ウィズコロナ・ユーザテストのセッテイングで工夫したこと

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先日、6,7月はインタビューを2件ほどやりました。新コロナ感染防止のため、クライアントは見学に来られず、オンライン会議ツールに映像、音声を流す形での実施となりました。1件はモニタさんもリモート。1件はモニタさんとモデレーターは同じ会場で、クライアントのみリモート、という感じです。特に後者では会場での感染防止策としていくつかルールがあり、それに対応するセッテイングに苦心したのでメモしておきます。

ウィズコロナの会場調査で、実施会場側から指示されたのは、

  1. 双方マスクの着用
  2. 飛沫感染防止の為、モニタさんと距離をとり、間にアクリル板を設置
  3. 定期的な換気

でした。これらの全てが音声収録に悪影響を与えるので、従来のセッテイングでは声が聞き取りづらいというセッションがありました(ほぼ大丈夫だったのですが、やや話し声が小さい方のセッションで見学者から複数回「なんとかしてくれ」と要望がチャットでとんできました)。

■バウンダリーマイクでは厳しかった

私がよくやる1on1のユーザテストやインタビュー調査では通常卓上にバウンダリーマイクを設置します。こんなやつですね。

「録ってます」感が希薄なのが長所です。これらは見た目では区別つきづらいですが、指向性が360度(無指向性)のものと、前方に指向性がついたもの(厳密には後方を集音を押さえたもの)があります。単純に広い方がいいというものでもなく、1on1で二人が並んでいるようなレイアウトならそれをカバーできるギリギリの狭い指向性をもっていた方が、後ろ側にあるノイズは押さえられて聞きやすくなります。

無指向性マイクの場合

 

指向性マイクの場合

 

ところが、ウィズコロナ・レイアウトの場合、二人の距離がソーシャルディスタンスで離れるので、

ウィズコロナ・レイアウトだとカバーできない

その分、感度の高い(=距離が稼げる)マイクにするか、ノイズ覚悟で二人のど真ん中に無指向性マイクを設置するか、といった感じ。

さらにもう一つ問題がありました。定期的な換気が義務づけられていた為、窓やドアを開けたりサーキュレーターを回したりで外来ノイズが増えたのです。つまり、声が遠い上にノイズが多いという二重苦でS/N比が下がってしまい、結果として録音&中継している音声が聞き取りづらくなってしまいました。

少なくとも手持ちの3万円クラスのバウンダリーマイクではあれこれ向きや位置を工夫しても、やや声の小さなモニタさんだと厳しかったです。より性能の良いマイクなら良かったのも知れませんが、それはそれでノイズも高感度で拾ってしまうので、結果的にハイパス/ローパス・フィルターをかけたり、今ならRTX VoiceKrispといったソフトウェアのノイズキャンセルフィルタを組み合わせる必要があるかも知れません。RTX Voiceは効果は高いですがNVidia製の最近めのグラフィックボードが必要なので持ち込みノートPCでは利用できませんでした。Krispはサブスクなのでまだ試してないのです。

■結局ワイヤレスマイクを投入

で、今回の業務では以前使って評判のよかったワイヤレスマイク、RODE Wireless GOを再投入しました。

ワイヤレスマイクシステム RODE Wireless GOがとても良かった

出し惜しみしたのには理由があって、ワイヤレスマイクの弱点、注意点として、

  • その場の電波状況に左右されるリスク
  • 電池切れを起こすリスク
  • モニタさんが身につけたまま帰ってしまうリスク
  • モニタさんとの接触機会を増やす=感染リスク

があります。Wireless GOはカタログスペック上、フル充電で7時間保つことになっていますが、一日で60〜90分×数セッション行うUT調査では合間に充電しないと不安な数字です。またセッションの合間合間にそういう気を配らないとならない些事が増えるのは望ましくありません。

