ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けるキット製作

我が家の玄関ドアはASSA ABLOYという海外製メーカーのシリンダー/ロックケース/サムターンがついている木製ドアです。ここ製の全てのものがそうかは不明ですが、ウチについているのはサムターンが360度以上クルクル空転するタイプで、Sesameをはじめとするスマートロックと相性が悪いです。たぶんこれ。いままで3Dプリンターを使ったDIYでどうにか使ってきましたが、今回コメントで同じ系統のドアをお使いの方から頒布してほしいと要望をいただいたので、改めて微調整をし、新たにサムターンホルダーも設計してみました。

過去記事はこちら。

■ドアの仕様

まずサムターン部分はこんな感じの菱形をしています。

ASSA製のサムターン

しかもこのまま奥まで寸胴ではなく、すぼまったような形をしています。正面写真だけ送ってメーカーのサムターンアダプタ設計サービスを受けるといまいち掴みが弱い(一番太い頂点部分でのみ保持)ものになってしまう可能性があります(メーカー公式サービスを受けたことがないので、上下左右の写真も送ってしっかりしたものを作ってくれるかもは知れませんが)。

また国産のサムターンではあまり見ない、ロックトゥロックが360度を超えて回転するタイプで、「施錠位置から解錠位置まで何度どちらに回転」という制御をするスマートロックがそのままでは使用できないことがあります。例えば「右に90度で施錠」、「左に90度で解錠」という設定があったとしても、このサムターンは手で操作するとさらに左右に回ってしまうので、そこから90度回しても施錠/解錠ができない、という事態になります。

更にこの会社の製品は北欧の木製ドアに使われることも多いらしく、できればSesame本体を両面テープを使って貼り付けたくない問題があります。

まとめると、ASSA ABLOYの一部ドア製品は、スマートロックを取り付けるにあたって、

  • サムターン形状が特殊
  • サムターンが360度以上回転するので人力が介在すると正常にロック/アンロックできない
  • (ドアが木製だと)Sesame本体を両面テープで貼り付けたくない

という三重苦を抱えていることになります。

今回のキットは3Dプリンターでそれらを解決するためのキットになります。

■サムターンアダプター

今回新たにモデリングしたのがこのサムターンアダプターです。手前から差し込む形状だと奥のすぼまりに対応できないので、左右からサンドイッチする2パーツ構成にしました。

サンドイッチした後でセロハンテープで巻いて固定しています。一見手抜きのようですが、色々実験した結果、Sesame本体のアームとあまりガッチリにせずある程度上下に滑って動いた方が動作がスムーズっぽい、ということがわかり、摩擦が低くなるセロテープ式を採用しました。あんまり目に入らないしいいかなと。もし真っ黒なのが売ってればマスキングテープとかでも良いかも知れません。なにかしら表面がツルツルしたものが良いと思います。

ちなみにSesame側のアーム幅よりも少しだけ細くなっているのも仕様です。これは純正アダプタの説明でも、

サムターンアダプターは回転効率を上げるため隙間を持たせて設計しております。

お取り付け後も固定はされない状態で問題はございませんので、テープや詰め物などで固定されませんようお願いいたします。

と記載されており、アームがゆるゆると動くマージンを残しておくのが重要のようです。

■回転ストッパー

そしてサムターンが360度以上無駄に回転しないようにするのがこちらの回転ストッパーです。

(頒布版からはDo-guganロゴは抜いています)

Sesame3用に開発しましたが、今回、全体に薄型化されたSesame5用に微調整を加えました。また家庭用プリンターでは文字刻印が綺麗に出ないかもと思いロゴは削除しています。

こんな感じでSesame5下部に取り付けます。

取り付け位置の調整ポイントは2点。

  • 前後位置:手前面を揃える(突起の背面に少し隙間ができ、サムターンの回転を邪魔しない)
  • 左右位置:突起の左面(垂直になっている)がサムターンの円の中心線くらいを目安

