X1-Carbon Combo、一ヶ月所感

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Bambu Labの3Dプリンター、X1-Carbon Comboを導入して一ヶ月ちょっと過ぎました。

改めて使用感などをまとめていこうと思います。

モジャリ事故ゼロ!

まず素晴らしいのは途中で造型物がプレートから剥がれてしまって以降のフィラメントが積層される場所を失ってスパゲティを生成してしまう事故が一度も起きていないという点。AIカメラがスパゲティ検知して造形を止めてフィラメントの浪費を防いでくれる機能がついてるはずですが一度も発動したことがない。

何時間も出力にかかった挙げ句のスパゲティは本当にガックリするので、まずここで失敗がないのは嬉しいです。

また剥がれは1層目の定着の問題が大きいわけですが、1層目が綺麗に造形できてない時に「失敗してるかもだけど続けますか?」的にポーズしてくれる機能は1,2回発動したかな?いずれも後述の社外フィラメントで正常にフィラメントを送れてなくて荒れてしまったんだったかと。純正フィラメントを使ってる限りノートラブルだった気がします。

ビルドプレートはスムーズPEIが最高か

純正だけでも数種類あるビルドプレートですが、初期付属の常温プレート(裏面はエンジニアリングプレート)、追加で高温プレート、スムーズPEIと試しましたが、いまのところスムーズPEIが最高です。めっちゃすべすべしていてPLAは糊を塗らなくても良いし、取り外しも楽々。キャリブレーション用のラインも気持ち良くスーっと剥がれます。

他は糊推奨ということでスティック糊や液体糊を塗ってますが、塗るのも面倒くさいし、定期的に洗わないと固着して凸凹してくるしで面倒。また常温プレートは結構強固に定着するので剥がす時も大変。高温プレートは剥がすのはやや楽だけど造形中の冷却ファンの騒音が大きい。スムーズPEIもPLA以外では糊が必要とのことですが、当面はほぼPLA運用だし、PLAはスムーズPEIを使い、PETGは高温プレートという感じかな。

いまんとこ常温プレートはコスト以外メリットがない印象。なんか高圧洗浄機ケルヒャーの(スタンダードモデルの)標準付属ホースがねじれで使い物にならなくて、ほぼ高いホース買い換え必須、みたいな話を彷彿とさせます。差額払ってもいいから最初からスムーズPEIつけといてほしい。スムーズPEIは冷ましてから剥がさないとダメージ入る可能性があるというのが難点。連続造形用にもう一枚買い足したいかも。

非純正スプール問題はビニテで解決?

先にも書いた非純正フィラメント、というかスプールに起因する問題。例えば紙スプールにプラリングを取り付けると滑って正常にAMS内で回転しないとか、0.5kgフィラメントの小径スプールもダメとかいった問題がX1Cを使ってて苦労したトラブルのほぼ全てだった気がしますが、最近ようやくプラリングではなくビニールテープを巻くというハックで解決した気がしています。ちょうどそのタイミングで紙スプールのフィラメントを使い切ってしまったんで追試ができてないんですが、3Dプリントしたリングよりも全然安定して動きます。

ちょっと高いけどなるべく純正フィラメントで運用していこうかなって思ってたんですが、これなら紙スプールのOVERTUREやeSUNを選んでもさほど苦労しないで済むかも?と期待。純正だとNFCチップでフィラメントの種類や色を自動判別してくれるのは便利ですが、価格も高いし、後述の通り公式ストアは品切れしてることが多くで、ほしいときにすぐ手に入らない問題などもあったりで、そこまでして純正にこだわらなくていいかなという気が強まってきました。

サポートフィラメント・デビューするべきか

品質的なことで気になってるのは、ブリッジ面(宙に浮いてる下側の面)が汚いこと。3Dプリンターは原理上、樹脂素材を下から積み上げて造形しますが、それ故に中に浮いた形状は作れません。その時はサポートといってダミーの構造物を積み上げて、あとからそれを除去する、という手法を採ります。サポート部分を本来の造型物の部分は後でスムーズに取り外しができるよう、密着度を粗にするので、どうしてもその面がザラついてしまいます。

