増車に備えてGPSロガー参号機を作る

我が家のクルマにはRaspberry Pi Zero Wを使った自作GPSロガーを密かに搭載し、自前のWebサーバーにリアルタイムに位置情報を送信しています。防犯/追跡的な意味と、家族と合流する時などに詳細な現在位置を把握するためです。トヨタ車のアプリによる位置は駐車時しか更新されないので、「今こっちに向かってて、到着まであと何分くらいかかりそう」といった予測には全く使えないんですよね。

詳細はこちらの記事など。

さて、クラウンより前に契約していた某長納期車がぼちぼち1,2ヶ月以内に生産日が確定しそうという気配がしてきたので、GPSロガーももう一台作ろうと思います。盗難ランキング首位独走の車種なので、もちろんなんらかのきちんとした盗難防止セキュリティも導入するとは思いますが、それでも盗られた時に、誰も知らない秘密のGPSロガーがバックアップとしてあると無効化されにくいだろうというのと、前述の日常使いにもいいかなと。まぁ同居人が買いながら99.99%運転するのは自分になるので、そこまでリアルタイム位置情報が必要にはならなそうですが、、

先代製作から時が経ちすぎていて…

2019年にカロスポ用に壱号機を製作(後日クラウンに移設)した後、2021年に30プリウスを増車した時はまったく同じ構成のハードを揃えて、microSDの中身もクローンして設定だけ変更して流用しました。

しかしそこから4年経った現在では、

という変化が起きていました。

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ZeroからZero2になるとCPUがArmV6からV8になり64bit化され、シングルコアからマルチコアになっています。当時のOSイメージでは最適化されていないどころかまともにブートしない可能性が大です。当時のOSはまだRaspberry OSという名前にすらなっていないRaspbianの頃のものなのでapt updateするにも限界があるでしょう。ということで、OSは完全新規インストールすることに。GUI関係のパッケージを省いてRaspberry Pi OS Lite (64bit)を選択。当時パッケージは何を追加したとかまったく記憶もメモも残っていないので前途多難です。

そしてもうひとつ重要なGPSモジュール+アンテナが販売終了になっていた件。直接の後継製品も同社から販売されておらず、まったく異なるチップのGPSモジュールを再セットアップする形になります。車載用なので感度を得やすいGPSアンテナは別体型から物色して、Pi Zeroと同一基板サイズのHAT型モジュールのこれを選びました。

ちなみに背面の40ピン端子がメスヘッダーなので、ラズパイZero2の方はオスヘッダー付きのWHモデルをチョイス。ブッ刺すだけで結合完了。おそらく今回は半田付けも不要でケース内はかなりスッキリ作れそうな気がしています。

バックアップ電池としてML1220という規格の充電式コイン電池をセットできます。入れておくと衛星の位置情報をキャッシュしておけるので、電源投入からGPSを掴むまでの時間を短縮できるんだと思われます。壱号機、弐号機の秋月のGPSモジュールは普通のコイン電池だったので定期的に交換が必要でしたが、充電池ということで寿命も期待できます。残念ながらAmazonでは信頼できそうなブランドのものは見付からず、Yahoo!フリマでゲットしました。一応Amazonならコレとかでしょうけど送料も高いのでご注意ください。

ちなみにこちらのセルラーモデルもあって、車内Wi-Fiに依存せずに位置情報を発信しつづけられるならいいかもと思ったんですが、技適マークの有無について記載がなかったのと、アリエクだったかで「GPSとセルラー通信は同時に使用不可」みたいな記述があり、ちょっとリスクが高いなということで見送りました。

microSDカードも大きいサイズは不要(Lite版OSのインストールサイズは2GB程度)なので、あえて小さい容量で、むしろ速度面や耐久性を優先したものを選定。最近のmicroSDはA1とかA2とかいうアプリケーションパフォーマンスクラスというランダムアクセス基準の規格があり、PiシリーズもA1まで対応してる(Zero2がどうかはよくわからず)ようなので、A1を要件としてみました(A2は対応してても活かせない)。まぁ別に直接触るものではないので、普通のU1とかU3とかでも全然問題ないんですが、値段もかわらなかったのでこちらに。購入時、Amazonが販売するもので697円でした。

