[e-tax] JPKI利用者ソフトで「ICカードに接続できません」となる時の覚書

今年もe-Taxには苦労しました。来年以降のため、同じ問題にぶち当たった誰かのためにメモ。

今年(2020年度申告)からfreeeはiPhoneを含むNFCスマホを使って申告できるようになりました。カードリーダーいらずで華麗に申告まで達成できたのですが、少し前にマイナンバーカード内の電子証明書を期限切れで更新したためにエラー。事前にe-Taxソフトから新しい電子証明書を再登録しておく必要がありました。それはさすがにfreeeの申告アプリではできなそうだったのでe-Taxソフトからやることに。

で、e-Taxソフトも従来のWindows版に加え、ついに非IE環境であるChrome/Chromium Edgeに対応した「e-Taxソフト(Web版)」とスマホでいける「e-Taxソフト(SP版)」が加わりました。そのうち、SP版はマイナポータルアプリがサーバーエラーでつながらず(ク○)。そしてWeb版には電子証明書の再登録メニューがなく、結局Windows版を使うことに…

■Windows版のインストールが終わらない

「e-Taxソフトのダウンロードコーナー」からインストーラーを順に実行していって、最後の「e-Taxソフト(共通プログラム)のインストーラ」を実行し、プログレスバーが最後までいったところで「e-Taxソフトが新しいソフトウェアのインストールを構成中です。」のまま刺さる。現象としてはこちらのページにあるまんま(34bitOSってなんやねん…)。ウィルス対策ソフト(ESET)を無効にしてみてもダメ。さすがにアンインストールまでは試せず別のPC(Surface Go2)でやったらすんなり完了。これだからウィルス対策ソフトは入れたくないんだよなー。

■「ICカードに接続できません」

ICカードリーダーには以前から手持ちのSONY S380とNTTComのSC3310を使用。今までも散々使って来たリーダーです。しかしe-Taxソフトが認識してくれない。そういう時はJPKI利用者ソフトで動作確認。すると、「動作確認」ではすべてOKが出るのに「自分の証明書」で電子証明書の内容を読み込もうとすると「ICカードに接続できません。ICカードまたはリーダライタを確認してください。」というエラー。

ICカードに接続できません。ICカードまたはリーダライタを確認してください。

動作確認できてるのになんで?というか何の為の動作確認画面なの??

で、結論ですが、JPKI利用者ソフトと一緒にインストールされている「ICカードリーダライタ設定」アプリをスタートメニューから呼び出し、「ICカードリーダライタを自動検出する」になっているのを「PC/SC対応」に変更し、リストから目的のリーダを選び直してやる必要がありました(Surface Go2の場合、デフォルトでは「Microsoft UICC ISO Reader」が選ばれていました。

このMicrosoft UICC ISO ReaderというのはSurfaceのSIMスロットかな?いずれにせよ「動作確認」ではOKぽい表示になることと、設定が別アプリになってることがハマりポイントでしょう。e-Taxソフトも起動時に更新バージョンがあるかチェックする設定をON/OFFするだけのために別アプリ「バージョン確認オプション変更」が切り離されているし、謎設計です。

この問題は複数のスマートカードリーダーがデバイスマネージャーに存在する、それこそLTE搭載PCくらいでしか起きない問題かもですが参考まで。

iPhoneから特別定額給付金(一律10万円給付)のオンライン申請でハマりがちな点

私の住む街でもマイナンバーカードを使った特別定額給付金(一律10万円)の申請がスタートしました。私は確定申告をe-Taxで行っており、電子証明書入りのマイナンバーカードを所持しているので早速チャレンジ。パソコンからできるカードリーダーも持っていますが、せっかくなのでiPhoneのみでやってみることにしました。

以下、ハマりポイントをメモしておきます。2020年5月現在の記録なのでシステム改修などでかわっている可能性もあります

■前提条件

  • マイナンバーカードをもっている
  • 公的個人認証サービス等の電子証明書が入っている(ただマイナンバーカードをもっているだけでなく、市役所で追加手続き、課金が必要。有効期限にも注意)
  • 電子証明書のパスワード(2種類、英数字のものと数字4桁のもの。詳細は後述)
  • iPhone7以降のApple Payに対応した機種
  • iOS13.1以降
  • マイナポータル」アプリをインストールしてある

