クラウンクロスオーバーの補機バッテリー交換

2年保たずでした。

もともと常時電源にドラレコ監視回路を入れたりしてヘタリ気味だった補機バッテリー(以下バッテリー)ですが、先日食中毒で発熱して病院の駐車場で診察を受けた際、看護師さんがくる度に窓を開けるためにエンジンをかけてたら数回でバッテリーあがりました。大抵は積んでいるキャパシターで始動できるんですが、その日はついにそれでもダメで、結局近くのガソスタに電話かけまくって救援に来てもらいました(保険の付帯サービスを使えば良かったんですが具合悪くて調べるのもダルいし、物理的に近くのGSから呼んだ方が早く来てくれる気がしたので)。

救援に来てもらって5,000円でしたが支払いが店舗に行かないとできないと言われ、「あ、これ新品バッテリー売り込まれる流れやw」と思いつつも仕方なく移動。まぁ案の定でしたがやはり替えるならcaosかイエロートップと決めていたので丁重にお断り。ちなみにスタンドには新車装着と同じメーカーのものが在庫されてましたが、やはりかなりお高い。交換すれば救援費用分をチャラにするとのことでしたが、それでも(自分で交換できる人間からすると)割高な感じでした。

さて、ついにそこまで劣化が進行したとすると、冬は越えられないかもなと思い始め、その後更には交差点で信号待ちしてる時にエンジンが止まり、再始動に30秒くらいワチャワチャして焦るということもありで、これは危ないということで交換を決意。

ここ数年のトヨタ車はバッテリー規格が欧州のLN規格のもので、少し前までPanasonic caosはラインナップが有りませんでした(普及グレードにはあった)。Optimaのドライバッテリー、イエロートップもLNサイズはなくハイトアダプターで高さをあわせる感じで容積の割に容量損してる感が否めず。で、昨年くらいにようやくcaosにLN系のサイズがラインアップされAmazonの買い物リストに入れてあったのをチョイス。

なお、クラウンの説明書によると、

交換前と同一のケースサイズ(LN2)、20 時間率容量(20HR)が同等(55Ah)以上、かつ性能基準値(CCA)が同等(345A)以上の補機バッテリーを使用してください。
(中略)
20時間率容量が小さいと、車両を使用していない時期が短い期間であっても補機バッテリーがあがって、ハイブリッドシステムの始動ができなくなるおそれがあります。

とあります。caos N-370LN/ENは公式ページによると、20 時間率容量が62Ah、CCAが460Aとなっているので余裕で満たしていることがわかります。特に20 時間率容量が高いということは駐車時のちょろちょろ電力消費に強いということなので安心感あります(他のメーカー品と比べてませんが)。

■メモリーバックアップ失敗?

HV車であっても令和になっても補機バッテリーを外すと消えるメモリというのは残っているようで、バックアップは必要なようです。以前に買ってあったエーモンのHV車対応を謳うコレを使いました。

ただこれ前に使った時に効かなかった記憶があり、説明書を調べてみると黒い部分に管ヒューズが入っているとのこと。開けてみるとバッチリ切れてました。近くのホームセンターに交換ヒューズ(30mmの1A)を買いに行き、その日は暗くなってしまったので作業は翌日に。

せっかくなのでバッテリー以前買ったOptmateでフル充電にしておきました。

新品バッテリーは充電してから装着するべきか否かについては諸説あるようですが、メーカー公式には出荷時に充電してるからそのまま装着してOKとなっています。今回はヨドバシで注文してメーカー発送だったので在庫として放置していた時間も短めと予想されましたが、まぁどうせ一晩放置するなら、という位。

ワニ口タイプのバックアップツールはバッテリー電極につけるとバッテリー交換の際にパチっと外れてしまうリスクが高いので、ボンネット側に取り付けることに。バッテリーがトランクにあるクラウンのような車種は救援を受ける時の端子がボンネット内に出ています。写真のようにヒューズボックスのカバーを外すと赤いカバーがついているので、それを開くと露出します。一見プラスチックのようですが側面は金属になっています。

ここにバックアップツールのプラスを接続。このワニ口は不用意に開かないようロック機構があるのも安心。

マイナス側は車体のアース部分ならOKですが、クラウンの公式ポイントとしてエンジンブロックにちょうどいい出っぱりがあるのでそこへ。

バッテリーはトランクの右サイドに格納されているのでカバーを開き、真ん中の固定ステーのネジを緩めます。

ちなみに上に載っている黒いマッチ箱くらいのボックスはリアルタイム電圧をBluetoothでスマホアプリに飛ばす装置です。これによる新旧電圧モニタ結果は後述。まぁこいつが常時電流消費してる説もw

普通に切れたが害はなし?

