SwitchBotで給湯器操作大作戦(3Dプリンターネタ)

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SwitchBotといえば今でこそ様々な操作/計測IoTデバイスをリリースしているメーカーですが、最初は文字通りスイッチを押すための超小型モジュールが出発点でした。自分はその(たぶん)第一号となるSwitchBotをクラウドファンディングで購入するも、ほぼ死蔵していました。もともとはお風呂の給湯スイッチを遠隔で操作できたら、出先で「もうすぐ帰宅するのですぐお風呂入りたい」「寒いからこたつから出ないでお風呂沸かしたい」みたいなニーズを満たしてくれるんじゃないかと思って出資したんですが、リターンが届く前に引っ越してしまい、ニーズ自体が消滅してしまった感じ。そこから更に数年、またまた引っ越してリモコン位置が(浴室内と)キッチンの奥になってしまい押しに行くのがちと面倒になったり、更に先日からジム通いを始めて、「帰ってすぐお風呂」ニーズも高まったので、頑張ってSwitchBot本体を発掘して取り付けることにしました。もともと他の家電を操作するのでハブ2は設置済みだったので、今回は既存のSwitchBotネットワークにスイッチを追加した形です。

それはそうと、スイッチユニットは登場からもうすぐ10年ですがちっともモデルチェンジしないですね。ある意味スゴいことですが、そろそろ薄型化したモデルとか出ないんでしょうか。

貼り付けるだけだと思うじゃん?

我が家のノーリツ製の給湯リモコンはフタ付きです。普通にSwitchBotを貼り付けたらこんなギャグみたいなことに…

フタの上のボタンはフタの下のボタンを押すためのカバーに過ぎないので、反力でフタが押されてパカっと開いてしまいます。これを防ぐにはSwitchBot自体をフタではなくベースの外枠の部分に固定すれば良いのですが、今度はそれだとフタの開閉ができなくなり、使用頻度が低いとはいえフタの中のボタンを使用できなくなってしまいます。

3Dプリンターで治具を自作

ということで本題。3Dプリンターで専用の固定具をDIYすることを決意。要求仕様としては、

  • SwitchBot本体をフタに固定しない
  • 必要な時はフタをあけて中のボタンにアクセスできる
  • 手作業で「ふろ自動」ボタンを押すのを邪魔しない

などに留意して設計しました。

出来上がったのがこちら。

一見クワガタのようなよくわからない形状になりました。底面は給湯リモコンの周囲の状態(モールなど)にあわせて凹凸を設けています。最終的には右側の大きな面を両面テープで固定する想定です。

SwitchBotを取り付けるとこんな感じに。これも両面テープ。PLA素材その接着力には不安がありますが、できればSwitchBotを後々綺麗に剥がしたいこともありそうなので、一旦それで様子見。

ポイントは上下に分離合体する点。横から2本のレールにスライドして入れる形です。つまりフタを開いて操作した時は、SwitchBotの乗っかった上部モジュールを右にスライドして抜いてしまうというワケです。普段のボタン押しに必要な押し込み方向の力や重力方向の力には耐え、右にはスっと抜けるというのが理想。

これを固すぎず緩すぎずの加減が難しかったです。FDM方式の3Dプリンターは樹脂フィラメントを溶かしてぶちゅっと積み上げていくので、どうしても設計寸法よりわずかに膨らみがち。3Dモデリングツールでピッタリの凹凸をデザインしてもだいたい入りません。上側の凸レールを少しずつ小さくしたり、入りやすくするよう先端を丸めたりと地味に試行錯誤が必要でした。他にもクワガタの顎にあたる左右の突起が薄くてパキっと割れてしまいやすいので造形方向を上と下で違えてみたりもしました。あと上モジュールはインフィル(充填)率も上げて強度を出しています。

3Dプリンターは3Dモデリングで形を作るまではちょっと慣れればできちゃうんですが、そこから強度を出すために出力工程での試行錯誤が大変ですね。要はモデリングソフトから出力したSTLファイルをCuraなどのスライサーソフトにもっていってからのパラメーターを練る段です(もちろんモデルに戻って形状をいじったりもしますが)。3Dモデリングの本は世の中にたくさんありますが、そうした強度設計みたいなことを手軽に学べる書籍がなかなか出会えないでいます。工学部の教科書みたいなレベルの専門的な技術書はあるんでしょうが、ホビーで3Dプリンターやる時の指南本とかあれば是非教えていただきたく。

ともあれ、ついに取り付けた完成体がこちら!

