Car TV MateをMaxにしたら音ズレが軽減した

Car TV MateはAI Box大手のOttocastが出している「HDMI映像をCarPlay対応ナビに映すデバイスです。

Car TV Mate 無印(HDMI接続のみ)

以前の記事はこちら。

AndroidデバイスであるPICASOU2やP3は確かに様々なアプリを後からインストールできて汎用性は高いのですが、

  • 高い
  • ナビ画面まで手を伸ばさないと操作できない
  • CarPlayの制約でピンチできなかったりレスポンスがいまいち
  • クラウンなどの12.3インチ超ワイド画面だとスマホ用アプリと相性が悪い
  • 常に画面のどこかにホームボタンがフローティング表示されていて邪魔
  • Googleアカウントでログインしたデバイスを車内放置するのは心配

などのデメリットもあり、自分はCar TV Mate + FireTV Stickという組み合わせに落ち着いていました。これだと、

  • 両方合わせても2万円そこそこ
  • リモコンで手元操作できる
  • 各視聴アプリが16:9画面に最適化され使いやすい
  • 余計なボタンがいない
  • 最悪盗まれても視聴履歴を見られる程度
  • ゲーム機やPCなどもつなげられる(HDCP要件に注意)

となります。ちょっとアンテナ感度の鋭い人はTVキャンセラーからAI Boxへと移りつつありますが、個人的にはCar TV Mate + HDMI動画視聴端末の組み合わせが現状最強だと思っています。AI Boxは、

  • ナビと動画など二画面表示をしたい
  • リモコンよりタッチ操作
  • 動画端末が対応していないマイナーな配信アプリを使いたい

人向けかなと思います。

■Car TV Mateのラインナップは現状3タイプ

2025年末現在、Car TV Mateは3つのグレードがあります。無印、Pro、Maxです。無印がHDMI入力の表示のみなのに対し、

  • ProはワイヤレスCarPlay(iPhone用)
  • MaxはワイヤレスCarPlay 及び ワイヤレスAndroidAuto(Android)

にも対応しています。

Car TV Mate Pro (ワイヤレスCarPlay対応)

Car TV Mate Max(ワイヤレス CarPlay & Android Auto対応)

(本記事ないのリンクはできるだけ公式ストアっぽいものを記載していますが、タイミングによってはそれ以外のショップのものが表示される可能性があります。公式を名乗るショップも複数観察されています。購入時は販売店情報をよくご確認ください。私はOTTOCAST DIRECTが本物っぽいかなと思って選んでいます。)

そもそもCar TV Mateが使える時点でそのナビは有線CarPlayには対応しています。USBケーブルを挿せばCarPlayは使えます。しかしCar TV MateでUSBポートを埋めてしまうと、いちいち抜き差しが必要になります。また車種によっては無線CarPlayはそもそも対応していないこともあります。そこをProにすることで、車両のUSBポートにはCar TV Mateを挿しっぱなしにしておきつつ、Car TV MateがCarPlayレシーバーになることでケーブル無しでCarPlayを使うこともできるようになるわけです。更にMaxならAndroid版CarPlayともいえるAndroidAutoも使えるようになります。

個人的にはCarPlayもたまに使いたい(新バージョンとかでると仕事柄触っておきたい)と思いつつも、基本はHDMIだけ使えればよく、毎回乗る度にHDMIかCarPlayか選択画面とか出たらイヤだなと思って、あえて無印を買ったという経緯があります(起動時の流れがマニュアルなどをみても不明だった)。

■Car TV Mate(無印)の問題点は音ズレだった

で、PICASOU 2 ProからCar TV Mate無印にかえて概ね満足していたのですが、音ズレに関してはPICASOU 2 Proと似たり寄ったりでした。音ズレ補正ができないApple TVを諦めFireTV Stickを使ってましたが、FireTVはホーム画面の広告などが年々鬱陶しくなり、できるならAppleTVに戻りたいなとは思っていました。(なお現在のAppleTVには「ワイヤレスオーディオ同期」というAppleTVの音をHomePodやBluetoothデバイスなど外部スピーカーから出した先の補正機能はあります。iPhoneのマイクを使って同期しますが、これも本件に一定の効果はありましたが、完全には同期できない印象でした)。

で、FireTV Stickの音ズレ補正機能を使ってやりくりはしてきたものの、こちらも何故か完全には同期できず、アプリによったり日によって気になったりならなかったりを繰り返しつつ、1年ほど使ってきました。

基本的にCarPlayナビは映像機器として使うことを想定していないのか、プロセッサに余力がなく、音ズレは車種によってはある程度避けられないと巷で言われており、仕方ないのかなと思っていました。

■増車にあわせてCar TV Mate Maxを買ってみたら…

今回クラウンより前から契約してあった某車がついに納車されるということで、同じ環境を構築すべくルーター、Car TV Mate、FireTV Stickを買い揃えることに。

で、せっかくなのでCar TV MateはMaxにしてみました。都度選択画面が出るかどうかを確認したかったし、こちらの車はそう利用頻度は高くならないと思うので、最悪毎回手動選択になってもいいやと。それよりはCarPlayやAndroidAutoを手軽に使いたいとか、FireTVと同じでMaxの方がプロセッサが高性能だったりしないかなという期待を込めて。

音ズレが改善!

