LEITZ PHONE3 vs iPhone15 Pro Max vs Pixel 8Pro ポートレート撮って出し勝負

LEITZ PHONE 3の疑似ボケ機能であるLEITZ LOOKSと、最新iPhone、Pixelのポートレートモードで撮り比べてみました。JPEG撮って出しです。カップのところをタッチして撮ったのでフォーカスと露出はそこ基準になってるはず。WordPressでリサイズはかかってるかもですがリンクで元ファイルが見られるようにしておきます。

LEITZ PHONE 3(LEITZ LOOKSモード、LEITZ COLOR: ORIGINAL)
iPhone 15 Pro Max(ポートレートモード)
Pixel 8 Pro(ポートレートモード)

うーんどうでしょ?

カップを置いている台の下は内部に照明が入ってるパネルなんですが、iPhoneとPixelは良くも悪くも自然なトーンに調整されてただの白壁に見えますね。

iPhoneが一番輪郭処理が甘いかな。左側のフタ直下の部分は完全に抜けてしまってますし、全体に違和感が大きいです。疑似ボケであることがありありとわかる感じ。LEITZ PHONEもプラフタの上部の開閉部分がボケてしまってます。Pixelが最も正確でしょうか。

ボケ量(F値)はiPhone > LEITZ PHONE > Pixel。LEITZ PHONEは撮影時のみの調整、iPhoneはLiDAR情報を保持していて後からでも変更できるのが強み。Pixelも純粋な画像処理だと思いますが後調整は可能ぽい(借り物なので詳細不明)。まぁAndroid標準の「フォト」アプリの機能なので、LEITZ PHONEで撮った写真でもボケを足すことはできますね(Google Oneの契約が必要)。

LEITZ PHONEで気になるのは中心辺りの窓の外の光が二重にブレてる点。これが手ぶれなのかLEITZ LOOKSによる効果なのかは不明。

トーン調整としてはiPhoneが際立って明るめに補正。ふわっと浮き立って綺麗な印象。Pixelが一番リアルの店内の明るさを再現してる気がします。LEITZ PHONEはやはり暗めに写る傾向。もちろん撮影時に手動で露出スライダーを調整すれば変えられるので、あくまでデフォルトの映りということで。

■総評

新機種の贔屓目、目新しさのバイアスもあるかも知れませんが、LEITZ PHONE 3が破綻もなく、味もあり、下部の発光パネルの質感も出てるし好きかな。露出は後でいくらか直せるけど、iPhoneのボケ境界が破綻してるのは直せないので致命的。

ちなみにLEITZ PHONEでF8でボケ最小で撮って、「フォト」アプリで後からボケを足すと、Pixelに近い正確な疑似ボケが得られる可能性がありますが、せっかくの文字表示がボケてしまうのが惜しいw

マクロ撮影に便利?GodoxリングライトRING72

マクロ撮影でカメラを対象物に近づけた時に、カメラ自身が影になってしまうことがあります。それを改善したくて、レンズ周りに円環状(リング状)にLEDライトを光らせられるリングライトを導入しました。よくA〇とかで瞳にリングが映ってるアレですw。ストロボではなく定常光なので動画にも使えますし、写真でもプレビューが正確に見られるので便利です。

ストロボで有名なGodoxの製品で、カメラとの連携機能こそないものの、コントローラーをコールドシューでカメラ上部に取り付け、リングライト本体はフィルターネジを使ってレンズ前玉付近に取り付けます(カールコードの範囲で取り付けずに手でもって違う方向から照らしても可)。アダプターは各種サイズが付属しており、手持ちのレンズはだいたいカバーできました。