SwitchBotの真ん中から生える押し込み用のアームは、「ふろ自動」ボタンの右寄りに当たる形ですが、一応反応しています。また指で押すにもそこまで邪魔ではないと思います。

そして上部モジュールを抜き去ればこのようにフタも開きます。

やや面倒ですが、基本的に時刻合わせか予約の時にしか使わず、ここに済んで3年目ですがほぼ触ったことがないので許容できる手間かなと。スライドレールの固さも固すぎず、かつ勝手に動きはしない(多分)くらいの絶妙なところを実現できたと思います。もしかするとだんだん削れて緩んでいくかもですが、まぁその時はその時。

あと距離はありますが右下にはガスコンロがあるので、もしかするとPLAだと溶けるとか変形するとかはあるかも。もしそうなったらPETGとか他の素材で作り直すことになるかも知れません。

携帯型鼻水吸引機の導入と3Dプリンターによる自立化

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年末から流行病にかかってしまい、その症状として鼻づまりに悩まされました。もともと慢性副鼻腔炎のケがあり特に夜になると鼻が詰まって、CPAP治療(鼻から空気を送り込んでいびきが出にくくする睡眠時無呼吸症候群の治療)の妨げになってましたが、それが悪化した感じです。病院ではムコダインという痰を切るお薬を処方されるも、なかなか効いている実感がないくらいヒドかったです。

習慣としてハナノアや、酷い時にはハナクリーンEXによる鼻うがいもしていたので、その頻度を上げるなどしたんですが、これもような塩水(生理食塩水)なのでやりすぎると鼻がヒリヒリしてきてしまいがち。

東京耳鼻科学研究所 ハナクリーンEX

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あぁ、耳鼻科に行って全部吸い取ってほしい~と思いつつ、家庭用の鼻水吸引機を物色。最初に購入したのはこちら。

ピジョン 電動鼻吸い器 SHUPOT ホワイト

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どのみち家庭用では病院のものほど吸引力が強くないだろうが、少しでもパワーのあるものでないと鼻の奥の鼻づまりは据えないのではないかということで、スペック重視で据置型です。吸引圧は-80kPaとなっています。しかし通販では軒並み二週間待ちとなっており絶望しかけましたが、赤ちゃん用品でもあるということでベビーザらスに扱いがあり、近隣店舗に電話したところ在庫を確保できました(電話した店舗は品切れでしたが、データベース紹介して在庫のある店舗を調べてもらえました)。

付属のシリコンノズルは乳幼児用のSサイズのみ。より大きなMサイズを含むS/Mノズルのセットが別売りなんですが、これも店頭でゲットできました。

ピジョン 電動鼻吸い器 SHUPOT フィット鼻ノズルS・M

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また純正オプションではないですがより奥にとどく長いノズルとしてこちらの製品がピッタリつくということで、こちらはAmazonで翌日お届けでゲット。マジでぴったりつきました(自己責任でお願いします)。

ベビースマイル ロングシリコンノズル ボンジュール NP

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で、使ってみたんですが、結論からいうと鼻腔の奥の鼻づまりを吸うことはできませんでした。まぁ当たり前といえば当たり前ですが、本来鼻の穴に垂れてきた鼻水を綺麗にするためのものなわけですね。自分の場合はこれを買った翌日くらいからそういう緩い鼻水は減って来て、その意味ではあまり活躍させられませんでした。

が、しかし用途外使用にはなるかもですが、喉の方に落ちてきたジュルっとした鼻水を口から吸い出すのにめっちゃ使える!ということを発見。鼻を大きくすすった時に出てくるやつです。(気管からあがってくる)痰とは違うような気がしますが、まぁなんかあのジュルっとしたヤツです。飲み込んでも別に害はないんでしょうが若干気持ち悪いし、横になっている時なんかは嚥下も若干しづらい。さりとてティッシュに吐き出してくのも無限にゴミが発生してちょっとなぁというアレです。そういう時に本機を口にくわえて一瞬だけスイッチを入れれば、1秒もかからずにシュポっと吸い取ってくれて、口の中がスッキリサッパリします。神!

吸った鼻水が貯まるタンクが透明で中がよく見えるので、見た目はアレですが、うっかり貯めすぎるのも危険なのでまぁ仕方ない。

これは手放せない!となったんですが、少し困った点も。据置型なので移動が面倒という点。例えば昼間仕事をしてる部屋、夜に寝る寝室など、鼻水は24時間出続けますからコイツも肌身離さず側に置きたい。とはいえ、本体、先端のタンクまでのシリコンチューブ、電源アダプタ、などを一式もって移動するのはかなり手間です。ちなみにACアダプタは12Vの丸型です。ちょっと探せば互換品は手に入ると思います。またメンテナンスも少し問題があって、カタログでは先端のタンクまでしか鼻水が来ないので、シリコンチューブから先は洗わなくてOKみたいな書き方をしてますが、実際にはチューブにも少しずつ液体が通っていきます。というか本体側のチューブの付け根側にもしっかりとタンクがあって取り外しできるようになっています。フロント側のタンクが溢れた場合のバックアップでしょうか?でも割と普通に両方のタンクに鼻水が貯まり、両方洗う必要があります。

