ユーザテスト/インタビュー調査における感染対策を考える

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2020年2月現在、新型コロナウィルスCOVID-19が話題になり、各種イベント会合が中止や延期になっています。多数の人が入れ替わり来てはモデレーターと近くで話したり評価対象デバイスに触れたりするユーザテストも感染リスクと無縁とは言えません。可能であれば延期なども視野に入れられれば良いのですが、期末のこの時期、クライアントとの契約や様々な都合もあって実施に踏み切るしかないこともあるでしょう。そんな中でもできる対策や注意点をまとめてみました。

■デバイスの消毒

一般に脂質であるエンベロープ(外膜)をもったウィルスはアルコールに弱いとされます。インフルエンザウィルスやコロナウィルスも含まれます。COVID-19もコロナウィルスの一種なので同様に考えてよいだろうとされています。ユーザテストで使う評価対象物や機材もアルコールで定期的に消毒することは有効でしょう。ただし若干注意が必要だと思います。

1つはアルコールの濃度。アルコールは水分とのバランスで効果が異なるので目的別に様々な濃度のものが売られています。医療用、消毒用とされるものは70%くらいのものが多い様です。ウィルスのエンベロープを破壊するという点においては100%が最も良いものの、一般的な殺菌消毒作用としては少し水分がある(60~90%)位の方が良いらしく。いわゆる消毒用エタノールですね。酒税回避のために添加物が加えられてるものもあるようですが基本的には効果はかわりないぽいです。

逆にアルコール濃度が50%以下のようなものだと消毒効果もほとんど期待できなくなります。強すぎると手荒れの原因にもなるので、手指用のウェットティッシュはかなりアルコール濃度は低いものが多い様です。「除菌」とか書いてあるヤツです。つまり菌を殺すことはできないが、清拭によってそこから菌を取り除くことはできよう、というものです。「殺菌」効果は医薬品でないと謳えないので日用品グレードのものは「除菌」という表記になっているようです。

じゃぁ濃度が60%以上だったり「殺菌」って書いてあるヤツを選べばいいかというとデメリットもあります。手指とデバイスへのダメージです。高濃度のアルコールは液晶画面などのコーティングや塗装を劣化させます。その場ですぐに目に見えてボロボロ剥がれてくるみたいなものではないので気付きにくいですが、長期的にはダメージが蓄積されていきます。自社資産に限らずクライアントやレンタル会社から借りている場合もある評価機や高価な収録機材を傷めるわけにはいきません。また1セッションかぎりのモニタさんはともかく、モデレーターが毎セッション高濃度のアルコールで手を消毒していたら手荒れなども起きます。

2020.3.10追記: Appleがウチの製品はアルコールウェットシートで拭いてもOKという記載を説明ページに追加したそうです(スプレーや浸したりはNG)。

そんな諸々を加味すると、以下のような使い分けが理想なのかなという気がしています。

  • 来客向けにはその場で手軽に消毒できる消毒用アルコールスプレー
  • モデレーターなどスタッフは薬用ソープで頻繁に手洗い
  • 消毒液中の水分がデバイスに悪影響を与える可能性があるのでスプレーは避け、シートタイプのもので端子部分などを避けて清拭
  • スマホの画面やアルコールに弱そうな塗装部分は「液晶用」などと書かれた精製水(ノンアルコール)のウェットシートで毎セッション拭き取り
  • その他のマウス、ペン、朱肉ケース、テーブル、ドアノブなどモニタさんが触れる可能性のある箇所はアルコール消毒シートまたは除菌シートで定期的に拭き取り

精製水ではウィルスを殺せないのではないか?と思われるかも知れないですが、油脂である指紋を拭き取っておくだけでもウィルスの付着率を下げられるので効果はあるようです。あるいは(傷んでも消耗品と割り切れる)液晶保護フィルムやカバーをつけるなりした上で思い切りアルコールで消毒するという手もありますね。

私が液晶用に使っているのはコレ。ノンアルタイプです。インフルの時期以外でも、前の人の指紋がべったりついているスマホとかモニタさんも触りたくないと思うので通年できっちり活用したいものです。

アルコールシートの殺菌タイプ(70%前後クラス)か除菌タイプ(50%以下クラス)かは一長一短だし、そもそも今は入手困難なので好きに選べないこともあるかと思います。ただエンベロープ破壊によるウィルスの無効化には15秒くらいかかるとされているので、殺菌タイプを使うなら少し時間を置いてから拭き取るのがいいみたいです。除菌タイプは文字通りその場から拭い去るイメージで指紋などをしっかり拭き取り、拭ったウィルスはしばらくは生きてる可能性があるのでシートの再利用厳禁(同じ面で何か所も拭かない)、という運用がよいのではないかと思います。

■マスクによる聞き取りづらさを補う

マスクによる予防効果は現実的にはさほど見込めないと言われていますが、心理的安全のためマスクをしていらっしゃる方は多くいます。それを「聞き取りにくいから外してください」とは言えません。すぐ隣にいるモデレーターはまだいいのですが、マイクを通して聞く観察室サイドの人はかなり影響を受けます。特に元々がボソボソ話す方だと相乗効果で何をいっているのか聞き取りづらくなります。聞こえたとしてもかなり集中力を要するので終日セッションを続けていると疲労が溜まってしまいます。

これはもう以前からことある毎に言ってますがマイクに投資をするしかないと思います。PCやスマホ、ビデオカメラの内蔵マイクで済ませるのではなく、きちんと外付けのマイクをモニタさんの声をしっかり拾える直近に配置することです。卓上に置くバウンダリーマイクや、ラベリアマイク(タイピンマイク)を活用しましょう。ラベリアマイクはケーブルの取り回しが煩わしいですが、先日このブログでも紹介したようなワイヤレスタイプのものも比較的安価に手に入るようになってきています。

■モデレーターの喉をケアする

この時期、ただでさえ喉を酷使するモデレーターはインフルや風邪でなくても喉を痛めがち、咳こみがちです。モニタさんにいらぬ不安を抱かせないよう、しっかり喉を潤したり、セッションの合間にのど飴を舐めるなどしてケアしましょう。

浅田飴の公式サイトによると、のど飴には3つのクラスがあります。医薬品、医薬部外品、食品です。医薬品は具体的な症状の緩和を目的としたもの、医薬部外品は効果は低いが販路が広いので入手性が良い、食品はなんかスーッとするだけ(笑)。

最近のお気に入りはこれ。私はのど飴のど飴したスーっとしたのが苦手ですが、このシリーズはフルーツ香料が効いていて舐めやすいです。医薬部外品なのでコンビニで買えます。用意を忘れた時でも調達が楽なのが良いです。

マスクは悩ましいですね。感染症状がある場合は論外(帰れ!)として、単に咳が出るという場合はするべきでしょう。「熱とかはないんですが季節柄(またはしゃべりすぎで)咳き込みがちなのでマスクをさせていただきます」などとひと言あると良いかも知れません。咳き込みがない時は個人的にはしないでおきたいなと思います。このご時世で「失礼だ」と怒り出す人はそうそういないとは思いますが、やはり普通に話しづらい、聞き取りづらいというのは会話主体の場ではデメリットかなと。

呼ばれて行くモデレーターの立場としては、テストルームは加湿器、空気清浄機をしっかり稼働させて空気の質を保ってほしいと思いますが、テストルームや会議室はたいていのUTやインタビューには広すぎて生半可な性能の製品では追いつかないというのが現実ですね。乾燥した空気は感染も加速させるので可能ならば気にしてみてほしいと思います。

■高齢者を除外する?

