ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けるキット製作

我が家の玄関ドアはASSA ABLOYという海外製メーカーのシリンダー/ロックケース/サムターンがついている木製ドアです。ここ製の全てのものがそうかは不明ですが、ウチについているのはサムターンが360度以上クルクル空転するタイプで、Sesameをはじめとするスマートロックと相性が悪いです。たぶんこれ。いままで3Dプリンターを使ったDIYでどうにか使ってきましたが、今回コメントで同じ系統のドアをお使いの方から頒布してほしいと要望をいただいたので、改めて微調整をし、新たにサムターンホルダーも設計してみました。

過去記事はこちら。

■ドアの仕様

まずサムターン部分はこんな感じの菱形をしています。

ASSA製のサムターン

しかもこのまま奥まで寸胴ではなく、すぼまったような形をしています。正面写真だけ送ってメーカーのサムターンアダプタ設計サービスを受けるといまいち掴みが弱い(一番太い頂点部分でのみ保持)ものになってしまう可能性があります(メーカー公式サービスを受けたことがないので、上下左右の写真も送ってしっかりしたものを作ってくれるかもは知れませんが)。

また国産のサムターンではあまり見ない、ロックトゥロックが360度を超えて回転するタイプで、「施錠位置から解錠位置まで何度どちらに回転」という制御をするスマートロックがそのままでは使用できないことがあります。例えば「右に90度で施錠」、「左に90度で解錠」という設定があったとしても、このサムターンは手で操作するとさらに左右に回ってしまうので、そこから90度回しても施錠/解錠ができない、という事態になります。

更にこの会社の製品は北欧の木製ドアに使われることも多いらしく、できればSesame本体を両面テープを使って貼り付けたくない問題があります。

まとめると、ASSA ABLOYの一部ドア製品は、スマートロックを取り付けるにあたって、

  • サムターン形状が特殊
  • サムターンが360度以上回転するので人力が介在すると正常にロック/アンロックできない
  • (ドアが木製だと)Sesame本体を両面テープで貼り付けたくない

という三重苦を抱えていることになります。

今回のキットは3Dプリンターでそれらを解決するためのキットになります。

■サムターンアダプター

上の写真にあるようにASSAのサムターンはかなり特殊な菱形形状をしており、Sesameのアームでは左右の頂点を挟む形になり安定しません。CandyHouse(Sesame開発元)で特殊アダプターのオーダーメードサービスがあるので、こちらに写真を送ると600円でこのようなアダプターが3Dプリンターで製作されて送られてきます(写真はこちらの記事を読まれた方からご提供いただきました)。

公式のオーダーサービスにより製作されたサムターンアダプタ

サムターンを真正面から見た菱形形状をベースに作られていて、正面からスポっと差し込む形状だそうです。公式サービスが作る品なので動作に支障はないのでしょうが、結局これも頂点で支えており、奥の細まった側はガタつきが出るんじゃないかと不安になります。

そこでASSAサムターンの立体形状にできる限り沿わせてモデリングしたのがこのサムターンアダプターです。手前から差し込む形状だと奥のすぼまりに対応できないので、左右からサンドイッチする2パーツ構成にしました。

道具眼オリジナルサムターンアダプター

サンドイッチした後でセロハンテープで巻いて固定しています。一見手抜きのようですが、色々実験した結果、Sesame本体のアームとあまりガッチリにせずある程度上下に滑って動いた方が動作がスムーズっぽい、ということがわかり、摩擦が低くなるセロテープ式を採用しました。あんまり目に入らないしいいかなと。もし真っ黒なのが売ってればマスキングテープとかでも良いかも知れません。なにかしら表面がツルツルしたものが良いと思います。

ちなみにSesame側のアーム幅よりも少しだけ細くなっているのも仕様です。これは純正アダプタの説明でも、

サムターンアダプターは回転効率を上げるため隙間を持たせて設計しております。

お取り付け後も固定はされない状態で問題はございませんので、テープや詰め物などで固定されませんようお願いいたします。

と記載されており、アームがゆるゆると動くマージンを残しておくのが重要のようです。

私自身は公式オーダーメードアダプターと動作比較はしていないのですが、我が家ではオリジナルアダプターで問題なく使えています。

■回転ストッパー

サムターンが360度以上無駄に回転しないようにするのがこちらの回転ストッパーです。

何人かの方にパーツをご提供したところ、ドアの設置状況やSesameの取り付け向きなどによって、回転を制限する範囲も異なることがわかってきました。

これまでご提供してきたご家庭のマッチング状況はこんな感じです。

Sesami設置向き
(サムターンから見て電池ボックスの向き)
ストッパーの突起位置使用ストッパータイプ
我が家a.
A様宅b.
B様宅c.
C様宅(確認中)(確認中)

