[3Dプリント] Sesame Face用クイックハック2点

Sesameフェイス(以下Sesame Face)は概ね順調に使えていますが、ちょっとだけ不便なところがあったので3Dプリンターでサポートツールを2点ほど製作しました。

■施錠ボタンを押しやすくする拡大カバー

Sesame Faceはサイドに施錠ボタンが装備されました。Sesame Touchでは「登録されていない指で指紋センサーにタッチする」必要があり、認証失敗を踏む必要があるので若干タイムラグがありました。

Sesame Faceは物理ボタンになってノータイムでロックができスムーズに外出ができるようになっています。ただ、このボタンがいささか小さく狙って押すのがややストレス。特に夜間の薄暗い玄関だと手探りが必要になります。

そこでボタンサイズをちょっとだけ拡大するカバーを作ってみました。

色もあえて派手めのフィラメントを使って目立つようにしています。

■NO.00(PH00)ドライバーL字アダプタ

Sesame Faceのスライドバックプレートには小さな固定ネジがついており、両面テープでドアに貼り付けたベースプレートとがっちり固定することでスライドできなくし盗難しづらくすることができます。

ただプレートの厚さ内に抑えるため、

  • ネジがとても小さい(No.0/PH0相当)
  • ドアにビタ付け

となりとても回しづらいのです。

アネックス(ANEX) 精密ドライバー +0×75 No.3450

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それでも通常はこのような細身のドライバーを使えば問題ないのですが、我が家では更に困ったことに2つ上の写真のように凹んだガラス面に取り付けていて、右方向にクリアランスがなく、長いドライバーだと入りません

DAISOのメガネ用ドライバー(PH00)でどうにか締められたのですが、外すのが大変でした。細くて力が入りづらい上に、このドライバーは反対側がマイナスになっていてネジでフタになってるのですが、緩める時はこのフタ側も回ってしまうのです。あらかじめ外しておけばいいんですが、そうすると掴める箇所がかなり短くなります。入手性が良いので緊急用としてはいいのですが、何度も使ってるとネジをナメそう…

六角レンチのようなL字になったドライバーを探してみたのですが00サイズのものは見当たらず、仕方ないので自作しました。

・Ver.1 ビット使用タイプ

まず以前購入したこちらの精密電動ドライバーセットに含まれるPH00サイズのビットを流用するタイプ。

このビットは細身の六角タイプです。一般的な6.35mm(しぶいち)の六角ビットよりも細い太さ4mmのものです。単品で購入するとしたらコレでしょうか。

これを利用する形て作ったのがこちら。

リアにマグネットを仕込んで、ビットがピタっと吸い付くようにしました。

これでも若干軸が太くて手前に傾いてしまいますが、丁寧にやれば回すこと自体は可能です。

厚みが8mmあり、ドライバーの選択がΦ2mmなので、3mmほど奥にでっぱる形になります。3Dプリントなのであまり外周を薄くすると強度的にも不安なのでこれくらいが妥協点かなと思います。奥側に出っ張らないよう、オープンエンド(C型)レンチみたいな形状も考えましたが、やはり回す度に付け外しするのもそれはそれでビットを落としたりして不便そう。

あとストラップホールくらいつければ良かったなとも。

・Ver.2 ANEX 特小ドライバー流用タイプ

4mm六角の単体ビットも売っている様子がなかったので、もし今度同じお悩みの方に相談を受けた時に調達しやすい形にするため、こちらのドライバーをベースにしたバージョンも作成しました。

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写真ではわかりにくいですが、柄の太いところが六角、お尻側が円柱状になっています。この六角部分にトルクをかけて回す作りになっています。ドライバーの価格も安いので、接着してSesame Face専用にしてしまっても惜しくないです。

ただ残念ながらこちらはメガネ用ドライバーと同じNo.00/PH00サイズの製品しかなく、回せなくはないけど、ちょっと気を遣う感じ(しっかり差し込まないとネジを舐めそう)。

・Ver.3 ビット使用タイプ改良版

ということでVer.1のビット使用タイプに回帰。できるだけギリギリまでドライバー先端を真っ直ぐにネジに当てられるように、フロントを後方にオフセットし、傾斜もつけてみました。