そこでせっかくAMSがついているX1Cではサポート用フィラメントというのがあり、メインの造形樹脂とは異なる素材のフィラメントを使うことで形状的な密着度を上げても接着度は高まらないようにすることができます。これのサンプルフィラメントが付属してるんですが、もったいなくてまだ使ってません。Facebookグループの投稿などをみてても「ここが汚いのどうすればいい?」→「サポートフィラメント使え」みたいな会話が延々とされているので、それなりに効果はあるんだと思いますが、割と単価高いんですよね。造型物よりも捨てる部分が高いのはどうなのって思ってしまうw。でもまぁ造形品質上げるにはしょうがないことだろうし、ここぞという機会で使ってみたいと思います。

フィラメントドライヤー・デビューするべきか

同様にまだ踏み切れていないのがフィラメント・ドライヤー。文字通りフィラメントを造形前、あるいは造形中に換装させる装置。フィラメントは放置しておくと空気中の水分で湿気って劣化していきます。PLAはそれほどでもないですが、ABSとかTPUはヒドいらしい。

いまのところ気になるほどの劣化は感じてないんですが、これから高湿な季節も来るし、3Dプリントを始めた昨年以上に多色、多種なフィラメントを買い置きするようになってきているので、在庫期間も長くなってくるし。明らかに造形に失敗するレベルの劣化をしてなくても、やはり仕上がりに差が出るとみんな言ってるんですよねー。失敗を防ぐというより、より品質が上がるならばという感じでちょっと気になってます。特に透明のTPUを使った時の透明度が違ってくる、というのは気になるところです。

X1Cはチャンバー内でフィラメントを乾燥させる機能もついてますが、それで何時間も専有してしまうのもなんだし、やはり「パンが焼ける電子レンジ」と同じで無駄に広いチャンバーを使うのは非効率だと思うので、ちゃんと乾燥運用をするなら専用ドライヤー買った方がいいんだろうなと。またABSとかTPUみたいな造形中ももりもり湿気吸うレベルの素材だと、X1Cの乾燥機能で乾燥しおわって造形するのではなく、ドライヤーからダイレクトに乾燥する端からプリンターに送る、くらいするのが良いとのこと。

たくさんあるPLAはすべて管理するのは大変なのでまぁあまり気にせずAMS内の除湿剤や、真空ビニールパックで済ますにしても、TPUをちゃんと活用するなら買おうかなと。

現状第一候補はこれ。

素材別の温度/時間プリセットを選択する方式。これの1スプール版かいっそ4スプール版に特攻するべきか、置き場所の問題も含めて思案中。

公式ストアの品切れ多すぎ問題

先に書いた公式ストアのフィラメントやアクセサリ、補修パーツの品切れ多い問題が気になっています。品揃えが良いのですが、いざ買おうと思うと品切れってことが何度も。再入荷通知登録とかもできるんですが、届くより先にフラっと見にいったら入荷してた、なんてことも。というか一度もメール受け取ったことない…

公式ストアは営業日ならだいたい翌日発送で佐川で来るので、中二日くらいあれば届くんですが、それでもAmazonお急ぎ便に慣れてる身からするともどかしい。一応Amazonにも公式ストアがあるんですが品揃えが少ない上に結構な価格差があって使い物にならないんですよねー。

この辺りがもう少し改善すれば純正品を使うモチベーションも高まるのになと。

まとめ

大きな買い物でしたが現状、非常に満足しています。楽しい。稼働率爆上がり。

社外フィラメントを上手く使う道筋もつきそうなので、これからますます活用し、更なる品質や効率、コスパを求めていこうと思います。

AMSで紙スプール使うにはもうビニールテープでいいんじゃないか?