という位置に貼り付けます。

2024.7.23追記:サイド取り付けタイプ

同じサムターン形状でも実際にロックボルトが動く開錠~施錠の動作位置が異なるパターンのご報告をいただき、ストッパーの突起を下からではなく横から生やすタイプも開発しました。レンダリングCGですがこんな形状で、Sesameの電池ボックス側のフラットな表面に貼り付ける想定です。

下部貼り付け型もついちゃってますが、試作品を貼り付けた様子がこんな感じ(試作用高速フィラメントなので色も違うし粗も目立っています。あくまで貼り付け方法のイメージ用として)。

最終版はもう少し突起の形状を短く太く変更して、サムターンができるだけ360度に近いギリギリまでまわるようにしています。また左側の電池ブタも干渉せず手前に引き抜くことができます。

今回は単純に9時の方向から真横に生やすようにしていますが、設置状況によってはもっと半端な角度に調整する必要があるかも知れません。お使いのドアの動作範囲を確認していただき個別対応を前提にしあ方が良いのかも。

プレート自体を全面カバーにせずもっと小さくすれば、貼り付け位置を自分で調整できていいのかもとは思ったんですが、サムターンが当たっても負けずに受け止めてくれないとなので、接着面を最大にしたかったのと、見栄えの問題で現状はこうしている感じです。

■固定用バックプレート

両面テープを使わず、ドアにダメージを残さない形でSesame5を取り付けるのがバックプレートです。ただしサムターン両脇の2つのネジを一旦取り外し、サムターンのベースの下に挟み込む形で共締めします。この際、ドア外側のキーシリンダー部分が外れ落ちるので、マステなどで仮止めしておくか誰かに手で押さえておいてもらうことをお勧めします。

ちなみに熱で反りにくいよう、PLA素材よりも耐熱性が高いPETGで造形しています。おそらく一般的な家庭の環境であれば問題ないかなと思っています。

ドア内側から見て左にドアノブがついているパターンの方から要望をいただき、左右反転したバージョンも用意しました。

まずドアのサムターンをクルクル回転して、カシャっとロックボルトが動く位置を見定めます。おそらく解錠に動く位置と施錠に動く位置が全く同角度ではないと思います。それでも「ここからここまでの回転に絞れば、解錠も施錠もできる」という角度範囲を探ってください。その範囲と、Sesame+回転ストッパーの動作範囲が重なるように気をつけて位置を仮決めし、Sesame側のサムターンを回して解錠/施錠ができることを確かめます。ドア側のサムターンとSesameのサムターンの中心が揃うのが理想ですが、Sesameのサムターン裏のアームはスライドする仕組みになっているので、多少はズレても対応できると思います。それでもできるだけ少ない力で回せた方が電池の減りも少ないと思うので、音などを聴きながらスムーズに回転できる位置を探ってみてください。

位置決めができたらSesame付属の両面テープなどでこのプレートに本体を貼り付けます。個人的には付属のテープより、この手↓の剥がす時に破れにくく、耐熱性能も高い両面テープがお勧めです。かなり強いので、Sesame側の接着面の全面に貼らずに一部だけ充分保持できると思います。逆に全面で接着してしまうと後日剥がしたくなった時に大変になると思うので、面積少なめからお試しいただくと良いと思います。

充分に固定ができたら、Sesameアプリの「角度の設定」画面で施錠位置と解錠位置を設定してやれば良いはずです。

■オマケ:Sesameリモート用バックプレート

先日発売された室内用リモコンのSesameリモートを、壁(石膏ボード)に大きな穴を開けずにとりつけるプレートも作りました。

こんな感じの小さな穴が四隅に開いた板です。ピンだけだと1000本入りとかになるので、こういう製品からピンだけ抜いて使うのが良いと思います。

こうしたピンだけなら抜いた後の穴も最小限なので賃貸などで退去時の補修も最低限で済むと思います。

(紹介の製品で現物確認をしていないのでもしかしたら穴の径が合わないかも知れません。場合によってはキリなどで穴を広げる必要があるのでご了承ください。また壁紙の裏が石膏ボードではなく柱材などだった場合はより太い釘などが必要になる可能性もあります。)

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けたい、という方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、もし本キットがお役に立ちそうであれば材料費1,000円+送料程度でお裾分けしますのでコメントにてお知らせください。

