カッティングマシンを15年ぶり新調 Silhouette Portrait4 ~ クラフトロボからのデータ移行も

十数年前の2009年にこちらのカッティングマシン(カッティングプロッター)を購入。

その後、死蔵していたのですが同居人が業務で活用できそうということで、サポートの切れた10年後の2019年にWindows10環境でどうにか動かす方法を模索したりしました。

その後、同居人はバリバリ活用していて、生産完了した今でも予備機機や消耗品であるブレード(カッター刃)をフリマで出品される度にゲットしたりしていましたが、いつ使えなくなるかは不安に感じていました。

そんな中、自分も3Dプリンター造形品を作ったり売ったりするようになり、その貼りつけ用に両面テープを精密カットしたいニーズが出てきたので、改めて現行品の再導入を検討することに。

自分と同居人の用途、ニーズは若干違っており、

  • 両面テープがカットできる
  • トンボ印刷による位置合わせができる
  • できればPCレスで使用したい
  • サイズはA4で足りる

というのがありました。

両面テープは1mm前後のやや厚めの基材を使用したものを使いたい。よくガジェット製品についてくる3Mとかの少しクッション性のあるヤツ。あぁいうのを自分でカットしたいという感じ。ウチにある16年選手の我が家のCraftRobo C330-20では多分対応したブレードが入手困難だし、下手に今あるブレードを使ってダメにしてしまったら同居人も巻き込んで困ったことになります。

トンボ印刷とは、ステッカー印刷などでプリンターで印刷したものをカッティングマシンでカットするといった場合に、正確な位置合わせをするための手法です。印刷データの用紙外周に目印となるトンボを印刷しておき、カッティングマシンが内蔵スキャナでそれを読み取りトンボからの相対位置基準でカットを実行します。これがマスト。

また同居人が業務で作成するステッカーの形状は数パターンだけなので、CraftRoboではSDカードにテンプレートデータをコピーしておき、本体液晶画面でそれを選んでカット実行をしていました。データ作成時にはPCが必要ですが、普段の運用はスタンドアローンなわけです。このスタイルもできれば継続したい。

そんな観点で現行品を眺めてみたところ、ブラザーの製品はタッチパネル液晶でファイルを選んでカットが実行できる一方、トンボによる位置合わせ機能があることは確認できませんでした。かわりにプリントや手書きした紙をスキャンさせてその外形を認識してカットする機能を売りにしています。それでも実現できそうな気がしますが、

  • 正円は画像認識で検出した境界線より正円のベクターデータで切り抜いた方が綺麗なはず
  • 同じパターンで複数シートを連続カットする時に効率が悪そう

といった理由で、トンボ方式の代わりにはならないなということでブラザーは除外しました。商品ページに書いてないだけで、あるのかもは知れないです。

■シルエット製品からのチョイス

ということでトンボ方式が使えると明示されているシルエット製品群から選択することにしました。候補に挙がったのはこれら。

たぶん主力ラインのカメオの最新世代。3mm厚まで対応。デュアルヘッドでカッターとペンなど2本のツールを同時差しして使い分けながらカット/描画/箔押しなどが可能。本体カラーは4色。

A4サイズまでに抑えることで小型化、低価格化したポートレート4。こちらは2mm厚まで。カッター/ペンも1本のみ。カラーはホワイトのみ。CrafRobo C330-20に限りなく近いサイズ感、機能と言えます。

ローラーで用紙を動かすのでなく、ヘッドをX-Yで動かすことで、厚みのある素材に箔押しやペン書きができるモデル。デカい。薄い紙を静電気で吸着するベッドも標準で一体化。

実際に三機種とも展示があるビックカメラ有楽町店まで見に行って決めました。箔押しなどのクラフトワークもちょっと興味あったのでキュリオ2もいいなと思ってたんですが、まーデカい。使ってない時も常時このスペースをとるのはちょっと無理だね、となりました。カメオ5とポートレート4は最後まで迷いましたが、当面のやりたいことはポートレート4でできそうだし、そこまで高くもないので、使ってみてまた不満が出たらアップグレードしても良いかってことでポートレート4をお持ち帰り。

廉価モデルながらロール紙も使えるし、別売りの静電気マットユニットもあるし、ヒートペンを買い足して箔押しもできるしと、なかなか妥協のない仕様になっています。サイズがA4で足りるという人ならそうそう不満は出なさそうです。

シルエット社の製品は本体に液晶画面がなく、CraftRoboのように単体でファイルを選んでカット実行するようなことはできないですが、どうやらBluetooth経由でスマホアプリからカットができるようなので、おそらくPCで作ったカット設定もスマホにコピーしておけば呼びだせるのではないかと期待(結果は後述)。

■CraftRoboのカットデータを読み込めた!