が揃っていることとします。

■申請可能か調べる

後述しますが、途中でアプリとブラウザを行ったり来たりしますので、今どちらが開いているかを意識しておくのが重要だと思います。

  • Safariから「https://myna.go.jp/」にアクセスし「申請はこちら」を選択
  • 少し下にスクロールし、「①地域を選んでください」のところに自分の居住地の郵便番号を入力、緑の「地域を検索」をタッチ→都道府県、市区町村名が表示される
  • 「②検索方法を選んで手続を検索してください」で赤字になっている「特別定額給付金」を選択し、一番下に出現する「この条件で探す」ボタンをタッチ

  • 画面がかわって検索結果が1件と出れば申請可能です。もう一度「特別定額給付金」を選択して「申請する」を押しましょう

■2回のマイナンバーカード読取りとアプリ遷移に注意

・パスワードが複数ある!

実際の申請フローに入ってしまえば記入項目としては特に難しいことはなかったと思いますが、途中2回マイナンバーカードの読取りがあります。1回目は住所、氏名、フリガナ、生年月日などマイナンバーカードを使って読み出せる情報を記入フォームに自動記入するため。2回目は作成された申請書類に電子署名(=ハンコを押すイメージ)をする為です。それぞれに異なるパスワードが必要です。マイナンバーカードには複数の機能があり、それぞれのセキュリティ的な重要性に応じて複雑度の違うパスワードが設定されています(電子証明書の設定時に窓口で指定しているはずです)。1回目の方に使うのは数字4桁のいわば暗証番号的なもの。2回目の方はハンコと同じ意味を持つより重要な手続きなので英字と数字の組み合わせ6−16桁(英字は大文字)で決めたものです。マイナンバー関連は数字のみでもパス”ワード”と読んでいたり、逆に英数字なのに暗証”番号”と読んでたり、省庁や自治体毎に呼び方がバラバラなので注意しましょう。本手続きではすべて「パスワード」と呼んでいますが、入力欄の中に薄い字(プレースホルダー)で「ここでは英数字の方」とわかるようになっているので注目してみましょう。一定回数連続して間違えるとカードがロックされ、窓口にいって身分証明しないと解除してもらえなくなります

2回目の署名の場面で英数字の方のパスワーオを要求されている画面例

「ややこしい!1回で済ませられないのか!」と思うかも知れません。しかし2回とも役割が違うのです。たまたまどちらも「マイナンバーカードを読み取る」という操作によって実現していますが、1回目は個人情報の読取り、2回目は完成した申請書類に電子署名する(中身をロックし、本人が確かに内容を本物だと確認したとハンコ/サインをする)という全く別々のことを行っています。手紙の中身を仕上げるのと、封筒に入れて封かんを施すのが同時にできないのと同じです。

もしかすると1回目の方は自動記入せずに手入力で済ませば必要ないのかも知れませんが、記載事項が一致しないと後日エラーになって帰ってくる可能性もあるので、おとなしくマイナンバーカードを使って自動入力した方が無難でしょう。これだったら役所の記録がそのまま引っ張ってこられるので不一致の可能性はないはずです。

・入力フォームはSafariで、マイナンバーカード読取りは「マイナポータル」アプリで行っている

この2つを行き来しているという感覚をもってないとハマります。何故ならSafariでの記入フォームから緑色の「マイナンバーカードを読取り」ボタンを押すと自動で「マイナポータル」アプリに移ってくれるのですが、読取り終わったあとSafariの記入フォームに戻ってくるのは自動ではないからです。そればかりか、「マイナポータル」アプリのトップ画面に戻ってしまい、そこには最初にWebでもおして「ぴったりサービス」のボタンがあるのです。「今やってるのはこれだよね」とばかりに「ぴったりサービス」を押してしまうとそれこそ最初からやり直すことになります。以下、画面例を添えて説明します。