容量は8GBとかで全然足りるんですが、そんな小さいのでA1は見付かりませんでした。

今回はGPS HATを取り付けるので壱/弐号機と同じケースは使えないだろうということで3Dプリンターで自作。Raspberry Pi Zero2の3Dモデルを海外サイトのGrabCADから取得(要登録)。HATも同一基板サイズなのでコピーして間隔をあわせ、それらが収まるケースをデザインしました。

■ハードウェア組立

ケースの材料は耐熱100℃のASA。GPS HATの上に高さのあるジャンパー(黄色)があるので、トータルの高さは壱、弐号機に比べてだいぶ出ちゃいました。幅70 x 奥行き35 x 高さ31mmという感じ。

右側面から生えているのがGPSアンテナです。

SDカード&端子面がこちら。miniHDMIとmicroUSB端子を挿せるようにするのに、基板と壁の隙間を極限まで狭めて、肉厚も1.8mmとしました。結果としてかなりギチギチでネジ止めの必要がなさそうなレベル。むしろ取り出しに苦労します。底に押しだし用の穴を空けておけば良かった。GPSアンテナのコネクターもホットボンドで固めようと思ったんですが、将来的に基板を取り出す時に困りそうなので保留。外側にケーブルガイド的なものをつければ良かったかも。

結果としてケーブルもそのまま挿せるし、microSDも素手で抜ける形にまとまりました。

あとは排熱性が不安ではあります。もう少し穴をたくさんあけて通気性を確保しようとも思ったんですが、車内でホコリやゴミが入るのを嫌ったのと、3Dプリント的に側面に穴があくと造形が難しくなるという理由でまずは穴開けは端子部のみとしました。どうにも動作が不安定になりそうならヒートシンクをつけたり最悪ファンをつけようと思いますが、ChatGPTさん曰く、ロード100%でぶん回すとかしない限りヒートシンクも不要、とのことだったのでまずは様子見。

■ソフトウェア整備

OSは前述の64bit版LiteをPi Imagerでサクっとセットアップ。一旦自宅のWi-Fiに接続し、基本sshでセッテイング作業を進めます。スクリプトはPythonで作られているので、それ回りをインストール。

GPS HATの公式ガイドはこちら。赤字の

If you use bookworm system, only the lgpio library is available, bcm2835 and wiringPi libarary cannot be installed or used. Please note that the python library does not need to install, you can directly run the demo.

という部分に注目。bookwormシステムの場合はlgpioライブラリだけでOKということです。bookwormとはDebian 12系のことで今回使用したRaspberry OSも当てはまります。minicomというツールをいれてサンプル通りにテストしたらあっさりデータが落ちてきました。いうてシリアルポート通信するだけなのでドライバーとかライブラリといっても特殊なことはなかったです。

先代はgpsdというシリアルポートからGPS情報を取り出してネットワーク経由で配信するデーモンを介していたんですが、対外的な通信をするわけではないので、今回はPythonから直接シリアルポートを叩くアプローチに変更。先代よりパワーアップしているのでそこまでリソースをケチる必要もないですが、無駄を残す必要もないかと。というかここでもChatGPTさん大活躍。必要なライブラリを挙げてもらい先代スクリプトを渡して書き直してくれと指示したらほぼ一発で修正してくれました。これがなければ自分で書き直そうとは思わず、そのままgpsd経由を踏襲していたと思います。

pipでgps3というライブラリを入れようとしたらセキュリティポリシーでエラー。今時はシステムワイドにライブラリを入れずにユーザーレベルの仮想環境というのを作ってやる作法らしい。全部ChatGPTさん情報!マジありがたい。

継続的にシリアルから送られてくる行のステータスがA(正常)の時は緯度経度などの値をコンソールに出力。それ以外のステータスではエラーメッセージを吐いてくれるので状況が一目瞭然です。新規導入ハードであるGPS HATがすんなり動いてくれてホッとしました。

また本番スクリプトでは徐々にサーバー送信が遅延していく現象が起き、ChatGPTさんの見立てでは、print文によるコンソール出力のバッファーあふれではないかということで、「, flush=True」を追加しています。これでバッファーに貯めずに即時出力されるらしい。もう少し検証予定。

あと、別記事のリソース最適化をする中でBluetoothを無効化したところ、使用するシリアルポートが/dev/ttyS0から/dev/ttyAMA0になりました。