リグとハンドルをつけたα7IV + SEL50M28にとりつけてみるとこんな感じです。

フロント
リア
サイド

ハンドルの上のコールドシューにつけてるのがかなり重量装備になってしまいましたが、もちろんカメラ本体のシューに直接取り付けることもできます。

本製品は左右の半円ずつを独立にON/OFFと明るさ調整(1~10)できます。片側からは充分に光が当たっている時、反対側の光だけを足す、みたいな使い方ができます。ただ本製品はお値段なりな部分として色温度が変更できず5600K固定です。なので、結局は左右から同じ色の光りを当てた方が綺麗に撮れる気はします。もしくは他の調色ライトと組み合わせるかですね。

■作例

実はここ何本かの記事ではこれを使った写真を使っています。

これはかなり試行錯誤しました。結局、左右からも別のLEDライトを当ててるし現像でかなりいじっているので、このリングライトだけの成果ではないですが、やはりその中で正面からしっかり当てられたのは良かったかなと思います。というかブツ撮りは左右からも当てるの大事だなと再認識させられました。天井バウンスできるストロボと悩んだんですが、事前にじっくり調整できるので定常光はいいなと。まぁストロボはストロボでそのうち買いたいですが。

こちらは庭に設置した防水ボックスの写真。実はこれ撮ったの夜なんです。にもかかわらず不自然な影も作らずに一見昼間かのように撮れたのは感動。

これは結果としてブログ記事にも使いましたが、どちらかというとここに刺さる部品を3Dプリンターで作るための資料として撮影したもの。3mmに満たない細い金属パーツをマクロで撮ったわけですが、しっかり形状までわかる写真が撮れたので満足。これも急ぎで欲しかったので深夜の撮影でしたが、一発撮りでバッチリでした。自宅庭とはいえ深夜の住宅街でストロボ焚くのはあやしいし迷惑かかってしまうかもなので、最低限の明るさに絞って効率良く撮れるのは良かったなと。

ちなみに猫も撮ってみましたが、やはり定常光だと光量に反応して瞳が猫目になってしまうので、可愛さという意味ではイマイチになってしまいます。とはいえ瞬時に強い光を発するストロボを猫の顔に向けて撮るのは目を痛めるリスクもあってNGと言われているので、まだビデオライトの方がマシなのかなと思います。

■電池消費が激しい

使って驚いたのは電池の減りが早い点。安物とはいえ新品の単三電池4本いれて試し撮りしているうちに20分かそこらで減ってしまいました。減ってくると勝手に電源が切れます。明るさ10だと数秒。入れ直すとまた点くけど数秒で切れる。暗めにするとその時間が伸びる、という状態。のんびりカメラ設定をいじってるとすぐ落ちます。でも電源入れ直せば点くのでなんとなくもったいなくて交換もできないw

純正のバッテリーと充電器は結構高いです。揃えると執筆時点で1万円コース。Ring72本体と同じくらい…

日常的に使うとか、他にもGodox製品をもってて使い回せるならまだしも、現状ではちょっと勇気がわかない。

ということで当面はeneloop運用してみることに。ストロボにも使えるというeneloop Proを始めて買ってみました。

これも作例

eneloop Pro(2500mAh)は繰り返し充電回数としては標準の白いやつ(2000mAh)よりも少なくなるぽいですが、容量優先で。

ついでにサイズが小さくUSB充電できる充電器も。通常のAC100Vタイプよりも全長が短いし、もはやタコ足配線常態化している我が家のおいては100Vコンセントの空きよりもUSB充電口の方が見つけやすいので、、

残念ながらUSBポートはmicro USBぽいです。USB-C(PD対応)モデルの登場を切に願う。

■まとめ

接写などで真正面(レンズ方向)から光をあてられるリングライトを購入。ただ真正面から当てるのが常に正義というわけではなく(それだけだとコンデジの内蔵ストロボみたいな絵になる)、多光源でバランスとりながら照らす中の1手段かなという印象。これひとつでブツ撮りがキマりまくるという魔法のアイテムではないかなと感じました。ただそうした光源マネジメントの中で真正面方向の光を担当させるには最適なデバイスだとも言えます。