吸いとり自体はとても有り難いんですが、全体的なハンドリングがちょっと”重い”というのが印象でした。

携帯型を追加導入

上記の使い方だとパワーは全然いらないことがわかりました。Shupotの一番弱いモードでも充分。ということは、「もっと小型でパワーのない電池式の方が携帯もできていいんじゃね?」と思い至るのに1日もかかりませんでした。Shupotは結構高かったので勿体ないですが、QoLには代えられません。

Shupotを買った翌日くらいにはこちらを注文。

こちらも口から吸い出すのは目的外かも知れないので推奨するものではありませんが、個人的に大正解でした。-80kPaのShupotに対し、こちらのカタログ値は-63KPa±10%となっており、遜色ない感じ。そして一体型でコンパクト。Shupotのようにパワー調節も兼ねた回転ツマミ式のスイッチではなく、絶妙な位置にある押しボタンなので片手でサクっと使用できます。もう気分はアイコスです(いや吸ったことないからよく知らんけど)。

(厳密には痰じゃないかもですが)携帯型灰皿ならぬ携帯型痰壺と呼びたい。ライターみたいな跳ね上げ式の蓋をつけてくれたらポケットに常に潜ませておけるのにとすら思います。

それはまぁ極端な要望として、その他の不満点は2つ。

タンクが小さい

Shupotでもちょっと小さいなと思っていたくらいなので、さらにタンクが小さいEDISONは頻繁に面倒だなと感じます。まぁあんまり長く貯めておくものでもないので、仕方ないところがありますが。特に自宅療養中は家族がいる洗面所を使わずに2Fのトイレでやりくりしていたので洗うのも大変だったところはあります。明けて普通に洗面所が使えるようになればそこまででもないかも知れません。

あとこれも本来の用途では鼻水の様子をみる必要があるので重要なんですが、タンクがクリアすぎるのもw。自分の用途だと量だけ見えればいいのでもうちょっと濁った素材にしたい。なんか貼ろうかな…

自立しない

そして最も気になっていたのが自立しないという点。本機の底面は赤ちゃん用品らしく丸みを帯びていて、立てて置くことができません。横に寝かせておくと場所を食うし、ノズル部分もどこかに触れてしまいそうで気になります。

そこで3Dプリンターで自立化アダプタを作ってみました。

運良くいい感じのキツさになったので特に接着などしておらず、外そうと思えば手で外れるくらいの絶妙な仕上がりになりました。底面は電池ブタも兼ねていますが、つけたまま電池交換も可能。

.stlファイルも置いておきます。ご自分でプリントできる方はご利用ください。

なお説明書には、本体洗浄時は水が抜けるよう横に寝かせて乾かすよう指定はありますが、通常縦で保管するな的なことは特に書いてないようです。

2023年買っておくべきだったランキング1位 3COINS 食品用真空マシーン

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前回のあらすじ

3Dプリンターのフィラメントを吸湿劣化を避けつつ保管するのに真空バッグが便利。でも付属の手動ポンプでシュコシュコするのがめっちゃしんどいので、充電式ミニポンプ買ったら神だった。

バッグはこれ。

おっと、さすがにクレームが多かったのか、今みると付属ポンプが手動からUSB電動式(充電式ではなく有線給電タイプ)にかわってますな。

さて、それはそうと、その後あまりに便利なので、フィラメントだけでなく出張時の衣類圧縮袋と一緒に持ち出して使うようになり、行方不明にw

ということで、記事中で触れつつも当時は入手できなかった3COINSのものをあらためてゲット。さすがに半年経っててフラっと立ち寄った店頭で店員さんに聞いたらサクっと出して来てくれました。今なら入手性は改善しているようです。ちなみにコイン3枚では買えません。1,100円です。まぁ以前買ったものも出てくるでしょうが、旅行カバンに入れておくのと自宅の3Dプリンター周りに常備する用とそれぞれ欲しかったので、元のが出てきたら出てきたでOKという感じで、たまたま見かけた3COINS店舗に立ち寄ったという感じです。

おことわり

本製品は「食品用」であり、注意書きに食品以外には使わないでくださいと明記されています。ご利用は自己責任でお願いします。

以前Amazonで買った無名メーカーのものと違うのは、

  • 吸い込み口のパッキン(?)が大径化しており位置合わせが雑でよくなった
  • 充電ポートがUSB Type-Cになった
  • 形状が円柱ではないので無駄に転がっていかなくなった

という辺り。これがどれも地味に嬉しいです。最初からこちらが買えていれば!

