ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けるキット製作

我が家の玄関ドアはASSA ABLOYという海外製メーカーのシリンダー/ロックケース/サムターンがついている木製ドアです。ここ製の全てのものがそうかは不明ですが、ウチについているのはサムターンが360度以上クルクル空転するタイプで、Sesameをはじめとするスマートロックと相性が悪いです。たぶんこれ。いままで3Dプリンターを使ったDIYでどうにか使ってきましたが、今回コメントで同じ系統のドアをお使いの方から頒布してほしいと要望をいただいたので、改めて微調整をし、新たにサムターンホルダーも設計してみました。

過去記事はこちら。

■ドアの仕様

まずサムターン部分はこんな感じの菱形をしています。

ASSA製のサムターン

しかもこのまま奥まで寸胴ではなく、すぼまったような形をしています。正面写真だけ送ってメーカーのサムターンアダプタ設計サービスを受けるといまいち掴みが弱い(一番太い頂点部分でのみ保持)ものになってしまう可能性があります(メーカー公式サービスを受けたことがないので、上下左右の写真も送ってしっかりしたものを作ってくれるかもは知れませんが)。

また国産のサムターンではあまり見ない、ロックトゥロックが360度を超えて回転するタイプで、「施錠位置から解錠位置まで何度どちらに回転」という制御をするスマートロックがそのままでは使用できないことがあります。例えば「右に90度で施錠」、「左に90度で解錠」という設定があったとしても、このサムターンは手で操作するとさらに左右に回ってしまうので、そこから90度回しても施錠/解錠ができない、という事態になります。

更にこの会社の製品は北欧の木製ドアに使われることも多いらしく、できればSesame本体を両面テープを使って貼り付けたくない問題があります。

まとめると、ASSA ABLOYの一部ドア製品は、スマートロックを取り付けるにあたって、

  • サムターン形状が特殊
  • サムターンが360度以上回転するので人力が介在すると正常にロック/アンロックできない
  • (ドアが木製だと)Sesame本体を両面テープで貼り付けたくない

という三重苦を抱えていることになります。

今回のキットは3Dプリンターでそれらを解決するためのキットになります。

■サムターンアダプター

今回新たにモデリングしたのがこのサムターンアダプターです。手前から差し込む形状だと奥のすぼまりに対応できないので、左右からサンドイッチする2パーツ構成にしました。

サンドイッチした後でセロハンテープで巻いて固定しています。一見手抜きのようですが、色々実験した結果、Sesame本体のアームとあまりガッチリにせずある程度上下に滑って動いた方が動作がスムーズっぽい、ということがわかり、摩擦が低くなるセロテープ式を採用しました。あんまり目に入らないしいいかなと。もし真っ黒なのが売ってればマスキングテープとかでも良いかも知れません。なにかしら表面がツルツルしたものが良いと思います。

ちなみにSesame側のアーム幅よりも少しだけ細くなっているのも仕様です。これは純正アダプタの説明でも、

サムターンアダプターは回転効率を上げるため隙間を持たせて設計しております。

お取り付け後も固定はされない状態で問題はございませんので、テープや詰め物などで固定されませんようお願いいたします。

と記載されており、アームがゆるゆると動くマージンを残しておくのが重要のようです。

■回転ストッパー

そしてサムターンが360度以上無駄に回転しないようにするのがこちらの回転ストッパーです。

(頒布版からはDo-guganロゴは抜いています)

Sesame3用に開発しましたが、今回、全体に薄型化されたSesame5用に微調整を加えました。また家庭用プリンターでは文字刻印が綺麗に出ないかもと思いロゴは削除しています。

こんな感じでSesame5下部に取り付けます。

取り付け位置の調整ポイントは2点。

  • 前後位置:手前面を揃える(突起の背面に少し隙間ができ、サムターンの回転を邪魔しない)
  • 左右位置:突起の左面(垂直になっている)がサムターンの円の中心線くらいを目安

という位置に貼り付けます。

2024.7.23追記:サイド取り付けタイプ

同じサムターン形状でも実際にロックボルトが動く開錠~施錠の動作位置が異なるパターンのご報告をいただき、ストッパーの突起を下からではなく横から生やすタイプも開発しました。レンダリングCGですがこんな形状で、Sesameの電池ボックス側のフラットな表面に貼り付ける想定です。