[3Dプリント] AirTag/TimeCapsuleをドアポケットに隠す底上げパネル

先日導入したこちらのTimeCapsuleをクルマのどこに忍ばせようと思った時に、ふと思いついたので作って見ました。クラウンの後席ドアポケットを上げ底して底に仕込むパネルです。

画像はひっくり返した底側。

TimeCapsuleまたは裸のAirTagをはめ込んで、裏返して運転席側ドアポケットに仕込みます。あえて下側は足をつけていないのは、取り出す時にこちら側を指で押してシーソーのように反対側を浮かせるためです。

TimeCapsuleを取り付けた状態がこちら。

右は型取りに使った下記のポケット用滑り止めマットです。

いい感じに接着不要でぴっちりはまりました。逆さにして振っても抜けません。またTimeCapsuleにできれば入れないでほしかったロゴの面を上にして入れれば一応隠せます。

TimeCapsuleまたはAirTagの厚みの分だけ深さが浅くなるわけですが、パっと見では気付かれないのではないかと。特にウチはこういう滑り止めシートを上に敷いているので、見た目では他のドアのポケットと違いがわかりません。

TimeCapsuleを使わずに素のAirTagだけを入れた場合は、高さは更に低くなり目立ちにくいと思います。取り出すためにリングに切り欠きを入れてみました。

いずれにせよ窃盗団に「トラッカー検出(Tracker Detect)」アプリ(Appleが悪用されないようAndroid向けにリリースしているAirTag検索アプリ)で車内にあることに気付いて音を鳴らされたら見付かっちゃうかもですが。

「トラッカー検出」アプリの動作の様子はGIGAZINEの記事が詳しいです。

  • 持ち主のAppleデバイスから離れて15分以上経たないとアプリで検索しても検出されない
  • 検出から更に10分経つと音を鳴らす機能が有効になる
  • 持ち主から離れて8~24時間経つとアプリで検索しなくても自発的に音を鳴らす

という仕様っぽいので、やはり完全な盗難時追跡デバイスとしては心許ないですね。そもそもそういう用途で販売されている製品ではないし、ストーキングなどに悪用されるのを防ぐ方が優先なので仕方ないところです。あくまで保険、気休め程度に考えるべきでしょう。

■実際に車両にセットした様子

なにも置いてない状態
AirTagを入れ、マットを敷いた状態

取り出しもこんな感じでOKでした。

TimeCupsuleを入れ、マットを敷いた状態

■まとめ

理想はやはりせっかく10年電子交換不要を謳うTimeCapsuleだったらもっと奥深くに隠した方がいいでしょうかね。AirTagだと毎年電池交換しないとなので、これくらいの隠し方がバランス良いかも知れません。ただコインパーキングなどに放置された時に、ある程度通行人のAppleデバイスまで電波が届いた方が良いので、ドア付近というのは場所としては悪くない気も。なかなか自分のAirTagをテストするのは難しいですが、そのうち「トラッカー検出」くらいは使って試してみようと思います。

AirTagを10年稼働する防水ケース TimeCapsule ~盗難車両追跡に

AirTagには車両の盗難を防ぐ機能はありませんが、万が一盗難された際に、追跡できる可能性がわずかながら上がります。AirTagをもって「盗難対策しています」というのは完全に誤りですが、費用対効果を考えるとバックアップ/プラスワンで車載しておくのはアリなんじゃないでしょうか。プロの窃盗団だとこうしたデバイスで追跡されてアジトが見付かるのを避けるため、一定期間は街中のコインパーキングなどに放置して観察をするらしいので、その期間に発見できる可能性は上がると思います。

そんなAirTagですが、いくつか問題がありました。

  • 有名すぎて見つけたら即座に捨てられる可能性が高い
  • バッテリーが1年程度しか保たない

AirTagを車内のグローブボックスなどにポイと入れておくだけではすぐに見付かって捨てられるのがオチです。簡単なケースに入れても同じでしょう。だったら内装をはがして奥まったところに埋め込んだらいいのでは?となるわけですが、バッテリーが1年しか保たないので定期的に電池交換のために取り出すことを思うと、あまり面倒なところにも入れられません。