COVID-19は若くて体力がある健常な人には風邪程度の症状だと言われています(そもそもコロナってもともと風邪(普通感冒)の原因ウィルスで2番目に多いとされるウィルスなんだそうでCOVID-19はその亜種なわけですね)。一方でもともと基礎疾患がある人や高齢者など体力、抵抗力が弱い人の重症化リスクが高い肺炎を併発しやすい傾向があると言われています。

UTでは幅広い層の人のデータを揃えるために年齢配分を意識することが少なくありませんが、不要不急の案件であればシニア層を省く、という検討をしてみても良いのかも知れません。

■ドタキャン率が上がる可能性を折り込む

日々状況は変化し、どちらかというと警戒度が増していく現在、アポイント時点では参加の意思を示していたモニタさんが、前日や当日になって「やっぱり不安だから止めます」と言い出す可能性は上がっていると思います。会社などから急に指示が出ることもあるでしょうし無理強いはできません。最悪、実際になんらか罹患して来られなくなるということも。

ドタキャンリスク自体は平時からそれなりにあるものですが、特に今の時期はその見込みを高く見積もっておく必要があると思います。どうしても一定数のデータが必要な案件であれば予備候補をしっかり探しておく必要がありますし、受託であればクライアントとももしもの場合の妥協点を議論しておくことも重要でしょう。

 

以上、できるだけググって裏付けをとった中で、現実的な落とし所を経験を元に書いてみたつもりです。誤解や不足、別案があればお気軽にご指摘ください。是非みなさんのノウハウを共有して乗り切りましょう。

次記事ではユーザテストの観察ルーム側でできそうな対策について論じてみました。よろしければご覧くださいませ。

 

2020.3.23追記:

物品に付着したウィルスの寿命に関して、ここ数日「プラスチックやステンレスで72時間生存!」みたいな記事が話題になっていますが、それに対する冷静なツッコミ記事を見かけましたので要点を訳してみます。

「When the scientists placed virus-laden droplets on plastic, they found that half of the virus was gone after about seven hours. Half of what remained was gone after another seven hours, and so on. By the end of Day Two, there was less than 1/100 of the original amount, and after three days the remnants were barely detectable.」(意訳:プラスチックに付着させて、7時間で半分。次の7時間でまた半分。2日目の終わりには1/100以下。3日目にはほぼ検出不能。)
ということなので、これを「72時間生存する!」と言い切っちゃうのはかなりミスリーディングな気がします。ウィルスは一定数が体内に入らないと感染は起こせないらしいので、残留ウィルスが半分になったとすると、感染する実効力はそれ以下に落ちるという指摘も(Twitterで)見ました。
「For stainless steel, the half-life for the virus was five or six hours, and for cardboard it was even shorter: less than four hours.」(ステンレスなら”半減期”は5,6時間。段ボールは4時間以下。)
プラスチックよりステンレスの方が半減期が短いというのは意外ですね。ステンレスの方が指紋がつきやすく、そこに付着する率は高そうです。まぁ実験は指紋とか考慮しなかったかも知れませんし、付着しやすさと生存率は関係ないのかもです。
「Still, it can’t hurt to wash your hands after taking groceries out of the bag, opening a newly delivered envelope, or retrieving the newspaper. Soap and water does the job.(意訳:それでもまぁ買い物袋から品物を出したり、届いた封筒を開封したり、新聞を回収した時には手洗いをした方がいい。石鹸と水でOK。)」
半減期(半分に減るまでのスピード)がそうである、ということで、結局のところ感染リスクは最初にどんだけウィルスがいるかということと不可分、とう至極もっともな指摘で記事は締めくくられています。
そう、普段の予防策としては手指については別に石鹸の手洗いでいいんですよね。ただアルコール消毒ジェルは水がなくても使えるのでユーザーテストの会場とか施設入り口に置くには便利。またスプレーやウェットシートなども機器や机椅子、ドアノブの除菌に便利なので、会場調査にはどちらも手に入るなら用意しておきたいところ。70%濃度に満たない、より濃度の低い除菌レベルの製品でも無意味ではないということでしょうか。

ワイヤレスマイクシステム RODE Wireless GOがとても良かった

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UTのお悩みとして音声の記録や中継の問題があります。ビデオカメラや書画カメラの内蔵マイクでも一応は録れるのですが、これは品質としてはだいぶ損をしていると言わざるをえません。なんか注意して聞いていれば言っていることはわかる、というレベルと、対面会話のようにそこに意識をしなくても聞き取れる、という状態では疲労が違います。また今の季節や、昨今のように感染症が話題になってる時ですとモニタさんもマスクをして来ていたりして、「聞き取りづらいので外してください」とも言いづらく、なんとなくモゴモゴした聞こえ方になり、さらにしんどくなります。機材で解決できる問題は積極的に取り組んでいきたいものです。

今回試して良かったのはこちらのマイク。

同じような箱が2つありますが片方がマイク付き送信機、もう片方が受信機です。受信機のマイク出力をビデオカメラなどの外部マイク入力端子につないでやれば長々と細くて切れやすくてノイズが載りやすいケーブルを引き回さずに済みます。また隣室であれば壁をこえて観察ブースへコードレスで音声を伝送することもできます。au Payの20%還元キャンペーンでとりあえず買っておいたんですが、今回の実査で書き起こし担当の方がモニタさんの声が聞き取りづらく、リアルタイムの書き起こしができないという相談があったので急遽実践投入してみました。

その現場ではとりあえず映像伝送系に関してはリサーチルームの設備で一応まかなっていたので、それとはまったく独立に書き起こし担当者さん専用に追加の音声伝送経路を作った感じです。本製品の受信機の出力端子は(3段階に調整はできますが)マイクレベルです。TRS端子(ミニプラグ)ですがイヤホンをさしても音は出ません(聞き取れない位小さい)。本来はビデオカメラのマイク端子にいれ、ビデオカメラ内で増幅して録画したりモニタ用ヘッドフォン端子で聞くというものです。ただし今回は音声のみ聞ければいいので手持ちのICレコーダーを使用しました。外部マイク端子に本製品を接続し(便利なショートケーブルが付属しています)、ICレコーダーのイヤホン端子に適当なイヤホン/ヘッドフォンをつないで聞きます。結果として非常に聞きやすくなったと好評をいただきました。同じ室内でモニタさんから見て後方に席をおいて記録をとっていたのですが、遅延も全く気にならず片耳で直接音、片耳(イヤホン)で本機経由の音を聴いても違和感はほとんどなかったです。

今回の構成

理想を言えば受信機に直接イヤホンをさして聞ければなお良かったかもですが、想定している使い方ではないのでまぁそれは仕方なしです。ICレコーダーもビデオマイクも外部マイク端子付きのものを選んでおきましょう、ということです。

■詳細レビュー

まず類似製品としてSONYが発売しているECM-W1MとAW4があります。

ソニー SONY ワイヤレスマイクロホン ECM-AW4 C

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ソニー SONY ワイヤレスマイクロホン ECM-W1M C

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W1MはSONYの対応ビデオカメラ専用品になりますが、受信機側に電源が要らない(ビデオカメラ本体から給電)のがメリットです。ケーブルも不要でスッキリ。