さて導入にあたって何はなくとも今までCraftRoboでやってきたことをPortrait4でもできるようにしなければなりません。これまでIllustratorで作ってあるステッカーのデザインオブジェクト(例えばA4の紙に円形ステッカーの図柄が6つ配置されている)+CraftRobo用トンボの.aiファイルと、それを元にCraftRoboの専用ツールRoboMasterで作ったカットデータファイルがあります。RoboMasterで編集できるデータファイルの拡張子が.gpd、それをプロッターで実行可能な定義ファイルにしたのが.gspです。SDカードには.gspファイルをコピーして使いますが、元となるファイルは.gpdの方です。なんとこの.gpdファイルが、Silhouette Studioというシルエット製品用のツールでそのまま読み込めたのです!

よくよく調べると、RoboCraftを設計販売しているグラフテック社(本社:神奈川県)は、米Silhouette America Inc.の親会社でした(あー、なんか以前にもどこかで認識してたかも…)。グラフテック社はRoboCraftこそ終息させましたが、業務用の大型カッティングマシンは現役で販売しており、ホビー向けのエントリーグレードを「シルエット」ブランドに移行したという形でしょうか。Silhouette America Inc.の子会社として日本向けの販社であるシルエットジャパン株式会社があるという構図のようです。なるほどそりゃトンボ機能なども共通して搭載してるわけですね。偶然にもCraftRobo C330-20からの移行先を求めて、実質後継機Silhouette Portrait4を引き当てたと言えるかも知れません。

ちょっと悩んだのは、Silhouetteアカウントを開設するともらえる1GBのクラウドライブラリに.gpdファイルをドラッグ&ドロップして登録しても、スマホアプリSilhouette Goからは見えない点。ライブラリ上では拡張子が非表示なのでわかりにくいですが、.gpdデータのままではスマホは開けず、一度PCソフトのSilhouette Studioで開いて保存しなおすと、拡張子が.studio3になって別名保存されます。その状態であればスマホアプリからも認識でき、もちろんスマホから選んで出力できます。懸念だった同居人の通常運用(既存データのカット)はスマホは必要なものの一応PCレスで実現できる運びとなりました。

トンボデータの打ち替えが必要かどうかはまだ未検証です。

ちなみに最後に実行したカットデータは本体内に保持されており、「もう一度実行」だけなら本体単体でもできるっぽいです。

クラウド経由でファイルを共有できるので、こちらでデータを作成して同居人に納品するという受け渡し作業もNASを介さなくてもスムーズにできるようになりました。

小さいメディア(用紙)の紙送りトラブルの回避策

同居人の運用データは移行がスムーズに移行できそうなので、あとは自分の用事です。こちらはステッカー用のシール用紙ではなく、少し厚みがある両面テープです。基本的には3Dプリント造型物に貼って出荷するので、ハーフカットではなくてもいいかもと思っています。まぁ半端にシートを使うとロスが多くなるので、シールだけ多めに作って在庫しておくにはやはりハーフカット(台紙まで切り抜かず元のシートのまま)が便利かもですが。

A4にびっしり敷き詰めるような数を一度に使うことはまずないので、少し小さめのシートを物色しました。とりあえずテストで買ってみたのは以下の2点。

3Mについでよく見かける気もするNITTOブランドの両面テープ。厚みはそれほどでないく、0.16mm。ナイスタックでいえば青色の強力タイプ(0.15mm)に近い厚みで、粘着材も同じアクリル系。青色は普段ももっともよく使っており、そのままシートタイプにしたという位置づけ。サイズはほぼA6。

