Starlink Miniのモバイルルーター化と実地テスト

山奥でStarlink Miniを使ってみたいということで、伊豆のグランピング施設に宿泊してきました。ついでに前から取り組んでいたStarlink Miniへのモバイルバッテリーマウントがようやく形になってきたのでこちらも実際にテスト。

Starlinkをケーブルレスで運用する

以前の記事でモバイルバッテリーを背面に固定したらケーブルレスで巨大モバイルWi-Fiルーター化できるんじゃね?といっていたアレです。

PD 100Wモバイルバッテリー、INIU P63-E1を固定するマウンターを3Dプリンターで設計、出力してみました。(なぜか現在Amazonから消えている?)

バッテリーの厚みが突出していましたが、こんな感じでケーブルレスでStarlink Miniを起動できています。

上下分割式でフタを開けるとこんな感じ。

モバイルバッテリーからL字アングルを介してUSB-Cケーブルを出し、Starlink Mini用防水プラグアダプタにつながっています。使用したパーツはこちら。

Starlink Mini電源アダプタはAmazonになく、アリエクでこちら。ショートケーブルではない変換プラグもありましたが、形状的に上手く収まらず、ショートケーブルの方が融通きいて良かったです。

一応、右下側に有線LANケーブルを通せる穴も開けてあります。電源ランプが覗ける穴も。

Starlink Miniには電源スイッチがないので、モバイルバッテリーの電源ボタンを押せる穴もつけたんですが、小さすぎて指が通らずw。今度造形する時は修正します。

これで電源を入れたらあとは北向きに空を見渡せるところに置いて、Starlinkアプリで向きを確認して修正するのみです。

ただバッテリーの膨らみだけでは角度が足りず、結局標準スタンドを下にかましました。将来的にはなにかしらスタンド機構も持たせたいところです。

山の上だから施設付帯のWi-Fiの速度もたいしたことなかろうと侮っていましたが、普通に下り400Mbpsとか出てStarlinkイラネって感じでしたw。

Starlinkもアンテナ内でのスピードテストでは下り250Mbpsくらい出てたんですが、このテントが少し電波を通しにくい素材なのか、室内に入るといっきに速度が落ちて65Mbpsに(下写真)。

やはり有線LANで室内までケーブルを引き込んで、別のモバイルルーターでWi-Fi電波を飛ばした方が良さそうです。ウチで使っているのはこういうの。

ただ今回のテントは外から中にケーブルを通せる穴は見付からず、結局わざわざStarlink使う必要ないわということで1時間ほどで回収。バッテリー残量100%から使い始め、1時間8分ほどで70%でした。3時間くらいは稼働させられそうですね。ただまぁ衛星に向けての電波送信が電力食いでしょうから、上り通信が続く配信などの使い方ではもっと短い時間で電力を使い切る可能性も。

■まとめ

Starlink Miniが届く前からチャレンジしてみたかったモバイルルーター(ケーブルレス)化に一応の目処がつきました。課題もいくつかあって、

  • Starlink本体の設置角度が調整できる足をつける
    • バッテリーを足にすると残量表示窓のクリアパーツが設置してキズが入りそう
  • バッテリーの給電ON/OFFをできるよう穴を広げる
  • 内部のケーブルも固定したい
  • バッテリー部分に防水性がない
  • 外した時に電源プラグが一緒に抜けない→もう少し固定方法を強化する
  • バッテリーを充電するためにフタを開けなければならない
  • 斜面は3Dプリント積層痕が目立つので削るとか0.2mmノズルで造形するなどフィニッシュ作業

など。もう少し厚みを出せば色々捗るんですが、なんとなくこのStarlink Mini背面の斜面とつながったデザインが捨てがたく、、、

ともあれStarlink Mini側にフィットする土台モデルはできたので、またもっと良い形のPD 100Wバッテリーが見付かれば上積み部分をそれにあわせて改良してもいいかも知れません。

Vブレーキ用(Panasonicハリヤ)用Sesameサイクル2アダプタを改良

以前、ママチャリ用であるSesameサイクル2(自転車用スマートロック)をVブレーキであるPanasonicの電動アシスト自転車ハリヤ(2016年モデル)に取り付けるアダプタを製作しました。かこの経緯は以下の2記事に。

初期バージョン(Ver.1)

Sesame Touch対応バージョン(Ver.2)