下部貼り付け型もついちゃってますが、試作品を貼り付けた様子がこんな感じ(試作用高速フィラメントなので色も違うし粗も目立っています。あくまで貼り付け方法のイメージ用として)。

最終版はもう少し突起の形状を短く太く変更して、サムターンができるだけ360度に近いギリギリまでまわるようにしています。また左側の電池ブタも干渉せず手前に引き抜くことができます。

今回は単純に9時の方向から真横に生やすようにしていますが、設置状況によってはもっと半端な角度に調整する必要があるかも知れません。お使いのドアの動作範囲を確認していただき個別対応を前提にしあ方が良いのかも。

プレート自体を全面カバーにせずもっと小さくすれば、貼り付け位置を自分で調整できていいのかもとは思ったんですが、サムターンが当たっても負けずに受け止めてくれないとなので、接着面を最大にしたかったのと、見栄えの問題で現状はこうしている感じです。

■固定用バックプレート

両面テープを使わず、ドアにダメージを残さない形でSesame5を取り付けるのがバックプレートです。ただしサムターン両脇の2つのネジを一旦取り外し、サムターンのベースの下に挟み込む形で共締めします。この際、ドア外側のキーシリンダー部分が外れ落ちるので、マステなどで仮止めしておくか誰かに手で押さえておいてもらうことをお勧めします。

ちなみに熱で反りにくいよう、PLA素材よりも耐熱性が高いPETGで造形しています。おそらく一般的な家庭の環境であれば問題ないかなと思っています。

ドア内側から見て左にドアノブがついているパターンの方から要望をいただき、左右反転したバージョンも用意しました。

まずドアのサムターンをクルクル回転して、カシャっとロックボルトが動く位置を見定めます。おそらく解錠に動く位置と施錠に動く位置が全く同角度ではないと思います。それでも「ここからここまでの回転に絞れば、解錠も施錠もできる」という角度範囲を探ってください。その範囲と、Sesame+回転ストッパーの動作範囲が重なるように気をつけて位置を仮決めし、Sesame側のサムターンを回して解錠/施錠ができることを確かめます。ドア側のサムターンとSesameのサムターンの中心が揃うのが理想ですが、Sesameのサムターン裏のアームはスライドする仕組みになっているので、多少はズレても対応できると思います。それでもできるだけ少ない力で回せた方が電池の減りも少ないと思うので、音などを聴きながらスムーズに回転できる位置を探ってみてください。

位置決めができたらSesame付属の両面テープなどでこのプレートに本体を貼り付けます。個人的には付属のテープより、この手↓の剥がす時に破れにくく、耐熱性能も高い両面テープがお勧めです。かなり強いので、Sesame側の接着面の全面に貼らずに一部だけ充分保持できると思います。逆に全面で接着してしまうと後日剥がしたくなった時に大変になると思うので、面積少なめからお試しいただくと良いと思います。

充分に固定ができたら、Sesameアプリの「角度の設定」画面で施錠位置と解錠位置を設定してやれば良いはずです。

■オマケ:Sesameリモート用バックプレート

先日発売された室内用リモコンのSesameリモートを、壁(石膏ボード)に大きな穴を開けずにとりつけるプレートも作りました。

こんな感じの小さな穴が四隅に開いた板です。ピンだけだと1000本入りとかになるので、こういう製品からピンだけ抜いて使うのが良いと思います。

こうしたピンだけなら抜いた後の穴も最小限なので賃貸などで退去時の補修も最低限で済むと思います。

(紹介の製品で現物確認をしていないのでもしかしたら穴の径が合わないかも知れません。場合によってはキリなどで穴を広げる必要があるのでご了承ください。また壁紙の裏が石膏ボードではなく柱材などだった場合はより太い釘などが必要になる可能性もあります。)

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けたい、という方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、もし本キットがお役に立ちそうであれば材料費1,000円+送料程度でお裾分けしますのでコメントにてお知らせください。

例のブロワーをプチ改造。起動ドングルをぶら下げるリングを増設

こちらの洗車用ブロワーですが、やはり起動用の安全キーというかドングル的なものを挿しっぱなしだと少なくともLEDが点灯してるだけの電力消費はあるらしく、別の洗車機会に使おうと思ったら完全に空になっていました。

この写真でUSB-Cポートの近くに差し込んであるのがそれです。正式名称不明。単に後ろにリング状になってる配線で2つの電極をショートさせるだけのものですが、これを差し込まないと通電しないようになっています。

