パンチルト付きセキュリティカメラAnker Eufy SoloCam S340

増車準備シリーズ。

もし3台目が来たら自宅敷地内の駐車場には駐められないので、別で駐車場を借りる案が出ています。そしてちょうど裏手に駐車場があるんですが、もしそこが借りられたら自宅の2Fベランダに監視カメラをつければ常時監視できるんじゃね?ということになり、ちょうどセール中で20% OFFだったEufy SoloCam S340(以下S340)を購入しました。

Eufyはバッテリー製品で有名なAnkerの家電ブランドです。セキュリティカメラだけでも結構なラインナップが出ており、S340はその中でもレンズ部分が縦横に動くパンチルト機構搭載のモデルです。もちろんただ動くというだけではなく、アプリから遠隔操作で画角を選べます。本体だけでもある程度の画像認識、物体追尾はしてくれるのですが、別売りのHomeBase S380(以下HomeBase)と組み合わせるとそちら側のAI処理で人物認識などができるようになります。

また単体だと8GBの内蔵メモリに録画されますが、Home Base側には内蔵16GBもしくは増設ハードディスクで最大16TBまで拡張可能です。保管場所が建物内になることで、万一カメラ自体を持ち去られても録画データは保全できるということになります(どういうタイミングで同期されるのかわかりませんが)。ちょうど最近ATOM Camのクラウド保存が有料化されたのであわててmicroSDカードを挿したりしてローカル保存に切り替えたりしましたが、HomeBaseを使えば複数台のカメラの録画データを大きなストレージに集約できるのでヨサゲではあります。もちろん月額利用料はかかりません。本当にイケてたら現在屋外に設置してあるGoogle Nest Cam(年額8,000~15,000円)もまとめて移行してもいいかなとか。

今回は近隣駐車場を見渡すためにベランダに取り付けるため、そうそう持ち去られることはないだろうということでまずはカメラのみ購入。使えそうなら後日HomeBaseも買うかなって感じです。

■SoloCam S340設置(3Dプリント)

まずはDIY設定のお話から。興味ない方はファーストインプレにジャンプ推奨。

S340はソーラーパネルも付属しており、通信はもちろんWi-Fiなので、基本的に配線不要で物理的に設置するだけで利用できます。今回は2Fのベランダ手すりに設置することにしました。付属のマウンターだと基本的に壁にビス留めする想定なんですが、ウチは賃貸なので非破壊で取り付けたい。そんな時の3Dプリントですよ!

早速こんなマウンターが完成(黒)。白いのがS340付属のブラケット。ビス穴が3つ空いています。

その3つ穴にあわせてマウンターにも穴を開け、受けネジは強度が出るよう金属のインサートナットを熱挿入しました。

熱圧入についてはこちら。

強度を出すためにインフィルを3Dハニカムにして密度が高かったせいか、押し込んだ奥から溶けた樹脂が盛り上がってきて半田ゴテやナットの内側にべったりついてしまいました。ネジ穴が埋まったらどうしようと思ったんですが、なんとかボルトは入りました。

ブラケットとはM4のボルトで締結。

今回はガチの屋外使用ということで耐候性や熱耐性が高いASAで作ろうと思ったんですが、どうしても途中でスパゲッティ化してしまい断念。定着とかの問題ではなく、スプールの巻きの状態が良くないのか、AMSでもそうでなくても途中で絡んでしまってフィラメントが送られなくなるトラブル。大きなモデルだけに失敗した時の時間的、材料的なロスが大きいので3回で諦めました。

で、同じくBambuが屋外用として推している高速PETG(PETG-HF)に切換。ASAの耐熱100℃に対してPETG-HFは69℃とかなり下がりますが仕方なし。ちなみに前回比較的短期間で変形してしまったPLAだと60℃前後なので、それよりはマシかなという程度。本当は黒じゃない方が真夏の太陽下で熱を持ちにくいんでしょうが、在庫がなかったのとベランダの手すりの色とのマッチングで。

裏にスリットを入れることも検討したんですが、ChatGPTさんと相談の結果、インフィルを3Dハニカムにするとえぇよってことでスリットは無しに。ちなみにスリットはいつもサポートがいらないよう▲の溝をつけてましたが、ChatGPTさん曰くそれだと頂点に応力が集中しやすいので、曲線でサイン波みたいに波打たせるのがいいそうです。なるほどトタン屋根みたいなもんですかね。次に機会があったら試してみたいです。