古い方を一時的に紛失しているので比較写真が上げられないんですが、3COINSのはこんな感じ。

吸い込み口
バッグ側の逆止弁

以前のものはほぼピッタリくらいで、割と精密に位置あわせが必要だったり、なんなら少しズレてて空気を吸ってかないので微調整して、みたいなことをやっていました。

それが3COINSのものならばこれがまっすぐ置けるだけの平面が確保してあれば、ほぼ「置くだけ」という感じです。めっちゃ効率的。おいてスイッチをおせば後は抑えて無くて良いのは前のものと同じ。あとは吸い過ぎないように監視をしていて止めるだけです。

そして脱旧USBしたいガジェット好きへの朗報としてUSB-C対応。ただ惜しいことにPDに非対応。この手のデバイスによくある「USB-C充電器からC-Cケーブルでつなぐと充電できない」勢です。付属充電ケーブルもA-Cです。この手の「せっかく充電ポートはCなのに、ケーブルと充電器はAを用意しないとならない」現象って微妙ですね。充電器側にエミュレートスイッチのついたC充電器とかどっかないんでしょうか。

まぁそれはさておき、全体として満足度、コスパとも最高です。古いのが仮に出てきたとしてももう一台3COINS製を買って統一しようかなってレベル。もしくはどのみちバッグも補充もしたいので、上述の電動有線ポンプ付きのバッグキットを買ってみようかな。

Bluetoothで測定値を送信できるシンワ デジタルノギス 19810

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3Dプリントのモデリング作業をする時、精密なサイズを測るノギスは必需品です。なにかにピッタリはまるものを設計しようとすると、そのなにかの正確なサイズデータが必要だからです。定規などのミリ単位の計測だと精度も不足ですし、例えば円筒形状のものや穴などの正確な直径を測ったり、凹みの深さを測ったりといった用途には定規やメジャーでは不向きです。

写真は数年前に購入して使って来たノギスです。2016年になんと1,400円+送料で購入したもののようです。

数年前に購入したもの

お値段の元は充分に回収できるほど活用してきましたが、1つ不満点がありました。電池がメッチャ減る!というか、ふと使おうとすると電池が切れている、ということが起きまくりでした。電池はボタン電池のSR44なので、他であまり使わず予備が自宅にない!なんてことも多々。SR44と同形状のLR44ならワンチャンコンビニでも手に入るのですが、特性が違うためSR44想定の機器にLR44を使うとより電池入れしやすいということもあるようです。自分はそれを知ってSR44を買うようにしていましたが、それでもちょいちょい電池切れしてました。写真にもあるようにケースにわざわざ予備電池を入れておくスペースがあるくらいなので、メーカーとしてもスペア必須であることは織り込み済みなんでしょうか。なんなら「使わない時は電池外してここに入れとけ」くらいの意図かも知れません…

ともあれ使いたい時に使えないのもストレスですし、廃棄ボタン電池を量産するのも心苦しいと感じていました。

先日キレたというか、まぁこれだけよく使うものだしもうちょっといい製品があったら買い換えるのもアリか、と決意。まずはいまどきUSB充電のできるものはないかと思って探してみました。しかし見付からない。まぁ充電池内蔵だと寿命が来たら使い捨てになる可能性も高く、こうした業務機器には馴染まないのかも知れません。

結局購入したのはこちら。

シンワ測定製の19810という型番の製品。使用電池はSR44の公称容量165mAhに対し220mAhのCR2032です。クルマのスマートキーなどに使うので入手性も高め。

ちなみに世の中にはCR2032Hという240mAhのものがあるらしいですが、コスパがどうかは不明。

国産だとマクセルが出してるぽい記事が散見されますがAmazonではこれくらいしか見付からず。メタデータがノーブランドになってたり、2032Hと明記されていないものの、写真をみると刻印にHとついてますね。海外品だと多少ありますが、もとが1割以下の差なので国産一流メーカーの220mAhの方がきちんとスペック通り出て実質長持ちなんてこともあったりするかも?

あとサイズというかどれだけのものを測れるかという違いで150mm、200mm、300mmと派生モデルがありましたが、数年使ってて150mm以上必要だったことはなかったので今回もコンパクトさと価格を優先して150mmモデルにしました。

あと液晶の数字表示が大きくなるのも老眼はいってきてる目にはやさしいかなというのも買い換え理由のひとつ。

■Bluetooth経由のデータ送信機能!

