Starlink MiniをUSB PDで動作させるアダプタが来たので、早速やってみたかった実験。
ファミレスの駐車場に駐めた車内にモバイルバッテリー給電したStarlink Miniを置いてきて、店内からWi-Fiをつないで使用するチャレンジです。
これを実現するには、
- 駐車場が北向きに開けている
- その至近に客席があり壁でなく窓ガラスがある
- その席に座れる
- PCを出してノマドできる
といった条件が必要で、Googleマップとにらめっこしながら行動圏内のファミレスやファーストフード店をリサーチしまくり、ようやく実現にこぎつけました。


フロントガラス下にStarlink Miniを設置
写真のようなロケーションで駐車ができ、店内では反対側に案内されそうになったのを「こっちの席でいいですか?」と聞いて理想の席をゲット。Starlinkから10m以内といったところ。
さすがにパッと思いつきで立ち寄った店でこれができる可能性はかなり低いでしょう。
■実用性チェック
モバイルルーターやテザリング、店内Wi-Fiと速度比較をしてみました。測定は16′ MacBook Pro M1 Maxでspeedtest.netのMac版アプリを使用。計測サーバーも安定して速度が出るIPA CyberLab 400Gで揃えました。
上り下りの速度だけでなく、ping(レイテンシ)も注目していきたいと思います。
車内設置のモバイルルーター(docomo 5G + 5GHz接続)
まずはモバイルルーター(FS050W)を同じ車内に放置して店内からつないでみます。SIMはdocomoのデータプラスで5G電波を拾い、Wi-Fiは5GHzで接続。

妥当な数値ですね。車->店舗の減衰はさほど起きてないように思います。
車内設置のモバイルルーター(楽天モバイル 5G + 5GHz接続)
次にモバイルルーター内のSIMを楽天モバイルに切り替えて測ってみました。

やはり楽天モバイルは電波がよければ上りが速いのが魅力ですねー。
pingがどちらもキッチリ40msなのはルーター自体のレイテンシー?
iPhone 16 Pro Maxテザリング(docomo 5G + 2.4GHz接続)
回線は上記のモバイルルーターと同じdocomo 5G。MacBook Proの真横にiPhoneを置いてWi-Fiテザリング。iPhoneのテザリングはいまだに2.4GHzオンリーなので、そこがボトルネックになる可能性も。

モバイルルーターとほぼ同じ結果。pingはむしろ半分になっています。2.4GHzのハンデはあまりないようです。もしくはたまたま相殺されて同じ値になったか。
ちなみにiPhoneにはセカンダリ回線としてLINEMOのeSIMも入っていたんですが、あまり速度が出ず、もしかしてギガを使い切っていた可能性もあるので今回は除外しました。
d Wi-Fi(5GHz接続)
おそらく多くの人は「ファミレスなら店内無料Wi-Fi使えばいいじゃん」と思うでしょうから比較してみました。今回の店舗ではドコモのd Wi-Fiが提供されています。座った席ではちと電波が悪く接続に手こずりましたがなんとか5GHzでつながりました。

Wi-Fi電波の影響か多くのお客さんが利用できるよう帯域制御しているのか、速度は振るわず。しかしさすがにpingは今回最高の13msをマーク。
Starlink (5GHz)
本命のStarlinkです。座席からは車の後部が見えており、Starlink Miniはフロントダッシュボードに設定です。

下りはダントツです。pingもぼちぼち。
■集計




■まとめ
Starlink Miniは初めてUSB給電に対応したことでノマドでも衛星インターネットができるようになりました。ただし空が開けた場所に設置する必要があるため、店内の窓際でも厳しく、駐車場の車内に設置してWi-Fiで接続するという文字通り離れワザで実現する必要があります。
そもそもノマドでそこまで帯域が必要なことはあまりないですが、一昔前の固定回線(プロバイダ遅め)くらいの速度が出るのは浪漫だなと思います。
ちなみに27,000mhAのモバイルバッテリーを使って実施しましたが、滞在した2時間くらいでLEDゲージが5灯から3灯になりました。4時間くらいはいけるかも知れないですね。