またできるだけ回転角をかせげるように、ベタ付け状態でも指を入れて持ち上げやすいよう、持ち手の部分を長方形から六角形に変更(3Dプリンターの特性として円柱よりは六角形の方が綺麗に出せるという事情がありあえての六角形です)。

ネジ自体が小さいので楽々とはいきませんが、丁寧にやればしっかりナメずに締めたり緩めたりできるようになりました。

BOOTHに出品しておきます。BOOTHアカウントがなく直接取引をご希望の方はコメントにて。

顔&静脈認証で鍵が開けられる!Sesameフェイス設置

2025年5月に発表されたCANDY HOUSEの新型スマートロックアクセサリ、Sesameフェイス(以下Sesame Face)が届きました。Youtubeのプレミア動画で公開した直後20:30から予約受付のところ、注文完了メールのタイムスタンプが20:30分なのでかなり早い予約だったと思います。発売日の朝イチで配送されました。

■Sesame Faceとは?

従来のSesame Touchが指紋とNFCタグ(Suicaなど含む)、Proだと更に暗証番号で認証してSesameを解錠できたのに対し、今回のSesame Faceは更に顔認証と静脈認証に対応しています。ほぼ時期を同じくしてSwitchBotも顔&静脈認証モデルを投入してきたし、ロジテックも法人向けで同機能のスマートロックを発表したので、良いモジュールがパーツメーカーからリリースされたのかも知れませんね。

iPhoneのFaceIDと同じくアクティブIRステレオによる三次元形状解析による顔認証なので、Androidスマホの顔認証に多い静止画像の解析に比べ精度が高いのが売り(写真などでごまかせない)。というかスマートロックとしてはそれくらいでないと恐いですしね。静脈読み取りも赤外線だと思うんでセンサーが共有化できるのかも知れません。マスクとかで顔認証が難しい時の代替非接触認証手段として対応したようです。

今回も無印とPro(テンキー付き)があり、しかも差額が500円しかないので若干迷いましたが、顔+静脈+指紋+NFCがあればテンキーまではいらんだろということで見た目のスッキリさで無印にしました。

■早速取り付けてみた

Sesame Touchは初期ロットでは背面を3Mの両面テープでガッチリ固定する方式で、電池交換する時は必死こいてはがす必要がありました。それが途中からスライドハメ込みの固定プレートがついたり、マグネットが別売されたりした経緯がありますが、さすがに今回は最初からスライドプレート式です。本体はSesame Touch ProとSesame Face無印は同サイズらしく、もしかするとプレートも互換性があるかもですが、我が家はTouch無印→Face無印の乗り換えなのでプレートも貼り替え。結構ガッチリついていて大変でした。ヒートガンなどで温めればいいんですが玄関にコンセントもなく。今回Face無印になって更にプレート/両面テープの面積も大きくなったので、次またなにかに乗り換える時は更に苦戦しそう…

少しフットプリントも厚みも増えたのでやや異物感も増しましたが、ProやSwitchBot ドアロック Ultraよりはマシかなと。

今回CEOは発表動画の中でSesame Touchが盗まれたことはないと断言していましたが、FaceBookの公式コミュニティにも盗難報告挙がっていたので、スライドプレートは便利な分そういうリスクも気にはなります。

そんなことも思いながらFaceのプレートをみてみると、サイドから小さなネジでスライドできなくする仕掛けになっていました。改めて公式製品写真をよくみると従来からSesame Touch Proにはついていたっぽい。Touch無印にはサイズ的に難しかったのかな?