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3Dプリンターのフィラメントはスプールと呼ばれるリールに巻き付けて売られています。このスプールが元はプラ製だったのが最近一部メーカーは段ボール的な紙で提供しています。OVERTUREとかeSUNといった大手も基本紙のようです。

これがBambu Lab X1-Carbonのフィラメントフィーダーシステム、AMSと相性が悪いです。

  • 摩擦の関係でローラーが滑って正常に送り/戻しができない
  • 紙が削れて粉塵となりギアなどに噛んで故障の原因となる

などと言われています。(と思っていました)。

そこで、写真のようなフレーム部品(緑色)を3Dプリンター自身で造形してとりつけるのが一般的です。

しかしこれがやってみるとなかなか上手く機能しませんでした。むしろ滑ってしまって巻き取りができず出力が止まりまくりです。ツルツルのPLAがダメなんかとPETG素材で出してみたり、外周がギザギザしたデザインのものを使ってみたりするもどれもイマイチ。「もう二度と紙スプールのフィラメントなんか買うもんかウワーン」と思いながらなんとかあるだけ使い切ろうと頑張ってきました。

しかしようやく写真の2スプールとも残りあとわずかというところで、なかばキレつつフレーム無しで使ってみたところ、ウソみたいにばっちり回転してくれるじゃないですか。「紙だと滑ってダメ」というのは都市伝説か自分の記憶違いで、普通に使えます。冷静に考えてみれば見るからに樹脂より摩擦高いよねと。

しかし、「紙が削れた粉塵が機械に悪い」というリスクは以前と残るのでそのまま使うわけにもいかず。あらためて海外掲示板なども含めてググってみると「electrical tape巻いときゃOKよ」という記述が。絶縁用のビニールテープのことですよね。

確かに摩擦だけでいうとパーマセルテープみたいなのがヨサゲですがこれも結局紙なので削れてしまいそう。早速手近にあったビニールテープを巻いてみました。

もうね、いままで散々苦労した紙スプールのフィラメントが魔法のように正常に使えちゃいましたよ。今までの苦労はなんだったのかと。多色出力すると層毎に何度も引き戻しして、その度にエラーになってで、つきっきりで手動巻き取りしないとだったのがウソのよう。これまでの造形トラブルはほぼすべて社外フィラメント(というかスプール)に起因するもの(紙スプール、小径スプールなど)だったので、「今度は(高いけど)Bambu Lab純正フィラメントでやってくぜ。少なくとも主要素材・カラーは純正NFCチップ入りスプール付きを揃えて、フィラメントを入れかえて使うぜ」と心に誓ってましたが、紙スプールでもこんな簡単なハックで普通に使えるならフィラメントの質としては問題なくコスパも良いOVERTUREやeSUNを使っていってもいいかなーとか。

Vブレーキ車にSesameサイクル2を付ける ~その2 Sesame Touch対応

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先日、CandyHouse社の自転車用スマートロック「Sesameサイクル2」をPanasonic ハリアに取り付けようとしてハマりました。

ロックを取り付ける想定の場所にVブレーキというスポーツ車などに採用が多いブレーキ部品があり、説明書通りの取り付けができなかったのです。それを3Dプリンターで自作アダプタを作ってなんとかとりつけました。

しかし次に新発売の「SESAME タッチホルダー(自転車専用)」で指紋センサーのSesame Touchをとりつけて、指紋で自転車のロックを解錠できるようにしようとしたところ、なんとホルダーの想定している径よりもハリアのハンドルが太くてつけられませんでした。グリップ直ぐ脇ならついたかも知れませんが、すでにスマホホルダーやシフターがあり、空いた中心部に近づくにつれ段々太くなるハンドルだったため、空き位置には無理だった、という感じです。