準備万端なのでいよいよバッテリーのターミナルをマイナスから外します。トランクルームの中なのでトランクルーム内照明が点いているわけですが、マイナスターミナルを外した瞬間にバツっと電気が消える。全然バックアップできてねぇ…

気分が萎えながらも交換続行。交換自体は数分で完了。鮮烈なブルーが映えます。どうせカバーしたら見えないけども。

クラウンの場合、一度補機バッテリーが切断されるとトランクリッドがボタンで閉まらなくなります。今回もそうなったので、やっぱりバックアップはできなかったっぽい。動作確認のためエンジンを始動。うん、きちんとスタートします。トランクは一度手で締めてやれば次からは普段通りに開きますし、それ以外も害はなさそう。一般的にバッテリーを外した後は、

  • オーディオ周り(ラジオのプリセットが飛ぶなど)
  • パワーウインドウがきちんと締まらなくなる(位置リセットが必要)
  • ECUのエンジン回転数制御のパラメーターがとんでアイドリングが不安定になる

など再学習操作が必要になりがちですが、いまのところどれも大丈夫そう(まぁラジオは聴かないのでわかりませんが、今時システムで全国のラジオ局プリセットもってそう)。

結局部屋にもどってバックアップツールのヒューズも調べたらまた切れてました…もうこれは捨てていいかな、、

■バッテリー電圧ログを観察してみる

先に書いたバッテリーモニターBM2のグラフを見てみます。

昨日までは駐車中は12Vをやや切る11.9Vくらいでしたが、交換後はしっかり12V台後半が出るようになりました。僅かな差のようにも思えますが、既定は12Vですし、ドラレコの駐車監視なども何段階か設定できますが12V台を切ったら監視を中止するような作りになってまして、これまでは駐車監視はほぼ機能してなかったんですが、これでまた稼働しそうです。ただもともと劣化が進んだのはそのせいである可能性もあって、この設定を維持するべきかは悩ましいところです。もうちょっと経ったら改めてログをチェックしてみます。

また理屈はよくわかりませんが、運転中の挙動が滑らかになった気がします。以前COLT時代とかでバッテリーが死にかけてる時に交差点など低速域で曲がる時にパワステが電力を使うせいかガタガタ振動が出ることがありました。クラウンも最近ちょっとだけその傾向かとても乗り味を損なっていたんですが、それがかなり改善しました。低速時の振動はトランスミッションの不良(まだDに不良認定/交換してもらえない…)もあるので完璧に治まったとまではいかないですが、だいぶマシになった気がします。同乗者からも「乗り心地良くなった?」と言われました。なんだろう巡航時でもバッテリーが影響しそうなとこでいうとAVSとか?そういうのは走行バッテリーで賄って可能性もありなんともですが、現代の車は電気に頼る部分がありまくるので、とにかく色々安定度が増した印象はあります。

■まとめ

納車が2023年4月だったので、2年経たずにバッテリー交換をしてしまうことになりました。最初にバッテリー上がりを経験したのはほんの3,4ヶ月目くらいだったっと思うので、そこからもう劣化は始まっていたと思います。歴代の車でバッテリー上がらせまくりでしたし、色々後付け電装品をつけているのでおま環である可能性も高いですが、最近のトヨタ/レクサス車のバッテリー上がり問題はよく聞くので、ある程度は設計的なこともあるのかも知れません。クラウンクロスオーバーは寒冷地仕様でもバッテリーサイズは変わらないので、標準仕様でも充分な余裕を持たせていると考えるべきか、寒冷地仕様でも容量アップする余裕がないのか。なんにせよ、もうちょっとバッテリー制御頑張ってほしいものです。

あとどういう時に走行バッテリーから補機バッテリーが充電されるのか画面表示などで明確にしてほしいかな。Youtubeなどみてると駐車中に走行バッテリーに余裕があれば充電されると言ってる人もいますが、挙動的にはパーキングにいれて停車している(システムは起動している)時にしか電圧上がってない気もしてます(「Pにして停車している」状態ってそんなに長くないので充電タイミングとしてはどうかなと思いますが)。上のグラフでも駐車中は徐々に電圧下がっていってますし。「電圧下がり気味だなー」って重たっ時に、どういう使い方をすれば充電が進むのか知りたい。その辺りあまりブラックボックス化をしないでなんならMyTOYOTAアプリにリアルタイムの充電/消費状態を出してほしいくらい。

クラウンクロスオーバーにパフォーマンスダンパーを装着(安く買えたもんで)

■パフォーマンスダンパーとは?

