iPhone 16 Pro MaxのRAW撮影現像テスト。LIETZ Phone3とも比較

今年はかなり本気でスルーするか迷いましたが、結局買いました。

15 Pro Maxから16 Pro Maxの画質的なアップデートは、超広角レンズが48MPと広角レンズと同じ解像度になったというのが主なトピック。個人的には望遠重視なので「そっちかーい!」という感じですが、まぁ超広角レンズはマクロ撮影時にも使うのでテーブルフォトにもいいのかな?でもテーブルフォトくらいだと逆にマクロになるほど近づけると影が落ちてしまうことも多く、そっちも言うほど使うかな?というところ。あとはセンサー読み出しスピードが2倍になってRAW撮影がスムーズ担ったり?

あとiPhoneでRAW(ProRAW)が撮れるようになって久しいですが、毎回期待しつつもなんか「あれ?」って思うことが多く正直「もう騙されないぞ!」という感も。画角的に48MPカメラを使えてなかったのもあるかもですが、なんか解像感がイマイチで、JPEGで撮った時の絵の具感がRAWでも感じられる気がして。

結局最近のクルマ撮り(ミラーレスを持ってない時)やテーブルフォトはLEITZ Phone 3(SHARP LP-03)をサブ機として持ち歩いて撮っていました。

その後、iPhone向けにもLEITZフォトアプリが登場し、けっこうなサブスク料金がかかるもののLEITZ LOOK含めて近いエフェクトはiPhoneでも得られるようになりました。でもまぁやはり1インチセンサーもあるしでiPhoneでのサブスクは試用期間でやめ、SNS用写真はLEITZ Phone 3という現状。

■さぁiPhone 16 Pro Maxはどうだ?

まだ二日程度でクルマとかも撮りに行けてないですが、とりあえず超広角試そうと煌びやかな夜景を撮りに。しかし距離的な都合もあって結局広角24mmレンズでの撮影に。でもまぁ夜間の4ピクセルを結合して12MPで高感度撮影になるモードにはならずに撮れました。ダイナミックレンジが広いのか現像した時の露出補正耐性がかなりあり、2Fより上の窓ガラス周りの質感などはかなりエグい。

Lightroom Classicで露出調整。WBやノイズ低減系は不使用。

この作例は4K程度に縮小してますが、現像前で8064×6048ピクセルありました。入り口のポスター類なども判別できるほど解像感があるのもスゴい。

入り口付近のポスターを拡大

ISOが320ですがほぼノイズがない。下はLightroom Classicで露出をかなり上げてみた様子ですが夜空部分にザラつきがない!Apple ProRAWだとLightroom ClassicのAIノイズ除去が使えないですがこれならそもそも必要なさげ。

またiPhoneカメラで弱点だった強い光源がレンズ内反射してあらぬところに謎の光点(ゴースト)となって映り込んでしまう現象ですが、ここまで露出を上げるとさすがに見えます(赤丸箇所)が、通常の露出設定内なら気にならないレベル。動画とかではまた別途検証しないとですが、新しいレンズコーティングによる改善効果は感じました。

比較のためLEITZ Phone 3でも。こちらは「マニュアル撮影」モードのRAW(DNG)撮影ですが3952×2960にしかならない。あれ?こっちも48MPのはずなのにな。あらためてDNGで撮った写真を眺めるとどれもこの解像度。ちょっと撮影設定を確認して再戦したいところ。

注:これはLEITZ Phone3撮影。iPhoneではありません

ISOはiPhone 16 Pro Maxの作例よりも更に低いISO 100ですが少し露出を上げると夜空は盛大にノイズが出ます。これはLightroom ClassicのAIノイズ除去を施した後の状態。LEITZ LOOKを当てない素の色味なのでまぁ普通な写真ですかね。

iPhone 16 Pro Max作例追加

夕食食べにいったデニーズでちょっと追加作例。どちらもRAW撮影+Lightroom Classic現像です。

こちらもセンサーノイズが少ないのかAppleの後処理が優秀なのか、低ノイズでめちゃくちゃ編集耐性がある感じ。ISOは320、SSが1/13ですが手ぶれもほぼなし。これきちんと三脚に乗せてISO100以下とかにして撮ってみたい。

つづいてテーブルフォト。色味はかなりいじったけど、ヨサゲな仕上がり。もうちょっとマシなご飯で撮りたい。RAWだとポートレートモードによる疑似ボケは入らないのでちょっとカッチリしすぎちゃうんだけど、純粋なカメラ性能としてはいい感じ。

iPhone 15 Pro Maxは売却準備に入れたいので撮り比べはしないけど、あれ、24mmでもこんなにいけてたっけ?いままで48MPで撮れてなかった?それとも16でカタログにのらない部分の進歩もあった?