これが読取り直前の注意書きの部分。赤字のところをしっかり読みましょう。読取り後、「ぴったりサービス」をクリックしないで「◀ safari」(正確にはSが大文字)をクリック、と書かれています。

 

次が実際にマイナンバーカードにiPhoneをかざして読取りが成功した後のボックス。ここにも「Safariを確認してください」とあります。

で「閉じる」で戻った先が問題の「マイナアプリ」のトップ画面です。ここで見えてる4つの入り口はどれもハズレです。必ず左上の赤丸位置の「◀ Safari」を押しましょう。

これは普段にも出ている1つ前に使っていたアプリに戻るショートカットですね。これを使うとさっきまで記入していた画面に戻れ、しかも読取り情報が反映されているというわけです。もしここでアプリ側の「ぴったりサービス」を選んでしまうと、Safariに書きかけてある内容に関係なく、新規申し込みセッションがスタートしてしまいます。ご注意ください。

ヒドいですよねw。どうしてこうなっているかの技術的説明はやや専門的になるので省きますが、ひと言で言うと、アプリを今回の申請制度にあわせて改修するよりも、少しでもはやく受付を開始することを優先した、ということなんだと思います。追々改修されていくと良いですね。

 

freee & e-taxで確定申告している私が持続化給付金申請をした時のメモ

ついに本日、持続化給付金申請の受付が始まりました。私はフリーランスで実際に案件が中止になったりして実入りが減って来ているので早速申請させてもらいました。給付金額の計算などは専用サイトや解説サイトに詳しくまとまっているので、割愛しますが、各種添付書類(画像)を用意するのに普段経理に使っているfreeeと確定申告に使っているe-taxのページをあれこれしたので、その辺り、参考になればと書き留めて起きます。

注:現時点でまだ給付までは至っていません。この後、なにかしら不備を指摘されて出し直しになる可能性がありますのでご了承ください。

2020.5.12追記:無事振り込みがありました。10日かかった形ですね。GWただ中の申請だと考えるとスピーディだと言えるんじゃないでしょうか。担当者の方に感謝です。大事に使わせていただきます。

前提として、

  • freeeで経理をしている
  • e-Taxで昨年度の確定申告を提出済み
  • 振り込み口座は三菱UFJ銀行で、ECO通長を選んでいるため紙の通帳がない

といった感じ。

■対象月を選ぶために月毎の売上を調べる

これは確定申告時に自動で生成される青色申告決算書(薄緑枠の書式)の2枚目を見ると「月別売上(収入)金額及び仕入れ金額」欄があるので簡単です。去年の確定申告が終わっていれば控えを見れば良いでしょう。

月別売上の場所

赤丸の部分が月毎の売上です。青丸は合計なので計算式のAの値に使えます。これも控えておきましょう。

残してない場合はfreeeにログインして「確定申告」メニューから「確定申告書類の作成」に行き「確認」タブ(5つの〇の真ん中)を選べば見られると思います。

また去年の申告が終わっていて年度締めしてある場合は右上の「年度切り替え」プルダウンメニューから昨年と今年を行き来できます。年度締めしてない場合はしておきます(数分待たされることも)。今年も既に5月ですから、毎月マメに仕分け記録してある人なら2020年度に切り替えるだけで1-4月の売上が既に表示されると思います。まだの場合、ここで必要なのはあくまで(経費などを差し引く前の)売上高なので、せめてそれだけは記帳していきましょう。

どの月を対象月とすればいいかは、こちらの「給付額算定シミュレーション」の項にあるExcelマクロが便利です(ダウンロード前に画面トップの中小事業者、個人事業者のタブを先に切り替えるのをお忘れなく)。薄黄色の欄に昨年と本年の売上数値を入れてやれば申請に使える月(50%以上減)がオレンジになり、給付額が黄色のところに出ます。最高額の100万になれば申請GOですね。もしそうでなければこの後12月まで待ってみるか、今すぐもらえるだけもらうかは個別の事情次第というところです(1回しか申請できない)。

