[3Dプリント] Starlink Mini用モバイルバッテリー運用キットの大幅アップグレード!

以前製作したStarlink Miniをモバイルルーターでスタンドアローン(ケーブルレス)運用するためのプレートキットですが、頒布希望をいただいたのを気に第二世代への刷新しました。

初期モデルの記事はこちら。

今回のアップグレードの要点は、

  • INIU P63-E1以外のバッテリーでも使える汎用化
  • 市販GPUステーを使った傾斜設置スタンド
  • 三脚固定用ステーオプション

などです。

■メインプレート+カバー

メインプレートにINIU P63-E1モバイルバッテリー(以下INIU)を装着した状態がこちら。DCコネクター-USB Type-C変換アダプタ経由でバッテリーのUSB Type-Cポートに装着しています。バッテリーはベルクロ(マジックテープなどで貼り付けます)。

将来的にINIUバッテリーが入手できなくなっても使いたいということだったので、一定のサイズ以下であれば貼り付けて使えるようスペースを設けています。

例えば、UGREENのPB205を使うと、後端ははみ出ますがこんな感じで使用可能です。

裏返すとこんな感じでケーブルを色々な経路でコネクターまで引き回せるようにしています。

初期モデルではケーブルを完全に隠蔽することを優先してL字アダプタを駆使してこういう配置でした。

しかしこれだと都度バッテリーを外さないと充電ができないので、第二世代ではバッテリーのコネクター面をStarlink Miniのお尻側に向ける想定です。ただINIUであれば上記配置も可能だと思います(使用するケーブル次第)。

ELECOMのLANケーブル用の防水キャップも干渉しないで取り付けられるよう小型化しています。

(メインプレートのカットモデルでの検証写真)

メインプレートには小さいマグネットを6点仕込んであり、フタパーツがパチっと脱着できます。

こちらはコネクター部分を覆い隠す汎用のフタ。

こちらはINIU P63-E1専用のフルカバーです。

見た目をスッキリさせたくてバッテリーの電源ボタンを押す穴はあけませんでした。

  • メインプレートにバッテリーをセットしてケーブルを接続
  • バッテリーの電源を投入
  • フルカバーをマグネットでアタッチ
  • Starlink Miniに装着

という手順になります。

■傾斜スタンド

バッテリー駆動化したStarlink Miniをいざ設置するとなると、緯度に応じて仰角(傾き)を調節することになります。そこで、ある程度強度を保ちつつ長さ調節が可能なものとして、PC自作erにはお馴染みのGPU保持スタンドを活用することにしてみました。

こんな感じでネジで長さを調整し、固定リングを締めて動かなくします。左の筒が3Dプリントしたパーツです。

こんな感じで直角に差し込んでGPUステーの先端側をメインプレートの穴に差し込んで使います。

差し込む穴が左右両側にある理由は後述。

使わない時はこの向きに差し込んでコンパクトになります。

■三脚ネジ用アダプター/ブラケット

Starlinkの使用には開けた空が必要です。上記のスタンドで角度は調整可能ですが地面置きだとどうしても障害物に電波を遮られがち。そこでより高い位置に設置する方法も検討しました。Starlink Mini用の純正オプションや社外オプションでポールマウントや三脚ネジマウントなどは存在していますが、今回製作したバッテリープレートキットとは排他利用になります。

そこで本バッテリープレート互換の三脚ネジ治具を2つ作ってみました。

三脚ネジ穴アダプター

ひとつはGPUステーの先端を差し込む穴を使った三脚ネジ穴アダプターです。GPUステースタンドのかわりにミニ三脚など汎用的なスタンドを活用できるようにするもの。

ただし位置的に端っこにあるので、仮に左右にとりつけたとしても重要バランス的に高所に浮かせることは難しいです。

三脚ネジ穴固定用ブラケット

そこで、全体の中心付近に三脚ネジ穴がくるように保持するブラケットがこちら。

同様にGPUステースタンドを挿す穴を活用します。中心部に金属製の三脚ネジ(1/4)穴互換のナットを熱圧入で埋め込んで強度を出しています。

角度は三脚側の自由雲台で調整する想定ですが、思いの外しっかり固定できました。三脚ネジで重量を支えられるか心配でしたが、もともと1/4の三脚ネジは3~5kgほどのカメラ機材を支えられるということで、1.1kgのStarlink Miniとモバイルバッテリー、ケーブル、本プレートキットなどを入れても2kg程度なので余裕かなと。ただカメラと違って風に煽られやすい形状なので、三脚ごと転倒するリスクはあると思います。一脚などは論外で、それなりにどっしり安定した三脚を使ったり、既存のポールにクランプアームなどで固定するとかになるでしょう。

