[3Dプリント] トヨタスマートキー小型化ケース刷新、IGLA2キーフォブ一体型もあるよ!

車のスマートキーってなんであんなにデカいんですかね?あらゆるものが技術進歩で小型化する中、自動車のスマートキーはちっとも進化しないというかなんなら大型化しています。イモビライザーに要求されるセキュリティ機能が高度化する中で仕方ないことなのかも知れませんが。また昨今はスマホを使ったデジタルキーなども搭載が進んでいますが、特にバックグラウンド動作に厳しいiOS(iPhone)では実用上まだまだ難アリだと思います。せめてBluetooth機器のように複数の車両とペアリングできれば良いのですがそれすら実現する気配もなく、複数台の車を所有している場合はこのデカいのをいくつもぶら下げるはめになります。

■スマートキーの構造について

ところで、皆さんはスマートキーの電池交換などでケースを開けたことはありますでしょうか?ディーラーやカー用品店でやってもらうという人もいるでしょうし、意外と中を見たことがないという方もいると思うので、写真を貼ってみます。

スマートキーの中身

写真の赤枠部分がメインの基板(電池含む)です。そして青枠は非常用のメカニカルキー(物理鍵)です。電池切れの時などに引き抜いてドアの鍵穴に刺して昔ながらの開け方をするものです。このようにメカニカルキーが外周に格納されているため一回り大きくなっています。その他、衝撃吸収とか浸水のマージンとか色々設計上の都合はあると思いますが、実際の動作に必要な基板は思いの外小さいということです。

以前このブログでは、30プリウス(ZVW30)のスマートキーを小型化する試みをしました。

メカキーを廃して基板ギリギリサイズのケースを3Dプリンターで自作したのです。今回はメイン車両である新型クラウン用のものについても改めてチャレンジしてみた、という記事になります。先の写真のスマートキーはトヨタの現行車種の多くでも使われているタイプです(ハリアー、カローラシリーズ、ヤリスシリーズなど、電動ハッチバック非搭載車は2ボタン)。

■新たにクラウンなど現行車種用も製作

今回の進化ポイントは、

  • 従来格納できなくなっていたメカキーに鞘状のカバーを製作し、一緒に鍵束にぶら下げられるようにした
  • レーザー刻印機を導入したので、ボタンのアイコンなどをフィラメント交換式に比べより精緻に入れられるようになった
  • カーボン模様転写ビルドプレートを使い、表面と背面にカーボン柄(微細な凹凸)を入れてみた
  • 動作LED部分は薄く造形して透かしていたのから、透明レジンによるクリアパーツ化で視認性アップ

という辺り。現状の仕上がりはこんな感じ。

現行スマートキーの基板は長方形ではないので、それに沿わせて凹凸のある外形になっています。メカキーのカバーを作るというのはある方にいただいたアイデアなんですが、やはりメカキーも携帯しないと不安だという方や、鍵束にぶら下げないまでも周りに傷をつけない形でバッグの底などに入れておきたいという方にも刺さるんじゃないかなと思います。ついでに同じ製法でプリウス用もリニューアルしてみました(レジンパーツと鞘ケースは除く)。

IGLA2のキーフォブも一体化

我が家のクラウンクロスオーバーにはAUTHOR ALARM社のカーセキュリティIGLA2+を搭載しています。乗車時の自動セキュリティ解除のために、小さなタグ(キーフォブ)を携帯しておく必要があるのですが、これも樹脂カバーを外すと電池と小さな基板で構成されていますので、ついでとばかりに本ケースの底に搭載できるようなバージョンも作成しました。

基板が二階建て構造になり電波干渉が起きないか不安で、アルミ板をシールドとして挟むことも検討しましたが、現時点では特になにもせずとも動作は良好な気がしています。

二階建てになった分、厚みは少し増していますが、それでもポケットの中での収まりは良いんじゃないかなと思います。

こちらがメカキーを収める鞘ケースです。とりあえず凝ったロック機構などは設けず、穴のキツさだけで固定しています。滅多に使用するものではないので、結構固めで不意に外れないことを優先。

■現状の課題

夜間の視認性がイマイチ

レーザー刻印によるマーキングは明るいところでみるとかなりクッキリしていて綺麗なのですが、真っ暗に近いところだと反射面積が少なくてやや見づらいかなと感じています。カーボン柄の反射に埋もれがちなのもあるかも知れません。基本的にここのボタンを操作するのはたまにバックドアを手動で開けたい時くらいなので致命的とまでは行かないですが、素材カラーや刻印のデザイン、サイズ、太さなどで改善できるならしたいなというところです。

白字に黒は見やすいが、レーザー刻印では難しく研究が必要

形状での判別しづらさ

似たような話ですが、ポケットに手を入れて操作しようとした時に、向きや裏表の判別を手触りだけでするのがやや難しいなと思います。向きは鍵束のリングの付き方などでまだなんとかわかりますが、裏表に関してはどちらも全くのフラットなのでちょっと困ります。これまた使用頻度が低いのでどこまで突き詰めるかは思案中。