余談ですが、私は毎月の売上が一定でなく、0の月があればドカンと入ってくる月もあります。本制度では基本的に前年同月比が50%減であることが前提になのでどうかなーと思ったんですが、運良く対象月を選ぶことができました。いちおうそういう人向けに連続した3ヶ月を均して算定する特例制度もあるみたいなので、必要なら調べてみてください。

■確定申告書B、青色決算報告書

提出にはPDF、JPG、PNGが使えるので、freeeから取得できる昨年のPDFをそのまま使えばOKです。必要なのは確定申告書Bの1ページ目と青色決算報告書の1,2ページ目だけなので、無駄な情報を提出したくない場合はPDF編集ソフト(AcrobatやmacOSならプレビューなど)で後半ページを削除します。

■e-Taxの受信通知

e-Taxの場合、確定申告書の控えに税務署のハンコがないので、e-Taxで提出したことを証明する追加画像が必要になります。e-Taxのサイトでメッセージボックスにログインし、受信通知を閲覧します。これには利用者番号ではなくマイナンバーカードによるログインが必要です。

e-Taxでホンマクソだと思うのは、

パスワード=4桁の数字

暗証番号=英数字

なことですね。どう考えても逆だってのに。なんど間違えてロックされたことか、、、

この場面では4桁の数字の方です。お間違いなく。

ログインできたら「メッセージボックス一覧」で手続き名が「所得税及び復興特別所得税申告」となっているメールを選択。この辺りをキャプチャして使いました。説明ページのスクショ例とレイアウトが違いますが画面名が「メール詳細」なのは同じだから大丈夫かなと。利用者識別番号や受付番号が映ってればいいかなという判断です。

■対象月の月間事業収入がわかるもの

これが悩ましいというか、フォーマットは決まってないので、とにかくその月の売上が一覧できればOKとのことみたいです。私はfreeeの「取引」->「取引の一覧・登録」へ言って、検索しました(売上データが入力済みとして)。

上の枠内は入力欄なので無視。その下で日付を対象月の1日から末尾にし、「+絞り込み条件を追加」から「収支」を追加し、「収入」を選択。場合によっては更に勘定科目で「売上高」とかに絞り込んでやる必要があるかも知れません。

次に(写真では見切れてますが)右上の「その他の機能」から「取引データのエクスポート」を選び、「取引データのみを現在の検索条件でエクスポートする」を選択して「次へ」でdeals.csvというファイル名のCSVファイルを取り出すことができました。提出にはPDF、JPG、PNGのどれかである必要があるので、Excelで開いて簡単に整形してPDF保存して添付しました。

■口座確認の書類

通帳の表紙と1,2ページ目をコピーして添付しろ、となっています。しかし私は三菱UFJ銀行のECO通帳(電子通帳)を選択しており紙の通帳をもっていません。要項をよく読むと電子通帳の人は画面コピーでOKとなっています。基本的には銀行、支店名、種別(普通/当座)、口座番号、名義が確認できれば良いみたいです。三菱UFJダイレクトの場合、なんと明細画面のナビゲーションの下に「通帳表紙イメージ印刷へ」と「明細印刷へ」というリンクがありました。

明細の方にも口座情報の詳細が入ってたので、念のためこの2つを両方添付しました。

■本人確認書類

これは普通に運転免許証やマイナンバーカードでいいと思います(e-Taxやってればマイナンバーカードもお持ちでしょう)。

■まとめ

以上、電子化してる人ほど「え、この写しはどうしたらいいの?」となってしまいがちなところを私なりにどうにか用意してみました。後日修正指示がくるかもは知れませんが、その時はまたこちらに補足します。