Ring72は比較的リーズナブルな製品ですが、色温度が調整できないのと電池消費が激しいのが惜しい。ブツ撮りでは他の光源を色温度調整できるもので固めて5600Kに統一して使うのがベストかなと思います。

バッテリーについては純正充電池と充電器は結構お高いのでeneloop Proがヨサゲかなというところです(ただしまだそれほど使ってないので、またしばらくして感想追記したいと思います)。

iPhone 15 Pro MaxとSAMSUNG T5をいい感じにひっつける

iPhoen 15 ProはUSB-Cで外部SSDに接続することができます。標準カメラアプリでProRes 4K/60で撮るには高速なSSD必須です。内部ストレージよりも容量単価も安いし、保存データをそのままMac/PCに読み込むにも手っ取り早いので高画質動画撮影にはうってつけです。

今回はATEM Mini用などに複数所持しているSAMSUNGのSSD T5/T7 touchを使うべくスマートな取り付け方法を検討しました。

ちなみにT7 touchのレビューはこちら。PCユーティリテイ無しでも指紋センサーでロック/アンロックできるので、iPhoneで撮影した後でSSDを紛失してもデータ漏洩にならないという意味で適している製品かも知れません。

これらをiPhone 15 Pro Maxで使うにあたっての要件は、

  • MagSafeでiPhone背面にクイックに脱着できるようにする
  • ケーブルをできるだけ短く無駄のないものにする
  • USB3.1(最低10Gbps、できれば40Gbps)のスピードが出せる

といったあたり。

なお、私の現在のiPhone 15 Pro Maxのケースはこちら。

裸の状態より少し背面が厚くなっている点をご了承ください。

結果として組み合わせたのは下記の3アイテム。

MagSafe用シールはMagSafe規格出始めの頃にアリエクで買ったもののあまりを流用しましたが、厚みが薄ければなんでもいいんじゃないかと思います。ただT5/7の底面の幅よりも少しだけMagSafeリングが大きいので、カットしたり曲げたりできる方が綺麗に収まるかも知れません。自分が使ったものは細かく切れているものだったので、底面からはみ出る部分は取り除いて使いました。

完成したのがこちら!

ケーブルを使わずアダプタ2個で接続できたので、持ちやすさはパーフェクトです。

コネクタ部分のアップ。ちょっとだけオス-オスアダプタが上に反ってる感じですが接続としては問題ありません。ケース越しでもきっちりUSB-Cコネクタが奥まで刺さってくれて、実際に4K/60p録画もできました。

貼り付け面はこんな感じ。

私の業務機材に貼っている「do-gugan」テプラがなければにっこり顔みたいになっています。

使わない時はアダプタを逆に挿しておけば、まぁまぁコンパクトになります。不意に力がかかって折ってしまうこともなさそう。

MagSafe脱着にこだわらなければ、オス-オスアダプタを省いてSSDをもう少し下よりにしてもいいかも知れません。両面テープで固定してしまうとか、面ファスナーなどで付け外し可能にするかなど。いずれにせよできるだけ薄いものを使った方が良いでしょう。3Dプリンターでケースに固定するアダプタを作るのも良いかも知れません。

これならポケットなどに入れて雑に持ち運んでも大丈夫そう。T5/T7は複数台あって最近はあまり使っていないので、ひとつはクルマに積んでおくなどして、思い立った時にProRES 4K/60p動画やQuest 3でも再生できるようになった空間動画などをがっつり撮っていきたいと思います。

そこそこ軽量、ガッチリで使いやすい三脚 SmallRig AP-100

先日久しぶりにSIGMAの135mmを持ち出して三脚撮影したところ、カメラ+レンズ+ケージ+ハンドルの重量に三脚が負けてしまって、かなり難儀をしました。

使った三脚は10年以上前な気がするSLIKのSPRINT PRO 3WAY BK(G961T)というモデルで耐荷重は1.8kg。その日は少し風もあり、シャッタースピードを落とした撮影でブレまくったり、縦撮りアングルで思った角度に固定できなかったり。最近は仕事でも趣味でも三脚は車で運ぶことが多く、「軽量さを犠牲にしてもいいからガチガチに固定できる三脚」を1つもっとこうと決意しました。