あくまで観測範囲の話で、もしかすると上下左右以外にナナメで止める必要があるケースもあるかも知れません。現状ではこの3タイプがあり、提供時にはケースバイケースで対応させていただいています。

a. 側面取り付けタイプ(旧称:ボトム取り付けタイプ)

Sesame3使用時に一番最初に開発したのがオリジナル版。最新版は右の更にスリムにしたものになります。

成人視点で見下ろした時に突起以外がほぼ隠れて見えなくなるように手前面に傾斜を入れました。また一体感が出るように右側の〇形状に沿わせてあります。

下から見上げたところ。

結果としてノブの回転範囲はこんな感じになります(写真はオリジナル版)。本来ASSAのサムターンは2周以上回ってしまいますが、この突起でストップをかけることで赤い矢印範囲に留め、360°までしか管理できないSesameと実際のサムターン位置にズレを発生させないようにします

b.手前面取り付けタイプ(旧称:サイド取り付けタイプ)

同じサムターン形状でも実際にロックボルトが動く開錠~施錠の動作位置が異なるパターンのご報告をいただき、ストッパーの突起を下からではなく横から生やすタイプも開発しました。レンダリングCGですがこんな形状で、Sesameの電池ボックス側のフラットな表面に貼り付けるバージョンです。

造形して貼り付けたのがこちら。

動作確認の青色LED部分には透明パーツをレンズ代わりに挿入してあり、LEDの視認性もバッチリです。その上はリセットボタンを押すためにゼムクリップなどを差し込む穴が空けてあります。また左側の電池ブタも干渉せず手前に引き抜くことができます。

c. サムターン側取り付けタイプ

サムターンのある丸い側に取り付けるストッパーです。

下の写真は本体を垂直につけて真下から突起を生やすセッテイングになります。

本体をどの向きにするかも考慮しつつ、どの範囲に制限したらいいかで最適なストッパーがかわってくると思います。外径寸法に影響が少ないb.タイプがもっともスマートな感じはしますね。

もしかしたら回転範囲の設定次第でもなんとかなるのかも知れませんが、とりあえず過去に頒布させていただいた方の情報を元に各方向から突起を出せるようバリエーションを分けています。お問い合わせいただいた時に改めてどれが良さそうか診断させていただくか、一旦仮造形品を3パターンお送りさせていただいて実地でお試しいただくなどご相談させていただいています。

■固定用バックプレート

両面テープを使わず、ドアにダメージを残さない形でSesame5を取り付けるのがバックプレートです。サムターン両脇の2つのネジを一旦取り外し、サムターンのベースの下に挟み込む形で共締めします(手順後述)。

こちらもSesameをどの向きで設置するかによってネジ穴位置が異なるバリエーションがあります。現状まだ下設置版はありませんが、要望があれば製作できると思います。本当は1枚で全方向に対応できる気もしますが、穴だらけになると強度的な不安もあるので一旦個別で作っています。左右のみ、上下のみだったら平気かもですね。

素材は熱で反りにくいよう、PLA素材よりも耐熱性が高いPETGで造形しています。おそらく一般的な家庭の環境であれば問題ないかなと思っています。ちなみに表面の綺麗さではPLAなので、目に付きやすい回転ストッパーはPLAで作っています。

まずドアのサムターンをクルクル回転して、カシャっとロックボルトが動く位置を見定めます。おそらく解錠に動く位置と施錠に動く位置が全く同角度ではないと思います。それでも「ここからここまでの回転に絞れば、解錠も施錠もできる」という角度範囲を探ってください。その範囲と、Sesame+回転ストッパーの動作範囲が重なるように気をつけて位置を仮決めし、Sesame側のサムターンを回して解錠/施錠ができることを確かめます。ドア側のサムターンとSesameのサムターンの中心が揃うのが理想ですが、Sesameのサムターン裏のアームはスライドする仕組みになっているので、多少はズレても対応できると思います。それでもできるだけ少ない力で回せた方が電池の減りも少ないと思うので、音などを聴きながらスムーズに回転できる位置を探ってみてください。