お子さんやペットがいる家庭などで不意にトリガーを押し込んでしまいブレードが回転して事故につながるリスクを抑止しているんだと思いますが、外した状態で本体に格納したりぶら下げたりするところは皆無なので保管に困ります。

ということで3Dプリンターワーク。

ファンの下の顎の部分にストラップリングを取り付けました。ちょうどその部分がフラットになっていて両面テープを取り付け易かったので。ストラップは百均で買ってきたもの。

ちょっとわかりにくいかもですが、3Dモデルでみせるとこんな部品です。(ドラッグでグリグリ動かせます)。

ブラブラして邪魔な感じもしますがまぁ仕方ない。当初、カチっとはめこむようなホルダーも考えたんですが、外れて紛失するのは一番ダメだなということで、より確実に紐で結ぶ形にしました。まぁこれもリングが破損して外れるかもですが、そう重いものでも引っ張るものでもないので大丈夫かなと。

フィラメントには層間密着性(レイヤーの剥がれにくさ)がPLAより高いPETGを使い、リングの引っ張り方向に層ができないよう、造形の向きにも配慮しました。

とりあえずこれで「使いたい時にはぶら下がっているドングルを差し込む」という運用ができるようになりました。

サーバー移転。メモリ増強、ConoHaのKUSANAGI9イメージをAlmaLinux9に転換

■CentOS7のコミュニティサポート期限が切れる!

このブログをホストしているサーバーのOSはCentOS7でしたが、2024年6月30日でコミュニティサポート期限が終了することに6月に入って気付きました。基本新しいもの好きでPCやスマホのOSはリリース当日に即インストールすることが多いですが、サーバーOSやPHPなどのミドルウェアはなにかあった時の切り戻しが難しいしダウンタイムの発生は避けたいので保留しがち。しかしさすがにサポート切れのOSを使うワケにはいきません。以前ならCentOS7->8のアップグレードパスがあったようですが、CentOS8自体が終了してしまい多くのミラーサーバーからも消えてしまっている様子。実態として稼働しているのはWordPressのサイトが5つ程度といくつかのオリジナルPHPスクリプトによるサービスのみ。だったらひとつひとつ手作業で新サーバーに移設していく方が安全かなと思い、新規サーバーを建ててしまうことにしました。

■同じConoHaで1G->4Gプランに

今までメモリ1GBのVPSプランでしたがWordPress(KUSANAGI8)がモッサリで色々と高速化、最適化の工夫をしてみてもいまひとつでした。よくよく調べてみるとKUSANAGI for ConoHaは推奨メモリが4GBでした。契約当時からそうだっけ?というところではありますが、ともあれ「そりゃ遅いわけだ」と。下手をするとKUSANAGIの処理が上乗せされたことで、かえってバニラのWordPressより遅くなってた疑惑すら。一応いままで1GBで動いてはいたので、2GBにするか素直に推奨の4GBにするか悩みました。選定当時、梅雨トクキャンペーンというセールをやっていて、36ヶ月分一括払いした時の料金とスペックはこんな感じでした。

選定時点のセール価格(36ヶ月前払い時)

2GBと4GBで倍ほど違うのでさすがに迷います。ただまぁモッサリはイヤだなというのと、幸いサーバー利用者からカンパの申し出もあったので贅沢に(?)4GBプランとすることにしました。

ちなみにこの価格は新規サーバー構築時のみです。実は3年分払ってやっぱうまく移行できなかったわってなったら大変なので最初1ヶ月契約して後ほど延長しようと思ったんですが(以前のきっぷシステムならできたはず)、今の「まとめトク」システムのせいかこのキャンペーンがなのか不明ですがNGと後になって発覚。仕方ないのでセッティングが全て終わった一ヶ月契約サーバーのイメージ保存を行い、別途新規に3年契約サーバーをつくってイメージから復元する、という手順をとることに。IPアドレスが二回かわることになってしまいやや手間でした。まぁ実際になんかあったらもっと大変だったので、これで済むとわかってれば次回もそうするかも?やはりいきなり3年契約は勇気いりますよね。この辺、システム的になんとかしてほしいものです。

■AlmaLinux9 + KUSANAGI9で行こうとするもConoHaにイメージがない!?