3Dプリントなので自由に凹凸をつければいいんですが、3Dプリンターの構造上、やはり一番綺麗に面が作れるのはビルドプレートに押しつける底面なんですよね。ここの凹凸をつけるということは、その面を上にして造形するとか、下にサポート材という捨て部分を作ることになり、結果的に表面の滑らかさが犠牲になります。そうするとレーザー刻印も綺麗に出なくなったりとデメリットも多いのです。表面のフラットさをキープしつつ、上手く裏表が判別できる形状を考えたいと思います。

  • 裏面だけにモールドをつける
  • 側面の形状を工夫する
  • 後から凸部品を貼り付ける
  • 初期プリウス用みたいにボタンパーツを別体化する
オリジナルのボタンパーツを流用した例

スナップフィット(パチ組み)の強度

プリウス版では外側に爪を4箇所生やしてパチっとロックする機構でしたが、今回はそれを内側に隠蔽する構造を採っています。当初6箇所にしていましたが、小さい突起なので何度か開け閉めしていると折れてしまうことがありました。3Dプリンターの積層方向の関係でどうしても剥がれやすい向きでもあります。

スナップフィット部分の拡大図(初期版)。3Dプリンターが造形する層毎の筋で割れやすい

現在は爪から全周囲む形にして強化を図っていますが、いずれにせよ

  • 意図せずパカっと開かないこと
  • 電池交換時には労せず開くこと(純正スマートキー同様、メカキーでこじって開くスリットを設置)
  • 繰り返し開け閉めしても破損しないこと
  • 落下などの衝撃でも破損しないこと

などが要件となり、まだまだ検証が必要そうです。

防水性

純正スマートキーではボタン部分をカバーするシリコンシートが挟まっていますが、本品ではボタン部品がなく、表面のたわみだけで内部スイッチを押す構造なのでシリコンシートは流用していません。ただキャスト(金型に溶けた樹脂を流し込んで作る方法)と違って、3Dプリント品な層と層の間に微細な隙間が空きがちなので、どうしても完全に水分を遮断するのは難しいです。層の厚さや温度(溶かし具合)で改善はできるのですが、他の造形上の都合との両立も難しかったりします。

トヨタのスマートキーは「飛沫は平気だけど洗濯したらアウト」というスタンスのようで完全防水とはなっていません。現状はそれに準じるくらいの防滴性能くらいが目標かなと思います。

3Dプリントで造形する以外の方法での防水も考えています。

  • 防水スプレーなどでコーティングする(表面は摩耗するので内側?)
  • 内部基板をリモコンなどを水滴から保護する熱収縮フィルムで保護?
    • ドライヤーやヒートガンで基板を炙ることにリスクもあり

技適問題

前記事でも触れましたが、電波を出す製品は検査を受けて技適(技術基準適合証明マーク)を取得して販売されます。これを改造することは基本的にできません。ただ調べた限りスマートキーの技適番号は内部の基板に刻印されています。つまり基板単位で認証をとっており、外装ケースは認定に含まれていないのでは?という指摘があります。事実トヨタの異なる形状のスマートキーで内部基板と技適番号は共通だった、というパターンが存在するようです。ただまぁこれについてはなにもみても誰に聞いても「大丈夫です!」というお墨付きは得られにくく、どこまでもグレーだと思います。あくまで樹脂ケースだけ頒布して組み付ける(改造する)のは自己責任でヨロ、という逃げも可能かもは知れませんが、まぁあまり大っぴらにはできず、個人で使うだけに留めるのが無難かなぁと。なのでショップには陳列しないかもです。

■まとめ

メカニカルキーを一体化して携行できないという点を犠牲にすることで、よりコンパクトなキーカバー(シェル)を自作してみました。常時2つ持ち歩く私としてはポケットの中が劇的に”スマート”になった気がします。また今回は外したメカニカルキーにも鞘をつけることで一緒に鍵束にぶら下げたり、バッグの中などに入れておくことができるようにもなりました。

大手を振って販売できると喜ぶ人も少なくないとは思いますが、法律的なところ誰か詳しい方教えてください。

3Dプリントフィラメントの残量をきっちり測る

3Dプリンターで造形する時、スプールに残ったフィラメントで足りるかどうかは常に気になります。造形途中でフィラメントが切れると面倒くさい一方、できるだけ無駄なく使い切りたい。

MakerWorldにこの手のスケールが多数公開されており、写真のように当てるだけでおおまかな残量を調べることができるのですが、さすがに「おおまか」すぎるのと、そもそもスプールの横幅がブランドによって違うので、より正確に測るにはブランド毎にこれを用意して使い分ける必要があり、なかなか厳しいなと思いました。

Bambu Studioでスライすると画面のように使用フィラメント量の予想が距離と重さで表示されるので、足りるか微妙~って時はやはりこれを活用して重量できっちり判定をしたいという考えに至りました(距離で測るのは難しい)。

ブランド毎の空スプールの重量はまちまちですが、少なくとも一度使い切って空スプールができたブランドは重量データを残しておけば、次からそれを引き算して正確なフィラメント残量を調べることができよう、という話です。せっかくなので、ここにも順次記載していきたいと思います。

Bambu純正(通常)248g
Bambu純正(高温)
(樹脂スプールの場合、紙芯を含む)

