サポート用フィラメントを使ってみたら良かった話

3Dプリンターは3Dモデルデータに応じた形状をプリントしてくれるものですが、実はこれがそう簡単な話でもありません。FDM方式の場合は下から縄文土器のように積み上げていくので、「T」字の横棒のように下に支えがない形状(オーバーハング)は物理的に造形できません。それを回避するように後で取り外す仮の構造物(サポート)を作る必要があります。デザイン自体はスライサーというソフトが自動的にやってくれますが、造形後にこれを除去するのが大変だったり、除去しやすいよう密着度を下げて点接触のようにするので、天井面が汚くなったり。

それを解決するのがBambu Lab機のAMSのような複数フィラメントを使い分けできる機種と、サポート専用のフィラメント(サポート用フィラメント)というわけです。あえてメインの素材とは密着しづらい素材で造形するため、後で剥がすのが比較的楽です。中には水溶性フィラメントといって水に溶けるものもあります。これだと造形後水を張った中に沈めておくだけだそう。

非常に便利そうですが難点もあります。普通のPLAやPETGなどのフィラメントより単価が高いのです。後で捨てるだけの部分が本体より高いって、、と使うのを躊躇っていました。X1-Carbonには500gのPLA用サポートフィラメントがオマケでついているんですが、それすら勿体ないなと感じてしまい開封していませんでした。

しかしある時海外動画をみていて衝撃の事実というかテクニックを知ったのです。

元々自分が思い描いていたサポート用フィラメントの使い方はこうです。白い部分がサポート用フィラメントを使って造形する部分。

スライサーの予測では40gのサポートフィラメントを消費し、6時間40分かかります。1つのエクストルーダーで複数フィラメントを使い分けるBambu方式だとフィラメントを交換する毎に時間とフィラメントをロスするので、こういう形状はめちゃめちゃ無駄が多いのです。

しかし動画をみていて発見した方法だとこう。

サポートを剥がしやすくするためだと考えるなら、接触面だけ使えばいいジャナイ!というわけです。これだとフィラメント交換が176回→2回と激減し、造形時間は6時間から1時間8分に短縮。そして単価の高いサポート用フィラメントの使用量も40gから1g未満になります。

Bambu Studioにはちゃんとそのための設定がありました。サポートとラフトの「ベース」と「インターフェイス(接触面)」でそれぞれに使うフィラメントを変えられるのです。

まぁこのT字はもっとも極端な例ですが、いずれにせよ想像していたよりほんのちょっぴりしか消費しないで済む方法がある、ということがわかり、いっきに使用に傾きました。

■実際の使用感

実際に使ってみると「魔法のように簡単に剥がれる!」とは残念ながらいきません。接触面のみフィラメント替えをした場合、接触面は2面になるので、不要部分をもってメリメリっと剥がした時に、逆に中間のサポートフィラメント層がメイン造型物側に残ってしまい、改めて薄い1,2層を剥がす手間が発生することが多いです。細いラジオペンチやニッパーなどでメイン部分を傷つけないよう剥がしていくのはそれなりに時間もあっかります。サポート部分をまるごとサポート用フィラメントで造形していれば一発除去もできるので、サポートの高さなどによって使い分けるのが理想でしょう。

除去の容易さだけでなく、接触面(天井側)の綺麗さも重要です。接触面にサポートフィラメントを指定すると、自動的に点接触ではなく距離0の面接触に切り替えるか聞いてくれます。その通りにすれば天井面は見違えるほど綺麗になります。時間よりもこちらのメリットの方が大きいです。

最近ではもう当たり前にサポート用フィラメントを(接触面のみに)使うようになりました。

■社外製品を追加購入

オマケの500gがもうすぐ使い終わりそうなので追加購入しようとしたら、Bambuストアで品切れorz。1,2週間ウォッチしてようやく再入荷したようですが、高い上にこうも入手性が悪いとちょっと常用するのには抵抗あります。そこでAmazonでPolymakerのこちらを購入。レビューでBambu純正フィラメント設定で問題なく使える、と書かれてたので信じてみました。

Bambu公式より少し高いように見えますが、あちらは500g、こちらは750gなのでグラム単価でいえばちょいお得なはず。

品質についてはこれから検証していきたいと思います。

■PLAとPETGは互いに貼り付かないからサポート材に使えるという情報

Facebookの海外グループで書き込まれていました。PLAで造形したい時にPETG、PETGで造形したい時にPLAをサポート材として指定すると良いと。どちらもサポート用フィラメントよりは安いので本当に使えるならアリかもです。あまりに剥離しやすいとそれはそれで問題な気もしますが。そのうち試してみたいところです。

■水溶性フィラメントはどうだろう?

こちらも気にはなっていますが、単価が更に高いのと、水を溜めて長時間浸しておく必要があるので使い勝手としても微妙かなと。毎日ゴミプラスチックを量産している上に、さらに排水を汚すのも躊躇われるしw。ので、ものすごく出来を気にすべき造形をする必要が生じるまで保留かなと。

■まとめ

高単価なサポート用フィラメントですが、接触面にのみ使用するという設定があるおかげで、思ったほど量を消費せずに活用できそうで、急にアリな気がしてきました。同じ理由でエリクサーのように温存している人がいたら是非トライしてみてはいかがでしょう?