現状、仕事でメインに使っているマンフロットのBeFree Liveのビデオ雲台モデル。

これがウチではもっともガッシリしています。これをアルカスイス互換化してFX30などを載せています。撮影時の使用感は悪くないのですが、折り畳み方がちょっと変態的なのでちょっと展開にもたつきます。オイルフルードなビデオ雲台も文字通り動画撮影してチルトやパンをスムーズに行うには良いですが、静止画撮影には基本不要。なので今回はこれとは別に静止画専用で選定してみることに。

仕事で使う時は基本室内でほぼ動かさないのでしっかり固定できて高さが足りればさえできれば問題ないです。あとは軽くてコンパクトなら電車移動の案件でBeFreeのかわりに持っていきやすいかなと。

プライベートではクルマを撮るのが圧倒的に多い。夜に長時間露光してる間、多少の風でもフラつかないのが理想。さっと取り出してさっと撤収できるのも重要。足がワンアクションで伸縮できたりするとベストですね。

選定要件はこんな感じ。

  • パイプ太めで重たいカメラや風にも耐える
    • 耐荷重が数kgくらい?
  • 現状α7IVもFX30もアルカスイス互換ケージがついているので、これを使ってスムーズにカメラの脱着ができる(もしくは雲台別売りも視野に)
  • スムーズに展開/収納できる
  • できれば縦構図にも対応
  • できればローアングルにも対応
  • 軽さや大きさは二の次

最初はパイプが3本ずつあるガチ業務用みたいなのを考えたんですが、結果的にはSmallRigのAP-100という新製品が使い勝手も含めてよさそうだなと思い決めました。

公式ページはこちら。また細部のレビューなどはこちらの動画が非常に参考になりました。

■特徴

基本スペックとしては、

  • 重量: 1.38kg
  • 収納時全長: 49cm
  • 展開時全高:150cm(センターポールを伸ばさないと125cm)
  • 最低高: 13cm
  • 耐荷重: 15kg、雲台8kg
  • ポールはカーボン製
  • アルカスイス互換のクイックリリース付き雲台

という感じ。カーボンってこんなに安かったっけ?という3.5万前後の価格。

三脚部分

4段式で、太さは不明。一般に三脚って型番にポールの段数と太さが入ってるイメージですが、こちらのAP-100と言う型番からは識別できず。公式の仕様にも書いてナサゲ。

特徴的なのは4段式で3つのナットがあるんですが、本製品では最下段のナットをひねるだけで、他の二箇所も一緒にロック/アンロックできるのが特徴(上側の2つは基本触りません)。素早い伸縮操作ができそうで◎です。

ゴールドリングのついたナットをひねるだけで他の2箇所もロック/アンロックされる

センターポールを取り外して雲台を直接接続することもでき、その状態で前回に開脚させると13cmというローアングルポジションにも対応します。クルマ撮りではローアングルも使うのでありがたい。でもセンターポールの脱着は隠し六角レンチを使うなど少し手間なので、もしかするとクイックリリースを活用して別の専用三脚につけかえる運用になるかも?