我が家の場合、フィラメント先端を固定するクリップも取り付けている場合があるので、参考値だとお考えください。

デジタルスケールを買い換える

普段、事務用として作業場にある測りは郵便物くらいにしか使わないので10年以上前に買ったアナログ針式のものしかなかったので、この機会にデジタルスケールに買い換えることにしました。デジタルだと数値が読みやすい他、現在の計量値を引き算できる「風袋(ふうたい)引き」という機能がボタンひとつで使えるのがポイントです。アナログ式だとダイヤルをグルグル回して0g位置に針を合わせるのが地味に面倒。

フィラメントスプールは基本1kg単位なので、スプール重量を加味して1kg強が測れる必要があります。他の用途も考えると2kg~5kgまでは測れるのが良いでしょう。逆に0.1g単位まで測れる必要はあまりない。それよりはデスク周りに置くのにできるだけコンパクトなものがいいです。まとめると今回の用途だと、

  • デジタル表示
  • 2kg以上計測できる
  • 1g単位で充分
  • 風袋引き機能マスト
  • 大きなものを載せた時に画面が隠れにくい、またはホールド機能搭載
  • スリムでそれなりにオシャレな外観(今回の置き場所だと黒が理想)

といった要件定義になりました。

選んだのはこちら。

  • 3kgまで測れる
  • 国産で法規にもきちんと準拠

といったところで信頼性も高そう。ちなみに裏返したところのシールにはKINGJIM L-3010という記載があります。キングジムのOEM品のようですね。商品ページにはないですが説明書をみるとPCS機能、つまりネジなどの小さい部品をジャラジャラっと載せて数を調べる機能もついていました。逆にホールド機能はないですが、表示部と計測台には段差があるので覗き込めばなんとかなるかと妥協。後述の治具も作って対応しました。

最後まで悩んだ候補はこちら。滅茶苦茶小さいのが魅力であると同時に、フィラメントスプールを載せるのにはさすがに小さすぎるかなと思って外しました。

「コーヒースケール」というカテゴリで探すと黒色でコンパクトでオシャレなデジタルスケールがたくさんあるんですが、タイマー機能など今回の用途では不要な機能が色々あって逆に使いづらそうなのと、値段も高い傾向があるので断念。USB充電式だったり、ガジェットとしてはかなりそそるんですけど。

実際のフィラメントを図ってみる

スプールは寝かせると画面が隠れて見えないし、立てると転がって行きやすい形状なので、写真のような固定台を作ってみました。

本機は都度風袋引きの「T」ボタンを押さなくても、電源投入時の重さを0gとしてくれるので、これを載せてから電源を入れれば、この固定台の重さは無視できます。

実際に冒頭の残り僅かなスプールを図ってみると294.5gとなりました。

空スプールが248gなので、残量はあと6.5g程度だな、という計算ができます。常に空スプールが手元にあれば、まずそれを載せて「T」ボタンで風体引きしてさっと測りたいスプールに載せ替えれば実際の残量が直接表示されますが、そのために空スプールを全種用意しておくのがちょっと現実的ではないかな。あらかじめ引き算する値をメモリしておけるようなインテリジェントな量りがあると理想ですね。

IKEAの多孔ボードSkadis用のマウンターも作成

各種ツールをIKEAのSkadis(スコーディス)に壁面収納してるので、これも一緒に入れておけるように専用ホルダーも作ってみました。

まとめ

フィラメントの残量を計測するのに必要充分な精度と基準をもったデジタルスケールが1千円ちょっとで買えて満足です。

唯一ホールド機能がないので、定型外郵便物の計量などで大きい封筒や段ボールを測る時は少し不便かなとも思いましたが、色々バランスを考慮して妥協しました。是非次期モデルではホールド機能を搭載してほしいものです。

3Dプリント品(ASA-CF)にレーザー彫刻を施してユーザビリティを向上させた

ウチの3Dプリント品ショップでたぶん一番買われているのがこちらのクラウン/ハリアー用のスイッチサイズ変換アダプタです。

こちらで注文できます

TOYOTA新型クラウン/80ハリアー向けスペアホール→タイプDスイッチアダプター

TOYOTA新型クラウン/80ハリアー向けスペアホール→タイプDスイッチアダプター

参考価格: ¥1,800(別途消費税、送料がかかります)

在庫: あり

それがなにかはリンク先を読んでいただくとして、これに念願のレーザー刻印を入れましたという話になります。

本品は特に説明書などもつけていないので、最低限、

  • 向きがわかるようにサイドに▲マークをモールド
  • ゴミ分別や接着剤の適不適などの判断用n材質名
  • 問い合わせがあった時のために世代(バージョン)

を刻印してきました。特にサイズなどの微調整をよくするアイテムなので、バージョン管理はしっかりしておきたい。で、今までは3Dモデル自体に文字を刻印してたんですが、あまり解像度があげられません。

造形の向きやレイヤー高を工夫すればマシになできますが、それらはプロダクトの性能のために最適化しているので、刻印のためだけにいじりたくはないし、AMSでフィラメント自体の色を切り替えて文字やイラストを描く方法は造形時間がとんでもなく伸びるしフィラメントの無駄が出るしで、いずれにせよコスパやタイパが悪化します。