ともあれこれをしっかり締めておけば素手で取り外すのはそれなりに難しくなるので、思いつきのイタズラで外されることはなさそうです。

ただ仕方ないとは思いますが、位置的に真横からまっすぐアプローチしないとならない上、ネジサイズは電池交換時の背面プレートのネジと異なっており、ドライバーも付属していないので一苦労でした。ネジサイズはNo.00(PH00)くらいなので精密ドライバーセットやメガネ用プラスドライバーなら大丈夫ですが、我が家は1枚目の写真のように右方向に段差があり長いドライバーは入りません。家中の00番ドライバーやビットを試したのですがやはり真っ直ぐ挿さないと充分なトルクが出ず(ネジも結構固い)。結局、ダイソーで短いメガネ用ドライバーを買ってくるまで締め付けできずでした。

安心感は増しましたが電池交換は面倒になったので、これからやる人は電池をフルロードにしておいた方が良いかも知れません(本品は電池スロットが4本分で、出荷状態では2本セットされています。2本でも動きますが4本入れておくとより長持ちします)。

アプリからのデバイス追加と認証設定はこれまでのTouchシリーズと一貫していて、指紋やNFCタグの登録手順がわかっていれば全く同じ容量で登録できます。

■ファーストインプレッション

まず感激なのが施錠ボタンとしてハードウェアスイッチがついたこと。従来のTouchでは未登録の指先や手のひらを当てて認証エラーを出すことでロック操作を行っていました。これがボタンひと押しで済むようになって外出時に素早く確実にロックできるようになりました。サイドで小さいので若干押しづらいですが、それでも全然速いです。

肝心の顔と静脈の認識精度&速度ですが、今のところ上々かなと思います。顔や手をかざすと青色LEDが高速点滅を始めるので、認証処理中だなというのがわかります(手をかざすと隠れがちですが)。その位置で静止して待てば条件が良ければ1秒もせず認証されます。ただ手かざしについては割とドンピシャの距離と高さを意識する必要はある印象。直近というよりは10cmくらいは離し、手のひらのど真ん中をレンズに向けるくらいの感覚でしょうか。点滅始まってもなかなか認証しない時には1cmくらい高さをかえてやると認証する、といった感じ。

自分は外出時通年でマスクをしてることが多いですが、車で帰宅する時は車内で外すことが多いので、自宅ドアの前に立った時点ではマスクをしてないことの方が多く、今のところ顔認証がメインになりそう。それでも立ち止まって一呼吸みたいな待ちは生じるので、なんかもっと手前の通路のところに設置して歩いて通過するだけで認証できればいいなとも思いましたが、やはり今のレスポンスだとどこかで立ち止まる必要はありそう。

いつも指紋がだんだん認証されなくて定期的に再登録をしていた同居人については、やはり顔も静脈もいまいち認識されず「コイツもやっぱダメか…」となりかけたんですが、私がガイドしながらきっちり登録した後、今日の帰宅時は一発で解錠できたようで喜んでいました。もう少し継続観察はしてみます。

■まとめ

Sesame Touchの指紋は自分ではそこそこの認識率だと満足していましたが、唯一雨の日は(直接センサーや指に水滴などついていなくても)認識率ガタ落ちでした。今回は非接触なので(レンズさえ汚れていなければ)そういうブレもないのかなと期待しています。

サイドの施錠ボタンだけちょっと小さいので3Dプリンターで大型化にチャレンジしてみようかな?とは思ったり。

改めて考えるASSA ABLOY製ドアでSesameスマートロックを使う難しさと回転リミッターについて

スマートロックはモーターでサムターンを回転させ、施錠位置と解錠位置を行き来させる仕組みですが、我が家のASSA ABLOY(アッサアブロイ)という北欧ブランドのドア(サムターン)はクセがあり一筋縄ではいきません。サムターンと物理鍵を挿したシリンダーの回転と、デッドボルト(ドアの側面から出てくる金属の閂)の動きが直接リンクしておらず、サムターンと物理鍵シリンダーはクルクルと何週も回転します。何周かするうちのスイートスポットでのみデッドボルトが引っかかってカシャっと出たり入ったりする、といった独特の動作です。なので、一般的なスマートロック製品のように360°中「a°で解錠」「b°で施錠」という2つの角度を登録してその間を行き来させるだけでは意図通りにデッドボルトが出たり引っ込んだりしてくれないのです。手動でサムターンや物理鍵を使うと内部の回転角度が変化してしまい、Sesameが認識している現在角度とズレが生じ、結果としてSesameが設定されている角度までサムターンを回しても施錠・解錠できなくなります。