CentOSはStreamへ移行

で、OSの選定です。RedHat Enterprise Linux(RHEL)の無料版クローンであるCentOSは終了というか、CentOS Streamというラインに移行されました。今までのCetOSはRHELと同じ構成、パッチリリースで安価で安定した業務グレードのディストリビューションでしたが、Streamは逆にRHELに取り込む前のカナリアリリース的な位置づけに変更。FedoraとRHELの中間みたいな感じっぽいです。まぁWordPress動かすくらいなら実害はないんじゃないかとも思いましたが、最新のCentOS Stream 9のサポート期限が2027年5月まで。あと3年です。心持ち短いなという印象。

CentOS代替OSとしてAlmaLinux

そこで模索したのがCentOS互換を謳うディストリビューション。こういうとこはオープンソースのありがたみ。いくつか候補があります。その中でもAlmaLinuxの最新9系がなんと2032年!たっぷり8年もあります。開発母体の継続性についても現時点で多くの企業スポンサーがついているようで今ある候補の中では安心感もあります。むしろ8年とかいったらこのブログが続いているか、WordPressで構築するという時代なのかといった辺りの方が懸念されるレベル。

更にWordPressの高速化ミドルウェアでもあるKUSANAGIも9でAlmaLinux9をベースOSとして採用しています。現行サーバーでもKUSANAGIを使用していて、そこまで恩恵を感じず、むしろ設定ファイルなどの構成が通常のCentOSと違って苦労の方が多かったイメージですが、推奨メモリ環境を満たせていなかったことも判明したので、今一度KUSANAGIを信じてみようと思っていたので、こりゃもうAlmaLinux9 + KUSANAGI9の99コンボでいいんじゃないかと。

だがConoHaにイメージがない!?

しかし着手時点でなんとConoHaのKUSANAGI9イメージはCentOS Stream9ベースのものしかないと判明。他のレンタルVPSサービスにはあるので、脱ConoHaするかCentOS Stream9で妥協するか逡巡しました。しかしAlmaLinuxがCentOSからAlmaLinux移行スクリプトを提供しているのを発見。

ざっくり言うと

  • dnf update(旧CentOSでいうyum updateにあたる)で最新パッケージ更新
  • curlで移行スクリプトをダウンロード
  • スクリプトを実行
  • ひたすら待つ
  • 再起動

だけ。OSとバージョンを調べるために

しても、きちんとCentOS Stream9からAlmaLinux9になっています。スゲー。なんかあったらクリーンインストールすりゃいいやってことでVPS構築直後に実行しましたが、今のところ特に問題はなさそうです。
正式な「AlmaLinux9 + KUSANAGI9」イメージから構築したのと同等の扱いではなく、あくまで「CentOS Stream9 + KUSANAGI9のOS部分を勝手にAlmaLinux9書き換えたもの」なのでサポートなどは受けられなくなる可能性はあるので自己責任で。まぁVPSのサポート範囲なんてそもそもハードウェア部分だと思っているので個人的にはいっかと思って敢行しました。

■その他設定メモ

KUSAANGI 7/8から9になって勝手がかわったのがドキュメントルートや設定ファイルのパスです。

WordPressをデプロイした時の実体ファイルは相変わらず/home/kusanagi/[プロファイル名]ですが、設定は/etc/httpd/ではなく、/etc/opt/kusanagi/httpdになりますし、Webサーバーのドキュメントルートは/var/opt/kusanagi/www/html/、ログは/var/opt/kusanagi/log/httpd/です。まぁ慣れた場所にシンボリックリンク張ればいいんですが。

あとハマったのは複数のWordPressサイトを所謂マルチサイト扱いにせず、かつサブドメインをわけないディレクトリ別の独立インストールするところでしょうか。KUSANAGI9では基本的にサブドメインを使ったサイト構成が行われます。

  • aaa.hoge.com
  • bbb.hoge.com
  • ccc.hoge.com

という感じ。しかし自分は従来の構成を踏襲するため、

  • hoge.com/aaa/
  • hoge.com/bbb/
  • hoge.com/ccc/

という形にしたかった。これは前回のKUSANAGI設定時にもハマったポイントで、基本的に

  • プロビジョン時にサブドメインによるLet’s Encrypt証明書発行をしない(–noemailオプション)
  • /etc/opt/kusanagi/httpd/conf.d/aaa.confなどを無効化する
  • /home/kusanagi/aaa/DocumentRoot/から/var/opt/kusanagi/www/html/aaaにシンボリックリンク