クラウンクロースオーバーはじめトヨタの一定以上のクラスの車種にはカタログオプションでパフォーマンスダンパーというのが用意されています。これは左右に伸縮性のある”つっかえ”をして車体の歪みからくる様々なデメリットを低減するといったものです。タワーバーに似ている発想ですがガチのつっかえ棒ではなく、バネ構造(厳密にはスプリングではなく油圧的ななにか)をもっていて制振するという違いがあるようです。トヨタ車用はTRDのブランドでディーラーオプションとして販売されていて、中の技術はYAMAHAが噛んでいるようです(ロゴがついてる)。ドアスタビライザーが実質アイシン製であるように実際の企画製造はヤマハっぽいですね。

あまりクラウンクロスオーバーでのレビューが見当たらないんですが、とりあえずトヨタ公式でアルファードにつけて五味さんがレビューしている動画がこちら。

河口まなぶさんが自腹で60プリウスに装着したレビューがこちら。

なお、車種によって取り付けるダンパーの数や場所が違います。アルファードは前後2本、プリウスはかなり多いようですが、クラウンクロスオーバーはフロント1本のみです。

■特価だったので衝動買い

さて、このパフォーマンスダンパー、クラウン用は工賃別の本体価格が5万円。もともと納車1年くらいのタイミングで追加して乗り味の変化を楽しもうと思ってたんですが、ちょうどその頃仕事が減って金欠だったので見送っていました。

そんな折り、ふとAmazonのウィッシュリストをみると値段が爆下がりしているのを発見。

約2.3万なので半額以下です。しかもあやしいショップではなくAmazon販売品。残り一点だったので深夜の勢いでポチってしまいました。ちなみに残り1点でしたので、今はもう4.7万円くらいに。ただKeepaによると過去にも何度か2万円台に落ちているようなので、気になる方は気長にウォッチしてみるといいかも知れません。

■取り付けはDIY

なんかせっかく安く買えたので別で工賃が万単位でかかっちゃうのもなんだなー、とか、通販品を持込で作業依頼するとお店にも旨味が少なくていい顔されないイメージとかあって、DIYでチャレンジすることに。

大枠は、

  • エンジンカバーを外す(ボルトネジx13本くらい)
  • もとからついている4本のボルトを取り、代わりに付属ネジを使ってダンパーを固定する
  • エンジンカバーを戻す

という行程になります。エンジンカバーはてっきりクリップ止めだと思ったんですが、プラスねじ穴のついた六角ボルトでした。ダンパーの固定ボルトの締結力(ネジを締める強さ)が指示されているのでトルクレンチが必要なのと、作業性を考えるとフロントだけでもリフトできることが難所でしょうか。トルクレンチは40N・mと20N・mの箇所があるので、そのレンジに対応したものが必要になります。あとは作業効率でいうと電動ドライバーがあると早いです。

リフトアップにはジャッキやウマよりも転倒リスクが低いカースロープが良いと思います。理想はこれくらい(17cm)上がると良いですが、お値段もさることながら全長が長いので作業後の保管場所に困る人はご注意ください。

自分はもとから駐車場にあるスロープと高さ10cmのコンクリートブロックでなんとかしてしまいましたが、後輪にこういう車輪止めをかましておくと良いと思います。

そこまで半身を車体の下にいれるほど奥まった箇所ではないので、リスクは最低限かなとは思いますがDIYされる方は伸張に作業してください。オイル交換(下抜き)に慣れている/作業環境がある方ならどうにかなるレベルかなと思います。

基本的にはネジを緩めて締め直すだけなのでものの30分もあればできると高をくくってたんですが、電動ツールを発掘するのが面倒で全て手回しでやったためか1.5時間くらいかかった気がします。16時台に始めて終わることには真っ暗でした。

■装着後の感想

現在二日目でまだそれほど走れてないですが、一応自動車専用道も含めて軽く走ったファーストインプレなど。この手のレビューって難しいのは取り付け前の状態を再確認できないことですよね。「あれ?これって前はどうだっけ?」と思っても比べる手段がない。