これは1.5kgだから微妙かな?まぁイメージとして。

■まとめ

あくまでモバイルバッテリーを使って2,3時間程度の稼働を想定したものにはなりますが、屋外イベントや災害時などの短時間運用や、モバイルバッテリーをとっかえひっかえしながらの想定ならケーブルレスでWi-Fi空間を構築できるかなというものです。

ご興味をお持ちの方はコメントからお問い合わせください。カラバリやカスタマイズなどもご相談にのれるかと思います。

Starlink Miniのモバイルルーター化と実地テスト

山奥でStarlink Miniを使ってみたいということで、伊豆のグランピング施設に宿泊してきました。ついでに前から取り組んでいたStarlink Miniへのモバイルバッテリーマウントがようやく形になってきたのでこちらも実際にテスト。

Starlinkをケーブルレスで運用する

以前の記事でモバイルバッテリーを背面に固定したらケーブルレスで巨大モバイルWi-Fiルーター化できるんじゃね?といっていたアレです。

PD 100Wモバイルバッテリー、INIU P63-E1を固定するマウンターを3Dプリンターで設計、出力してみました。

バッテリーの厚みが突出していましたが、こんな感じでケーブルレスでStarlink Miniを起動できています。

上下分割式でフタを開けるとこんな感じ。

モバイルバッテリーからL字アングルを介してUSB-Cケーブルを出し、Starlink Mini用防水プラグアダプタにつながっています。使用したパーツはこちら。

Starlink Mini電源アダプタはAmazonになく、アリエクでこちら。ショートケーブルではない変換プラグもありましたが、形状的に上手く収まらず、ショートケーブルの方が融通きいて良かったです。

一応、右下側に有線LANケーブルを通せる穴も開けてあります。電源ランプが覗ける穴も。

Starlink Miniには電源スイッチがないので、モバイルバッテリーの電源ボタンを押せる穴もつけたんですが、小さすぎて指が通らずw。今度造形する時は修正します。

これで電源を入れたらあとは北向きに空を見渡せるところに置いて、Starlinkアプリで向きを確認して修正するのみです。

ただバッテリーの膨らみだけでは角度が足りず、結局標準スタンドを下にかましました。将来的にはなにかしらスタンド機構も持たせたいところです。

山の上だから施設付帯のWi-Fiの速度もたいしたことなかろうと侮っていましたが、普通に下り400Mbpsとか出てStarlinkイラネって感じでしたw。

Starlinkもアンテナ内でのスピードテストでは下り250Mbpsくらい出てたんですが、このテントが少し電波を通しにくい素材なのか、室内に入るといっきに速度が落ちて65Mbpsに(下写真)。

やはり有線LANで室内までケーブルを引き込んで、別のモバイルルーターでWi-Fi電波を飛ばした方が良さそうです。ウチで使っているのはこういうの。

ただ今回のテントは外から中にケーブルを通せる穴は見付からず、結局わざわざStarlink使う必要ないわということで1時間ほどで回収。バッテリー残量100%から使い始め、1時間8分ほどで70%でした。3時間くらいは稼働させられそうですね。ただまぁ衛星に向けての電波送信が電力食いでしょうから、上り通信が続く配信などの使い方ではもっと短い時間で電力を使い切る可能性も。