そんなジレンマを解消する製品がELEBATIONLABのTimeCapsuleです。日本のAmazonにも一旦は登録されたのですが、すぐに完売してしまい、以後入荷する気配がありません。またメーカー公式サイトは日本へ配達していなかったりしますが、ふとみたら米Amazon.comでなら注文可能で日本への配送もOKでした。

  • 1個 $19.00
  • 2個 $29.00
  • 4個 $39.00

というたくさん買う程割安になる値付けだったので、とりあえず2個セットを購入。

されこれはどんなものかというと、バカバカしくなるくらいに単純な仕組みです。

この写真のように、AirTagの電池と電池フタを外し、白い側をTimeCapsuleの電極にとりつけます。TimeCapsuleには単三電池x2本が入るようになっており、標準のCR2023よりも大きな電池容量をもたせられるという寸法です。公式には10年保つと謳っています(リチウム電池の場合)。そして見た目もAirTagとはわからない似ても似付かないデザインになります。かなり大きくはなりますが知らないとなんだかわからない外見です。惜しいのはメーカーのロゴが刻印されている点。「なんだこれ?」と思ってググったらAirTagが入っていることがバレてしまうかも知れません。いっそパテで埋めてしまうとかシールを貼る、更にケースに入れるとかしたいかも。

もっというと電源配線も不要で10年放置で稼働させられるのであれば、先に書いたように車体の奥深くに隠しても良いことになります。Bluetoothの電波を遮断しない場所でないとですが、例えばや天井の内張りをはがして金属パネルの裏側とかに両面テープで貼り付けるというのはどうでしょう。金属パネル自体が電波を遮断してしまいますが、車両の外壁近くならまだマシかなとか。電波だけでいえばガラスの内側とかがいいんでしょうけど見付かりやすさとトレードオフですね。フロントガラス直下のダッシュボード下とかもいいかも。Aピラーは今時エアバッグが入ってるので難しいでしょうし。あるいは防水ケースなのエンジンルームとか車の下に潜ってシャーシのどこかに貼り付けるでもいいかも知れません。

AirTagはストーキングなどに悪用されないため、登録されていない持ち主のスマホと長時間一緒に移動しているとスマホに警告が出て、音を鳴らすことができてしまいます(公式の詳細はこちら)。車内にポンと置いておくだけではやはりすぐ見付かって捨てられてしまうでしょうから、念入りに隠蔽したいところです。ちなみにこの外装ケースに入れることで音量はかなり抑えられる印象はあります。それでもものすごく静かな場所だったら聞こえてしまう可能性はあるでしょう。いっそ振動板を取り外す改造などもできますが自己責任ですね。

使用電池について

形状は普通の単三電池ですが、公式では「We recommend Energizer Ultimate Lithium for longest life. We do not recommend alkaline batteries.(最大寿命のためにはEnergizerのアルティメットリチウムを推奨します。アルカリ電池は非推奨です)」と言っています。リチウム電池とはスマホとかに使うリチウムイオン充電池やリチウムポリマー充電池と似た名前ですが、充電はできない別物です。単三形状ながらアルカリ電池よりも容量が大きく軽くちょっとお高いです。Panasonicなどからも出ていますが、ここはメーカー推奨のEnergizer Lithium電池をチョイス。こちらは普通に日本のAmazon.co.jpで買えます。2つ入りを買ったので4本パックを注文しました。

2本入りはこちら。

■まとめ

AirTagを大幅に長寿命化するケースで車両盗難追跡デバイスとしての実用性を向上させてみました。

AirTag + 本品 + 電池で1万円かからないので、サブのセキュリティとしてはアリかなと思います。

執筆時点で日本での購入は難しいですが、米Amazonでならサクっと買えました。

裏蓋を交換することが電波法(技適)的にどうなるかは不明です。基板はいじってないですが、金属蓋なのでワンチャン、アンテナを兼ねてるとかあったりして?