位置決めができたらSesame付属の両面テープなどでこのプレートに本体を貼り付けます。個人的には付属のテープより、この手↓の剥がす時に破れにくく、耐熱性能も高い両面テープがお勧めです。かなり強いので、Sesame側の接着面の全面に貼らずに一部だけ充分保持できると思います。逆に全面で接着してしまうと後日剥がしたくなった時に大変になると思うので、面積少なめからお試しいただくと良いと思います。

縦Ver制作依頼にSesame5付属の金属製の土台ごとネジ止めできる穴も追加。こちらのボルト/ネットをカットして使います。見た目は多少ガチャガチャしますが、ガチガチに固定したい方向け。

充分に固定ができたら、Sesameアプリの「角度の設定」画面で施錠位置と解錠位置を設定してやれば良いはずです。

プレート取り付け(サムターン分解)

サムターンをバラして取り付けるのが不安というお声があったので、簡単に手順をまとめてみます。

1. 鍵穴プレートを固定

ネジを抜くと屋外側の鍵穴のついたプレートがポロっと外れて落ちるので、マスキングテープなどで固定しておきます。こうしておけば後は基本的に屋内作業で完結します。

2. 屋内側で2本のネジを外す

サムターン両脇のプラスねじをドライバーで外します。ドアを貫通して反対側の鍵穴プレートまで届いているので結構長いねじです。その2本のネジに固定用バックプレートの2つの穴を通し、元通りとりつければ完了です。

ちなみに外した状態で覗き込むとこんな感じ。反対側が固定してあれば、2本のネジを再び差し込むのと、真ん中の平べったい金属棒をサムターンの中心軸に向きをあわせて差し込むという感じです。

ネジを締めたら、あとは最初のマステを剥がせば終わりです。

ホームセンターの組立家具を組み上げられるくらいの日曜大工力があればさほど苦労はしないんじゃないかと思います。

■オマケ:Sesameリモート用バックプレート

先日発売された室内用リモコンのSesameリモートを、壁(石膏ボード)に大きな穴を開けずにとりつけるプレートも作りました。

こんな感じの小さな穴が四隅に開いた板です。ピンだけだと1000本入りとかになるので、こういう製品からピンだけ抜いて使うのが良いと思います。

こうしたピンだけなら抜いた後の穴も最小限なので賃貸などで退去時の補修も最低限で済むと思います。

(紹介の製品で現物確認をしていないのでもしかしたら穴の径が合わないかも知れません。場合によってはキリなどで穴を広げる必要があるのでご了承ください。また壁紙の裏が石膏ボードではなく柱材などだった場合はより太い釘などが必要になる可能性もあります。)

■動作確認は念入りに、物理鍵の所持も推奨

モノが家の鍵だけに、動作や固定の確認は慎重に行ってください。外出中に外れてしまって解錠できなくなったりする恐れもあるのでバックアップ手段として物理鍵を携行したりどこか宅外の安全な場所に保管しておくことを強く推奨します。

あくまで個人の趣味レベルの制作物なのでご利用は自己責任でお願いいたします

■頒布情報

ASSA ABLOY製シリンダのドアにSesame 5を取り付けたい、という方がどのくらいいらっしゃるかわかりませんが、もし本キットがお役に立ちそうであれば1つにつき材料費1,000円+送料程度でお裾分けしますのでコメントにてお知らせください。Sesameリモート用プレートは他のを買ってくださった方にはオマケでつけています。単体なら300円+送料くらいでしょうか。

ものだけみたら「百均で売ってそう」だと思われるでしょうが、販売規模も造形方法も全く異なるものなのでご理解いただければと思います。あくまで同じASSA民としてSesameが使えなくてお困りの同志にご提供するもので、現物合わせで上手くつかなかった/動作しなかったという時にもカスタマイズして何度か送り直す、といったサポートも込みで考えています。

Sesame Remote着弾。3Dプリントで壁紙に非破壊装着

Candy House(セサミ)の新製品、Remoteが発表になり配信イベント当日に予約してあったのが到着しましたので取り付け手みました。

この製品は文字通りセサミスマートロックの施錠・解錠をワンプッシュで行うリモコンです。電池式の完全無線接続なので電波の到達範囲ならどこにでも取り付けが可能です。例によって980円(税・送料別)とお手頃価格。思わず実家用も含め2つゲットしてしまいました。なおキーホルダーサイズのRemote nanoも同時発表されています。Qrioの時はキーホルダー型リモコンを欲しがった同居人でしたが、Sesame Touchにしてから(指紋認識率は悪いとボヤきつつも)そこまで必要性を感じていないようなので見送りました。