もうひとつはA4しかなかったんですが、もうちょい単価が安いものを物色してこちら。

0.05mm厚なので、ナイスタックの赤(一般タイプ、0.09mm)よりもさらに薄い。0.08mmとも書いてありますが、おそらく剥離紙2枚を足すと0.08mmという意味?まったく知らない、おそらく中華ブランドでしたが、レビューもそれほど悪くないのでともかくコスト重視な場合用に。

あとは車載パーツの貼り付けなどに使うエーモンのNo.3930。

厚みが1mmもあり、基剤はグニっと柔らかいアクリルフォーム。滅多なことでは千切れないので、綺麗に剥がせる点が重宝します。単価はNITTO NW-5000NSよりも更に高いですが、なんだかんだでよくカットして使うので、これも切れたら嬉しいなと。

小さい用紙はローラーが送れない!?

Portrait4には紙送りのローラーが左右両端に2つ+その間に補助のバネ抑えが2つ。モーターで駆動するのは一番左の1つだけです。なので、小さいメディアを左のローラーだけで回すと、すぐに傾いてしまいます。メディアがナナメになってしまうと正しい形状にカットできるはずがなく、最初に試したエーモンNo.3930は惨敗でした。またカット厚の調整も上手くいかず裏側の台紙までカットが貫通しない。ちょっと高くてもったいないので一旦保留。

次にNITTO NW-5000NSです。これもやっぱり真っ直ぐに紙送りができず、「やはり小さい紙は粘着台紙を使わないとダメか?」と思い始めたんですが、よくよくメカをじっくり眺めると、ローラーが当たる金属バーの一部範囲に写真のようなザラザラした加工が入っている箇所があります。すごく目の細かいおろし金みたいな。左右端と真ん中辺りの三箇所に、それぞれ幅4cmくらいんも区間がこうなっています。

もしやと思って、左端のローラーをこの区間にあわせてみるt、、

ローラーがザラザラ区間に載る位置に調整

ばっちりローラーが紙を噛んで真っ直ぐ紙送りできました!A5級のメディアを使う場合、横置きにして右端がこのザラザラ区間にかかるようにしたらよさそうです。

2026.6.15追記:

何度かやってみましたが、やはり小さめの用紙送りには難がある気がします。だんだんナナメになっていきます。A4などの用紙を使うのが無難かもしれません。

試しに小さい3Dプリントパーツを貼り付ける様のシールをカットしてみました。コの字状で1辺の太さはわずか2mmの形状です。ピンセットでないと貼れないレベル。これを人力でカッターを使って切るのもなかなか大変ですが、この通り。時間的にも10秒程度なので量産も軽々。

カット設定はプリセットの「両面粘着シート」を使用。ハーフカットではないですが、厚みがあるので意識して取り外さない限りはシートにはまったままという絶妙な切れ具合。両側に剥離紙がついた状態で切り抜けるので、貼らずにそのまま添付品として同梱することもできます(予備用とか)。

実際に貼り付けた様子がこちら。まさにこれがやりたかった!

わかりにくいですが、上の直線パーツは上辺の両角がナナメに切り落としてあるんですが、そこもきっちり再現されています。

このギザギザを意識してセットすればエーモンのNo.3930シートもいけるかも?追々試してみます。

Silhouette Studio無課金版だとSVGが読み込めない!?

Silhouette Studioはマシンを買えば無料で使用権がもらえますが、一部の機能は追加課金でアップグレードしないと使えません。その中でも割と申告なのがベクターデーター形式である.svgのインポートができない点。JPEGやPNGのビットマップを読み込んでトレースして切り取り線を決定することはできますが、Illustratorなどのベクターツールで綺麗な正円などを描画してその通りに切り抜くにはベクターデーターのままエクスポート/インポートしたい。もちろん.aiファイルも非対応な上に、ベクターデータの近年の標準である.svgを封印するとは…

別途Silhouette CONNECTというIllustratorのプラグインとして機能するツールもありはするのですがこれも5,500円の有料…

などと「グヌヌ…」となっていたのですが、私が3Dモデリングに使用しているCADツールのAutoDesk Fusionではスケッチを直接右クリックから.dxf形式(Autodesk RealDWGフォーマット)で書き出すことができ、それならばSilhouette Studioに読み込めることがわかりました。しかもIllustratorもdxf書き出しができる!