更にサポート部分を別の劇安フィラメントにすることも設定上は可能ですが、フィラメント交換回数が増えると時間と廃棄量が跳ね上がるのでペイできるかは微妙です。

ちなみに色分けよりサポート用フィラメントを使い分けることを重視するならBambuのAMS方式より最初からエクストルーダーがマルチな他社製品も存在します。実はそれも悩んだんだんですが、トータルな品質、定評でBambuにしました。同社も次世代機ではマルチエクストルーダー+AMSとか実現してこないですかねー。

X1-Carbon Combo、一ヶ月所感

Bambu Labの3Dプリンター、X1-Carbon Comboを導入して一ヶ月ちょっと過ぎました。

改めて使用感などをまとめていこうと思います。

モジャリ事故ゼロ!

まず素晴らしいのは途中で造型物がプレートから剥がれてしまって以降のフィラメントが積層される場所を失ってスパゲティを生成してしまう事故が一度も起きていないという点。AIカメラがスパゲティ検知して造形を止めてフィラメントの浪費を防いでくれる機能がついてるはずですが一度も発動したことがない。

何時間も出力にかかった挙げ句のスパゲティは本当にガックリするので、まずここで失敗がないのは嬉しいです。

また剥がれは1層目の定着の問題が大きいわけですが、1層目が綺麗に造形できてない時に「失敗してるかもだけど続けますか?」的にポーズしてくれる機能は1,2回発動したかな?いずれも後述の社外フィラメントで正常にフィラメントを送れてなくて荒れてしまったんだったかと。純正フィラメントを使ってる限りノートラブルだった気がします。

ビルドプレートはスムーズPEIが最高か

純正だけでも数種類あるビルドプレートですが、初期付属の常温プレート(裏面はエンジニアリングプレート)、追加で高温プレート、スムーズPEIと試しましたが、いまのところスムーズPEIが最高です。めっちゃすべすべしていてPLAは糊を塗らなくても良いし、取り外しも楽々。キャリブレーション用のラインも気持ち良くスーっと剥がれます。

他は糊推奨ということでスティック糊や液体糊を塗ってますが、塗るのも面倒くさいし、定期的に洗わないと固着して凸凹してくるしで面倒。また常温プレートは結構強固に定着するので剥がす時も大変。高温プレートは剥がすのはやや楽だけど造形中の冷却ファンの騒音が大きい。スムーズPEIもPLA以外では糊が必要とのことですが、当面はほぼPLA運用だし、PLAはスムーズPEIを使い、PETGは高温プレートという感じかな。

いまんとこ常温プレートはコスト以外メリットがない印象。なんか高圧洗浄機ケルヒャーの(スタンダードモデルの)標準付属ホースがねじれで使い物にならなくて、ほぼ高いホース買い換え必須、みたいな話を彷彿とさせます。差額払ってもいいから最初からスムーズPEIつけといてほしい。スムーズPEIは冷ましてから剥がさないとダメージ入る可能性があるというのが難点。連続造形用にもう一枚買い足したいかも。

非純正スプール問題はビニテで解決?

先にも書いた非純正フィラメント、というかスプールに起因する問題。例えば紙スプールにプラリングを取り付けると滑って正常にAMS内で回転しないとか、0.5kgフィラメントの小径スプールもダメとかいった問題がX1Cを使ってて苦労したトラブルのほぼ全てだった気がしますが、最近ようやくプラリングではなくビニールテープを巻くというハックで解決した気がしています。ちょうどそのタイミングで紙スプールのフィラメントを使い切ってしまったんで追試ができてないんですが、3Dプリントしたリングよりも全然安定して動きます。

ちょっと高いけどなるべく純正フィラメントで運用していこうかなって思ってたんですが、これなら紙スプールのOVERTUREやeSUNを選んでもさほど苦労しないで済むかも?と期待。純正だとNFCチップでフィラメントの種類や色を自動判別してくれるのは便利ですが、価格も高いし、後述の通り公式ストアは品切れしてることが多くで、ほしいときにすぐ手に入らない問題などもあったりで、そこまでして純正にこだわらなくていいかなという気が強まってきました。

サポートフィラメント・デビューするべきか

品質的なことで気になってるのは、ブリッジ面(宙に浮いてる下側の面)が汚いこと。3Dプリンターは原理上、樹脂素材を下から積み上げて造形しますが、それ故に中に浮いた形状は作れません。その時はサポートといってダミーの構造物を積み上げて、あとからそれを除去する、という手法を採ります。サポート部分を本来の造型物の部分は後でスムーズに取り外しができるよう、密着度を粗にするので、どうしてもその面がザラついてしまいます。