ということで、今回はそれなりに厚みを持たせてインフィルを3Dハニカムにしたことでとりあえず様子見。変形してカメラが地面に落下したらアウトですが…まぁ下は自宅の庭なので人を巻き込むことはないでしょう。

サイズは一発でバッチリでした。ギュっと押し込むと入るくらいの絶妙なキツさ。かなりカメラ側が重い重量バランスになりますが平気そう。撮影日は小雨だったので、後日念のため両面テープで貼るかも知れません。いずれにせよ夏には忘れずに定期的に様子をみてみないと。

別アングル。配線がないことも相まって、手すり上の好きな位置に固定できます。

ちなみにソーラーパネルの最適角度もChatGPTさんに効いたところ、方角は真南、傾斜角は30~40°が良いらしいです。発電効率も含めてしばらく試験運用してみます。

あと、推奨設定地上高は2~3mなので、それ以上の高さにした場合、ライトや動体検知の範囲外になる可能性はあるので、そこら辺もどうかは検証していきます。

S340ファーストインプレ

比較対象は国産のAtomCamと、GoogleのNest Camです。

まずシンプルにカメラ性能は良いです。3K画質は伊達じゃないですね。AtomCamもNest CamもFHDだったので、明らかに解像度感があります。広角で撮影した録画データも後からそこそこ拡大できそう。

また光学3倍ズームもあり、デジタルズームとあわせると8倍なので、望遠性能もかなりのもの。リアルタイムで使うことはあまりないかもですが。

アプリの作りとして惜しいのはカメラ一覧画面でリアルタイム映像が見られない点(ATOM CamやNest Camは可能)。複数カメラを設置した時に、いちいちどれかのカメラを選択して詳細画面に遷移しないとストリーミング映像は見られなさそう。HomeBaseを追加するとどうなんだろう?

それ以外の機能、操作性は競合と似たり寄ったりかな。家族など別アカウントユーザーとの共有もできるし、Wi-Fi設定はアプリでQRコードを作ってカメラで読み込ませるだけ。プライバシーゾーン(動体認識しないエリア)を設定できるので、例えば隣家の敷地を指定しておけば隣人の出入りを検知しなくなります。AI機能はHomeBaseと組み合わせないとですが、必要な機能は過不足なく揃ってる印象です。

あとスピーカーから流せる威嚇用サイレンは思ったより大きくてビビりました。

総じてソフトもハードも作りはしっかりしており、月額費用を無くせるならHomeBase含めて完全移行もありかなと思います。ただ小型ペットのケージの監視用にはちょっと大きいモデルしかないかな?ATOM Camのコンパクトさと安さはちょっと突出してますね。解像度がFHDでいいなら引き続きATOM Cam + SDカード運用がコスパ最強。宅内集中録画したい、より高解像度/高画質で録画したいならeufyシリーズってとこですかね。あと屋外でソーラーモデルがラインナップに多いのもeufyかな。Nest Camの優位性はGoogle Homeアプリで他のデバイスと一緒に管理できる点ですが、そこまで大きなメリットでもないかなという印象。Google Nest Hubでさっと見たい人向けかな。ちなみにATOM Cam + Amazon EchoShowでも視聴はできます。そういう観点ではeufyはディスプレイ付きスマートスピーカーの類とは親和性は高くないかも。機種によってはできるのかも?公式のリストにはS3x0系はないようですね。リストにあるE40とかは古いモデルのようなので、HomeBase対応モデルはGoogle/Amazon対応を縮小してるのかな?

■まとめ

これまで宅内はATOM Cam、宅外はGoogle Nest Camでしたが、久しぶりに新プラットフォームのセキュリティカメラに手を出しました。ATOM Camの有料化、Nest Cam Awareの値上げなどクラウドベースの製品のランニングコストが上がっている中、初期コストだけで済むeufyは着目株な気がします。一覧画面でストリーミング視聴できない点だけ惜しいですが、全体として遜色はなく、今回試験的にカメラ単体で導入しましたが、遠からずHomeBaseを購入し、2台の屋外Nest Camもリプレイスしていきたいなと思った初期感想です。

ソーラーバッテリー運用の持続性、セキュリティ検知能力はもうしばらく検証してまた追記していきます。

配線工事不要というのは大きなメリットで、日当たりが良い場所ならS120も気になっています。パネルの向きは変えられないものの一体型でスマートですね。

Starlink Miniのモバイルルーター化と実地テスト

山奥でStarlink Miniを使ってみたいということで、伊豆のグランピング施設に宿泊してきました。ついでに前から取り組んでいたStarlink Miniへのモバイルバッテリーマウントがようやく形になってきたのでこちらも実際にテスト。

Starlinkをケーブルレスで運用する

以前の記事でモバイルバッテリーを背面に固定したらケーブルレスで巨大モバイルWi-Fiルーター化できるんじゃね?といっていたアレです。

PD 100Wモバイルバッテリー、INIU P63-E1を固定するマウンターを3Dプリンターで設計、出力してみました。(なぜか現在Amazonから消えている?)

