レーザー加工機の近くに置いておくとヨサゲな消火器

レーザー加工機は単純にいうとレーザーを照射して物体を”焼く”装置なので、使い方を間違えると発火、火災のリスクがあります。今回の導入にあたって小型の消火器でも傍らに装備しておくと安心かなと思いリサーチしてみました。

個人による検索およびChatGPTによるデスクリサーチなので、間違いを含んでいる可能性もあります。

家庭用でメジャーな消火器といえば粉末タイプのABC消火器(ABC=普通火災、油火災、電気火災)ですが、これは精密機器にぶちまけると後片付けが大変、というか使用不能になる危険もあります。後先考えず目の前の炎を消すためのものですかね。

精密機器への影響を抑えた消火器としては、気体(ガス)や強化液(お酢?)を噴射するタイプがあるようです。高価なレーザー加工機の側に置いておくものとしてはこの噴射物のタイプ選びがポイントになってきそうです。

あとは価格や消火能力、再使用可否、使用期限などがポイントになるでしょうか。ガチの火事になった時はあるだけ使って噴射すれば良いですが、「あ、ちょっと木材から火が出ちゃった」ってことがちょくちょくあるようだと、その度に高価な消火器を使い切ってしまっていてはお財布が保ちません。ガチ出火用とボヤというかちょっと炎や煙が上がった、みたいな時用はわけて考えるのが良さそう。あと消火器は5年とか10年とかの使用期限あります。見た目に変化がないので気づき辛いですが、記載された使用期限を過ぎているといざという時に機能しないことがあるので、指定された期限が来たら未使用でも買い換えが必要です。そこもコスパと一緒に検討項目に入れる必要があるでしょう。

そんな観点でいくつかピックアップ。

CO2消化器

文字通りCO2を噴霧するタイプ。酸素をなくして延焼を止める方式。精密機器への影響が少ないのでサーバールームとかに置かれるやつ。なので難点はコスパと、狭い場所で使うと自分が吸う酸素もなくなるので窒息のリスクがあること。使うなら窓をあけるなどしないと危ない。

とはいえ使用期限は明記されておらず、ガスが減った場合は販売店経由で再充填が可能なようです。そのコストや場所、手順はわかりませんが、長期的にみれば悪くないかも。

ただ、基本はB&C火災用なので紙や木が燃えているA火災にはどれくらい効くんだろう?というところです。

サイズもそれなりにあるので、ちょっとお守り的に買うには躊躇われます。もっと小さいのないかな?と思って出てきたのがこちら。

あ、これクラウン買った時につけてくれたヤツだ。なので車には積んである。なるほど、これもCO2だったのか、車内で撒いても影響が軽微ってことなのね。CO2量は62gということなので、上記のと比べると微々たる量ですが、ちょっとした出火を鎮火するにはいいかも。使用期限は5年。

車載用なので、というか車載してても気になるのが形状的に起きづらいということ。シートベルトカッターとかいらないし(^^;)。なんかスタンドを3Dプリンターで作ればいいんだけど。

62gでどれくらいの消火能力があるかわからないけど、お守り的においとくにはコスパも高いし、いいかも。

動画ありました。わりと大きく燃えてるものも鎮火できてますね。まぁ火だねは残ってるかもですが、とりあえずここまで消えればあとは落ち着いて庭に移動してホールで水を掛けるとかって余裕は生まれそうです。

FIRE SHOKA STICK

SHOKAなんてついてますが海外製品の輸入品のようです。

「次世代消火器」を謳う不活性ガスを吹き付ける方式で精密機器への影響も少なめ。あと寿命が15年とめちゃくちゃ長いのもポイント。片手でもてるスリムサイズなので邪魔にならなそう。100秒タイプと50秒タイプがありますが、値段もそこまで変わらないので買うなら100秒かな。少し割高だけど、見た目がインテリアに馴染むカラーバリエーションも豊富にあるみたい。

個人的には緊急時に目に付きそうな赤でいいかな。

気になるのは中で化学物質を反応させてガスを発生させる仕組みなので、使い切りということ。ガチで周りに延焼してしまった時には頼りになりますが、ステージで木片が燃えてる、ってレベルの時にはもったいなくて使えない。

レーザー加工機用にもっとくというより、キッチン火災なども含め家計で買って家族全員の手の届くところに常備しておきたいかも。

強化液タイプ

中性の強化液(お酢ベースらしい)を噴射するタイプ。ABC全対応で、お値段もお手頃。弱点は粉体より消火能力が劣ることと、液体なので重たい点。これは小型で薬剤が1.0Lで、総重量は2.5kg程度。使用期限は5年。