あと各脚の付け根に三脚ネジ穴(1/4)があいているので、外部モニターやスマホ、マイク、照明などをとりつけてリグを組むような使い方にも対応してます。雲台、センターポールとは独立なので、別途ビデオ雲台に交換してもその穴は利用可能。静止画運用だと外部モニター(含スマホ)をつけるくらいかな。

脚の付け根の1/4ネジ穴

雲台部分

こちらが本製品の大きな特徴になってる気がします。形からしてあまり見慣れないお椀型というかなんというか。半球型のボール雲台みたいな?ロックはレバー式で素早く操作できます。上記動画でも「公式の使い方ではないかも知れないが」と注釈をつけつつもレバーを中途半端に占めることでボールを適度な硬さで固定できます。でもまぁ唐突に緩んでガタンとなってしまうリスクを考えると、中途締め技は微妙かな。半球型なので調整できる角度の範囲は狭めですが、センターポールを持ち上げれば90度曲がって縦撮りにも対応できるので、全球型のボール雲台に対してデメリットはなさそう。レバーがどういう風にボールを締め付けてるのか不明ですが、ボールの直径が大きい分、なんとなくしっかり固定できてそうな印象(より広い面積の摩擦で抑えてるイメージ)。

逆にクイックリリースの固定はレバーではなくリングのネジ止めになっていて、一瞬で脱着という感じえではなさそう。でもまぁ突然ロックは外れてカメラが落ちる、なんてこともないのでこれはこれでアリかも。

全体として、カーボンカーボンしたポールとガンメタなパーツで構成されていてデザインはガジェット感がとても高くて良いです。

■展開、カメラ脱着などの操作感

三脚部分

まずポールの伸縮をロックするナット部分。一箇所で3つのロックを操作するわけですが、ひねり具合で上から順にアンロックされていきます。1段目だけを伸縮したい場合と2段目まで動く状態を意図して使い分けることができる仕組みです。「3本の脚をそれぞれ1段目だけ伸ばしたい」時に、2段目移行も同時に緩んでしまったら不便なわけですが、そこはちゃんと考えられていて、ひねりが1段、2段となっています。2段回緩めると、全てのナットが一緒にリリースされますが、4段目は握ってるナットよりも先になるので、手を持ち替えない限りは勝手に伸びることはありません。なので「2段目まで全開に伸ばすが3段目は伸ばさない」という意図で操作は可能。よく考えられていると思います。ただ開封直後はこのナットの2段階目の緩め操作がバチクソに固くて初期不良を疑ったレベル。コツを掴んだというよりは、何度も操作してるうちに馴染んできたという印象。それでも素手で操作を繰り返してるとしばらく手のひらがヒリヒリする印象。ちょっとだけグリスアップとかしてみたい気持ち。

伸縮もあまりスムーズではなく、「シャー!」って感じのどこか擦れたり削れたりしてそうな動作感。もしかするとカーボン三脚ってこんなものなのかも?もうちょっと音なくヌルっと動いてくれると気持ちいいんですが。

センターポールも同じような動作感。また一番短く格納する時は、一箇所だけある突起をあわせるように向きをあわせてやらないとならないのがちょっと面倒(下写真)。

ポール先端が正円ではなく3方向に突起があり、受け側の切り欠けとあわせないと一番下まで行かない

センターポールを抜いてローポジにするのは、ポール下端に隠された六角レンチを取り出してネジを緩めてとかする必要があります。

ウェイトフックの下のボタンを押すと…
レンチが出現!

これ1つだけ持っていった時にはマルチスタイルで使えるのは超便利ですが、普段クルマで移動して使う時は他のミニ三脚を併用してクイックリリースで付け替えて使う方が楽かなと。まぁできないよりはできた方がいいかなというレベル。

全体としてデザインや構造はよく考えられるんだけど、ビルドクオリティがいまひとつかなというところ。お値段なりという感じなのかカーボンの性質的なものなのか。使ってるうちに馴染んでくれば良し、ダメならグリスアップ方法を模索してみようと思います。

雲台部分

当たり前ですがα7IVのSmallRigケージもFX30のTILTAケージもリング部の締め/緩めでガッチリ固定できました。1/4ネジで固定することと比べれば文字通り非常にクイックな脱着ができます。

SmallRigのケージやハンドルをつけ、SIGMA 135mmF1.4をつけた状態
FX30にTILTAケージをつけ、SONY 50mmF1.4GMを装着した状態
操作部は基本、レバーとリング