そこでせっかくAMSがついているX1Cではサポート用フィラメントというのがあり、メインの造形樹脂とは異なる素材のフィラメントを使うことで形状的な密着度を上げても接着度は高まらないようにすることができます。これのサンプルフィラメントが付属してるんですが、もったいなくてまだ使ってません。Facebookグループの投稿などをみてても「ここが汚いのどうすればいい?」→「サポートフィラメント使え」みたいな会話が延々とされているので、それなりに効果はあるんだと思いますが、割と単価高いんですよね。造型物よりも捨てる部分が高いのはどうなのって思ってしまうw。でもまぁ造形品質上げるにはしょうがないことだろうし、ここぞという機会で使ってみたいと思います。

フィラメントドライヤー・デビューするべきか

同様にまだ踏み切れていないのがフィラメント・ドライヤー。文字通りフィラメントを造形前、あるいは造形中に換装させる装置。フィラメントは放置しておくと空気中の水分で湿気って劣化していきます。PLAはそれほどでもないですが、ABSとかTPUはヒドいらしい。

いまのところ気になるほどの劣化は感じてないんですが、これから高湿な季節も来るし、3Dプリントを始めた昨年以上に多色、多種なフィラメントを買い置きするようになってきているので、在庫期間も長くなってくるし。明らかに造形に失敗するレベルの劣化をしてなくても、やはり仕上がりに差が出るとみんな言ってるんですよねー。失敗を防ぐというより、より品質が上がるならばという感じでちょっと気になってます。特に透明のTPUを使った時の透明度が違ってくる、というのは気になるところです。

X1Cはチャンバー内でフィラメントを乾燥させる機能もついてますが、それで何時間も専有してしまうのもなんだし、やはり「パンが焼ける電子レンジ」と同じで無駄に広いチャンバーを使うのは非効率だと思うので、ちゃんと乾燥運用をするなら専用ドライヤー買った方がいいんだろうなと。またABSとかTPUみたいな造形中ももりもり湿気吸うレベルの素材だと、X1Cの乾燥機能で乾燥しおわって造形するのではなく、ドライヤーからダイレクトに乾燥する端からプリンターに送る、くらいするのが良いとのこと。

たくさんあるPLAはすべて管理するのは大変なのでまぁあまり気にせずAMS内の除湿剤や、真空ビニールパックで済ますにしても、TPUをちゃんと活用するなら買おうかなと。

現状第一候補はこれ。

素材別の温度/時間プリセットを選択する方式。これの1スプール版かいっそ4スプール版に特攻するべきか、置き場所の問題も含めて思案中。

公式ストアの品切れ多すぎ問題

先に書いた公式ストアのフィラメントやアクセサリ、補修パーツの品切れ多い問題が気になっています。品揃えが良いのですが、いざ買おうと思うと品切れってことが何度も。再入荷通知登録とかもできるんですが、届くより先にフラっと見にいったら入荷してた、なんてことも。というか一度もメール受け取ったことない…

公式ストアは営業日ならだいたい翌日発送で佐川で来るので、中二日くらいあれば届くんですが、それでもAmazonお急ぎ便に慣れてる身からするともどかしい。一応Amazonにも公式ストアがあるんですが品揃えが少ない上に結構な価格差があって使い物にならないんですよねー。

この辺りがもう少し改善すれば純正品を使うモチベーションも高まるのになと。

まとめ

大きな買い物でしたが現状、非常に満足しています。楽しい。稼働率爆上がり。

社外フィラメントを上手く使う道筋もつきそうなので、これからますます活用し、更なる品質や効率、コスパを求めていこうと思います。

AMSで紙スプール使うにはもうビニールテープでいいんじゃないか?

3Dプリンターのフィラメントはスプールと呼ばれるリールに巻き付けて売られています。このスプールが元はプラ製だったのが最近一部メーカーは段ボール的な紙で提供しています。OVERTUREとかeSUNといった大手も基本紙のようです。

これがBambu Lab X1-Carbonのフィラメントフィーダーシステム、AMSと相性が悪いです。

  • 摩擦の関係でローラーが滑って正常に送り/戻しができない
  • 紙が削れて粉塵となりギアなどに噛んで故障の原因となる

などと言われています。(と思っていました)。

そこで、写真のようなフレーム部品(緑色)を3Dプリンター自身で造形してとりつけるのが一般的です。

しかしこれがやってみるとなかなか上手く機能しませんでした。むしろ滑ってしまって巻き取りができず出力が止まりまくりです。ツルツルのPLAがダメなんかとPETG素材で出してみたり、外周がギザギザしたデザインのものを使ってみたりするもどれもイマイチ。「もう二度と紙スプールのフィラメントなんか買うもんかウワーン」と思いながらなんとかあるだけ使い切ろうと頑張ってきました。

しかしようやく写真の2スプールとも残りあとわずかというところで、なかばキレつつフレーム無しで使ってみたところ、ウソみたいにばっちり回転してくれるじゃないですか。「紙だと滑ってダメ」というのは都市伝説か自分の記憶違いで、普通に使えます。冷静に考えてみれば見るからに樹脂より摩擦高いよねと。

しかし、「紙が削れた粉塵が機械に悪い」というリスクは以前と残るのでそのまま使うわけにもいかず。あらためて海外掲示板なども含めてググってみると「electrical tape巻いときゃOKよ」という記述が。絶縁用のビニールテープのことですよね。

