概念に呼び名がつくと理解が深まるカンジ

お笑いの専門用語集
 普段、何気なく聞いて笑っている漫才やコントの世界にもちゃんと技法としての呼び名がついているんですね。例えば、

のりツッコミ
 一旦、ボケにつきあった後につっこむこと。ボケAにのり、ボケAにつっこむ場合と、ボケAにのっかりつつ、更にボケBをかました上で、自分でそれにつっこむ場合がある。
天丼
 ある時点でつかったギャグを、少し時間を置いて話題がかわった時点で再利用すること。一種のボケとして話が噛み合わない場所に使う。

なんてのは、「あ~、あれね」とピンと来るんじゃないでしょうか。
 今まで漠然とギャクの連続したもの、として見ていた漫才やコントが、このように技法という形でボキャブラリを得ることで、途端に構造解析したり、自分でも組んでみられる気がする感覚が興味深いです。
 一見、規則性がなく不定形なものの塊にしか感じられていなかったものに対して、一部のパーツのシルエットを与えてやることで、実は単純なパターンの繰り返しや部品の組み合わせから成っていることが“視えて”きたりする。うーん、あんまり良い例が思い浮かばないんですが、例えば素材や調味料の味や香りを知っていると、ある出来上がった料理を見て、それを分析したり、似たようなものを作ったりできる、ってのに近いでしょうか?
 当サイトがユーザビリティ・パターンというコーナーで取り組んでいる事は、多分これに近いことなんだと思います。ぼんやりとしたユーザビリティ上の問題点に対峙した時に、その部分部分を“くり抜いて”いくためのツールなんですよね。
 将来、そういうボキャブラリーを集めた辞書が作られた時、その行き着く先、使われ方は、ヒューリスティック評価法やチェックリスト系の評価手法と同じような形になるのかどうか、ってところも気になりますね。
 あるいは、問題点の評価だけではなく、例えば機械オンチな人に贈る超汎用ガイドブックなんてのも作れるかも知れません。「パソコンの操作ってのは、すべからく“操作対象の指定”と“操作内容の指定”から成り立っています」とか「何か設定を変更した後は、それをコンピュータに記憶され、適用を開始させるための合図が必要になります」みたいな。
 うーん、長くなったので、コラムに掲載しようかとも思ったけど、ちゃんとオチがつかないので、ここ(ブログ)にしとくか。
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Webでもラジオボタンの文字ラベルをクリッカブルにしよう

 出てるところでは散々既出でしょうけど、JavaScript小ネタをば。
 ラジオボタンは、デスクトップOSのGUIでもHTMLでも一般的な選択ウィジェットです。しかし、Webの上で使われるHTMLフォームのそれには、やや不便な点があります。それは文字ラベル部分をクリックして選択することができない点です。
 先日、とある制作業務の中でこの不満をなんとかしてやろうと思い立って、以下の方法を編み出した(?)でご紹介します。
 下の例を触ってみて下さい。一般的なINPUTタグの書き方だと、文字の部分をクリックしても何も起こりません。

Q.私にとってメイドさんのいる生活は、

  • A. 人生の目標です。
  • B. 人生の目的です。

 これに、以下のようにJavaScriptを書き加えると、

<form name=”sample2″>
Q.私にとってメイドさんのいる生活は、
<ul style=”list-style-type:none;”>
<li onClick=”document.sample2.radio2[0].click();”><input type=”radio” name=”radio2″>A. 人生の目標です。</li>
<li onClick=”document.sample2.radio2[1].click();”><input type=”radio” name=”radio2″>B. 人生の目的です。</li>
</ul&gt
</form&gt