という形でできます。

プロビジョン(WordPressサイトの作成)の段階ではサブドメインを指定するしかなさそうなので、

のようにしました。これにより、Apache用のバーチャルドメイン設定がaaa.confに作成されてしまうので、それを取り消すために設定ファイル自体を無効化します。削除でもいいですが、.confというファイル名が読み込まれる要件なので、自分はその場でaaa.conf.disabledのようにリネームして置いてあります。

この無効化したファイル内には.htaccessの許可設定なども含まれるため、そこだけ自分で設定ファイルを書きます。これはWordPressのパーマリンク形式をカスタムにする時以外は不要かも知れません。今時は80番ポート(http://)は運用せず443番(https://〜)だけでいいかと思ったので、ssl.confに書くことにしました。真っ先に読み込んでデフォルトホストにしたかったので名前を_ssl.confに変更し、

のようにします。後半のRewrite関連部分はWordPressがDocumentRoot/.htaccessに書き出してくれますが、.htaccessによる設定上書きをするとセキュリティ的にもパフォーマンス的にもよろしくないので、あえて「AllowOverride」をNoneにして.htaccessの読み込みを無効にした上で、WordPressが書き出す.htaccessの内容を<ifModule mod_rewrite.c>ディレクティブに転記して使っています。気にしない人は「AllowOverride FileInfo」にしてWordPressが書く.htaccessまかせにしてもいいかも知れません。でないと将来的にWordPress側でパーマリンク形式を変更した時に手動で書き換えが発生する場合があります。

同様にこのブログのように、ユーザ名を使ったパス~furuta/にWordPressを設定する場合は、同じcon.d/下にあるuserdir.confを書き換えます。デフォルトでコメントアウトされていた

の部分を有効化し、Directoryディレクティブのパスは

とします。これでまたドキュメントルートフォルダからホームディレクトリのpublic_htmlにシンボリックを張ります。

まぁ今時ユーザディレクトリ(~hoge)にWordPress置く人もいないでしょうけどw。いないだけにどこにも情報がないと思うので、今後少ない誰かや自分の参考になればと書いておきます。

certbotによるLet’s Encrypt SSL証明書取得

通常KUSANAGIはサブドメイン毎にLet’s EncryptからSSL証明書を取得/設置してくれます。しかし今回のようなサブディレクトリ型インストールの場合、ホスト名は共通になるので、個別に取得しにいく意味がありません。またKUSANAGIが認知しているサブドメインは実在しないのでたぶん失敗します。ので、KUSANAGIの処理は無効化(先の–noemailオプション)しつつ、自分でcertbotコマンドによる取得を行い、_ssl.confにパスを書き、cronで定期更新処理を設定しました。

実際の手順はワイルドカード証明書を取得するかどうかやお使いのDNSプロバイダにもよると思います。今回はClaudFlareのDNSサービスでワイルドカード証明書を作成する想定で、超簡単にまとめると以下の感じでした。

最後のcron設定はcrontab -eするとviエディタが開いて編集状態になります。viの操作方法は別途調べてください。0 4 0 0 0は毎朝4時に実行するという意味です。Let’s Encryptは90日毎の失効し30日前から更新可能なので、二ヶ月おきとかでも良さそうですが、更新が必要かどうかはcertbot自身が判断してくれるので毎日実行しておけば万一更新サーバーが落ちていたりした時でもリトライしてくれるので安心とのことです(不要なタイミングならなにもせずに終了するだけ)。

■まとめ

空き時間を使って数日でなんとか新VPS/OSに移行することができました。1G/2コアから4G/4コアにアップグレードしたことで全体的なレスポンスも上がって快適になった気がします。

願わくはAlmaLinuxが無事2032年まで運営を継続してくれればと思います。それまでに自分が廃業したり、WordPressや個人ドメインでブログをホストするという時代ではなくなるかもですが、、

Perplexity Proが1年無料なのでLINEMOを契約した/Edgeで簡単に呼び出せる設定も

■生成AIサービス購読の悩み

ChatGPTなどの生成AIサービス、色々ありますよね。ChatGPT、Copilot、Claude、Geminiなど。そしてそれぞれが有料の上位プランを提供しており、一般に

  • より高精度なモデルの利用権
  • 応答が高速
  • 画像生成やアップロード回数

などで無料プランとの差別化を図っています。

上位プランは月額3千円($20)程度が相場です。

自分はプログラミング支援に特化したGitHub CoPilotを契約しており、この上更に一般用途の有料AIサブスを契約するのはちょっとキツいなぁと思って躊躇していました。