確かに摩擦だけでいうとパーマセルテープみたいなのがヨサゲですがこれも結局紙なので削れてしまいそう。早速手近にあったビニールテープを巻いてみました。

もうね、いままで散々苦労した紙スプールのフィラメントが魔法のように正常に使えちゃいましたよ。今までの苦労はなんだったのかと。多色出力すると層毎に何度も引き戻しして、その度にエラーになってで、つきっきりで手動巻き取りしないとだったのがウソのよう。これまでの造形トラブルはほぼすべて社外フィラメント(というかスプール)に起因するもの(紙スプール、小径スプールなど)だったので、「今度は(高いけど)Bambu Lab純正フィラメントでやってくぜ。少なくとも主要素材・カラーは純正NFCチップ入りスプール付きを揃えて、フィラメントを入れかえて使うぜ」と心に誓ってましたが、紙スプールでもこんな簡単なハックで普通に使えるならフィラメントの質としては問題なくコスパも良いOVERTUREやeSUNを使っていってもいいかなーとか。

2024.7.26追記

夏になって室温が上がったら貼ったビニールテープがデロデロに剥がれてきました。粘着剤が緩くなってビニール素材の真っ直ぐに戻ろうとする力が勝ってしまったという感じ。うーむ、粘着力の強さ自慢のビニールテープとかあんのかしら?とPerplexityさんに聞いてみたところ、スコッチの電気絶縁用ビニールテープの「プレミアム」というのが出てきた。調べると、一般品が80℃に対しプレミアムは110℃までの耐熱性があるらしい

Super 33+、No.35、Super 88の三種類あって、最高使用温度は同じ。最低使用頻度に差があるけど今回の用途ではどうでもよし。ちなみに剥がれてしまったトラスコのは、

  • 厚み(mm):0.2
  • 粘着力:1.4N/10mm
  • 引張強度:25N/10mm
  • 使用温度範囲:-5~80℃

だそうなので、粘着力でいえばノーマルでも倍の2.8N/10mmある。逆にNo.35だと2.2N/10mmだから差は縮まる。うーん、耐熱温度と粘着力のどっちを重視するべきだろう?

あとはコスパかな?てことでAmazonの相場を調べると、

Super 33+高いなっ!さすがスペック上位。これをAMSのためだけに買うのはどうなのって気が。No.35、Super 88も数十円で買える普通のビニールテープと比べたら桁が違う。ただしトラスコの75円は10m。スコッチの3つは20m。それでも数倍の単価差かぁ。

こんなのも発見。

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粘着力高めの3.0N/10mmで使用温度も-10~100℃。幅がちょっと狭くて12mm(他は19mm)、長さは5m。メートル単価としてはNo.35やSuper88より割高ですがご家庭用の少量版パッケージといったところでしょうか。スプール用としてみた時に、幅が19mmだと広すぎてフィラメントを通す穴を塞いでしまうのが気になっていたので、むしろ12mmは良いのかも。お試しでこれを買ってみようかなー。もしかするとホームセンター店頭で買えば安いかも?買ったら追記します。

2024.7.26追記

上記のEL-12が届きました。なんとSuper 33+の表記が。表のスペックと多少差異がある気もしますが、テープ幅の関係?

EL-12 = Super 33+でした

とりあえず貼り直ししてみました。思ったとおり、12mmと幅が短い分、エッジに貼ってもフィラメント留めの穴を塞がなくていい感じです。その分、接着面は少ないわけなので剥がれやすさについてはなんともですかね。

トラスコのがあまり剥がれていないスプールについては、応急処置的に端っこをこんな形で止めてみました。

まぁ剥がれる時は全体に剥がれてくるので気休め程度ですが、Super 33+は単価が高いので、こういう末端処理で間に合うならそれに越したことはないかなと。

と感覚ですがやはり密閉空間であるAMSにセットしていたスプールほど剥がれがひどい印象です。乾燥剤が入ってる分多少は湿度が低く保たれているはずですが、動作時含め温度は上がりやすいんでしょうかね。その辺の違いも含めて継続ウォッチしつつ、剥がれてこないかなどレポートしたいと思います。

Bambu Lab X1-Carbon、半月目

X1-Carbon使用半月(2週間)目の近況レビューです。

■高温プレート解禁。高温=騒音

別売りオプションの高温プレートを開封して使ってみました。Bambu Studioの設定にプリセットがあるので切り替えるだけで最適設定で造形してくれます。らくちん。

高温プレートの方が対応素材が多いので、裏表を使い分けないとならない低温/エンジニアリングプレートよりも簡単でいいなと思っていました。ただ、デフォルトでは文字通り高温で印刷するせいかファンの音が低温プレートの時よりもかなりうなる気がします。しかもPLA素材の場合は温かくなりすぎるのでドアを空けておくよう指示が出ます。キャリブレーションの一時的な騒音と違って、プリントしてる間ずっとうるさいのでちょっと微妙。高温プレートでもPLAの時は温度をそこまで上げない設定とかできそうなもんですが、少なくとも自動ではそういう挙動はないようです。