タッチホルダーは写真のようにハンドルに巻き付ける台座と、Sesame Touch側の透明な裏蓋から成っています。ここの台座互換形状を自作アダプタ側につけてやることで、とりつけを実現しました(裏蓋が必要なため、タッチホルダーの購入は必須。ちなみにもう一台に蓋を流用した関係でネジが別途必要でM2x10がピッタリでした)。

Sesame Touchの自転車ホルダーの互換形状を追加

ハンドル部分に巻き付けるパーツを作るのが面倒そうだったのと、もともとナンバー錠をつけていて、鍵の位置に手を伸ばすのが自然な動作に感じられたので、自転車に乗る前にここを右手でタッチすればいいやと思った次第。

動作の様子は動画でご覧ください。

とりあえず在庫のPLA素材で造形しましたが、耐候、耐紫外線特性などを考えるとASAとかPC(ポリカーボネート)を使うべきかも知れません。経過観察しつつ、それらのフィラメントを入手することがあったら出し直してもいいかなと思っています。

Bambu Lab X1-Carbon、半月目

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X1-Carbon使用半月(2週間)目の近況レビューです。

■高温プレート解禁。高温=騒音

別売りオプションの高温プレートを開封して使ってみました。Bambu Studioの設定にプリセットがあるので切り替えるだけで最適設定で造形してくれます。らくちん。

高温プレートの方が対応素材が多いので、裏表を使い分けないとならない低温/エンジニアリングプレートよりも簡単でいいなと思っていました。ただ、デフォルトでは文字通り高温で印刷するせいかファンの音が低温プレートの時よりもかなりうなる気がします。しかもPLA素材の場合は温かくなりすぎるのでドアを空けておくよう指示が出ます。キャリブレーションの一時的な騒音と違って、プリントしてる間ずっとうるさいのでちょっと微妙。高温プレートでもPLAの時は温度をそこまで上げない設定とかできそうなもんですが、少なくとも自動ではそういう挙動はないようです。

糊は低温、高温とも結局塗ってます。液体糊が塗りやすいし平滑になるのでいい感じ。Migda使ってたことは意地でも糊は塗りたくない、くらいに思ってたけど、こちらは最初に糊塗りを怠るとプレート破損するまで書かれているので、洗った直後も含めて結局塗るしかないかなと。前のプリント物があったところが白く抜けるので、そこだけ塗り足す感じでだいぶ習慣化して気にならなくはなってきました。テクスチャードプレート以外では塗ってく方針かなと。

また特に高温プレートだとそうなんですが、造形完了直後は造形物もプレートもかなり熱くて、しっかり冷ましてからはがさないとスプールなどの大きい造型物なんかは反ってしまいそう。なので、連続して次の造型にかかりたい時なんかは予備のプレートがあると、終わった造形物を冷ましながら次がスタートできていいかなと思い始めました。種類を使い分けるのではなく、単純に数があるとサイクルをまわしやすい、という気付きです。

ただ買い足すならスムーズPEIシートかな。「造形後に数分覚ましてから剥がさないと損傷する、定期的に洗剤と水でクリーニングが必要」という短所については、どのみち今も気に掛けてるので、だったら糊不要になるメリットしかないかなとか。造形時の温度(=騒音)が低いならいいな。でもこれ公式サイトで売り切れ中。入荷次第試して見たいと思います。

■スプール周りのあれこれ

購入後、未定着とかスパゲティとか3Dプリンターあるあるの失敗は皆無なんですが、唯一起きているのがAMSでのスプール絡みの問題、しかも社外スプールのフィラメントに関してです。純正スプール(フィラメント)を使っておけば問題ないんでしょうが、今までのフィラメント資産もせっかくなので使い切りたいところです。