例のブロワーをプチ改造。起動ドングルをぶら下げるリングを増設

こちらの洗車用ブロワーですが、やはり起動用の安全キーというかドングル的なものを挿しっぱなしだと少なくともLEDが点灯してるだけの電力消費はあるらしく、別の洗車機会に使おうと思ったら完全に空になっていました。

この写真でUSB-Cポートの近くに差し込んであるのがそれです。正式名称不明。単に後ろにリング状になってる配線で2つの電極をショートさせるだけのものですが、これを差し込まないと通電しないようになっています。

お子さんやペットがいる家庭などで不意にトリガーを押し込んでしまいブレードが回転して事故につながるリスクを抑止しているんだと思いますが、外した状態で本体に格納したりぶら下げたりするところは皆無なので保管に困ります。

ということで3Dプリンターワーク。

ファンの下の顎の部分にストラップリングを取り付けました。ちょうどその部分がフラットになっていて両面テープを取り付け易かったので。ストラップは百均で買ってきたもの。

ちょっとわかりにくいかもですが、3Dモデルでみせるとこんな部品です。(ドラッグでグリグリ動かせます)。

ブラブラして邪魔な感じもしますがまぁ仕方ない。当初、カチっとはめこむようなホルダーも考えたんですが、外れて紛失するのは一番ダメだなということで、より確実に紐で結ぶ形にしました。まぁこれもリングが破損して外れるかもですが、そう重いものでも引っ張るものでもないので大丈夫かなと。

フィラメントには層間密着性(レイヤーの剥がれにくさ)がPLAより高いPETGを使い、リングの引っ張り方向に層ができないよう、造形の向きにも配慮しました。

とりあえずこれで「使いたい時にはぶら下がっているドングルを差し込む」という運用ができるようになりました。

高機能なモニターライト、Benq ScreenBar Proを導入

今まで興味はありつつも手を出せずにいたガジェットジャンルがあります。モニターの上に装着するバー状のLEDライト機材(以下モニターライト)です。これは設置位置こそモニターの上ですが、目的は画面を照らすことではなく、デスク上の手元を照らすためのものです。モニターとデスク周りの輝度差を抑えて疲れ目を軽減できると言われています。ホームシアターなどでもテレビ背面の壁を間接照明で照らしたりするのと同じ理屈だと思うんですが、モニターばかりがギラギラ明るく、卓上が暗いと、目線を動かすたびに瞳孔調節も頻繁に発生するのでしんどいということだと思います。なによりオッサンになってきて本当に暗いところが辛くなってきまして、単にちょっとした作業をしたり紙の説明書や手紙、レシートなどを見るだけでも負担です。従来はアームでデスクサイドから伸ばすようなスタンド型照明が中心でしたが、最近はWebカメラのようにモニター上に設置するモニターライトというカテゴリが場所もとらないということで各社参入が増えています。

私も真っ先に食いつきそうなジャンルですが、いくつか問題があって手を出しあぐねていました。まずデスクがIKEAのFREDDEという商品で、上に棚がついており、ここに35インチウルトラワイドモニターを設置しているので、モニター上のスペースがカツカツだったこと。ちなみにサイドから普通のアームライトを生やそうとも考えたんですが、既にマイクアームがいて干渉しそうで無理でした。

更にモニター上にはWebカメラを載せているので物理的に設置が不可能だったんです。カメラを上棚の上に設置することも考えましたが、画角的に見下ろし角度がつきすぎて厳しいなとか。

でもまぁ昨今の「最悪3Dプリンターでなんとかする」思考と、色々なスペックが個人的に刺さる新商品の登場で、「行っちゃえ!」となった次第です。

■BenQ ScreenBar Pro

購入したのがこちらのBenQ ScreenBar Pro。カラーはブラックとホワイトがありブラックをチョイス。

BenQといえば今では大手に数えられるほどのモニターメーカーですが、こうしたモニターにまつわる周辺機器も結構良い商品を出しています。以前のモデルでも手元スイッチがついているものなどもありかなり買う寸前まで行ってました。