一番上のリング部分の回転でクイックリリースの締め/緩め、その下のレバーが雲台の向きの締め/緩めとなるわけですが、なんとなく逆というか、クイックリリースはロック/アンロックのデジタル操作、雲台がアナログ調節したいイメージ。もちろん弾みでクイックリリースが急にアンロックされてカメラが落ちる、というのは最悪の事態なので、それを避ける意味ではアナログな締め付けというのは無難なんでしょうけど。ちょっとだけ手間に感じます。

クイックリリースのセンターに△マークがついていて、同じSmallRigのケージだとセンター合わせがしやすいのはGood(TILTAのケージにはなし)。

SmallRig同士のマッチング

あと個人的にはリングの締める↔緩めるの方向が逆な気がしてます。慣れるかな?

■撮影時の安定感

三脚部分

今まで使っていた三脚とポールの太さを比べてみました。

AP-100(上)とBeFree Live(下)の一番細いパイプ径比較
AP-100(上)とSLIK(下)の一番細いパイプ径比較

SLIKは5段なので仕方ないですが一番下はかなり細いです。AP-100の最下段の4段目はそれよりは太くなって、SLIKの4段目に近いくらい。これが安定度に効いてくれればいいなと思います。

高さ150cmというと、身長171cmくらいの自分だとちょうど目線の位置でファインダーが覗ける感じ。正直もうちょっと、あと20cmで自分の頭上にカメラがもってけるくらいあると文句なしだったんですが、まぁ仕方ないかな。今まで使ってたSLIKの三脚はそれくらいまで行くので使い分けてもいいんですが、そういう時こそ安定感がモノをいうんですよね。なおAP-100はセンターポールの脱着は1/4三脚穴を使わないので、市販の延長ポール的なパーツを使って高さを増すという方法は使えません。やるなら雲台の上に積む感じで不安定になっちゃうでしょう。

三本脚の1本にだけゴム(シリコン?)のグリップがついています。これが手前側の脚であることを示しています。手でもってガッチリ固定したいって時にここを握れば滑りにくいし、真冬の撮影でも冷たくないのがいいかなと思います。3本とも付いてりゃいいかもですが、まぁ収納時のサイズとか重さなども考慮して1箇所だけなんでしょうか。

ゴムグリップ

雲台部分

SIGMA 135mm、ケージ、ハンドルをつけた総重量xxkgのα7IV一式を載せてもしっかり固定できるし、微妙なアングル調整もしやすい感じ。静止画撮影としては充分な保持力をもってる気がします。

不満はクイックシューのセンターについた水平器。カメラをつけてしまうと見られない位置です。ボール(的)雲台なので、一旦水平をバシっと決めてもチルトのために固定を緩めたらまた水平もズレてしまいがち。なので、水平器は常に見えるとよかったなぁと。まぁカメラ側に電子水平器があるのでそちらを活用すればいいんですが。

室内で135mmで5mくらい先の手のひらサイズのモデルカーを撮ってみました。(シャッターショックを抑える為)セルフタイマーを5秒にし、シャッター速度を1秒にしてブレが出ないか検証。さすがに室内で風もないしSLIK、マンフロット、SmallRig AP-100の3つともあまり違いはでませんでした。外で風が強い日はどうかなぁ。ちなみに位置決めを思い通りにしやすかったのはSLIKでした。やはりチルト(前後の傾き)とロール(左右の傾き)が独立に調整でき、カメラ本体を抑えずに動かせるのが大きいのかも。AP-100の半ボール状雲台はもうちょっと慣れが必要そうだし、135mmくらい重くて重量バランスが悪い状態ではレバー半締めでの運用はリスク高すぎると感じました。

あとAP-100はセンターポールの下にウェイト(重り)をぶらさげるフックがついています。いざとなればここにウェイトやバッグをぶら下げれば重心を下げて安定度を増すことができそう。とりあえずペットボトルが使えるようこちらのキャップを購入しました。