取り付け位置はまた検討します。というかナイショ。

あとは車両を売却する時に取り外すのを忘れないようにしないとですね…

マイナ免許証開始初日レポ@神奈川県

本日2025年3月24日(月)にいよいよマイナ免許証が開始されました。ちょうど運転免許証更新期間中だし、マイナンバーカードも更新したてだったのでせっかくだからとこの日をまって早速マイナ免許証にしてきました。

■マイナ免許証のメリデメ

保険証と違って移行は任意

マイナ免許は今後強制移行になるわけではなく、

  • マイナ免許証だけもつ(従来免許証は返却)
  • 従来免許証だけもつ(マイナ免許証は作らない)
  • 両方もつ

の3パターンから好きな持ち方を選択できます。手数料は講習区分で違いますが、基本的にマイナのみがもっとも安価で、両方持つ場合がもっとも高いですが、従来免許証に加えてマイナ免許証をとる時の差額は+100円です。またマイナ免許証を作っておくと次回更新時にオンライン講習を選択でき、対面講習と比べて300円(優良)~600円(一般)安くなるので長期的に見れば元はとれるかなという感じ。免許センターに行くと地味に駐車場代が高かったりしますが、それも不要になります(オンライン講習でも受け取りは出向く必要はありますが、その場合は最寄り警察署で良いかと)。

メリット

  1. 従来免許証と2枚持ちができる、またはマイナカードに集約し携行物が減らせる
  2. 更新時の講習がオンラインで受けられる(優良と一般区分のみ)
  3. 住所変更が市区町村役場の転居届けだけで済む(従来免許証がない場合)
  4. マイナ免許証だけの発行だと手数料がちょっと安い
  5. 住所地外での更新が早くなる

といった辺り。個人的に魅力に感じるのはやはり1番目と2番目です。普段免許証は財布に入れてますが、最近のキャッシュレス化であまり財布を出さなくなってるので、なんだかんだで持ってでかけるのを忘れがち。2枚持ちして運転免許証を車のとこかに隠しておけば、いざという時でも不携帯にならずに済みます(車上荒らし対策で隠し方は工夫が必要でしょう)。

また更新時の講習がオンライン受講できるようになるのも魅力。自宅近所の警察署では即日発行に対応してないので、いままでは基本的に免許センターに行ってました。これが混むし駐車場が少ないしで地味に大変。最近でこそ免許センターの駐車場(1,000円)が広くなって近隣の民間駐車場を使う必要は基本的になくなりましたが。オンライン受講の場合でも免許証の受け取りには行く必要がありますが、それだけなら別に後日警察署受け取りでも同じだと思うので、今後事故や違反をやらかさない限りは免許センターに行かなくて済みそう。あわよくば生涯最後の免許センターかと思って雰囲気を味わってきましたw。

デメリットと制限

必ずしもデメリットとまではいえないけど、現状の制約みたいな点も含めてまとめると、

  1. 2枚持ちの場合、従来免許証も同時に記載変更するので市役所ワンストップ転居手続きはできない
  2. マイナンバーカードに都度インストールするので、マイナンバー更新や紛失時は再度手続きが必要
  3. 現状ではスマホのマイナンバーカードには格納できない
  4. 身分証としての使用は各社まちまち

辺り。2枚持ちをすることで、メリットの3.は打ち消しになります。じゃぁ車に乗せっぱなしにしない人はマイナ免許証のみにするのが安いしいいか、ってとこなんですが、もしマイナンバーカードを紛失した場合、現状では再発行が1ヶ月程度かかり、そのあいだに免許証もないという状態になるのが普段から運転する人には致命的です。

3.はとっとと対応してほしいですね。そしたら基本不携帯にはならずに済みます。

4.に関しては基本マイナンバーカードを身分証として使えば携帯電話の契約などでeKYC認証するのには問題ないですが、例えばレンタカーを借りる時など免許証の提示が必要な時に、マイナ免許証で通用するかどうかは企業側の対応次第になるようです。なにかの記事で読んだ情報によると、日産レンタカーはカウンターに読取り装備(アプリを入れたスマホ?)を配備、トヨタレンタカーは自分のスマホで情報を読み出して提示、とのことです。まぁ各社追々対応はしていくでしょう。一番対応が難しそうなのは海外での国際免許証としての認定かも知れませんね。

■初日から特攻してみた@横浜市

まぁ混んでるだろうなと思いつつも誕生日も過ぎていたし、どうせなら初日にゲットしてやろう!と思っていってきました。最後に言ったのが5年前になるので、平日の人出はよく覚えてませんが、まぁまぁ人がいました。下の写真は①の申請書の発券機に並ぶところの様子。

