 92003 Silicone Lubricating Grease with PTFE or Lucas Oil 10533 White Lithium Grease which should work similarly.

とあります。「BX-300/Fが使えるけど、他のでもいいよ。Super Lube 92003やLucas Oil 10566でも同様に機能するよ」という意味。 しかしどれも日本で売ってるところはナサゲ。みんなが使ってるSuper Lube 21030は実は公式Wikiには挙げられてないんですね。海外ニキはみんな使ってるので問題はないんでしょうけど、、

ということでPerplexityさん(Gpt AI)に手伝ってもらって国内での入手性がよくコスパもヨサゲなものを見繕い、選んだのが5-5-6などでお馴染みKUREのシリコーングリースメイトのペーストタイプです(スプレータイプもあるので注意)。

Perplexityさんにまとめてもらった比較表を貼っておきます。


以下は、Super Lube 92003、Super Lube 21030、そしてKUREのシリコングリースメイト1067の性能比較です。

特徴Super Lube 92003Super Lube 21030KURE シリコングリースメイト1067
温度範囲-40°C to 260°C記載なし-50°C to 250°C
主な用途食品グレード、プラスチックスレッド、減衰媒体食品グレード、多目的ブレーキシステム、プラスチック&ゴム
成分シリコーンとPTFE合成グリースとPTFEシリコーングリース、フッ素樹脂(PTFE)
特性優れた防水性、腐食防止、音の減衰長持ち、摩擦低減、錆および腐食防止優れた熱安定性、酸化安定性、防水性

詳細な比較

  • 温度範囲: Super Lube 92003は-40°Cから260°Cまでの広い温度範囲で使用可能であり、KURE 1067も同様に広い温度範囲をカバーしています。Super Lube 21030の具体的な温度範囲は記載されていませんが、多目的用途に適していることから幅広い条件で使用可能と考えられます[3][4].
  • 用途: Super Lube 92003は食品グレードであり、プラスチックやゴム部品の潤滑に適しています。Super Lube 21030も食品グレードで、多様な機械部品に使用できます。KURE 1067は特にブレーキシステムやゴム・プラスチック部品の潤滑に特化しています[3][5].
  • 成分: 三者ともPTFEを含んでおり、耐摩耗性や潤滑性を向上させています。Super Lube 92003とKURE 1067はシリコーンベースで、防水性や高温耐性が優れています[3].
  • 特性: Super Lube 92003は防水性と腐食防止に優れており、音の減衰にも効果があります。Super Lube 21030は摩擦低減と長寿命が特徴です。KURE 1067は熱安定性と酸化安定性が高く、防水性能も備えています[3][5].

これらの特性を考慮し、それぞれの用途や環境に応じて最適なグリースを選択することが重要です。


92003とKURE 1067は同じシリコンベース+PTFEで耐熱温度も近く、ゴム/プラスチックセーフな点も共通で安心。

価格でいうと、21030が85gで2,000円弱くらい(並行輸入品)。シリコングリースメイト1067は50gで800円くらいなので、コスパも悪くないです。ちなみに92003はざっと探してもモノタロウくらいしかなく、なんと5,600円もします。KURE 1067は性能は92003に近いのに価格は21030より安いというさすがの国内製品です。

まぁこればっかりはしばらく使ってみてどうかというところなんですが、当面はこれでいってみようと思っています。

RODECaster Videoの運搬ケースを作る

先日、表ブログの機材紹介記事を書いたビデオスイッチャーRODECaster Video(以下RCV)ですが、

主に客先へ持ち込んで使うことが多いので、安全な運搬方法を検討しました。まだ出て日が浅いので、ATEM MINIシリーズのように社外製品があったり、ユーザー間でピッタリのケース情報が出てきたりしておらずゼロベースで検討。

ちなみに本家RODEからはRODECover Videoというアクリルトップカバーが発売されていますが、まだ日本には入ってきていない模様。いずれ出たら買いたいと思っているので、これを被せた上で格納できることも念頭においておきます。