まず一般道で道路の凹凸やマンホール、段差などによるコツコツ感は小さくなった、、ような気はします。ただクラウンのそれは元から結構上質だったので劇的かというとそこまでではないかも知れません。また初日だけなにか全体にへんな振動を感じ、同乗者にも「なんか乗り心地悪くなってない?」と言われました。ちょっと腹に来るというか。思わずドライブモードでAVSを固めにしたくなったほど。ただ取り付け作業で少し体調が悪かったのもあったのか、個人的には翌日には気にならなくなりました。

ハンドリングも追従性、回頭性が上がったように感じます。以前カローラスポーツでタイヤをミシュランPilot Sport5に履き替えた時の感覚に近い。クイっと思い描いた通りに曲がれる感じ。

高速(第三京浜、K7)で一番感じたのはレーンチェンジの応答性が上がったというか、最低限のステアリング操作でスッと移れるようになった感じ。片側のタイヤがラインをまたいだくらいでもうハンドル戻しはじめちゃうというか「あれ、こんなに少ない操舵量でレーンチェンジできてたっけ?」と感じました。しかしもう比べる術はなし…

コツコツ感も一般道よりはわかりやすく軽減されている気はしますが、もとから良かったしなぁとも。決してドライブモードをコンフォートにしたようなフニャフニャさでいなしているのではなく、しっかしコツンと感触があって、それがピタっと収まる感じ。前の前に乗ってた初代LEVORG A型がこんな感じだっけなぁという気になりました。ただなんかよりAVSをマメに固く切り替えたいとか、タイヤに空気をしっかり入れたいという気もしました。なにかしらの不快さからくるのか、気持ち良くてよりスポーティに走りたくなるからなのか自分でも正直まだ解釈ができてません。

近いうちにしっかり空気圧点検して首都高に行こうかなと思います。

■まとめ

狙っていたパフォーマンスダンパーが半額以下で手に入って非常にアガってましたが、同乗者にビミョーな反応をされてちょっと自分でも冷めたというか冷静寄りの感想になっています。ドアスタビライザーの時ほどの劇的な違いはないかな?定価で買って工賃まで払ってたらちょっとガッカリかも位。

というか効果が近いので両方つけると相乗効果というよりはカブるところがあって1+1が1.75くらいにしかならないとかはあるのかも?まぁでも2.2万円なら全然アリです。

これからまた走り込んで追加の気付きがったら追記します。(でもこういうパーツはどんどん印象が日常化して元の状態との違いがわからなくなってきますね…)

PICASOU2 ProからCarMate TV + FireTV Stickに乗り換え

クラウンの車載映像環境ですが、これまでOttcastのPICASOU2 Proを使っていました。

これはいわゆるAIBOXと呼ばれるジャンルの有線CarPlay端末をエミュレートするAndroid端末で、CarPlay対応カーナビからはiPhoneが接続されたかのように振る舞い、CarPlayやAndroid Auto接続では使えないアプリも自由に使え、タッチパネル操作も可能で、なおかつ走行中も制限なく利用可能というデバイスです。最近の純正ナビは従来のキャンセラーとは相性が悪い(GPS信号をカットして停止状態に見せかけると、ナビや運転支援機能の精度に支障が出る)ので、その代替として注目を浴びています。特にこのPICASOU2 ProはHDMI入力を備えているため、AppleTVやFireTV Stick(以下FireTV)、Chromecast with GoogleTVのようなストリーミング端末、Switchのようなゲーム機、果ては地デジチューナーなどの映像もこれ経由でナビ画面に映せるという特長を持っていました。

ただし問題点もあって、クラウンなどの12.3インチ超ワイド画面のナビだと、多くのアプリが想定外の縦横比なため、異常に横に長くなり、結果的にものすごく使いづらくなりがち。横幅基準でかなり大きい画面だと認識されて表示要素がかなり大きくなり、逆に縦スクロールがめちゃめちゃ必要になる感じです。まあタッチパネルによる操作も近くは良いのですが、自分の座席と反対側の端っこのボタンは背中を浮かせないと手が届かなかったりしがち。

購入当初はせっかくのワイド画面を活かして、ナビアプリと動画アプリを二画面表示して運転席寄りにナビを表示しつつ、助手席には動画を見せる、みたいなことをしたかったんですが、メモリが4GBしかないせいか不安定で、しまいには車載側のナビまで影響が出たりして最近はナビ系アプリは一切使わないようにしていました(なんとなく車両からGPS信号をとってるとダメな気がしたので)。