 すると、ほぅら、

Q.私にとってメイドさんのいる生活は、

  • A. 人生の目標です。
  • B. 人生の目的です。

Windows上のアプリと同じように、ラベルをクリックできるようになりました。クリック反応エリアが広がるので、ユーザが項目を選択するのがグンと楽になります。
 UL&LIタグを使わない場合は、文字ラベル部分をSPANタグあたりで括って、そこに書けば良いでしょう。ポイントは、同一のnameがついているラジオボタンを、[0]、[1]のように呼び分ける点ですね。
 そういえば、最近いつのまにかGoogleが対応したみたいですね。ソース読んでないので、どういう方法で実装したのか不明ですが。きっとブラウザ汎用性とか研究しつくした上での実装だろうから、このやり方よりも洗練されてる予感。まぁ、実装方法はどうあれ、広まっていって欲しいですね。

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PukiWikiのコメント欄の名前を記憶

 ウチではスタッフ内部のやりとりにPukiWikiを使わせていただいています(一応公開Wikiスペースにも使ってますが、あまり活用されてない…)。そのコメント機能に、毎回名前を記入するのがメンドウでした。そこで、標準プラグインのcookieプラグインを試して見たんですが、Operaで文字化けしてしまいました。ウチでは再現してませんが、Safaliで書き込みできなくなったとの知らせも。このプラグインではJavaScriptを使ってcookieの読み書きをしてるようなんですが、どうもその再のURIエンコード処理に問題があるらしい。多くのブラウザはURIエンコードに関するJavaScriptの実装に欠陥や互換性の問題があるらしく、いまいち「これでOK」的な解決策がナサゲ。
 それでは、ということでPukiWikiのPHPコードを直接いじって自前でcookie対応してみました。以下、覚え書きです。超手抜きですが、とりあえずJavaScript使うよりはブラウザ依存度は低いかと。

■cookieを保存する

 メインのスクリプト(pukiwiki.phpだっけ?ウチではindex.htmlにリネームしてるので元のファイル名忘れました)の先頭に以下の緑の部分を追加。

&lt?php

//cookieをセット(有効期限30日)
if ($_POST[‘name’]<>“”) {
setcookie(“wiki_name”,$_POST[‘name’],time()+30*86400,”/~fuga/”,”www.hoge.com”,0);
}

// pukiwiki.php – Yet another WikiWikiWeb clone.
//

 「30*86400」の30がcookieを保存する日数です。適宜変更して下さい。
 また、パス名、ドメイン名はPukiWikiの設置場所にあわせて指定して下さい。上記の例は「http://www.hoge.com/~fuga/」に設置した場合を示しています。このパス以下でPHPスクリプトが実行された場合のみcookieが読み込まれます。プロバイダなど同じサーバーに他人のコンテンツがあるような環境では特に注意しましょう。
 メイン・スクリプトでなくcommentプラグインに埋め込めば良いのかも知れませんが、PHPのリファレンスによると、HTTPレスポンスの先頭で指定しないといけないらいいので、一番冒頭に埋めてみました。コメント欄付きページからのsubmitの場合、つまり$name変数が空でない時にだけcookie保存が実行されるので、さして問題無いかと。
参考:PHPマニュアル:setcookieの項

■cookieを読み込む

 次にpluginフォルダにあるcomment.inc.phpをいじって、cookieから読み出した名前を名前欄に挿入する部分です。
 122行目あたりの行に以下の緑の部分を追加します。

$nametags = $_btn_name.’&ltinput type=”text” name=”name” value=”‘.htmlspecialchars($_COOKIE[“wiki_name”]).'” size=”‘.COMMENT_NAME_COLS.”\” /&gt\n”;

 修正は以上です。標準のcookieプラグインは解除しておいて下さい。
 pcommentやarticleプラグインもおそらく同じような部分を書き換えればイケると思います。
 超手抜きですが、とりあえず動いています。問題などありましたらお知らせ下さい。
 いやぁ、毎度ながらオープンソースって素晴らしいですね。

Push-to-Talkケータイ上陸?