W1MをHnadycam CX670に装着

AW4は今回紹介のWireless GOと同じでビデオカメラやICレコーダーの外部マイク入力に接続するタイプでSONYのアクティブシューがついていないビデオカメラや他社製品にも使えます。つまりAW4とWireless GOはガチ競合製品ということになります。この2者で比較した時のWireless GOの特徴は、

  • 受信機側にレベルメーターとバッテリー&電波強度ゲージがある
  • 受信レベルを3段階で調整できる
  • 乾電池式ではなくUSB-C充電式である
  • ちょっと高い

といった点になります。3番目はメリットでもありデメリットでもあります。長丁場の時や、本番直前に電池切れが発覚した時に、乾電池ならさっと入れ替えできます。ただ予防的に電池をマメに新品に交換したりするともったいない気もします。Wireless GOは仕様上7時間保つのでセッションの合間にこまめに充電しておけばまぁ大丈夫かなという感じです。最悪充電しながらの使用もできるでしょう。むしろバッテリーゲージ(受信機側のディスプレイに送信機、受信機双方の電池残量が表示されます)があることで電池切れトラブルを防ぎやすいのかなと。

レベルメーターも音量が振り切って音割れさせてないかを目視確認できるのは有り難いです。受信レベルの3段階も結構差があって、手軽に調整できて良かったです(1ボタンで3段階サイクリック動作)。電波強度も可視化されているのは安心感があります。外部マイク端子があるようなビデオカメラなら液晶画面にレベルメーター表示できたりもしますが、やはりカラーでクリップ(飽和)しそうな時は赤くなってくれた方がリスクに気付きやすいと思います。

今回は送信機側の内蔵マイクを使用しました。クリップがついているので適当なところに固定も手軽にできます。モニタさんの襟元や胸ポケットにつけてもらっても良いでしょう。またこれ自体に外部マイク端子があるので、ラペリアマイク(ピンマイク)を使用して、送信機本体はベルトなどにつける使い方もできます(これはSONY組も可能)。

このクリップが秀逸なのはビデオカメラなどのシューに取り付けもできる点です。AW4のクリップはビデオカメラのハンドストラップなどに止める想定ですが、それよりも幾分スマートで位置的にも邪魔にならない感じです。ユーザビリティ屋としてはこういう細かいアイデアでテンション爆上げです。これが購入の決め手になったと言えるレベル。

HXR-NX80 + W1M
HXR-NX80 + Wireless GO
VX992M + Wireless GO

ちなみにCX670のシューは奥に沈んでいてWireless GOは取り付け不可能でした。

電波の安定度についてはまだ1現場で使ったのみなので不明。ただ干渉しやすい2.4GHz帯を使いつつも途切れにくい工夫はあれている模様です。同室内で使う分にはまず大丈夫じゃないかと。部屋をまたいだ使用については追々試してみようと思います。

バッテリーは実感としてはスペック通りの7時間は保たないだろうという印象。ギリギリまで試せば使えるのかもですが、4時間ほども使えばバッテリーゲージがレッドになる感じです。

欲を言えばバッテリー切れが近い時にビープ音などで警告してくれるといいなと思います。SONYのでも何度か失敗したことがありますが、サイレントに電池切れして音声が途切れるので記録としては被害甚大です。収録機材としてノイズを出すのは問題かも知れませんが、音が録れてない方が致命的だと思うので、なにかしら通知手段をもっていてほしいです(電池切れギリギリまで使ってないのでっもしかしたら鳴るという可能性も残っていますが、まぁ説明書にもなにも書いてないしないんじゃないかなと)。

ともあれ高品質かつ汎用性の高い良機材だと思います。執筆時点でAW4より7,8千円高いですが、ディスプレイによる各種ステータス表示にはそれだけの価値があると思います。

 

 

 

UTに向きそうなビデオカメラ2020

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私は産業技術大学院大学(AIIT)の社会人向けコース「人間中心デザイン」で毎年ユーザビリティ演習の講師をしていて、7チームくらいが同時進行で模擬ユーザテストを行います。その際、記録機材など大学で用意しきれないものを私物から貸し出ししていて、ビデオカメラもそのひとつです。最近はスマホやPC画面を直接録画するケースも増えていますが、バックアップの意味も含めてビデオカメラでの撮影もまだまだ欠かせません。昨年も割とビデオカメラで録りたいというチームが多くて少しタマ不足でした。AVCHD録画モデルなら余裕あったんですが、さすがに今時それでは取り回しが悪い。セミナーなので撮ったその日にデータを持ち帰りたいし、シンプルに1セッション1ファイルでPCで簡単に再生できるMP4形式で録れるものを貸してあげたい(AVCHDは2GB毎にファイルが分割される)。

ということでもう一台くらい安いのでいいから増やそうと機種選定。結局「どうせ買うなら」病でそこそこいいやつを買ってしましました。

■2020年にUT向けビデオカメラを買うならどんなのがいい?

まずはユーザテスト記録に向いた仕様を改めて2020年の機能トレンドを元に整理してみます。

・スマホじゃダメなん?

スマホでもフルHDはもとより4Kで録れる時代ですもんね。ただUTでいうと操作している手元や画面をズームアップして撮りたいことも多いと思うので光学ズームで解像度を落とさずにクローズアップできるビデオカメラはやはりメリットがあると思います。

あとはマイク。どうしても話者の背後から録ることが多いUTでは声をクリアに録るのが難しく理想的には外付けマイクを使うことが望ましいです。スマホで使える外部マイクも登場増えて来てはいますが選択肢という観点ではビデオカメラ圧勝です(ただしビデオカメラも外部マイク入力を装備している必要があります)。

そしてストレージ容量と安定性。1時間以上安定して録れるという意味でも専用機は安心です。スマホは着信があったり通知が出たりしても録画が止まらないかとか不安があります。基本的にはスマホやデジカメは短時間のスナップショット的な動画を撮るものだと思います。UTのように60〜90分回し続ける前提の設計では熱暴走やそれを防ぐための安全装置による録画停止のリスクが否めません。またSDカードスロットがないiPhoneやPixelなどの機種では容量面の不安もあります。「あ、足りない!」ってなった時にすぐに予備SDカードを刺し替えられるものが良いでしょう。

・フルHDか4Kか?記録容量とも兼ね合い

予算に余裕があるなら大は小を兼ねる的な意味で4Kモデルを買ってもいいとは思いますがマストではないと思います。解像度に余裕があると、遠くから撮っても後で拡大して画面内容などを見られる可能性があるので保険としてはアリ。ただその分データも大きくなるので録画ファイルを後でPCにコピーして見ようとか部内でシェアしよう、とかいった時に不便を感じるかも知れません。

手元(評価対象物)を撮るのか、全景を撮るのかにもよりますが、実質的には720p(1280×720)くらいで事足りるし、ファイルサイズも小さいのでむしろこうした低めの解像度(それでもDVDよりは上)設定をもっていることも重要だと思います。