中性とは言え、お酢をぶっかけて精密機器、光学機器はどこまで大丈夫かは気になります。粉末よりはずっとマシなんでしょうけど。コスパ重視、汎用性高いということでこれもキッチンに置きつつ、いざとなったら持って来て使うかって感じですかね。

エアゾールスプレー

最後はこちら。

強化液消火薬剤 消す兵衛neo 消火スプレー (1本)

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窒素ガスを吹き付けるエアゾールスプレー缶タイプ。CO2と同じ不活性ガスで酸素を阻害するタイプ。窒素消火といえばガチのサーバールームなどの消火設備で注意書きとかされてるヤツですね。なんといっても安いのと、スプレー缶なのでちょこっと使用ができる点。使用期限は3年。

火災になる前のちょっとした炎に躊躇無く使用できそう。これは最低限の備えてとしてレーザー加工機のすぐ側に常設しておきたいと思います。

まとめ

ということで、それぞれに一長一短ですね。とりあえず、消す兵衛neoはレーザー加工機脇に常設用として購入。あとは家庭用も兼用でSHOKA STICKかキッチンアイを家族と相談しつつ買うけど、置き場所は階下になっちゃうけどキッチンの方がいいかなと。モリタのCO2もとても気になるけど、どこで再充填ができるのか(メーカーセンドバック?)、コストはいくらで、どれくらいの周期で必要か、などを調べてからかなぁ。

あとまとめ記事としてこちらの記事はとても参考になった気がするので、もっと詳しく知りたいという方は是非。ここの記事、どの記事も最終更新が数日前とかで絶対(プログラムによる日時書き換え)やってそうだけど(笑)。

追記:

ホームセンターのコーナンで、こちらの窒素式スプレーが980円だったのでまずはこちらを購入しました。やはりこういう単価の安いものは送料が上乗せされているので、店頭で買えるならそれに越したことはないですね。

[3Dプリント] レーザー彫刻機xTool F1で造型物にマーキングしてみる

先日届いたxTOol F1(以下F1)でさっそくマーキングをテストしてみました。まずはダクトの設置ができてなかった初日、付属のサンプル素材の鏡面ステンレスのタグに。素材は我が家の猫の写真。これを専用ツールxTool Studioに取り込み、AI機能でイラストに変換。Geminiだと単にリアルな線画になっただけだったけど、xTool Studioだといい感じにデフォルメしてキャラクター風にしてくれました。クッションカラーの模様にも猫が入ったりとモチーフは残しつつ、かなり上手く改変してくれます。毛色がほぼ黒猫になってるのは気になったけどヨシ。このAI変換はポイントを消費するらしく、初回無料分で賄えたけど、継続利用するには課金が必要なのかも?

で、それをサイズ調整して使います。テキストは別途追加。オンラインフォントから色々選べますが、たくさんありすぎて精査に時間がかかります。

まだよくわからないのは素材ライブラリの扱い。純正付属素材なので最適化されてるテンプレートが用意されてたんですが、金属なのになぜかブルーライトが選択されている。メーカー純正ソフトで呼び出してパラメーターだし、ブルーライトが最適なのかな?と思って実行してみるも、全然マーキングされない。やっぱりおかしいよな、ってことでこのページから検索して出てきたパラメーターを手動でセットして実行。

こんどはバッチリ入りました。惜しいことに生成した画像の背景が完全な無色ではなかったらしく、点々模様が出てしまいました。いやでもこれ楽しい。

ちなみにテキスト(ベクターデータ)と画像(点描データ)ではパラメーターが違います。オブジェクト毎に別々にパラメーターを探る必要がある感じです。

使い勝手的にもatomm.comの方が使いやすい気がして、xTool Studio内のライブラリは使うかな?って感じ。今後もう少し試行錯誤してみます。

いよいよ3Dプリント品に刻印!

今回はELEGOO PRA PROでテストしました。

テキストフォントなどベクターデータレーザー刻印ではパワー(強さ)と速度、DPI(解像度)そしてパス(繰り返し回数)が主なパラメーターです。特にパワーと速度の組み合わせが影響が大きいです。パスを2回以上にするのはたぶんパワー100%でも足りない時くらいなのかな?少しずつパスを重ねる方が良い場合もあるかもだけど、まぁ可能なら1パスで済むに越したことはなさそう。

で、パワーと速度を少しずつ変えて写真のようなテスト片を作成するためのデータが色々コミュニティにアップされています。F1用となってるものを見つけたのでそちらを使わせてもらいました。

色々なパラメーターをテストするのが目的なので、事前に設定する必要はなくただ出力するのみ。強いて言えば、100x100x2mmでプレートを作ったので、厚みとして2mmを指定し、100x100mmに収まるようサイズ調整したくらい。これを使用したいフィラメント毎に作っておけば、どの色味(=焼き具合)でセットすれば一目瞭然というわけです。