本品のつかいどころですが、Sesame touchシリーズのような認証機能はなく、スマホも介さず直接解錠・施錠できてしまうので、当然屋内設置が想定されます。例えばドアホン端末の隣に設置してお客さんが来た時にサっとあけるとか便利そう。でもまぁウチは人を上げることもないので、Sesame本体の直近である玄関ドア脇に取り付けました。Sesameを直接ひねればえぇやんけ、というところですが、実際に比べて見るとやはりボタンひとつで開け閉めできる方が楽です。この手の商品にありがちなタイムラグも全くないので、「回した方が速い」感は皆無です。また我が家のドアは360度以上回転する特殊なサムターンなため、結構回す角度が大きかったり、いまだにどっちに回せば解錠だっけ?みたいなところがしっくりきておらず、ボタンで済む恩恵は一般的なサムターンより大きいってのもあると思います。

■電池ブタなど従来製品の反省が活かされている

昨年発売された指紋センサー付きのリモコン、Sesame Touchは初期ロットでは電池ブタを兼ねている裏面(ネジ止め)を直接壁に両面テープ止めする構造で、電池交換やフリーズの度に両面テープを剥がすという鬼畜仕様でした。

しかし先日追加購入したロットでは裏蓋はスライド式になり、電池交換も楽になりました(フリーズもファームウェア更新で収まったぽい)。ただ割とゆるゆるで指をタッチする勢いが余ってTouch本体が滑って持ち上がってしまう問題は残っています。

こちらのRemoteも同様に裏蓋スライド式に最初からなっています。またボタンが大きい、重量がある、ただ押すだけ、というのもあるんでしょうが、スライドが滑って持ち上がってしまうということも今のところありません。スライドの固さが更に最適化されている印象です。室内側なので外してもってかれるリスクもないので簡単に脱着できる方が合理的です(Touchは若干盗難リスクは上がった?)。

なお電池はCR2450というやや大きめのコイン電池で、面白いことに3つまで入ります。

パナソニック コイン型 リチウム電池 CR2450 3個セット

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1個で約1年もつということで、最初から3個入れておけば3年程度電池交換不要になります。予約時点ではなかったんですが現在は3個付属のものも選べるようです(ただし納期が長い)。

ここんとこ、

  • 360度式サムターンに対応といいつつも3から特に違いが感じられなかったSesame5
  • 裏蓋が直接接着式だった初期Touch(改善済み)
  • ドア開閉状態がみたいだけだったのにオートロック機能強制だったオープンセンサー(改善済み?)
  • Vブレーキ車につかずに苦労したサイクル2
  • ハンドル径にあわなかったTouchホルダー

となにかしらガッカリポイントがあった同社製品の中では、珍しく初手から不満のない製品だったなと思います。

■壁に両面テープ止めしたくなかったのでハック

賃貸の我が家では壁紙に両面テープ止めをしてしまうとマズので一工夫しました。

うっかり写真を撮り忘れたんですが、こういうプレートを3Dプリンターで作成。

サイズは本体の外形ピッタリに調整

このプレートを石膏ボードピンで壁に固定し、この上に付属両面テープで裏蓋を接着しました。これで除去後はピンの穴だけしか残らないので、どうにでも誤魔化しが効きます。こういうの公式オプションであれば嬉しい人は結構いるんじゃないでしょうかね。なんなら裏蓋にピン用の穴が空いてるだけでもいいような気がします。

■なんだかいつも3Dプリンターでカスタムしてる気がするけどそれもまた楽し

なんだかSesame製品は買う度に3Dプリンターで治具を作ってる気がしますw。楽しいからいいんですが、せっかくなので未掲載分も含めてまとめてみよう。

Sesame本体用回転リミッターと取り付けプレート

うちのドアは木製でちょっと特殊なサムターンがついています。

見た目は普通ですが360度以上回転します。実際にロックボルトが動く範囲はもっと狭いのですが無駄に空転する感じ。これがSesame3でも5でも正しく回転位置設定ができず、サムターン自体が回転する範囲を限定するためのストッパーを作りました。写真でわかりにくいですが本体の下についているのがそれです。