そんな折、Softbankが自社スマホ契約者に向けてperplexity Proが1年間無料になるオプションを発表しました。perplexityはChatGPTやClaude、Gemini(日本未提供?)を使い分けられるプロキシー的なサービスで、Youtuberのドリキンさんも何度か愛用してると語っていたもので、有料版であるProは執筆辞典で月額2,950円、年額一括払いすると2カ月分お得になって29,500円となります。ChatGPTの上位モデルであるChatGPT-4oやClaudeのClaude3 opusが利用できるので、それぞれは個別にサブスク契約するよりもお得と考えられます(厳密には個別契約にもなにかしら付加価値があるかも知れません)。

自分はSoftbankユーザではなかったのですが、今回のキャンペーンはサブブランドのY!mobileやLINEMOも対象。LINEMOであれば月額980円~のミニプランがあります。通信量に応じて料金が上がっていく半従量プランですが、使わずに寝かせておけば月額980円の支出で2,950円のperplexity Proが使えるということに!更に執筆時点のキャンペーンで新規契約者に7か月後にPayPayポイント5,940Ptが還元されるので、1年の約半年は実質無料とも言えます。

現在自分のメインiPhoneはdocomoの使い放題プランで、圏外時のバックアップに基本料無料のpovo2.0をeSIMで入れています。ただpovo2.0だとトッピングがない時は128kbpsなので例えばSNSでも写真とかあると結構めんどい。たまたま建物の奥とかで一時的にdocomo圏外の時に、わざわざトッピングまでして使うかとまではいかず、ほぼ役に立っていない状態でした。このバックアップをLINEMOにすれば月3GBの範囲でバックアップとしても有用なんではないかという判断も。

そんなこんなの判断でサクっとLINEMOを新規契約してiPhoneの第三SIM(第二eSIM)として設定しました。iOSの仕様で同時に有効化できるのは2回線までなのでpoco2.0を休眠状態にし、docomo + Softbank体制です。

■速いぞLINEMO!これならSBメインもありか?

速度計測してみるとこれが速い。サブブランドだからといって絞られてたりはしなそげ。もう少し継続的な観察は必要ですが、混雑時間帯でも極端に遅くならないのであれば十年ぶりくらいにSoftbankメインに返り咲きもありかなぁと思ってたりします。私用のdカードGOLDが改悪されて使いづらくなってるので、家計用に使ってるPayPayカード側に特典を寄せてくのもアリかなとか。ただドコモ光をSoftbank光に替える気はあんまりないので、その辺も含めておいおい検討かなと。

■perplexity Pro特典ゲット

これといって罠もなくLINEMO契約者として1年無料契約をすることができました。

サイトロゴに「pro」マークがつき、AIモデル、画像生成モデルで選択肢が以下のように増えます。

AIモデル選択肢(執筆時点)
画像生成モデル選択肢(執筆時点)

デフォルトや「Sonar Large 32K」も含めて、どれをどう使い分けていくべきかはそれはそれで悩ましいですが、思った結果が得られない時に変更して試してみようと思います。どうせなら設定画面に潜らないでも切り替えできるといいんですが、、

ちなみに最近はChatGPT系のMicrosoft CoPilotに代わりClaudeの無料版を使うことが多かったので、現在のところClaude Opusメインがいいかなーと思っています。新しく追加されたClaude Sonnetも気になるところですが、この画面写真をみるに処理速度のSonnet、精度のOpusという感じなんですかね?

GoogleのGeminiはまだ表示されないぽいです。

■ブラウザ(Edge)で素早く呼び出せるようにする

CoPilotよりClaudeと書きましたが、なんだかんだでCoPilotを使うこともまだまだあります。なんといってもWindowsやEdgeでは素早く呼び出せるので、単なる検索ならCoPilotで済ませてしまうことも多いです。