海外では発売済みのアクリルカバーRODECover Video

またACアダプターはPD 65WでOKということでより小型のこちらを持ち運ぶ想定です。

RCVの長辺は30cmをわずかに超えていて、なかなかちょうどよいケースが見付かりませんでした。幅が30cmを超えると高さや奥行きも結構大きくなってしまい、RCVのような横長形状が見付からず。

結局見つけた、というか元からあったのをピックアップしたのがこちら。

内寸が30cmですがセミハードケースだし内側はクッションなので一応RCVが収まります。フタを上にして置いた時の高さはかなり余りますが、ケーブルやら付随パーツ類を入れてもいいかなと。10インチのモバイルモニターも入りそう。

ちなみに第2候補としてはコレも買いました。中仕切りをとると縦にすっぽり入ります。スーツケースなどに入れて運搬する時はこれでもいいのかなと。

さて、ここからが本番です。どちらもケースに入れてもピッタリではないので中でガチャガチャ動いてしまいます。そこで3Dプリンターを作って固定具を作ることにしました。

とりあえずハクバの方に着手。

完成したモデルはこんな感じ。ウチのX1-Carbonでは265mmまでのものしか造形できないので、いくつかのパーツに分割して造形後に接着剤でくっつけています。

RCVの4つのゴム足を使って位置固定をし、ハクバのケースの底面にピッタリサイズにしたプレートです。真ん中には5cmの隙間があり、2本のブリッジをくぐらせるようにベルクロタイプの太めのケーブルタイを通して本体を固定します。

実際の写真がこちら。

実際にケースの底にセットするとこんな感じ。底にクッションシートが入っているのを言ったん取り外して、後でRCVの上にかぶせて仕切りにしています。

仕切りのクッション材を手前面につけて小物入れとして活用。ACアダプタとSSD2,3枚を入れられます。

そしてここにRCVを固定するとこう。

底面がしっかりはまっているので、前後左右方向には動きません。バッグのキャリングハンドルをもつとアンテナが下になるので、ズリ落ちるとアンテナに負荷がかかってしまうのですが、自作プレートに対して固定しているのでそこも大丈夫そう。プレートのサイズが割とギリギリで側壁のクッションで抑える形になっているので、ケースを立てても外れる気配はなさそう。

心配ならアンテナは都度外すか、プレートを逆向きにとりつければ念のためアンテナを上に向けることも可能です。

後々RODECover Videoが手に入っても問題なく使えそう。

で、底にあったクッションシートをあらためて上にかぶせてあげると5,6cmの高さのスペースが残ります。RCV本体への傷付きの不安なくHDMIケーブルやWebカメラなど一緒に使うものを放り込んでおけて、結果オーライのサイズかなという感じ。10インチのモバイルモニターとかも入りそう。

ケースを閉じるとこんな感じ。手持ちも肩掛けもできます。

ちなみにこのケースはスタッカブルなので、他の機材もこれに入れると収まりがよさそう。たくさん買うにはちょっと高いけど…

 (商品情報より)

■まとめ

まだまだ対応品や情報が少ないRODECaster Videoですが、既製品にひと手間加えていい感じの収納ケースを作ることができました。

[3Dプリント] コーナンLEDセンサーライトの取付治具を製作

コーナンのこちらの人感センサー付きLEDライト、いくつか試してきた中では割と安定稼働しているので我が家では庭の何か所かに使っています。

(価格はコーナン店頭の方が安いです)

商品名通り裏にマグネットがついていて、金属壁なら好きなところにペタっと貼り付けられて良いのですが、我が家はコンクリートブロック塀にもつけたくて困りました。上に木製の手すり(?)がついているのですが、賃貸なのでビス止めもできません(ライト側にはネジ止めのための穴も上部に空いている)。