バッテリーの厚みが突出していましたが、こんな感じでケーブルレスでStarlink Miniを起動できています。

上下分割式でフタを開けるとこんな感じ。

モバイルバッテリーからL字アングルを介してUSB-Cケーブルを出し、Starlink Mini用防水プラグアダプタにつながっています。使用したパーツはこちら。

Starlink Mini電源アダプタはAmazonになく、アリエクでこちら。ショートケーブルではない変換プラグもありましたが、形状的に上手く収まらず、ショートケーブルの方が融通きいて良かったです。

一応、右下側に有線LANケーブルを通せる穴も開けてあります。電源ランプが覗ける穴も。

Starlink Miniには電源スイッチがないので、モバイルバッテリーの電源ボタンを押せる穴もつけたんですが、小さすぎて指が通らずw。今度造形する時は修正します。

これで電源を入れたらあとは北向きに空を見渡せるところに置いて、Starlinkアプリで向きを確認して修正するのみです。

ただバッテリーの膨らみだけでは角度が足りず、結局標準スタンドを下にかましました。将来的にはなにかしらスタンド機構も持たせたいところです。

山の上だから施設付帯のWi-Fiの速度もたいしたことなかろうと侮っていましたが、普通に下り400Mbpsとか出てStarlinkイラネって感じでしたw。

Starlinkもアンテナ内でのスピードテストでは下り250Mbpsくらい出てたんですが、このテントが少し電波を通しにくい素材なのか、室内に入るといっきに速度が落ちて65Mbpsに(下写真)。

やはり有線LANで室内までケーブルを引き込んで、別のモバイルルーターでWi-Fi電波を飛ばした方が良さそうです。ウチで使っているのはこういうの。

ただ今回のテントは外から中にケーブルを通せる穴は見付からず、結局わざわざStarlink使う必要ないわということで1時間ほどで回収。バッテリー残量100%から使い始め、1時間8分ほどで70%でした。3時間くらいは稼働させられそうですね。ただまぁ衛星に向けての電波送信が電力食いでしょうから、上り通信が続く配信などの使い方ではもっと短い時間で電力を使い切る可能性も。

■まとめ

Starlink Miniが届く前からチャレンジしてみたかったモバイルルーター(ケーブルレス)化に一応の目処がつきました。課題もいくつかあって、

  • Starlink本体の設置角度が調整できる足をつける
    • バッテリーを足にすると残量表示窓のクリアパーツが設置してキズが入りそう
  • バッテリーの給電ON/OFFをできるよう穴を広げる
  • 内部のケーブルも固定したい
  • バッテリー部分に防水性がない
  • 外した時に電源プラグが一緒に抜けない→もう少し固定方法を強化する
  • バッテリーを充電するためにフタを開けなければならない
  • 斜面は3Dプリント積層痕が目立つので削るとか0.2mmノズルで造形するなどフィニッシュ作業

など。もう少し厚みを出せば色々捗るんですが、なんとなくこのStarlink Mini背面の斜面とつながったデザインが捨てがたく、、、

ともあれStarlink Mini側にフィットする土台モデルはできたので、またもっと良い形のPD 100Wバッテリーが見付かれば上積み部分をそれにあわせて改良してもいいかも知れません。

Starlink Miniでファミレスノマド

Starlink MiniをUSB PDで動作させるアダプタが来たので、早速やってみたかった実験。

ファミレスの駐車場に駐めた車内にモバイルバッテリー給電したStarlink Miniを置いてきて、店内からWi-Fiをつないで使用するチャレンジです。

これを実現するには、

  • 駐車場が北向きに開けている
  • その至近に客席があり壁でなく窓ガラスがある
  • その席に座れる
  • PCを出してノマドできる

といった条件が必要で、Googleマップとにらめっこしながら行動圏内のファミレスやファーストフード店をリサーチしまくり、ようやく実現にこぎつけました。

駐車位置。すぐ後ろに見える窓際席に着席

フロントガラス下にStarlink Miniを設置

写真のようなロケーションで駐車ができ、店内では反対側に案内されそうになったのを「こっちの席でいいですか?」と聞いて理想の席をゲット。Starlinkから10m以内といったところ。