AMSの仕組みとして、フィラメントを引き込むのは一度フィーダーユニットの穴に先端を差し込んであげれば問題なく引っ張ってくれます。ただ異なるフィラメントに切り替える際、できるだけ無駄が発生しないようにエクストルーダーまで到達したフィラメント先端を巻き戻す動作が発生します。こちらはフィーダーユニットが逆向きに送り出すと同時に、スプールをローラーで逆回転させて巻き取っていくという2つの要素が同時に動く仕組み。後者の巻き取りで、ローラーの回転がきちんとスプールに伝わってくれないと、戻ったフィラメントが巻き取られず暴れて絡んだり、いつまでも巻き取りが完了しないのでエラーになって造形が中断したりします。ここら辺が非純正スプールだと正しく回転せずにトラブルになりがち。

こうした社外スプールのフィラメントは外部ホルダーから供給すれば問題なく使えるのですが、多色造形の1つとして使いたい時はAMSに入れる必要がある為、なにかしら工夫がいります。

紙製スプール

OVERTUREやeSUNなど純正より安くて評価も高いフィラメントメーカーは樹脂製にかわって段ボール製スプールを採用しています。コスト面、環境面で優位なようです。普通のホルダーにひっかけて使うプリンターならなんの問題もないのですが、AMSだと摩擦が足りなくて正しく回転してくれません。

これを解決する方法として、

  • 樹脂製スプールにつけかえる
  • 外周に樹脂製リングを取り付ける

などが一般的。どちらもモデルデータがあるので自分でプリントすれば良いのですが、とりあえず少ないフィラメントで作れる後者を試したところ、それでも滑って正しく巻き取れないケースが頻発。もしかするとPLAよりもPETGの方がザラつきがあって向いてるのかも?もしくは「ファジー壁面」をオンにして表面をザラザラにするとか。今はこのギザ十みたいな凹凸がついたリングアダプタを試しています。

小さいスプール

フィラメントは1kgスプールが一般的ですが、ちょっとだけこの色がほしい、といった時に500gのものだと安く済みます(コスパ的には割高でも)。こうした外径が小さく重量も軽いスプールもまたAMSと相性が悪いようです。このようなリングアダプタで外径を大きくしてやることで対応可能です。ただうちでもってた500gスプールは横幅も短いためこれでは充分に締め付けできませんでした。とりあえずセロテープでアダプタが空回りしないように固定してしのいでいますw

これらを使用する時は対応サイズをよく確認することをお勧めします。

残量が少なく軽くなったスプール

純正スプールでも起きうるかもなんですが、フィラメントの残量が残り少なくなってくると、重量も減るためにローラーとの摩擦も小さくなって上手く回転しないこともあるようです。中心の空洞部分に重りを入れるのが手っ取り早く、そうした目的のモデルもありますが、Facebookグループなどに「このフィラメントにはこのメーカーの缶詰がピッタリだぜ」みたいな情報も飛び交っていたり。自分は手近にある液体糊をつっこんだりしてますが、追々日本で入手可能な缶詰など代用物を模索してみたいと思います。

いずれのパターンでもAMS内のローラーと外周部分の摩擦が足りないのが問題になるので、

  • ザラザラした表面にする
  • 重くする
  • リングとスプールが空回りしないようしっかり固定する

などの観点で工夫をしてやるのが有効そうです。

そもそも純正スプール/フィラメントならトラブルが少ないので、そういったものを使えばいいんですが、やはり値段差もあるので悩ましいです。ただ公式でもPLAベーシックなどのメジャーなフィラメントはスプール無しのものも購入できて、4,180円->3,580円と少しお安くなります。純正スプールにはNFCタグが仕込まれていて、AMSにセットするだけで素材や色を自動識別してくれる便利さもあるので、よく使うものは純正スプールで買い揃えていき、以降はスプール無しで補充したり、割安な社外紙スプール製品を買ってつけかえていく運用がいいかなーと思っています。

結局X1のタッチパネルは使ってるのか?