例えばPanasonicのVX992Mという機種の仕様で比較してみます。この機種は内蔵メモリが64GBあります。4KのMP4で録画した場合、ビットレートは72Mbpsにもなり録画可能時間は約1時間50分。UTでいえば1セッションしか録れないことになります。セッションの合間に64GBものデータを吸い出して内蔵メモリを空けるのも現実的ではありません。これがフルHDになっても28〜50Mbpsで3〜5時間。1日分も録れないでしょう。しかし720pまで落とすと9Mbpsまで減り、約16時間50分となります。一気に2,3日分となります。数名〜10名程度の実査なら丸々録画できます。コピーも早いし低スペックのPCでも楽々再生できるので現実的には良いバランスの画質設定だと思います。この画質設定で単独で録れるものを選ぶと良いでしょう。「単独で」というのは、SONY製カメラの場合、4KやフルHDをメインで撮りつつ、サブで720pを撮るような仕様になっている為です。メインを残すようにしつつ、その場でサっとSNSにシェアしたり編集用仮ファイルとしてサブという意味合いです。これだと高画質と低画質の2本を同時に残るのでむしろストレージを圧迫します。セッション毎に高画質の方を消せばいいんですが、これを忘れたりうっかり低画質の方を消してしまったりとトラブルの種にもなりかねません。SONYさんには是非720p単独モードを実装してほしいです。

なお内蔵64GBでの試算を引用しましたが、最近では128GBや256GBのSDカードも比較的手頃な値段で入手できるようになってきていますので、少し追加投資しておけば2〜4倍は録れるということになるので、解像度を優先するならばそれもアリでしょう(ただし256GBはまだ出てから日が浅くメーカー公式にはサポートリストに載ってなかったりもするので事前確認は必要です)。

・マイク入力

UTは操作の様子を映した映像はもちろん対話内容を重要で、それがしっかり聞き取れる音声収録も軽視できません。上述の通り、背後から撮影した時にもしっかり参加者の声を拾うため、卓上にバウンダリーマイクを置くなどしてそれをビデオカメラのマイク入力端子に接続するのが理想的です。2,3万円くらいのエントリーモデルではマイク入力端子自体がついていないことがほとんどなので注意が必要です。だいたい5万円くらいのミドルグレード以上ならついています。

・ネットワーク機能

最近のモデルはWi-Fiを内蔵していて、スマホアプリから遠隔操作できたりスルー画(レンズが捉えているリアルタイムの映像)を視聴できたり、多人数で視聴できる配信サーバーに接続できたりします。

UTでは別室で観察役が観察や記録を行ったりするのにリアルタイムの映像や音声を中継することが多いですが、こうした機能があれば長いケーブルを取り回すことなく別室に中継ができるので便利です。またスマホアプリ側から録画/停止操作もできるので役割分担に幅をもたせられ、万一モデレーターが録画をスタートし忘れてても観察室側から開始できたりもします。ただしSONYなどは音が飛ばせなかったりするので事前の仕様を確認する必要があります(カタログにはそこまで書いてないことが多い)。

配信については少し前までUStreamが元気だったため、多くのメーカーはそちらに対応していることが多いですが、いまはIBM傘下になり2018年に無料プランが廃止されたので、有料契約(月$99で5クライアント〜)が必須になっており、ちょっと使いづらいです。ただ無料サービスと違ってしっかりパスワード制限もかけられるので、秘匿性の高いUTなどではむしろアリなのかも知れません。

・あんまり重視しなくて良い要素

UTで使う分にはあまり気にしなくて良い要素としては、

  • バッテリーのスタミナ(基本ACアダプタ給電)
  • ビューファインダーの有無
  • 光学ズーム倍率
  • センサーサイズ

などがあるかなと思います。

■で、今回買ったのはコレ!

さて前置きが長くなりましたが、現時点で私的チョイスはこちら。

ビデオカメラの写真

PanasonicのVX992Mです。ずっとSONYを買ってきたので充電器やバッテリーの使い回しを考えると揃える方が楽だったんですが、上述の

  • スマホアプリで音が聞けない
  • 720p単独録画モードがない

が不満だったのと、たまには違うメーカーのカメラも触っておいた方がUI知識の幅が広がるかなというところで決めました。

特徴としては、

  • スマホビューワーで音も出る(SONYは映像のみ)
  • 720p単独録画モードがある

というSONY機にはない要求仕様を満たしているのに加え、

  • スマホカメラの映像を子画面としてWi-FiでとばしPinP録画ができる(3台のスマホをつなぎ、うち2画面を子画面として合成できる)
  • 4Kなのに軽い(SONYのAX45/65が500g超だけどこれは300g台。バッテリー別で)

などがありました。UTでは手元映像と全体俯瞰映像を合成機でPinP録画することも多いので、それをよりシンプルな機材(カメラとスマホのみ)で録れるのは面白いなと。

SONYの同グレード機と横並びな部分としては、

  • もちろんマイク入力あり
  • USB 5V充電もOK(ただし充電専用プラグより遅い?)
  • USBでPCにマウントしてデータ吸い出しもOK
  • Ustream改めICM Cloud Videoストリーミング配信(有料)

など。SONYに対し劣っている部分としては、SONYの中級機以上にはマルチインターフェイスシューという専用外部マイクなどを装着できるインターフェイスが備わっており、Bluetoothワイヤレスマイクなどユニークな周辺機器があります。これに相当するものがありません。ただし買ってから知ったんですが、背後に差し込むシューマウントが付属しており、一般的なガイマイクなどであればここに固定することもできます。

ビデオカメラ背面側の写真

シューアダプター装着状態の写真

■実機レビュー

4K AIRを名乗るだけあって4K機としてはコンパクトで手のひらの収まりも良いです。SONYのAXシリーズは運動会、学芸会などのハレの日に気合い入れてもってくという感じですが、本機であればもう少し気軽に普段使いできそう。ミラーレスとコンデジくらいの感覚です(コンデジ並に小さいという意味ではなく、気持ち的なニュアンスです)。

充電プラグは丸型でその先はUSB 5V/1.8Aの充電器です。完全に専用品のSONYよりは汎用性が高くていいですね。ただしどちらも充電ポートとは別にある通信用MicroUSB端子から5V充電することもできます(おそらく充電速度は遅め)。

ところでSONYのCX670はハンドストラップ部分にUSB Aコネクタのついたショートケーブルを内蔵していて、単体でPCに接続して録画ファイルを吸い出せるのがとても重宝していましたが、最近ではPCがUSB-Cになってきていて結局変換アダプタやハブが必要になりがち。その意味では内蔵ケーブルを止めてUSBジャックのみにするのは正解なのかも知れません(自分のPCに合うケーブルを持ち歩く)。ただせっかくUSB-Cコネクタも小さいのでCケーブル直出しな機種も残ってくれると嬉しいなと思います。AndroidやiPadに直結できたりすると便利かなと。

で992Mに戻ります。スマホカメラ映像とのPinP(ワイプ撮り)ですが、スマホを横にして撮った場合、子画面は16:9になります。しかしスマホを縦持ちにすると9:16にはならず正方形映像に。UTでスマホ画面などを子画面とする場合、縦長の9:16になるといいなと思ったんですが、まぁより重要な操作画面を子画面にすることもないからいいかな?どうせならもう少しレイアウトに選択肢があると良かったかも知れません。また4Kでは本機能は使用不可です。せっかくの解像度の使い道としてPinPは有用なのですが、さすがにまだ処理性能的に厳しいのでしょう。4Kでもリアルタイム合成できるようになった頃、「ワイプ撮り誰も使ってないから廃止でよくね?」とならないよう、微力ながら推し続けていきたいと思います。

以下、ワイプ撮りを使った様子を動画にしてみました。

また合成前の(カメラ側の)元映像も別保存できますが、その場合形式がAVCHDになってしまうようなので多分使わないかなと思います。

UI的にはSONYが長かったので違和感がなくはないですがおおむね良くまとまっていると思います。iA(インテリジェントオート)に露出と色合いのみマニュアル調整できるiA+なんかもツボをついていると思います。できれば色合いではなく色温度で調整したかったですが。ピントがあってる箇所を強調表示したり、拡大して確認できるモードなど、必要なものを一通り揃っています。露出オーバーの部分をゼブラ表示するのだけはナサゲ。