そしたらなんと音ズレがかなり改善していました!これが無印->Maxになったからなのか、なにか年次改良やファームウェア更新で改善したのかは不明です。Car TV Mateのファームウェア更新はちょっと面倒くさいですし、そもそも車両性能の制約だと思っていたので、あまり更新操作をしたことがありませんでした。この記事を出した後に更新も試みてみます。

ともあれ、Maxで繋ぐと、同じクラウンのナビ、FireTV Stickの組み合わせで明らかに音ズレがマシになっています。ゼロとはいいませんが、車で動画を視聴する程度なら実用上はほぼ問題ないんじゃないかなというレベル。音ゲーとかは厳しいでしょう。これならAppleTVでも実用になるのでは?と思って復活させてみましたが、やはりいい感じです。ワイヤレスオーディオ同期設定を改めてしてみたところ「これで充分」くらいにはなりました。これでようやくFireTV Stickのウザい広告ホーム画面とおさらばできます。

HDMI/CarPlay/AndroidAuto選択は記憶可能!

次に懸念だった、HDMI/CP/AAの選択方法についてですが、これもバッチリデフォルトを設定できる仕組みになっていました。普段なにもしないと自動的にHDMIが選ばれ、そこから一度ホーム画面に戻って他が選べる、みたいな感じです。わかってるじゃん!

これが最初の起動画面です。「CP/AA」と「HDMI」をタッチで選びます。しかし、左下の歯車アイコンをタッチすると、

こういう設定画面になり、「CP/AA」「HDMI」「None(どちらでもない)」が選択できます。Noneにしておくと上の写真のような選択画面が毎回出るということだと思われます。迷わずHDMIを選択。

(ファームウェアを更新したら設定画面の様相がかわりましたので後述)

純正ナビへの戻り方も改善!

もうひとつ地味に不便だったのはHDMI表示状態から純正ナビへの戻り方(ナビ側からみて有線CarPlayの終了方法)です。通常のCarPlayは画面内のボタン(「TOYOTA」などメーカーアイコン)をタッチして終了ですが、Car TV MateではCarPlay UIのかわりにHDMI映像を表示するので、当然そうした操作自体できません。代わりに「画面を5秒タッチする」というルールになっていました。短押しだと画面のアスペクト比モード変更になります。クラウンのような超横長画面だと、左右を余らせて16:9表示するか、映像を引き延ばして全画面表示するかを交互に切り替える動作です。私は映像を横に太らせてまで全画面使い切りたいとは思わないので基本こちらの動作に用はないのですが、毎回「5秒同じところを長押し」するつもりが微妙に指先が動くのか失敗し、アスペクト比横伸び画面になってイライラしていました。というかどんなに丁寧に指を動かさないよう長押ししても1度目は必ず失敗、2度目は必ず成功という、正直なにかしらバグがあるんじゃね?ってレベルの動きでした。

それがなんとMaxでは画面のどこかをタッチすると左上に戻るボタンが出るという仕様に改良されていました。

まとめると、Maxの良かった点は、

  • 音ズレが軽減した
  • CP/AAとHDMIの起動時選択は固定できる
  • 純正ナビへの戻り方が改良された

と良いことずくめで不満点が完全に解消したといっても過言ではありません。こんなことなら最初からMaxにしておけば良かったです。

ファームウェア更新で無印も…

さてこうなると、「無印/Pro/MaxでUI設計やファームウェアをいちいち作り分けるコストをかけるとは考えられない。これはMaxの特徴というより最新ファームウェアのおかげでは?」という疑問が湧いてきます。Car TV Mateは単体ではネットに繋がらないので、メーカー側でファームウェアがリリースされても通知などはありません。日本のottcast.jpもそこら辺のやる気はなく、サイトに「サポート」ページすら存在しません(英語サイトにはある)。自力で少しややこしい手順を踏まないと最新ファームウェアの存在を認知する手段すらないのです。