ScreenBar Proは先日発売になったばかりの新製品で名前からして上位モデルという感じです。実は上述の手元スイッチは廃されてしまったんですが、いくつかユニークな機能があります。

  • 人感センサーで自動点灯・消灯
  • 調光・調色
  • ウルトラワイドモニターにも対応できる広範囲照射

キーボードを市販のLEDテープで照らしてるんですが、電源がPCと連動しないので消し忘れたり、点けずに使ってたりしがちだったので、自動オンオフはとても魅力的でした。

そして調色で色温度を上げたり(青白く)下げたり(電球っぽい色)が変えられるのも便利。何故かというと、撮影補助ライトとして使えるからです。最近は3Dプリントした造型物など小物を撮ることが多く、その際にデスクを明るくでき、なおかつ部屋の照明やリングライトに色温度を揃えて撮れるなら良いんじゃないかと。少し前に導入したリングライト(カメラレンズ前に装着し対象物を明るく照らすライト)は明るすぎて後ろに影が落ちてしまうのが問題だったので、背後からも照らすことでバランスよく撮れると期待。

安いものだと数千円程度のものもありますが、それらの機能だったり、モニターメーカーとしてのこだわり設計(映り込み防止など)も期待してぶっこみました。

設置スペースは一般的なモニターライトと比べて特別低いということはなさそうですが、モニターフレームに内蔵カメラがあった時にそれを覆い隠さないようギリギリを配慮したスタンドなど、細かいところも色々こだわって設計された感はあります。詳しくは公式ページをどうぞ。

FREDDEの狭いスペースで結局こんな感じで落ち着きました。ScreenBar Proをモニター上に設置。2台あるWebカメラは1つは3Dプリンターでホルダーを作って上棚に貼り付け(左右に首振り可能)。もうひとつのBrioは一旦上に逃がして少し仰角を下げて設置。当初、カメラをモニタ上に残したままScreenBarを棚上に置けばいいかなと思ってたんですが、固定アームに意外と自由度がなくてこういう形に落ち着きました。

かなり見上げるアングルで撮ったので写真ではライトがモニター画面に反射しちゃってますが、普通に使う分には映り込みは全く気になりません。モニターを消してみるとフレームに若干反射してるかな?程度。

そして散らかっていて映せませんが手元はめちゃくちゃ明るくなりました。明るさのゲージは8段階ですが、実際の明るさは16段階、色温度はゲージ通りの8段階。明るさは4ゲージ目くらいで充分明るい。ちなみにオート調光もあり、オンにすると自分の部屋ではゲージは3段階目くらいになるのでかなり明るさとしては余裕がある感じ。

ボタン類はタッチスイッチですが感度はイマイチ。明るさや色温度のアップダウンボタンをトントントンと連続で叩いても何度かに一回しか反応しない感じ。長押しまでは行かないまでも少し長く指先を触れさせるといいみたい(強く押し込む必要はない)。

ただ基本的にオンオフや調光は自動でしてくれるのでセッテイングが決まってしまえばタッチ操作はほぼ必要なくなると思います。超音波式の対人センサー精度も上々です。自動オフは人を検知しなくなって5分後なので、作業中に誤検知で消えてしまうといったことはなさそう。5分間全く身じろぎしないということはないでしょうしね。もし在室中に誤動作して消えてしまうことがあったらここに追記したいと思います

2024.6.8追記:在席中に消灯w

記事を投稿した翌日ですが、早速在席をしているにも関わらず消灯する現象が発生しました…背筋を伸ばして少し長いWeb記事を読んでいました。マウスのスクロールホイールだけをちょっとずつ動かしているような状態で突然フッと暗く。もちろん腕を振ったりすればすぐに再点灯してくれ、さほどもどかしいということはなかったですが、一応宣言していたので追記しておきます。

(追記ここまで)

電源はUSB-Cアダプタが付属。公式サイトによるとUSB-Aアダプタは故障の原因となるので止めるよう書かれています。付属アダプタは5V/1.7A=8.5Wなので2A出せればAタイプ充電器でもいいかなと思ったんですがやめておいた方がよさそう。デスクにあるマルチポート充電器にまとめてしまおうと思ってたんですが、貴重はCポートはもったいないなと。まぁ仕方ないので付属充電器で使うのが良さそう。