このデータでは左が刻印用のIR(赤外線)レーザー、右側が彫刻処理でブルーレーザーという配置でテストしてくれるようです。用途が違うので、片方だけのデータを使い分ける方がいいのかな?って気もします。

このフィラメントだとIRレーザーで60%出力、300mm/sくらいが一番均一で綺麗な結果になってます。そのパラメーターで実際のプロダクトにマーキングしてみたのがこちら。

実行は3秒くらいで終わりました。いい感じです。アップにするとこんな。高さ4mmですがクッキリと刻印できています。FDM方式の3Dプリンターで例えAMSのようなマルチフィラメント機を使い、0.2mmノズルでもこの解像度は出ないでしょう。

まさにこれがやりたかった!黒地のフィラメントでも刻印は白化してくれて視認性抜群です。

横筋は3Dプリントの積層痕のせいなので仕方なし。レイヤー高0.24mmで造形したものですが、通常は0.2mmか0.16mmを使うことが多いので、もう少し目立たなくなるでしょう。

テスト片の方はトップ面でアイロン処理もしたところへの刻印になるのでこちらも拡大してみます。

400mm/s以上の高速域だと水平なストライプ模様的な質感で、逆に速度が下がっていくと45°の斜め線やそれが交差したような仕上がりで、写真ではわかりづらいですが300mm/sが中間で一番フラットな感じでした。やはりブルーレーザー部分は(刻印では)必要ないので、IRだけもっと細かい区切りでテストするようなデータを探してみたいと思います。

まとめ

とりあえず3Dプリント品にマーキングをしたいとい用途にはバッチリ使えそうで安心です。今後他のフィラメントやカラーでの出方を探っていきたいと思います。

あとは曲面とかでどうなるかですね。焦点距離がかわるので端っこがぼやけるとかあるかも、それに対応するためのオプションRA Pro2も買ってはありますがたぶん連続刻印するのはやや手間なので、どれくらいの曲面(焦点差異)までが許容範囲なのかは探っていきたいです。

[3Dプリント] レーザー加工機の排気用にダクトを設置、異形アダプタを自作

先日購入したレーザー加工機は、材料によっては煙や匂い、有毒ガスが発生します。工房のような広くてある程度の汚れや匂いが許容される場所なら良いのですが、我が家では普通に私室(仕事部屋、寝室兼用)への設置になります。極力匂いや汚れ、果ては有毒ガスなどは出すわけにはいきません。なので、それなりにお高い専用の空気清浄ユニットも同時に購入したのですが、そこから出る清浄後の空気もできれば部屋に戻したくないな、ということで窓に排気ダクトをつけてみました。

使用したのはこちら。

スポットクーラーの排熱ダクトを窓に作るための穴空きパネルです。サッシと窓枠の間に挟むようにして取り付けます。掃き出し窓(テラス窓)用の長いものが少なくて結構探しましたが無事見つけられました。

ダクト径があわない?ならば3Dプリントだ!

さて、まず困ったのはF1の空気清浄機から出る排気ダクトと、このパネルについているダクト穴の径が全く合わないという点。スポットクーラーの方が流量が大きいのでかなり大きな穴になっています。当然そのままではスカスカで接続できません。

こういう時は3Dプリンターです。早速異形アダプターを作製しました。

パネル側もただ穴が空いているだけではなく、内側には虫などの侵入を防ぐ多孔パネルがつき、外側には排気の向きを90°曲げるカバーがつきます。内側のパーツに蛇腹ダクトをねじ込むようにつける形です。

下の写真の左がパネル付属の部品。右が空気清浄機に付属するダクト先端のパーツ。下が今回作ったアダプターです。

パネル付属のパーツは内側にも外側にもねじ込みのための溝の代わりになる突起があって、5mmくらいしかマージンがありません。ねじ込み部分まで設計するのは大変なので、その5mm分だけはめこんであとは防水テープなどでグルグルまいて固定することにしました(一応やり直す可能性も考えて接着剤は避けました)。

テープぐるぐるする前の状態がこちら。ガタつきなくピッタリはまりました。

たぶんそんなに熱は出ないと思いますが、一応PLAより少しだけ耐熱性があるPETG-HFを使用。70℃くらいまでは耐えられるかな?ASAでも良かったんですが在庫にホワイトがなかったので。(ASAも便利なのでもう少しストックを増やしていきたいなぁ)。

で、パネルを窓枠に取り付けた状態がこちら。ところどころ隙間はあくので、この後、アルミか何かダクトテープを貼って塞ぎたいと思います。パネル側の窓は開閉できなくなりますが、元々ほとんど開けたことがないのでヨシ!