また賃貸の木製ドアに粘着テープで固定したくなかったので写真では木の板をサムターンに共締めしてますが、最近これもちゃんと3Dプリンターで専用プレートを作り、もうちょい見た目マシになりましたw。

いちどサムターンのベースプレートを外してドアとの間に挟む構造で、ドアに対してネジも両面テープも使わずに固定できます。

まぁこの2つは我が家のかなり特殊なドアにあわせたもので汎用性はほぼないでしょう。万一欲しい方がいたらご連絡ください。

Vブレーキのスポーツ電動自転車ハリヤ対応

製品名に「ママチャリ」とわざわざついている意味をよく考えずにサイクル2は自分の自転車にはつきませんでした。汎用品の鍵も普通につけられていたので、てっきり簡単に交換できると思ってたんですが。そこでこれまた3Dプリントした治具で解決したのがこちらの記事。

また自転車にも指紋センサーのTouchをつけようとハンドル用のホルダーを買って見るも径(太さ)があわず撃沈。結局上記の固定治具と一体化させてとりつけました。

Sesame製品は安いし電子部品的なところは比較的信頼性が高いので、新製品が出たらとりあえず買って、外形的な不満点、自前環境に沿えない点は自分でカスタムしていく、という付き合い方が楽しいなと思っています。

VブレーキのPanasonic電動アシスト自転車ハリヤにSesameサイクル2を取り付けようとしてハマった(3Dプリンターで解決した)

少し前の記事で、Panasonic電動アシスト車のハリヤ(2016年モデル)につけていた車外品のナンバー錠が壊れて、ノブを3Dプリンターで作って直したことに触れました。

その時、書いたスマートロックのSesameサイクル2ですが結局とりつけることにしました。理由は深夜のジム通いに使っていて、明かりのない駐輪スペースに駐めることが多いため、手探りでこのナンバー錠をアンロックするのが地味に面倒くさいと感じたから。特に寒くて手がかじかんでいたり、手袋をしていたりするとちょっとしたストレス。

そういうしているうちにアナウンスされていたSesame Touch(指紋センサー)の自転車ハンドル用ホルダーが発売されたので、勢いで特攻。

Sesameサイクル2、Sesame Touch、ホルダーで総額1万ほど。

■つかない!?

ハリヤは通常のママチャリでサイクル2をつけるべきところにVブレーキという後輪用ブレーキがついています。

わかりにくいですが、一番下のSHIMANOロゴがついているのがVブレーキ。その上のLOCKと型抜き文字がついている鉄板は、以前のGORINのナンバー錠をつけていたマウントです。Vブレーキを固定するボルトで共留めされています。その上にかざしているのが今回取り付けたいサイクル2です。

8年も前でころっと忘れてましたが、当時GORINのナンバー錠もわざわざVブレーキ用というのを買ってたみたいですね。

しかし残念ながらこのマウントではネジ位置があわずにSesameサイクル2は取り付けできませんでした。タイヤや泥よけの太さにたいして、Sesameサイクル2がかなりギリギリなので、泥よけにベタ付けするくらいの位置に垂直に立てて配置する必要があります。いいかえるとVブレーキやフレームに対して少し斜めに倒してつける感じです。ぐぬぬ。

裏返しにしてフレームの反対側につける手もあるみたいですが、レバーも車体の向こう側になっちゃうし結構不便そう。

そんな時の3Dプリンターですよっ

ということでマウントを自作しました。かなり空間的な位置決めで苦労して4回ほど作り直しましたが、どうにか形になりました。ネジでしっかり固定するため金属ナットを埋め込む手法にも初挑戦。

これを使ってどうにか正位置に取り付け成功しました。

■SESAME タッチホルダー(自転車専用)レビュー

Sesame Touchのレビューはこちら。

玄関などに使うSesameロックシリーズのオプションで、スマホアプリからの操作をせずに、指紋やFelica(モバイルSuica、SuicaやnanacoなどのFelicaチップ搭載カード)で開錠、施錠ができるデバイスです。Sesameサイクルでは開錠のみの用途になります。

もともとSesame Touch発売時には背面はフラットなパネルで両面テープで壁面などに貼り付ける方式でした。これだと電池切れやフリーズを起こした時に毎回両面テープを貼り直さなければならず、CandyHouseにしては詰めが甘いデザインだなと思いました。後日脱着を用意にするマグネットも発売され、次に貼り直す際にはこれにしようと買ってあります。