疲れ目軽減、卓上撮影時の補助光としてのメリットの他に、Webカメラでの顔写りの改善という効果もありました。卓上に反射した間接光が顔を下から照らすので天井照明光と相まって女優ライトのように働きます。しかも調色できるので天井照明の色温度に近づけておけば自然な感じ。

■まとめ

前々から気にはなっていたモニターライトとして、自動オンオフ、自動調節、調色など付加機能が充実したScreenBar Proをニュースでみて即決に近い形で購入しました。狭い設置場所事情でしたがなんとかWebカメラと両立できるセッティングを実現。

  • デスクライトとして手元を明るくして疲れ目軽減
  • 卓上での撮影ワークに補助光として活用
  • Web会議時のカメラ映りの改善

とメリットも多岐に渡り、意識せずとも自動でオンオフされるので負担もなく、非常に満足度の高い設備投資になりました。

BambuLab X1-Carbonで使ったフィラメントの使用感メモ(随時追記)

X1-Carbon Combo(以下X1c)で使ったフィラメントも多岐に渡ってきたので、簡単な評価を記録しておき、今後の再購入是非の目安にしようと思います。一部は前機種のMagician X時代に買ったもので少し劣化が始まっていた可能性のあるものもあります。

にわかの肌感になりますが、2024年春時点で、1.75mmのPLAフィラメント1kgスプールが、

  1. Bambu純正が頂点で4.5千円
  2. OVERTUREやPolymaker、eSUNなどそこそこブランド感のある中級ランクが2,3千円台。他メーカーの純正品という位置づけなのも多く、総じて悪くはないはず。
  3. いかにも中華製激安といったその他のブランドが2千円未満

くらいのランク感があるように思います。綺麗、精度高く出したい本番用と、ざっとサイズの検証をするプロトタイプや見えないところで治具として使うもの用など使い分けをしていきたいなと思っています。

あとBambu Studioにプロファイルがない社外フィラメントを買った時、製品に記載されているエクストルーダー温度やベッド温度を元にカスタムプロファイルを作ったりしてましたが、どうもBambuプロファイルの中から近いのを選んで使う方がトラブルが少ない気がしてきてます。そもそも設定できるパラメーターの全てが記載されているわけではないので、それくらいなら入念に設定された純正プロファイルの方がX1cにマッチしてるのかも知れません。

■Bambu Lab純正

付属も含め、PLAベーシック、PLAマット、PLAメタル、PETGベーシック、PLA用サポートなど使いましたが、基本的に品質も良くトラブルも少ないです。高いだけある。カラバリも多いしできれば純正だけ使っていきたいですが、やはり価格差がバカにならないのと、公式ストアでかかる送料や納期の長さ(品切れも多い)も無視できないデメリットです。PLAメタルが切れかけてすぐに補充したかったのに何週間も品切れのままだった、なんてこともあり、コスパも含めて大量に使うものはすぐにAmazonで買えるブランドの方がいいなぁと思います。逆にメタルなどオリジナリティの高いカラーは純正かな。スプール無しの選択肢をもっと増やしてほしいものです。

■OVERTURE

前機種も含めかなり初期から使っているブランドです。一部のフィラメントはBambu Studioにプロファイルも用意されているので安心材料です。全体的にいい感じの色味が多く、激安品ではないがそこそこのネームバリューがある買いやすいブランド。特に最初に買ったマットのダークオレンジがとても気に入っていたのに今は廃盤になってしまったのが残念。

段ボールスプールなので最初はAMSで上手く巻き取りができなくてトラブルもありましたが、PLAリングを経てビニールテープでいいやとなってだいぶ改善。それでもまだ若干AMSとの相性が悪い印象。絡んで造形が停止していることもしばしば。良い代替ブランドがあれば変えたいけど、結局色や価格で選ぶとなぜか選んでしまいがち。

■Kexelled

MagicianX時代にシルクPLAを買いました(廃盤)。1,500円くらいとお買い得で、スプールも樹脂でそんなに苦労した覚えはありません。良い色、タイプがあればまた買ってもいいかな。