従来ならこれが現地について最初に並ぶところなのですが、マイナ免許証を希望する人は、先に別室の⓪番に行く必要があります。初日だけあって係員が入り口で必死に連呼していたのでことなきを得ましたが、知らないと①に向かってしまうのが人情ですよね。今後リナンバーするんでしょうか。

覚えてる範囲で窓口(丸数字)の順番を書き出すと、

  1. ⓪マイナンバーカードに免許証APを搭載
  2. ①タッチパネル端末で申請書の発券
  3. ②手数料を払って印紙を購入
  4. ③視力検査
  5. ④写真撮影
  6. ⑤講習を受講、新しい免許証を受領
  7. ⓪マイナンバーカードに免許証データを書き込み
  8. ①タッチパネル端末に戻ってオンライン講習に必要な電子証明書の書き込み(希望者のみ)

つまり、マイナ免許証を発行する人は最初と最後に手続きが増えるという感じです。

⓪免許証APの搭載(インストール)

まず⓪番の部屋へいって写真のような無人のセルフ端末でカードリーダーにマイナンバーカードを置くと「免許AP搭載」という処理が実行されます(十数秒くらい)。

ちょっとボカしいれちゃいましたが、モニタ右にある箱がカードリーダーで上に乗せるだけです。おそらく初めての時だけでいいんじゃないかと思います。

「免許AP搭載」ってなんのこっちゃ?ってことですが、ようはマイナンバーカードのICチップの空き領域に免許証データを保存する区画を作成するということだと思います。おサイフケータイのFelicaチップにSuicaやiDのデータ領域をフォーマットするのと同じです。ICチップって実はプロセッサやストレージをもつコンピューターなんですよね。ただ自力で電力を供給する仕組みがないのでリーダーからの電磁波をうけてプログラムを実行します。AP搭載とはまんま「アプリをインストール」の意味と思って良いと思います。

実際にはそんな仕組みを利用者が理解する必要はないんですが、なんかこういう利用者に説明する気ゼロのワーディングがマイナンバーカード自体や役所手続きを得体の知れないものに感じさせる大きな要因なんじゃないかなと思います。「免許情報を書き込む下準備をします」とか一文書いてあるだけでも違うんじゃないですかねー。

これ初日だからマイナ免許証を使いたい全ての人がやる手続きになりますが、次回以降は「免許AP搭載済み」かそうでないかでまた順路が別れたりして、「自分はどっち?」ってなる予感しかしません(毎回必要かも知れませんが)。

①タッチパネル端末で申請書の発券

ちょっとうろ覚えですが、ここでマイナ免許のみ、従来免許のみ、2枚持ちの選択肢を選んで、マイナ免許証を作る場合はマイナンバーカードも挿入して署名用パスワードを入力させられた気がします。

それでこの後で各窓口で見せるA4の申請書が印刷されてきます。⓪のAP搭載もここで一緒じゃ駄目なん?と思わなくもないが、きっとなにか事情があるんでしょうとも…

あとは暗証番号2つを決めます。昔は2つとも自分で決めてた気がしますが、今回は1つ目は強制で決められて、2つ目だけ自分で4桁入力する感じでした。あわててスマホを取り出して撮っておきましたが、ちゃんとレシートみたいなのもプリントされます。これにはQRコードやバーコードも印字されており、最後のマイナンバーカードへの免許データ書き込みの時に必要になります。

ここから受講までは基本従来の手続きと変わりません。④の写真撮影時に係員が「二枚持ちですねー」と口頭確認をしていたくらい。聞こえた範囲で自分の前の人達はみんな「二枚持ち」を選択してたようです。

⑤講習

今日は初日のトラブルか、普通は講習聞いている間に出来上がってくる新しい免許証がなかなか出来上がってこず、前の講習も長引いて教室に入るまでに待たされたし、自分達の講習が終わったあとも20分くらい待たされました。

ようやく免許証が出来上がってきて配布となりますが、

  • マイナ免許のみの人(18人)
  • 2枚持ちの人(32人)
  • 従来免許のみの人(十数人)

の順番で配ってました。マイナありの人は追加手続きがあるからということかも知れません。()内はうろ覚えですが係員が言っていた人数比率です。結構な数の人がマイナ免許ありでしかも2枚持ちを選んでいたようでした。