アップデートの話はちょっと面倒だったので別記事にまとめました。

結果として、これまた大きな違いが出ました。公式リリースノートがないので正確な公開日や内容は不明ですが、バージョン番号的に2025年8月版であると思われます。

まずMaxですが設定画面は先にも貼った写真のように起動時のCP/AA or HDMI or Noneの三択項目しかなかったものから、設定項目が増え、しかも言語選択で日本語が選べるようになっています。

更新前
更新後

新たに追加されているのは、「オーディオストリームモード」と「起動遅延」の2つ。ページをめくるとファクトリーリセットがあるのみです。

実はこの2項目は、ファームウェアアップデートのためにブラウザから管理画面にアクセスした際に表示される、「音質を調整する」「カープレイ遅延起動設定」に相当するものと思われます。しかしこれらがなにをするものかさっぱりわからない。公式マニュアルにも載っていない、日本語と英語で検索してもほぼ皆無。「オーディオストリームモード」の選択肢は「デフォルト」「オーディオ適応モード」「オーディオ同期調整モード」「オーディオクリアモード」の4つ。

それぞれの意味もわからないw。でもなんか音ズレ補正してくれそげな文言でもあります。ただ選択できるだけで、補正量を指定できるサブ項目が出現してくれたりもしません。まったく謎。

ちなみに海外掲示板ではここのモードを変更すると音質がかわった(劣化した)みたいな書き込みもありましたが、そこでも結論は出ず終いでした。またマニュアルだと音が途切れるとかあったらここを変更してね、みたいな記述はあるものの、どういう時にどれを選ぶべきかは触れられていません。

ottocast、ユーザへの情報開示が乏しすぎる

是非この設定項目の謎を解き明かした方がいたらコメントでお知らせくださいますよう伏してお願いいたしますm(. .)m。

無印もCarPlay終了UIが変わった!音ズレは…

さて、若干ハマったものの無印もファームウェアを202508〜版に更新できました。結果は、、、

  • 純正ナビへの戻りが長押しから左上ボタンに変更(アスペクト比変更も右上ボタンに)
  • 音ズレも気にならないレベルに!

と不満点が完全解消しました!なんだよもっと早く気付けば、、、まぁどのみち増車のための買い増しだったのでコストは問題ないですが、無駄に音ズレに悩まされていた期間がorz

今回、2025年12月にAmazonの公式ストアから購入したMaxのファームウェアに202508〜版が導入されていなかったので、あまり回転率は良くないと思われます。ちと面倒ですが購入したら上述のリンク記事を参考に最新ファームウェアの有無をチェックされると良いと思います。ただし公式は「不具合がなければ更新スンナ」と言っているので、適用は自己責任で。

Car TV Mateのファームウェア更新手順覚え書き

Ottocast Car TV Mateの更新にハマったので覚え書き。

(上記リンクは公式ストアっぽいOTTOCASDT DIRECTが販売しているものにしていますが、Amazonの仕組み上、ある日別のストアに置き換わったりしていますのでご注意ください。別にそれ以外のストアがダメとは限りませんし、値段は他の方が安い瞬間もあるかと思いますが、なんとなくサポートがしっかりしてそうという意味で)

スマホで更新 or PCで更新

基本はスマホからWi-Fi経由で更新します。これはこれでネットワークの知識が多少必要だったり失敗しやすかったりして、最終手段としてPC更新手段も用意されてるんですが、ファームウェア配信に難アリで個人的には断念しました。自分では試してませんが、一応PC更新手段も最後に簡単にメモしておきます。

スマホで更新(Wi-Fi)

まずCat TV Mateを車両に接続します。給電されていればいいので、室内でゆっくりやりたければ、USB充電器やモバイルバッテリーでもできます。ただしスマホがファームウェアダウンロードするのはモバイル通信(SIM回線)を使うのは避けられないので、自宅でやってもパケット代はかかると思われます。

またOttcast公式アプリのOttoPilotというものも存在しますが、最新ファームではないのに「最新です」と表示したり、ヘルプのリンクの多くがデッドだったりときちんとメンテナンスされている雰囲気がないので、今回は使用しません。

1. Car TV Mateが出すWi-Fiに接続する

近くでCar TV Mateが起動している状態で、スマホのWi-Fi一覧を開くと、「AUTO-xxxx」というSSIDが見付かります。xxxxは個体ごとの数字4桁が入ります。そちらをタップして接続します。パスワードを聞かれたら「88888888」(8を8つ)を指定します。

これでCar TV Mateをルーターであるかのようにスマホが認識しますが、当然ながらCar TV Mateから先はインターネットにつながってないので警告が出ますが気にしません。他につなぎ替えるか?と聞かれてもお断りわりします(iPhoneかAndroidかでメッセージやタイミングは異なる)。