しかし、今回あらためて自転車用に1つ買い足してみたところ、背面パネルの仕様が変更になっていました。スライド式のパネルが追加され、そちらを両面テープで固定しておけば、Sesame Touch本体は上にスライドして抜くだけで電池交換ができるようになっています。知ってる人は簡単に盗める、という点はさておき、使い勝手は大幅に向上ですね。既存ユーザにこのパネルキットだけ売ってほしいレベル。(ググると無償送付の予定もあるみたいですね)

そして今回の自転車ホルダーはこのスライドパネル互換の形状をしていて、両面テープ付きのパネルのかわりにはめこむ形になります。ハンドルへの固定はベルやスマホホルダーなどと同じ感じです。写真には映ってないですが太さ調整用のスポンジテープも付属しています。

ハンドルにつけた感じはやや大きい気もしますが、まぁ仕方なし。

これもとりつけられなかった…

でこいつもまたハリヤのハンドルにはつけられませんでした…ハンドル径に対してホルダーのリングが小さすぎます。ハンドル以外のあらゆる部分につけられないか模索してみましたが全滅でした。基本的にSesameの自転車製品はママチャリ基準で設計されてますね。さてどうしたものか。こちらはしなやかさが求められる部品なので、3Dプリンターで作るにしても素材からして難しい。また脱着可能パーツのいいとこだけ再利用しづらいというかリングだけ取り外せる機構になってないので、スライドパーツの受け部分から互換形状を設計する必要がありそう。なにか市販のスマホホルダーを買って来て改造した方が早いかも。

とはいえ、現状、AppleWatchのコンプリケーションに登録してしまえば2タップで開錠できるので、あんかも一旦これでいいか、、という気になりかけてますw。Sesame Touchのホルダーが無駄になりますが。まぁいずれ時間があったら挑戦するかも知れません。必ずしもハンドルでなくていい気もしています。サドル下とか。

2024.4.7追記: Sesame Touch対応版も作りました。

■使用感

ともあれサイクル2自体はなんとか取り付けできて使える状態になりました。

操作感としてはロックしたという感触が希薄なのは気になっています。前のがしっかりレバーを引き下げた時に「カチっ」と感触と音があったので余計に。「あれちゃんとロックかかったかな?」と不安になって再度押し込んでみたり。まぁロックされてなければバネでもとの位置に戻ってくるのでわかるんですが、慌ててる時などにしっかり感触で反応があった方がありがたいなと。

上述の通り、せっかく購入した指紋センサーのSesame Touchは取り付けできずに、現在はApple Watchからの操作ですが、そこまで手間でもなく、むしろ自転車から少し離れたところから操作を始められるので、自転車脇に着くと同時に開錠、くらいの流れで扱えてスムーズに乗車できています。これまでのナンバー錠と違って暗い場所でカチャカチャ暗証番号ボタンを押したりしなくても良くなったしかなり快適になりました。

■まとめ

Sesameサイクル2や自転車ホルダーはママチャリ向け設計になっているので、Vブレーキのスポーツ車やハンドル径が太い車両は事前に念入りなサイズ確認をしましょう。といってもあまり公式サイトに適用条件などが書いてないんですよね…

Sesame5にオープンセンサーが届いたが期待とは違った…

スマートロックのSesame5のオプションパーツ「オープンセンサー」が到着しました。Qrio2などにもあったドアの開閉をマグネットセンサーで検知するユニットです。これがあると何が良いかというと、通常スマートロックは自体はドアが開いているか閉まっているかを知ることができません。なのでオートロック(タイマーで自動施錠)を有効にしていても、偶然なにかにドアがひっかかって完全に閉まってない状態で施錠されると、物理的にはドアが開いていて、鍵だけ施錠位置になってる場合でもオンラインステータスは「施錠」となり非常に危険です。これに対し、きちんとドアが閉まっていることを検知してあげようというのがオープンセンサーです。マグネットの磁力の強さ(ドアと枠にそれぞれつけるパーツの距離)で測っているので、厳密にはこれも近似値でしかないですが(Sesame用オープンセンサーでは2cm以内にいれば閉まってると判断するもよう)。