電池容量が大きくなったとは言え、倍も違わないのでSR44を使う既有品と実効的にどれくらい保ちが違うかは未知数ですが、本製品にはもうひとつ特長があります。Bluetoothキーボードとして動作し、PCやスマホ(専用アプリあり)に計測値を送信することができるのです。

似たような話では以前購入したレーザー測距計がありました。

精密測定をすると桁数も増えるので、誤記なくPCに転記できることは楽チンかつ安心です。

このノギスも同じようにスマホアプリやPCに測定値送信ができるのです。少し前に探した時は2万くらいする印象で手が出なかった記憶があるんですが、今回改めて1万円しないものを見つけたので、電池容量の件と合わせて買い換える価値ありと判断しました。

PCとペアリングして使ってみた

専用スマホアプリもあって、写真と組み合わせて測定値を記録できるようですが、当面の用途としては、Fusion 360でモデリング作業をする時の数値入力になります。PCとBluetoothペアリングをして使ってみました。

PCからみるとBluetoothキーボードとして認識されるわけですが、少し惜しい点も。テキストエディタにカーソルを置いて送信してみると、どうも「(半角スペース)計測値(改行)」が送られてくるぽいです。

下の写真はFusion 360のスケッチで矩形を作成する場面です。

縦と横のサイズを入力するフィールドがあり、TABキーでキャレットを行き来してEnterで生成実行です。つまり、どちらかの欄にキャレットを置いてノギスからデータ送信すると、もう片方を入れる前に確定してスケッチオブジェクトが作成されてしまうのです。もちろん後から編集はできるんですが、二度手間になる感じ。円とか押し出しとか値が1つしかない場面も多く、その時は改行コードで確定してくれてもいいっちゃいいんですが、場面によってそれを使い分けるのもちょっとなという気がします。個人的には数字だけ送信してくれればいいんじゃないかなというのが現時点の印象。使い込んでいくとまた意見もかわるかもですが。

バーコードリーダーとかだと設定で、値の前後にどんなキーコードを付与するか選べたりするんですが、通常PC側からBluetoothキーボードにデータを送り込む仕組みがないので、やるとすると別のデバイスクラスを実装したりとかなりコスト高になるんですかね。

せめてノギス側にEnterボタンとTABボタンが物理で備わってると嬉しかったかも。短押しだとTAB付加、長押しするとEnter付加、とかとか。

Fusion360側でキーボードによる確定動作をカスタマイズできないか設定画面を探ってみましたがこれも不発。

ちなみにExcelでは値入力後、Enterで下へ移動、TABで右へ移動なので、やっぱりノギス側で使い分けできるといいかなと思います。Excelは設定でEnter時に右へ動くようにもできますが、普段の操作に影響が大きすぎるので変えたくはないものです。

また頭に半角スペースが入るのも謎ですが、実害はなさそうです。Fusion360でもExcelでも無視してくれます。でもなんか気持ち悪い…

■その他のちょっと惜しいポイント

付属ケースが惜しい

既有品も本製品もハードケースが付属しています。精密機器なのでショックから保護する意図があるんでしょうか。写真の上が既有品、下が本製品のものです。

本製品はロックが二箇所になっているので、片手でサッと開けることができなくなってしまったのが残念ポイント。

電池交換に工具が必要なのが惜しい

本製品は電池スロットがSIMカードのようなトレイ型をしており、引き出すにはマイナスの精密ドライバーが必要です。付属はしているんですが、ひと手間に感じます。既有品のように、「気付くと電池がなくなってるので、普段は抜いてしまっておく」となった時にはかなりしんどいです。これはそもそもその問題が解消していることを期待するしかないですね(抜いておく必要がないならそれにこしたことはない)。

またドライバーをケースに格納しておくにもケース内でもカラカラいいそう。せめて既有品の電池スペースのように、ドライバーと予備電池を固定して格納できる空間があると良かったなと思います。

■まとめ

レビューとしては文句ばかりになりましたが、文字が大きく、Bluetooth送信もできるので基本性能としては満足しています。自分のように激安品からステップアップしようかという方にはお手頃な製品なのではと思います。

あとは「電池がいつのまにかなくなってる問題」が起きないといいなと思います。

ケースはそれこそ3Dプリンターで理想のものを自作するのもいいかも。いや百均とかでちょうどいいプラケースを見つけて、ウレタンスポンジを切り抜いて詰める方がいいかな?