仕方なくその木製手すりに長いタイラップで固定してたんですが、先日3,4年目にして劣化して切れていました。

そこで今回は3Dプリンターで専用固定具をDIYすることに。いきなり完成体がこちら。パっと見最初からこういうデザインかと覆うほどいい感じに仕上がりました。

当初、せっかくついているマグネットを活かして、鉄板を手すりにつけるような仕組みを考えてたんですが、ホームセンターに鉄板を物色しにいくのも面倒でオール樹脂で製作。形状としてはこんな2ピースになっています。2つに分けたのはそれぞれで強度が出たり印刷面が綺麗になりやすいよう積層方向を個別最適化するためです。造形後に瞬間接着剤の固定しています。

木製手すり部分の形状に沿って覆い被せるような形状にしています。

量産品として考えるなら左右貫通にせず両端だけとか強度を勘案しつつ材料を節約する手もありましたが、今回は1点モノなので強度優先でつなげときました。

センサーライトをつけるパネルの側は、下に支えの出っぱりをつけ、上のネジ穴のところに下図のようなスナップフィット(パチ留め)ピンを作りました。

これで背面のバッテリー蓋にアクセスする際には簡単に取り外すことができます(とはいえこれの電池はソーラー充電用なので開くのは廃棄する時だけかも)。

タイラップでぶら下げるように留めるのと比べ、

  • 多少見栄えする
  • 手すり上の好きな位置に配置でき、いつでも移動可能
  • なんなら手すりから外しても自立するので、ちょっとした作業で明かりが欲しいなという時に持って行ける

といった感じ。

屋外使用なので紫外線に強いASA素材を使うべきだったかもですが、テスト出力したPLAで綺麗にできてしまったので一旦そのまま使ってみてPLAの耐紫外線性能の検証も兼ねてみようかと思います。もし劣化したり変形したりしてきたら改めてASAで作り直します。割と厚みを持たせたので反りはそこまで出ないかも?と期待。

記録のために書いておくと、今回しようしたのはこちら。

値段がお手頃なので現在我が家では試作も含めもっともベーシックに使っているフィラメント。黒/灰/白は常備するようにしています。紙スプールですが芯がBambuLabスプールとほぼ同サイズなので、両端の円盤を破りとってBambuスプールに装着して使っています。さて2025年1月からどれだけ持ちますか。

照明スイッチコスモワイド21用SwitchBotマウンターの自作

余っていたSwitchBotで玄関(ポーチ)の照明を制御して、日没頃に点灯、夜明け頃(ないし就寝頃)に消灯ということをしようと思ったんですが、スイッチの形状的に上手く固定できませんでした。

ウチの玄関照明のスイッチはPanasonicのド定番商品コスモワイド21シリーズのラウンド型三連タイプです。フレーム(化粧パネル)が湾曲しておりSwitchBotを貼り付けられる平面がないのです。

当然ここに目を付けた方はいて、オリジナルのマウンターを販売している業者(個人?)がいます。

こういう壁とフレームの間に挟み込むタイプと、

外枠として取り付けるタイプが売られています。

ちなみにコスモワイド21は、というか世のコンセントプレートのほとんどは、こんな構成になっています。SmartBASEはおそらくプレート枠のネジを緩めて壁とプレート枠で挟み込んで固定するんじゃないかと思います。SwitchFrameは化粧プレートをしたままの状態で上から囲むようにとりつけるだけなので取付は簡単そう。

自分の記憶ではSmartBASEの方が早くからあったような気がします。

でまぁ素直にこれを買っても良かったんですが、せっかく3Dプリンターもあるしモデリングの練習も兼ねて自作してみようと。

最初はSmartBASEのようにプレートの裏側に挟み込むタイプを設計しました。その方がSwitchBotがボタンを押し込む反力で外れてしまうことが防ぎやすいかなと。しかしプレート枠の裏に固定プレートを差し込んで高さが上がってしまうせいか、SwitchBotがボタンを押しきれずに一定の確率で押し込みに失敗していました。ボタンの上に薄い板を張り付けて厚みを増してみたんですがダメ。