ぶっちゃけ最近は自転車自体パンクを放置して乗ってなかったんですが、コメントで使ってみたいというご要望をいただき、改めて製作してみることに。せっかくなのでこれを機会にいくつか気になっていた課題も改善してみようと。

課題1: 埋め込みナットの強度問題

以前のバージョンではSesameサイクル2を固定するボルトの受け側として、埋め込み金属ナットを使っていました。下の写真のような部品を熱した半田ゴテでプラスチックを溶かしながらグニュっとインサートする手法です。

これでしっかりと金属ボルトを固定できるはずだったのですが、しばらくつかっていると、このナット自体が抜けてきてしまいました。アダプター側のインフィル(密度)が低かったのかも知れません。できるだけ強い力を掛けないようにしてましたが、振動のせいかわかりませんが、だんだんと緩んできて抜けてしまいます。

そこでブログには載せていませんでしたが改良版として下の写真のように受け部分(黒)をアダプター本体(青)と別体パーツにしました。意図としては積層方向をかえること。このアダプターは寝かせるように 造形するのでレイヤーが水平にできるため、ボルト方向に力が入ると剥がれやすいかなと。そこで黒い部分だけ別体でレイヤー方向が垂直になるように作っていました。

一応これにしてから破損することなく使えていたんですが、アイデアとしては「そもそも埋め込みナットやめて、長いボルトを貫通させて裏側にナットつけて両側から締め付ければいいんじゃね?」というのを思いついて、モデルまでは作ってありました。

今度破損したらこれで作り直そう、と思ったまま寝かせてあったので、今回あらためてこちらを試そうと。造形的には1パーツで作れる方が楽ですし。

課題2: 材質と耐候性

3Dプリンターでもっともメジャーなフィラメント素材はPLAですが、難点として熱に弱いというのがあります。60℃くらいでかつ荷重がかかっていると割と簡単に変形してしまいます。上記の青いのはPLA-CFというカーボンフィバーを練り込んで強化した素材だったんですが、今回あらためて外して眺めると軽く歪みが出てきました。

耐熱、耐紫外線などの耐候性の面ではABSやASAがあります。ABSは造形が大変で匂いがキツいというので我が家では未導入。それよりは匂いがマシというASAは使ってるんですが、これが調整が難しく、どうしても表面が綺麗にならずにダマができてしまいがち。ペーパーでヤスって平らにするも今度は黒い色がしらっちゃけてしまい、更に塗装したりと仕上げにかなり手間。

そこで今回は同じく屋外に向いているという高速PETGを採用。曰く、

「高速 PETG は、通常の PETG が持つ強度を維持し、水、紫外線、極端な温度に対する優れた耐性を提供します。PLA よりも丈夫で耐久性に優れており、プランター ポット、鳥かご、水やり缶、自動車部品などの屋外用アイテムの印刷に最適です。さらに、フリスビーやブーメランなど、長期間の屋外使用や衝撃、衝突、落下に耐える必要がある屋外用玩具にも適しています。」

とのこと。実際表面はかなり綺麗に仕上がりました。PLAには及びませんが、ヤスリ掛けまではギリギツ用ないかなくらい。

課題3: Sesame Touch固定のラッチ機構

上部にSesame Touch(指紋センサー)をとりつける部分があるのですが、上記の青い世代のものはレールの固さだけで固定してました。それがしばらく時間をおいたらガチガチに固着していて外すのに苦労しました。ハンマーで叩いたレベル。

本来はハンドルベース側に小さな突起がついていて少しだけ引っ込むバネ構造になっていてカチっと固定するようになっているので、その構造の再現にチャレンジ。もちろん金属バネを組み込むのは部品管理上手間なので、3Dプリントできる樹脂だけで実現すべく挑戦。

下の白っぽい部分がそれです。別パーツとして造形し差し込んで接着剤で固定しています。

Sesame Touch固定ラッチ
断面図

一応パチっと鳴ってはまるようにはなりましたが、正直強度とか保持力みたいなところは今後モニタリングが必要です。走行してるうちにTouchが緩んで落ちてしまわないかは不安です。

ちなみにSesame Touch単体だけでなく、別売りのタッチホルダー(自転車用)が必要になります。

完成したVer.3

そんなこんなで完成したのがこちらのVer.3です。

ボルトとナットはちょうど手頃なセットがなくて別々に買って組み合わせています。M5で25mmで六角4mmが使えるモノ(自転車いじる人ならHEXレンチの方が都合が良いですよね?)。ナットは別のボルトナットワッシャーのセット商品から取り出しています。