ベクターデータのやりとりには.svgにこだわらず.dxfを使っていけば問題なさそうです。上のコの字パーツのデータもFusion上で3Dモデルからおこしたスケッチを.dxfに書き出し、Shilhouette Studioにインポートしてカットしました。

2025.6.15追記:

.dxfで読み込む際の問題点として、インポート時、Studio側で用紙サイズ一杯にリスケールされてしまう、というものがありました。Illustrator側でエクスポートする時にスケール設定をしても効果なし。.dxf形式には絶対サイズ情報が含まれないのでこういう仕様のようです。幸い縦横比をロックしておいて正しい縦か横のサイズをボックスに入力してやれば補正は可能ですがひと手間ですね。複数オブジェクトの場合は先にグループ化しておけば大丈夫そうです。.svgであればこのような手間もないのかも知れません。

また、FusionではなくIllustratorで.dxf書き出しをする際、2018形式だとエラーになることがあり、2007など古いフォーマットを指定すると書き出せました。ただその後試したら2018でもエラーでなかったりとちょっと謎です。

■まとめ

3Dプリンターで造形した出力物を貼り付けるのに、貼り付け面形状にあわせたカット済み両面テープを綺麗に作成したくて久しぶりにカッティングマシンを導入しました。

  • 想定通りに綺麗にカットできた(1mm厚で柔らかいアクリルフォームのものは要追加検証)
  • RoboCraftのデータ形式とも互換性があり最低限の操作で引き継げた
  • Bleutooth接続したアプリでファイルを選んでリピートカットも簡単

と期待通りの働きをしてくれました。カッターなどの消耗パーツもしばらく入手に不安を覚えることはないし、最新のWindows11などでもサポート付きで利用できます。当時CraftRobo C330-20が2.3万円、今回のSilhouette Portralit4がポイント還元で実質2.7万なので、16年ぶりの物価高も加味すればほぼ据置きのお値段で買えて満足です。

人力では綺麗にカットできないような複雑な形状の粘着シートも作り放題なので、3Dプリント品の商品力向上に貢献してくれるでしょう。また機会があれば箔押しなどにもチャレンジしてみたいと思います。

[3Dプリント] OBSBot Tiny2のスライドレールハンガーを製作

我が家の現在の主力WebカメラはOBSBot Tiny2です。

最近YUV(非圧縮出力)などを省いた廉価モデルのTiny2 Liteも出ましたね。

これの良いところ画質もさることながら、PTZ機能を活かして手元撮影にも使える点。我が家では写真のようにデスクの上の棚板に3Dプリントで逆さ吊りホルダーを作ってぶら下げていました。

ウチはモニター上は棚板のせいで狭い上に、バーライトがいるので、モニター上部に直接付属ホルダーで引っ掛けて置くことができないので苦肉の策です。

ただ、会議などで顔を映す時と、天吊りで真下の手元作業を映したい時とで、最適な左右位置が異なることに気付いて、今回スライドレール式で左右に動かせるように改良しました。

またホルダーのプレートとカメラは従来両面テープで貼り付けてあったんですが、今回のアップデート作業中にカメラ底面にマグネットが入っていることに気付き、急遽プレート側にも百均のマグネットを埋め込んで、簡単に脱着できるようにしました。Tiny2はとても性能が良いのでWeb会議に使うだけでなく、業務で現場に持ち込んだりもしたいので、その度にベリベリと両面テープを剥がしていかなくて済むようになったのもナイス。三脚穴もついてはいるんですが、デザイン的にどうしても上側にネジ(ローレット)をつけたり、カメラ自体を回転させる余白をもたせたりが必要になるので、マグネットの方がシンプルで小型化できるという判断です。

あと写真でもよく見るとわかるのですがカメラの重みでプレートが僅かにたわんでいることに気付いているので、プレートの厚みも増しておきました(材質はPLA)。

完成品がこちら。

写真ではわかりづらいので3Dモデル図も載せます。レールパーツをデスク天面に両面テープ止めして、サイドからホルダーの嵌合部分を差し込む形です。これでモニター中央から少し横にオフセットした位置まで自在に位置決めができるようになり、かつ無駄にズレたりはしなくなりました。