2. 管理画面にアクセスする

この状態でブラウザ(SafariやChrome)を開き、アドレス欄に「192.168.1.101」を入力します。そうすると以下のような管理画面が開きます。

一番下の「オンラインアップデート」のセクションに「新しいバージョンが利用可能です。」と出て「アップデート」ボタンが押せるようになっていれば開始できます。

iPhoneの場合

このまま「アップデート」をタップすれば更新が開始されます。Wi-FiとしてはCar TV Mateである「AUTO-xxxx」につながってインターネットへの経路がないので、自動的にモバイル回線を使ってファームウェアをダウンロードしてきて適用してくれます。ただしアップデートの過程でCar TV Mateが再起動するとAUTO-xxxxも見失います。そうするとiPhoneは他の普段使っているWi-Fiを探してつなぎにいってしまいます。例えば自宅の駐車場で作業をしていると自宅につながってしまうかも知れません。そうするとCar TV Mateが再起動してもAUTO-xxxxに再接続されず、結果として管理画面ではfailed(失敗)表示になってしまいます。

つまり、可能であれば自動接続対象のWi-Fiがない場所、自宅から離れたどこかの駐車場などで作業をするか、一時的にそれらのWi-Fiに自動接続しないようにしておくのが望ましいと思います。

現象のメモとしては、まず70%まではバーが素早く進みます。たぶんファームウェアをダウンロードしているのだと思われます。そこでCar TV Mateをナビにつないでいた場合、画面が消えて純正ナビに戻るので、Car TV Mateが再起動されたことがわかります。その後でうまくAUTO-xxxxに再接続すれば徐々にまたメーターが進み始めます。以降は12秒に1%くらいの遅々とした速度に落ちるので、12秒x30回で20分ほどかかると思います。どうにも進まないという時は、Wi-Fi設定画面にいってAUTO-xxxxにつながっているか確認してみましょう。

終わったら再読込してみたりして、画面一番上のビルド番号が書き換わっていればOKです。

我が家の場合、最近買ったCar TV Mate Maxはこれで更新できたのですが、2024年頃の無印モデルだと何回やっても99%までいってfailed(失敗)になる状態でした。AUTO-xxxxへの接続も適宜確認したり、逆にブラウザ画面から一度も離れないようにしたりと試行錯誤したんですが成功せず、下記のAndroidを使った方法に切り替えました(あと、車両につながず自宅内でUSB充電器につないで実施しました。つまりCarPlay画面はどこにも映っていない状態。どちらが功を奏したかは不明です)。

Androidの場合

Androidの場合、インターネット接続がないWi-Fi(この場合AUTO-xxxx)につながっていると、勝手にはモバイル通信を行ってくれないので、ファームウェアがダウンロードされません。たぶん、Androidのブラウザで開いた場合は「アップデート」ボタンのところが「P2P mode」みたいなラベルにかわっていると思います(キャプチャ漏れで確認不能)。これはプリンターなどで使われるWi-Fi Directという規格を使ったモードで、これであれば、AndroidはCar TV Mateにつながりつつ、インターネット通信はモバイル回線を使ってくれます。Androidはこのひと手間が必要になります。

Car TV MateがP2Pモードに入ると、Wi-Fi一覧からAUTO-xxxxが消え、DIRECT-xxみたいなSSIDが飛び始めます。しかしこれにつないではいけません。(パスワードも88888888では通りません)。

Wi-Fi Direct機器につなぐには、Wi-Fi一覧の更に下にある「ネットワーク設定」を開き、中の「Wi-Fi Direct」を選び、そこからAUTO-xxxxに接続します。あとはブラウザに戻れば「アップデート」ボタンが出ていると思います。

ところが我が家の最新Android端末Xiaomi 15 Ultra(Android 15)ではこの項目がなくて実施できませんでした。どちらかといえばAndroid 15だからというよりXiaomi独自カスタムOSだからなのかなと思います。この辺りのメニュー構造はメーカーが変更していることが多く、位置がかわっていたり使用頻度が低いものは省かれたりしがち。結局Surface Duo 2(Android 12)を引っ張り出してきてやったらできました。

Wi-Fi Directの項目が見当たらない場合、設定画面トップの検索欄で探してみるといいかも知れません。それでもなければその機種での更新作業は無理かもです。

PCで更新(USB)

最終手段として、Windows PCを使う方法があります(macOSは不可)。

ファームウェアの入手方法が不透明

PCの場合、あらかじめ公式サイトからファームウェア更新ツールと更新データをダウンロードすることになりますが、これがよくわからなくて断念。まず日本語サイトには「サポート」ページ自体が存在しません。Ottcastアプリも英語だし、Ottcastは日本語でのサポートはほぼ期待できないメーカーです。