例えば我が家でSesameシリーズの前に使用していたSONYのQrio2では「45度以上110度未満」が動作推奨範囲となっています。論外です。

Sesameの旧モデルがこれが「360°まで」となっていました。Qrioよりかなり広くなっていますが惜しい。だったら物理的にストッパーをつけて360°以上回せなくしてやれ!という発想で生まれたのが回転ストッパーです(現回転リミッター)。

当時は3Dプリンターを所持しておらず、設計データをDMM.makeに送って造形してもらっていました。

時は流れSesame5では「360°以上の数回転も対応可能」が謳われるようになりました。あんなに安いのにこんなニッチなドア仕様も対応してくれて有り難い限りです。

(ちなみにSmartBotのスマートロックは使用したことがないのでどうなっているかわかりません)

しかし実際に使ってみると、UI的には施錠・解錠位置を記憶させる仕組みにかわりなく、使用感としては変化がなく、結局回転リミッターを継続使用する必要がありました。その後、この回転リミッターは徐々に知られ、月イチくらいで譲ってほしいというお問い合わせをいただくまでになりました。

現在、Sesame5と5Pro用に様々な取り付け位置、サムターン形状に対応させたパーツを製作しています。詳細は下記の記事をご覧ください。

180°以上の回転が必要なフック型デッドボルトとdタイプリミッターでの不具合

多くの方からご相談をいただく中で、同じASSA ABLOY製といっても色々なバリエーションがあることがわかってきました。その中で、デッドボルトが真横に出入りするのではなく、下から引っ掛けるフックのような形のものがあり、こちらは180°を僅かに超える範囲でサムターンを回さないとカシャリと言うまで動作しないそうで、従来の途中に針を割り込ませるa~cタイプのリミッターでは対応できませんでした。針はツマミの両端に当たって回転を止めるので180°(マイナス針の太さ)分しかサムターンが回せなくなります。ご相談いただいた方のお宅ではこの角度範囲ではこのフックが完全に出入りしませんでした。

そこで考案したのが以下のdタイプリミッターです。

回転円盤内に針を差し込むのではなく、外周上にピンを生やし、ツマミの片側だけを外周まで延長することで、延長していない側はピンの内側を素通りすることができ、ピン1本なら360°(マイナスピンの幅)回転させることができるようになりました。実用上は更に回転範囲を狭めた方が便利なので施錠位置と解錠位置の外側にそれぞれピンを配置する想定です。

フック型ボルトのドアをお使いの方、お一人目はこれで解決したとご連絡いただきました。しかしお二人目の方からSesameが誤動作することがあると連絡をいただいたのです。

手動操作した後に、Sesameが反対に回そうとする!?

Sesame操作で動かしている分には問題ないものの、手動でツマミを回して施錠・解錠した後、更にアプリで操作すると、モーターがピンの方向に動こうとしてしまうということです。更に何度もやりとりしてい判明したのは、アプリ上の「角度の設定」画面で見えるリアルタイムの角度表示がリミッターで制限している範囲を超えて増えていってしまう(プラス方向もマイナス方向も)というのです。

例えば施錠・解錠位置をリミッターのピンに当たる位置でそれぞれ0°と180°にしたとします。物理的にそれ以上回転しないようにしているので、-1°以下や181°以上にはならないはずなのに、実際に手で回しているといきなり数字が飛んで写真のように範囲を超えた数値になります。

赤丸の位置の数値が物理的にあり得ない値になる

なるほど、Sesame5が360°を超えた角度に対応したという触れ込みの通り、大きな回転角度を検知はしてるっぽい。これによって「1周半回して施錠」みたいなことも可能なのかも知れません。しかし実際に回してないのに数値ばかり大きくなるのは問題です。当初はハード的な不良かも知れずメーカーサポートに連絡してみるようお願いしていたのですが、その方から「ゆっくりとサムターンを回せば大丈夫そうだ」ということも聞き、なるほどということで、我が家のSesame5でも同じ素早くカチャカチャ回転させてみたら再現しました!どうも固体不良ではなさそうだぞということで検索し、こちらの記事で重要な情報を得ることができました。その方がサポートから聞いた情報によると、