 

freeeのWindows用電子申告アプリがインストールできない時の覚え書き

クラウド経理サービスのfreeeがサービス上からの電子申告に対応し、それに利用する電子申告アプリをリリースしました。e-TaxのWebサイトで行う利用者番号に対する電子証明書の紐付け作業を、freee上で入力した情報を使って自動でやってくれるものらしいのですが、macOS版は入れておいてもブラウザから認識されず、VMWareのWindowsを起動しようとして断念。仕方ないのでもろもろWindows10(Fall Creatores Update)/64bit機でやろうとするも、今度はダウンロードしたsetup.exeを起動すると「セキュリティ設定は、このアプリケーションがこのコンピューターにインストールされることを許可していません。」と言われブロックされてしまう。このアプリはClickOnce形式の配布らしいのですが、レジストリのここをいじって有効(Enabled)にする必要がありました。ClickOnceはMicrosoftが一時期プッシュしていた配布方法で、一度インストールされると起動の度に更新を配布元サーバーにチェックして自動アップデートしてくれたりと便利なんですが、その配布元サーバーの種類別に制限がかけられるようになっていて、σ(^^)が試したマシンでは全てDisabledになっていました。以前にこのマシンでClickOnceアプリを入れたこともあったりしたはずなんですが、いつの時点でこうなったか不明です。freeeのサイトにはひと言も触れられていないので、おま環なのかも知れません。

とりあえずブロックされてしまった人は、レジストリエディタで下記のPromptingLevelまでいき、InternetのキーをEnabledにします。regeditの終了やOS再起動は不要で即座に反映されます。この画面を開いたままインストールを終わらせたらまたDisabledに戻しておくのが無難かも知れません。

freeeでe-Tax確定申告をしてみたメモ

長年使い慣れた「やよいの青色申告」(以下やよい)からクラウド会計ソフトfreeeに乗り換えて確定申告してみました。年額9,800円なので、「やよい」を毎年バージョンアップするのと変わらない負担ですが、

  • クラウドベースなのでMacでもブラウザから利用できる
  • 銀行やクレジット明細の取り込みが充実している
  • iOS/Androidアプリからも一部の操作ができる
  • 請求書発行も一元化できる(やよいは別ソフトで結局使い切れずにいた)

などメリットも多そうだったので。

なお、データ保存が一ヶ月の無料プランもあるので、単年度の確定申告だけを集中的にやるだけならそっちでもいけるかもですが、まぁ毎年インポートだの初期設定だのあれこれするくらいなら面倒だから払っちまえ、という感覚で仕様期間も活用せずいきなり課金しちゃいましたw。最近はOfficeもPhotoshopもみんな課金モデルになってて、サブスクリプション製品/サービスへの心理的抵抗が低くなってるかも。dアニメだのdマガジンだのちまちま契約しているものも含めると総額がどんだけいってるんだか…

あと導入を決めた同時期に弥生もクラウドサービスをほぼ同額で発表しましたが、

  • スキャナで一括で取り込んだレシートを画面上で仕分けできる
  • freeeの方が一日の長で、解説本や資料が充実してそう

などがあり、あまり悩まずfreeeに決めました。特に1番目は、レシートの山とキーボードの行ったり来たりがなくなり、まとめて電子化した後は、スタバでノマドりつつ仕分け作業ができることに魅力を感じました。課金から時を置かずiOSアプリでもこれができるようになり、寝転がって仕分け、ということまで実現しました(ただし後述しますがまだ使い勝手が不十分でした)。

■素晴らしい点

σ(^^)が年に1回まとめて確定申告する流れは、

  1. 請求書発行記録(Excel)から売掛金の入力
  2. 各社からの支払い調書を確定申告様式に入力
  3. 銀行の取引ログをインポート(やよいではMoneyLookを使用)
  4. クレジットカード明細の内容を全て転記
  5. 現金取引のレシートを入力
  6. 生命保険などの控除データを入力
  7. e-Taxで提出

という流れ。2で源泉徴収されてる総額が確定し、あとはいかに支出を多く打ち込んで多くの額を還付として取り返すか、という感じでモチベーションを維持します。大変なのは4と5ですね。その辺りをfreeeではどんな感じでできるか紹介してみます。

・銀行、クレジット明細読み込みから半自動仕分け(3,4)