■まとめ

あくまでスマホ上で最適設定を目指して撮り比べ、現像でやれることもやる、という状態の比較なので、撮って出しで勝負したい人にはあまり参考にならないと思いますが、iPhone 16 Pro Maxのポテンシャルは伝わるでしょうか。というか広角レンズなので15 Pro Maxでも実はこれくらい撮れた?

これくらい高解像度でノイズがない写真がRAWで撮れるならもう少し活用してみたくなります。LEITZアプリもまた購読してみようかな?

個人的にスマホカメラに画質求めるのは「ミラーレスを持ってってない日にふとクルマを撮りたくなるロケーションに出会った時」なので、近いうちにまたクルマ撮りできっちり比較してみたいと思います。その時は解像度条件やISOなどもなるべくあわせてみようかなと。

LEITZ PHONE 3 半月レビュー

LEITZ PHONE 3を発売日購入して半月ほど経ちましたので、追加レビュー。

軽くおさらいすると、LEITZ PHONE 3はSoftbankから発売されたAQUOS R8 PROをベースにした機種です。1インチセンサーの単眼カメラを搭載した機種で、Leicaコラボのレンズとアプリが追加という感じ。

■Android端末として普通に優秀

スマホとしてはSnapDragon 8 Gen2なのでなにをするにも不満のないレスポンス。考えてみればAQUOSフォンを自分で買うのは初めてな気がしますが、そつなくまとまってるし、これといって不具合も感じません。ベースモデルでも17万くらいなのでコスパはなんともですが、まぁ貴重な1インチセンサー搭載機なところで仕方ないところはあるかなと思います。

画面内蔵型の指紋センサーは以前使ったGalaxy Note 10+よりもサクっと認証できて快適(Note10+は液晶保護フィルム貼ってたので条件がイーブンではないかも)。顔認証もあるはずですが正直どっちで認証されてるか不明。メガネやマスクの影響を受けてなさそうなので指紋が優先して働いてるのかも。指紋認証後にそのまま指を押し続けていると指定したアプリが起動させられる(たぶんAQUOS独自の)機能も決済系アプリをアサインしておくと便利。バーコード決済などが素早く行えます。

OLEDディスプレイは鮮やか。デフォルトのカラーモードだとPixivとかでイラストを見たときにちょっととんで違和感を感じたので「ナチュラル」固定にして使ってます。動画をあんまり視聴してないので、120Hzや動画フレーム補完、DOLBY VISIONやATMOSといった高画質・高音質機能はそこまで堪能できておらず。

Qi充電には対応してますがQi2(MagSafeリング)ではないので、最近あれもこれもMagSafeでペチっと磁力で貼り付ける充電器や場所を増やしまくったところにはくっついてくれないのが惜しい。さりとてこの上質な背面質感を犠牲にしてMafSafe対応カバーをつけるか?というとそれも悩む。

とりあえずベッドサイドの充電器として使っているBelkinの3in1充電器で、真ん中をLEITZ PHONE3充電場所として使っています。iPhone、LEITZ PHONE、Apple Watchという並び。

充電といえば90%で充電を止めるいたわり充電系の設定があるので、サブ機として長く使うのにバッテリーの劣化を抑えられてヨサゲ。また使用中は充電を控えたりする設定も。この辺りはたぶんAQUOSとしての独自機能だと思ってて、AQUOSの評価を上げる一因になりました。充電中かどうかにかかわらず、これまで一度も熱さを感じたことがないのも設計がきちんとしてるのかなと。まぁゲームとかしないでほぼ静止画撮影しかしてないのもあるでしょうけど。

