テストの録画機材を揃えよう

 せっかくエアボードまで買ったんだから、記録系機材も充実させて、あまり機材を持ち合わせていないクライアントさんの場合に提供できる体制を作ろうかと。
 もう少ししたら確定申告で還付金が返ってくるしw。
 目標はテープメディアからの脱却。現在(少なくともσ(^^)の周りでは)ユーザテストの記録メディアとしてはDVテープが一般的だと思います。なんといってもカメラがDVなものが圧倒的ですから。カメラで録画せず、画面分割機を通してデッキで録る場合はHDD/DVDレコーダーで録ってDVD-Rに焼いて納品ということもありますが、出張鑑定ではやはり小ぶりなDVウォークマンで一旦DVで録ったりします。
 DVの欠点は、

  • メディア単価が高い(DVD-Rが相対的に値下がりが激しい)
  • 分析時にあちこちシーンをシークするのが非効率的
  • カメラの駆動メカ周辺がよく壊れる

などです。特に3つ目はテスト中に起きたら致命的です。企業ラボのようにそうそう予備機までは常備できませんし。でも実際よく起きます。σ(^^)なんて、もうテープを挿入&イジェクトする時のローディングの音を聞くだけで不安になります。あんな見るからに神経質そうでfragileなメカは民生機の中でも希有だと思います。
 逆にDVD系で怖いのは、もし停電などで録画が異常停止した際に、冒頭からの記録がすべてダメになる危険性がある点です。試したことないですが、同じDVD-VR系でもDVD-RAMは復旧可で、DVD-RWはNGだとか。DVD-Video系は更にダメそうですね。またHDDの場合は落ちどころが悪いと(インデックスが壊れると)前セッションのデータまで道連れになる可能性もあります。
 しかしまぁ、実際問題数年この仕事をやってきて、テスト中に停電になったことはないし(車は除く)、DVDレコーディングに対する抵抗は薄れてきました。むしろ前述のDVメカの壊れやすさの方が不安です。もちろん、やり直しが効かないorものすごくコストがかかるようなテスト内容であれば、バックアップとしてDVも回すようなことをする必要がありますが、σ(^^)が現在のところ受託するような規模の業務だと、コストパフォーマンス重視だったりしますし。
 またスポーツなどを撮るの比べ、ユーザテストはそうそう激しい動きを伴うことはないので、MPEGのような時間方向の圧縮を伴う記録方式でも、比較的低レートで破綻のない記録がしやすい素材だと言えます。なので、DVに比べ、メディアのコストパフォーマンスは更に効率的と言えるでしょう。
 というワケで、近いうちに少し投資をして、DVD(MPEG)系の記録メディアを中核にした装備を充実させ、クライアント側が評価製品以外何も用意しなくても、最低限の観察&記録ができるだけの体制を作りたいと思います。それ系の話題が好きな方のコメントをお待ちしています。

プランA:PCにMPEG録画

 安定して動いてくれる限り、これがもっとも汎用性が高いですね。MPEG2であればDVD-RにDVD-Videoに焼いて納品することもできますし、なんといっても動画プレイヤーでスライダを駆使してランダムアクセスできるのは、分析作業には好都合です。動画眼のような分析ツールにもそのまま食わせられます。
 MPEGファイルを直で生成するには、HDD容量が大きめのノートPCに、USB接続のキャプチャユニットをつなぐのがヨサゲです。キャプチャユニットの要求仕様は、

  • CPU負荷の低いハードウェアエンコードであること
  • チューナーは不要
  • 電源不要で動くバスパワー対応

といった辺りで、BUFFALO PC-MDVD/U2IO-DATA GV-MDVD辺りがヨサゲですね。1万強と安価ですし。バスパワー駆動なら、万一停電しても、ノートPC自体がUPS(無停電電源装置)付きのようなものですから、破壊的な停止も起きにくいでしょう。

プランB:HDD/DVDレコーダーで録画

 信頼性でいえばHDD/DVDレコーダーでしょう。一番安い80GBクラスでも1回のユーザテストには充分でしょう。DVDに直接記録できますし。ただし欠点もあります。

  • 持ち運びに不便
  • 別途モニタがないと不安&不便
  •  ちゃんと目的の画が撮れているかどうかモニタで常時監視していないと、カメラが落ちていて、真っ黒な絵が撮れてた、なんてことになりかねません。ただ今回の場合、下図のようにエアボードと組み合わせることで、解決できるかも知れません。
    planb.gif
     これならエアボード経由でレコーダーの操作もできるので、かなりスッキリしそうですね。

  • PCへのデータ移行が手間
  •  むしろ問題はこっちでしょう。単に録って納品するだけならこれでも構わないんですが、もし詳細にビデオを分析する場合、やはりPCにMPEGデータとして渡す方法が乏しいです。一旦DVD-RAMなどを経由する方法は時間がかかりますし。NECのAXシリーズのように、ネットワーク経由でMPEGファイルが取り出せる製品がもっと増えてくれると良いのですが。