さすがにパッと思いつきで立ち寄った店でこれができる可能性はかなり低いでしょう。

■実用性チェック

モバイルルーターやテザリング、店内Wi-Fiと速度比較をしてみました。測定は16′ MacBook Pro M1 Maxでspeedtest.netのMac版アプリを使用。計測サーバーも安定して速度が出るIPA CyberLab 400Gで揃えました。

上り下りの速度だけでなく、ping(レイテンシ)も注目していきたいと思います。

車内設置のモバイルルーター(docomo 5G + 5GHz接続)

まずはモバイルルーター(FS050W)を同じ車内に放置して店内からつないでみます。SIMはdocomoのデータプラスで5G電波を拾い、Wi-Fiは5GHzで接続。

下り84.8Mbps/上り13.7Mbps/ping 40ms

妥当な数値ですね。車->店舗の減衰はさほど起きてないように思います。

車内設置のモバイルルーター(楽天モバイル 5G + 5GHz接続)

次にモバイルルーター内のSIMを楽天モバイルに切り替えて測ってみました。

やはり楽天モバイルは電波がよければ上りが速いのが魅力ですねー。

pingがどちらもキッチリ40msなのはルーター自体のレイテンシー?

iPhone 16 Pro Maxテザリング(docomo 5G + 2.4GHz接続)

回線は上記のモバイルルーターと同じdocomo 5G。MacBook Proの真横にiPhoneを置いてWi-Fiテザリング。iPhoneのテザリングはいまだに2.4GHzオンリーなので、そこがボトルネックになる可能性も。

下り81.2Mbps/上り12.1Mbps/ping 20ms

モバイルルーターとほぼ同じ結果。pingはむしろ半分になっています。2.4GHzのハンデはあまりないようです。もしくはたまたま相殺されて同じ値になったか。

ちなみにiPhoneにはセカンダリ回線としてLINEMOのeSIMも入っていたんですが、あまり速度が出ず、もしかしてギガを使い切っていた可能性もあるので今回は除外しました。

d Wi-Fi(5GHz接続)

おそらく多くの人は「ファミレスなら店内無料Wi-Fi使えばいいじゃん」と思うでしょうから比較してみました。今回の店舗ではドコモのd Wi-Fiが提供されています。座った席ではちと電波が悪く接続に手こずりましたがなんとか5GHzでつながりました。

下り9.76Mbps/上り5.32Mbps/ping 13ms

Wi-Fi電波の影響か多くのお客さんが利用できるよう帯域制御しているのか、速度は振るわず。しかしさすがにpingは今回最高の13msをマーク。

Starlink (5GHz)

本命のStarlinkです。座席からは車の後部が見えており、Starlink Miniはフロントダッシュボードに設定です。

下り147Mbps/上り17.2Mbps/ping 27ms

下りはダントツです。pingもぼちぼち。

■集計

■まとめ

Starlink Miniは初めてUSB給電に対応したことでノマドでも衛星インターネットができるようになりました。ただし空が開けた場所に設置する必要があるため、店内の窓際でも厳しく、駐車場の車内に設置してWi-Fiで接続するという文字通り離れワザで実現する必要があります。

そもそもノマドでそこまで帯域が必要なことはあまりないですが、一昔前の固定回線(プロバイダ遅め)くらいの速度が出るのは浪漫だなと思います。

ちなみに27,000mhAのモバイルバッテリーを使って実施しましたが、滞在した2時間くらいでLEDゲージが5灯から3灯になりました。4時間くらいはいけるかも知れないですね。

Starlink用DC-USB変換アダプタが届いた

Starlink MiniはUSB PD 100Wでも動作します。そのために標準の5521 DCプラグ↔USB Type-Cケーブルが純正および社外品で発売されています。

自分はモバイルバッテリーと組み合わせてコンパクトなセットを組みたかったので、まずはこちらの変換アダプタを注文してみました。DCプラグの反対側がType-Cジャックになっていて、手持ちの(PD100Wに対応した)USB Type-Cケーブルを使えるというシロモノです。Amazonで買えるものの海外発送のため、本体よりだいぶ送れての到着となりました。二個入りです。

有線LANポートのフタであるStarlinkプラグとの比較はこんな感じ。

動作は問題なかったですが、ぶっちゃけ結構長いです。差し込むとこんな感じで、飛び出し量は20.5mmほど。制御基板まではいかないかもですがeMarkerチップなど色々内蔵する必要があるのでしょう。