またいつか購入した当人以外の誰かがこれを目にした時に「なんじゃこりゃ?」ってなるかも知れないので、出自がわかるようURL入りのQRコードで詳細を調べられるようにしておきたいというのもありました。例えば今後これを装着した中古車が売買される機会も触れるでしょうし。しかしこのサイズでQRコードを3Dプリントするのは現実的ではありません。なので、テプラの強粘着テープを使って貼るようにしてみたんですが、ASA-CF(炭素繊維入りASA)だと表面がザラっとしてたり粉っぽかったりであっという間に剥がれてしまいました。

で、前々から関心のあったレーザー彫刻機(加工機)を使えば、こういうのにかなり小さい文字高でも刻めるんだろうなぁというところで、「3Dプリント品にロゴやユーザビリティ向上のための表示、サポート情報のQRコードなど入れる」というのがレーザー彫刻機を導入するモチベーションの1つとなりました。

当初、黒材料にレーザー刻印(焼いて焦がす)って文字も黒くなるから視認性低いんじゃ?とも思ったんですが、ChatGPTさんとかに聞いて「赤外線レーザーを使って白化とか発泡化を起こすから白くなる」ということがわかり、買うならIR機だなとも決めたりしました。実際に導入してみると、むしろ白を黒く焼くほうが大変ということなんかもわかってきましたが、これはまた別途検証して記事にします。

やってみたらスゴかった

で、まずはこの売れ筋かつ向きやサポートURLなどの情報が重要な「TOYOTA新型クラウン/80ハリアー向けスペアホール→タイプDスイッチアダプター」から着手。素材はASA-CFです。炭素繊維入りで、表面が少しザラっとしているというか凹凸があります。

写真はPLAですが、こんな感じのマトリクスをテストプレートに刻印して、どのくらいのパワーと速度で、どれくらいの色が付くかを調べます。右の4列がIRレーザー、左の6列がブルーレーザーです。

写真のPLA PROだとパワー60%、速度300mm/sが一番綺麗でしたが、ASA-CFだと80%、400mm/sが一番はっきり色が出る。60℃で溶けるPLAと違ってASA-CFは120℃とかなので強めにしないとってことでしょう。ただそれでもいまひとつハッキリ出ない。特にザラザラの凹み部分に色がついていない感じ。100%にしてもかわらず。色々試した結果、まぁまぁ強めの出力80%にしつつ、あまり焦げないようスピードを速めの1,500mm/sにする、これを3回繰り返す(3パス)というのがいい感じでした。

そして出来上がったのがこちら。

色は白というより黄色というかゴールドっぽい色味になります。むしろ映える。多少「Ver.6」の文字の左端が擦れる傾向がりますがまぁ一旦OKとしました。

小さなフォントもクッキリ出るので、情報量も増やせました。▲だけだとわかりづらかったので「UP」の文字も入れ、さらには前後わかるよう「▲DRIVER」という文字も追加(FRONTだと車両前方か運転席視点での前方(=車両後方)か多義的なので)。また「V5」といれていたバージョン番号もわかりやすく「Ver.6」にできました。SFメカのマーキングみたいでカッコ良いので写真も気合いいれて撮ってしましました。

さすがに残りのスペースにQRコードを入れるとかなり小さくてザラザラでドットがつぶれてしまうのと見た目にもゴチャつくので、そちらは反対側に入れることにしました。

いちど組み付けてしまえば全く目にしない場所ではあるのですが、施工時の作業性が上がったり、部品の由来を辿りたい人が出た時のガイドになればと思います。

■まとめ

大枚はたいて導入したレーザー刻印機ですが、まずは一番にやりたかったことができてひと安心です。

色はなぜか白にはなりませんが。こと黒フィラメントに限っていえばゴールドっぽくて生えるのでアリかなと思っています。

今後、他のフィラメント種類、色で最適値を見つけていって、他の製品にも適応していきたいと思います。さし当たって白材料が鬼門で、色々と裏技が必要ということがわかってきたので、次はそれについて書きたいと思います。

[3Dプリント] 通販ページを立ち上げました

お陰様で当ブログで紹介している3Dプリント製作物について有償頒布してほしいというコメントを定期的にいただくようになりまして、今回自営サーバー上に通販ページを立ち上げることにしました。

これまでは銀行振込かAmazonギフト券で支払いをお願いていたのですが、やはり入金確認とか面倒だなと。ご送金いただく方からしてもインターネットバンキングしてないとATMまでいったりお手間なんじゃないかとか。またAmazonギフト券は意外と使ったことないという方も多く、毎度説明するのも手間だったり。あと一応それなりの数になってきたので、ぼちぼちきちんと税務処理しないと怒られそうなので、Amazonギフト券だと管理しづらいし、あからさまに税金逃れっぽくてよくないかなとか(笑)。

で、最近はBOOTHにも出品するようにしていて、本ブログとは別の認知経路にもなってて良かったんですが、やはり一見(いちげん)の方にPixivアカウント登録してもらうのも心苦しいなと。まぁもともとBOOTH会員で徘徊して見つけてもらう方のほうが多いかもですが。BOOTHではクレカ決済ができたり希望があれば匿名取引もできるのもメリット(送料が上がるので匿名配送は基本オフにしてますが、たまにご要望いただくと都度切り替えたりしてました)。