⓪マイナンバーカードに免許証データを書き込み

新しい免許証を受け取って(マイナ免許証のみの人は手ぶらで)最初の0番の部屋に戻り、12台くらいある書き込み端末にそれぞれついている人に、免許証、マイナンバーカード、①で発券されたレシートを手渡します。途中マイナンバーカードをリーダーに置くよう言われるのでその通りにしたりすると数十秒くらいで書き込みが完了です。

てっきりこれで終わりかと思いきや、係員の方が「オンライン講習を利用したい人は、さらに①のタッチパネル端末に行って署名用電子証明書を書き込んでいってください」的なことを言ってきます。「ん?なんだそれは?」と寝耳に水状態。自分はe-Taxをしているので署名用電子証明書がなんなのかは理解してるつもりですが、今の段階で誰が何を証明するために署名するの??という感じ。

頭が「???」となりつつも次回オンライン講習は選択していので言われるままに①の端末に。そこで出てきた画面がコレ。最初と同じ端末なのに、時間的に切り替えてるのか、トップ画面からして違います。

さて、「次回オンライン講習を受けたいので証明書のなんとかをしろって言われるままに来て見た」って人が選ぶべきはどちらでしょう?(そもそも一番デカい枠付きなのはボタンじゃないんかい!)

ざっと読むと「住所・氏名・生年月日を連携・解除する」と「本籍のみ連携」の二択に見えます。なんかよくわからないが全部連携しとけばいいやと左を選択したところ、「こっちはマイナ免許証のみ作った人向けです」みたいなエラーが出ました。そしたら消去法で右か?ってなるわけですが、マジで何言ってるかわからないので結局近くにいた係員に聞いちゃいました。やはり、マイナ免許のみの人は左、2枚持ちの人は右で正解だったようです。ならそう書けよとw。これ絶対近い将来テプラが貼られる奴やん。ユーザーは「なんちゃらかんちゃらを連携したい」と思ってここに立つわけではなく、「次回オンライン講習を利用できるようにしたい」と思ってるわけです。ユーザーコンテクストというものに基づいた表記をしてほしいものです。

帰宅して改めて神奈川県警のサイトをみるに、

オンライン講習を受講するには、事前に以下の手続が必要です。

  • 免許証とマイナンバーカードの一体化手続
  • 署名用電子証明書の運転免許センター又は警察署への提出
  • マイナポータルでのマイナンバーカードと免許情報の連携手続

とあります。係員が「署名用電子証明書」といっていたので2番目の話っぽいですが、端末にはそんな単語はどこにもなく、むしろ3番目の手続きをしてる感がありますね。うーん、わからん。

署名用電子証明書をなぜ提出するか自体もピンと来ない。次回オンライン講習を申し込む時点とかで電子申請書に”電子署名”して(申請書を)提出するとかならわかるんだけど、電子証明書自体をしかもこの段階で提出ってどういうこと??最大限想像を働かせるとしたら、自身の公開鍵情報をあらかじめ警察に渡しておくってことかな?そうすると次回申請書を自分の秘密鍵で署名と暗号化して送信した時に、警察がそれをチェックできる的な??いやホントわからん。マイナ免許のみと2枚持ちでやってることが全然違いそうな点もわからん。そしてなにより「これで本当に次回オンライン受講できる状態になったのか」がまったくわからん。更にいえば後でマイナポータルからでも手続きできたような気もする。なんだかなー。

2025.3.25追記:

itmediaの記事によると、ここから更にマイナポータルで免許証との連携手続きが必要なようです。その説明はなかったような?5年後にしたっけ?と悩むくらいなら今やっておくのが良さそう。ただしなんらかの理由で免許証が再発行になったらやり直しだそうで。

「マイナ免許証読み取りアプリ」で読み取って表示してみる

マイナ免許証の記載事項を確認できるアプリは一般にも配布されていて、AppStore/Google Play Storeから誰でもインストールできます。

読取りボタンを押すと出てくる画面はこんな感じ。

ここでまたブリ切れですよ(笑)。「免許情報を表示するための暗証番号」ってどれやねん、と…

4桁数字ってだけえもマイナンバーカードの暗証番号(4つ)、免許証の暗証番号(2つ)あるぞと。共通のもあるのでどれが正解かはわかりませんが、少なくとも免許証発行にに強制で決められた1つ目ではなさそう。