以前、我が家では実際にドアが置き配された荷物にひっかかってきちんと閉じてないままSesameだけ施錠され、隙間からぬこが脱走してしまったことがあり、物理でドアが閉じていることをきちんと確認できるならいいなーと思って発表と同時に予約してありました。それが一昨日届いて早速設定。

できるのは自動ロックだけで確認は不可(>_<)

設定はまぁシンプルですがあいかわらずゼムクリップを伸ばして小さな穴から初期化ボタンを押してやる必要がありました。我が家は意識してゼムクリップを常備してないのでSesame Touchの時と同様にしばらく途方に暮れました。SIMピンならたくさんあるんですが、微妙に太い。結局精密ドライバーセットからなんとか穴に入る太さのものを見つけて間に合わせました。皆さんのご家庭ではゼムクリップとか秒で出てきますか?

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一度ペアリングしてしまえば、設定はなにもなく、オープンセンサーを紐付けされたSesame5本体は強制的にオートロックが有効になります。つまり、ドアを開けて閉めると即時施錠。遅延設定もできません。玄関に山積みされた置き配の荷物を開封して少しずつ宅内に移動する、みたいな時にいちいちロックされてしまい非常に不便です。一時的に無効化することすらできず、ペアリングを削除するしかなさそう。ペアリングを削除するとまたゼムクリップが必要になりますorz。

目論みとしては、オートロックはオフにしたまま、外出先からのステータス確認としてドアがきちんとしまってるかがわかって安心できればなと思っていたんですが、逆に「今なうドアはどういう状態か?」をみることはできません

既に公式サイトのレビューでも散々指摘されており、少なくともオートロックまでの遅延時間は実装される方向で検討が進んでいるようです。対応の速い会社なのでいずれアップデートで理想の使用方法ができるようになるかもですが、とりあえずは取り外しました。Sesame3と一緒に実家にあげようと思ったんですが、旧機種への対応も予定はあるものの時期は未定っぽい。自宅で使い物になるのと旧機種に対応するのとどっちが先かな(この仕様で実家で役に立つかも不明ですが)。

指紋/Felicaでロックを開錠!セサミTouchが来た!

予約してあったスマートロック用オプション、Sesame Touchが届きました。CANDY HOUSE製スマートロックSesameシリーズ(3/4/5)と組み合わせて使用する、指紋&ICカードリーダーです。

スマホアプリやAppleWatchアプリを起動して操作しなくても、指やICカードをこれに当てるだけで解錠できます。

電池式で配線いらず。Sesame本体とBluetooth圏内であればどこにでも貼り付けておくだけで使用できます。これで税別2,980円とかコスパ高過ぎでしょう。本体のSesame 5(3,980円)と合わせても数千円で、もちろんランニングコストも不要です。

Sesame5本体のレビューはこちら。

■セットアップ

最初に背面パネルを止めている2本のネジをドライバーで外す必要があります。ドライバーは付属しないので自前で用意する必要があります。またネジを完全に緩めても背面パネルはかなりがっちりと防水パッキンではまっており、公式ではネジをピンセット等でつまんで引っぺがすようアナウンスしています。ちなみにこちらは付属のペラ紙ではなくサイトでの案内となっています。発売してみたら問い合わせが殺到して急遽対応しました感アリ。ちなみに爪で無理にネジを掴んで引っ張ろうとしても結構な確率で爪がもげますのでオススメしません。防水のためとはいえドライバーやピンセットが別途必要というのは同社製品にしては手間かけさすなぁという印象でした。

背面パネルを外して中の電池の絶縁シートを抜き取ると電源が入って起動します。しかしアプリで新デバイス登録画面にして待っていても一向にデバイスが見つからない。BluetoothなどをOFF/ONしてもダメ。結局もう一度フタを開けて(本来、再セットアップの時に押せと書いてある)リセットボタンを押す必要がありました。

これからセッティングする人は一通りセットアップが完了するまで、裏蓋は閉じない方が良いでしょう。

一度フリーズもした

いくつかの指紋を登録し、更にICカードを登録している際、ガチで反応しなくなりました。本製品はフタの中のスイッチ以外にボタンはなく、指紋センサーに指を当てるかICカードでタッチするとLEDが光って音が鳴るくらいしか操作要素がありません。これらが全く反応しなくなりました。仕方が無いのでまたしても裏蓋のネジを外し、一度電池を抜いて挿し直して再起動させて解決しました。これ、ネジで固定した背面パネルを両面テープで壁などに貼り付ける方式なので、こういうフリーズが頻繁に起こったら滅茶苦茶めんどくさいことになりそう。ちなみに両面テープは予め貼ってあるものを含め3枚付属しています。どうか普段使いでフリーズしませんように(-人-)。