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2Lのペットボトルに水を入れれば2kgのウェイトになります。足りなければ砂にすれば更に重くなるはず。

ウエイト砂 0-1mm 5kg(約3.1L)

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■その他

細かい指摘としては、普段アルカスイス互換クイックリリースで使ってく場合、付属の1/4三脚穴用のプレートの所在に困ります。現場で必要になるかも知れないので一緒に持っておきたいものの、毎回とりつけておくのはナンセンス。付属ケースの内側にポケットなどあったら良かったのになと思いました。フリーで一緒に放り込んでおくと金属同士が当たって無用の傷が増えそう。百均で小さい布ケースを買って来てケースの奥底に入れておくことに。

ケース自体は作りもしっかりしているし、収納状態でBeFree Liveよりもかなりスリムになるので、電車で現場に行く時はこっちの出番が多くなりそう。

カメラは持って来てないけど、すごくいいショットが撮れそうなのでiPhoneででも撮りたい!ってなった時に、1/4ネジシューとスマホアダプターがあると良いんですが、今後はアルカスイス互換+MagSafeで素早く使えるようにこれも注文しました。これを使えば付属のプレートはまずまず使う場面がなくなりそうです。

■まとめ

今まで所持した中でもっとも太いポール系ながらカーボンでサイズスペックの割には軽め、そして現代なりのユーザビリティを備えたSmallRig AP-100を導入してみました。

外観やケースの質感も含めかなり所有欲を満たす製品だと感じます。これで3万円台ならコスパは高いかなと。

導入の主動機である望遠時のブレ耐性はこれから何度も実施で使って行かねばですが、第一印象としてはかなり良さそう。高さがもう少しだけ欲しくなりそうですが、とりあえず常時車載しておくのはこれ1台で済ませられそうです。

クルマの夜撮りにLEDライトを使った露出合成的な手法を試してみる

クラウンが来てからクルマ写真を撮るのが楽しみのひとつになっています。ただ元々生活が夜型なのでどこかに出かけていって写真を撮るというともう9割方夜。夜景写真ばっかりになります。

(今回紹介した技法で撮った作例ではありません)

写真というのはいかに光を多く取り込むかみたいなところがあるので、夜の写真はどうしても難易度が上がります。絞りを開放したりシャッター速度を遅くする、そうすると手ぶれするから三脚立てて、など。なかなかスマホでパシャっと撮るような手軽さでは綺麗な写真になりません。でもまぁそれで上手くパキっとした写真が撮れたりすると嬉しかったり。

そんな中で気になる動画を何本かみました。どうしても暗くなりがちな車体にライトを当ててやればイイジャナイ?という技法です。名前があるのかどうかは不明。

例えばこちらの動画。

パネル型のLEDライトを使って夜でもボディのラインを綺麗に浮き立たせています。ただし一度に全方位から照らすのは野外では難しいので、シャッター時間を長めに撮ってその間にあちらこちらの向きから一瞬ライトをピカっと照らしてまた別の場所に走って、ということをしています(ライトを照らしたまま移動すると光条がボディに映り込んでしまうため)。

もうひとつ別のやり方としてこちら(英語です)。

基本的な考え方は同じですが、ライトがパネルではなくバータイプであることと、むしろ積極的に動いている点が違います。また1枚撮りではなく、複数パターンを撮っておいて、後からPhotoshopもマスク機能を使って部分合成をする、というアプローチです。時間と手間はかかりますが、後からじっくり部位別の光らせ方を調整できるのはメリットかも知れません(言い換えると撮影現場では結果がわからない)。

こちらは多くの動画でLight Paintingと呼ばれているようです。ライトペインティングってググるとクライところでライトや手持ち花火を振り回してその光芒を1枚に収める技法のイメージがあるので、同じような違うような?

