BMD Video Assist 7″ 12G HDRを実査で使ってみて

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前記事で紹介したBMD Video Assist 7″ 12G HDR(以下VA7)を本番実査で使う機会があったので感想をまとめてみようと思います。

■実施概要

まずVA7をMacBook Pro(以下MBP)のHDMI出力から接続しサブモニタとして認識させます。3つのカメラ映像をMacBook Proに入れてOBSで合成、録画し、「全画面プロジェクター」でVA側に表示。VA側でもバックアップ録画しました。またMeetでの中継も行いました。

90分のユーザテストを12セッション実施しました。

■録画

まずVA7の主な役割としてバックアップ録画ですが、非常に安定して稼働してくれました。冷却ファンの音も全く気にならず。

ポイントはOBSの音声モニターをON(=OBSの録画中音声がスピーカーから鳴る状態)にし、Macの音声出力先をHDMI先のVA7にすること。そうしないとVA7側に音が来ません。VA7は画面上に常時レベルメーターが出るので音が入っているか一目でわかるし、適正音量かどうかもチェックできて便利でした。

Apple ProRESは高画質な反面、非常にファイルサイズが大きくなるコーデックなのでMacBookが対応しているからと迂闊に4K60pとかにしておくとエラいことになります。VA7の録画解像度やフレームレートはHDMI入力に応じてしまうぽいので、Mac側で1080/30pにしておくことばポイントです。VA7の上部ステータス欄に表示されるので確認できます。

VA7側での録画コーデック設定は最も低いビットレートのApple ProRES Proxyを選択。それでも90分の録画で30-40GBほどになります。全セッション合計で400GBほどでした。奮発して2TのSSD買っておいて良かった….

ストレージ残量も常にグラフで見えているので安心です。

せっかく高画質に録れてるんだからこちらをソースにして納品用動画を作ればいいかなと思いましたが、MacBook Proにコピーしておけるサイズじゃないし、毎回SSDをマウントするの面倒だし、保管にも向かないので、やはりバックアップ録画として割りきるのが良さそう。

今回、別の観察スタッフに動画眼マーカーでチャプター打ちをしてもらったんですが、そのために録画スタートタイミングを中継越しに「せぇの」で同期する必要があり、OBSは中継がつながった後で録画を開始。それだと開始直前でバタバタしてて録画始めるのを忘れるリスクがあったので、完全独立なVA7をもっと前から録画しっぱなしにしておく、という運用もしました。幸いにもOBSのスタートし忘れはなかったですが、安心感はあったし、別件で実際に忘れたこともあるので良いかなと思いました。

■モニタリング

迷ったBlackmagic Design HyperDeck Shuttle HDと違い、本機はモニター一体型なので録画映像のモニタができます。きちんと各カメラ映像が来ているか、参加者が姿勢をかえてカメラから外れてないか、などが常時確認できて重宝しました。先に書いた通り、音声もレベルメーターで確認できるので安心です。これらはOBSウインドウでも出来ますが、MacBookのメインスクリーンはたいてい進行シートやチャットウインドウなどが前面に来ていて、OBSは録画開始押したらバックグラウンドに隠れちゃうことが多いんですよね。

そして単なるサブモニタよりもいいなと思ったのはタッチ操作による拡大機能です。ダブルタップで拡大モードに入り、ピンチで好きな箇所をズームアップできます。今回3カメラの合成映像を録画していますが、これを7インチしかない本機に映すと個別の画面はかなり小さいです。実査中に見たかったのは参加者の操作の手元だけだったので、録画映像に影響せずにリアルタイムのモニタとしてだけ拡大できるのはとても助かりました。

まぁ13インチとか15インチのモバイルモニターなら拡大の必要もなかったかもですが、コンパクトに単体でまとまることとのトレードオフですね。

■中継

VA7と直接関係ないですが、今回もMeetでの中継をしました。Meetは専用アプリがなくブラウザで参加しますが、Mac版のEdge/Chromeはなぜか一部のウインドウを画面共有対象として認識してくれないことが多く、OBSから全画面プロジェクタで映しているVA7をモニタ単位で選択することで凌ぎました。

ただ一般に画面共有は解像度が高い代わりにフレームレートが低いので動きがカクカクします。動きを重視する場合はOBSの仮想カメラ機能をONにして参加者カメラ映像として送ったりもしました。Zoomだとカメラ画像の解像度が低いこともあったりで、画面共有で送るかカメラに映すかはケースバイケースで選択という感じです。今回はカクカクが気になると言われてカメラ映像を使っていたんですが、途中でその映像が急に画質悪くなったというチャットがとんできて急遽画面共有も開始することになったりしました。VA7がサブモニタになっていることで素早くスイッチできて良かったなと思います。(帯域的には両方送ったらかえって共倒れにならないかなと思ったんですが、見学者から「綺麗になった!」と返信が来たので良しとしました)

2023.4.7追記:影響範囲は調べ切れていませんが、ブラウザから使用する一部のオンライン会議サービスで、画面全体を画面共有すると遅延がひどくなる現象がありました。OBSで全画面プロジェクターのかわりにウインドウプロジェクターを開いてサブモニタに配置し、それをブラウザから画面共有する形にしたらだいぶほぼ違和感なくなりました。M1MaxのMacで執筆時点の最新版OBSです。Video Assist 7″の問題ではないでしょうが、この記事のセッティングで配信をする人の参考に書いておきます。

ちなみにウインドウプロジェクターをブラウザの共有画面対象ウインドウ選択UIで選べない場合の対処方法はこちらの記事へ。

■まとめ

やはり画質、ビットレート的にはオーバースペックすぎますが大きなストレージをつけてそれだけ飲み込んでしまえば、トータルの利便性、安心感は満足の行くものでした。ストレージも90分12本で500GB行かないことがわかったので、SSDではなく安価で本体内に収まる512GBのSDカード運用でもいいかもと思いました。

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