これで、煙や匂いの出やすい材料も躊躇無く加工できそうです。

レーザー加工で出る有毒ガスとは

レーザー加工機では禁忌の材料があります。主なものはPVC(塩化ビニール)、ABS、MDF合板などです。PVCやABSはウチでは現状使っていませんが、市販の樹脂製品には普通によく使われる材料なので、うっかり使わないよう注意が必要です。またカラーボックスみたいな組立家具でよく使われているMDF合板(木を一度粉末状にして押し固めたもの)もレーザーで加熱するとホルムアルデヒドなどの汚染物質が出るようです。それ以外の木や革なども表面に塗られた塗装や接着剤が溶けるとよろしくないものが出たり強い臭気が出たりするようで、市販品を加工する時はしっかり素材や加工をチェックした方がよさそうです。

フィラメントなどはたいていメーカーがSDS(安全データ表)を公表しているので、そういうものを確認するのが確実でしょう。BambuLabならこちら

あとは木材や革とかは普通に煙とか出やすいので気をつけます。本当は万一発火した際のために部屋に消火器も常備しておくのが良いでしょうね。高価な装置に噴霧する勇気がいるでしょうが、やはりいざという時にはそうも言ってられません。

次の記事でまとめてみたいと思います。

[プライム感謝祭] レーザー彫刻機xTool F1を買ってまった

Long story short, 以前から検討していたレーザー加工機(レーザー彫刻機)がAmazonプライム感謝祭でかなり安かったので買ってしまったよ。

■レーザー加工機とは?

3Dプリンターを使うようなクラフターはいずれレーザー加工機にも手を出す運命と言われています(当社調べ)。文字通りレーザー光を当てて物体を削ったり切ったりするクラフトツールです。素材でいうと木とか皮とかアクリル、金属、商材でいうとアクキーとかマグカップとかネームプレート、ドッグタグみたいなものにロゴやイラストを彫り込んでグッズを作れるという代物。イラストやデザインが得意ならグッズ作って売れば副業にもなると聞きます。今回興味をもたのは自分の3Dプリント品にマーキングを入れたかったというのが大きいです。ロゴや仕様フィラメント、ガイド用URLのQRコードなどを刻印できたらいいなと。マルチフィラメント対応の3Dプリンターといえど、そうした極細の文字や模様はそうそう綺麗には入れられないのです。0.2mmノズルを使えばワンチャンというところですが造型物全体の出力時間がめっちゃかかったり使える素材が限定されたりフィラメント詰まりのリスクが上がったりと0.2mmは難しいのです。というか0.2mmでも以前作ったキートップの文字刻印は厳しいなと絶望したことがあります。

レーザー加工機なら2Dプリンター並の解像度で文字や図形を彫ることができるのです(たぶん)。まぁ、3Dプリント造型物の積層痕もあるのでどこまで綺麗にいけるかは試してみないとですが。あんまり3Dプリント物にレーザーマーキングしてる動画って出てこないんですよね、、木とか皮とか金属の話ばかり。どこかショールームみたいなところや今は亡きDMM.make Akibaみたいなレンタルスペースがあれば見に行きたいなとずっと考えていましたが、なかなかそういうチャンスもなく、結局現物をみないままに特攻してしまいました。

■レーザー加工機の種類

レーザーを照射して物品を加工する機械の総称がたぶんレーザー加工機(Laser processing machine)ですが、その中にも刻印/彫刻が得意なレーザー彫刻機(Laser Engraver)/レーザーマーカーや、切断(型抜き)が得意なレーザーカッターなどがあります。最近はオールインワンな製品も多いですが、やはり得手不得手はあります。

レーザーの種別

まずレーザー自体にも種類があります。ダイオードレーザー/ブルーレーザー、赤外線(IR)(ファイバー)レーザー、CO2レーザー等。CO2は透明アクリルなども切断できますが工業用の大型機で数十万円~という規模感なのでハナから除外。家庭向け、SOHO向けレベルだと、ダイオードレーザー(もしくはブルーレーザー)かIRのどちらか、もしくは2ヘッドで切り替えできる両対応のものがほとんどな気がします。私見では家庭用のもっとも安いものはダイオード式で、中級機くらいになるとIRが追加されデュアルレーザー機という関係な気がします。ダイオード式は木、皮、紙、布、不透明のアクリルなどが得意でホビークラフトに幅広く対応できます。IRは金属やプラスチック向けという感じ。今回は3Dプリント品に刻印するのが主眼なので、IR機またはデュアル機に絞って検討しました。

ヘッド方式(X-Y ・ガルバノ)