■TIMMORY

最初にPETG-CFを購入。スプールは樹脂。おおむね悪くないし、カケルの動画だったかのPLA比較でもバランスの良い評価だったのでその後PETG(未使用)PLA(未使用)、PLA-CFと買いました。きちんと集計してないですが肌感覚としては造形も綺麗でコスパは高いイメージ。

このカーボンブルーのPLA-CFはつや消しでシブい青で良き。ただ何度かAMSで絡んで、諦めて外部ホルダーから使ったことがあります。何が違うんでしょうね?「CFは経路内で折れやすいから注意な」って毎回警告メッセージでるのも似た理由ですかね(実際に折れてたことはないけど)。注意しろって警告でても具体的にどうしろとは書いてないという…TIMMORYの問題というよりPLA-CFの危うさなのかも知れません。

透明PETG-Ecoもカラバリが多くてコスパもヨサゲ。透明買ってみたんですがこちらもまだ開封待ち。

名前なんて読むんだろう。ティンモリー?

■GratKit

サイズ確認用のプロトとかをガシガシ造形するのにとにかく安いPLAフィラメントを見つけておこうと思い購入。なんと1kgで1,329円(当時)。

しかしさすがに激安すぎた。AMSで使うとめちゃめちゃ絡んで停止します。現在は諦めて外部配給のみに。なんか造型物のサイズ精度も微妙に悪いようなイメージ。

最近サポートフィラメントを多用するようになってきてるので、AMSで使えないもは厳しい。次はないかな?って思ってます。

あと細かいですが、スプールにフィラメント先端を留めておく穴が少ない。多くのメーカーは上下左右の4組ですが、これは上下2組のみでした。

■ELEGOO(未使用)

GratKitが使えなそうとなって次に買ったのがこちらのPLAプラス。千円台に比べると価格インパクトはまりますが、印刷速度600mm/sまで対応ということで設計段階の試行錯誤にピッタリかなと。GratKitを使い終わったら以降する予定。これに限らず全体にX1cのような高速機の場合、フィラメントも高速対応を謳うものを買ったり、温度を高めにして造形した方が良いのかもと思い始めています。

そしてまだ使ってない状態ながら、2スプールセットがセールで更に安かったので同じPLAプラスで、よく使うホワイトも買ってしまいました。白は純正のマットホワイトがとても好みなのでスプール無しのリフィルを買ってこうとも思ってたんですが半額近かったのでつい…見た目ニュートラルな悪くない色味ですが造形したらどうだったかは追々。

■PolyMaker

これも一部、というか割と多くのプロファイルがBambu Studioに入っているブランド。一説ではBambuフィラメントのOEM供給元という話も。

同居人にサクラ(薄ピンク)色が欲しいと言われ、純正が高いのでこれを買いました。

段ボールスプールですがビニールテープで順調に使えてます。結構使いましたが、たぶん絡んで止まったこともないんじゃないかな?ただGratKit同様、スプールにフィラメント先端を挿して止めておく穴が少ない(上下2組のみ)のが難点かなと。

また未使用ですがPLA用サポートフィラメントもここのを買いました。純正が500gに対しこちらは750gとちょい多めなので、少しだけコスパ良さそう。レビューに「純正プロファイルで問題なく造形できた」というのがあったので買ってみました。

それはそうとサポートフィラメントが白いと白い造形フィラメントに使った時に剥がすべきところが見極めにくいので、もっと使わなそうな色で出してくれないですかね。水色とか。

■eSUN(未使用)

工業用など特殊な性質のフィラメントのラインナップが豊富な印象。自分もPVA(水溶性フィラメント)を1スプール買ってあります。キートップを作る時に、MXステムの十字穴にサポートが詰まって除去に苦労したので、こういう時に使うといいのかなと。

■uxcell

とりあえず少量のTPUがあったのでお試しによいかと購入。はじめてなので良し悪しはなんともですが、一応使えてます。もともとTPUはAMS未対応なので焦点は仕上がり品質になるのかな。一晩感想したらちょっと綺麗になりましたが、やはり白くなったり糸引いたりはある程度します。