あと地味に嬉しかったのがテザリングで6GHz(Wi-Fi 6E)が使えたこと。iPhoneはいつまでたっても2.4GHzオンリーでスピードが出ません。しかもWindows 11とUSBテザリングがなぜかできず。ChocoZAPのWi-Fiがクソほど遅いので、自前でテザリングしてるんですが、本機は5GHzはもちろん6GHzでもWi-Fiテザリングができ、LEGION GOと6GHzでつながっています。もちろん普通にUSBでもテザリングができるので、あくまでサブ機としてあまりギガ数が多くないSIMで運用しようと思ってたんですが、解約予定だった楽天SIMを入れて使ってみることに。

■カメラ周り

初回レビューでも触れましたが、Leicaっぽい映りをシミュレートするLEITZ LOOKSはあくまでソフトウェアによる疑似ぼかしなので誤爆も多いので、SNS向けのパッと見にハッとするエモ写真は撮れるものの、じっくりみると違和感もあったりしがち。なおかつJPEGなので後編集素材としては微妙。でもまぁちょうど最近Google無料アカウントで容量がカツカツになってきたのでGoogle Oneを契約し、容量拡張と同時にHDR処理などの写真加工機能も解放されたので、諸々組み合わせると割といい写真が撮れることがわかってきました。

これはLEITZ LOOKSで撮り、標準「フォト」アプリでHDR化して輝度を上げ、その他もろもろ加工したものです。厳密にはそれをSendAnywhereでiPhoneに送りナンバープレートをアプリで塗りつぶしています。正直工程が多くてどの段階でどういう影響が出ているのか切り分けられてないですが、やはり大きくしてみると圧縮ノイズが気になるかなと。

やはりLEITZ LOOKSは総じて暗めに撮れてしまうため、場合によっては後処理したくなりがち。撮影時にも露出補正はできるんですが、LEITZ LOOKS使用時はややレスポンスが悪かったり、プレビューと実際に撮れる写真で明るさが全然違ってたりで、その場ではサッと撮るだけ撮って後で編集する方が自分のスタイルには合ってる気がしています。

次の作例はLEITZ LOOKS撮って出しです。

ちょっと暗めの店内にしてはガーリックトーストの質感が出てるかな?疑似ボケの境界もそんなに壊れてない。個人的にはやっぱりもうちょっと露出高めたいところですが、まぁSNS用くらいなら撮って出しでも使えるかなと。

1インチ4,000万画素の進化はRAWで撮ってこそですが、LEITZ LOOKSで数枚とった後で「RAWでも撮っとくか」って切り替えると画角が違いすぎてびっくりします。LEITZ LOOKSでは28mm、35mm、50mmをクロップで疑似再現ですが、リアルでは19mm。「ひろっ!」ってなります。まずLEITZ LOOKS側で最適なアングルを見つけて撮るので、そこから更に歩いて被写体に近づくとかになって非効率感。個人的には物理焦点距離はもうちょい望遠よりだと良かったかもと思います。

他、カメラとして使い勝手まわりでいうと、やっぱりレンズキャップの脱着は面倒だし、どっかで紛失しそうで不安です。マグネットがもうちょっと強い、かつ向きが360°どの向きでもひっついてくれればなぁと。レンズ保護フィルムをつけてキャップ無しで運用してみようかとも思いますが、なんとなくせっかくレンズ自慢の機種なのに粘着面をもったフィルム越しで使うのもなんだかなぁという気がします。いっそフィルターネジを切ってくれてあればガチ目のガラスプロテクターとかもつけられるんですが。本体の厚みを抑えることを優先したんでそうけど、3Dプリンターで治具を作ろうにもフックできる段差に乏しくて後付けも難しそう。

電源ボタンの二度押しでカメラアプリが起動し撮影スタンバイになるまでの充分速い方かなと。そこから「あれ?真っ黒、、あキャップ外してないわ」までがお約束。またフローティングシャッターボタン(画面の好きな位置にシャッターボタンを置ける)のが地味に便利。どんな向きで構えても、シャッターボタンを押しやすい位置に置き直すことでレリーズの瞬間の手ぶれを抑えることができる気がします。音量ボタンをシャッター動作にアサインすることもできますが、ちょっと固めなので押す力が余ってブレてしまいがち。それよりはソフトボタンを自然に押せる位置に置ける方が良いです。