糊は低温、高温とも結局塗ってます。液体糊が塗りやすいし平滑になるのでいい感じ。Migda使ってたことは意地でも糊は塗りたくない、くらいに思ってたけど、こちらは最初に糊塗りを怠るとプレート破損するまで書かれているので、洗った直後も含めて結局塗るしかないかなと。前のプリント物があったところが白く抜けるので、そこだけ塗り足す感じでだいぶ習慣化して気にならなくはなってきました。テクスチャードプレート以外では塗ってく方針かなと。

また特に高温プレートだとそうなんですが、造形完了直後は造形物もプレートもかなり熱くて、しっかり冷ましてからはがさないとスプールなどの大きい造型物なんかは反ってしまいそう。なので、連続して次の造型にかかりたい時なんかは予備のプレートがあると、終わった造形物を冷ましながら次がスタートできていいかなと思い始めました。種類を使い分けるのではなく、単純に数があるとサイクルをまわしやすい、という気付きです。

ただ買い足すならスムーズPEIシートかな。「造形後に数分覚ましてから剥がさないと損傷する、定期的に洗剤と水でクリーニングが必要」という短所については、どのみち今も気に掛けてるので、だったら糊不要になるメリットしかないかなとか。造形時の温度(=騒音)が低いならいいな。でもこれ公式サイトで売り切れ中。入荷次第試して見たいと思います。

■スプール周りのあれこれ

購入後、未定着とかスパゲティとか3Dプリンターあるあるの失敗は皆無なんですが、唯一起きているのがAMSでのスプール絡みの問題、しかも社外スプールのフィラメントに関してです。純正スプール(フィラメント)を使っておけば問題ないんでしょうが、今までのフィラメント資産もせっかくなので使い切りたいところです。

AMSの仕組みとして、フィラメントを引き込むのは一度フィーダーユニットの穴に先端を差し込んであげれば問題なく引っ張ってくれます。ただ異なるフィラメントに切り替える際、できるだけ無駄が発生しないようにエクストルーダーまで到達したフィラメント先端を巻き戻す動作が発生します。こちらはフィーダーユニットが逆向きに送り出すと同時に、スプールをローラーで逆回転させて巻き取っていくという2つの要素が同時に動く仕組み。後者の巻き取りで、ローラーの回転がきちんとスプールに伝わってくれないと、戻ったフィラメントが巻き取られず暴れて絡んだり、いつまでも巻き取りが完了しないのでエラーになって造形が中断したりします。ここら辺が非純正スプールだと正しく回転せずにトラブルになりがち。

こうした社外スプールのフィラメントは外部ホルダーから供給すれば問題なく使えるのですが、多色造形の1つとして使いたい時はAMSに入れる必要がある為、なにかしら工夫がいります。

紙製スプール

OVERTUREやeSUNなど純正より安くて評価も高いフィラメントメーカーは樹脂製にかわって段ボール製スプールを採用しています。コスト面、環境面で優位なようです。普通のホルダーにひっかけて使うプリンターならなんの問題もないのですが、AMSだと摩擦が足りなくて正しく回転してくれません。

これを解決する方法として、

  • 樹脂製スプールにつけかえる
  • 外周に樹脂製リングを取り付ける

などが一般的。どちらもモデルデータがあるので自分でプリントすれば良いのですが、とりあえず少ないフィラメントで作れる後者を試したところ、それでも滑って正しく巻き取れないケースが頻発。もしかするとPLAよりもPETGの方がザラつきがあって向いてるのかも?もしくは「ファジー壁面」をオンにして表面をザラザラにするとか。今はこのギザ十みたいな凹凸がついたリングアダプタを試しています。

小さいスプール

フィラメントは1kgスプールが一般的ですが、ちょっとだけこの色がほしい、といった時に500gのものだと安く済みます(コスパ的には割高でも)。こうした外径が小さく重量も軽いスプールもまたAMSと相性が悪いようです。このようなリングアダプタで外径を大きくしてやることで対応可能です。ただうちでもってた500gスプールは横幅も短いためこれでは充分に締め付けできませんでした。とりあえずセロテープでアダプタが空回りしないように固定してしのいでいますw

これらを使用する時は対応サイズをよく確認することをお勧めします。

残量が少なく軽くなったスプール

純正スプールでも起きうるかもなんですが、フィラメントの残量が残り少なくなってくると、重量も減るためにローラーとの摩擦も小さくなって上手く回転しないこともあるようです。中心の空洞部分に重りを入れるのが手っ取り早く、そうした目的のモデルもありますが、Facebookグループなどに「このフィラメントにはこのメーカーの缶詰がピッタリだぜ」みたいな情報も飛び交っていたり。自分は手近にある液体糊をつっこんだりしてますが、追々日本で入手可能な缶詰など代用物を模索してみたいと思います。

いずれのパターンでもAMS内のローラーと外周部分の摩擦が足りないのが問題になるので、

  • ザラザラした表面にする
  • 重くする
  • リングとスプールが空回りしないようしっかり固定する

などの観点で工夫をしてやるのが有効そうです。

そもそも純正スプール/フィラメントならトラブルが少ないので、そういったものを使えばいいんですが、やはり値段差もあるので悩ましいです。ただ公式でもPLAベーシックなどのメジャーなフィラメントはスプール無しのものも購入できて、4,180円->3,580円と少しお安くなります。純正スプールにはNFCタグが仕込まれていて、AMSにセットするだけで素材や色を自動識別してくれる便利さもあるので、よく使うものは純正スプールで買い揃えていき、以降はスプール無しで補充したり、割安な社外紙スプール製品を買ってつけかえていく運用がいいかなーと思っています。

結局X1のタッチパネルは使ってるのか?