他にもNetflixアプリがAndroidTV用ではなく多分スマホアプリ版なせいだと思うんですが、トップ画面に使いもしないゲームがズラっと並ぶなど使い勝手が最悪だったり。

ではPICASOU2 Proの特長であるHDMI入力にAppleTVを使ってリモコンで操作すればイイジャナイ、というかもともとそれがしたくて購入したわけですが、これも問題があって、ナビ側の処理落ちでヒドく音ズレが起きて視聴に堪えないという…。ほんならシステムレベルで音ズレ補正があるFireTV Stickなら、、、と思うワケですが、今度はずっと放置されているバグで音声が左のみのモノラルになってしまうという。

もう「ハンパなAndroid機能なくていいから、HDMI入力映像を単純にCarPlay出力してくれて、音ズレやモノラルバグがなければそれでいいのに…」と思っていたんですが、そしたら当のOttocastから出ました。Car Mate TVおよびCar Mate TV Proです。

送出側が有線CarPlay、入力側がHDMIの単機能変換デバイスです。PICASOU2 ProやPICASOU3のようなAIBOXが4,5万円するのに比べ、これらは実質1.5~2万円程度と半額以下で購入可能です。もちろん技適取得済みです。

・ラインナップ整理

無印とProの違いは、ProにだけワイヤレスCarPlayレシーバーの機能が追加されています。車両の有線CarPlayポートを専有してしまうかわりに、無線経由CarPlayを受けられるようになります。値段はほぼ変わらないんですが、自分は無印をあえてチョイス。何故ならProは起動時に「CarPlay」「HDMI」の選択画面が毎回出るっぽいからです。もしかするとHDMI信号の入力を検知して自動で「HDMI」が選ばれるかもと思ったんですが、公式サイトやレビュー動画をみても触れられていなかったので、滅多に使わないCarPlayのために毎回1タッチ操作が増えるリスクを嫌って無印に。CarPlay使いたい時はUSBを刺し替えればいいかなと。

また非常にわかりにくいですが無印にも2種類あるようです(上記リンクの1番目と2番目)。型番やスペック、最新ファームウェアのバージョン番号までどう見比べても同じなのですが、見た目が明らかに違います。2番目の方は外観はProと同じで〇の中にロゴが入ったデザインです。サイズは誤差レベルで1番目の方が小さいのかなと思いましたが、たぶん2番目の方が「2024新型」と書いてあるのでより新しい改良モデルの可能性があったのと、本体から生えているUSBケーブルが2番目の方が短くて取り回しが良さそうなのでそちらを選びました。設置環境によってはケーブルが長い1番目を選ぶのも良いかも知れません。

■不満は解決した?

・FireTVのモノラル化バグは解消

最大の懸念であったFireTVの音声がモノラルになる(L音声が左右両スピーカーから出る)バグは出ませんでした。こういうテスト用動画でみてもちゃんと「右」って出ている時に声でも「みぎっ」って聞こえます。PICASOU2 Pro + FireTVだとなにも聞こえない状態でした。

・音ズレはマシにはなってるが完全ではない

では音ズレは?というと、PICASOU2 Pro + FireTVよりいくぶんマシになった気はしますが、ゼロではないという感じ。下の写真はFireTVのシンク補正画面です。

真ん中の青いブロックが左から右へと繰り返し流れていき、緑のボールはずっと上下にバウンドしています。ブロックとボールがブロック崩しのように衝突する瞬間に音がなり、視覚と聴覚のズレを見極める仕組みです。リモコンの左右ボタンで下の黄色いノブを左右に動かしズレ幅を補正します。おそらく▲のところが補正ナシだと思います。

さすがに補正ゼロ(▲位置)だと音ズレを感じ、Car Mate TV + Toyota 22ナビだと写真の位置(-12ノッチ)前後がいい感じです(正直前後2,3ノッチくらいだと違いがわからないレベル)。PICASOU2 Pro経由の時はさらに5ノッチくらい左にしていました。

一度補正すればOS全体に反映されるので普段はほぼ気にする必要はありません。ただ自分の知る限りこの補正機能はFireTVにしかありません。音ズレが完全に解消できるならAppleTVに戻したかったんですが、現状それは難しそうです。この音ズレはカーナビ側の性能に依存しているらしいのでCarPlay端末がなんであれゼロにはならないっぽい。ので、CarPlay端末かHDMI出力デバイス側が意識して音をズラして送出してくれる必要があって、現状はFireTVくらいしかそれができなそう、ということです。できればCar Mate TVに補正機能がついてほしいものです。