■取り付け

我が家は大家さんの趣味か玄関ドアが無駄に高級な木製で両面粘着テープで貼るのははばかられます。また壁も凸凹したパネルになっており、結局はめ殺しのガラス部分に貼り付けるしか選択肢がありませんでした(ガラスも凸凹してるように見えますが表面はフラットです)。

左に見えるドアホンユニットに3Dプリンターで固定具を作ってみようかと思いましたが、思い切ってガラスに貼り付け。電池交換やフリーズのたびに剥がす必要があります。3Mの両面テープでガッチリ固定されてますので、剥がす時はドライヤーなどで温めた方がいいかも。

アップ

割と厚みがありますが、逆にそのお陰で指などは当てやすくて良いかなとも。

ちなみに裏側からみるとちょっと目立つ…

■使用感

操作には指またはICカード(SuicaなどFelica)を使用します。

指での操作

指を使う場合、

  • 登録した指で解錠
  • 登録していない指で施錠

という動作になります。つまり解錠と施錠で指を使い分ける形でちょっと違和感あります。確かに同じ指で施錠と解錠がトグル(交互)動作だと、すでに施錠されているのに気付かずもう一度タッチして意図せず解錠状態のまま出かけてしまう、というリスクがあるので仕方ないところではあります。が欲を言えば別で施錠ボタンとかあっても良かったかなと。ちなみにロックかアンロックかはビープ音の長さで聞き分けできるようになっていて登録した指で認証すると「ピッ」と短い音、それ以外の指で認証失敗すると「ピーッ」とエラー音な感じに鳴ります。LEDは常に青発光のみ。人間の指らしきものを検知、くらいの意味の発光です。指でタッチしたあと一瞬の間をおいて「ピッ」または「ピーッ」と鳴って解錠または施錠動作がトリガされます。もうちょっと速いといいなとは思いますが音だけ聞き逃さなければ実用上は問題ないレベル。登録は1タッチのみで、iPhoneなどのように周辺部を念入りに記憶させたりするプロセスはないので、できるだけ同じ角度で指を当てないと認識されないことがあります。これを突き詰めると、あえてエッジ部分でタッチして認証失敗させて施錠、帰って来た時はしっかり中心部でタッチして解錠、のように1本の指で開け閉めできそうな気も。また登録時と同じ角度で当てる限り、あらゆるスマホの指紋認証と相性が悪い同居人の指でもしっかりと認証できているようです。伊達にセンサーがデカくないということでしょうか。スマホのセンサーは小さかったり液晶の下にいたりデザイン優先なところがあり、それと比べると精度が上がりやすいってことなのかも知れません。暗証番号が使えるSesame Touch Proを買わなかったことをブチブチ言ってた同居人にも今のところキレられていませんw。

ICカードでの操作

ICカードは解錠のみ。施錠はできません。ICカードはFelicaならなんでも良いみたいで、物理のSuica/PASMO(半導体不足で無記名のものが新規発行停止だそうですね)はもちろん、iPhone/AppleWatch/AndroidのモバイルSuicaでもOKです。iPhoneだと「エクスプレスカード」に指定してあればロック状態でも触れるだけで使えます(駅の改札と同じ)。ちなみに同居人が使っているGarminのスマートウォッチ(モバイルSuica対応モデル)でも登録できました。

スマートウォッチをしているなら、解錠はそちらでして、あえて指は非常用に小指などだけ登録しておいて、普段は(登録しない)人差し指や親指で施錠、って使い方もアリかなと思います。

■まとめ

とにかく本体とセットでもQrio2の半額以下で買えるSesame5+Sesame Touchというソリューションはコスパ最高だと思います。最終的には更に予約済みのオープンセンサーを追加して施錠は自動化できれば更に便利になる気もします。万一意図せず締め出されてしまってスマホもっていないという場合でも指紋で解錠できるのであれば安心じゃないかと。発売が楽しみです。

指紋とICカード以外に暗証番号も使えるテンキー付きのSesame Touch Proも1,000円違いでリリースされましたが、これだけ指紋とICカードできっちり開け閉めできるならコンパクトなSesame Touchの方で正解だったなという気がします。