本当は顔を映す時はもっと下げたいので、上下スライド機構も持たせたかったんですが、カメラ背面からUSBケーブルのコネクタが突き出るので、カメラだけをこれ以上下げる事は出来ない、というかそれをするにはカメラを手前に突き出す必要があるので断念。むしろレール分だけ高くせざるを得なかったのですが、なんとかギリギリに抑えて数mmアップに留めました。

カメラは真横を向けることもできるので、台座を90度回転させてケーブルを横出しにすれば解決なんですが、ケーブルが丸見えなのもイヤだなと。USB Type-CのL字アダプタですごく小さいものがあればまた検討してみるかも知れません。

[3Dプリント] Logicool MX Creative Console用デスクホルダーを作成

Logicoolのクリエイター向け左手デバイスMX Creative Console(のディスプレイパッド側)をいい感じの中空に保持するためのホルダーを作りました。

ウチのワークデスクはIKEAのゲーミングデスク(当時はそういうカテゴリではなかったけど)のFREDDE (フレッデ)です。

このデスクはキーボードを置く天板の上にモニターを置く段がある構造をしています。今までは付属のアングルスタンドを使って上側(ディスプレイと同じ段)に斜め向きで設置していたのですが、腕を持ち上げる必要がありしっくり来ていませんでした。さりとてキーボード段のマウスパッド付近に置くのもやや邪魔。また付属スタンドは底面がゴムになっているもののあまり滑り止め効果はなく、ボタンを押すと滑って奥へ逃げてしまいます。

ということでみんな大好き3DプリンターDIYです。上段の手前に浮かせるように保持するコンセプトでホルダーをモデリング。

まずFREDDEの上段の形状をモデリング(見やすいようにMDFボード色でレンダリング)。

その飛び出した部分をつかむようにベースを作り、その上に40度の傾斜をつけたプレートを配置。プレートにはCreative Consoleの2本の縦長のゴム足がピッタリはまる穴を開けました。

掴みの様子がわかるサイドビューはこんな感じ。

できあがりがこんな感じ。ちょっと黒ばかりで高さ関係がわかりづらいですが、マウスパッド面から数cm浮いてる形です。すぐ下でマウスを操作している手を少し持ち上げるだけで押せるのでとても良い感触になりました。

板を掴むところは良い具合にピチピチに造形できたので接着剤や両面テープ止めはしなくてもヌっと差し込むだけでガタつきなく留まっています。位置が気に入らなければ簡単に左右に動きます。まぁ使ってるうちに緩んでくる可能性はありますが。

プレート面もこれくらいの傾斜なら特に両面テープ止めしなくても固定できてるかなというところ。割と雑にボタンを押してもガタついたりしません。素晴らしい!

ただし現状ケーブルが斜め上に突き出ていてちょっとカッコ悪いかな。ケーブルを上段に押さえつけるようにすると本体が浮いてしまいます。ケーブルをもう少ししなやかなものやコネクターが短いものに変えるか、本体を軽く両面テープ止めするかはもう少し検討かな。

とりあえず底面プレートのモデルができたので、色々な環境にあわせたスタンドが作れそう。製作依頼も受け付けますのでご要望あればコメントからご相談くださいませ。

UPSにもなるEcoFlow River 3 Plus着弾!

予約商品にも関わらずBlackFrydayセールで割引き販売されていた新商品のポータブル電源、EcoFlow River 3 Plusが到着しました。

なお執筆時点で今度は2025年1月5日まで年末年始セールをしているようで、税込み¥39,800が¥29,850で買えるようです。バナー貼っておきますのでこの記事を参考に買ってみようかなと思われたら是非こちらからお買い求めください(筆者にアフェリエイト収入が入ります)。

商品の特長などはこちら。

本記事では早速開封&設置をしていこうと思います。

付属品は比較的シンプルでAC電源ケーブル、車載用シガーソケットケーブル、UPS用USBケーブルの3本が付属するのみ。

各入出力ポートの配置はこんな感じ。

フロント

フロント面はディスプレイ、AC出力、DC出力、USBポートx3に加え、主電源ボタン、AC/DCの各ON/OFFスイッチ、ライトON/OFFスイッチとなっています。理路整然とした配置なのでマニュアルを見なくても操作方法は明確です。