FireTVは4Kモデルでも実売価格安くていいんですが、最近はホーム画面にすらCMを流すようになっててウザい。あと早送り、早戻しの操作方法やレスポンスもAppleTVのスライドパッドが飛び抜けて快適なんですよね、、

ちょっとまだ電源配線の都合でCar Mate TV + AppleTV 4Kはテストできてないですが、FireTVで音ズレ補正が必要なのを見る限り難しいかなと思っています。tvOS18とかで音ズレ補正機能搭載してくれないかなー…

・補助電源ケーブル不要で動く!

PICASOU2 ProはクラウンのUSB Aポート直結では電力不足で、付属の二股ケーブルで別の充電用USBポートにも接続する必要がありました。しかし処理がシンプルな分、電力消費も抑えられるのか、本機はCarPlay用USBポートに接続するだけで動きました。コンソールボックス内が随分シンプルになった点も地味にメリットです。

そういえば起動時間も若干短いかも?

■設定操作周り

無印Car Mate TVをCarPlay対応ナビにつなぐとHDMI信号待機画面になります(Car Mate TV Proの場合はCarPlayかHDMIか選択画面)。HDMI信号が来ると自動で映るので基本的にCar Mate TV自体に操作要素はほぼありません。ナビ画面をタッチすると画面がフルかアスペクト保持の二択で切り替わります。クラウンのような超ワイド画面の場合、フルにしてしまうと横に太った映像になってしまうので基本触りません。また長押しすると純正ナビに戻ります。この長押し判定が若干渋いという意図通りにいかないことがあるので、できれば短押しに純正ナビ切り替えをアサインしてほしいです。

ファームウェア更新を含む若干の設定は実は本機がWi-FiアクセスポイントとしてSSIDをとばしていて、そこにスマホで接続しWebブラウザから設定画面にアクセスします。SSIDは「Auto-xxxx」(xxxxは個体毎の数字)で、パスワードは「88888888」です。IPアドレスは192.168.1.101。購入時点で最新ファームウェアが適用済みでした。 後でよくみたら最新ファーム来てました。202407~みたいなのが2024年9月現在最新ぽいです。

■まとめ

多機能なAIBOXにかえてシンプルなHDMI変換デバイスのCar Mate TVを導入しました。おそらく手持ちのAIBOX二機種を処分すればお釣りが出るほど安くて良いです。AIBOXは多機能な分、Androidの基本知識がない人に進めづらい部分もありましたが、Car Mate TV自体はほぼ操作要素なしでかつ別途FireTVを買ってもトータルで安くあがるほど安価なので、CarPlay対応車両/ナビをお使いの人にとっては(色々問題のある)ナビ/TVキャンセラーに変わる有望デバイスになるんじゃないでしょうか。

個人的には値段が倍になってもいいのでプロセッサを強化するなどして音ズレ補正機能を搭載してほしいです。ちなみに現在公式情報として、

2024年8月7日時点、HONDA ConnectのZR-V ehev、VEZELやCIVIC及びシビックFLでは、音ズレする事象が確認されておりますが改善策を検討中です。

という記載があります。「トヨタ車でも起きるで?」と言いたいところですが、将来的になにかしら補正機能がついたファームウェア更新が期待できるかも?というところですかね。

■AppleTVも接続してみた。音ズレは…

翌日電源配線を直してAppleTVで再テストしてみました。モデルは第四世代のHD、tvOSは17.6系最新です。

・カラーバランス補正

最近のAppleTVはFaceTime搭載iPhoneを使って自動色味調整ができます。設定モードに入るとTV画面に「ここにiPhoneの画面側を向けて当ててね」っていう枠が出るんですが12.3インチといえどそれが小さすぎて実物のiPhoneサイズと全くあいません。苦心の末、ナビ画面をタッチしてアスペクト比無視のフルスクリーンにしてちょっとだけ拡大した状態で、iPhoneのインカメラを距離1cmくらいに近づけたら計測に進めました。結果として補正前より若干色コントラストが上がって鮮やかになったようです。

・ワイヤレススピーカー同期

実はAppleTVにも音ズレ補正的な機能がありました。「ワイヤレススピーカー同期」という項目で、文字通りBluetooth経由などのスピーカーを使った時の音ズレを補正しようというものみたいです。TV(今回は車両)スピーカーから信号音を出し、それをiPhoneのマイクに拾わせて時間差を計測してるみたいです。最初「トーン信号を検出できませんでした」的なエラーが出てなかなか計測できませんでしたが、ナビ音量を40以上まで上げ、iPhoneのマイク側をドアスピーカーに近づけてようやく検知してくれました。