仕方ないので英語ページにいくと、こんな風になっています。

それぞれ「最初に現在のソフトウェアバージョンを確認し、その初めが2836(3423)ならこっち」と書いてあります。このソフトウェアバージョンというのが謎です。管理ページから見えるビルド番号は2508のように西暦下2桁と月っぽい数値始まりで、2836でも3423でもありません。間違った方を適用したら最悪文鎮化する可能性もあるのでここで詰みです。そもそもWi-Fi機器である以上、海外向けファームウェアをそのまま日本個体に適用していいかどうかも不透明です。

仮にこのどちらかで大丈夫そうだとなった場合は、

  1. リンクをクリックしてファイルをダウンロード
  2. 解凍してアップデーターのexeファイルを開く
  3. そこからファームウェアイメージファイルを選択
  4. Car TV MateのHDMIポートとUSBポートの間にある小さい穴をSIMピンなどで押しながらUSBケーブルをPCに挿す
  5. アップデーターがCar TV Mateを認識して、更新を開始

みたいな流れになるっぽいです。私は安全を期して実施しなかったので不足もあるかも知れませんがご参考まで。

3Dスキャナを買い換え、Revopoint POP3 Plus→INSPIRE2

今年3月に購入した3Dスキャナですが、1年を待たずに買い換えました。

買い換え先は同じRevoPointのINSPIRE2です。

■POP3 Plusの弱点

POP3 Plus(以下POP3+)は「デュアルカメラ赤外線構造化光」方式です。ようするにステレオカメラで2枚の画像間の視差を使った計測をするんだと理解しています。自分の場合3Dプリントで既製ガジェットや車内向けのフィットするアクセサリを設計するため、形状をキャプチャする目的で、そこまで細かい表面テクスチャのレベルまで精密にスキャンできる必要はなく、カーブ形状などがとれればいいという感じでした。POP3+は10万前後で購入でき、またスマホと組み合わせてもスキャンできる点が良いかと思って購入しました。

しかし使ってみるとなかなか思ったようなスキャンができません。弱点として、

  • トラッキングをロストしやすい
  • 黒色の物体がスキャンできない

といった点が挙げられます。黒い物体に弱いのは最初からわかっており、3Dスキャンスプレー(洗ったり時間経過で消える白色スプレー)を使えばどうにかなると思っていましたが、やはり対象がガジェットや車のインテリアだと、消えるとわかっていてもスプレーを吹くのは抵抗がありました。また使ってもイマイチでした。マーカーやターンテーブルを使っても、結局スキャン途中でトラッキングロスト(追跡不能)になり正常に完了できない始末。

やっぱり本格的に使うならマルチレーザー(並行または格子状のラインレーザーを使った方式)機にアップグレードするしかないのかなぁと思い、10万台後半〜20万くらいする産業グレードのRevoPoint MetroYか近日発売でクラファン中のEinster2かというところで悩んでいました。

安価な赤外線レーザーながら平行ライン式のINSPIRE2登場

Einster2のクラファンやAmazonのブラックフライデーセールがある11月に悩みつつ、同月にレーザー加工機xTool F2を買ったこともあり、予算的に厳しいし、そこまでの精度はいらないからコスパ的に微妙なんだよなぁ、と思っていたところ、INSPIRE2の存在を知りました。METRO Yと同時に今年8月に発表されたモデルのようです。なぜかまったく存在に気付いていませんでした。INPIRE2の方式は「デュアルカメラ式 赤外構造光&赤外マルチライン レーザー」つまり、POP3や初代INSPIREの赤外構造光に加え、同じIRのマルチラインレーザーが追加されたモデルということになります。私の理解では赤外構造光は赤外線領域をとるカメラで二次元の面として取得した画像を視差処理して形状を読み取ります。同じ赤外線でも複数のレーザーを線状に放って形状を構成します。iPhoneのFaceIDなどで使うLiDAR計測のようですが、距離の算出方法は異なるようです。ともあれ同じ赤外光を使いつつ、構造光とレーザーは全く別ものです。さらにマルチラインレーザー方式でもパラレル(並行)とクロス(交差)があり、クロスの方がより広い範囲を高速にスキャンできるので、自動車のボディなどをスキャンするにはクロスが良い。一方で狭い範囲であればパラレルの方が精度が出やすいようです。Metro Yはパラレルとクラス両方、Einster2はパラレルのみ。さらに上位のEinster Rockitだとパラレル/クロスです。車の外装パーツとか作るならクロスも有効そうですが、個人的にはパラレルがあればいいのかなと考えていました。

で、INSPIRE2もパラレルのみですがマルチラインもあるということでトラッキングロストを起こしにくく高速でスキャンできる可能性があります。また産業ラインのブルーレーザーと違い赤外線レーザーにはなりますが「暗所・光沢面もスキャンスプレー不要」と謳われています。しかもPOP3+よりも安くスタンダードセットで6万円台!これだっと思いました。

なぜPOP3 Plusより安い?