ただ後でも述べますが、UPSとして常用しようと思うと、AC ON/OFFボタンは不用心すぎます。NASやサーバーをつないでいても短押しでパツンと電気が遮断されます(サーバーが落ちます)。せめて3秒長押しとかにできるといいのですが設定を見た限りできなさそう。

続いてリア。

リア(入力系ポートのフタ閉)

2つのAC出力ポートがあります。UPS用途として常用するにはこれらが背面にあるのは前面がスッキリしてGood。

入力ポート類とUPS用USBポートはフタの中に隠れています。アウトドアで使う時なんかは余計な水や砂塵の侵入を防ぐには良さそう。

フタを下にスライドして開いたところがこちら。

リア(入力系ポートのフタ開)

■設置してみた

USBポートは手元にあるとさっと使えて便利かなと思い、デスク脇のメタルラックの、デスク天面に近い高さの段に置いてみようということで、Mac miniの下に入れてみました。サイズピッタリ。Mac miniのオシャレアクリル台の形状までは合わず触るとちょっとガタつきますが、どちらも振動に弱い部品はないと思うし、一旦これで。

サーバー用のMac miniの下に設置

左下にチラっと写り込んでるのがサブデスクなんですが、ちょうど脇にUSBポートが来るので便利に使えそう。ライトも手元を照らせて便利かなと思ったんですが、色がオレンジな上に割と拡散するというか、単に眩しいだけでしたw。

■スマホアプリで設定

我が家では以前に別機種(Delta2 Max)をセッティング済みなのでアカウント登録などは済んだ状態。River 3 Plusの電源を入れアプリを開くと、なにもしなくてもアプリが認識して登録ポップアップが出ます。この段階ではBluetoothで通信しています。AirPodsなどが近くにあるとポップアップするのと同じ感じで直観的です。そこからWi-Fi情報を教えてやると本体が自力でインターネットに接続できるようになります。ここら辺はこの手の製品にありがちなフローなので慣れてれば特に迷うことはなさそう。

アプリ周りは是非こちらの記事もご覧ください。

設定が終わるとこんな感じで登録デバイスが並びます。

グラフィックも綺麗でカッコ良き。名前は自由につけられます。複数台持ちの場合、集中管理できて便利なので今後も理由がなければEcoFlowにベンダーロックインされておくのがヨサゲ。

デバイスを選択した状態がこんな。

バッテリー寿命を最大限にするのは最大充電量を80%、最低を20%にしておくのが推奨となっていたのでそうしています。そもそも太陽光パネルでオフグリッド充電とかするのでなければ最低の方はあまり考える必要はないんでしょうけど。

HDDを5機搭載したSynologyのNASをつないだ状態で、57W前後使用してるようです。そして入力側も同じ57Wになっているということはパススルー状態ということなのかな?

NAS自体は50Hzでも60Hzでも動くと思いますが、商用電源パススルー時と周波数がかわってもよくないと思い、デフォルトの60Hzから関東圏の50Hzに変えておきました。あとX-BoostはUPS的には相性悪そうなのでオフに。

UPS機能をプッシュするなら「UPS使用オススメ設定」みたいなガイドが欲しいところです。

■UPSとして不用意に電源が切れるのが不安

UPSとしての機能もアピールしている本機ですが、UI的にはちょっと簡単にAC出力が遮断できてしまい不安です。前述の本体前面のボタンもそうですし、上記アプリ画面の「100V AC」のところの電源ボタンも1タップで確認なしに電源が切れるようです。ハードボタンは長押し、アプリは確認ダイアログくらいは出してほしいものです。また設定変更やファームウェア更新による再起動なんかのタイミングでもACが落ちるんじゃないかとヒヤヒヤします。全てのパターンをテストできたわけではないですが、とりあえず出力周波数(50/60W)の変更はACを遮断してからでないと変更できないよ的な警告は出ました。その他の場面で警告なくACが切れることがないと良いのですが。(まさかファームウェアを自動更新して再起動して切れる、とかないよなぁ…)

3Dプリンターでうっかり防止ガードを作った

ということでうっかり触れたり猫が押したりwしないように、開閉式のフタをさくっと作って貼りました。コックピットのミサイル発射ボタン的なアレです。とりあえずこれで物理でうっかり押してしまう心配は排除できそう。

フタ閉
フタ開

可能ならファームウェア更新で長押しが選択できるようになり、アプリ上ではAC電源を遮断するあらゆる操作に確認ダイアログを入れてほしいものです。

2025.5.25追記:

ボタンカバーをアップデートしました。

■UPSとしてどんなサーバーに連動できる?