しばらく忙しくて放置していたんですが、家族からクレームが来たので、まぁ諦めて既製品を買うか~とAmazonで検索したところいつのまにかSwitchFrameを発見。こちらは上からはめ込むだけで工具不要で取付けできる点と、SwitchBotが貼り付けではなくボックスに仕込む形にして反力での浮き上がりを防止している点。なるほどこれは上手くいくかも知れない。

ただちょっとお値段が高いのと、今回必要なのは三連スイッチの一番上のみ。SwithFrameのようなボックス形状だと空き箱が2つ残ってしまい不恰好になってしまいます。ボックスが上と下だけのバリエーションもありますが、上だけ、というのが無い。

ほんならやっぱり自作するしかない~、ということでほぼイチから再設計。固定方法はSwitchFrame形式で外枠はめ込み方式にして高さを浮かせないよう配慮。SwitchBot固定はSmartBASE式というか、両面テープで貼り付けるだけ。いわばハイブリッド型にしてみました。そして三連のうち一番上のボタンに1つのSwitchBotをつけるだけのシンプル設計に。

出来上がったモデルはこんな感じ。

白で造形して実際に取り付けてみた状態。余っていたSwitchBotはブランド立ち上げのクラウドファンディングで入手した白黒セットの黒の方でちょっと合ってない…そういう意味ではSwitchFrameのような箱型だと色の違いを隠せて良かったかも。

ちなみに白はこちらで使っています。

上からみるとこんな感じで、コスモワイド21の湾曲した化粧パネルに沿う形状でモデリングしています。

結果として今回はバッチリ動作しました。外枠式は反力で浮いてきてしまうのではと懸念がありましたが、いい感じにぴったりキツキツにはめ込む形になっているので、現時点では外れる気配はありません。ネジも両面テープも使わないので賃貸フレンドリーです(SwitchBotの固定は両面テープです)。

SwitchBotで上手く押せないので、いっそSesame Bot 2に買い換えようかとも思っていましたが、なんとかモノにできて良かったです。

■運用体制

まずSwitchBot本体はこれ。クラウドファンディング当時「SwitchBot」といえばこれしかなかった。本当に急成長したものですね。いい加減、さらに小型化した新モデルとか出ないのかな。

これをWi-Fi経由で広域操作するにはハブと呼ばれるアダプタが必要です。いわゆるネットワーク機器のスイッチングハブとは別もの。

こちらはいくつかモデルがあって、今買うならこれがオススメかな。エアコンや照明などを赤外線リモコン信号を模倣して操作する機能もある。またこのハブ2は温度計機能もあるので、ペットや高齢者のいる家庭で室温モニタリングにも使えます。照度センサーもあるので、「部屋が暗くなったら」みたいな条件による自動制御もできます。

温度計、照度センサーのない廉価モデル(ハブミニ)をこれから買うならMatter対応版が良いでしょう。Matterは業界標準の新規格で、iPhone/iPadの「ホーム」アプリから直接操作ができたりします。見た目も値段も同じでMatter対応前のモデルもあるので間違えないように買いましょう。

いずれかの「ハブ」にSwithBotがBluetoothで接続し、ハブからWi-Fiでインターネットに接続することで、家の外からでもSwitchBotを制御できます。またタイマーや色々な条件による自動制御もできます。我が家ではこれで時刻指定でオン/オフしています。日の出/日の入りを選んで通年で自動化することもできますし、帰宅に合わせて点灯みたいなことも可能です。

また玄関の置き配ラックで荷さばき作業をする時に、いちいち家の中に入って壁スイッチを操作しなくていいように、「リモートボタン」も外に設置しています。

こんな感じでルミナスラックに取り付けてあるので、必要と思った時にその場から点灯/消灯できます。誰でも操作できちゃいますが、まぁ照明が点くだけですしw。むしろ宅配業者さんには必要なら使ってほしいです。

こちら3Dプリンターでルミナスラック専用ホルダーを作っています。

まぁ、今回のアップデートでスケジュールON/OFFが完璧に動作するようになれば、手動操作は一切しなくて良くなるかもですが。

■まとめ

以前どこかSNSだか5ちゃんねるだかで、玄関LED照明を点けっぱなしにするよりSwitchBot運用コストの方が割高、みたいな話も読みましたがソースが定かではありません。やはり不要な時間帯は消しておいた方が精神衛生上も良いですし、防犯的にも動きがあった方が在宅アピールになって良いでしょう。