次にレーザーヘッドの動かし方でX-Y式とガルバノ式という違いがあります。X-Yは文字通りヘッドが縦横に動いて軌跡を作る方式です。プロッタプリンターや多くの3Dプリンター、カッティングマシーンなどと同じです。対してガルバノ式はヘッドは一箇所に固定で、レーザを反射する鏡の角度を変えて広範囲にレーザーを当てる仕組み。DLPプロジェクターの親戚みたいなもんでしょうか。ChatGPTさんにイメージ図を描いてもらいました。文字がだいぶあやしいのはご愛敬。

ガルバノ式は物理的に稼働するヘッドがないので筐体が小型化できるのがメリット。またヘッドを縦横に動かすのと比べ、ミラーを高速に振動させるだけで軌跡が描けるので非常に高速。家庭/SOHO機ではポピュラーな方式です。一方で弱点としては、切断に使うと断面が傾斜してしまう点。固定のレンズ1点からの光が円錐状に広がっている(図の赤い部分)から当然なのですが、例えばアクキーみたいなものを作ったとして、手前面と背面で大きさが微妙に違ってきてしまいます。これが数mm厚のものを切った時にどれくらい気になるのか自分もまだ体験できてないのですが、ともあれ切断メインだとX-Y機に部があるようです。

早さと小型化のガルバノ、切断面の綺麗さでX-Yというところでしょうか。

悩ましい排気問題

レーザー加工機はいわばレーザーで物体を焼いているので、煙とか臭い、素材によっては有害ガスが発生します。室内で普通に使ったら大変なことになります。ガレージみたいな場所で使えればいいんですが生憎我が家にはそんな素敵スペースはありません。そこで大抵の機種には背面にファンのついた排気口があり、そこに接続できる専用空気清浄機がオプションとしてラインナップされています。これがまたなかなかのお値段したりして、総額を押し上げてきます。そう毎日使うわけでもないので庭でやるか?とか、窓にスポットクーラーとかで使うダクトをすけてそこに蛇腹パイプつないで屋外に逃がす(大気開放)するか?とか色々調べたり悩んだりしました。レーザー加工機の導入に当たって金銭面以外で障壁になるところです。

検討した機種

条件はプラスチック用なのでIRレーザー機であること。とはいえ木や皮のクラフトも興味がないわけではないのでデュアルレーザー機が第一選択でした。

また可能なら3Dプリンターで便利さを味わったWi-Fi対応機であること。制御PCとの距離を気にしなくて良いので、排気都合で設置場所が決められます。

後は実際の加工精度が目で見て確認できない中で、イメージするクオリティがどのくらいの価格帯の商品で実現できるか?という点。価格レンジでいうと数万~20万超えくらいなので結構違うんですよね。あんまり使わないかもなので数万円から始められると有り難いんですが、結局出荷物に使えるクオリティが出ないならそもそも買う意味がないわけで…

ここ2,3ヶ月で3メーカーの製品の間で揺れていました。実は2025年のAmazonプライム感謝祭でどれもセールになっていてさらに悩みました。

梅コース:ATOMSTACK P1

もっとも安価は候補はこれ。5Wのダイオード、1.2Wの赤外線のデュアルレーザー機でありながら数万円。ヘッドを付け替える方式で筐体も小さいので設置面でも有利。オプションも空気清浄機やマグカップやボトルに刻印する回転体ユニットも用意されています。アリエクだとフルセットでも8万円台くらい。使ったら結局欲しくなる可能性が高い空気清浄機を最初からセットで買っても10万円しないのは魅力です。

ただ日本Amazonでも普通に扱ってるものの、日本人のレビューもあんまりなく、特に3Dプリント品に刻印した事例が見付からずで、アリエクのカートにいれたまま踏み切れずにいました。

竹コース:LaserPecker 3 または 4

たぶん国内で1,2を争う知名度をもつブランドがLaserPeckerです。名前が好き。ATOMSTACKからするとぐんと価格帯があがりますが、その分、本格的なスペックです。たくさんのレビュー動画も上がっていてクオリティは問題ないだろうなと。LaserPecker3が珍しい赤外線オンリー機、4がデュアル機です。

ハンディさが売りで斜めに向けたり、スタンドから外して壁とかにも刻印しやすいデザインです。円錐状の保護カバーも含め、モバイル性が高い。一応前述のATOMSTACK、後述のxTool F1も底面パネルを外せば同じ様なことは可能ですが、ハンドルとかがついていて一番取り回しが良さそうなのはこのシリーズですね。逆に面白いのは別売りの自走ユニットがあり、1方向にしか進めないと思いますが、長い看板みたいなのを自分で動きながら刻印してくことができます。