■まとめ

Starlink Miniが届く前からチャレンジしてみたかったモバイルルーター(ケーブルレス)化に一応の目処がつきました。課題もいくつかあって、

  • Starlink本体の設置角度が調整できる足をつける
    • バッテリーを足にすると残量表示窓のクリアパーツが設置してキズが入りそう
  • バッテリーの給電ON/OFFをできるよう穴を広げる→広げました
  • 内部のケーブルも固定したい
  • バッテリー部分に防水性がない
  • 外した時に電源プラグが一緒に抜けない→改善しました
  • バッテリーを充電するためにフタを開けなければならない
  • 斜面は3Dプリント積層痕が目立つので削るとか0.2mmノズルで造形するなどフィニッシュ作業

など。もう少し厚みを出せば色々捗るんですが、なんとなくこのStarlink Mini背面の斜面とつながったデザインが捨てがたく、、、

ともあれStarlink Mini側にフィットする土台モデルはできたので、またもっと良い形のPD 100Wバッテリーが見付かれば上積み部分をそれにあわせて改良してもいいかも知れません。

2025.06.09追記: 汎用モバイルバッテリー版

上記で使用したINUI P63-E1というモバイルバッテリーが一時期Amazonで在庫切れだったり入手性に不安があったので、特定のバッテリーに依存しない汎用カバーを作ってみました。

なんのことはなく、表面を低くフラット化して、USBケーブルを外に出す穴を開けただけですw。

穴はバッテリーの端子位置にあわせて好きなところからケーブルを生やせるよう複数配置しています。ただ無駄に全部開けてしまうのもなんだなと思って、必要なところをバキっと折ってあけられるといいなと思い、分割線だけ入れるチャレンジ。でも厚みのチューニングが難しくてまだ成功していません。これは使うフィラメント材料の強度にもよるので、あんまり現実的ではないかも。開けたい人はドリルでどうぞ、の方が逆に綺麗かな?

バッテリーの固定は両面テープでもいいし、脱着したいならベルクロ(マジックテープ)のバンドが通せるスリットを開けて締め付けるか、いっそMagSafe互換マグネットリングを装着して、MagSafeバッテリーがペタっとくっつくようにするのもアリかも?まぁ、PD100WができてMafSafeなモバイルバッテリーってあんまりない気がするので、微妙かな?

もしMagSafe化するなら、ケース側にこういう非MafSafeスマホやケースをMagSafe互換にするマグネット付きリングを貼って、

バッテリー側はこういうただの金属リングで良さそう。

もちろんMafSafeで給電できるわけでなくあくまでワンタッチ脱着のためですが。

Starlink Miniでファミレスノマド

Starlink MiniをUSB PDで動作させるアダプタが来たので、早速やってみたかった実験。

ファミレスの駐車場に駐めた車内にモバイルバッテリー給電したStarlink Miniを置いてきて、店内からWi-Fiをつないで使用するチャレンジです。

これを実現するには、

  • 駐車場が北向きに開けている
  • その至近に客席があり壁でなく窓ガラスがある
  • その席に座れる
  • PCを出してノマドできる

といった条件が必要で、Googleマップとにらめっこしながら行動圏内のファミレスやファーストフード店をリサーチしまくり、ようやく実現にこぎつけました。

駐車位置。すぐ後ろに見える窓際席に着席

フロントガラス下にStarlink Miniを設置

写真のようなロケーションで駐車ができ、店内では反対側に案内されそうになったのを「こっちの席でいいですか?」と聞いて理想の席をゲット。Starlinkから10m以内といったところ。

さすがにパッと思いつきで立ち寄った店でこれができる可能性はかなり低いでしょう。

■実用性チェック

モバイルルーターやテザリング、店内Wi-Fiと速度比較をしてみました。測定は16′ MacBook Pro M1 Maxでspeedtest.netのMac版アプリを使用。計測サーバーも安定して速度が出るIPA CyberLab 400Gで揃えました。

上り下りの速度だけでなく、ping(レイテンシ)も注目していきたいと思います。

車内設置のモバイルルーター(docomo 5G + 5GHz接続)

まずはモバイルルーター(FS050W)を同じ車内に放置して店内からつないでみます。SIMはdocomoのデータプラスで5G電波を拾い、Wi-Fiは5GHzで接続。

下り84.8Mbps/上り13.7Mbps/ping 40ms

妥当な数値ですね。車->店舗の減衰はさほど起きてないように思います。

車内設置のモバイルルーター(楽天モバイル 5G + 5GHz接続)