また本機にはベビーモニター(赤ちゃんが泣いたら通知する機能あり)や外出先からの見守りカメラといったモードもあります。なるほど「ビデオカメラって運動会、学芸会、旅行など年数回のハレの日にしか使わないから買うのもったいないね」って人向けなんでしょう。普段はこんな使い道ありますよと。ただ見守りモードを試してみたところアプリ側でエラーになりつながりませんでした。もしかしてUPnPとかポート開放とかが必要なのかな?そこらへんUI的にはなにも表示されず、カメラ側ではWi-Fiにはつながっているぽいというフィードバックのみ。ちょっと原因究明ができないまま保留となっています。

 

年始のお年玉気分で衝動買いしたので、まだ実践投入はしてないですが、とりあえず映像(と音声)を観察室にとばす要件の案件が発生したら早速使ってみたいと思います。是非ご用命くださいませ。

安くなった「グランツーリスモsports」で疑似走行映像を作れるか?

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MicrosoftのカーシミュレーターAirSimを使ってカーナビ等のユーザテストで使う走行映像を作れるか?という検証記事を出したまさにその日、PlayStation4のリアルカーレースゲーム「グランツーリスモsports」がなんと1,990円に値下げされていました。

【PS4】グランツーリスモSPORT PlayStation Hits

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PSVR対応が気になりつつも他のVRレースゲームで寝込むほどのVR酔いを体験した私はいまいち手が出せずにいましたが、この値段ならばと早速買ってきて、走行動画生成に使えるか検証してみました。現在のレースゲームは16年前に(個人的に)策定した要求仕様を満たせるのか!?

当時の記事はステコンをつないで被験者自身にリアルタイムに操縦してもらう前提。今直近ではとりあえず動画としてそれらしいものが撮れればいいかなくらいの違いはありますが、とりあえず以前の項目に照らしてチェックしてみます。

・BGMをオフにできる?

可能。

・画面上のステータス表示をオフにできる?

可能。さらにスゴイのはリプレイモード時点でUI表示ON/OFFや視点制御が変更できる点。つまりまずは走りやすい第三者視点モードやUI表示ありで走行し、いい記録が撮れたと思ったらリプレイモードに行き、UI表示OFF、運転視点に切り替えて動画を流す、ということができちゃいます。

・GAME OVERにならない?

タイムアタックモードにすればOK。他の車も走らせたい場合もカスタムレースで周回数を多めにしておけば大丈夫でしょう。

・ライバル車両がいない状態で走れる?

タイムアタックモードで可能。

・ステアリング&ペダル・コントローラーに対応?

対応。

・景観が市街地など一般道?

日本の首都高速を模したコースがあります。レベル7で開放なので1,2時間ほど頑張ってプレイする必要があります(笑)。コースがループなので、うまくつなげば自然なループ動画が撮りやすそう。

残念ながら日本の一般道を模したコースはありません

・ドライバー・ビューで表示できる?

もちろん可能。運転席が映り込むもの、ボンネットがけ見えるもの、何も見えないものなどがあります。

 

ということで高速道に限っていえばかなり理想的なシミュレーターとなりそうでs。AirSIMと違って他の車のブレーキランプなどもきっちり点灯しますし、日本の公道で見かける車種も多く収録されています。さらに晴天、雨天や昼/夜間も選択可能。

ただしAI車達はあくまでレースとして走行するので、無闇やたらと車線変更をしたりします(首都高なので反対車線はなく基本二車線道路)。またこちらはリアルに80km/hくらいで走行すると後ろからビュンビュン抜いてく感じになります。AIカーの上限速度も設定できれば文句なしなんですが。動画としては、こちらもそれなりに高速で走って動画にした後、遅回しで再生するという手もありそうですがまだ試していません。その場合、こちらも接触せずに綺麗なライン取りで走れる腕前が必要になります。ステリングコントローラーが欲しくなりますね…

あとヨサゲなのはリプレイモードで好きな車両のカメラを選択できる点。上手いAIカーの視点ならばそつなく走ってくれる動画が簡単に得られます。ただしトップ車両だと他の車両との絡みがほとんど映りませんw。

とまぁ完璧ではないですが、「高速道路を走っていて、たまに横から車が来て抜いてったり割り込んできたりする(ブレーキランプも点灯)」みたいな動画くらいなら割となんとかなりそうです。しかもかなりリアル。ナンバープレートがついてない(車名プレート)くらいかな。

あとは二人プレイで上手く連携すればもう少し割り込みなどを意図したタイミングで発生させられるかもは知れません。

ゲーム映像を目的外に利用することは権利侵害になる恐れがあります。配布や納品などの際には利用許諾などを確認願います。

 

車載機器UTのための走行映像をMicrosoftのAirSimで作れるか?

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室内でカーナビなどのユーザーテストをする際、前方に走行映像を流したいことがあります。走行中の操作タスクをする際、少しでも被験者の意識を前方に向けて、あくまでサブタスクとしてナビ操作をさせたいわけです。その為、車載カメラで想定シチュエーションにあわせた映像を撮りにロケに行ったりもします。例えば「狭い道路でいつ脇道から人や自転車が飛び出してくるかわからない」映像とか「高速道路を巡行していて前方に渋滞が見えてくる」映像とかです。これがなかなか大変。
理想を言えばきちんとしたシミュレーターを使って、タスクの進行にあわせて飛び出しや渋滞が発生した映像を呈示できるのが望ましいですが、多くの案件ではそこまでの準備は適わないことが多いです。時にはカーレースゲームを使ったりしたこともあり、使いやすい要求仕様をまとめてみたこともあります。なんとまぁPlayStation2とかの時代の記事…。

そして昨今ではコンピューターパワーも飛躍的に高まり、また自動運転研究のためのシミュレーター環境などが無償または安価に利用可能になってきました。そこで今回はMicrosoftがクルマやドローンの自動運転研究のために無償公開したAirSimというオープンソースのシミュレーターを試してみました(日本では同名の格安SIMサービスがあって非常にググラビリティが低いです…)。

結論からいうと今一歩でした…(終わり)

以下、興味のある方向け。

■Microsoft AirSimとは?