P1シリーズとX1の大きな違いとしてタッチパネル操作部の有無があります。PCやスマホアプリからもモデルデータを送り込んで印刷開始できるので、ぶっちゃけいらないんじゃないか?と思って購入時にかなり迷いました。

使い比べたわけではないですが、ありゃあったで便利だなと感じています。造形物出力中に次のモデルデータを送信しておいたり、同じものを複数回造形したい時など、本体前でプレートの糊を塗る作業などをして、そのままタッチパネルで次のデータを選んで開始できるとスムーズです。その際にグラフィックでモデルを識別できるとストレスがありません。その時の識別も楽だし、保存時にわかりやすい名前をつける、といった配慮からも解放されます。

保証もなくなるのでまだ導入する勇気はないですが、最近はカスタムファームウェアなども出ていて機能追加などもされているようです。

LiDARなど他のX1優位点が必要ない場合、P1Sを買ってこちらの外部GUIユニットを追加するのも手かもと書いたんですが、こちらの画面サンプルをよくみていてもモデルのプレビューはなくリスト形式っぽいですね。もしかしたらできるかも知れないし、将来実装されるかも知れませんが、現時点ではX1の優位性の1つかも知れません。

■まとめ

現時点では社外スプール周りのトラブルがある位で、全体的には非常に安定して高品質な造形が手軽にできる良モデルだと思います。その分、お高いので神モデルとまでは言わないですが、予算に余裕があれば自身をもってお勧めできる製品だと思います。

あとはAmazonの公式ストアでもう少し取り扱いラインナップが増えたらなぁ。純正フィラメントやプレート、ノズルが急ぎですぐほしい!Prime配送で送料無料で買いたい、ってニーズに応えられるといつでもなんでも出力できてエコシステムとしての完成度も上がるかなと。

3Dプリンターのために3Dプリンターで部品を作る ~Bambu Lab Mods(随時追加)

3Dプリンターの面白いところは、3Dプリンター自身で部品を作れるところです。将来的に月面とか火星みたいな極地で現地の素材で材料で現地で部品をプリントすればイイジャナイみたいな研究もあるみたいです。それは極端な話としても、実際3Dプリンターが好きな人はDIYが好きなのか世界中のユーザが数多くの部品や改良パーツ(Modification = Mod)をリリースしています。3Dプリンターに食わせられるモデルデータの交換に特化した交換サイトもPrintablesとかYegiとか色々あります。特に今回購入したBambu LabはMakerWorldというサイト(自社運営?)と密接に連携しており、サイト上のダウンロードボタンのかわりに直接純正スライサーソフトであるBambu Studioに読み込んだり、スマホアプリのBambu Handyからプリンターに出力指示したりできるようになっています。またアップロードされたモデルデータが高評価(DL数?良いね数?)だとその貢献の報酬としてポイントがついて同社の公式ストアのギフト券と交換できるぽいです。

そんなこともあってかBambu Lab社のプリンター用のMODデータもとてつもない数がアップロードされています。本記事ではそんな中で「これは要る!」と思ったものを記録も兼ねて挙げておきます。いつか自分が「これ壊れたまた造形したいけどどのデータだっけ?」ってならないようにと、どなたかの参考になれば幸いです。

庫内を掃除しやすくするスロープ

X1Cは基本フィラメントくずは背面のダクトから放出されるのですが、少量はやはりエンクロージャー内に落下して次第に溜まっていきます。それを掃除するのを楽にするため、扉を開けた床面の段差をスロープ化するパーツがありました。

出力素材はPLAのマットシルバーで、いい感じに色が馴染んでくれました。他の方の2分割設計を1つにまとめたのが採用理由ですが、それ故か微妙に左右幅がピッチリで真ん中が浮いてきますので両面テープ接着必須です。

スロープの始まり(向かって奥側)が少し鋭さが足りず1mm弱の段差になってるのは、指定の0.1mm指定を見落としていたかも知れません。今度出し直してみようかな?