ということで、自前の通販サイト(ページ)を立ち上げてみることにしました。まぁなんだかんだいって技術的関心でやってみたかっただけというのが大きいw。

■目標

購入側目線

  • 面倒なアカウント登録不要で購入できる
  • 一般的なキャッシュレス決済(クレカ払い等)で支払える
  • できればApple/Google Payに対応して宛先入力も不要にしたい

運営側目線

  • たいして売れなくても固定費が負担にならないようにする
  • 1件ごとの手数料がBOOTH(5.6% + 45円)よりも安価ならなお良し
  • 注文毎のステータス管理をして発送漏れなどを防いだり履歴確認をしたい
  • freeeに販売記録をインポートできれば理想

などを掲げてみました。

■プラットフォーム選定

世の中的にはShopifyとかおちゃのこネット辺りのネットショップ開設サービスを使うのが一般的なんでしょうけど、せいぜい月数千~数万円程度の売上なので、数千円のサービス利用料がかかるのは避けたい。幸いにも自サーバーがあり、サイト構築の技術も多少はあるので、ショップ自体は自鯖ホストで賄おうと思いました。なんかしらオープンソース/無料のプラットフォームがあるやろと。

慣れているWordPressベースがいいかなと思って探すとWooCommerceという鉄板プラグインがあることが判明。しかも現在はWordPress.comを運営するAutomattic社の参加だそうで、半ば公式ECプラグインいたいなものなのかなと。WooCommerce自体にも様々なプラグインがあり、日本の商習慣に対応したり、各種決済手段を追加したりできるぽい。

定番中の定番ぽいし、これを使うことは割と早々に確定。VPS上にバーチャルホストでホスト名を追加して新規にWordPressをセットアップして使うことにしました。

■決済代行サービス選定

次に悩んだのは決済代行サービスです。決済代行サービス(プロバイダ)とは、個別にクレカ各社とかPayPayとか楽天ペイとかと契約しなくても、1社が取りまとめをしてくれるというサービスです。小売り店のレジにポータブル決済端末とか置いてて、やたらたくさんの会社のアクセプタンスマーク(サービスロゴ)が並んだプレートを出してるようなのも決済代行サービスを使ってる感じですね。たいてい対面販売とオンライン(EC)販売の両方に対応しています。

一社が全部代行してくれることで個別契約の手間だけでなく、月々の売上管理なども一元化できるのが魅力です。たぶんですが一社一社に申請して審査書類だして、とかだと小規模個人サイトだと通らないところとかも多いと思いますが、これらのサービスが取りまとめて個人サイトも相手にしてくれるお陰で、簡単にキャッシュレスオンライン決済が使えるようになるという面もあると思います。

調べるとめちゃくちゃたくさん出てきますが、個人でも使いやすくて決済手数料が安そうなところだと、

  • Square
  • Stripe
  • KOMOJU

なんかがあります。以下は筆者が個人的に調べた2025年9月時点の情報です。

Squareはスマホに装着するカードリーダーでいっきに浸透した感がある有名どころですね。対面決済がメインで、オンラインはクレカのみで手数料3.6%。入金が早いのも売りらしいですが、まぁたいした額でもないので翌月末入金でいいやってことでパス。店舗端末もオシャレさも売りですが、対面販売しないし。

StripeとKOMOJUが手数料の安さとApple/GooglePay対応で最後まで候補に残りました。KOMOJUはあまり聞き慣れないですが日本の会社がやっていて手数料が安いし、WooCommerceのプラグインも提供しています。クレカが3.25%とBOOTHに比べるとかなり安く、また日本独自決済にも強くコンビニ払いも2.75%と圧倒的に安い。

Stripeはカード、クレカもコンビニも3.6%で、コンビニは最低金額300円とお高め。ただWooCommerce傘下でプラグインも完備。WooCommerceを使った解説動画やブログでも使用例が多い。

うーん、知名度低くでも別に一度セットアップしてしまえば関係ないし手数料でKOMOJUでいっかなーとプラグインをインストールしてアカウントを登録するところまでいったんですが、ギリギリのところで違いに気付きました。KOMOJUは出金に振込手数料が220円かかります。Stripeは無料。うちのアイテムは単価2,000~5,000円くらいなので、コンマ何%の手数料差でかせいでも220円払ったら消し飛びます。ChatGPT試算だと2,500円のアイテムを毎月20件以上売らないとKOMOJUの出金手数料の方が高くなってしまうとのこと。もっともコンビニ決済の手数料差が大きいので、コンビニ決済比率が高いとまた違ってきますが、おそらくそこまでではないし、なんならコンビニ決済は使わないという判断もありかなと(メインなApple/GooglePayかクレカ、銀行振込を想定)。

だったら登録も審査もWooCommerce連携も楽そうなStripeでえぇか、となりました。

その他の考慮点としては、個別に請求リンクを作って払ってもらう機能が個別カスタム依頼の支払いに便利そうと思ったんですが、これは3社とも対応してそう。あと返金時の手間や手数料などにも違いがありそうでしたが、まぁそんなに多くはなさそうだからいいかと(というかそれもStripeの方が楽そう)。あと審査はStripeの方が緩いという速いらしいです。KOMOJUもサイトがきちんと整っているか(例えば日本の法令に沿った表示がされているかなど)チェックはされるもの、そこまで壁が高い感じでもなさそうですが。