Microsoftが自動車またはドローンの自動運転研究の為のシミュレーションを仮想世界で好きなだけ行うために開発、公開しているプラットフォームです。ゲームエンジンのUnreal Engineをベースにしているようですが、最近Unityでも使えるようになったようです。ただWindowsで既成のマップワールドを利用する分にはUnity環境込みのバイナリパッケージが公開されているので、.ダウンロード&解凍してexeファイルを実行するだけで利用可能です。標準ではキーボードで簡単な操作ができたり、Pythonスクリプトで制御したりできます。昼夜や天候なども簡単に変えられます。

■やりたかったこと

私もUnreal Engineの知識ゼロの状態で、とりあえずこの吊しのマップデータを使って、

  • フォトリアルな走行風景
  • 前走車の急停止や側方からの割り込みなどあらかじめ既定したタイミングでイベントを発生させた映像を動画ファイルに保存できる
  • またはキーボード操作などで任意のタイミングでそれらのイベントを発生させられる

などができたらいいなという期待がありました。

■残念だったところ

Unreal Engineに精通しており自分でマップやオブジェクトを作成できればまた違うのでしょうけど、とりあえず吊しのデータを使い、標準のAPIドキュメントを眺めた限りでは以下の点で要求を満たすことができませんでした。

・市街地、道路のマップがアメリカで、走行車線も右側通行

グローバルな案件ではアリかもですが、私の請ける範囲ではちょっと使いにくい。特に市街地マップは信号や標識も違うし、モブのクルマが反対車線を走ってるのが厳しいです。郊外で高速道路想定であればまだ許容範囲かも知れません。

・カメラアングルの自由度が低い

FOV(ドライバー目線)はありますがハンドルを含む運転席のパーツを消せないので、UTで用意する治具とバッテイングする場合があります。

また第三者視点で選べるプリセットはやや上空から見下ろすアングルのみで、真後ろ視点が選べません。自動で真後ろ視点で追尾できると便利なんですが。

ただしマニュアルカメラモードにすることで好きなアングルに変更できます。ただし一度マニュアルモードにするとキーボード制御はそれ専用になってしまうので、別途車両を操作するコントローラーが必要です。とりあえずXBox Oneコントローラーは使えました(有線)。ステアリングコントローラーもLogicoolのG902などが使えるぽいです。

つまり、これらの外部コントローラーで操作して、その背後視点のカメラ(または運転席)から見た映像を得ることはできるので、あとは画面録画ソフトを使って録画すれば動画ファイルは得られることになります。

しかし!

・クルマオブジェクトが無人でブレーキランプが点灯しない

標準ライブラリのクルマが無人なんですw。最初から自動運転制御前提ですかねw。ちょっとこれもリアリティに欠けます。ダミーでいいので載せておいて欲しかった。

またさらに痛い点として、ブレーキ制御をしてもランプが光りません。例えば前走車が急ブレーキを踏んだ!というプレッシャーを与えることができません。

・期待したほどフォトリアルな映像品質ではなかった…

各記事の写真をみた限りでは結構綺麗そうだったんですが、少なくともウチのGeForce GTX 1080では「スゲー!」ってほどの感じではないです。画質もそうですが例えばぶつかった時にびよーんと車体が撥ねたりする時の挙動がすごくゲームちっくです。まぁ指定ルートを事故らずに走行している分にはいいのかも知れません。できれば車両のモデリングデータだけ実在の車種に近いもの、ナンバープレートがついていて、ブレーキランプがつくものに差し替えられればなぁと思います。マップも同様。ここら辺、UEやUnityを勉強するとか、有料であれモデリングデータを買ってきたりすればどうにかなるのかも知れません。

動画サンプルはこちら。

■使用方法メモ

・とりあえずAirSimを起動してみる

WindowsならUnreal Engine込みでビルドされたバイナリをダウンロードするだけ。GitHubのReleaseページでWindowsの最新版(執筆時点で1.2.2)の「Assets」リンクを展開すればマップ毎のビルド一覧が出てきます。サイズの大きなCityEnviron.zipだけは001と002に分かれています。同じフォルダに置いて7-zipで解凍すれば勝手に両方つなげて展開してくれます。でてきたフォルダを開くとUnreal Engineのアイコンがついた.exeファイルが1つあるのでダブルクリックすれば起動します。

「Choose Vehicle」というダイアログが出るので、クルマなら「はい」、ドローンなら「いいえ」を選びます。

F1で操作ガイド、F10で気象コントローラーです。標準ではカーソルキーで車両が走り、BSで初期状態に戻ります。「F」「B」「\」「/」でカメラ視点が変わります。「M」がマニュアルでこの状態だとカーソル上下やPage Up/Downなどで好きな視点にできますが、逆にカーソルで運転できなくなります。他のカメラモードにするとカメラ視点はリセットされてしまい、マニュアルカメラ視点で運転するには別途コントローラーが必要です。

・コントローラーを使う

Xbox OneコントローラーをUSBで接続しておけばとりあえずは使えます。RTがアクセル、LTがブレーキ、左スティックがステアリングで、ともにアナログ制御です。画面左上のリアルタイムでパラメーターが表示されます。

ただしこの状態だとバックができません。そこで初期設定を少しいじりました。

・初期設定を変更する

初期設定ファイルはユーザの「ドキュメント」フォルダに「AirSim」フォルダが作成されてsettings.jsonというテキストファイルができています。これをテキストエディタで開くと、

などとなっており、これを書き換えて.exeを再起動すると反映されます。ちなみに.exeの終了はメニューがないので、私はAlt+F4でやっています。

とりあえずこんな感じに変更。記法はJsonなのでカンマや{}の位置に注意。

"SimMode": "Car", があると、起動の度にカメラかドローンかを聞かれなくなります。 "Vehicles": {} で1台目のクルマを指定し、 "RemoteControlID": 0 でWindowsが認識している最初のコントローラーを使うことを明示します。なぜかこれを明示すると、左スティックの下でバックができるようになりました。上とAボタンでもアクセル全開(1)が入るようになります。ただし注意点として.exeファイルを起動する時点ではコントローラーのケーブルを抜いておかないと起動後におかしな挙動をするようです。再起動の度に毎回ケーブルを抜き差しするのがちと面倒になります。初期状態ならそうはならないので、バックが使えることとトレードオフのようです。
"X": -4, "Y": 0, "Z": -2, "Yaw": 0, "Roll":0, "Pitch":0, は初期出現位置と向きです。Yawをかえると向きがかわります。RollやPitchは平らな地面の上に置くクルマではいじる必要はないでしょう(ドローン向け)。Vehiclesの下に複数のクルマ設定を書けば出現する数を増やすことができます(同じRC設定をしてしまうと両方が動きます)。

これでとりあえずマニュアルカメラ視点をとりつつコントローラーで快適に操作できると思います。

・Pythonから制御する

さて目玉であるプログラム制御についても軽く触れておきます。Python詳しくないのですが一応動くところまで。

まずPython環境がない場合はAirSim公式推奨のAnacondaというツールを使ってインストールします。配布サイトからWindowsを選び、Python 3.7の64bit版インストーラを落として実行します。またPythonスクリプト自体は好きなテキストエディタで書き、コマンドプロンプトからpython3コマンドで実行すればいいのですが、デバッグ効率などを考えるとMicrosoft Visual Studio Code(以下VS Code)を使用するのがお勧めです。あわせてインストールしておきます。UI日本語化の方法は適当にググってください。

Anacondaをセットアップすると、スタートメニューから関連ツールが選べるようになります。まず「Anaconda Prompt (Anaconda3)」を開き、必要な追加ライブラリをインストールします(最初の1回のみ)。

次に「Anaconda Navigator(Anaconda 3)」を起動します。ここからVS Codeを「LAUNCH」します。(直接VS Codeを起動するとコマンドパスの関係で動かない場合がある)

開いたVS Codeで新規ドキュメントを開き、以下のコードをコピペします。

8行目まではおまじない。10行目でステアリングを軽く右に切ります(負の数が左、最大は1)。11行目は以下を3回繰り返すという意味です。Pythonではインデントの範囲がブロックとみなされるので、それ以下が繰り返しの範疇ということになります(明示的に閉じ括弧がありません)。11,12行目でアクセルを全開(1)にして14行目で1秒待ち。15-17行目でアクセルを戻してブレーキをベタ踏み(1)。18行目でまた1秒待ち。つまり、微妙に右に曲がりつつ、チョイ前進を3回繰り返す感じです。AirSimはカーシミュレーターなので、オブジェクトとして位置を指定するのは初期設定ファイル側で最初のみ。あとはクルマの制御機構であるステアリング、アクセル、ブレーキを操作するというところがミソですね。