■まとめ

それほどカメラ周りでは初日の印象とかわってないですが、不便なりに運用方法が最適化できてきた気がします。

クルマを撮るにはAndroidで良いナンバー加工アプリがないのが難点で、いちいちLEITZ PHONEで撮ってiPhoneへ送ってナンバー加工してXに上げる、みたいなことをしています。いっそ自分でAndroid用アプリを作るか?ってFlutterの解説書を読み始めつつ、GWはちょっと他の自主課題でつぶれちゃったなというところ。

自宅で長毛猫を撮るには疑似ボケの境界線が気になりがち(もふもふではない猫種、ペットならそこまで気にならないかも)。

テーブルフォト(食べ物)が今んとこ一番向いてるかなーというところ。でも夜景とかもハッとする写真が撮れることもあるので、もうちょっと活用していきたいです。

あと普通にAndroid端末として見た時に、バーコード決済やテザリングなどで便利さを感じます。AndroidのGoogleウォレットはタッチ決済でカードの使い分けがiPhoneに比べると面倒なので、決済メイン機にはならないですが、普通にサブスマホとして使い勝手は良い部類だなと思っています。

LEITZ PHONE3 vs iPhone15 Pro Max vs Pixel 8Pro ポートレート撮って出し勝負

LEITZ PHONE 3の疑似ボケ機能であるLEITZ LOOKSと、最新iPhone、Pixelのポートレートモードで撮り比べてみました。JPEG撮って出しです。カップのところをタッチして撮ったのでフォーカスと露出はそこ基準になってるはず。WordPressでリサイズはかかってるかもですがリンクで元ファイルが見られるようにしておきます。

LEITZ PHONE 3(LEITZ LOOKSモード、LEITZ COLOR: ORIGINAL)
iPhone 15 Pro Max(ポートレートモード)
Pixel 8 Pro(ポートレートモード)

うーんどうでしょ?

カップを置いている台の下は内部に照明が入ってるパネルなんですが、iPhoneとPixelは良くも悪くも自然なトーンに調整されてただの白壁に見えますね。

iPhoneが一番輪郭処理が甘いかな。左側のフタ直下の部分は完全に抜けてしまってますし、全体に違和感が大きいです。疑似ボケであることがありありとわかる感じ。LEITZ PHONEもプラフタの上部の開閉部分がボケてしまってます。Pixelが最も正確でしょうか。

ボケ量(F値)はiPhone > LEITZ PHONE > Pixel。LEITZ PHONEは撮影時のみの調整、iPhoneはLiDAR情報を保持していて後からでも変更できるのが強み。Pixelも純粋な画像処理だと思いますが後調整は可能ぽい(借り物なので詳細不明)。まぁAndroid標準の「フォト」アプリの機能なので、LEITZ PHONEで撮った写真でもボケを足すことはできますね(Google Oneの契約が必要)。

LEITZ PHONEで気になるのは中心辺りの窓の外の光が二重にブレてる点。これが手ぶれなのかLEITZ LOOKSによる効果なのかは不明。

トーン調整としてはiPhoneが際立って明るめに補正。ふわっと浮き立って綺麗な印象。Pixelが一番リアルの店内の明るさを再現してる気がします。LEITZ PHONEはやはり暗めに写る傾向。もちろん撮影時に手動で露出スライダーを調整すれば変えられるので、あくまでデフォルトの映りということで。

■総評

新機種の贔屓目、目新しさのバイアスもあるかも知れませんが、LEITZ PHONE 3が破綻もなく、味もあり、下部の発光パネルの質感も出てるし好きかな。露出は後でいくらか直せるけど、iPhoneのボケ境界が破綻してるのは直せないので致命的。

ちなみにLEITZ PHONEでF8でボケ最小で撮って、「フォト」アプリで後からボケを足すと、Pixelに近い正確な疑似ボケが得られる可能性がありますが、せっかくの文字表示がボケてしまうのが惜しいw