いずれにせよ1ランクアップできそうなので挑戦してみました。今回はこの2つの方法のハイブリッドというか、

  • パネル型ライトで動かないでシャッター速度短めで撮る
  • 複数ショットをPhotoshopで合成する

という感じでまずはトライ。

■購入品

1つ目の動画で実際に使われていたライトはこちら。

今回実際に購入したのはこちらです。

写真でみると同じに見えますがVL-200Tの方が一回り大きいようです。バッテリーもSONYのFバッテリー互換品をYN300 Airは1つ、VL-200Tは2つ使います。

2つだと充分も面倒だし、重いしデメリットも多いですが、やはり光量が多いに越したことはないかなと思ったのと、リモコンがあると便利そうだという点でVL-200Tにしてみました。片手で高く掲げた時に、もう片方の手でつけ消しできるといいかなと。1つ目の方法だと「点けたら動かさない」、が基本ですしね。スイッチ操作をした後で位置や角度を変えてしまったらマズい。ただし後述しますが現時点ではなくても良かったかなと思っています。

電源スイッチ以外の操作はツマミがひとつ。押し込むと光量↔色温度が切り替わり回して増減というシンプルなもの。重さもまずまず許容範囲。

グリップのボタンでシャッターを切る!

今回手持ちのアイテムと組み合わせて成功だったなと思うのは、SONYのシューティンググリップです。Bluetooth経由でカメラのシャッターやズームを操作することができます。

当然カメラの下につけて使う想定のものですが、今回これをLEDライトの下の三脚穴に装着して使ってみました。カメラ自体は三脚に固定して少し離れた場所に置いてあります。長時間露光だとシャッターを押してからダッシュでクルマの側まで走って行く必要がありますが、これをリモコンで補おうというわけです。最初はプレビューも見られるスマホアプリCreators’ Appでやるつもりでしたが、 現地の電波状況か結構切断してなんども再接続操作が必要でイマイチでした。かたやこのVPT2BTをライトの持ち手として使えば、ライトを掲げる手元でシャッターが切れるのでめっちゃ便利。プレビューや撮れた写真を確認することはできませんが、まぁこの手法で撮る限り画角もフォーカスも固定なので一旦セッテイングを決めてしまったらシャッター操作だけでもいいのかなと。

結果的にLEDライトに付属のリモコンはなくても良かったかなと。シャッター時間長くとって長時間露光で撮るなら便利だと思います。

■作例

まず普通に周囲の明かりだけで撮ったのがこちら。Lightroomで自動補正した状態。ランニングデイライトが光ってるせいもありますが車体は暗く沈んでしまってます。

そして各方向からライトを当てた写真を合成したのがこちら。

背景と被写体の明るさが共存しています。車内にライトを置いたショットも使っているのでシートも浮かび上がってて良き。これは1枚撮りの時にも意識したい手法です。

難しいのはライトの色温度設定です。今回周りの光にあわせてみたんですが、ランニングデイライトと色味が食い違ってしまってやや違和感があります。そもそも複合照明だといかんともしがたいですが、中間を狙うとかやり方があったかもなとか思っています。

■感想

車体に当たる光が月光くらいしかないような場面では有効な手段かなと思いました。Photoshopでじっくり車体の艶をいじれるのも楽しいです。

ただ時間や手間はかかるし、カメラを離れたところに置きっぱなしにするということもあるので、人気ががなく迷惑のかからないロケーションを見つけるのがなかなかに難しいです。場所によっては三脚撮影禁止なところもあるので注意せねばです。日本ではなかなか難しいかも知れません。

個人的には満月の海辺とかでチャレンジしてみたいですね。1つ目の動画のように工場夜景とかもいいですね。

ちなみにバーライトも既に購入済みです。

なんならこっちの方が先に買ってたまである。でもこのライトセイバーのようなライトを振り回すのもやはり人目が気になるのでなかなかテストできずにいます(^^;)。いずれ良いロケーションを見つけてチャレンジしてみたいです。