フィラメント専業メーカーではない(ネジとかマグネットとかよく売ってる印象)ので、積極的に選ぶ理由はあんまりなさそうだけど、こうして0.25kgとか少量スプールを出してくれてるのは有り難いかも。

■少量多カラー欲しい時の250g巻き

SIMAX3Dというブランドで250g巻のをいくつか買いました。レアな色がちょっとだけほしいという時に重宝してましたが、スプール径が小さくそのままではAMSと相性が悪かったので、拡張スプールのモデルを拾ってきて造形し、とりつけてやったりして使いました。元のスプールのまま上からとりつけるものですが、確かどこかの250gスプールは小さすぎてこれでは使えなかったのもあった気が。フィラメント自体の品質は普通かな。表記をみると3Dプリンターというより3Dペンで使う用の製品だったっぽいです。

今ざっとみると単品の250gはあまり売ってなさそう。4色セットで3,080円なんてのはありました。マルチカラー造形でちょっとだけこの色が欲しい!なんて時にはよさそう。未購入品ですがメモとして。

話題のブロワーを手に入れたぞ

前回までのあらすじ

EXキーパーを施工したクラウンクロスオーバーを1年乗って、純水で手洗い洗車をしてきたものの、やはり黒い部分にシミ汚れがメチャメチャつきました。そこで先日ミネラルオフをDIY施工してだいぶ綺麗になりましたがかなりしんどい作業でした…

純水だからと拭き上げを怠ってたせいか、純水洗車器の樹脂交換をしてなかったので純度が落ちていたか、そもそも洗車頻度が低かったのか定かではないですが、いずれにせよ対策をしないとまた同じことの繰り返しです。でもいくら大判タオルでもやっぱり拭き上げめんどい…

ほなブロワーしかないかーと思っていた折り、この中華ブロワーを動画で知りました。

https://ja.aliexpress.com/item/1005005321976039.html

(アリエクのリンク先は商品が入れ替わっていたり価格や仕様がひっそり改訂されていることもあるので、レビューなどをよくご覧になって自己責任でご利用ください。アフェリエイトリンクではありません。)

洗車で使うブロワーというと、マキタやハイコーキ、あるいは中華激安の汎用品(洗車用ではなく落ち葉を集めるなど一般用途のもの)のイメージがあります。3Dプリンターで作ったフラットノズルを販売している方もいました。これらはAC製品だと安いがケーブルの取り回しが悪く、雑にするとボディに当たって傷つけてしまうリスクがある。一方バッテリー式はそれなりに高い、という感じかと思います。

本製品はバッテリー一体型の込み込みで2.5万円(執筆時点)。安くもないですがダイソンのヘアドライヤーみたいな形状でコンパクトで扱いもしやすそう。風量も充分にありそうということで買ってみました。

手に取って最初に感じたのは「3Dプリント品やこれw」でした。質感があきらかにそう。まぁだから品質が悪い、ということではないんですが、持ち手が手に馴染みづらい四角柱形状なのは3Dプリントでの造形のしやすさなんだろうなぁとか、自分も多少かじっているのでしげしげと眺めてしまいました。なにかしらCF系の素材かな?(熱に弱い)PLAではないと思いたい。

特に気になったのは背面のファンガード部分。

風量を確保するためかなり細くなっているんですが、ここを押すとフニフニとたわみます。強く押したらポキっと折れそう。レビューをみてると最初から折れてたという人も(交換してもらえたっぽいですが)。うっかりどこかにぶつけると簡単に破損しそうなのでちょっと気を遣います。脱着はできなそうなのでここのパーツだけ交換ともいかないでしょう。

脱着云々でいえばすべてがガッチリ接着され一体化しており、バッテリー交換自体できないぽい。電池が劣化したら使い捨てってことかな?