国内主要銀行、クレジットカード、電子マネーのWebサービスからスクレイピングで履歴を取り込むことが可能になっています。やよいでもMoneyLookという外部サービスを使って銀行口座に関してはできてたんですが、自分で度々ソフトを起動して取り込みをしなければなりませんでした。これの間が空きすぎると全てのデータが取り込めず空白部分ができたりして、結局通帳記入をしにいったり、郵送されてたログハガキを発掘したりと色々手間が発生していました。MoneyLook for 弥生ではない主サービスの方ではクレカにも対応しててcsvに書き出してやよいにインポートとか目論んでた時期がありましたが、こちらも三ヶ月毎に取得しておかないとデータが欠けたりして、利用を諦めました。基本的に確定申告シーズン以外に作業が発生するのは自分には無理だとw。

で、freeeではクラウドサービスなので定期的に勝手に取り込んでおいてくれます。たぶんここに年額コース契約する最大のメリットがある気がします。3月の確定申告シーズン以外も着々と準備を進めておいてくれる安心感があります。ただし銀行のログイン画面に「パスワード定期変更のお願い」みたいなイレギュラーなお知らせが出ていると取り込みエラーになってメールが届きます。手動でログインしてお知らせを全部消してやらないと取り込みが実行されないわけです。この辺りは勝手スクレイピングではなくちゃんと銀行と連携してAPI的なもので取り込める仕組みができるといいんでしょうけどね。

取り込んだデータについては、やよい同様半自動で仕分けが行われます。振り込み先/元や備考を見て仕分け方法を教えてやると、以降同じパターンの取引については勝手に仕分けしてくれるようになります。ただやよいよりちょっぴりバカかなとも思いました。クレジットカードも対応してデータの多様性が増えたせいかも知れないですが。例えばETCカードのログは課金された料金所名がバラバラなせいか、なかなか学習が進まず、「仕入れ」とか「交際費」とかメチャクチャな推測が行われるおで、逐一修正が必要でした。「学習」チェックをつけると次からは同じパターンは自動でやってくれるはずですが一向に賢くなってくれず。「次から」というのが「次に取り込んだ時から」っぽいのですがとにかくややウンザリしました。「指定口座(カード)でETCってついてたら交通費」くらいの知能がまだないっぽいです。少なくとも「次回取り込み分から」「料金所名も含めまたったく同一の内容であれば」学習が反映されると期待したいです。あるいはクラウドという集合知でその賢さが加速することにも期待したい。一方で、Amazonからの請求は図書費になってるとか、それなりの推測能力も感じました。まぁ、Amazonだと本に限らず消耗品もあったりするので、結局は人力で仕分ける必要があるんですけど。

ともあれ、ほとんど苦もなく一年分の銀行口座取引とクレジットカード履歴が取り込めたことは感心しました。数時間は短縮できたはずです。

ちなみに、やよいの方もクラウドバージョンではそこら辺が新サービスになって改善されてるっぽいので、σ(^^)の過去経験とだけ付き合わせるのはフェアではないと思います。やよいに未練がある人はそちらについてもリサーチしてみると良いと思います。

・スキャナで丸ごと読み込み->ブラウザ、アプリで仕分け(5)

ここが真骨頂。まぁスゴいのはfreeeというかScanSnap iX500なのかも。サイズがバラバラなレシートの山をまずはJPEGとしてがしがしスキャンします。さすがに細長いものとA5やA4など大きいものは別にしたり、裏表や向きを揃えたりはしましたが、長さとかはバラバラでも綺麗に傾き補正して取り込んでくれます。たまに横長レシートが混じっていてもほぼ判別して回転処理しておいてくれます。自炊用に買ったiX500ですが思わぬところで大活躍してくれました。

次にそれをfreeeのファイルボックスというところにアップロードします。アップロードボタンをクリックしてファイル選択ダイアログを出すと一度に1つのファイルしか選択できずウゲッと思いますが、実はFinderで全選択してまとめてブラウザにドラッグ&ドロップしてやると一括アップロードできます。これもうちょっとPRしないと気付かない人多いんじゃないでしょうかね。