マルチラインレーザーを搭載しながらなぜかPOP3+よりも安い。POP3+も併売されており終売になる気配もない。なにか罠があるのでは?と思い念入りに調べました。ポイントはPOP3+には「CPU 2コア、1.6 GHz」と仕様欄にあるのに対し、INSPIRE2にはありません。INSPIRE2は単独動作せずあくまで周辺機器としての計測デバイスということなんだと理解しました。POP3+もスタンドアローンではないですがスマホをつないで計測することは可能。INSPIRE2は構造光モードでのスキャンはスマホからもできますが、マルチラインレーザーはPC必須です。しかもそれなりにGPUパワーも要求されます。我が家はM1 MaxのMacBook ProとRTX4090のデスクトップWindows機があるので使用は可能ですが、屋外や自動車内などPCルーム外での利用に制限がつくのが難点といえそうです。ただリモートデスクトップ的に画面を転送してスマホで疑似的にスキャン作業ができるRevo MirrorというPC&スマホアプリがあるということで、Wi-Fi圏内であればデスクトップPCから離れた場所でもスキャンはできそう。ということで、飲み込めるデメリットかなと判断しました。

RevoPoint公式のトレードインを利用

RevoPoint公式ストアでは比較的最近のモデルを下取りしてくれます。今回はそれを利用しました。INSPIRE2が68,600円、POP3Plusの下取りが39,560円で差し引き29,040円。国際配送料が3,500円と高めですが支払い総額32,540円でアップグレードできました。

しかも、返品は「スキャナーのみを返送してください。スキャナーに付属していたアクセサリーは返送しないでください。」とあり、POP3 Plusを買った時に二軸ターンテーブルとモバイルキット(グリップ型のモバイルバッテリーとスマホホルダー)を含んだアドバンスセットにしたんですが、それらは返さなくて良いので、INSPIRE2はモバイルキットを含まないスタンダードで済みました。ケーブルやマーカーシールなどの消耗品もダブつきます。後から「アクセサリーというのはセットのモバイルキットやターンテーブルのことで、ケーブルやキャリングケースは返せよ!」って言われないかドキドキでしたが、本当にスキャナー本体だけプチプチに来るんで宅急便コンパクトに入れて送っただけで特になにも言われずでした。

返品物が倉庫に届いて検品されたら新しいのを発送します、となってましたが、ブラックフライデー中だったからか、普通に注文した翌日くらい、返品物の発送すらしてない時点で発送連絡が来ました。UPSで中国から送られてきました。

使用感

とりあえず新たに使えるようになった平行レーザーモードをテスト。以前敗北したブラックのSesame5をスキャンしてみました。PCとの接続はUSBまたはWi-Fi。Wi-Fiはインフラストラクチャモード、つまり自宅のSSIDに接続することはできず、INSAPIRE2が飛ばすSSIDに接続する形。つまりPCがWi-Fiオンリーだとスキャン中はネットに接続できなくなります。ウチでは基本PCは有線でネットにつながっているので、Wi-FiはINSPIRE2専用にできる。試した限りWi-Fiの方が微妙にガタ付くけど実用上は問題なさそうなので、Wi-Fiで使おうかな。そうなると給電を小さなモバイルバッテリーで賄えるとヨサゲ。モバイルキットのグリップ型バッテリーでもいいんだけど、せっかくコンパクトなので、スティック型か薄型のバッテリーを本体に貼り合わせて一体感もたせた方が細かい角度調整とかできそう。

ソフトはPOP3+で使うRevoScanではなくMetro Yと共通のRevo Metroに変更になりました。まぁ基本操作は同じ、できることも多分同じっぽい。

実際のスキャンの様子を動画にしてみました。

目視ではレーザーは見えないですが、画面上では並行レーザーが表示されます。これが当たったところから形状がスキャンできていく感じ。ジャイロの追従性は上々でこの線で対象物を撫でるようにスキャンしていく感じです。構造光式のPOP3+とは効率もトラッキングエラーの少なさも雲泥の差です。これだけで買い換えた価値があった。