将来的に月何十件の注文数になったり、コンビニ決済が意外と人気、とかになってくればKOMOJUに乗り換えるかも知れませんが、とりあえず小規模スタートであればStripeが良さそうかなというところです。

銀行振込について

WooCommerceを色々日本向けにカスタムするJapanize for WooCommerceというプラグインがあり、これを使えば銀行振込にも簡単に対応できます。というかこれは設定した口座番号を表示するだけに近く、これまでメールで振込先を都度通知していたのに近い感覚。手数料もかかりません。一方Stripeで銀行振込を受け付けた場合は1.5%の手数料がかかります。じゃぁ前者でいいじゃん、と思いがちですが、後者は他の決済とあわせてStripeダッシュボードで売り上げ管理ができる点と、返金対応が楽というメリットがあるようです。これもクレカが使えるようになってなお銀行振込を選ぶ人がいるか次第ですが、両方使い比べて決めていきたいと思います。

有効化には身分証による本人確認が必要です。

コンビニ決済はやめるかも

コンビニ決済もKOMOJUより高いながら一応使ってみたいなとは思ったんですが、思わぬハードルがありました。それは固定電話または050 IP電話番号の登録が必要ということ。現在自宅ではひかり電話は契約してないし、ルーターがRTX1300な関係で追加も難しい。なら050番号を取ろうと思ったんですが、昨今の本人確認厳格化ルールなどでどこも値上がりしてるというか基本料無料というところは壊滅。一番安いMy050でも半年毎に550円なので月100円くらい番号維持費がかかることになります。うーん、わざわざ他の決済手段より手数料が高いコンビニ払いを、さらに番号維持費までかけて使う意味あるのか?っていうところで保留。世の中的にはコンビニ決済利用者は少なくないですが、ウチの客層的には少なそうとか、ウチでしか買えないなら他の手段使ってでも買ってくれるのでは?という気がしてしまいます。

URL払い(Stripe Payment Links)

URL払いとは支払い請求リンクを個別生成して相手にメールやSNS経由で送る手段です。各社で呼び方が違いますがStripeではStripe Payment Linksと呼ぶ機能です。月謝など定期請求とかもできるぽいですが基本的にはPayPayなどで割り勘額を請求するような感覚に近く、カスタムオーダーを受け付けた場合とかの都度請求にいいかなと思っています。いちいちショップにアイテム登録しなくても任意の金額をオンライン決済できるわけです。月数件ならショップサイトすら作らず、都度これを使って請求すればいいレベル。手数料はそのリンクから相手がなにで決済するか次第で、URL発行自体は無料です。

もともとSesame+ASSAドア系のパーツとかは個々のドア状態をコンサルしてオススメのパーツの組み合わせを提案したりカスタムしたりして、手元で試してもらってうまく機能したら払ってもらう方式主体なので、こういうカスタム前提の受注ではこれが重宝するかなと思っています。

■送料どうしようか問題

WooCommerceではかなり細かく配送料設定を組むことができ、アイテムの重さや相手の住所に応じて金額を分岐させることも可能。せっかくなので活用して最適化してみたいかなとも。

小さなアイテムが多いので95%くらいはクリックポストで送れてます。これの送料は185円で、百均で買ってくる梱包材の料金が数十円くらい。これまではサイズがあわなかったりた時に3回程度まで再送する前提で500円いただいていました。実際Sesame系アイテムは2度3度発送することも多く。ただ完全にこなれてクレームもないアイテムも出てきてるので、もうちょっと安くしてもいいかなと。

逆にStarlink Miniアイテムなどは宅急便(60サイズ)などが必要になることがあり、北海道/九州(沖縄)などは+500円くらいになるので一律負担とするには差額が大きい。ここはせっかくのエリア別送料計算機能を活用して実費負担をしていただこうかなと。

ということで、当面使う可能性がある配送手段は、

  • クリックポスト(厚み3cmまで。全国一律185円+資材数で計250円)
  • レターパックプラス(専用封筒に入ればOK。全国一律600円)
  • 宅急便(60サイズ)(距離別で940~1,460円)

の3つを想定。宅急便は営業所持込をしたり専用プリペイドを使えばもう少し安くなりますが、たいていは夜中にPUDOロッカーに入れることが多いのであまりアテにできない感じ。

当初できるだけシンプルにするため、全国一律のクリックポストとレターパックプラスは送料無料(=実質送料込み)にしようと思ったんですが、それだと複数買ってくれた方に送料を二重払いしてもらうことになってしまうので、やはりしっかりわけで計算するよう設定を組みました。カートにいってから送料が加算されて「最初言ってたより高くなった!」って思われてしまうのも避けたかったんですがいたしかたなし。最初送料込み価格で、複数買ったら引き算、みたいな計算まではできなそう。もし実装できる方法が判明したら変更するかもですが、BOOTHとの価格一貫性の観点からもやはり送料は別で加算するしかないのかなというのが現状です。