ケガで手指が動かせなくなった父にXBOX Adaptiveコントローラーを準備した話

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先日父がバイク事故で手足が動かせなくなりました。幸い、現在はそこそこ回復して左手に麻痺は残るものの、右手はかろうじてマウスやスマホを扱えるくらいにはなり、車椅子で自律移動も(足で)できるようになっています。以下の話はまだ四肢の麻痺がどれだけ残るか不明な時点で先んじてリサーチの意味も含めて準備した話になります。一日中ベッドでほぼ寝たきり状態だったので、せめてPCやスマホ、タブレットが使えればQOLがだいぶ改善するんではないかと取り組んでみました。

帰省して実際にお披露目した時点ではそこそこ指が動くようになっており「いつものマウスでいいわ」という話に落ち着き、実運用には至っていないのですが、誰かの役に立つかもということで記事にまとめておきます。

■ユニバーサルアクセスに取り組むゲームコンソール会社

ゲームコンソール各社は肢体不自由のある人にもゲームを楽しんでもらうべく、補助コントローラーをリリースしています/しようとしています。これはコントローラー上の各ボタンやスティックを別の入力デバイスに置き換えることをサポートする変換デバイスで、例えば指の一部が不自由で押せないボタンがある人が、かわりに足で押せるフットスイッチを使う、といった具合です。

・Microsoft Xboxシリーズ/PCの場合

たぶんこちらが先鞭をつけた気がしますが、XBox Adaptiveコントローラーというものを発売しています。発表時スゲー!と感動したんですが、確か最初は日本で発売未定となっておりしばらく忘れていました。

(プレ値/転売価格にご注意ください。Microsoftストア価格が1万円強くらいです)

左に十字キー(D-Pad)、右の大きな黒い丸がA/Bボタンです。タッチパッドのような大きさですがただのON/OFFボタンです。他にXBoxボタン、メニューボタンなどがあります。これだけでも指が細かく動かせない人がグーとかでA/Bボタン操作ができたりしますが、左右レバーやトリガもないし、十字キーも小さく落ちづらいので微妙に思えます。しかし本製品の真価はそこではないのです。なんと背面にコントローラーの全ボタン/レバーの入力端子がズラっと並んでいます。そこに好きなボタンやレバーを組み合わせることで、利用者の症状にあったゲーム環境を作り出せるのです。またコパイロット機能で通常のコントローラーを組み合わせて使うこともできます。基本は通常コントローラーを使いつつ、Lトリガーだけ足ペダルで代用、みたいなスタイルもできちゃうわけです。

公式のガイド動画チャンネルも(英語だけど)充実しておりMicrosoftのこの分野への取り組み姿勢がかなり真剣だということが伝わります。

またXboxコントローラーはデファクトスタンダード的であり、PCはもちろんiOSやiPadOSでも使えます、iOS/iPadOSのアクセシビリティ機能をマッピングすれば、iPhone/iPadの操作にも活用できてしまうのです。

・Nintendo Switchの場合

任天堂自身はこのような身体障害者向けデバイスを販売していませんが、HORIが類似製品のFlex Controllerを販売しています。Xbox Adaptiveコントローラーが2020年1月発売に対し、こちらが同年11月なので、二番手となります。任天堂の意志がどこまで関与しているのかわかりませんが、一応Switchゲームをしたい人に選択肢はあることになります。また本製品もWindows対応が謳われています。

お値段がXboxの2倍以上する上、執筆時点で購入できる大手ECが見当たらず入手性がよろしくない点が難です。なんなら任天堂公式ストアできちんと扱ってほしいくらいです。

・SONY PlayStation 5の場合

SONYは出遅れ感が否めませんが2023年末についにPS5向け周辺機器を発売開始します。特長としては他2社にないアナログスティックを搭載している点。もちろん3.5mmジャックで外部スイッチも利用可能ですが、単純ON/OFFスイッチと違ってアナログスティックは調達が難しい/高価だったりしがちなので、最初から大きなスティックがついているのは評価できます。現代のゲームにおいてアナログスティック抜きでは考えられないですし。価格は12,980円とまぁまぁお手頃ですが、左右スティックをこれに頼ると2つ買い揃える必要があるので注意が必要です。

DualSenseもiOS/iPadOSやmacOSで使えるはずなので、もしかするとこれも使えちゃったりするのかも知れませんが、公式には今のところ特に記載はないようです。

■マウスやキーボードとして使うには?

さて、これらはあくまでゲームコントローラーです。ABXYLRボタン、トリガ、左右レバーなどがありますが、PCでブラウザやメールソフトで直接役に立つものではありません。そこで今回はコントローラーボタンのリマップツールであるReWASDを使って、特定のマウスやキーボード操作にアサインすることを考えました。これは以前にAYANEO AIRのような左右にゲームコントローラーがついたポータブルWindowsマシンで、FPS的なゲームだけでなく紙芝居ゲーも快適にプレイしたいと思い導入していたツールです。執筆時点で$7の有償オンラインソフトで、さらに複数のキーコンビネーションや連続したキーマクロをアサインするには別の追加ライセンスがこれまた$7必要になります。

両手でコントローラーが持てて各ボタンやレバーが扱えるのであれば、上述の特殊コントローラーを使わずに、一般的なゲームコントローラーを使ってマウス/キーボード操作に割り当てるだけでも便利かも知れません。