さてこのコードを拡張子を.pyにして適当な場所に保存すると、ウインドウがPythonモードになります。コードが着色され、右下のステータスバーが「プレーンテキスト」から「Python」に変わっていることを確認してください。

この状態でおもむろにF5キーを押します。すると下に「ターミナル」が出現し文字がパラパラと流れ、AirSim側でクルマが動けば成功です。VS Code側にはこんなツールバーが出現します。「□」で実行を停止。再度F5をすれば最初から実行されます。

またAirSim側でバックスペースを押せば初期状態に戻るので、コードをちょいいじっては実行するという作業をする時はこのVS Codeとの組み合わせが楽だと思います。また例えば「car_control.」まで打てばthrottle、brakes、steeringなどが推測候補として表示されるのでコーディング効率も良いです。

ただそれを見る限りでは、このAPIでは基本的なクルマの挙動しか制御できず、例えばブレーキランプやウインカーを点灯するとかそういうレベルまでは対応してないぽいです。そこは自前でそういうモデルデータを用意してAPIを拡張してやる必要があるということでしょう。その辺り、業務ニーズはあるのですが、私も3Dモデリング周りは全くの素人なので一朝一夕ではできそうにありません。願わくはこれを見たどなたかが刺激を受けて取り組んでくれたり、一緒にやろうと言ってくれればなと思います(笑)。

というところまでで今回の自由研究は一旦切り。覚え書きまで。

ユーザテスト/インタビューのためのApple Watch Series5

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Apple Watch Series5が出ましたね。ついに常時点灯に対応しました。もう時計を覗き見るジェスチャーをしなくても表示が見られるようになったのです!

ユーザテストのモデレーターやインタビューのインタビュワーをする時、あまり時計をチラ見して相手に時間経過を意識させたくありません。そう考えると明示的に時計を見るジェスチャーをしないと文字盤が見られない今までのApple Watchはやや使いづらいツールでした。一方で、各種メッセンジャーでメッセージを受信できるようにしておけば、観察室からの追加質問などの伝達事項を簡単にチェックできたりして重宝もします。

今回私もSeries 3から5に買い換えたので、モデレーター/インタビュワー目線でどう活用できそうかチェックしてみたいと思います。

■Series 5の常時点灯(Always On)とは?

Apple Watch Series 5の常時点灯は単純に画面が消灯しなくなったというものではありません。それをするとバッテリーの消費がエラいことになるからです。ではどういうことかというと、画面が暗くなり、更新頻度が1分おきになる省電力モードになる、という形で実現しているのです。もちろん今までの時計を覗くジェスチャーをしたり画面をタッチすることで明るさが復帰し、更新頻度もフルサイクルになります。そしてまたしばらくすると省電力モードになる、という繰り返しです。

例えば時計に秒針があったとしても画面を書き換えが1分おきでは意味がないので、省電力モードでは秒針が消えるなど、画面のデザインも簡略化されます。

■セッションの経過時間/残時間を把握したい

モデレーターが気になるのはやはり時間管理です。60分だったり90分だったりするセッション時間のうち、現在どれだけ経過したか、あと何分使えるか、ということは常に意識するべき点です。セッション開始が00分とか30分など切りの良い時に始まればよいのですが、例えば60分+休憩10分で進めていくと9時スタートの次は10時10分スタート、11時20分スタート、といったようにズレていきます。さらに相手が遅刻してきたりもしてカオスなことに。壁の時計で時刻が見えるだけだと直観的な時間管理は難しいのです(時計算が得意な人は平気なのかも知れませんが…)。

というわけで、ここでは(カウントダウン)タイマーに着目してみたいと思います。Apple Watchには当然タイマーアプリも搭載されているので、それを使えばいいかと思いましたが、なんと個別のアプリ画面は省電力モードに落ちるとぼかしがかかりその上に大きく時計だけが表示された状態になってしまうことが判明。つまるところ、ホーム画面というかウォッチフェイスの状態でタイマーの進行状況を見るしか無いということになります。秒レベルの精度は必要ないので省電力モードの1分更新でもOKです。

そんな観点で標準搭載のフェイスデザインとタイマーのコンプリケーション(フェイスに配置できる小さな情報窓)の組み合わせをあれこれ試して、一番ヨサゲなのは「インフォグラフモジュラー」フェイスで中コンプリケーションにタイマーを割り当てた状態である、という結論に至りました(写真)。

タイマーの残時間とだんだん縮んでいくバーグラフを表示してくれます(目の調整力が落ちてきてるので、あまり小さいコンプリケーションだと文字が読めない…)。「1時間」というのが設定した時間、つまりセッションの長さです。その下に「残り:59:44」のような形でカウントダウンが進みます。ただし省電力モードになると1分更新になり秒表示はナンセンスになるので、「残り:59分」のような表記に変わります。普通に時刻も見られる点も良い。時刻よりカウントダウンをもっと大きく見られた方が嬉しいですが。なお「インフォグラムモジュラー」はSeries 4と5専用だったかも知れません。Series 3以前では「モジュラー」か「モジュラーコンパクト」で代用できるんじゃないかと思います。

次点は「Siri」フェイス。残時間の表示はダントツにデカいです。時刻と同等。

ただし各モジュール毎の通知カードがどんどん入れ替わってしまうので、常時ここにタイマーがいることが保証されません。例えば時間の近づいたスケジュールが来るとそちらが上にきて、タイマーが下に降りていってしまうということです。もしかするとカウント中は優先順位が上がって常に一番上に居続けてくれるかもですが。もしくはモデレーション専用にしてタイマー以外のカードを全て非表示にしてしまう手もありますが。もしタイマー発動中は常時この位置に居続けてくれるならこちらばベストかも知れません。あとは数字でみたいかバーグラフで見たいかお好み次第ですかね。なお「Siri」フェイスはSeries 4より前のモデルでも利用できます。

「Siri」フェイスで表示情報を減らすには?

これめっちゃわかりづらいですが、iPhoneのWatchアプリで、「マイウォッチ」タブから「時計」を選び、一番下の「Siri文字盤データソース」です。極端な話ここで「タイマー」以外全部オフにすれば他のカードに邪魔されることはなくなるでしょうw。

いずれの場合も、カウントアップ時にアラーム音が鳴らないようミュートにしておく必要があります。その場合、時間がくるとバイブレーションで知らせてくれます。またメッセージが届いた場合でも同様にブルッと震えるので、相手に知られずに通知を受けることができます。これは一般的な腕時計では適わないスマートウォッチならではのメリットでしょう。

セット方法は上記のタイマー表示部分をタップするなどしてアプリに移動します。写真の1時間、2時間のショートカットの他に、1分、3分、5分、10分、15分、30分のボタンが並んでいます。写真は一番下にスクロールした状態で、「カスタム」を指定すれば75分とか90分といった好きな時間をセットできます。カスタムは最後にセットした時間を憶えてるぽいので、1タップだけ増えますがまぁ問題なさそう。

■自作アプリの夢も広がる

最近のwatchOSではアプリとしての自由度も上がってきてますので、

  • 一定時間毎に知らせる
  • タスク達成時間などを記録するラップ機能

などを搭載したUT専用アプリを作るのも面白いかも知れません。残念ながら省電力モードになってしまうと表示読めなくなってしまいますが、、この辺りはSDKの仕様や省電力設定をまた調べてみようと思います。

 

動画眼2をリリースしました!