ただ、通常のデスク使用の場合、写真に映っている円錐状のカバーだと素材をとっかえひっかえして連続加工するには不便という指摘をみて少しテンションが下がりました。レーザー加工では加工面との距離あわせが重要ですが、例えば同じキーホルダーを20個作りますって時に、毎回本来をスライド上下させていては毎回焦点合わせが必要になります。エンクロージャーのドアをあければすぐに材料を置き換えられるATOMSTACKやxTool F1と比べると不利だなと。壁とか看板とかに使えるのは面白いギミックですが冷静になると自分の使い方で必要か?とw。それよりは空気清浄機のホースをつないだ状態も含めごちゃっとした見た目にはなりそうなのが気になります。密閉度も弱そう。(ちなみに別売りでフルのエンクロージャーもあるようです)。

しかしこのブランドもAmazonプライム感謝祭直前くらいから公式サイトも含めたセールやクーポンが出ていて、3が15万円台、4が18万円台とそれぞれ数万円~8万ほど安くなっており、クオリティがおそらく担保されてる選択肢が、十万円台で買えるならチャンスかなーとまた気持ちが盛り返していました。

松コース:xTool F1

かなり初期から見た目含めかなり気になっていたのがコレです。目を引く鮮やかなグリーンがガジェット魂をそそられます。もちろんデュアルレーザー機。それでいて縦に長い分、フットプリントが小さいので、我が家の予定設置場所には一番フィットしそう。レビュー動画も多くクオリティも不安なし。レンズとプレートの距離を保ったままグリーンの保護カバーをスライドして対象アイテムを入れ替えできるので、たぶん連続加工時の効率もいいはず(想像)。

ただ高い(;´Д`)。本体単体で24万。Amazonプライム感謝祭直前だと2万OFFクーポンが出てたんですが、それでも20万切らない。その上、空気清浄機が数万してとても手が出ないので、無理してこれを買ったら排気は窓にダクト通すか、庭でしか使わないと割りきるかだなと思ってました。これも公式サイトでアカウント登録してカートに入れるところまではいってました。

そして向かえたAmazonプライム感謝祭の先行セール。なんとF1もセール来てました。上記の、

  • 本体単品
  • 本体+空気清浄機+スライダー+ロータリー台のセット

がセール価格でした。本体が普段24万弱くらいが18万。セットにいたっては通常総額で33万が26万くらいです。つまり普段の値段にちょっとだけ足せば、いつか追々欲しくなるかもと思っていたオプションパーツが3点まとめてついてきちゃう計算です。お買い得すぎます。初期投資は抑えたいので本体だけにするかどうかも悩みましたが、今年iPhone 17世代買ってないしいっかーとキヨミズりました。WindowsノートPC新調したいなとか3Dスキャナをブルーレーザー機に買い換えようかなとかも思ってましたが一旦全部白紙です。

AmazonのストアはxTool公式なので安心。公式Webサイトでもほぼ同額のセールをやっていて2%のポイントやオプション購入時の割引きクーポンが出てましたが、Amazonのポイントと抽選キャンペーンの方が魅力だったのでAmazonで注文しました。額面忘れましたが1万数千円くらいポイントがついたって表示されてた気がします。ので、実質総額が25万切ったくらいじゃないかなと。

あんまりこのブログでは取得価格のことを詳しく書かないですが、今回はあまりにもお得で選定動機にも強く影響したので記録も兼ねて記しておきます。

■オプション群でできること

F1用空気清浄機(通常49,900円)

文字通りF1の排気をHEPAフィルターや活性炭で綺麗にしてくれます。USB経由でF1本体からの連動制御も。そのケーブル長のせいで本体からあまり離しては設置できなそう。あと交換フィルターが1.7万もするのが難点。どれくらい使用できるのか記載もなく。

F1からこの空気清浄機にダクトパイプをつなぎ、空気清浄機からさらにダクトパイプをだして窓などに放出することもできます。居室なので極力臭いを出したくないので、窓にこういうのをつけて排気する予定。たぶんダクト径があわないので3Dプリンターで作ることになりそう。

回転台 RA2 Pro(通常40,860円)

円筒や球体に加工するための回転ユニットです。曲面はレーザーの焦点距離が変わってしまい、端の方が精密に加工できなくなりますが、このオプションで対象物の方を回転させて常に対称面をトップに持って来て距離を保つことでカバーします。

将来的にマグカップとかに刻印したくなったら買ってもいいかな、くらいでしたが、今回のセールでほぼ無料でついてくるくらいの感覚です。せっかくだからチャレンジしてみたい。