久々1inchセンサースマホ、LEITZ PHONE 3を購入

久々の1インチセンサーカメラ搭載スマホ、久々のAndroidスマホです。

最近、すっかりクルマ撮りにハマっていますが、リグをゴテゴテに組んだα7IVやレンズ群を常に車載しておくのは不便だし不安なのでしてません。これからの季節は熱の不安もありますし。そうすると、ちょっと良いロケーションをみつけても「カメラ持ってきてなかったぁぁ!」という場面に多々出くわします。iPhone 15 Pro Maxがあるじゃん、と取り出して撮ってみるも、なかなか満足のいく写真になりません。Xに投稿することなくボツになることがほとんど。やはり違うんですよねぇ。4800万画素あっても夜間は4個イチで高感度化に供されてしまうし、センサーサイズの問題もある。RAWで撮ってみてもいまいちだし、ISOやSSの指定範囲も狭かったり。

以前買って短期間で手放してしまったCyberShot RX100M7を十数万払って買いなおすのもなんだかなぁだし。

そんな中でXiaomi 14 Ultraとか登場しますが、結構お値段しますし、そもそも国内販売もまだアナウンスされてない。スマホカメラなのに物理絞りがあるのはかなり気になり国内販売の有無を見守っていました。

さらにそんな折、一部ガジェット界隈で話題のLeica(Leitz)のブランドを関する1インチセンサーカメラ搭載スマホLEITZ PHONE 3が発表されました。素性としてはSHARPのAQUOS R8をLeica監修でカスタムしたもののようです。特徴としては、

  • 1インチセンサー
  • Leicaっぽい色味をシミュレートする「LEITZ LOOKS」モード
  • ソフトウエアによる疑似絞り(F値、ボケエミュレート)
  • Snapdragon 8 Gen2
  • Android 14 (3年アップグレード保障)
  • 512GBストレージ
  • 8K動画
  • 6.6inch 2000nit OLED
  • microSDXCカード
  • IPX5/IPX8防水
  • Wi-Fi 6E
  • 顔/画面内指紋認証
  • おサイフケータイ

という感じ。

絞りはあくまソフト処理なのでiPhoneと同じく、輪郭が正確に処理されない可能性がありますが、そもそも1インチであれば画質の底上げが期待できます。また某ガジェットtuber界隈のブームに釣られたわけでもないですが、Leicaっぽい、というかフィルムルックなカラートーンもちょっといいなと思ったり。

Softbankから発売されており月数千円の負担で1年後以降は返却できるということでしばらく使ってみようということで発売日に特攻しました。夜でしたがヨドバシの当該店舗で1台目だそうですw。まぁ実質AQUOSだと思うとちょっと割高感あるのかもですね。キャリアモデルを買うのは数年ぶりで機種単体購入が義務化された後始めてな気がしますが、機種購入のみでも特に嫌な顔されたり在庫ないですとか言われずあっさり購入できました。

1インチセンサーのスマホはPanasonicのCM10以来です。AndroidもSurface Duo2から買ってなかったので初Android14機。

Leica?Leitz?

にわかなので間違ってるかも知れませんが、ちょっと調べた感じ、もともとLeicaは「Leitzさん(創業者)のCamera」の略でLeicaという90年代からのブランドだったぽい。オールドレンズだとLeitzとなっている。最近では先祖返り的にLeitzブランドを色々なところで使うようになっている。という感じ?

それでも現行カメラはLeicaみたいで、どういう棲み分けなのかはよくわかりませんでした。カメラ製品以外だからLeitzなのかな?とも思ったけど、双眼鏡とかライフルスコープみたいな製品もLeicaっぽいし。唯一2022年に復刻版がでたM6という機種は当時のバッジを再現してLeitzみたい。シネレンズの関連会社はLeitzブランドになったという記事もありました。中の人に「なんでLeitz?」って聞いてる記事もありましたが、いまいち明確な線引きは語られてないようです。