スキャンにはPOP3+とセットで買った二軸ターンテーブルを使用。標準のターンテーブルより少し広くて、天面に敷くマーカー入りのシートが付属。これだけでもなんとかスキャン可能ですが、周りにマーカーブロックを置いてやるとよりトラッキングエラーが減った気がします。平面だけでなく立体としてマーカーが増えるのが良いのかも。あとRevo Metro上でマーカーサイズが3mm、6mm、9mmをそれぞれON/OFFできますが、使っているのは全て6mmなので、誤認識しないよう3mmと9mmはあらかじめOFFにしています。Sesame5自体には消耗品であるマーカーシールを貼らなくてもこれだけスキャンできるのは感動。

裏表をとって合成すれば完全体モデルとして一応形にはなります。ただスキャンしたものの精密度という意味ではやや物足りない。小さなLEDやリセットホール、サムターン回転部分の溝なんかはつぶれてしまっていますし、平面が平面になっていなくてポリゴンがもこもこ凹凸になってます。仕様ではもっと精密に取れるはずなので、やはり黒物体というところで精度が落ちてるのかも。あと今回は三脚に固定せず手持ちでスキャンしたのも影響してる?リバースエンジニアリング用に基本形状が取れればいいっちゃいいんですが、ガジェットがメインだけに平面はもう少し綺麗になってほしいなと。

次は三脚にスキャナーを固定してやってみます。それでもダメならやっぱりスプレーかけるしかないのかな。マーカー貼ってもそこは改善しなさそう。

黒い物体もスキャンできるというのも買い換えの動機ではあったけど、仮にそこまででなくても並行レーザーのスキャンの早さと失敗の少なさだけでも充分買い換えた価値はあったと思うので、スプレー必須となってもまぁ泣きはしないかな。

まとめ

買い換えでようやく3Dスキャナーを実用的に活用できそうな気がしてきました。PC(GPU)パワーは必要ですが、それを満たせるならこちらをお勧めしたいです。

これでぼちぼち出るであろうSesame6シリーズが出てもリバースエンジニアリングが捗りそうです。スキャンのためにホワイトモデルを選ばなくてもよくなるかな?他にも市販ガジェットの3Dプリントアクセサリを作るのに活用していきたいと思います。

[3Dプリント] xTool F1/F2用アイテム配置治具の製作

レーザー加工機xTool F2にはカメラが搭載されて、適当に並べた複数アイテムに同じレイアウトでAIが位置決めをしてくれる「バッチフィル」機能があり、量産に便利です。

ただ、やはり最初の1つは毎回手動で位置決めをしないとならないし、その1つ目はしっかり水平垂直を出して配置しないとだし、それをしても厳密な位置決めは難しい。1回学習させておけば、次のセッションでは見本無しでレイアウトしてくれればいいんですが、どうも現状ではそれはできないっぽい。

そうなると結局それなりの数量産するなら配置用の専用治具を作った方がよくね?という話になります。そうすれば物理制約通りにアイテムをはめ込んでいくだけで毎回固定位置に配置できるので、あとはxTool Studio上でも同じプロジェクトファイルで一発加工できます。

ということで早速作りました。xTool F1/F2のベースプレート部分を差し替える形にしたので、ネジ止めなども不要です。

実際にアイテムを並べてみた様子がこちら。

ちなみに今まではこんな感じで、付属のL字固定後をベースプレートにネジ止めしてそこにピタっと寄せるように1つ1つ位置あわせをしていました。

関係ないけどF1付属のL字治具はプレート同色だったのにF2は黒になってちょっと残念…

このアイテムは正方形なので割とあわせやすいですが、それでもコツンと当てたつもりでも反動で離れてしまったり、アクリルシールドを降ろしたショックでズレてしまったりと、慎重な作業を求められていました。3Dプリント品は軽いのでわずかな振動でもブレてしまいます。さらにこれがもっと複雑な形状のアイテムだと単純に沿わせるだけ傾きなども気にしなければならなくなります。そしてなによる一度に1アイテムしか加工できない。

これを配置プレートにすることで、

  • 雑に配置してもズレない
  • 一度に多数のアイテムを加工できる

ということで大幅に作業効率をアップできます。

ベースプレートのCADスケッチはできたので、後は3Dプリントアイテム毎にカスタマイズはすぐに作れます。F1/F2ユーザーさんからカスタムオーダーも受け付けようかな?