ITmediaモバイル:富士通、Push-to-Talk対応の携帯電話を試作 [ITMedia Mobile]
 おぉ、キタキターっ。日本でもPush-to-Talk付きケータイの気配が漂ってきましたね。楽しみです。カメラなんかより全然萌え。
 これでスタートレックごっこに勤しめるワケですな(笑)。
 どんなインターフェイスになるんだろ。会議中にいきなりプライベートな用件がスピーカーから聞こえちゃっても困るワケで、マナーモードを更に推し進めたようなエージェントっぽい機能が欲しいような気がします(いきなり聞こえていい時はその方が便利なワケですし)。
 最低でも、いきなり声まで出ちゃうモードと着信音だけ鳴って、なにかボタンを押すと声が流れるモードは欲しいでしょうね。送信側で優先度、緊急度を指定する機能があってもいいかも知れません。受信者のパスコードを知ってる人だけが、最優先(強制再生)メッセージを送れる、とか。
 あと意外にBluetoothヘッドセット普及の起爆剤になったりして(海外だと有線無線問わず、ヘッドセットをつけたまま歩いてる人って多いですよね)。
 歩行中や運転中にメール打たれるよりは安全でしょうが、逆に電車の中とかでは発信も着信もはばかられるので、棲み分けが起きるんでしょうか。
 グループに同報発信ができる点も、今までと違うユーザ・エクスペリエンスをもらたしそうです。
 う~ん、楽しみだ。そのうちブレストのテーマにしよう。

弟子は師匠を踏み越えて

 まがりなりにも、IT系の業種に身を置いていると、現役期間の短さに対して不安を覚えます。新しいテクノロジーや考え方についていけなくなり、役立たずになった自分を想像すると長生きするのが怖かったりします。だから日々太く短く生きようなんて豪語してみたり(不摂生な生活の言い訳だという噂も)。
 ただ、最近いくつかの見聞を通して、少し考え方が変わってきました。それは、σ(^^)の古巣で師匠達が取り組んでいる学習理論研究についてだったり、自分でもユーザビリティ教育に携わったりした経験からだったりします。
#あと、ガンダムSEED(笑)
 認知科学などの分野で「賢さ」の研究成果に基づいた教育論が展開されており、単に知識の詰め込みだけでなく、考え方や思考法などをどう教えるかといった議論が活発になされています。eラーニング環境もσ(^^)が在学していたほんの10年にも満たない昔に比べても驚くような進歩を遂げています。我が師、三宅なほみ先生が昨年放送大学で行った講義「学習科学とテクノロジ」なんかを見てると、「子供の頃からこんな教育受けたヤツらがたくさん社会に出てきたら、そりゃ勝ち目ないよな」と思うワケです。いわばヤツラはコーディネイターですよ(ガンダムSEEDネタ。遺伝子操作で能力を向上した人類)。思考法からしてナチュラルの我々とは別物になってる可能性が大きいワケです。
 教育って本気で取り組んだら本質的に生徒が先生を超えて行かなきゃならないものなんじゃないでしょうか。先生が知っていることをひたすら生徒に伝授し、先生の複製が育つだけでは、成果としてはまだまだなんじゃないかと。先生は自分がしてきた苦労を元に知見を整理し、生徒が同じ苦労をしなくても効率良くノウハウを習得できるようにフォローしてやるべきでしょう?そしてそれができたなら、生徒は先生と同じ時間の中でより多くのことを学び、更なる高みへと上がれるはずじゃないですか。そうして初めて教育者は自身の成果を誇って良いんじゃないでしょうか。
 後進に追い抜かれることを恐れてる場合じゃない。自分が及びもつかない後進を育てることを誇りに思うくらいの気概で行こう。「ヤツラがオレ達よりイケてるのは、オレ達の時にはなかった○○をオレ達が揃えといてやったからだ」と言えるような成果を出そう。
 そう考え始めたら、長生きするのがちょっとだけ楽しみに思えてきました。