今回のアップデートで玄関ライトがしっかりSwitchBot制御できるようになってまたひとつIoT住宅化が進んで達成感あります。年内にタスクが1つ消化できて良かったです。

富士通ゼネラルエアコンのWi-Fiアダプタが突然無償交換です言われたけど、部屋に人を入れたくないのでDIYで交換しました

我が家には現在2台の富士通ゼネラルのエアコン、ノクリアが稼働しています。厳密には1台はほぼ使って無くてコンセントも抜かれた状態ですが、、

どちらにも別売りのWi-Fiアダプタ、APS-12Bをつけてスマホアプリ制御できるようにしていました。以前3台あった頃、これも3個買って自分で取り付けたんですよね。1台はエアコンを処分する時に一緒に回収に出してしまいました。

さて、それがある日、アプリを立ち上げるとこんなお知らせが。

アプリリニューアルにあわせてアダプタ自体も交換が必要になります。無償で工事に行くから希望日を教えてね、と。イヤイヤイヤ、、向こう都合だから無償なのはまぁ良いとして、引っ越し直後以外で他人を家に上げるのはハードル高杉。2台ともエアコンの真下にラックがあって精密機器が山積みです。1時間かそこらの工事のために片付けるとか面倒くさい。さりとてそのまま作業してもらうのも申し訳ないし危なっかしい。

APS-12BもDIY取り付けなので、交換も自分でできるはず、と思ったものの申込み時に相談してみようとするも、自由記入欄の類は一切なく、、仕方なく一旦申し込んで下請け工事の人との日程相談になった時に「工事やったことにしてモノだけ置いていってくれませんか?」と頼んでみるかーと。

(スマホアプリのお知らせから飛ぶ申込みフォームとは別にお問い合わせフォームもありました。)

で、最初に電話がかかって来た時に出られず、後でSMSで希望日を教えてねというメッセージが来ました。そこで「自分で取り付けできるので、配送または玄関に置いてっていただくことはできませんか?」と返信してみたのが10月上旬。そこからずーっと返信がなく、更にもう一度申込みフォームから申請してみるなどしてましたが、12月下旬になってようやく配達のみでOKという返信が来ました。想定外だったので社内調整してくれてたんでしょうか。最終的に下請け工事屋さんではなく富士通ゼネラルのサービス部門ぽい人の名刺いりて自宅まで直接紙袋に2台入れて届けに来てくれたようです。

こちらが届いた後継アダプタのOP-J03A(のパッケージ)です。間が空きすぎて2台あることが忘れられてないか不安でしたが、しっかり2台入ってました。

■早速取り付けていく!

我が家のモデルはAS-X22FとAS-C22Fです。それぞれに旧アダプタがついているので、そのコネクタを抜いて呼び線として紐かなにかをつけて反対側から引っ張って抜けば、元の経路に引き戻すのはゼロからより楽なんじゃないかな?という目論み。

ただ最後に取り付けたのは数年前なので手順はほとんど忘れており、改めて公式ドキュメントを参照しながら行っていきます。

下記のURLに型式を入力/選択し、出てきたドキュメントタイプ欄で「アダプタ取付説明書」を選べば、図解/写真入りの詳細な手順書PDFが閲覧できます。
https://www.fujitsu-general.com/jp/support/downloads/search/index.html

基本的にはそれを見ながらやるのが良いと思いますが、一応取れた範囲の写真を載せておきます。

あくまで自己責任で作業してください。

初級編 AS-C22F-W

必ずコンセントを抜いて作業をしてください。

フロントパネルとフィルターを外した後、底面のネジ隠しフタをマイナスドライバーなどでこじって外し、中のネジを3本外します。

次にガワをまるっと外します。赤丸のネジ4つを外します。一番右のを外すとグレーのカバーが外れるので先にとっておきます。次に矢印部分がツメではまっているのを下は左右、上は上に引っ張る感じで外すとまるごと外れます。