次にモバイルルーター内のSIMを楽天モバイルに切り替えて測ってみました。

やはり楽天モバイルは電波がよければ上りが速いのが魅力ですねー。

pingがどちらもキッチリ40msなのはルーター自体のレイテンシー?

iPhone 16 Pro Maxテザリング(docomo 5G + 2.4GHz接続)

回線は上記のモバイルルーターと同じdocomo 5G。MacBook Proの真横にiPhoneを置いてWi-Fiテザリング。iPhoneのテザリングはいまだに2.4GHzオンリーなので、そこがボトルネックになる可能性も。

下り81.2Mbps/上り12.1Mbps/ping 20ms

モバイルルーターとほぼ同じ結果。pingはむしろ半分になっています。2.4GHzのハンデはあまりないようです。もしくはたまたま相殺されて同じ値になったか。

ちなみにiPhoneにはセカンダリ回線としてLINEMOのeSIMも入っていたんですが、あまり速度が出ず、もしかしてギガを使い切っていた可能性もあるので今回は除外しました。

d Wi-Fi(5GHz接続)

おそらく多くの人は「ファミレスなら店内無料Wi-Fi使えばいいじゃん」と思うでしょうから比較してみました。今回の店舗ではドコモのd Wi-Fiが提供されています。座った席ではちと電波が悪く接続に手こずりましたがなんとか5GHzでつながりました。

下り9.76Mbps/上り5.32Mbps/ping 13ms

Wi-Fi電波の影響か多くのお客さんが利用できるよう帯域制御しているのか、速度は振るわず。しかしさすがにpingは今回最高の13msをマーク。

Starlink (5GHz)

本命のStarlinkです。座席からは車の後部が見えており、Starlink Miniはフロントダッシュボードに設定です。

下り147Mbps/上り17.2Mbps/ping 27ms

下りはダントツです。pingもぼちぼち。

■集計

■まとめ

Starlink Miniは初めてUSB給電に対応したことでノマドでも衛星インターネットができるようになりました。ただし空が開けた場所に設置する必要があるため、店内の窓際でも厳しく、駐車場の車内に設置してWi-Fiで接続するという文字通り離れワザで実現する必要があります。

そもそもノマドでそこまで帯域が必要なことはあまりないですが、一昔前の固定回線(プロバイダ遅め)くらいの速度が出るのは浪漫だなと思います。

ちなみに27,000mhAのモバイルバッテリーを使って実施しましたが、滞在した2時間くらいでLEDゲージが5灯から3灯になりました。4時間くらいはいけるかも知れないですね。

Starlink用DC-USB変換アダプタが届いた

Starlink MiniはUSB PD 100Wでも動作します。そのために標準の5521 DCプラグ↔USB Type-Cケーブルが純正および社外品で発売されています。

自分はモバイルバッテリーと組み合わせてコンパクトなセットを組みたかったので、まずはこちらの変換アダプタを注文してみました。DCプラグの反対側がType-Cジャックになっていて、手持ちの(PD100Wに対応した)USB Type-Cケーブルを使えるというシロモノです。Amazonで買えるものの海外発送のため、本体よりだいぶ送れての到着となりました。二個入りです。

有線LANポートのフタであるStarlinkプラグとの比較はこんな感じ。

動作は問題なかったですが、ぶっちゃけ結構長いです。差し込むとこんな感じで、飛び出し量は20.5mmほど。制御基板まではいかないかもですがeMarkerチップなど色々内蔵する必要があるのでしょう。

それでも一見問題なさそうに見えますが実は罠があります。スタンドとギリ干渉します。

当たってないように見えますが、スタンドが完全には閉じなくなります。

たぶん微妙に削ればなんとかなりそうですが、問題は「スタンドが閉じない」だけではありません。USBケーブルのコネクタを差し込むと結局干渉します。L字コネクタやL字アダプタを使って右にケーブルを逃がしてもそこからもどして下に通せるだけの隙間がないので詰みます。