まだ掃除するほどくずが溜まってないですが間違いなくあった方がよいと感じます。

ゴミ箱(poop chout)

Bambu LabのX1シリーズ、P1シリーズはフィラメントの自動交換システムがあり、フィラメント交換時にノズル内のフィラメントを輩出して背面の放出口から捨ててくれます。なので、その下にゴミ受けを設置しておくのが鉄板になっています。このゴミをp〇〇p(ウ〇チ)と呼ぶそうで、poop choutやpurge bucketという名前で非常に多くのモデルが共有されています。主流は背面の放出口から左側面にスロープで転がり落ちてくるタイプのようですが、個人的にあまりサイドに張り出させたくなかったのと、多色整形をしない限りそこまで大量にp〇〇pが発生しないだろうという目算で、背面に隠れる小型のボックスを選びました。採用理由はボトムフレームが本体底部に連結する形になっており、背面が見えてない状態でボックスを再設置する時にパコっとはまるので位置決めがしやすいかなと思ったという点です。マグネットでくっつけるタイプもあったんですが、まぁ調達の手間もかからない方がいいかなと。

底フレームと本体底面との連結は一瞬持ち上げて差し込むだけで、ねじ止めなどはないので簡単ですし非破壊です。

Y字スプリッターサイドスプールホルダー

Y字スプリッターはこれまたBambu Lab製品の定番MODで、AMSからのフィラメントとそれ以外のフィラメントを入れ替えるのを楽にするパーツです。文字通りフィラメントの差込口をY字に分岐して入口を2個に増やすといったものです。もちろん同時使用はできませんが、差込口をサイドに飛び出させることで背面をゴソゴソしなくてよくなりますし、AMS側のチューブはつないだままで済みます。

なお差込部分は造形物直ではなく、継手コネクターというエアチューブをワンタッチ接続する部品を取り付けるのが習わし(?)のようです。日本のAmazonで指定サイズかつあまり入数が多くないものを見つけました。この銀色の方しか必要ないんですが、探した時点ではこれが一番安いからいっかと。

スプールホルダーはそのAMSの4つ以外のフィラメントを使う時にスプールをひっかけておくバーです。標準では背面に生える形のものが付属していますが、やはり使いづらそうなので、サイドにおけるものを選びました。これがあるのでゴミ箱は再度に出ないものにしたという経緯も。このモデルはスプールを受ける軸部分に市販のベアリングを入れるバージョンもあり、その方がスムーズに静かに回転してくれるかなと思って投資することにしました。これも海外Amazonリンクしかないので自分で日本Amazonで探しました。ちょうど二個セットで発見。

また固定には本体裏のM3ネジを外して少し長いネジに交換して共締めするので、この機会にいろいろな長さのM3ネジが入っているセットを買っておきました。

これら同士を接続するPTFEチューブも必要でした。外形が4mm、内径が2.5mmという純正使用は公式ストアに売ってますがなんと品切れ。Amazonで同じ仕様のものをゲット。純正品と比べると透明度が高い一方、固さはちょっと固い感じ。その分、少しフィラメントの通りが悪い気もします。公式サイトで再入荷したら買い直すかも。

チューブを切る際に変形してしまうとフィラメントがスムーズに通らなくなるようなので、専用カッターも購入。

新潟精機 BeHAUS 日本製 チューブカッタ TC-21

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ひとつひとつはたいした値段じゃないですが、こまごまと買い物が発生しますね(楽しい)。この手の工業部品はAliExpressで探したらさらに安いんでしょうが、今回ははやく環境を構築したかったので納期優先で国内調達したというところです。安く抑えたい人はアリエクで探してみると良いでしょう。

Y字スプリッターは数あるなかからフラットなものをチョイスしてスプールホルダーに両面テープで接着。

完成状態がこちら。下の白いチューブが純正品でAMSから来るもの、上の緑のフィラメントが通っているのが今回買った社外品のチューブで、外部スプールから入れる方です。

最近お気に入りのOVERTUREのマットオレンジで造形しました。左がスプールホルダー(+Y字スプリッター)、右側は次項のプレートスタンドです。だいぶフルアーマー仕様になってきました。

2024.3.31追記: A1用ホルダーを使った引き戻し機能付ホルダー

良さげなモデルデータを見つけたので外部スプールホルダーをアップグレードしました。同じくBambu Lab製モデルのA1シリーズ用AMS(AMS Lite)のホルダーパーツを流用するというもの。

このホルダーはスプリングが入っていてフィラメントを送った後少しだけ引き戻す動作が入るっぽいのです。通常スプールホルダーをフリーでぶらさげているだけでは、勢い余って余分に送り出して最悪フィラメントが絡むことがあります。それが防止/軽減できるならいいんじゃないかと。このスプリング機構入りのホルダーをX1/P1シリーズに取り付けて使おうというもの。パーツはBambu Labの公式ストアで保守部品として購入可能です(執筆時点1,980円+送料)。取り付け方向別に緑色と黄色という選択肢がありますが、このモデルに使うには緑色を注文する必要があります。

最初に作った方のスプールホルダーと部品構成は似ていて、ねじ込みで本体に固定します。なので大きな本体側は共通でAMS Spindle Holderという棒パーツだけ出し直せばいいかなと思ってたんですが、ねじが微妙にあわずにそのままは無理でした。元の方はネジ部分だけ独立していてそこに角柱を差し込む構造だったのでこの角柱部分を切り取ってAMS Spindle Holderのネジ部分とリプレース。これで本体側は流用することができました。