1つのガワパーツでまるっとここまで裸になるのはさすが廉価モデルという感じ。コスト節約のための工夫なんでしょう。

次に右側の金属カバーを外します。正面から見て赤丸の二箇所のネジを外し、パネルを手前に少し引くと奥のツメが外れて右にパカっと開きます。

これでメインボードが露出しました。赤丸がコネクタ、赤線がケーブルです。これを新アダプタに入れ替えていきます。経路は「アダプタ取付説明書」に細かく指定されているので従っておきます。そうしないと思わぬところでケーブルを噛んで断線とかしてしまう可能性があるのできっちり指定経路(このケーブルの裏を通すとかタイラップで留めるとか)通りに引き回します。

ケーブルを噛まないように注意して金属パネルを戻します。赤丸の二箇所にツメがあるのでそこをしっかりとはめ込んだ上で矢印の向きに押し込みます。奥のツメがしっかりはまってないとパネルが右にパカパカ開いてしまいます。奥までしっかり固定できてて開かないことを確認してください。

パネルやフィルターを戻して、最後にアダプタを固定。付属ネジは使わず両面テープで固定しました。

本体右側面にアダプタを付けた場合ケーブルがかなり余ります。自分は下側のルーバーの奥のスペース(最初に外したパネルの上)にタイラップでまとめて隠しました。

上級編 AS-X22F-W

こちらは自動フィルター掃除機能付きなので構造が複雑です。

今回もコンセントを抜き、フィルターを外します。フロントパネルは跳ね上げて置くだけでOK。

下部パネルのネジ隠しフタを取り、ネジを3つ外します。

赤丸の7本のネジを取り、内部パネルをとります。ここはむしろC22Fよりも素直に手前に引っ張って抜ける感じ。

パネルをとり、手前のプラパネルを手前にパカーンと開いて降ろすと、奥に金属カバーが出てきます。赤線でなぞっているのがアダプタのケーブルです。電源の赤白黒のVVFケーブルと一緒にコード留めで固定されています。

金属カバーが左右の赤丸の辺りのツメで固定されています。左側のツメを軽く開くと外れます。

金属カバーを外すと基板が露出。赤丸がコネクタです。

コネクタのアップ。「NET」と書いてあります。

VVFケーブル(赤白黒が入った灰色の太いケーブル)と一緒にこの部品で固定されているので、赤丸のネジを外し、右側を引き抜いてケーブルをフリーにします。

公式手順ではVVFケーブルの1,2,3も外して一緒に背面へ抜くよう指示されていますが、エアコンが壁についている状態だとたぶんあまり意味がないので、そちらはつないだまま作業しました。

旧アダプタのケーブルを後ろに引き抜いた後、改めて新アダプタを引き戻す為、呼び線となるビニール紐もコネクタに結んでビニールテープでグルグル巻きしておきます。コネクタに負荷がかからない、かつ途中で紐だけスッポ抜けないよう結び方を気をつけてください。

コネクタが幅広で、VVFケーブルを残したまま引き抜くのは結構狭くて大変でした。気持ち左に寄せるようにして抜くと良かった気がします。

後ろ側に引っ張るところがこんな感じ。一度パネルの外に出ているケーブルを中に引き戻し、前後にある程度自由に動くようにしておきます。前後に動かしながらどちらに寄せると緩くなるか確認します。ウチの場合は正面からみて左寄りにするとよく動く感じでした。コネクタを引きちぎらない程度に力を入れて抜き出します。ここでどうしても抜けないようなら公式説明書通りVVFケーブルごと外さないとダメかも知れません。冒険はしない方が無難でしょう。

ちなみにウチの場合は写真のように右サイドパネルの穴から外に出ていましたが、新配線は中を通して、より綺麗に経路を変えました。

どうにかコネクタ部まで後ろ側に抜けた状態。ここでテープを外して紐を新ケーブルに結び直します。なお、アダプタ側の根元は抜けないので、事前に最終経路をしっかり確認し、外装パネルなどの穴を先に通してから紐に結ばないと、せっかく通ったあとでやり直すことになります。