ただベースプレートの脱着って本体を浮かせて下から押す必要があり地味に面倒。近いうちに本体を少し浮かせて指をやRA2が通せるようにするリフターを作ってかませようと思います。

箸からヘラへ。ホットクック用拡張オプション「もっとクック」

SHARPのヘルシオ・ホットクックのまぜ技ユニットは2本の棒を使って具材をかき混ぜます。このかき混ぜ機能こそ他の電気調理器にはない大きな特長といえます。

そのまぜ技ユニットにシリコンのヘラタイプの「もっとクック」という別売りオプションが登場しました。標準のまぜ技ユニットが「箸によるかき混ぜ」だとすると、もっとクックは「ヘラによるかき混ぜ」と言えます。内鍋の底からこそげるようなかき混ぜが可能で、もちろん専用レシピもカレーを中心に様々用意されています。

2.4Lモデル用は以前からあったのですが最近ようやく1.6Lモデル用が発売されたので買ってみました。

SHARP ヘルシオ ホットクック KN-HW16H-W(プレミアムホワイト)

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48,500円(12/16 01:18時点)
Amazonの情報を掲載しています

つくってみた

ふわふわ卵かけごはん(もっとクック専用)

卵白をメレンゲに泡立てるTKGレシピです。めっちゃふわふわの食感で衝撃でした。

たぶん頑張ればボールと泡立て機でもできるのかも知れませんが、もっとクックを使えば、卵白を内鍋にいれてセットするだけです。所用時間は4分ほど。

毎朝1人前のTKGを作るのに、内鍋ともっとクックを洗うのもちとどうかと思いますが、たまにとか家族で食べるならアリじゃないでしょうか。またメレンゲ自体は他にも使い道がありそう。

TKG好きなら是非試してほしいメニューです。

クラシック欧風ビーフカレー(もっとクック専用)

もっとクック専用レシピにはカレーがやたらたくさんあります。ヘラで焦げないようかき混ぜながら煮込むという調理にフィットするのでしょう。こちらは比較的オーソドックスな欧風カレーのレシピ。プロの調理人のコラボメニューのようです。ただそのせいかリンク先に詳細のレシピが記載されておらず、「もっとクック(別売まぜ技ユニット)付属のメニュー集をご確認ください。」となっています(記事執筆時点)。これはキレそう(笑)。せっかくCOCORO KITCHENという素晴らしいサービスがあり、料理設定を本体に送信できたり、必要な具材を買い物メモに書き出すといったユーザ体験を提供しているのに、なぜに今更紙の冊子を参照しなければならないのか。ペラペラの小さな冊子なのでなくしたり濡らしてダメにする未来しか見えません。字も小さく写真も少なく見づらいです。取説ダウンロードページからPDFが取得できたりもせず。権利関係であえて載せてないのかも知れませんが、たぶんそこまでして(紙の冊子を見てまで)継続的に作ることはないでしょう。

確かに味としてはちょっと家庭の味を超越したなにかを感じはしました。パックのトマトジュースを使っていて、酸味強め。カレールーを使わないのでお腹を壊さなかった。ただ途中の具材の追加投入が2回もあるので、「ホットクック=放っとクック」のコンセプト的にはちょっと微妙かな。その意味でも1回作れば充分という印象。紙の冊子をなくすま他のカレーを1回ずつ試すかなという感じ。

総評

試したレシピはまだまだ少ないですが、製品としての使用感について所感をまとめます。

シリコンパーツの匂いが残りやすい

カレーを作った後の匂いがとれずに大変でした。食洗機必須かも知れません。

COCORO KITCHENの連携が未成熟

もっとクックのレシピをCOCORO KITCHENで探す際、わざわざ検索欄に「もっとクック」と入力して検索しなければならないというのはどうかなと思います。また逆にもっとクックを所持していない人にも「カレー」などで検索すると普通に表示されてしまいます。もっていない人にもアピールしたいという事情もあるんでしょうけど、普通に設定で所持のチェックをした人にだけ出てくるとか、もっとクックを試したいという人に1ボタンで検索できる導線を提供するなど、もう少し最適化ができるんじゃないかと思います。

また本体側でのメニュー呼び出しもかなり深いところにあって面倒くさいです。全般的にもう少しユーザビリティが改善されてほしいなと思います。

置き場所に困る→3Dプリンターでスタンド作成

もっとクックを購入すると、まぜ技ユニットが2つになります。常に1つは使わないし、なんなら両方使わないレシピも少なくありません。使ってない時のユニットの置き場所どうしよう?となりました。

ということで、3Dプリンターデ専用スタンドを製作してみました。

手前に標準のまぜ技ユニット、奥にもっとクック(TJ-U1A)を差し込んで立てておけます。

転倒しないよう底に金属の重りも埋め込んでみました。なんとなくシンクトップなどに直置きするのも気になっていたので一気に解決です。販売ページにも登録しておくので使ってみたいという方は是非ご利用ください。

こちらで注文できます

ホットクック&もっとクック1.6Lユニットスタンド

ホットクック&もっとクック1.6Lユニットスタンド

参考価格: ¥2,800(別途消費税、送料がかかります)

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