P1シリーズとX1の大きな違いとしてタッチパネル操作部の有無があります。PCやスマホアプリからもモデルデータを送り込んで印刷開始できるので、ぶっちゃけいらないんじゃないか?と思って購入時にかなり迷いました。

使い比べたわけではないですが、ありゃあったで便利だなと感じています。造形物出力中に次のモデルデータを送信しておいたり、同じものを複数回造形したい時など、本体前でプレートの糊を塗る作業などをして、そのままタッチパネルで次のデータを選んで開始できるとスムーズです。その際にグラフィックでモデルを識別できるとストレスがありません。その時の識別も楽だし、保存時にわかりやすい名前をつける、といった配慮からも解放されます。

保証もなくなるのでまだ導入する勇気はないですが、最近はカスタムファームウェアなども出ていて機能追加などもされているようです。

LiDARなど他のX1優位点が必要ない場合、P1Sを買ってこちらの外部GUIユニットを追加するのも手かもと書いたんですが、こちらの画面サンプルをよくみていてもモデルのプレビューはなくリスト形式っぽいですね。もしかしたらできるかも知れないし、将来実装されるかも知れませんが、現時点ではX1の優位性の1つかも知れません。

■まとめ

現時点では社外スプール周りのトラブルがある位で、全体的には非常に安定して高品質な造形が手軽にできる良モデルだと思います。その分、お高いので神モデルとまでは言わないですが、予算に余裕があれば自身をもってお勧めできる製品だと思います。

あとはAmazonの公式ストアでもう少し取り扱いラインナップが増えたらなぁ。純正フィラメントやプレート、ノズルが急ぎですぐほしい!Prime配送で送料無料で買いたい、ってニーズに応えられるといつでもなんでも出力できてエコシステムとしての完成度も上がるかなと。

3Dプリンターフィラメントの保管湿度目標

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3Dプリンターの素材であるフィラメントは湿度に弱く、高湿環境に長時間おくと水分を吸って造形品質や強度が落ちると言われています。ドライボックスに入れて保管したり、使用前にフィラメントドライヤーで熱して水分を飛ばしたりといった苦労もあります。

先の記事で書いたようにAMS内に湿度計を入れてみたので、具体的に何%程度を保持するか目標値を検討してみました。

チャットAIのClaude4さんに尋ねたところ、以下のような回答が返ってきました(ちなみにChatGPT4にしたCopilotさんは一般論ばかりで具体的な数値は答えてくれませんでした)。

3Dプリンターのフィラメントを適切に保管するためには、湿度管理が重要です。

一般的に、フィラメントの種類によって最適な保管湿度は異なりますが、以下のようなおおよその目安があります。

PLA(ポリ乳酸):20%~50%

PETG: 20%~40%

ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン):25%~50%

ナイロン:20%~50%

低湿度過ぎると、フィラメントが乾燥し過ぎて脆くなり、高湿度過ぎるとフィラメントが湿気を帯びて品質が低下します。

できれば40%前後の湿度を保つのが理想的です。また、遮光された密閉容器に入れて保管することで、湿度変化の影響を最小限に抑えることができます。一部のメーカーでは、乾燥剤付きの専用保管ケースを販売していますので、フィラメントの種類に合わせて活用するのがよいでしょう。

定期的にフィラメントの状態を確認し、湿度が高くなりすぎた場合は乾燥する必要があります。適切な保管により、フィラメントの品質を長期間維持することができます。

cloude.ai

素材によっても違いますが、40%とは思ったより全然高い値でした。現在は付属の乾燥剤のみで22%を指しています。(本当は同じ湿度計で比べるべきでしょうが)SHARPの空気清浄機の表示で30%の環境下です。AMS内で20%台を保ててれば充分そうですね。まぁこれが夏場になったり、冬に加湿機をつけたりするともう少し維持が大変かもですが。

3Dプリンターを活用しだすと、あの色も使いたい、この素材も試したいとフィラメントが積み上がっていきがちですが、(保管場所の問題は別にして)日本の気候でもそこまで神経質にならなくてもいいのかも知れません。