「速い速度で手動でサムターンを回すと、回転方向を誤認してしまうのは仕様。」

「センサーの動作頻度を上げると電池がもたないので、仕様」(意訳)

「北米版を含むセサミ製品は1秒以内に180度以上回すと回転方向を誤認識する」

とのこと。

なるほど。省電力のために角度検出のGMR(磁気)センサーの動作クロックを1Hz(1秒に1回)とかにしてるとかですかね?だからその間にグルリと大きく回転させてしまうと、Sesameはどっち周りでその角度に到達したかを区別できなくなるということかも知れません。結果として当てずっぽうで1秒前の角度と今の角度を足し算すべきか引き算すべきかが賭けになってしまい、外れると360°(180°?)が無駄に加算された角度になる、的な?なぜ360°ではなく180°でもう判別できなくなってしまうのかはよくわかってないですが、磁気を使ったGMRセンサーの仕組み的な都合ですかね?

おそらく世の中のほとんどのサムターンでは180°も回転することはないので、省電力優先のクロックにしたのは妥当だったのかも知れませんが、ASSA ABLOYのような何回転もするサムターンとは相性が悪かったということでしょうか。しかもこのサムターン、ほぼ空転してるかのように軽い回り方をするので、その気になれば本当に素早く回せてしまうことも要因のひとつな気がします。可能ならバッテリーライフを犠牲にしてでも角度検出クロックを上げる「高精度検出モード」みたいなのを実装してくれると世のASSA ABOLYドアユーザは救われるかも知れません。

dタイプリミッターを使う場合のワークアラウンド(対症療法)

「1秒以内に180度以上回すと回転方向を誤認識する」のが仕様だとするSesameで180°近くを回す必要があるフックタイプのASSA ABLOYサムターンをdタイプリミッターで使う場合の誤認識回避策としては、

  1. 意識して1秒以上かけてゆっくり回す
  2. アプリやSesameリモートを使うなどして、手回しを徹底的に避ける
  3. ロックボルトが動作するギリギリを見極め180°未満に範囲を絞り込む
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といったことになるかと思います。実際、この誤認識を教えてくださった方にこのアドバイスをしたところ、120°くらいでセッティングができ、今のところ誤認識を抑えられているとのことです。

そもそも120°で済むならいずれかの位置にa~cタイプのリミッターでも済んだ可能性すらありますね。やはり現地で実物を目にしてるわけではないので、写真や動画を拝見し、お話伺ったりして最善策を練るのもなかなかもどかしいところがあります。同じフック型のデッドボルトのドアでも、180°以上回さないと施錠解錠できないという方もいれば、詰めたら120°でOKでしたという方もいるので、実際にはモデルが違う可能性もあります。当分個別対応は不可避といえそうです。

EcoFlow River3 PlusのAC ON/OFFボタン誤動作防止カバーUpdate

UPSとしても実用的な10ms切り替えを実現したEcoFlow River4 Plusですが、本体フロントパネルにAC ON/OFFボタンがあり、短押しで即AC出力がバツンと切れるので、NASやサーバー機器、PCなどをつなげてUPSとして使うにはあまりにも恐すぎました。

こちらの記事で3Dプリンターで保護カバーを製作したことを報告していたのですが、コメントで頒布希望をいただき、せっかくなので不満点、不安点を改善してバージョンアップすることにしました。

初期バージョンはこんな感じの跳ね上げ式のフタでした。

フタ開

戦闘機のミサイル発射ボタン的なガジェット好き男子にはたまらないギミックですが、やや大きいのと蝶番部分の強度に不安がありました。蝶番部分を3Dプリントで作ると折れやすいのでどうしても太め、長めに作る必要が出てきてしまうのです。金属棒などを差し込んで使う手もありますが、絶妙な穴サイズを詰めないとフリップ状態を保持できなそう(まぁ手を離したらパタンと閉じる仕様でもいいんですが)。