プランC:HDDカメラで録画

 4GBのMicroDriveに直接MPEG2で録画するビデオカメラですね。画質を高めにして60~90分程度は撮れるので、セッション毎に別ストレージにコピーするとかすればまぁ使えなくもなさそうです。でも、それが間に合わなかったことも考えてもう一枚MicroDriveを買い足すとかするとかなり高額に。ちなみに5GBのMicroDriveを入れても、フォーマットがFAT32な関係で連続録画は4GBまでに制限されるようです。
 また使った人が口を揃えて光量不足に弱い点を嘆いているので、室内録りが多いユーザテストには微妙ですね。一般的なオフィスであれば家庭よりは明るいので大丈夫だとは思うのですが。
#今度、オフィスの会議室で撮ってみたファイルを送ってくれない?>kawaguti
 この手の製品であれば、カメラ部分も込みで更に配線を簡略化できる点は良いですね。小さいながらもモニタもついてますし。もっと選択肢が増えて欲しいものです。HDD外せなくてもいいので、iPodのような1.8inchドライブを使って、40GBとか60GBの容量のもの希望。データ吸い出しはUSBマスストレージでマウントできれば充分。

その他

 あとトランシーバーを買わねば。観察室から実験室のモデレーター(進行役)にこっそり指示を出すのに有効です。
 モデレーターが座ってノートPCでも使っていられる状況なら、Messengerなどのチャットソフトも有効だったりはします。非同期でモデレーターが余裕のある時に目を通せるからです。トランシーバーの場合は、観察室側がモデレーターが会話中でない時を見計らって話しかけたりといった配慮が必要だし、あまり長いメッセージを伝達しづらいという点も短所です。
 ただそれでもやはりσ(^^)も含めて周りのモデレータ達はクリップボードに止めた観察シートに手書きでメモすることを好みます。往年のページャー(ポケベル)のように、クリップボードに隅にでも貼り付けられるサイズで、テキスト・メッセージが遠隔から送りこめるようなデバイスがあればいいんですけどね。premini+i-modeメールとかw?
 トランシーバーは免許不要の特定省電力タイプが良いでしょう。レジャー用とビジネス用で使用チャンネルが違いますので、必ず揃えて買う様、注意が必要です。ビジネス用の方が混信が少ない印象がありますが、実際どうなんでしょうね。モデレーター側にはイヤホンも用意(たいていの場合、イヤホンマイクである必要はないでしょう)。

ロケーションフリーTVでユーザテスト

 SONYから出ているエアボードというコードレステレビをご存じでしょうか?アンテナ線やAVケーブルをベースユニットに接続しておくと、画面部分のみを取り外してコードレスで家のどこでも視聴できる、というものです。
 昨日とあるテスト中にあると良いなという場面に出くわしたので、半ば衝動的に現行のLF-X1を購入してみました。
 σ(^^)がお手伝いするような規模のユーザテストだと、専用の観察ルームが隣接している本格的なラボではなく、普通の続き部屋の会議室を利用したりすることが多く、ビデオ関係のケーブルを這わすのも大変だったいります。こういう時に無線LANベースでコードレス視聴ができるのが重宝します。また最近のモデルでは有線LANを経由することができますので、建物のLAN配線を借りられればやや離れた部屋からでも視聴できます。どのみちケーブルを敷くにしても、AVケーブルよりもEthernetケーブルの方が長尺のものの入手性が良いので好都合なワケです。更に現行モデルではインターネットを経由した配信も可能で、ファイアウォール的な問題だけ対処できれば、遠隔からストリーミングで見学するということも最低限の装備で実現できることになります。ちなみに将来的にはPSPやPCを視聴端末として利用するソフトウェアを提供する計画もあるようです


 インターネット経由の視聴は未テストですが、無線による室内コードレス視聴は充分なクオリティがあるように思いました。MPEG+無線LANを利用しているので、アナログなトランスミッタで送信するよりも画像が安定します(逆に一定距離以上遠ざかるとパッタリ途切れますが)。
 液晶の実ドットがSVGA(800×600)とのことですが、おそらく配信しているMPEGはもう少し荒いと思います。ややジャギーが気になります。ケータイ電話などの小さいデバイスを触っている様子をアップにした映像などはちょっとつらいかも知れません。
 遅延は2秒程度あります。通常は実用上問題ないと思いますが、WebやPCソフトのテストでRGB信号も別途引き込んでいる場合は同期が問題になるかも知れません。
 残念なのはモニタ側にAV出力が無い点ですね。あればそこからデッキにつないで記録もできるので、メディア交換や記録/停止の操作が観察室側で行えて便利だったんですが。ただモニタ側でタッチパネル操作して、ベース側からそれに応じた赤外線リモコン信号を飛ばすことで機器操作をするという機能はあるので、対応したビデオデッキやDVDレコーダーを準備できるならば実験室側に設置して遠隔操作するという手はあります。
 またベース部には外部入力が2系統あるので、2台別々のアングルのカメラを接続しておいて、観察室側から切り替える、という芸当もできます。
 会議室などを使った簡易的なテストとしてはなかなかの仕様ではないでしょうか。
 