結局は純粋は自社カメラ製品じゃないからってところが大きいのかも知れません。

カメラ回りの細かい仕様

LEITZ LOOKSは単独のアプリではなく標準カメラアプリのモード(タブ)のひとつとして存在します。

  • SUMMILUX 28
  • SUMILLUX 35
  • NOCTILUX 50

というLeica界隈では有名なオールドレンズをエミュレートしてくれます。SUMMILUXはF1.4、NOCTILUXはF1~1.2の製品につく呼称みたいです。LEITZ LOOKSでは画角だけでなく色調やボケ感なども再現している(しようとしている)っぽい。またさらにLEICA COLOR(ルック)として

  • NONE(オフ)
  • BW(白黒)
  • CLS(シネマクラシック)
  • CNT(シネマコンテンポラリ)
  • ENH(エンハンス)
  • VIV(ビビット)

から選択できます。

これはJPEG現像に適用されます。残念ながらこれを適用したRAW(DNG)ファイルは得られず、ここからさらに詰めていくというよりは撮って出しで「なんかLeicaっぽいエモい」完成品JPEGを得られるもの。また同時保存もできずどちらか排他になります。RAWで残したい時は別タブの「マニュアル撮影」モードを使います。RAWの埋め込みLUTでカラーが適用できてれば素敵でしたが、単に色だけのエフェクトではないので難しいんですかね。4800万画素といっても保存されるJPEGは1200万画素相当で余裕分は高画質処理に使われるという点はiPhoneと同じ。驚くような画質ではない。やっぱり拡大すると絵の具っぽいつぶれた画質になります。RAWで撮った場合はどうなるかまだ不明。

2024.4.20訂正

RAWとJPEGの同時保存はできました。「マニュアル撮影」モードで撮った時に、同じ絵がJPEGで下記文字入りで保存されます。LEICA LOOKSのどのパラメーターが適用された現像になるかは不明ですが、最後に使った設定かな?

(訂正ここまで)

とりあえず購入していきなり撮った作例。

下部左右に「SHOT ON LEITZ PHONE 3」と撮影パラメータが焼きこまれます。これは写真好きにはちょっとカッコよい。邪魔に思う人もいるでしょうし当然オフにできます。F値はシミュレートした指定値ではなく物理の数値、つまりF1.9固定のようです。気になるのはJPEGデータなので編集して保存した時には輪郭が荒れるんじゃないかな?という点。標準フォトアプリで軽くトーンいじったくらいでは気になるほどは荒れないようでしたが。これRAW現像した後にも出したいなー(たぶん無理)。

ちょっと暗くなってしまいましたが質感と色味は良い感じ。表示値はF1.9ですがたぶん撮影時のシミュレート指定値はF1.4とかで疑似ボケが入ってる状態だったと思います(後から確認できないしiPhoneのように後からF値を変更もできない)。

あと気になるのはプレビューと実際に撮れた絵の乖離が大きいという点。ソフトウェア処理が高度なせいでリアルタイムでプレビューさせられないのかもですが、明るさとかも結構違うので、撮ってみるとイメージと違った、なんてことがままあります。ここは慣れないと一発撮りの時は思わぬ失敗をしてしまうかも。

続いて夜景。

こちらも深く考えずにパチっと撮っただけにしてはいい雰囲気でています。こういう写真が撮りたいんだよ!後編集なしでSNSにサっとシェアしたいんだよ!って人にはお手軽でもってこいなモデルかも知れません。

使い勝手としては、電源ボタンを2度押しするか、ホーム画面の下部左右のショートカットボタンにカメラを割り当てておけばすぐにカメラアプリが起動。デフォルトでは撮影モードが毎回標準に戻ってしまいますが、設定をかえれば最後に使ったモードを保持できるので、LEITZ LOOKSな写真がサクサク量産できます。

一方で使い勝手として気になるのは背面の大きなレンズの出っ張りと保護カバーです。1インチセンサーが入ってるだけあって並みの出っ張りではありません。邪魔というより扱いが怖い。Softbankの分割払いだと必須の補償オプションはApple Careと違って無料で使えるので、まぁ最悪補償使って直せばいいんですが、それでも最低限の保護はしたい。そこで付属のマグネットカバーなんですが、これがロゴの向きで0/90/180/270度の向きでしかマグネットが吸着しないんです。向きを気にしないで雑にくっつけるとポロっと外れ落ちてしまいます。また向きをしっかり合わせてもそこまで強くひっつく感じではないので、遠からず紛失しそうな気配(なくしたらLeica公式サイトで6,600円らしい…)。そしてなにより脱着自体が面倒ですね。毎回カメラ画面が起動する度に真っ黒画面になって「あ、そうだキャップはずさなきゃ」ってなります。割り切ってキャップ無しで運用するか、画質劣化が気になりますが保護フィルムを貼るか、悩ましいところです。