■今回はXbox Adaptiveコントローラーを購入

ということで公式サイトですぐに購入でき価格ももっとも安いXbox アダプティブコントローラーを購入しました。また入手性が良いだけでなく、世界的なユーザ数が多いこともあり、3Dプリンターなども絡めた非公式のカスタム例なども豊富にある点も重要な優位性だと言えます。こちらの3Dプリントデータ共有サイトでもたくさんの方の工夫が見られます。

マウス操作の代替としてはアナログスティックが使いやすいかと思いましたが、外付けになると扱いづらいし、自作するにも単に信号線をショートさせるだけのデジタルスイッチと違って電子工作面で苦労しそうだったので、とりあえず内蔵の十字ボタンを活用することを考えました(外付けのアナログスティックについては後述します)。

今回テストしたのはこちらのアイテム。一度本体を分解して、標準の十字ボタン(カバー)のかわりに、中心に差し込み穴の空いたXAC_HandiAdapter_Baseパーツを組み込みます。次にそのねじ込み穴にXAC_HandiAdapter_Multitoolというパーツを回転させながらねじ込みます。さらにその上に各種XAC_HandiAdapter_JoyStick_*と書いてあるパーツを使いたい人の症状にあわせてチョイスできるというもの。各形状毎にTightTolとついたファイルはMultitoolに差し込む星形の穴がキツめのサイズになってる本番用ということのようですが、ウチではあまり違いは感じませんでした。スポっと抜き差しできてしまうので必要に応じて粘着テープや接着剤で固定する必要も出てくると思います。

ウチではSphereタイプのstlファイル一式をいただいてとりつけてみた様子がこちら。

強度を期待してカーボン入りのPLAフィラメントを使ってみました、ブラックなのでいい感じにまとまりのある見た目になりました。写真をよく見ると球型パーツの直下が少しだけ太くなっています。実はこれ本来は除去するサポート材で空転する状態なんですがかなり苦労しました。Curaなどでスライスして出力する際、サポート材は「ツリー」にするのをオススメします。

この下はマウスボタンにも使う小さなマイクロスイッチなので、あまり長いレバーはてこの原理で大きな力がかかってスイッチを破損させる恐れがあるので、あくまで自己責任の改造になります。力の入れ方を上手く調整できない人がつかう場合は、TwistedThinTwistedLargeのようなグネグネ曲がりそうなスティックで力を逃がせると良いかもしれません。ただウチの3Dプリンターではサポート材がうまくつかずに出力できませんでした。Curaの設定次第だとは思うんですが。作者と同一機種、推奨フィラメントをお使いなら.gcodeファイルを直接使わせてもらうと上手く出せるのかも知れません。どうしても必要ならDMM.makeなどの出力サービスにお願いしちゃうのもいいかも。

あと、Multitoolパーツはいちど強く締めすぎて下側がポッキリ折れてしまいました。3Dプリント時はインフィル(充填)率を高めるなど強度に留意したパラメーターを心がけるのが良いと思います。可能ならモデリングツール側で一体化してしまうとか補強構造を追加するのが理想かもです。

ともあれ、多少ナナメ入れがしづらいものの、ReWASDと組み合わせてレバーでマウスカーソルを上下左右に動かせるようになりました。ReWASDは各ボタンの短押しに加え、長押しや連打にも固有の動作をアサインできます。今回は手指が自由に動かないので二度押しなどは前提とせず、短押しと長押しのみを利用する想定で、下記のようなアサインを考案してみました。

ボタン短押し長押し
Aボタン左クリック右クリック
Bボタン戻る
XboxボタンWin(スタート)キー
ビューボタンオンスクリーンキーボード開閉トグル(Ctrl+Win+o)
メニューボタン
通常時

ボタン短押し長押し
Aボタン左クリックSpace(変換)
BボタンバックスペースEnter(確定)
Xboxボタン
ビューボタンオンスクリーンキーボード開閉トグル(Ctrl+Win+o)
メニューボタン
文字入力時(osk.exeがフロントにある時)

前述のように実運用まではもっていけていないので、実際は利用者でユーザテストをして、たとえばシニアにとって覚えやすさでいけば、A/Bボタンが左クリック、右クリックの方が直観的だろうとか最適化が必要かと思います。上の設定例はどちらかというと利用頻度を考えて自分ならこうするかなという効率重視なセッティングです。例えば文字入力で確定のためのEnterより打ち間違えて連続してBSしたい時の方が多いだろうということでこのような割り当てになっています。

Windows 11のオンスクリーンキーボードは2つあって、ひとつはタスクバーにボタンを出しておきそこから呼びだせるもの、もうひとつはCtrl+Win+oで開くものとなっていてややこしいです。少なくとも後者はosk.exeという実行ファイルで動いてるようで、ReWASDでアサイン切り替えができました。タスクバーから呼び出す方は今のところ成功していません。どちらかといえばこっちの方が使いやすい気がするので、これを.exeで見分けたり、ショートカットキーで呼びだせると理想なんですが。情報お持ちの方がいらしたら教えてください。