ヒトの認知の“脆弱性”を利用したウィルス

携帯電話ウイルス「Cabir」は未来の感染予防に教訓†Symbianが詳細公表 [INTERNET Watch]
 このケースでは(最初の2つのダイアログは不可避と思われるため)制作者が狙ってたかどうかはともかく、Yesを連打してしまうヒトの習性が、結果としてセキュリティ・ホールを利用されることなくウィルスを感染させてしまう、ということですね。
 確かにセキュリティ技術が進歩するにつれ、こういうところって狙われてくるのかも知れません。現時点で既に問題になっているのは、スパイウェアの類ですよね。σ(^^)が時々相談を受ける人も、調子が悪いというので診断すると、これでもかってくらいスパイウェアまみれになってたり。Ad-awareでスキャンすると300件とか見つかっちゃう。自己増殖する性質を考慮に入れても、普通に使っててこんなに入らないでしょ、ってくらい。たぶん、アダルト・サイト見たさに読めない英語をスキップしてクリック、クリックしてるとこういうことになるんだろうなぁ。で、たいてい側に奥さんがいる手前「アヤしいサイトに出入りしてアヤしいダイアログのボタンを押しちゃダメですよ」くらいしか言えない(笑)。
 ウチは.comドメインなので海外のスパムがよく届きます。フィルタリング・ソフトなども導入してるんですが、スパム業者の方も呆れるくらいアノ手コノ手で攻めてきますよね。「SEX」って単語がNGワードになってくると、「*S*E*X*」みたいに書いてみたり、ベイジアン・フィルタのように文中のNGワードの出現頻度を統計的に分析する類の技術に対しては、(HTMLメールで)フォント色を白にして通常の言葉をたくさん埋め込んでNGワードの統計的頻度を薄めてみたり。こうしてフィルタが検知できないよう混入された妨害ノイズも、ヒトの認知の優秀さにかかればスンナリ無視されて、本来のNGワードだけが目に入ってしまうんですよね。
 こういう、ヒトの認知特性が“脆弱性”として利用されつつある今、逆に認知屋はどういう知見で対抗できるんでしょうね。

トップページのリニューアルと新コンテンツ「お作法」公開

do-gugan style
 久しぶりにトップページをリニューアルしました。事業体としての名称と情報発信活動の場としてのサイト名を区別するため、後者を「do-gugan style」と呼び分けることにしてみました。道具眼的、道具眼式、道具眼流、道具眼製と道具眼オリジナルなコンテンツをひっくるめて「style」というワケです。ソニスタみたいとか言わないで(^^;)。
道具眼流お作法
 同時に新コンテンツ「道具眼流お作法」も公開しました。まだ中身は少ないですが、ペンや音声など、ポテンシャルはもってそうなんだけど、まだ本当に使いやすいインタラクションを設計しきれていないようなデバイスを考察し、新しいインタラクション・ルールを提案しよう、って内容です。最終的には具体的なルール・セットやデモンストレーションまで作り込みたいと思っています。応援よろしくお願いいたします。
 また、今回のリニューアル、新コンテンツ開始にあたって、新メンバーの三澤さんの多大な尽力があったことを付記しておきます。ありがとう&これからもよろしく。>三澤さん

Apple Human Interface Guideline復刊

Human Interface Guidelines(Apple Computer, Inc.) 復刊リクエスト投票 [復刊ドットコム]
 へぇ、あの本が復刊されるんですね。当時のMacintoshのソフトウェアをデザインする上での指針がまとめられた公式本です。学生の頃、視覚障害者のために、ボリュームを0にした時は音のかわりに画面をフラッシュさせて視覚的にアラームを知覚できるようにしておきましょう、とか書いてあって「なるほど」と思ったものです。こういう良質な資料のおかげで、当時のMacintoshのソフトウェアの品質や一貫性が保たれていたんですよね。
 復刊ものにしてはそんなに値段もハネ上がってないし(当時もこれくらいだったような?)、お読みになったことがないという方はこの機会にゲットしてみてはいかがでしょう?
 はて、ウチのはどこに埋まってるかな…
P.S.
 おや、一緒に電子出版要望の投票も行われていますね。σ(^^)はむしろこっちが欲しいなぁ。みなさん、投票よろしくお願いします。