なお、さらに上位のRA2 Pro Plusというのがあって、レーザーマーカーでより精度を挙げられるっぽくて、どうせ買うなら1万円くらいしか違わないしRA2 ProいらんのでPlusを買いたいなと思っていたのですが、どうもPro→Pro Plusの差分パーツ群は単品でも買えるっぽいので、ほんならいっか、となりました。

スライドエクステンション(通常34,200円)

LaserPeckerが自走して長物に加工するのに対し、xTool F1では電動スライド台を追加して対象物をスクロールしながら加工する方式を採っています。スライドエクステンションはまさにその為のオプションです。造形エリアが横に4倍に拡張されます。

上位モデルのF1 Ultraだとカメラがついていて、ベルトコンベアの上に適当にパーツを並べると1つ1つの位置と向きを認識して同じ位置に刻印をするという大量生産向きの機能があるんですが、残念ながらF1ではそれはできないです。F1とF1 Ultraは兄弟機のようですが価格差が3倍くらいありとても手が出ないです。せめてこのカメラ認識機能だけはF1クラスのモデルに今後降りてくるといいなと思います。

正直、RA2 Proとスライドエクステンションは今すぐ必要というより、必要性を感じたら追々買い足せばいいか、くらいの気持ちだったんですが、普段の本体価格+3万くらいでで空気清浄機、RA2 Pro、スライド台がオマケでついてくる、くらいのバーゲンセールだったのでついセットでポチってしまいました。逆に後から買うとなると「ちょっと試しで自分用にマグカップ作ってみたいかも」くらいの気持ちでは買う踏ん切りがつきづらかったと思うので、このチャンスで全部揃えてしまえたことで、気軽にお試しできるようになったのも良かったなと思ってます。

■まとめ

ということで、これを書いている時点でまだモノは届いてないのですが、あまりにお得だったので紹介したくて先行して記事にまとめてみました。F1やLaserPeckerが気になっている人にはかなりチャンスだと思うので是非一緒に特攻しましょう

ちなみにATOMSTACKも普段よりは少し安いみたいですが、たぶんアリエクの方が安いですね。どちらもメーカー公式ストアっぽいですが、故障とかのサポートはどうなんだろ?アリエクで買っても国内サポート受けられるのかな?アリエクの方がオプションとのセットの組み合わせバリエーションが多いです。

もちろん商品が届いたらまた別途インプレは書いてこうと思います。DAISOでいろいろテスト用アイテムも買ってきました(^^;)b。乞うご期待。

コスパ最強ASMR用TWSイヤホン final ZE500 for ASMR

買いました。

■寝ホン歴

これまでもTWS(完全ワイヤレスイヤホン)はAirPods Pro含めたくさん買ってきましたが、寝ホンとしての使い勝手(横向き寝でも枕に干渉しないか等)を意識して買い始めたのは、BOSEのSleepbuds 初代&2代目と、AnkerのSoundCore Sleep A10。これらは最初から寝ホンとして設計されており着け心地は抜群でしたが、Sleepbudsは厳密にはイヤホンではなく癒しサウンド再生機でしたし、A10は音質がイマイチでした。

その後ASMRコンテンツに関心が出て買ったのがagのCOTSUBU for ASMR 3D。

非常に小型でワイヤレス寝ホンとしてはかなり満足度が高かったです。つけたまま寝落ち余裕。ASMRモードをオンにしておくとタッチセンサーが無効化されるので誤反応もありません。ただ最近ちょっとバリバリというノイズが載るようになって少し使用頻度が落ちています。エアダスターで掃除した後は治ったような気もしてるんですが、下記を買ったりして休眠。たまにQuest3で使うくらい。

次に買ったのがSONYのLinkBuds Fit。寝ホンとしてギリギリ使えそうなサイズなのにANC(ノイズキャンセリング)対応、LDAC(ハイレゾ)対応ということで音質向上が見込めるんじゃないかと思って購入。

これもサイズ感、音質は良く、3Dプリンターを動かして寝る時も静かで良かったんですが、COTSUBUのようにタッチ反応を無効化するモードがない点と、たまに枕に擦れた時にノイキャンが誤爆してキューーーンと笛の音のようなノイズが入るのが難点でした。あとバッテリーの保ちが悪く、朝まで保たないというにも気になってました。まぁ寝落ちするまで保てばいいんですが、いちいちバッテリー切れの時に音声通知があったりして眠りが浅いと起こされてしまい本末転倒だったり。