そんな感じで結局CoPilotばかり使ってたら課金した甲斐がないので、素早くperplexityにアクセスできる方法を模索。Edgeの場合検索エンジンとして登録することで手早く利用することができました。こちらの記事を参考に設定。

https://note.com/sangmin/n/n08ec8100a8ee

結果として、Edgeのアドレスバーで「pa」と打ってスペースまたはタブを押すとアドレスバーがperplexityの検索欄相当になり、検索語(プロンプト)を入力してリターンするだけでperplexityの結果画面にとびます。GoogleやBingを完全に置き換えることは現状できなそげですが、逆にこの機能使いこなせばかなり便利になりそう(知らなかった)。特定のショートカット文字+スペースまたはタブで任意のサイトの検索ができるので、他にも、am=Amazon.co.jp、yd=ヨドバシ.com、bc=ビックカメラ.com、kk=価格.com、dg=このブログ、などを一挙登録。めちゃくちゃ捗る。もっと早く知りたかった。なおショートカット文字は別に2文字でなくてもいいんですが、上記記事に倣ってみました。perplexityだからperじゃね?と思って変えてみたんですが、やはり脳内で発音する音に即した方がしっくりくるな思い、結局記事にある通りpaにしました。

■まとめ

月3千円はなーと思っていた有料サブスクAIですが、Softbankが回線契約者向けの1年無料プランを打ち出したおかげで当面は手軽に使えそうです。Softbank回線契約がない人もLINEMOを契約すれば実質980円以下、キャンペーンの還元も考えればさらに半額程度で使うことができます。有料AIを積極的に使いたい人、お試ししてみたい人にはお得なんじゃないでしょうか。

(本記事は案件でもアフェリエイトでもありませんw)

高機能なモニターライト、Benq ScreenBar Proを導入

今まで興味はありつつも手を出せずにいたガジェットジャンルがあります。モニターの上に装着するバー状のLEDライト機材(以下モニターライト)です。これは設置位置こそモニターの上ですが、目的は画面を照らすことではなく、デスク上の手元を照らすためのものです。モニターとデスク周りの輝度差を抑えて疲れ目を軽減できると言われています。ホームシアターなどでもテレビ背面の壁を間接照明で照らしたりするのと同じ理屈だと思うんですが、モニターばかりがギラギラ明るく、卓上が暗いと、目線を動かすたびに瞳孔調節も頻繁に発生するのでしんどいということだと思います。なによりオッサンになってきて本当に暗いところが辛くなってきまして、単にちょっとした作業をしたり紙の説明書や手紙、レシートなどを見るだけでも負担です。従来はアームでデスクサイドから伸ばすようなスタンド型照明が中心でしたが、最近はWebカメラのようにモニター上に設置するモニターライトというカテゴリが場所もとらないということで各社参入が増えています。

私も真っ先に食いつきそうなジャンルですが、いくつか問題があって手を出しあぐねていました。まずデスクがIKEAのFREDDEという商品で、上に棚がついており、ここに35インチウルトラワイドモニターを設置しているので、モニター上のスペースがカツカツだったこと。ちなみにサイドから普通のアームライトを生やそうとも考えたんですが、既にマイクアームがいて干渉しそうで無理でした。

更にモニター上にはWebカメラを載せているので物理的に設置が不可能だったんです。カメラを上棚の上に設置することも考えましたが、画角的に見下ろし角度がつきすぎて厳しいなとか。

でもまぁ昨今の「最悪3Dプリンターでなんとかする」思考と、色々なスペックが個人的に刺さる新商品の登場で、「行っちゃえ!」となった次第です。

■BenQ ScreenBar Pro

購入したのがこちらのBenQ ScreenBar Pro。カラーはブラックとホワイトがありブラックをチョイス。

BenQといえば今では大手に数えられるほどのモニターメーカーですが、こうしたモニターにまつわる周辺機器も結構良い商品を出しています。以前のモデルでも手元スイッチがついているものなどもありかなり買う寸前まで行ってました。

ScreenBar Proは先日発売になったばかりの新製品で名前からして上位モデルという感じです。実は上述の手元スイッチは廃されてしまったんですが、いくつかユニークな機能があります。

  • 人感センサーで自動点灯・消灯
  • 調光・調色
  • ウルトラワイドモニターにも対応できる広範囲照射

キーボードを市販のLEDテープで照らしてるんですが、電源がPCと連動しないので消し忘れたり、点けずに使ってたりしがちだったので、自動オンオフはとても魅力的でした。