アップロードしてしばらく放っておくと全てOCRがかけられ、金額、日付が自動で認識され記入されます。正解率は8割といったとこでしょうか。フォーマットが千差万別なことを考えればなかなか立派な精度だと思います。ただ日付が上手く読み取れなかった時に、取り込み日の日付をかわりに入れてくれるのだけは大きなお世話です。即刻やめてほしいです。うっかりそのまま仕分けしてしまうと、年度をまたいでしまい前年の確定申告に利用されないことになるはず。読み取れないなら空欄にしといてくれる方がいいですね。あるい「レシートは発生した日に取り込む几帳面さんには親切なんだ!」というならせめて、文字色を変えておくなりして認識失敗してることをPRしておいてもらいたいものです。これはサポートに提案しておきました。

日付と金額が正確にOCRできていれば、後は勘定科目を指定して「登録」するだけです。残念ながらこちらは自動推測はしてくれません。ポップアップメニューから選択するか、消耗品はSHOUMOUとか任意のアルファベットのキーボードショートカットを定義しておけるのでキーボードでSHとか打てばマッチしてくれます。この辺りはやよいなどと同じですね。

ブラウザ版では「すべて」「未登録」「経費申請中」「登録済み」の4つのフィルタータブがありますが、「未登録」タブで表示した時だけ、各レシート画像の脇に入力欄が表示されます。これに気付かず、「すべて」タブからレシートをクリックして個別画面に遷移していくとかなり遷移数が多くて非効率なので注意してください。能率が段違いです。アップした画像の解像度が高すぎたか、ページ遷移も結構遅いので。また「未登録」タブで作業する場合、登録終わるとそのレシートは消えて、残りのレシートが全てズレてくれます。表現としてはオシャレなんですが、こちらの記憶とズレが出て混乱したり、マウスで選択する瞬間にズレて違うのを選んでしまったりして微妙にフラストレーション。「未登録」タブから登録済みが消えるのは正しいんですが、実用性でいえば、場所はちょいちょい動かさないで欲しいものです。登録済みレシートはグレーアウトするなどして、リロードするまではそこに居続けてくれる方が個人的には嬉しい。(サポートには未提案)。

・チャットサポート

最近流行のチャットサポートがついていて、Facebookのメッセージみたいにブラウザ画面の片隅にポップアップするウインドウでテキストチャットでサポートが受けられます。今回は2回お世話になりましたが、2回とも満足のいく案内を受けることができました。ちなみに、「上記のファイルボックスで、各レシートの取引対象口座がデフォルトで銀行口座になってしまっていたのを、すべて現金にする方法はないか?」という質問と、後述のe-Tax向けエクスポートに関する質問です。繁忙期であろう3月上旬でも、電話やメールで待たされることもなく、スムーズに教えてもらえて非常に有り難かったです。

ただ、Mac+Safariだと、チャット欄が勝手に閉じてしまう現象が出て、別ウインドウに開いて利用する必要がありました。そのうち治るといいな、、、っていうかこれも報告しとこ。

■ハマったポイント

まがりなりにも10年以上確定申告をしていた基礎知識もあってか、全体に始めて使うサービスにしてはスムーズに申告完了までもっていけました。それでも困ってサポートのお世話になった点が、e-Taxソフトに組み込む為の.xtx形式ファイルのダウンロードについて。やよいの場合、確定申告書B、青色申告決算書、収入の内訳書などが単一のファイルになっており、e-Taxソフトにインポート(組み込み)すると、確定申告書Bのファイルにその他の添付書類が内蔵されているような見えになり、それに署名して送信する形でした。一方、freeeでは、確定申告書Bと青色申告決算書それぞれxtxファイルがダウンロードできるのですが、それをe-Taxソフト上でどうこねくりまわしてもひとつにまとめられない。しかも収入の内訳書も見当たらない。