このマウントアダプターにSesameサイクル2をとりつけた状態がこちら。

裏のナット穴側はこんなです。

ボルトの長さが足りなくてナット穴を深めにしてしまったので、締め付けがちょっと大変になりました。この向きにしてナットを先に入れ込んで、下からボルトを差し込んで締め付ける形。

たぶん先にこの2つを合体させておかないと、Sesameサイクル2を最後にとりつける形だと、ナットが重力で落ちてしまうので大変だと思います。もっと長いボルトが調達できるなら、ナット穴をもっと浅くして指で押さえながら締め付けられるようにすればいいかも。

今回は先にこの2つを組み付けたあとでまとめて自転車に取り付けます。なお、このアダプタを自転車のVブレーキ部分に取り付けるのは元からついているボルトで共締めにします。こちらは六角5mmレンチ。同じレンチが使えると楽なんですが、Sesameサイクル側のボルト頭が大きくなると干渉しそうだったので、、

取付時にはマッドガードに若干干渉しますが一度通過してしまえばギリギリ触れないで済むと思います。この辺りは自転車のモデルや年式によっても違うと思うので、今は自分の2016年式ハリヤ基準です。ご要望いただいた方の年式が微妙に違うので、実際にマッチングしてもらって必要なら調整していこうと思います。

今後、長期的に

  • 解錠/施錠がきちんと機能するか
  • ブレーキの動作に支障がないか
  • Sesame Touchの固定が緩んでこないか
  • アダプター全体が屋外放置で変形や劣化していかないか

などをモニタリングしていきたいと思います。ASAで作った試作品もあるので、どちらも日当たりの良いところに吊しておこうかな。

ハリヤ2017年モデル対応

ウチの2016年式とは違う2017年モデルにお乗りの方からご要望いただいたのでお送りしたところ、そのままでは合わず、Sesame受け部分を2cmズラして欲しいとのことでしたので、以下のバリエーションを作ってみました。

これで取付できたとのことです。やはり年式で結構違うものですね。ちなみに写真左のようにSesame受け部分を接合せずバラで造形してお送りし、どの位置が適正化探ってもらうようにもしたのですが、今回は不要でした。

今後また別モデルでお問い合わせがあった際にはこういう検証用バラモデルもお送りしようかなというところです。これで理想の位置を割り出していただきその数値を元に改めて一体版を作るという感じ。またSesame Touch取付部分も写真のように簡単に有無を選べるので、不要な方はスッキリデザインでお使いいただくことも可能です。

[3Dプリント] Panasonic TZ系食洗機の開ボタンを押しやすくするハック

我が家の食洗機はPanasonicのNP-TZ300です。

この系統のモデルは(TZ100/200/300)はドアパネルにタッチセンサーがついていて、点々模様のところを長押し(長タッチ)するとドアが開きます(現行のTZ500では物理ボタン式に変更されています)。

自分はまぁそんなもんかと納得して使っていますが、同居人はこれが面倒でやってられないのだそう。その2,3秒が待ってられないこともあれば、そもそも反応しないこともあるといいます。

で、この機種にはタッチパネル故障時などのバックアップの意味合いでドアの両サイドに「強制開ボタン」というのがついています。

説明書引用

このボタンを5mmほど押し込むことでもドアが開きます。位置的には悪くないですが、内部のロックを外す機構があるので結構強く押し込む必要があります。説明書にあるとおり爪が長い/付け爪の方なんかは気を遣うでしょう。

注意:本来は非常時の“強制”開ボタンなので、常用には向きません。本来のタッチによる操作であれば事前に温水を止める動作も働きますが、強制開ボタンだとその反応も一瞬遅れる可能性がある(止まりはする)ので、普段使いは自己責任でお願いします。洗浄中に開ける時は予め一時停止操作をしてからに。

■今回の指示: ドア強制開ボタンを押しやすくしろ!