なんかECサイトの苦労を垣間見た思いです。

■消費税表示どうしようか問題

同様に、内税か外税かも選べるのでこれも悩みました。WooComerceではもちろんどちらも選べるし、なんなら軽減税率とかもアイテムごとに指定できます。表記というか値付けの問題ですね。価格設定を1,000円とした時に、そのままの金額で表示/請求するか、+10%を自動で乗せるかという話。オンリーワン商品なので他所の小売り店と比較とかもないし、1,100円みたいなきりの悪い数字にするか、1,000円とか980円とか見栄え重視にするかだけの問題ですね。

もともと直接取引では税額も明記した上で総額をお伝えして、BOOTHでは総額にしてたと思います。というか気にしてなかった。もしかしてカートで10%載っかた?と思って今調べたら総額表示想定みたいですね。

自分でもやはり店頭で外税表記の店にはイラっとするし、やはり総額表示がよいでしょう。カートではしっかり消費税相当額を付記してくれますし。

自分の中で税別金額を1,000円とかに決めて、システムで1,100円にしてもらうのは、将来的に税率がかわった時は楽ですね。他方、税込みで1,000円とかにしていて万一にも税率が上がったら、すごくキリの悪い端数になるか、増税分を転嫁せず価格維持するか、もう少し上のキリの良い金額にする(便乗値上げ)するかなどで悩むことになりそう。

今世の中では1,100円がなんとなく「あ、1,000円+税ね」としっくりくる金額として認知しやすいと思うので、前者でいいのかなぁ。ただこれが2,600円とかだと+10%で2,860円とか細かい数字になって気持ち悪いんだよなぁ。誰も気にしないかもだけど、個人的には下2桁は00円とかですっきりさせたい、、

とりあえず、価格入力は税別で行うと、アイテムページには税込み総額が表示され、カート画面では内訳が出る、という感じに落ち着いています。

■まとめ

そんなこんなでECショップを開設してみようと思うと、送料とか税額表記とか小売業の方達の「あるある」であろう悩みが色々でてきてなかなか作業が進みません。

またWooCommerceの設定でもドハマりしたことがあって、それはまた解決法も含めて別記事にしたいと思います。

ともあれやはり1,2日でサクっとはいかないまでも、WordPress環境があれば1週間くらいでECサイト作れるかな?という肌感なのはすごい時代だなとも思います。

格安ノギス実測ベンチマーク

開催主旨

3Dプリント品のカスタム依頼を受ける時、依頼人の手元にしかないものの正確な寸法を測ってほしい時が多々あります。特に円形のもの(ウチだとドアのサムターンとか)は普通の定規ではきちんと測るのは難しいし、百均のプラ定規とかだとそもそも目盛りの精度すらあやしい。

「ノギスお持ちでしたら〜」と言いたいですが、なかなかお持ちでない方も。しかもそんな「ノギスってなに?」って方にアナログノギスを買ってもらっても目盛りの読み方を理解してもらうハードルが。じゃぁデジタルノギス買ってくださいというのもなかなか。

ただ最近は数百円の安いデジタルノギス(最小単位0.1mm)もちょくちょくあるので、一度それらがどれくらいアテになるのか手元で検証してみたいなと思ったのがきっかけです。

実際はその格安ノギスで計測して治具を製作して、それがピッタリはまるか、という観点で評価するべきなんですが、まずは第一段として、計測値の精度テストをしてみたいと思います。

検証方法

今回計測対象としたのはこちら。

右は普通の単一電池。これの直径と全長を測ってみます。「丸いもの」「小さな突起があるもの」という定規では難しい2タイプの計測をまかなえます。

左はちょうど別件で必要になって買ったピンゲージです。ピンゲージとはまさにサイズ合わせの基準とするツールで、バチバチの精度で作られた丸棒です。3DプリンターでΦ8mmインサートナットを作りたい時に、きちんとそのサイズの穴が空いてるかチェックするのにいいかなと思って注文してました。多少の誤差がないと刺さらないこともあるので、わずかに大きい8.05mmを購入。今回はその0.05mmがどうでるかも見所の1つです(まぁ無理だろうけど)。

新潟精機 SK ピンゲージ 8.05mm AA8.050

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計測方法としては、0.01mmノギスの計測値を正解として一番最後に計測。より精度の低いノギスで目盛り間の値も主観で読んで測定値とします。乾電池の方は正解を知らない状態で測るので、より実戦に近いかなと。

参加選手

今回のユースケースに基づき、全国のチェーン店舗または通販で短期で購入できることを条件としました。アリエクでもっと安いのがあったとしても1週間とか1ヶ月もかかってはやりとりが滞ってしまうので。

1mm勢

まずは激安組としてDAISO、Seriaの100円簡易ノギス。簡易というだけあって1mmまでの目盛りしかない。1.0mmではなく1mm精度という感じ。あくまで円形や隙間、深さを測るのに定規よりは当てやすいよね、という商品です。本来ノギスと呼んでいいのかあやしいので、「簡易ノギス」とか「ホビーノギス」という商品名です。

ただこれが実用になるのであれば、全国どこでも110円で買えるのでお願いしやすいし、なんならこちらからメール便で送りつけてもいいです。目測で目盛りと目盛りの間を読めば、0.3mmくらいの精度はでないか?と一抹の期待で参加です。