充電は前面に専用ACアダプタの丸型ジャック、背面にUSB-Cポートがあります。USB-C充電は汎用性があって良いです。おそらく充電速度はACの方が速いでしょうが、連続して使うのでなければ別にいいかなと。なお1回満充電から使ってみて、ランプがグリーンからオレンジになりました。細かいレベル感は不明ですがもう一台続けてブローできるかどうか、ってところでしょうか。ミニバンとかだと一回が限度かも知れません。

使用感で重要なのはスイッチ周り。稼働はフロントのトリガーを引くのですが、その前段階として2枚目の写真に写っているUSBドングルのようなものを差し込む必要があります。2つのピンをショートさせてるだけっぽいですが、おそらく安全キーでしょう。子供とかがイタズラにトリガーをひいても良いように。これが地味に邪魔くさい。我が家はそういうリスクの心配はないので付けっぱなし運用にしようと思ったんですが、これ挿してると緑ランプが点きっぱなしになります。それだけならたいした消費電力ではないとは思いますが、常時通電しているというのは色々心配もあります。じゃぁ外しておくか、ってなった時に、本体に格納したりストラップでぶら下げるような仕掛けは皆無。完全に独立して保管しておくことになります。なくしたり洗車場所まで持っていき忘れたら詰みです。一応2つ付いてくるんですがどこにどうして保管・運用しようかなぁ…

■使ってみた

実際の洗車後に水滴を吹き飛ばしてみました。

まず動作音がかなりうるさいです。使い手の主観としては低空を航空機が通過しているような轟音に加え、やや耳障りなキーンという音も結構します。本当に航空機が通過してるのと違って、ご近所さんに同じ音圧が届くわけではないですが、やはり住宅街だと時間帯は気を遣うべき音量・音質。自分でもノイキャンイヤホンとかしておきたいレベルです。雨降った夜に、日が昇って乾いてしまうまでに吹き飛ばしておくかー、みたいな使い方は難しいと思います。

その分、風量はかなりしっかり出ているので結構水滴は飛んで行きますが、屋根やボンネットから水滴が完全になくなるまでは行かず、細かいのは残ります。これは元々のボディの水弾き状態にもよると思います。ガラスについた水滴も残りがち。これもコーティングの有無で違うと思います。側面は結構綺麗に飛ぶので、後の水垂れによる跡は残りにくそう。ドアの継ぎ目やドアミラーなど隙間部分の水もまぁまぁとんできます。ただクラウンは元々ドアや窓枠に水滴が入り込みにくいガードがついているので、その処置がされてないクルマだとどうかな?というところはあります。たぶんこういう隙間の水滴を掻き出すように飛ばすのはもっと細いノズルの方が狙いやすいんじゃないかなと。レビューでも書かれてましたが、先端パーツが脱着できて選べるといいかもですね。

クラウンの全周を95%くらい乾かすので数分くらいだったかな。残りを全て吹き飛ばすのは多分不可能です。先の吹き飛びにくい箇所などもありますが、それ以前に永遠にあっちいったりこっちいったりするだけの水滴がいますw。右側をやれば左側へすっとんでいく。そこで左側からブローするとまた右側に戻るだけ、みたいな。小さめのクルマなら片側から反対側に完全に吹き飛ばせるかも知れないですが、クラウンだとちょっと難しいかなという印象。

まぁそれでもマメに拭き上げる手間と比べたら遥かに楽ですし、擦り傷をつける不安もないのは良いです。「ざっと水気を切ろう」と住宅街を一周したりもしてましたが、それよりは遥かに綺麗に乾きます。しばらく使ってみて、ウロコの付き方に違いがあるか観察していきたいと思います。

■まとめ

3Dプリントファームで製造されたっぽい中華ブロワーを買いました。レビューでは発熱で溶けた写真などもアップされているので恐いですが、少し発送遅れた分、対策が施されたバージョンだと思いたい(笑)。

拭き上げよりは楽だし効果はあると思いますが、既存のブロワーと使い比べていないのでどちらがお勧めとかは言いづらいです。ノズルが短くて取り回しは良いので距離感間違えてぶつける、みたいなことは置きにくい形状なのかなと思います。

あとは交換不可のバッテリーがどれくらい保つか、燃えないかってところですね。

安全キーは自分も3Dプリンターでぶら下げる場所をDIYで追加したいと思います。