さらに先へ進むとマイナンバーカード上のいくつかの番号をイラスト付きでこことこことここのを転記せよ、となります。認証としてそれ必要か?ってなります。券面にそのまま書いてある数字なので。

で、カードをかざして読み取るとこんな感じで従来免許証の券面を模した画像がでてきます。

この画面はアプリ上に保存でき、都度マイナンバーカードを読み取らなくても閲覧できます。これで済めばマイナンバーカードすらいらない気もしますが、きちんといつ読み込んだデータか表示が入るので、保存したものは証明にはならないんでしょうね。

■まとめ

ということで、初日時点のフローなどを覚えている範囲で書き連ねてみました。これから手続きしようという方の参考になれば幸いです(あくまで神奈川県の例です)。

ユーザビリティ屋としてはITシステム回りには色々と不満も書き連ねましたが、総じて免許センターのスタッフの練度は高く、最大効率で人をさばくようにデザインされていたように思います。ここからまた日を追ってテプラや張り紙やアナウンスが最適化されていくことでしょう。多少トラブルで待ち時間が発生しましたが、きちんと即日でマイナ免許証を作ることができ一安心です。夢の「財布もたない生活」にまた一歩近づきました。

クラウンのエアコン臭対策でエバポレーター脱臭とフィルター交換実施

冬だというのにクラウンのエアコンから臭いが気になり出しました。通常カーエアコンは冷房使用後の水滴がカビの原因になって雑巾みたいな臭いを発しがちなのですが、なぜかこの季節。

フィルターは納車時期を基準に4月に1年ごと交換してますが少し前倒しで交換。ついでにエバポレーターというカビやすい部位をクリーニングすることにしました。

使用したのはこちら。

通常、エアコン脱臭剤といえば吹き出し口からスプレーするようなものが多いイメージですが、風の出口にふきかけても深部まで届く前に風で押し戻される感が否めません。それに対して本品はエアコンフィルターを取り外したスロットからチューブを入れて吹き込むため、エバポレーター直近に薬剤が届きます。どこかの紹介動画でディーラーでも定番になっているようなことも言っていました。

すこし高いですが、ヨサゲだったので購入。オマケでグローブボックス裏(=フィルター直近)に貼り付ける小さな脱臭剤も付属してきます。キャップ部分に付属品(脱臭剤、説明書、チューブ、チューブ固定ガイド)が盛りだくさん詰まっています。チューブをフィルタースロットの口に正しく固定するためのガイドプレートがついており、それにチューブを固定し、両面テープで一時固定して薬剤を噴射して吹き込む感じ。

窓とドアを全開放し、エアコンを下記の要領でセットし、缶が空になるまで3分ほどスプレーします。スプレーのボタンは固定機構がありずっと押していなくても済みます。

  • 風量最大
  • 温度最低(LO)
  • A/Cオフ
  • 風向はフロントのみ

指定はないですが他のものも軒並みオフにしておきます。

およそ3分噴射して缶が空になったらエアコンはA/Cをオンにして更に5分間風を回します。

薬剤は泡とかではなく霧状という感じですが、たぶん家庭用エアコンのクリーニング剤と同じ匂いがあります。不快な匂いではなくむしろ爽やかな微香という感じ。吸い込んでいいものでもないでしょうが、なんとなくこれだけで清涼感が漂います。

カー用品店で買える数百円の脱臭剤よりはお高い感じがしますが、添付品も至れり尽くせりだし、手間をそれほどではないのでフィルター交換ついでに定期施工してもいいのかなという気がしています。

フィルターはこんな感じ(左が10ヶ月使ったもの、右が新品)。毎度DENSOのプレミアムタイプ。重度のアレルギー持ちがいるのでここはケチらずに奢っています。

さほど目立って真っ黒という感じでもないですが、大きめのゴミが2,3粒残っていました。

エバポレータークリーナーとフィルターにそれぞれ交換時期をメモしておくシールが付属しているので記入してフィルターフレームに貼り付けて完了。前倒しで交換してしまいましたが、まぁ次も覚えやすいので14ヶ月使って4月で大丈夫でしょう。というか多分それまで覚えてないでしょうw。