今回強制加入の保険もあるし、ボディ自体はiPhoneほど傷つきやすそうなピカピカ金属光沢筐体でもないので、少しラフに使ってみたいなというのもあったりで、ケースやフィルムの運用は悩み中。

2024.4.20 作例追加

昼間(曇天)の屋外。やはり疑似ぼかしは境界が不自然になりがちですかね。カラートーンはいい感じですがオートだと全体に暗くなりがちかも。

こういう時、疑似F値をいくつの設定で撮ったかわからないと、次に活かしづらいのが辛い。あくまで後加工なので表示やEXIFを”詐称”するわけにはいかないんでしょうけど。

続いてぬこ。これもパッと見のカラーはエモいし毛の質感も良いですが、じっくり見てしまうとぼかし境界に違和感が残ります。毛並みもシャープというよりシャープ感があるという感じですね。実際に解像度がメチャ高いわけではないので、トリミング耐性とかは全然ないです。

かなり暗い店内でテーブルフォト。タマネギの質感は良き。またしてもボケすぎました。疑似F値はかなり気を遣いながら撮った方が良さそう。

LEITZ LOOKS撮って出し

同じ環境でiPhone 15 Pro Maxで撮り比べしたのがこちら(撮って出しJPEG)。ポートレートモードではないので疑似ぼかしはかかってないはず。ポートレートでも撮れば良かった。

iPhone 15 Pro Max撮って出し

「マニュアル撮影」モードでDNGでも撮ってみました。Lightroom Mobileで現像してます。だいぶ雰囲気かえちゃいましたがご勘弁を。あくまでスマホ上でここまでの写真が作れるよ、というサンプルとして。

LEITZ PHONE3 RAW撮影+Lightroom現像

総括として、1インチの底上げは効いてるんだろうけど、あくまで「Leicaっぽい雰囲気のエフェクトが超簡単に撮れるSNS用カメラ」という域かなぁと。それはそれでとても刺さる層はいると思います。どのみち多くのSNSは一定以上のファイルサイズ、解像度の写真をアップしても再圧縮して画質落とされちゃうわけで、その範囲内で、もっというとスマホの画面で見て「綺麗!エモい!」っていう写真を量産するにはとても良い。もしかするとiPhoneでもいい感じの加工アプリを見つければ似たようなことはできるかも知れませんが、そういう苦労もいらず、文字焼き込みまで含めてよい感じにまとめてます。ただそういう層が保険も含めて20万超えの価値を見出すかっていうとどうなんだろ?

一方で、SNSの画質劣化が許せず、専門の写真共有サイトとか使うような層には「( ´_ゝ`)フーン」ってくらいかな。メインカメラがLeicaでそれ以外もLeicaロゴ付きグッズ揃えちゃうような人はまぁやっぱりスマホもLEITZ PHONEにしとくかーって人はいるのかも?(たぶんそういう層には20万は気になる値段じゃないでしょうしw)。

Leica/Leitz関係なしに純正に1インチセンサーのスマホカメラとしてみた時に、同格のXperia PRO-Iや物理絞り搭載のXiaomi 14 Ultraなんかと比べてどうかってのは手元にないのでなんとも。でも豆つぶセンサーを画角別に複数もってるよりはなんとなく良さそう。感度なども含めこれからもうちょっと評価していきたいと思います。

■その他の印象

SnapDragon 8 Gen2のおかげか動作はサクサクで不満ありません。防水でもあるのでお風呂でゲームとかするにも不満は感じなさそう。メインはずっとiPhoneなので今すぐどうのとは思いませんが、メイン機として使っても全く問題ない基本性能を備えているといえます。

■まとめ

とりあえずの購入初日のインプレはそんなところです。また昼間の作例やRAW現像をしてみた感触を追記か別記事で出していきたいと思います。