結論として、2枚目の写真のようにスタンドを外して使う専用ということになりそう。

ちょっと不便なので、アリエクでショートケーブルタイプのものを追加注文しました。こちらもUSBジャック側は長いですが、DCプラグ側が短いので、取り回しは良さそう。

本当は30cmくらいのDC-USBケーブルがあればいいんですが。これケーブル内はDCの2極なんだとしたら長いの買って自分でカットして半田付けしなおせばショートケーブルが自作できそうではあるんですがどうなんでしょうね。

最終的に付属のスタンドを使わず、3Dプリンターでモバイルバッテリーをマウントできるスタンドをフルスクラッチする予定です。以前貼ったこのモバイルバッテリーがセールで5,000円台になっていた(黒のみ)ので、注文済みです。

またお見せできるものができたら投稿します。

Starlink Miniの車載実験など

Starlink Miniの最大性能を引き出してみたいということで、前回自宅で多少障害物警告が出る状態だったのを、より開けた場所に行って計測してみました。

またムーンルーフ(サンルーフ)マウントも作ってみたので、それの試験と、

  • 屋根置き
  • ムーンルーフ内側
  • フロントガラス内側

でどれくらい速度差が出るか検証してみました。自動車のガラスは熱線反射処理がされていることがあるので、電磁波もカットされる可能性があり、どれくらい影響が出るか気になります。

ちなみにムーンルーフはトヨタの呼称です。サンルーフと同義と思ってよいです(じゃぁそう書け)。

動画で見たい方はこちら。

なお、Starlinkは日本で移動局としての認証を取得していないので、走行時の使用はNG(法律違反)です。車中泊など停車中の使用に限定されますのでご注意ください。

■電源ケーブルスプールを変更

15mもあるDCケーブルは、屋根に設置するのでもない限り持て余しがち。といいつつもキャンプとかもっていって現地で足りないと悲劇なのでやはり持ち歩くしかない。ということでコンパクトに巻いて持ち運べるスプールの3DモデルをMakerWorldで物色。

最初に作ったのがBonzo氏作成のこちら。Starlink Miniの元箱にフィットする形状。左に置いてある紙のホルダーに入って、凹みに収まってくるんですが、その凹みを再利用する形。

これ、元箱にそのまま仕舞っておくには良いのですが、実際に使ってみるとイマイチでした。巻き取るにも引き出すにはクルクル回転させられないのでとても効率が悪いのです。

で、同じBonzoさんが別モデルのStarlinkの箱にあわせた正円版も提供していたので、そちらで作り直しました。また最初のヤツで両側のプレートがペラペラでやや頼りなかったので、モデルをいじって少し厚みを増やしました。

他モデル用も15mなのか、ケーブルの長さ(容積)に対してピッタリ過不足ないサイズ感が良き。市販品ではなかなかこうは行きません。

しかも思わぬ副次効果として、純正DCアダプターがちょうど中心にスッポリ収まります。これの何が嬉しいかというとアダプター側のプラグを引き出す量を最小限にして写真のように使える点。あとはアンテナ側を必要量だけ引き出せばOK。

もとからついていたケーブルタイ(写真左上)は長さが足りなくなったので、市販品をカットして使います。

■ムーンルーフマウントを作る

お次はムーンルーフに貼り付けるマウントです。Amazonとかでもいくつか見付かります。

ただクラウン(クロスオーバー初期)のムーンルーフは前後方向に短いので、横向き設置想定で、短辺側に吸盤が来る必要がありそう。2番目のは良さそうですが結構高い。使用頻度が高いものではないのでちょっともったいないなということで、これもMakerWorldで提供されているモデルを物色。

これに着目。ただ想定している吸盤が日本のAmazonでは買えなさそうだったので、似たようなものを探して購入。アームの間隔があわなかったので少し修正させてもらって造形しました。アーム自体も少し長さや角度を調整しています。

また造形時間や材料を節約するため、フレームと吸盤をつけるアーム部分を別パーツに分割したんですが、PETGだと瞬間接着剤で上手くくっつかなくて不慣れなプラリペアで固定したらちょっと汚くなってしまいました…

これをStarlink Miniの上下にとりつけて、横向きにして吸盤で固定。ガラスが微妙に湾曲しているのか、位置決めが少しシビアです。上記の吸盤4つのタイプの方がその点でも冗長性という意味でも良いかも知れません。

ただなんということでしょう!