一般的なUPSは単に停電時にバッテリー供給に切り替えるだけでなく、PC/サーバーにシャットダウン信号を送る連携機能があります。人が近くにいれば手動でシャットダウンできますが、そうでない場合、いずれバッテリーが尽きたらブツっと切れてしまいます。そのため、USBケーブルなどでPC側にシグナルを送って専用常駐ソフトが安全にシャットダウンを実行する仕組みが不可欠です。

さてこのRiver 3 Plus、それ用のUSBケーブルが同梱されているものの、予約時点では対応OSなど詳細が不明でした。ようやく発売されてマニュアルを見ることができるようになったわけですが、こんな記載があります。詳細は専用URLか、ふむふむ…

高度な設定
本ポータブル電源は、コンピューターや NAS(ネットワーク接続ストレージ)機器との
通信が可能であり、その結果ユーザーはポータブル電源の稼働状況を監視し、さらに
UPS の設定を構築できます。
通信を確立する方法は?

  1. Web サイト(https://www.ecoflow.com/support/download/)に進み、お使いの
    コンピューターや NAS オペレーティングシステムに適する Power Manager インス
    トールパッケージをダウンロードします。
  2. お使いのコンピューターや NAS にソフトウェアをインストールします。
  3. 基本的設定のセクションで説明されている、UPS 基本設定を完了後、同梱されている
    USB-B to USB-A UPS 通信ケーブルを使い、本ポータブル電源の USB-B 通信ポー
    トをお使いのコンピューターや NAS の USB-A ポートに接続します。
  4. ソフトウェアを起動して、手順を続行します

早速リンクを開いてみると…いやComing soonなんかーいっ!

というわけでまだまだお預けのようです。わざわざNASと書いてあるので、Windows/macOSだけでなく、SynologyのDSMにも対応するといいなぁ…

ガチでUPSにもなる(?)ポタ電、EcoFlow River 3 Plusポチった

夏に同居人がEcoFlowのポタ電、Delta 2 Maxを買ったんですが、

その直後に後継のDelta 3 Plusが出たと同時に、気になるモデルが予告されていました。Deltaシリーズよりも小容量なRiverシリーズの最新モデルRiver 3のネット専売モデルRiver 3 Plusです。

アウトドアや太陽光発電でもしない限り、ポタ電は災害対策グッズであり普段活躍の場はさほどありません。しかし一部のモデルは簡易UPS(無停電電源装置)機能を謳っており、PCやサーバー、NASなどが突然の停電でデータロスやHDDクラッシュを防ぐ保険にもなるという売り方をしていました。PCやサーバーと壁コンセントの間にポタ電を介在させておくと、壁コンセントが停電したりブレーカーが落ちた瞬間にバッテリー給電に切り替わり、機器を守るというわけです。しかし、”簡易”とつくだけあって、ガチもんのAPCやOmronなどの鉛バッテリーのUPSと比べると、切換時間がやや長い傾向にありました。一般的なUPSが5ms~10msで切り替えるところ、Delta 2シリーズで「30ms以内」、当時気になっていたDJI Powerが20msでした。EcoFlowもサーバーとか業務機器には使わないでねと言っていたくらい。その後で発売になったDelta 3 Plusがなんと10msとガチUPSに匹敵する切換時間を実現してきたものの、さすがに処分価格だったDelta 2 Maxと同額程度で容量は半分とコスパで劣ってた感じ。しかし同時期に発表された下位ラインナップRiverの中の上位バリエーション(ややこしい)、River 3 Plusがなんと同じ10msだったのです。UPSとして見るならば容量はそれほど大きくなくてよく、River 3が実売3万円程度だったので、あわよくば4,5万で10ms UPS機能がついたポタ電が買えるのでは?と発売を心待ちにしていました。