結果としてはいまいち。補正できたかどうか微妙です。

本来は針が真ん中(真上)を刺した瞬間に音が鳴るはずが、若干遅れて左右に2目盛りほど針が進んだ瞬間に鳴っています。これだけズレていると、人がしゃべっている動画だとリップシンクが気になります。アニメやゲームとかでも爆発とか何かがぶつかってカン!とか衝突するような効果音だと違和感が生じます。

操作感ではAppleTVの方が抜群に良いのですが、このズレ補正ができるのがFireTV Stickという感じで現状は操作感を我慢してFireTVかなぁというところです。Car Mate TV自体に音ズレ補正機能が搭載されることを切望します。

[3Dプリント] 新型クラウン用のマグネット式リモコンホルダー

クラウンクロスオーバーの運転席周りにFireTV Stickのリモコンを固定する場所がなかったので3Dプリンターで自作して当初は両面テープで固定していたんですが、出張でホテル用に持ち出したい時やちょっと音声認識をさせるのでリモコンを口元に持って来たいことがあるなーということで着脱式にチャレンジ。

シフトレバーを右に倒した時に干渉しないようやや外側(ドライバー側)にオフセットする調整がシビアでした。若干パノラミックビューモニターの起動ボタンが押しづらくはなりますが、これ以上後方寄りにすると、更に右オフセットを大きくとらないとならず、それはそれで邪魔な感じでした。リモコンが斜めになってもよければやり様はあるんですが。でもまぁ自分の体型的に指が自然に届くという意味でもこの辺りがベストかなと思っています。

裏面はこんな感じ。

ベースプレートとリモコン背面プレートそれぞれに百均のマグネットが埋め込んであってピタっとくっつきます。ボタンを押した時にシーソーみたいにリモコン自体がガタついてしまわないよう、プレートの長さも調整しました。ミュートや電源ボタンはまだ不安がありますが、ほぼ使わないのでヨシ!

あとプレートをつけたまま電池ブタを空けて電池交換ができるところもポイントですね。

ちなみに現在の動画サービスボタンがついているProリモコンだと背面の湾曲度が微妙に違っていて互換性がないです。そちらも追加購入してもっているんですが、そっちはBluetoothヘッドフォン切り替えボタンがついててホテル用に便利なので、使い分け。

動画でみるとこんな感じ。

[余談] 車載にFireTV Stickが良いワケ

AppleTV、FireTV Stick、Chromecast with GoogleTVをすべて複数所有している自分が最近は車載用としてはFireTVに落ち着いている理由を簡単に。まぁまずは価格が安いのは大きいですね。あとはDOPのHDMI入力に使う分には問題ないんですが、PICASOU2 ProのHDMI入力経由の場合、ナビ側のCarPlayプロセッサの能力で絵と音にズレが生じます。これをOSレベルで補正できるのがFireTVだけなんですよね。まぁPICASOU2 Pro使うならそちらでネイティブに動画サービスアプリを実行すりゃいいじゃんって話なんですが、クラウンの超ワイド画面だと想定外のアスペクト比で割と使いにくかったり。あと画面タッチも遠いし。

いずれにせよ他のリモコンも大概手元にあるので要望があれば対応のご相談もお受けできると思いますのでコメントでお知らせください(実費くらいは御請求になると思います)。

車用に新レンズSIGMA 85mm F1.4 DC DNを購入

昨年末、掛川花鳥園に行く機会があり、明るい(ボケる)望遠レンズとしてSIGMAの135mm F1.8を購入しました。

とてもいいレンズでクラウン納車後もよくこれで撮っていました。広角と違って歪みが少ないのでクルマの本来の綺麗なラインが出せるし、F1.8で背景が綺麗にボケて印象的な写真が撮れました。

が、欠点として、デカい、重いに加えてかなり遠ざからないと車体前部がフレームに収まらないという点が次第に気になり、さすがに135mmでクルマは厳しい、という結論に至りました。レンズだけで1kgをゆうに越えるので普通に振り回すどころか持ち歩いてるだけでもツラい。

ということで、同じ中望遠カテゴリながらもポートレートなどでよく使われる85mm帯域で明るいレンズを物色。SONYのGMレンズ(20万超)は論外だしということでSIGMAの85mm F1.4 DC DN Artをチョイス。