閉じられちゃいましたw。これなら落下の心配はなさそう。ただ排熱はどうだろ?ケーブルの取り回しも考えないとですね。

まぁ当面は走行中は使用できないので、あんまり意味ないかな。停車中ならフロントダッシュボードで良いし。

■設置位置による速度差検証

さて、それでは実際の速度に影響はあるのか調べていきます。クラウンのムーンルーフは見るからに色がついてて熱線カットもしてくれそうです。

まず屋根置き。

Starlinkアプリでカメラを使った障害物診断もクリアです。全項目が「良好な経験」になったの始めて見た。

結果はこう。

下り151Mbps、上り17.9Mbps、レイテンシ27ms。ちなみに以前の記事で貼った、もっと障害物があって赤色が多かった自宅では、下り181Mbps、上り15Mbps、レイテンシ26msだったので落ちてる!携帯やWi-Fiの電波と同じで、電波強度と速度はそこまで相関しないのかも知れないですね。それよりは時間帯による混雑度合いの変動の方が大きそう。自宅でも速いということは嬉しい一方、もう少し驚く数字が出るかという期待は外れました。ただ、「高度なスピードテスト」モードでは「Starlinkからインターネット」区間で236Mbpsという速度を観測。なんとWi-Fi区間より速く、Wi-Fi5がボトルネックになってます。上りも20Mbps超えです。

しかしこの数字をどう組み合わせても先の151Mbpsにならないのはどういうことなんでしょうね。本当に1回1回の変動が大きいってことなんでしょうか。(今回すべての条件で1回ずつしか測定していません)。

この後も通常テストと高度なテストで結構なバラつきがあって解釈が難しいのですが、とりあえずそれぞれを掲載しておきます。ともあれ同様に、

  • ムーンルーフ直下マウント
  • フロントガラス直下、ダッシュボード置き

も計測した結果がこちら。高度なテストの結果画面にはレイテンシが出ないので記載がありません(高度なテストなのに!?)。

通常測定と高度なテストで順位バラバラです(;´Д`)

やはり何回かずつは測って平均とらないとダメでしたね。

単なるランダム変動でないと仮定したらの話ですが、やはり屋根置きが安定して速いかな?ムーンルーフは設置の手間や落下のリスクに見合うほどのメリットはなさそう。

晴天なら屋根置きとか地面など車外に出すのが無難かな、、と思いかけたけど、考えてみたらStarlinkは防水仕様だから別に雨でも外でいいじゃん、とw。積もるレベルの雪だとワイパーが使えるフロントガラス内側のメリットが出るかな?

ちなみにクラウン始めトヨタのハイブリッド車には車内のAC1500Wコンセントからの電気を車外に引き出すための「外部給電アタッチメント」が付属しています。

引用:トヨタ自動車

これを使えば雨や虫の侵入を防ぎつつ簡単にケーブルを車外に引き出せます。

あと屋根置きは風で多少カタカタいっていたので、強風時は注意が必要かも知れません。ボディに傷がついてもイヤなのでムーンルーフガラスの上に設定してましたが、なにかシリコンマットみたいなものを敷いてもいいかも。地面でもいいんですが場所によっては障害物を除けるのに高い場所の方がいいかもですよね。そういう時はポールマウントかな。ポールのかわりにつける三脚穴つきのマウントなんてのもあります。

これも3Dモデルはたくさんありますが、さすがに金属の方が安心かなとか。またアンテナは重さや風に煽られやすい形状なので、三脚の耐荷重以上に安定度には気を遣いそう。なにかしらのマウントアームに使うならまだしも、三脚はあまり高いものは恐いかも。

■まとめ

現行の認証ではあくまで停車中に限定されますが、車中泊などで使う予行演習ができたかなと思います。クラウンで車中泊は無理ですが、クラウンから電源とって、その近くのテントやロッジ内でWi-Fiや有線LAN経由で使うのもアリかなとか。ファミレスとかでもワンチャン駐車場と店内の席が窓越しくらいの距離ならいけるかも?USB電源アダプタが届いたらモバイルバッテリーつないで車内放置して試してみたいなと思っています。