動画眼Note
とある業務で必要になったので作ってみました。
ビデオ分析ツール“動画眼”は、動画ファイルを再生しながらメモを記入しておくと、後でメモをクリックした時に該当シーンが瞬時に頭出しされて視聴できる、というシロモノです。キーボード・ショートカットで一定秒数早戻ししたりといった機能が充実しており、ビデオ・ディクテーター(テープ起こし)などに便利です。
ただ、残念なことに動画眼は既存の動画ファイルを再生しながらの記録を行うことしかできず、ユーザテストの本番中にメモを取っていくことができない為、イマイチ実用性に欠けていました。動画眼から直接キャプチャデバイスを制御するのが大変なんです。機種毎の互換性の問題もありますし。
そこで発想を転換して作ったのが「動画眼Note」です。動画の再生も録画も行わずに、ただ空タイマーをまわして、メモを記録していくだけのシンプルなツールです。メモは動画眼で直接読み込める形式で保存されるので、タイマーとビデオデッキの開始だけ「せぇの」で揃えてやれば、別々に作成したログと動画ファイルを同期させることができる、というワケです。「では始めます」などと言いながらタイマーを開始。ビデオの方は少し早めに回し始めておいて、後でキャプチャする時に編集ツールで「では始めます」のところまでを切り落としてしまえば良いでしょう。
また5つの定型文を簡単に設定、利用できるショートカットも用意しました。Alt+1~5キーで一発入力可能です。
ロックオン機能も健在です。まずAlt+Lでタイムコードだけロックし、それからゆっくり手入力メモを書いていくことができます。
とてもチープな実装方法ですが、おかげで以下のような使い方もできます。
動画眼のログは単純な「タイムコード(秒)<TAB>メモ<改行>」形式のテキストファイルです。なので、複数の観察者が各個に動画眼Recorderでメモをとったログを、Excelなどでマージ&ソートしたりできます。シミュレーター側で画面遷移などのイベントログを吐かせたものを混ぜても良いでしょう。
(動画眼側でも自動ソートがかかるので、ログのサイズがあまり大きくないものであれば、単に連結するだけでも良いはずです)
mixiのユーザビリティ屋のコミュニティで、この手のツールの要求仕様をまとめて、誰かに委託して作成してもらおう、という動きがあります。是非この手のツールを使ってみて要望があればお知らせ下さい。
2005/5/31 名称変更
録画機能もないのにRecorderとはこれいかに、とツッコミをいただいたので、ソフトウェア名称を「動画眼Note」に変更しました。
このツール、非常に興味があります。
以前、Observant Eyeで同じようなことをやったことがあります。
テスト映像は別でとっておいて、Observant Eyeで気になることがあったときに、タイムスタンプだけ押しておいて、後で映像と同期をとりました。
自分でテストの進行もしながら、記録もとったので、コメントを書く余裕がなく、タイムスタンプが精一杯でした。
その点、定型文を一発入力できるのはいいですね。
さらに複数の観察者のコメントをマージできるのもすばらしいっ。
「あ、さっきのユーザの発話・・・」と思ったときに、ICレコーダみたいに、何秒か前の音声を取り込めるとさらにうれしいですが、これはパソコンのソフトとしては難しいんでしょうねぇ。(^^;
早速使ってみました。
古田@道具眼さんの提案で、シュミレーター側のイベントログと、NOTE側で取った観察ログをマージして“動画眼”で利用しました。
NOTEの定形文入力は、スピーディかつ柔軟性がありとても扱いやすかったです。
ただ、入力した情報が増えれば増えるほど、大量のテキストデータをどう見やすくするかが、ポイントになってくると感じました。
(今回は記号を利用してタスクをグルーピングしたり、気になるところのフラグとして活用しました。)
また、動画眼では入力したキーワードが検索できる機能があればさらに実用的になると思いました。
コメントありがとうございます。
Observant EyeはUIはとてもよくできていますが、映像の同期が高価なDVDプレイヤーとの接続が前提なので利用したことがありませんでした。
できるだけ特殊な機材を使わずに済ませたいというのも動画眼の出発点だったりします。
ショートカットボタンが好きに作り出せる部分は将来的には見習いたいなと思っていたりします。
マージですが、動画眼のソートがショボいので、タイムコードが20と100だと100が先になってしまったりします。動画眼Noteでは00100.0という形式で書き出すので大丈夫なんですが、マージのためにExcelで読み込むと上位の0がカットされてしまったりするのでご注意下さい。ソートは動画眼にまかせて、単にテキストエディタで結合するだけの方が無難かも知れません。
元の動画眼の方ですと、ショートカットで数秒前に戻って再生ということが簡単にできるようになってはいますが、その部分を切り出す(=取り込み?)ようなことは現状ではできないですね。ただ、動画眼Noteで記録をとっている時に、「あっ、今の」と思って少し遡ったタイムコードで記録をとる、という機能は面白いと思います。実装も比較的簡単ですし。これは少しUIを考えて取り込んでみたいと思います。あまり複雑なことをし出すと、結局その先の観察が疎かになってしまう恐れがあるので、どうするのがいいでしょうねぇ。
一応、動画眼の方では、メモをクリックして頭出しする時に、実際のタイムコードよりも一定秒数手前から再生するような設定ができるんですが、やはりメモを取るときに調整ができた方がよさそうですね。まだ動画眼で修正もできませんし…
>misawa
役に立ってよかったです。
ログの見せ方の問題はそうですよね。なんか、今回、ログを橋渡しにして独立アプリを作ってみて、Noteの方のUIはリストに囚われないで色々試してみていいかなって気がしてきました。今後の課題にしたいと思います。
動画眼での検索は、マッチが1つならたぶん簡単に作れるんだけど、複数ヒットした時の挙動やUIをどうしようかと考えると悩ましい気がします。ToDoには乗っけときます。
わざわざObservant Eyeだけのために専用のDVDレコーダを買うわけにもいかないので、普通にとったビデオをPCに読み込んで、映像と記録を同期させてました。
あと、ふと思ったことを。
テストをしているときにユーザさんの前で、あんまりPCをかちゃかちゃしたくないんで、タブレットPCで書いたメモが動画眼Noteに入るといいですね。
タブレットPCを使ったこともなくて書いている思い付きですが。。。
実際にはまだ使っていませんが、使ってみるときには、マージ、気をつけます。
アドバイス、ありがとうございました。
被験者の前でノートPCを使いたくないのは同感です。
TabletPCを使った観察記録ツールはガワだけ試作したことがあります。
http://www.aika.do-gugan.com/tools/#sheet
これの裏でもタイムコードを録れば、色々連携できそうですよね。そのうち取り組んでみたいと思います。