0.1mm勢

携行用、車載ように買ってあった安い0.1mm精度製品をいくつか。

E-Value EDV-75

イーバリュー(E-Value) デジタルノギス EDV-75 ミニタイプ 75mm

イーバリュー(E-Value) デジタルノギス EDV-75 ミニタイプ 75mm

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7.5cmまでしか測れないミニデジタルノギスです。執筆時点の価格は1,780円。いつもサコッシュに入れて持ち歩く用(最近サコッシュ自体を持ち歩いてないけど…)

シンワ測定 19990

執筆時点で2,333円。激安とまではいかないまでも格安デジタルノギスとしては国産だしまぁ標準的な位置づけかなと。自分のメインもシンワ測定なので、サブとして車載工具箱にいれています。安いながらLR44電池ではなくCR2032なのがポイント。LR44はすぐ空になって使おうと思ったら電池切れてる、ってなりがい。でも2,000円超えるとちょっと相手方に買ってくれとは言いづらいですね。まぁひとつのリファレンスとして。

DAISO デジタルノギスSV(参加保留中)

DAISOには0.1mmのデジタルノギスがラインナップされているんですが、自分の近所も含め全国的に在庫がある店が少なく、相手方に買ってくれとお願いするのも難しいので今回は外しました。その供給が安定してきたら買って追加参戦するかも知れません。700円で全国店頭で買えるなら悪くないと思うので。

DTY デジタルノギス

写真に写ってませんが、Amazonで買える最安値集団の中から国内発送ですぐ届くものを1点追加。執筆時価格は598円と上記DAISOより安い。プライム会員じゃないと送料がかかるのでトントンくらいでしょうか。

プラケースが付属しない簡易版なら588円ですがまぁ10円ならケース付きを買った方がよいんじゃないでしょうか。あと中国発送で20日くらい待てるなら498円とかもありました。

0.01mm勢

シンワ測定 19180 データ転送機能付き

私が普段計測作業に使っているメインノギスで0.01mm機です。Bluetoothキーボード(HID)としてPCやスマホとペアリングして、計測値を数値キー入力として流し込むこともできます。

これの精度がどうかはさておき、個人的にはこちらがリファレンスということになるので、今回の比較でも正解値として扱いたいと思います。

結果

結果です。

至極順当に、1mm勢だと0.3mm程度の誤差、0.1mm勢だと0.1mm誤差くらいは出る感じすね・

1mm勢は目盛り幅が実測で0.3mm幅くらい、目盛りと目盛りの隙間が0.7mmというのをイメージして読んだ感じでちょっとコツがいります。動く側の▲も太いのでどこ基準でみるかは0位置も観察しつつで自分なりにロジックを決めてやる必要がありますね。あまりこだわりがない方だとそこまで深読みはしてくれない気がします。あと物理目盛りは老眼にはめっちゃ辛い!お相手がお年を召した方の場合はちょっとお願いするのは憚られるかも知れません。

DAISOとSeriaならDAISOを推します。白地に黒目盛りの方が読みやすかったのと、印刷自体もクッキリしています。Seriaは0-5mmくらいのところは印刷が滲んでいて、▲の先端が目盛り側に印刷されちゃってるという雑さです。個体差かと思ったんですが、店頭の在庫数点を見比べても同じ傾向でした。

デジタルは読み方にコツとかも必要なく、出てきた目盛りを読みとってもらうだけなので、あとはノギスの当て方だけ間違えなければ良いので、その意味も含め信頼性は高いですね。やはりというか可能ならデジタルノギスをオススメしたいところです。今回600円程度の安いものでも2千円台のシンワを同等の精度が出ることがわかって良かったです。

あと0.01mm勢にもなると、当て方ひとつで数字がかわるのでどの値を採用するか迷いました。何度か当て直してなんとなく代表値っぽいものを採っています。

まとめ

0.01mm勢を基準として、0.1mm勢>1mm勢と順当に誤差が大きくなっていくことが検証できました。1mm勢の物理目盛りはそれなりにルールを決めて補完してやっとという感じなので、他人に測ってもらう時にはもっと誤差が大きくなる可能性も高いです。また精度以前に老眼殺しだということも判明。なんやかんやであまり人に薦めたくはないなと。110円で買えるのは魅力なんですが。あとはまぁ0.3mm誤差というのが3Dプリント設計にどれくらい致命的かですね。肌感覚としては部品と部品がバチっと噛み合う精度は0.1mm精度くらいで調整してる気がします。その意味では0.3mm誤差はちょっと荒いなぁと。もちろんそこまでピタっと精度を出さないとならないところばかりでもないですが。

やはり3Dプリンター設計用の寸法計測に使ってもらうなら、最低ラインとしてはDTYか、将来的にDAISOのデジタルノギスSVが潤沢にどこの店舗でも買えるようになってくれればそちらかなぁ。ただ100円ノギスでも定規よりは全然マシだとは思うので、「今後絶対使わないし700円はちょっと…」って人には、「ではせめて100円ので」とお願いするのはアリか、ってとこですかね。あるいは送料折半にしてもらって手持ちのノギスをクリックポスト(片道185円)で貸し出すくらいした方が、あとであわなくて作り直しになるよりはトータルでは安上がりかもしれません。