■登場したRiver 3 Plusとはこんなモデル

定格600W、X-Boostで最大900Wの電力に対応、容量285Wh

ウチで使ってる高出力の炊飯器やドライヤー、電子レンジ、ゲーミングデスクトップPCなど1,000W超えるようなものは厳しいです。小型の電気ストーブやドライヤーはOK。NASや家庭用サーバーは元々省電力なので余裕でしょう。

容量的にも平和裏にシャットダウンするくらいは全然持つと思います。公式スペックでは40WのNASが5.2時間、600WのPCで20分となっています。

なお容量は増設用バッテリーが2モデルラインナップされています。本体は公式ストア専売のようですが、増設バッテリーはAmazonでも買えるっぽいです。

<10ms UPS機能搭載

これまでの<30msなEPS機能と呼んでいたシリーズの「データサーバーやワークステーションのような完全なUPS機能を必要とするデバイスには使用しないでください。」という注意書きがとれて、「無停電電源装置としても機能し、停電時は10ms以内に電力を切替え、精密機器をしっかりと保護します。」になりました。PC類の無停電電源装置としての用途を考えるなら3系一択でしょう。その中でRiver 3 Plusは最安になると思います。ちなみにRiver 3無印は<20msです。

ただ製品にはUPS通信ケーブルが付属してるとか、「PCやNASに対応したデータインターフェースとEcoFlowソフトウェアで、バッテリー残量が低下すると通知され、自動的にデータが保存されます。」みたいな記載もあるのですが、具体的な対応機種などはどこにも見当たらず、ウチのSynology製NASの自動シャットダウンなどができるかは未知数です。

出力ポート構成

  • AC100V出力x2(うち2ポートは背面)
  • USB-C出力x1 (最大100W)
  • USB-A出力x2
  • DC12V出力x1

という感じ。USB系はモバイルバッテリー程度で、欲を言えばCポートはもう少し欲しかったところですが、まぁ小型なだけに仕方なし。ACが3つあるので充電器を挿せば…

UPS用途を見越してかACポートのうち2つが背面にあるのは良いですね。常時接続するのは背面側につないでおけば表面はスッキリします。River 3 無印だと2ポートとも前面なので、UPS用途を考えるならやはり3 Plusかなと思います。

3,000回充放電しても80%容量を維持し、10年ほど使用可能

まぁ保証は2年ですが、、(執筆時点でRiver 3 Plusの保証期間の記載がなくRiver 3 無印を参考に)

本当にこれだけ性能を維持できるなら夜間充電して昼間使うとか、太陽光オフグリッド的な用途で満タン<->空を行き来するような使い方でも割と躊躇なく使えそうですね。

またEcoFlowは送料だけ負担すれば無料回収をしてくれるので処理に困るリチウムイオンバッテリー製品としては安全です。UPSの鉛バッテリーだってメーカーによってはなかなか回収してくれる業者がいなくて困るところです。

10年後まで倒産や日本撤退とかしていないことを祈るばかりです。

■まとめ、買うなら今!?

ようやく価格発表と予約受付開始になったRiver 3 Plus。お値段は定価39,800円(税込)。それが発売記念価格なのか、ちょうど今やってるブラックフライデーセールなのか、今は29,850円です。River 3無印の定価以下で買えるチャンスということで、まだモノも届いていないのに記事にしてみました。まぁEcoFlow製品は定期的に大型セールには載ってくるメーカーだし、むしろ定価で買う方が情弱のそしりを受けるまであるので、実際の評判を見て買う派の人はまた次の機会を待つのも手でしょう。

ウチは同居人がDelta 2 Maxをユーザー登録した時のポイントが1,600pt貯まってて、さらに値引きされました。送料も無料。

5年で寿命が来て処分にも困る鉛バッテリーUPSに辟易して、今の家に引っ越してからはUPSなしでNASを稼働させていましたが、当面はこれで安心なサーバーライフを取り戻せそうです。

発送は12月下旬かららしいので、年末に届いたらまた改めてレビューしたいと思います。