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2004年からごく一部の方に愛用いただいているUT動画分析支援ツール動画眼をスクラッチから作り直した「動画眼2」を公開しました。

動作イメージ

もはや自分自身、VB.NETを触りたくないし当時の稚拙なコードをメンテナンスするのも苦痛だったので今回C#でゼロから書き直し、UIなどもモダンなシングルウインドウにしました。また別途開発中(現在クローズドベータ段階)のWatsonを使ったかんたん書き起こしツールのログをインデックスとして使うユースケースを強く意識した作りになっています。公開された暁には是非組み合わせてご活用いただければと思います。

動画眼2は引き続きフリーソフト、オープンソースでの公開です。

詳細はこちら↓。

https://do-gugan.com/tools/do-gagan2/

動画眼Noteも雪が降る前くらいには2にしたいなと。

ClickOnceインストールがブロックされる時の対処法

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当サイトでもいくつかのツールをClickOnceで配布していますが、Windowsの設定によってはブロックされることがあります。ActiveDirectoryで企業のセキュリティポリシーが適用されている場合もありますが、個人PCでレジストリなどを編集できる場合は以下の手順で回避することができる場合があります。

(レジストリの編集は自己責任でお願い致します。また編集方法の詳細は適宜ググってください。また本来ブロックするべき出所不定(未署名)のアプリケーションを使えるようにするわけですので、ご自身で安全と判断できるアプリケーションにのみ実行してください。)

現象:「セキュリティ設定は、このアプリケーションがこのコンピューターにインストールされることを許可していません。」と表示され先へ進めない。

本来なら警告が出つつも「閉じる」の左に「インストール」ボタンが並び先へ進めるはずですが、それがありません。

Winキー押して「regedit」などと入れ、レジストリエディターを開きます。そして、上部の検索欄に「コンピューター\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\.NETFramework\Security\TrustManager\PromptingLevel」をコピペしていれるか左のツリービューから辿って書きの画面に行きます。

右ペインの上から2番目の「Internet」をダブルクリックし、「値のデータ」欄をDisabledからEnabledに書き換えOKを押します。

これで先の画面に「インストール」ボタンが出現すると思います。ただしツール自体が未署名の場合は依然としてスマートスクリーンの警告(青ダイアログ)が出ます。そちらは「詳細」リンクをクリックすると進めると思います。

ちなみにこの編集は保存操作や再起動なしに適用されます。なので、必要なツールのインストール中にだけ一時的にEnabledにしてOKし、レジストリエディターをそのままにしておいて、インストール終了後にまたすぐDisabledに戻しておくのも良いかも知れません。

新作ツールちら見せ ~UTビデオ分析をクラウドで書き起こしで支援

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7月に予定していた仕事がことごとく延期になったヒマになったので、以前から取り組もうと思っていたUT支援ツール2本に本格的に着手しました。

一般公開まではもうちょっとテストを重ねてからと思っていますが、だいぶ動くようになっているので動画でチラ見せです。

■UT音声書き起こしツール

以前にもトライアルを記事にしてますが、IBM CloudのSpeech to Text(音声からのAIテキスト起こし)サービスを使ってユーザテストの音声を書き起こすツールです。IBM CloudのAIサービス(いわゆるWatson)は有料サービスですが、ユーザ辞書登録的なことができるので、ユーザテストのような業務文脈の対話では有用です。例えば会話の中に出てくる固有製品名や部位名などをあらかじめ学習しておくことで認識精度を上げることができます。一応簡単なWeb UIは提供されていますが、本ツールの優位点として、

  • 動画から音声を自動抽出してアップロードする(Watsonは音声データしか受け付けない)
  • 複数のファイルを一括処理できる
  • 辞書学習周りもGUIで行える
  • 後述の動画眼で読み込めるタブ区切りテキストファイルで書き出す(標準の出力はJSON形式で扱い辛い)

以下、少し古いバージョンですが動いている様子。

■動画眼2

2004年から公開しているビデオインデックス付けツール「動画眼」を完全フルスクラッチで作り直しています。本ツールは動画の特定タイムコードに対してメモを記入し、そのメモを選択することでタイムコードの位置を頭出し再生するというものです。UTなどの記録と分析、プレゼンにと開発してきました。

現行版はVisual Basic.NET/Windowsフォームで作っておりもはや設計も古い為、メンテナンスがしづらくなっていました。今ならもう少し腕前も上がってるぞということでC#/WPFでゼロから作り直しています。

また分析工程でゼロからインデックスメモを書き込んでいくのも大変で現実の業務でもなかなかやらないだろうということで、先のクラウド書き起こしした全発話インデックスをとりこんで、それをみて当該箇所を探してジャンプする、というユースケースを優先した作りになっています。

こちらも動いている様子を動画に録ってみました。

どちらもそう遠からずリリースできると思うのでご興味のある方はこちらのブログかTwitterアカウントをウォッチしておいていただければと思います。

HCDライブラリ 7巻「人間中心設計における評価」が発売されます!

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近代科学社よりHCDライブラリシリーズの7巻として「人間中心設計における評価」が2019年4月25日に発売されます。ギリ平成に間に合いました(笑)。

人間中心設計における評価 (HCDライブラリー)

人間中心設計における評価 (HCDライブラリー)

黒須 正明, 樽本 徹也, 奥泉 直子, 古田 一義, 佐藤 純
3,960円(04/14 16:47時点)
発売日: 2019/04/25
Amazonの情報を掲載しています

著者は黒須先生、樽本徹也さん、奥泉直子さん、佐藤純さん、そして私となります。奥泉さんと私は以前マイナビから出させていただいた「マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書」に引き続き、「なるべくすぐ現場で使えるノウハウ伝授」を念頭に日々現場で使っているテクニックや注意点などを盛れる限り盛ったつもりです。加えて「やっぱ実例がないとイメージしにくいよね」ってことで、今回はなんと有志の方に模擬ユーザテストを行っていただき、その過程と作成した資料(スクリーニングアンケート、進行シート、報告書など)を掲載するというトライアルをしてみました(有志の皆さん、そしてプロダクトをご提供いただいたDMM様、この場を借りてお礼申しあげます)。解説を読んだあとに実際の事例をみて、「あー、実際のUTってこんな感じなのかー」とか「これなら自分達でもできそう!」って感じてもらえるといいなと思います(とはいってもUTに絶対の正解はありませんので、その時々のリサーチゴールにあわせて色々なスタイルにトライしてくださいませ)。

もちろん実践寄りの事例としてだけでなく、樽本さんがあちこちにインタビューしてまとめてくれた内外のユーザビリティ評価の歴史や黒須先生によるさまざまな評価手法の紹介や評価の意義(上司を説得するのに大切ですね!)、そして佐藤さんのアクセシビリティ方面のまとめなど、実践テキスト以外の情報もバランス良く盛り込まれている一冊に仕上がったかと思います(主に他の著者陣の皆さんのおかげで)。是非手に取っていただけたらと思います。

↓こちらは前著になります。

マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書 (プレミアムブックス版)

マーケティング/商品企画のための ユーザーインタビューの教科書 (プレミアムブックス版)

奥泉 直子, 山崎 真湖人, 三澤 直加, 古田 一義, 伊藤 英明
3,300円(04/14 02:17時点)
発売日: 2016/09/21
Amazonの情報を掲載しています