2005年のエントリで携帯電話などのハンドヘルドデバイスのユーザテスト撮影に重宝する「写ミール」というアーム付きカメラを紹介しました。残念ながらだいぶ前に販売終了し入手不可能だったのですが、ついに新モデルVer.2が発売になったようです。今回、販売元の株式会社システムクリエイツさんのご厚意で評価機をご提供いただきましたのでご紹介させていただきたいと思います。
以前のエントリに書きましたが、改めて簡単に概要を説明しますと、小型のNTSCカメラにアームとクリップをつけたもので、携帯電話などの液晶画面に固定して使うと画面の様子をリアルタイムでプロジェクターなどに写したり録画したりできます。もともとはプレゼンテーション用途を意識していたようですが、ユーザビリティの世界でもユーザテストで被験者さんが今見ている画面を観察者側でも共有するのに非常に重宝します。ユーザーテストではできるだけ普段通りの姿勢でリラックスして使ってもらいたいので、デバイスをどこかに固定したり、カメラの画角から外れないように一定枠内で使うよう留意してもらったり、ということは極力避けたいのです。その点、こういったカメラであれば、被験者がどういう姿勢で利用しようと途中で動こうと、つねに画面を正確に撮影できるというワケです。他社製品でもやはりプレゼンテーション用のものはあるんですが、液晶画面部分を箱でスッポリ覆ってしまい、操作者もプロジェクター画面を見てね、的な作りなので、ユーザテストには向きません。ユーザテスト用としては、
- 自由な姿勢で利用できる
- 被験者自身はデバイスの画面を見て操作ができる
- どのボタンを操作したのかなど、キーパッド部なども映したい
などがポイントになってきます。
さて新モデルの主な変更点は、
- バッテリ駆動時間が大幅伸びた
- 電池形式が9V角電池からより一般的な単四電池になった
- クリップ部に三脚ネジ穴がついた
- マイクは廃止
- アームの色がシルバーに
など。旧モデルは当時1、2度現場で使用したことある程度で、手元にはないのであまり厳密に比較はできないのですが、アームの固定がより安定した印象があります。わかってる人が気をつけて使うプレゼンとは違い、ユーザテストでは色々な被験者があまり気を遣わずに扱うことになるので、多少乱暴に揺すられても簡単にはアングルがズレたりしないことが重要なんですよね。ただ今回のモデルはネジの増し締めがでいないようなので、長期的にはどうなのか使ってみないとなんとも言えないです。
2009.06.12補足:開発元の方から「特殊なパッキングを使い、カシメ圧もかなり拘って締めていますので、長期間ご使用いただいても緩みは生じない設計です。」という心強いコメントをいただきました。
バッテリー駆動は通常ユーザテストではあまりニーズないですが、7時間駆動できるなら選択肢としては使える場面もあるかも知れません。車系(ナビ、メーター)の案件なんかでは使えるかもと密かに思ってたりします。逆にACアダプタは付属していないので、そのうちどこかで汎用品を物色してきます。仕様としては、センター+、内径2.1、外径5.5mmのプラグで、5~9V、150mA以上とのことです。てか別料金でもいいので合うものを一緒に販売してほしいですね。あるいは動作確認のとれたものをAmazonや楽天で探してリンク貼っていただけるだけでも嬉しいです。あんまり需要ないんですかね。ちなみに5Vならもしやと思ったんですが、PSPやZAURUS、W-ZERO3などのものはプラグサイズがあわずダメでした。あれなら入手性も高いので使えると便利だったんですけどね。
三脚がついたのはいいですね。写真はミニ三脚にとりつけて簡易書画カメラ的にセッテイングしてみた様子です。見た目的にはクリップ部分いらなくね?って気もしますがw。やはりものによってはこのカメラでも重いと感じる場合もあるので、そういう時はこうした形で利用できると良いでしょう。
ちなみにこの形態を試す前に、テーブルの手前に固定してデバイスや被験者表情を撮れないか試したんですが、よく考えてみたらこのカメラはバックカメラなどに使う鏡像タイプのものでした(^^;)。スイッチで正像も選べると応用の幅が更に広がって嬉しいなとか。
マイクは使わない(大抵は音質重視で別マイクを使う)ので廃止でOK。色がシルバーになったのはもしかして前記事での意見が取り入れられたのかな?若干存在感が薄れるんじゃないかなと思います。付属品一式を入れられるキャリングケースが付属するのもGood!
ではお待ちかねの作例をば。
2009.06.12補足:初出時、動画が正しく表示できていなかったようです。すみません。
前半はiPhone。意識的にブルブル揺すってますが安定して画面が撮れてると思います。ただ、iPhoneのようなタッチ系デバイスは指が大きく動いて微妙に持ち方が変化したりもするので、カメラによる重量バランスの変化にはちと気を遣う印象です。
中盤はN705iμ。これも軽い部類の端末なので相対的にはカメラ重量が気になりますが、あまり不安感はないです。
後半は書画カメラ的に利用した例。テーブルの手前にクリップをとめて撮影しています。もちろん像が反転するので後からソフトウェアでひっくり返してます。上の写真のように三脚で撮った場合もまぁ似たような絵になるでしょうということで参考に。
どのパターンでもユーザの視線上からはややズラした位置にカメラを配置できています。全く邪魔にならないということは流石にないですが、諸々のトレードオフを考えると、現実的なバランスで利用できる選択肢だと思います。
・写ミールオフィシャルサイト
http://www.sha-miel.jp/
・企画元:システムクリエイツ写ミールサイト
http://www.systemcreates.co.jp/sha-miel2.html#top
・無料貸出機情報
http://www.systemcreates.co.jp/sha-miel2.html#otoiawase
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