それでも一見問題なさそうに見えますが実は罠があります。スタンドとギリ干渉します。

当たってないように見えますが、スタンドが完全には閉じなくなります。

たぶん微妙に削ればなんとかなりそうですが、問題は「スタンドが閉じない」だけではありません。USBケーブルのコネクタを差し込むと結局干渉します。L字コネクタやL字アダプタを使って右にケーブルを逃がしてもそこからもどして下に通せるだけの隙間がないので詰みます。

結論として、2枚目の写真のようにスタンドを外して使う専用ということになりそう。

ちょっと不便なので、アリエクでショートケーブルタイプのものを追加注文しました。こちらもUSBジャック側は長いですが、DCプラグ側が短いので、取り回しは良さそう。

本当は30cmくらいのDC-USBケーブルがあればいいんですが。これケーブル内はDCの2極なんだとしたら長いの買って自分でカットして半田付けしなおせばショートケーブルが自作できそうではあるんですがどうなんでしょうね。

最終的に付属のスタンドを使わず、3Dプリンターでモバイルバッテリーをマウントできるスタンドをフルスクラッチする予定です。以前貼ったこのモバイルバッテリーがセールで5,000円台になっていた(黒のみ)ので、注文済みです。

またお見せできるものができたら投稿します。

Starlink Miniの車載実験など

Starlink Miniの最大性能を引き出してみたいということで、前回自宅で多少障害物警告が出る状態だったのを、より開けた場所に行って計測してみました。

またムーンルーフ(サンルーフ)マウントも作ってみたので、それの試験と、

  • 屋根置き
  • ムーンルーフ内側
  • フロントガラス内側

でどれくらい速度差が出るか検証してみました。自動車のガラスは熱線反射処理がされていることがあるので、電磁波もカットされる可能性があり、どれくらい影響が出るか気になります。

ちなみにムーンルーフはトヨタの呼称です。サンルーフと同義と思ってよいです(じゃぁそう書け)。

動画で見たい方はこちら。

なお、Starlinkは日本で移動局としての認証を取得していないので、走行時の使用はNG(法律違反)です。車中泊など停車中の使用に限定されますのでご注意ください。

■電源ケーブルスプールを変更

15mもあるDCケーブルは、屋根に設置するのでもない限り持て余しがち。といいつつもキャンプとかもっていって現地で足りないと悲劇なのでやはり持ち歩くしかない。ということでコンパクトに巻いて持ち運べるスプールの3DモデルをMakerWorldで物色。

最初に作ったのがBonzo氏作成のこちら。Starlink Miniの元箱にフィットする形状。左に置いてある紙のホルダーに入って、凹みに収まってくるんですが、その凹みを再利用する形。

これ、元箱にそのまま仕舞っておくには良いのですが、実際に使ってみるとイマイチでした。巻き取るにも引き出すにはクルクル回転させられないのでとても効率が悪いのです。

で、同じBonzoさんが別モデルのStarlinkの箱にあわせた正円版も提供していたので、そちらで作り直しました。また最初のヤツで両側のプレートがペラペラでやや頼りなかったので、モデルをいじって少し厚みを増やしました。

他モデル用も15mなのか、ケーブルの長さ(容積)に対してピッタリ過不足ないサイズ感が良き。市販品ではなかなかこうは行きません。

しかも思わぬ副次効果として、純正DCアダプターがちょうど中心にスッポリ収まります。これの何が嬉しいかというとアダプター側のプラグを引き出す量を最小限にして写真のように使える点。あとはアンテナ側を必要量だけ引き出せばOK。

もとからついていたケーブルタイ(写真左上)は長さが足りなくなったので、市販品をカットして使います。

■ムーンルーフマウントを作る

お次はムーンルーフに貼り付けるマウントです。Amazonとかでもいくつか見付かります。

ただクラウン(クロスオーバー初期)のムーンルーフは前後方向に短いので、横向き設置想定で、短辺側に吸盤が来る必要がありそう。2番目のは良さそうですが結構高い。使用頻度が高いものではないのでちょっともったいないなということで、これもMakerWorldで提供されているモデルを物色。

これに着目。ただ想定している吸盤が日本のAmazonでは買えなさそうだったので、似たようなものを探して購入。アームの間隔があわなかったので少し修正させてもらって造形しました。アーム自体も少し長さや角度を調整しています。

また造形時間や材料を節約するため、フレームと吸盤をつけるアーム部分を別パーツに分割したんですが、PETGだと瞬間接着剤で上手くくっつかなくて不慣れなプラリペアで固定したらちょっと汚くなってしまいました…

これをStarlink Miniの上下にとりつけて、横向きにして吸盤で固定。ガラスが微妙に湾曲しているのか、位置決めが少しシビアです。上記の吸盤4つのタイプの方がその点でも冗長性という意味でも良いかも知れません。

ただなんということでしょう!