で、サポートにチャットで尋ねたところ、「そういうものだから2つのファイルを別々に取り込んで別々に署名して別々に送信すればOK」と言われました。収入の内訳については元々確定申告書Bの第二票にある欄に書ききれない時だけ添付書類として作成されるとのこと。やよいの場合は欄に収まる件数でも生成されてたってことみたいでした。e-Taxソフト上では年度でひとまとまりになってた方が管理はしやすい気がしますが、まぁそういうことなら納得するしかないですかね。

もう1点、青色申告決算書の方が署名しようにも「XML構造チェックエラーです。」「空の内容は、次の内容モデルとして妥当ではない: ‘(tel1?,tel2?,tel3)’」というヒドいエラーメッセージでしたが、どうも電話番号関係だろうということで、e-Taxソフト上で青色申告決算書を開いたところ、電話番号が自宅欄のみで事業所について空だったので、同じ番号を転記したところ無事署名できるようになりました。個人事業主の方はご注意を。freee側の事業所設定では「電話番号1」「電話番号2」という欄しかないですが、これに同じ番号を入れとけば良かったのかな?

あと、freeeまったく関係ないですが、昨年の夏に引っ越しをして、今回あらためて区役所で公的個人認証サービスの電子証明書を住基カードにインストールしてきたんですが、最初そのまま署名して送信したらエラーになって帰って来ました。証明書がかわった場合、e-Taxソフト上で「利用者情報登録」->「電子証明書登録・更新」から手続きが必要でした。

■iOSアプリの不満点

最後にiOSアプリについて。銀行/クレカ履歴の仕分けや、スキャン(ないし端末のカメラで撮ってアップ)したレシートの登録までスマフォでできるとか胸アツですが、残念ながらまだその出来は実用レベルには一歩足りない感じでした(ちなみにAndroid版では本記事執筆時点ではレシートの仕分けには未対応)。

進行/クレカ履歴の自動仕分けにすいては、推測されたものを採用して登録する(右スワイプ)か却下する(左へスワイプ)かの二択のみ。手動で内容を修正するのはPCからってことみたいです。まぁ、推測精度があがってくれば良い話だし、定期的に同期される明細を、電車移動中などの隙間時間に一部だけでも仕分けておけるのは有り難いでしょう。

問題はレシートの方。PCだと「すべて」「未登録」など4つのタブがあると書きましたが、iOS版では「すべて」のみです。そこから任意のレシートをタップして拡大画面に遷移。さらにもう1ステップ遷移してやっと詳細入力画面になります。ここではちゃんとOCR結果をみたり編集して仕分けを完了させることができるのですが、いちいち3つの画面を経由しないとならないのが非常に煩雑。さらにヒドいことに、「すべて」画面に戻るとスクロール位置が戻ってしまい、登録済みのものをとばして未登録のものが出てくるまで毎回大量にスクロールさせなければなりません。これはiOSのテーブルビューを使ったアプリでありがちな、遷移後にメモリが不足して親画面が破棄され、戻った時に再描画されることによる現象でしょう。某大な数の画像が貼られているのだから無理もありません。ただ、だからこそ、いちいち一覧画面に戻らずとも、ブラウザ版のように次の(未登録)レシートに直接遷移させてくれよと、、、百歩譲っても未登録レシートだけが一覧される画面を作ってくれよと。(サポート提案済み)

結局このク○仕様のせいで最終的にはPCでブラウザからレシート仕分けを完遂しました。来年にはアプリが改善されるといいなぁ。

 

不満点も書きましたがトータルでは非常に満足しています。今年は試行錯誤の部分もありましたが、今後は自動化や改良も進みこの毎年度末の苦行がかなり楽になりそうな予感がビンビンします。サポート体制も好感触なので、上記のような改善要望も積極的に投げていけば採り入れてもらえそうな雰囲気も。メインマシンであるMacからほぼ全ての作業が完結できるのもいいですね(ただしe-TaxソフトはあいかわらずMac対応がヘタレで、現時点でもYosemite非対応ですが)。

はじめて次年度の確定申告がちょっぴり楽しみに思えて来たかも。今年度は請求書の発行もfreeeに移行してみたいと思います。