また最悪、モニタさんの胸元につけたマイクをうっかり取り外し忘れて帰られてしまうと悲劇です。後日回収できたとしても当日のセッションでは使えなくなってしまいます。

またせっかく距離をおいたりアクリル板をはさんでいるのに、一時的とはいえ近づいたりマイク自身を互いがベタベタ触るのはウィズコロナとしては避けたいものです。

乾電池式のものを使うとか、しっかり気をつけるとか対処はありますが、バウンダリーで済むならそれに越したことがないというのが正直なところです。

ちなみに今回は少しでもリスクを低減する工夫として、「モニタさんを送り出す時に使うカードキーホルダーにWireless Go送信機をクリップでつけ、モニタさん直近の卓上に置く」という手を取りました。

それで充分に聞こえれば接触不要で持ち帰られる心配もあります。で、もし声がどうしても小さくて聞きづらい方がいらした時だけ、それを首にかけてもらいます。女性の服だと胸ポケットなど取り付けやすい場所がないことも多いので、その対策も兼ねています。最後に出口にお送りする時に必ず使うカードキーと一体化することで、持ち帰りも防げる、というワケです。またそれを机上ノイズ(タイプ&クリック音など)除けと、マイクの向きを調整しやすくする意味で、下にタオルやハンカチを敷くのもオススメです。今回は最後の方で投入したので、結局首にかけてもらうケースまでは発生しませんでしたが、とりあえず見学者からのクレームはなくなったので良しとします。なおモデレーターの声はバウンダリーで拾ってミックスしました。

取り回しや安定性ではバウンダリーが理想だけれど、距離をとったりノイズが増えがちなウィズコロナ・レイアウトだとワイヤレスマイクを一人一台装着するのが理想かなぁというところです。見学者側も慣れないリモート視聴で聞き疲れしやすいので、少しでも聞きやすい声で配信したいものです。

Wireless GOは同じ場所で2台使っても混信とかはなさそう(公式にOKとは書いてないけど結構使ってる人いて平気みたい)なので、もう一台追加購入してモデレーターとモニタに一台ずつつけられるようにしようかしら。そういえば最近ホワイトが出てますね。白黒一台ペアだと取り違えも置きにくくていいかも。

また、とりあえずWireless GOをハンドマイク型にするスティック型オプションも買ってみました。

これは本来インタビューワーが手持ちで相手の口元にマイクを向けるためのものですが、これを介することで一般的なマイクスタンドに取り付けが可能になるので、よりモニタさんの口モノに配置ができます。Wireless GOはパッと見でマイクだとわからないデザインなので、下手な自作スタンドで高さを出すよりは、見た目「マイク!」って感じの方がわかりやすいかなとか。まぁ本来はあんまりマイクを突きつけるような形にはしたくないんですが、、

■いきなりステーキ型マスク

ついでにマスクの

  • 聞こえにくさ、
  • 蒸れやすさ
  • 表情の伝わりにくさ

を考慮して、モデレーター用に口元のみのシールドを使用してみました。一般的な呼称がわかりませんが、私は「いきなりステーキマスク」と呼んでいます。いきなりステーキの店員さんがやってるヤツです。実際それでググるとちゃんと商品が見付かります(笑)。

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ちなみにフルフェイスのシールドは手元のデバイスが反射で見辛くなることを考慮するとナシかなと思っています。会場のルールでは「マスクをせよ」ということになっているものの、マスクの定義は曖昧だったので一応現場担当者に了解をとりつけましたが、飛沫ブロック力としては通常の不織布マスクよりは劣るかも知れません。是非富岳さんにもこのタイプをシミュレーションしてほしいものです。

顎で支える仕組みで最初違和感がありましたがすぐ慣れました。それより紐が少し短くて耳の痛さが気になりました。次の実査では各種痛み軽減グッズを試してみようかと思います。

■そんなこんなで、、

ウィズコロナ対応セッティングのノウハウを少しずつ蓄積しつつ、どうにか実査を回しています。ご相談、ご提案はお気軽にお寄せ下さいませ。

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