SIGMA 85mm F1.4 DGDN Art Eマウント用

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118,800円(01/18 05:10時点)
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先代というかミラーレス専用設計になる前の85mm F1.4 DG HSMに比べて大幅にコンパクトになり、重量も630gと135mmの半分です。映りはさすがのArtラインで135mm F1.8と比べて遜色ないと感じますし、F1.4なので理論上は更にボケることになります。お手頃なSAMYANG MFとも悩みつつもやっぱAF欲しい、SAMYANGのAFモデルならSIGMAとそんなに値段もかわらん、ってことでパス。

基本止まってるクルマ撮るだけならMFでもいいかと思ったんですが、135mmより振り回せるなら家の中でぬっこも撮るかもなとか。MFで割り切れるならSAMYANGも評判悪くないのでありかも知れません。

■作例(クラウンクロスオーバー)

空はかなり白くなったので現像でいじってます。後日、後述のNDフィルターでもっと青い空にして撮ってみたいです。
背景は綺麗にボケてるかなと思います。
デイライト周りの細かい質感もきっちり写っててて良き
夜間。コンビニの照明下。かなり明るく写ってたので現像でいじってます。ボディの複雑なサイドラインが映り込みでエロチック、マッスル感を出しています。

■フィルター周り

主にクルマを撮る想定だったので、C-PLフィルターとNDフィルターも買うことにしたんですが、今回は脱着の簡単さや薄さを重視して、始めてマグネット脱着式を買って見ました。キャップも含め色々セットもありますが、NDは可変式がいいなということで、これらの3つを組み合わせて買って見ました。

ベースリングとC-PLフィルター

ガラスの映り込みをコントロールできます。またレンズ側に切ってあるネジ溝に取り付けるベースのリングもセットになっています。

可変NDフィルター(ND2~32)

日差しが強すぎる日に光量を落として、開放でも光が飽和しないようにします。濃さとして2~32が妥当かわかりませんが、とりあえず何枚も持つよりは可変タイプで済ませようかと。不足を感じたらもっと濃いものを買い足すかも知れません。

キャップ

ベースはただのリングで保護能力はないのでキャップもゲット。脱着が楽なのはもとより、普通のキャップよりも薄いので外した時にポケットなどで嵩張らないのもいいなと思います。

ベースのリングをレンズ先端にねじ込みで固定すると、後はマグネットでカチっとつきます。外すのもひっぱるだけ。超簡単。もちろん重ねてつけることもできます(もちろん重量やケラレが問題にならない範囲ですが)。これは良い。なんなら他のレンズのフィルターも全部コレにしたい。

レンズに付属のフードとの相性は微妙。フードをつけたまま奥まったフィルターの脱着はもちろん無理ですが、フードを逆向きに取り付けた状態でもキャップの脱着はかなり厳しいです。

ちょっとまだこれを使った作例は撮れてないので、そのうち追加します。

■まとめ

同じSIGMAのArtラインの焦点距離違いなので、写りや使い勝手は違和感なく、手頃で使いやすい環境となりました。135mmはもったいないけど、また花鳥園や動物園にでも行かない限り活躍の場は減るかなと思います(でも手放すのももったいないので思案中)。狭いところで撮ったり、特段狙って迫力重視の写真を撮る時でもなければ、この85mmをつけっぱなしにしておいても、取り回し的には充分かなと思います。最短撮影距離が長いのでさすがにテーブルフォトなどは厳しいですが。135mmだとサービスエリアでクルマを撮って、撮れ高チェックのために施設内のレストランに行こうと思ったら一旦小さいレンズに付け替えないと無駄に重くて嵩張る、みたいなことが気になりましたが、この85mmならそのままでも気にならないです。

これでも撮影距離としては結構離れています。周りからみたら「あの人なににカメラ向けてんの??」ってなるレベル。それでもこれ以上近づいて35mmや50mmとなると歪みも気になりだしそうで、クルマの本来のボディを正確に、かつフレームにまるごと収めるくらいの構図でとるなら85mmくらいって最適なのかなと思います。もちろん標準域や広角ならではの表現というのもあると思うので、上手く使い分けて行きたいと思います。

なお、クラウン写真専用のInstagramアカウントを解説したので、ゴタクはいいから写真だけ見たいという方はそちらもどうぞ。

https://www.instagram.com/hornet_crown/