そして調色で色温度を上げたり(青白く)下げたり(電球っぽい色)が変えられるのも便利。何故かというと、撮影補助ライトとして使えるからです。最近は3Dプリントした造型物など小物を撮ることが多く、その際にデスクを明るくでき、なおかつ部屋の照明やリングライトに色温度を揃えて撮れるなら良いんじゃないかと。少し前に導入したリングライト(カメラレンズ前に装着し対象物を明るく照らすライト)は明るすぎて後ろに影が落ちてしまうのが問題だったので、背後からも照らすことでバランスよく撮れると期待。

安いものだと数千円程度のものもありますが、それらの機能だったり、モニターメーカーとしてのこだわり設計(映り込み防止など)も期待してぶっこみました。

設置スペースは一般的なモニターライトと比べて特別低いということはなさそうですが、モニターフレームに内蔵カメラがあった時にそれを覆い隠さないようギリギリを配慮したスタンドなど、細かいところも色々こだわって設計された感はあります。詳しくは公式ページをどうぞ。

FREDDEの狭いスペースで結局こんな感じで落ち着きました。ScreenBar Proをモニター上に設置。2台あるWebカメラは1つは3Dプリンターでホルダーを作って上棚に貼り付け(左右に首振り可能)。もうひとつのBrioは一旦上に逃がして少し仰角を下げて設置。当初、カメラをモニタ上に残したままScreenBarを棚上に置けばいいかなと思ってたんですが、固定アームに意外と自由度がなくてこういう形に落ち着きました。

かなり見上げるアングルで撮ったので写真ではライトがモニター画面に反射しちゃってますが、普通に使う分には映り込みは全く気になりません。モニターを消してみるとフレームに若干反射してるかな?程度。

そして散らかっていて映せませんが手元はめちゃくちゃ明るくなりました。明るさのゲージは8段階ですが、実際の明るさは16段階、色温度はゲージ通りの8段階。明るさは4ゲージ目くらいで充分明るい。ちなみにオート調光もあり、オンにすると自分の部屋ではゲージは3段階目くらいになるのでかなり明るさとしては余裕がある感じ。

ボタン類はタッチスイッチですが感度はイマイチ。明るさや色温度のアップダウンボタンをトントントンと連続で叩いても何度かに一回しか反応しない感じ。長押しまでは行かないまでも少し長く指先を触れさせるといいみたい(強く押し込む必要はない)。

ただ基本的にオンオフや調光は自動でしてくれるのでセッテイングが決まってしまえばタッチ操作はほぼ必要なくなると思います。超音波式の対人センサー精度も上々です。自動オフは人を検知しなくなって5分後なので、作業中に誤検知で消えてしまうといったことはなさそう。5分間全く身じろぎしないということはないでしょうしね。もし在室中に誤動作して消えてしまうことがあったらここに追記したいと思います

2024.6.8追記:在席中に消灯w

記事を投稿した翌日ですが、早速在席をしているにも関わらず消灯する現象が発生しました…背筋を伸ばして少し長いWeb記事を読んでいました。マウスのスクロールホイールだけをちょっとずつ動かしているような状態で突然フッと暗く。もちろん腕を振ったりすればすぐに再点灯してくれ、さほどもどかしいということはなかったですが、一応宣言していたので追記しておきます。

(追記ここまで)

電源はUSB-Cアダプタが付属。公式サイトによるとUSB-Aアダプタは故障の原因となるので止めるよう書かれています。付属アダプタは5V/1.7A=8.5Wなので2A出せればAタイプ充電器でもいいかなと思ったんですがやめておいた方がよさそう。デスクにあるマルチポート充電器にまとめてしまおうと思ってたんですが、貴重はCポートはもったいないなと。まぁ仕方ないので付属充電器で使うのが良さそう。

疲れ目軽減、卓上撮影時の補助光としてのメリットの他に、Webカメラでの顔写りの改善という効果もありました。卓上に反射した間接光が顔を下から照らすので天井照明光と相まって女優ライトのように働きます。しかも調色できるので天井照明の色温度に近づけておけば自然な感じ。

■まとめ

前々から気にはなっていたモニターライトとして、自動オンオフ、自動調節、調色など付加機能が充実したScreenBar Proをニュースでみて即決に近い形で購入しました。狭い設置場所事情でしたがなんとかWebカメラと両立できるセッティングを実現。

  • デスクライトとして手元を明るくして疲れ目軽減
  • 卓上での撮影ワークに補助光として活用
  • Web会議時のカメラ映りの改善

とメリットも多岐に渡り、意識せずとも自動でオンオフされるので負担もなく、非常に満足度の高い設備投資になりました。