ということで今回のお題はこのドア強制開ボタンをもっと簡単に押しやすくせよ、というものです。

当初、こんな感じでボタン自体を押し出す形のパーツを作りました。表面が指に馴染むよう慣れないフォームモデリングを駆使して曲面造形にしたりもしました。

しかし「違う違う!そうじゃ、そうじゃない~♪」とバッサリ。

もっと押せる部分の面積を大きくせよと。「キノコみたいにすればいい」と。

しかしこれでは元ボタンとの接着面は狭いままなので、横から力がかかると“てこの原理”で簡単にポキっと取れてしまうことは想像に難くありません。バラして元の部品と入れ替えたりガッチリ固定するならまだしも、非破壊でボタン表面に両面テープで貼るだけの想定だと厳しいでしょう。

で、考えたのは、余計な方向の力をブロックするベース部品の追加です。

両面テープで止めるのは緑の部分のみ。円柱はパーツ同士のガタツキ防止の補助でメインの角柱より絶妙に短い(抜けないし底付きもしない範囲)。

張り付けはとりあえず手持ちのナイスタック強力タイプ。

ニチバン ナイスタック 強力タイプ NW-K15S

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222円(03/25 23:04時点)
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長期的なことを考えると防水性のある両面テープが理想かも知れません。且つあまり厚みやクッション性がない方が良いのでこの辺りでしょうか。

とりつけた様子がこちら。シルバーのシルクフィラメントを使ったら色もまぁまぁ馴染みました。

結果は大好評。手のひらやグーパンで雑に押しても一発でドアが開きます。タッチの2,3秒待ちもなくコンマ何秒で開くので、なんなら自分もこっち使おうかなと思うくらい。

注意:本来は非常時の“強制”開ボタンなので、常用には向きません。本来のタッチによる操作であれば事前に温水を止める動作も働きますが、強制開ボタンだとその反応も一瞬遅れる可能性がある(止まりはする)ので、普段使いは自己責任でお願いします。洗浄中に開ける時は予め一時停止操作をしてからに。

「絶対ニーズあるから売れ!」と言われます。どうかなぁ。そもそもこの強制開ボタンの存在すら知らない人も結構いるような?まぁでも一応BOOTHにでも出しておきます。もし欲しいという方がいればそちらでご購入いただくか、BOOTH(Pixiv)アカウントもってないという方はコメントでお知らせください(直接購入の場合送付先住所をお知らせいただく形になります)。

TZ300以外の機種での動作確認は取れていませんが、ボタンのサイズが同じならおそらく使える気がします。ざっと説明書みるとTZ100/200/300は強制開ボタンの記載もあり大丈夫そう。現行のTZ500はタッチパネルが廃止されてドアの物理ボタンで開くのでそもそも当てはまらないされた?

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesameを取り付けるキット Sesame 5 Pro編

当ブログの3Dプリント品頒布で一番人気なのがASSA ABLOY製のドアサムターンにスマートロックのSesameを取り付けるための諸々パーツです。

なんだかんだ月イチくらいでお問い合わせをいただきます。このドアというかサムターンはちょっと特殊で360°以上クルクル回転するので、360°までしか対応していないSesameシリーズを普通に設置すると手回しした時にSesameのサムターン角度検出とズレが発生して、次にモーターでサムターンを回した時に正しい位置に戻せなくなり、結果として施錠/解錠に失敗します。

そこで当ブログでは3Dプリンターを使って回転範囲を限定するストッパーを作成。同じ悩みをお持ちの方にもお分けさせていただいています。

またこの海外のマニアックなサムターンはたいてい木製と重厚なドアとセットになっており、両面テープやネジ止めするのが憚られるということで、サムターン固定ネジと共締めすることでドアに恒久的ダメージを与えずにSesameを設置するバックプレートやサムターンアダプタも人気です。サムターンアダプタはCandyHouse公式でも数百円でセミオーダーしてもらえますが、以前見せていただいた感じだと割と必要最低限のシンプルな形状で、当ブログ製作のものの方がガッチリ三次元形状に沿って固定できるのでご好評いただいています。詳細は上記ポストをご覧ください。

さて、このパーツシリーズは我が家で使用しているSesame 5用に製作しています。Sesame 4以前だと厚み(奥行き)が違うので使用できるかは未検証です(元々はSesame 3用だったので基本は同じのはずですが)。またかなり形状が違う北欧向けモデルも一度相談を受けてモデルまでは作ってあります。そして今回ついに上位モデルのSesame 5 Proをお使いの方からお問い合わせいただきました。「もしかしたらそのうち来るかもなー」と思っていたんですがついにという感じです。Sesame 5 Proはブラシレスモーターで耐久性が上がり、動作音も静かになっている上位モデルで、形状はSesame 5無印とかかなり違います。自分でもちょっと気になってはいたもののわざわざ買い換えるには至っていませんでした。