そして最近使っていたのがXiaomi Ultra 15と一緒に買ったXiaomi Buds 5 Wi-Fi。

なんとXiaomi Ultra 15など対応機種とのあいだにBluetoothではなくWi-Fiで接続でき、高音質伝送ができるというもの。その場のアクセスポイント経由でつながるアップデートは音沙汰がなく、あくまでスマホと2.4GHz帯でWi-Fiプロトコルでつながるというだけですが、通常のBluetoothイヤホンと比べても途切れにくい実感はあります。ノイキャンも音質も満足です。これが別に寝ホンとして売り出している気配は微塵もないしうどんがはみ出る形状にも関わらず、わりと平気で横向き寝ができます。先日はMacにペアリングして終日Meet傘下してたんですがとても安静していて実用度も高め。なんか寝ホンとしてつなぐのがもったいなく感じてくるレベルです。

ASMRコンテンツ用としてみた時の近接感(音場の狭さ)はCOTSUBU>>Xiaomi>LinkBudsという感じでしょうか。XiaomiとLinkBuds Fitは音質はいいんだけど、耳元で鳴ってる/囁かれている感はそこまでではなく、素直に音楽や会議に使うべきだなという感じ。

本題のfinal ZE500 for ASMR

で、ようやく本題のZE500 for ASMR(以下ZE500)です。finalは有線イヤホンでE500という高評価の寝ホンがありましたが、型番からしてそのワイヤレス版を満を持してリリースしたという感じでしょうか。自分はE500未経験ですがレビューとかみてると「E500と同じ音だ!」と書かれています。

ノイキャンはないですが、非常に小さく9,000円とお手頃価格です。着け心地もとても良いということで気になってたんですが、店頭で見かけた時に衝動買い。

カラーはクリームとダークブルーの2色ですが、ついCOTSUBUとほぼ同色のクリームにしてしまいました。パッと見区別がつかない位似ていて、一緒に枕元に置いてると、ケースをあけて「あ、こっちじゃないや」ってなります。COTSUBUはバリバリ音が治ってたら売却しようかな。

着け心地

これまで寝ホンとして最上級レベルだったBOSEとAnkerに匹敵するレベルで素晴らしいです。かなり小型で耳の凹みにほぼ完全に収まるので、横向き寝をしても全く干渉を感じません。イヤーピース兼カバーのようなシリコンパーツが耳との接触面を覆うように被さるせいか摩擦が高く勝手に外れることもなく。また結果として耳栓のようにフィットするのでノイキャンがない割には3Dプリンターをかけたままでもそこまで騒音が気にならないという副次効果も。

イヤーピース兼カバーは完全独自形状なので「コンプライに替えるぜ」みたいな楽しみは皆無です。カナル型でシリコン耳栓タイプが苦手は人は逃げ道がないので注意が必要です。

音質

これはもう完全にASMR特化ということで距離感というか音場感は劇狭です(だがそれがいい)。過去一「耳元で鳴ってる/囁かれてる」感が強くゾクゾクします。COTSUBU for ASMR 3D超えです。逆に音楽としてはかなり微妙だろうなと思います(その用途で考えてないのでほぼ聞いてません)。スマホゲームとかするとスピーカーで聞いてるよりはいい音するな、とは思いますが。ちなみにコーデックはSBCとAACのみです。

使い勝手

COTSUBU同様タッチセンサーを無効化するASMRモードがありますが、専用アプリから設定が必要なようでまだ試していません。ただ耳にすっぽり収まってるせいか特になにもしてなくても誤動作は今のところないです。

ケースがQi充電に対応したのも微妙に便利かも。

少し気になるのはあまりにもスッポリ収まってるので、外す時に少し爪でつまむような形になり、そのうち薄いシリコンが破れてこないかな?という点です。なんか傷をつけないような脱着方法を探りたいと思っています。

バッテリー

公称で4.5時間だそうですが、5.5時間(NCオン時)を謳っているLinkBuds Fitよりもなぜか朝まだ電力が残ってる率が高い気がします。最近あまり寝られてないからかなw?もしかするとコンテンツが途切れたところでスリープ的な動作になってるかも?朝起きてなにか再生するとまだ鳴るぞ、という感じ。

遅延

トータルでとても満足度が高い本品ですが、遅延だけは少し気になっています。Youtubeやゲームとかでも違和感を感じます。自分は画面みないで寝落ち専用という位置づけで買ってるのでそこまで気にはならないですが、画面をみて使う用途にも使うならちょっと微妙かも知れません。

■まとめ

ASMRや音声コンテンツに限っていえば最高の寝TWSホンで、超コスパだと思います。ノイキャンとかLDACとかあれば最高ですが、ここから大きくなるようならこのままでいいやという感じ。Youtubeなら特に。WAVやハイレゾ配信されるような音声コンテンツだとちょっと悔しいかもですが、まぁなんかコーデックとかそういうのを超越したオンリーワンな特化製品かなと思います。価格も手頃なので枕元専用に1台という使い方も全然アリです。