閉じられちゃいましたw。これなら落下の心配はなさそう。ただ排熱はどうだろ?ケーブルの取り回しも考えないとですね。

まぁ当面は走行中は使用できないので、あんまり意味ないかな。停車中ならフロントダッシュボードで良いし。

■設置位置による速度差検証

さて、それでは実際の速度に影響はあるのか調べていきます。クラウンのムーンルーフは見るからに色がついてて熱線カットもしてくれそうです。

まず屋根置き。

Starlinkアプリでカメラを使った障害物診断もクリアです。全項目が「良好な経験」になったの始めて見た。

結果はこう。

下り151Mbps、上り17.9Mbps、レイテンシ27ms。ちなみに以前の記事で貼った、もっと障害物があって赤色が多かった自宅では、下り181Mbps、上り15Mbps、レイテンシ26msだったので落ちてる!携帯やWi-Fiの電波と同じで、電波強度と速度はそこまで相関しないのかも知れないですね。それよりは時間帯による混雑度合いの変動の方が大きそう。自宅でも速いということは嬉しい一方、もう少し驚く数字が出るかという期待は外れました。ただ、「高度なスピードテスト」モードでは「Starlinkからインターネット」区間で236Mbpsという速度を観測。なんとWi-Fi区間より速く、Wi-Fi5がボトルネックになってます。上りも20Mbps超えです。

しかしこの数字をどう組み合わせても先の151Mbpsにならないのはどういうことなんでしょうね。本当に1回1回の変動が大きいってことなんでしょうか。(今回すべての条件で1回ずつしか測定していません)。

この後も通常テストと高度なテストで結構なバラつきがあって解釈が難しいのですが、とりあえずそれぞれを掲載しておきます。ともあれ同様に、

  • ムーンルーフ直下マウント
  • フロントガラス直下、ダッシュボード置き

も計測した結果がこちら。高度なテストの結果画面にはレイテンシが出ないので記載がありません(高度なテストなのに!?)。

通常測定と高度なテストで順位バラバラです(;´Д`)

やはり何回かずつは測って平均とらないとダメでしたね。

単なるランダム変動でないと仮定したらの話ですが、やはり屋根置きが安定して速いかな?ムーンルーフは設置の手間や落下のリスクに見合うほどのメリットはなさそう。

晴天なら屋根置きとか地面など車外に出すのが無難かな、、と思いかけたけど、考えてみたらStarlinkは防水仕様だから別に雨でも外でいいじゃん、とw。積もるレベルの雪だとワイパーが使えるフロントガラス内側のメリットが出るかな?

ちなみにクラウン始めトヨタのハイブリッド車には車内のAC1500Wコンセントからの電気を車外に引き出すための「外部給電アタッチメント」が付属しています。

引用:トヨタ自動車

これを使えば雨や虫の侵入を防ぎつつ簡単にケーブルを車外に引き出せます。

あと屋根置きは風で多少カタカタいっていたので、強風時は注意が必要かも知れません。ボディに傷がついてもイヤなのでムーンルーフガラスの上に設定してましたが、なにかシリコンマットみたいなものを敷いてもいいかも。地面でもいいんですが場所によっては障害物を除けるのに高い場所の方がいいかもですよね。そういう時はポールマウントかな。ポールのかわりにつける三脚穴つきのマウントなんてのもあります。

これも3Dモデルはたくさんありますが、さすがに金属の方が安心かなとか。またアンテナは重さや風に煽られやすい形状なので、三脚の耐荷重以上に安定度には気を遣いそう。なにかしらのマウントアームに使うならまだしも、三脚はあまり高いものは恐いかも。

■まとめ

現行の認証ではあくまで停車中に限定されますが、車中泊などで使う予行演習ができたかなと思います。クラウンで車中泊は無理ですが、クラウンから電源とって、その近くのテントやロッジ内でWi-Fiや有線LAN経由で使うのもアリかなとか。ファミレスとかでもワンチャン駐車場と店内の席が窓越しくらいの距離ならいけるかも?USB電源アダプタが届いたらモバイルバッテリーつないで車内放置して試してみたいなと思っています。