手元にないのでリバースエンジニアリングすることもできず、

  • 依頼主に測ってもらった数値で作成し根気よく合うまでやりとりさせてもらう
  • Proを購入して設計が済んだら返品する(気に入れば自宅でそのまま使う)

のどちらかかなぁと思っていたのですが、ふと公式商品ページをみていたら一応サイズと真正面、真横の高画質な写真があったので、これだけあれば理論的には採寸不要でできるんじゃないかな?と思って着手してみました。Sesame 5と違ってサイドが斜めになってなくて寸胴スタイルなので、理論上は一意の外径サイズを確定できます(横からみた時のメインプレートの厚みとサムターンのツマミの幅は不定)。

なんとか完成したのがこちら。

回転ストッパー a. 側面取り付けタイプ
回転ストッパー b.手前面取り付けタイプ
回転ストッパー c. サムターン側取り付けタイプ
固定用バックプレート 取付方向別4パターン

ごらんのとおりモデリングツール上で3Dモデルデータができたという段階で、実施検証はできていません。なにせ手元に実機がないので、基本的には各パターンの引き合いがあった時点で造形して送付して試してもらうという形になります。

もしSesame 5 ProをASSAドアに取り付けたいという方がいらっしゃって、一発で付かないかもだけど何度か試行錯誤にお付き合いしてでも欲しい、という方がいらっしゃればコメント欄にてお問い合わせいただければと思います。

選択肢が増えて色々ややこしくなってきたので、問い合わせ&概算見積フォームを作りました。おわかりの範囲で記入していただいて送信いただければと思います。

[3Dプリント] Kirkland(Costco)パテキャットフード用のキャップを作成

我が家の猫は偏食でキャットフード(ウェット)を選びます。洋猫なせいか魚系よりは肉系(チキン)が好き。ただし肉の粒は残しがち。なので今のところパテタイプのものを選ぶようにしています。ただ最近はサーモンと名のつくフレーバーがちょっとお気に入りっぽい。

パテタイプのウェットフードってあんまりなくて、そこら辺で売っているものだとモンプチの缶詰の一部(テリーヌ仕立て)とカルカンのパウチの「やわらかパテ」シリーズくらいじゃないでしょうか。

モンプチは少し前に3缶パックが廃盤(?)になってしまい、ちょっと種類が減ったり割高になってしまい、最近はカルカンのやわらかパテを箱買いしてます。でもまぁ同じのばっか連続で出すと食べなかったりで日々味変ローテに苦労しています。

そんな折り先日コストコを訪れるとこちらのカークランドシグネチャー パテ キャットフードを発見。ちなみにカークランドはコストコのプライベートブランドですね。

チキン、ターキー、サーモンと我が家で比較的人気なフレーバーで、15個ずつ45個セット。もし気に入らなかったらと思うとリスクが高いボリュームですがコストコなので仕方なし。一縷の望みで購入してみました。

結果としてはまぁまぁ食べるけどカルカンほどでもないかな?という位。また継続的に与えると飽きなども来るかも知れません。とりあえず1回で食べきらないことが多いので、半量ずつあげることのしました。そんな時困ったのがこの特殊な6角形形状です。普通の丸い缶詰ならこういうキャップがあるんですが、この形はちょっと見付かりそうにありません。

ただ形状としてはそこまで複雑でもないので3Dプリンターで自作することにしました。素材(フィラメント)はちょうど先日買ったばかりのTPU95Aがあったので使用。スマホケースとかに使われるグニっと曲がる柔らかさの素材です。

できあがりはこちら。下側に縁(へり)を設けてしっかりとはまるようにしました。95Aという固さもちょうど良かったです。

アルミかなにかの力を入れるとぐにゃりと変形する容器なので、1つ1つ歪みがあったりですが、先端(上)側から縁に差し込むように入れていけばピタっとはまる感じ。

一般に3Dプリント品は積層(レイヤー)痕にカスが残って不衛生になりやすいので食器などへの利用は向かないとされます。またこのフィラメント自体も食品グレードの認証をとったものではありません。使用は自己責任ということにはなりますが、直接フードに触れるわけでなくあくまでフタとしてなのできちんと清潔に保っていればいいかなと。その面で心配だったのが食洗機通せるか、だったのですが、試しに1回洗ってみた限りでは大丈夫でした。何度か通してみて観察してみようと思います。食洗機でしっかり洗えないなら使わない方が無難かもと思っています。

オマケ