また本機はXbox Eliteコントローラー2のように3つの設定メモリを持っており、ハード単体でアサイン状態を切り替えることができますが、今回は利用者がシニアということでそこまでの使いこなしは難しくかえって混乱を招いてしまいます。このボタンは無効化やリマップができないので、しかたなく全メモリスロットの同じ設定を書き込んでおくことで対応しました。

・アナログスティックを自作する

アナログスティックの方がより自然にマウスカーソルを操縦できそうなのですが、残念ながらXbox Adaptiveコントローラーには内蔵されておらず、外付けにする必要があります。製造コスト的にはそこらで売ってるゲームコントローラーに内包されているパーツなので、もっと安く作れるんじゃないかと思うわけですが、残念ながら市場がニッチすぎるのか、各種障害補助金で買う(メーカーは税金からお金もらう)前提なのか、ちょっとお高い。たとえばこれなど4.4万円とXbox Adaptiveコントローラーより高い。なんなら高級ゲームパッドのエリコン2やDual Sense Edgeより高いw。仕方ないと思いますし国内販売してくれているだけ有り難いのですが、今回の自腹研究ではちょっと手が届きませんでした。

そこでちょっと見てくれは悪くなるし、固定部分はDIYで工夫が必要ですが、とりあえず動くものを作ってみるということで模索。アプローチは2つあります。

1. USBコントローラーを経由してUSB端子に接続

Xbox AdaptiveコントローラーのUSB端子はいわゆるHID準拠のジョイスティックデバイスを受け付けます(マウスやキーボードとして認識されるデバイスは不可)。この動画の例では自作キーボードなどで使うPro Microを使ってるぽいです。

2. 可変抵抗を通してアナログ値を直接X1/X2端子に入れる

こちらは左右のアナログトリガなどに使う用のX1/X2端子に可変抵抗値を入れる方法。この動画ではPS2のスティック部品の出力を3.5mmコネクタに変換して接続している模様。

こちらの方が簡単そうなので必要なパーツを揃えるところまではしましたが、そこでタイムアップというか、父が「マウスでいいや」宣言を出してしまったので一旦保留。そのうちヒマを見つけて動作確認はしたいと思いますが、忙しさに埋もれてしまう可能性も大きいので、一旦知見として公開しておきます。

PS2スティック

別にSwitchやPS系、Xboxでも使われているレバー部品なら以前Switchコン修理したのが余ってたんですが、なんとなくこの動画に倣ってみたかったのと、ピンが一列に並んでいてコネクター接続がしやすそうだったので買ってみました。

いわゆるピンヘッダーとかで使うコネクターが使えそうだったので、こちらを購入。

アナログ値2つ(上下・左右)に加えスティック押し込みの信号もあるので5ピンです。Xbox Adaptiveコントローラーに入れる時は、X1/X2ジャックのどちらかに加え、(押し込みも活用したければ)L3/R3ジャックにもつないでやる形になりそう。このケーブルのUSBコネクタ側を切り落として5芯線として使う算段でした。

その芯線をこちらの変換端子にネジ止めしてやれば、ハンダ付け無しで3.5mmジャックにいれてやることができます。

押し込み動作用の2ピン仕様はこちら。

たぶんこれだけあれば自作アナログスティイクは作れるんじゃないかと思っています。もちろんハンダごてが使える人、よりスリムに組みたい人は、自分で4極と2極の3.5mmプラグを用意して配線する手もあるでしょう。

■まとめ

ちょっと今回の取り組みとしてはここまでになりそう。また時間ができたら動作検証などはしておきたいと思います。実際に組んでみた、使ってみたという方がいらっしゃいましたら情報交換させていただけると有り難いです。

あともしSONYのAccessコントローラーがWindowsでも使えそうなら、これから買うならそっちがいいかなーという気もします。実際にアナログスティックでマウス操作するとどれくらい快適なのかもテストしてからにはなると思いますが、もし仮に父の具合が再び悪化するようなことがあれば、(Windowsで動くならですが)買い直すことも視野に入るかも知れません。

余談ですが、Xbox Adaptiveコントローラーは手指が不自由な人向けの商品だけあって、箱も極力簡単に開封できるようデザインされていて興味深かったです。

Xbox Adaptiveコントローラーのパッケージ

SONY版が出た時はガジェット系Youtuberの開封レビューを探して、後発SONYのその辺りのこだわりっぷりにも注目してみたいと思います。もちろんそこら辺にも手を抜かないのがSONYだよなっ!?