あと、すぐ上がACポートなのでACアダプタなど下に伸びるようなものを使った時に干渉しないのが理想です。自分は現状で使ってないですが、人に譲る以上はできるだけ改善しておきたい。つまり、もっと薄くしたいというのも目標です。

スライド式に変更

ということでVer.2がこちら。

フタ閉状態
フタ開状態

フタを下にスライドして開く方式に変更しました。

取り付けと動作の様子は動画にて。

最初に両面テープで貼り付けているのがベースフレームとフタです。フレームの糊面をかなりギリギリまで狭くしました。使う両面テープ次第ではありますが、River3 Plua側もツルツルなので貼り付きは良いし、力がかかる場所ではないのでいまのところ大丈夫そう。

後から追加しているバーはフタがレールをこえて上にスッポ抜けないための抑えです。実用上は気を遣って操作すれば別になくてもいいかも知れません。

フタの文字を「!」からよりわかりやすい「AC OUT」に変更。ちょっとデカいですが0.2mmノズルでも綺麗に多色印刷する限界はこれくらいで、これより小さいポイント数にしてしまうと潰れてしまうので致し方なし。本体表記の「AC ON/OFF」だと文字数的に入らないので「OUT」に変更しています。この辺はテキスト編集するだけなので、頒布希望をいただく際に要望があれば変更なども承れると思います。

BOOTHに出品しました。

こちらからもご注文いただけます。

[3Dプリント] 外壁に釘を打たずにセキュリティカメラをつけたい!

先日導入したeufy SoloCam S340を移設することになりました。

移設先は玄関ポーチ。猫が脱走しないよう、玄関ドアがしまっているか出先で確認したい、というのと来訪者や玄関置き配荷物のモニタリング用です。

取り付けたい場所はここら辺。

例によって賃貸なのでネジ打ちはNGです。当初は左に見えるメタルラックの柱から上に延長ポールを立てるような固定具を作ろうかと思ってたんですが、結構内側に入ってしまいソーラーパネルへの日当たりが良く無さそう。一方よくよく柱を見るとちょっとイケるんじゃね?というアイデアが沸きました。この柱、まず疑似レンガパネルで等間隔で凹凸があります。として長辺の角に金属のコーナーパネルがはまっています。「通し出隅(でずみ)」って言うのかな?この水平の凹みを利用して上下方向に落ちないようにして、カメラくらいの重量なら支えられるのでは?と。

出来上がったのはこんな治具です。

3つのパーツから成っています。手前側のブロックはSoloCam S340付属のブラケットと互換位置にあるねじ穴3つが開けてあり、前回同様インサートナットを挿入してボルト固定します。ミソは後ろ側の2枚のパネルパーツ。こんな感じで柱にそれぞれの面から組み付け、コーナー部分で合掌するように合わせます。写真は試作段階のものでピッタリあってませんが、何度も試行錯誤してピッタリ合わせました。

あとは手前ブロックをかぶせて3つのパーツをM5ボルトとナットで固定。そうするとパネルは左右に分離できなくなり、結果として左右にも上下にも動かせなくなります。

やったね!これぞ3Dプリント道。このタイプの外壁にeufyカメラをつけたい人にしか刺さらないワンオフアイテム。だけどこれのおかげで釘を一切使わずに好きな高さにカメラ設置が実現です!最近のプロダクトの中でもかなり充実感が高いです。「まさにこれを欲していた!」って人現れたら嬉しいなぁ。

最終的な取り付け位置は普通の身長で届かないくらい高めの位置にしました。まぁ金属バットで殴られたらアウトですけど…

■造型メモ

今回もBambu PETG-HFを使用。ただし初めてのホワイトです。壁にあわせてライトグレーも考えましたが、ブラケットとカメラは白だし、直射日光の熱線を少しでも反射してくれということでホワイト。こちらの記事のベランダ手すりブラケットは黒のPETG-HFで一ヶ月持たずに変形が始まってましたが、今回はどうかなと。形状が違うので純粋な比較ではないですが、データ取りも兼ねて様子見です。これでダメなら今後屋外用途はやっぱりASA買わないとダメかも。値段もさることながら造型失敗の少なさと仕上がりの綺麗さはPETG-HFいいんだよなー。