とりつけた状態がこちら。スプールの固定自体にもスプリングで押し開いて固定する機構があるので、かなりしっかりと固定できます。見た目もかっこいいw

装着後まだ外部スプールを使う機会がなく評価は追々。

ビルドプレートスタンド

これもBambu LabプリンターMODとしては一大ジャンルな気がします。複数種類を使い分けることになりがちなビルドプレートの保管用スタンドです。卓上に置くもの、本体サイドに取り付けるもの、AMSや本体の下にはさむ形、ウォールマウントなどあらゆるソリューションが提示されていますが、今回は当面は最大でも3枚程度で常に1枚は本体にセットしているので、2枚保持できればいいかなと思い、スリムなこれにしました。これもゴミ箱と同じで本体底面の凸凹にあわせてはめ込む方式です。写真は左側についているのですが作者が写真を流用してあるだけのようです。きちんと右側用です。

しかしこれがどうやってもはまらない。どうもBambu Lab製品は時々サイレントに仕様やサイズがかわるらしく、今回もそれかもしれません。仕方なく固定箇所を物理で切断して、写真とは少し違う位置ですがとりつけできました。結果的に手前にきてオーライかなと。本当はFusion 360に取り込んでデータからいじればいいんですが、フィラメントがもったいないので力づくで解決。配布されてる.stlデータなどはメッシュデータといて面データにコンバートした後の状態なので、Fusion360で再編集するには変換が必要でちと面倒だったり重くなりがちだったりなので、あんまり凝った再編集はしたくないというのも。このあたり、もう少しノウハウを集めたいところ。

本体ビタ付けなので多少出し入れはしづらい面もありますが、フットプリントが小さく、倒れる心配はないのでいいかなと思います。

といっても既にプレートは2枚。あと1枚まではおけますが、それ以上増えたらまた物色ですね。

AMS用湿度計ホルダー

AMS内は乾燥剤をいれてフィラメントの防湿もできる仕組みになっていますが、きちんと湿度を保てているかをモニタリングするための湿度計をいい感じの場所に固定するホルダーです。Youtubeで3Dプリンター関連の動画を出しているかける氏の作品。

ちょうどこれ用の湿度計は以前に買ってもっていたので流用できました。4つセットなのでAMSの外側にも置いて対比してみようと思ってんですが1つしか見付からず。でも室内で30%くらいだったのが撮影時に20%、その後でみたら18%になっていたので頻繁に開け閉めしている割にはきちんと除湿できてるっぽいです。今は付属の除湿剤を入れてますが継続的に純正のを買うと高いので、後述のシリカゲルトレイを使っていく予定。

注意書きにあるように側面の壁がかなり薄く、サポート材を剥がす時に一部折れてしまいました…実害がないので放置。

トップガラスリフター

高温プレートを使う時にトップ面のガラスを開けるよう指定がありますが、上にAMSを積んでいる人はなかなかそうもいきません。そこでいくつかガラスを(AMSがズリ落ちない程度に)斜めにあけて、間にはさんで固定するパーツが提案されています。その中で、持ち手と一体化して普段は折り返しておけるタイプのものを導入。オリジナル版よりも角を丸めてあって良いのと、オリジナル版は最初から組み上がった状態で造形され外れなかったのに対し、こちらは別々に並べて造形するようになっていて良かったです。当初、下に挙げている換気用中間台をイメージしてましたが、こうして少し持ち上げるだけで済むならこれでいいかなとか。

■その他、気になっているMod

換気用中間台

X1/P1Sは素材によっては上面のガラス蓋を開けるてエンクロージャー内の温度を一定以下に保つことが推奨されています。しかしAMSが上に積んであるとそれが難しいので、このような間にはさむスタンドが考案されています(他にもAMSがズリ落ちない程度にちょこっとだけガラスを斜めに持ち上げるスペーサーなどもあります)。

かなりヨサゲですが、まだガラス開けないとなんともならない状況になっていないのと、大物で目立つので使うフィラメントや色をしっかり検討しようかなと思って保留にしています。消費フィラメントが1kgを超えているので2巻購入しなければならなかったり。すでに作ってしまったサイドパーツとあわせてオレンジはちょっと派手すぎるかなーとか、OVERTUREの段ボールスプールのフィラメントはできれば今後は避けたいなー、とかいろいろ思案してます。

シリカゲルトレイ

AMS内部には乾燥剤としてシリカゲルのバッグを入れておくスペースが2つあります。ただ使い捨てのバッグは再使用もできずコスト高いので、電子レンジ加熱で何度でも使える粒々タイプにしようと思っています。それを直接ザラザラっとくぼみに入れてしまうと取り出しが大変なので、こういうトレイが提案されています。(別途本体側の蓋があるにも関わらず)蓋付きが多い中、これは蓋無しなのと、つまんで持ち上げるための突起がついてるのがいいかなと思っています。

■まとめ

結構な部分が「なんで最初からこうなってないねん!」って気もしますが、まぁこれはこれで物色してプリントして試してってできるのも楽しいかなと。MakerWorldなんかはスマホで物色してそのままプリンターの送れるのでちょっとした隙間時間や布団の中で眺めるのもまた良しです。

今後もよさげなModを見つけたら追記していきます。