新ケーブルを結び直したらまたフロント側から紐を引っ張ってケーブルを通していきます。

フロント側にケーブルが通ったら後は元通りに基板上のコネクタに差し込み、経路を指定通りにまとめ、各種パネル類を戻していきます。

■Wi-Fi設定とアプリ移行

エアコンの電源を入れ、Wi-Fiアダプタ上の3つのボタンのうち、一番上を3秒、続いて真ん中を3秒押すとWPS設定待ち受け状態になります(真ん中のランプが点滅)。ここでWi-Fiルーターのハードボタンまたは設定画面からWPS登録受け付け状態にすると自動的にWi-Fi設定が完了します。富士通ゼネラルのWi-FiアダプターはWPSでのみ設定で、自分でSSIDとパスワードを入力して設定することはできません。昔このエアコンを買った頃はWPSがないYAMAHAのアクセスポイントを使っていた詰んだのですが、BUFFALOで普通にWPSが使えるので楽でした。真ん中のランプが点灯になればWi-Fi接続完了です。

次に「どこでもエアコン」に代わる新アプリの「ノクリアアプリ」をスマホにインストールし追加手続きをします。まずノクリアアプリを起動するとログインを促されるのですが、どうも今まで「どこでもエアコン」で使っていたID/PWではダメで新規登録するしかありませんでした。「パスワードをお忘れの場合」からメールアドレスを入れても一向にメールが来ません。公式サイトをみてもアカウント作り直しについて触れてるところはナサゲだったんですが、ChatGPTさんはなぜか「別だから作り直せ」と教えてくれました。

しょうがないので同じID、PWで新しくアカウントを作成し続行。エアコンを追加するフローに入ると、改めて上ボタンを3秒押せ、真ん中を3秒押してWPS登録しろ、と言ってきますが、たぶんここは本当にやり直さなくても「次へ」「次へ」で進んでいけばOKです。エアコンもスマホも同じWi-Fiにぶら下がっていれば、アプリがエアコンを発見してくれます(少し待たされました)。なぜか初期ウィザード中は部屋名が選択式で一旦「その他」を選んで、後から設定画面で書き直す必要がありました。

新しい「ノクリアアプリ」はGoogleのマテリアルデザインっぽいモダンな外観になりましたが、できることはさほど変わらない様です。機種自体が古いからかも知れません。相変わらず逐一確認ダイアログが出て1手煩わしいのも同じ。

確認ダイアログ

手間がかかった割にユーザメリットは特にないかなーという感じです。

■まとめ

2台合計で2時間くらいかかった気がしますが、というか最初にお知らせをみて即申し込んでから2ヶ月もかかりましたが、ようやく新環境にすることができました。どういう事情があったのかわかりませんが、ハードごと変更なんて面倒くさいことをしてくれたものです。その割にアプリでできることは大してかわりなくちょっと残念。

最初は工事の人を部屋に入れるくらいならもうWi-Fi操作は諦めて、Nature Remoで赤外線経由の操作だけにしちゃおうかとも考えましたが、なんとか現状維持はできてホッとしています。

まぁ普通の人はそこまで人を部屋に上げることに忌避感はないでしょうし、普通に申し込んでサクっと終わらせてることでしょうけども。

ちなみに古いアダプタは特に回収の指示もないし処分していいのか一応SMSで聞いてみているんですが、今のところ返事がありません。しばらくは保管しておくかな…

余談: ネジ隠しフタを無くしたので3Dプリンターで作成しました。

C22Fの作業をしている時に、うっかり底面パネルのネジを隠すフタを落として紛失してしまいました。

仕方ないのでノギスで測って3Dプリンターで複製。微妙な左右の突起の加減を再現しきれずまだ調整中ですが、なんとかなるでしょう。

同じ様に紛失した方がいたらご相談ください。