 再来週に行う予定のユーザテストでクライアントの合意が得られたら実戦投入してみようと思ってますので、またレポートします。

車にシッポ生えてる同士なら割り込まれないかも

ITmedia ライフスタイル:ウワサの車用“しっぽ”を動かしてきました (1/3)
 これ、ようやく発売されたんですね。発表後、噂を聞かないなぁ、と思ってましたが。
 時々、車で実走行をするユーザテストをするんですが、実験車両とバックアップ車両とで追走する場合に、こういう目立つ目印があると、仲間だなってことが伝わって、間に割り込みされにくくなるんじゃないかなぁ、とこないだ思いました。映像なんかを電波で飛ばして走ってると、間に1台入られただけでアウトだったりするんですよね。
 まぁ、このシッポじゃなくてもいいわけですが、値段の割にインパクトあるし耐候性も充分だし、取り付けに加工がいらない(仮止めならマグネットだけでつかないかな?)し、いいかなぁと。
 σ(^^)の愛車セラだと取り付けるスペースがないんだよなぁ(屋根もトランクリッドもないので)。ガラスをはさんで取り付けられるようなマグネットプレートとかあればいいのに。

スイッチ付き卓上マイク

 妹の店で使うのに、スイッチ付きの卓上マイクを探してました。「~クレープをお待ちのお客さまぁ~」みたいな呼び出し用です。
#ROLLSでは皮(?)の焼き貯めをしておりません(^^)/。
mic.jpg
 この時、クレープを手にもってるワケで、普通のカラオケのマイクみたいなスライドスイッチじゃ不便だし衛生的にも問題アリだろうということで、手の甲や肘で押せる大きめのPush-to-Talkなボタンがついてる、って条件で探してたんです。元々この手の商品は家電量販店じゃ置いてなくて苦労しました。ググっても見つからない。「業務系の製品を探すしかないかなぁ。きっと万単位の値段するんだろうなぁ。」と諦めかけていたところ、たまたま久しぶりに立ち寄った秋葉原でスンナリ発見。しかも\6,000でゲット(後で別の店で\5,400で見つけたのは妹にはナイショだ)。端子もキャノン型ではなく標準プラグなのもグッド。店に既設の有線放送のアンプに差すだけ。
 UNI-PEXというメーカーの製品でした(この製品の情報は見あたらず)。
 ユーザテスト・ラボでも、観察室から進行役に指示を出すのにこの手のマイクは便利ですよね。っていうか観察室でマイク切り忘れてると進行役が迷惑。逆に入れっぱなしで観察室の会話が筒抜けの方が便利な場合もありますが、そういう時にはスイッチをオンの状態でロックすることもできるので無問題。マイクの角度調節ができないのが玉に瑕かな。
 妹に送る前に会社のラボで使ってみようかしら。なんて、ウソです。兄ちゃん、すぐに送ってやるからな。待ってろよ。>日々声を枯らしているらしい妹

TabletPCで電子観察シート

 買っちゃいました。>タブレットPC HP TC1100
 以前書いたとおり、ユーザテストで観察記録に使えないかと目論んでおります。手書き記録は自由にとりつつ、チェックボックスなどのカウントは自動化したい、というニーズを満たせるんではないかと。
 で、MicrosoftからTabletPCのSDK[Microsoft]が出ていて、結構簡単にインク・アプリケーションを作れそうだったので、早速以下のようなアプリケーションを小一時間で試作してみました。
画面写真
 クリックすると拡大
 あくまでユーザ・インターフェイスのプレビューなので、保存も印刷もできないですが、とりあえずペン描画、マーカー描画、消しゴム、範囲選択、移動、拡大縮小などが上記SDKを使えば結構簡単に実装できることがわかりました。保存&読み出しもできそう。ラジオボタンなどは普通のコントロールなので、コードさえ書けばリアルタイム集計とか、観察室側のマシンにネットワーク送信とかいくらでも応用はできます。
 大変そうなのは、エンド・ユーザがタスクセットやチェックボックスなどを設定・追加するインターフェイスですかね。CSV形式あたりで定義してインポートする、なんてのが手頃かなぁ。でもタスク途中にチェックボックスを足したいんですよね。
 時間がとれたら真面目に作り込んでみたいです。

手書き観察シートの電子化に役立つか?ペン入力デバイス「AREA」

AREA Style [公式製品情報]

キャプチャ・サンプル

キャプチャ・サンプル
キャプチャ・サンプル(クリックで拡大)

 ソフマップで本日限りの値引きで\8,980だったので衝動買いしてみました。USB接続で手書き文字キャプチャデバイスです。普通のペンタブレットと違い、ペン先にボールペンをつけて紙にも記録を残すことができます。原理的にはホワイトボードで使うKOKUYOのMIMIOに近いですね。
 手書き観察記録シートを、リアルタイムで電子化できたら色々面白いことになるかも、と思って実験。専用ソフトウェアはシンプルで、特定の記入フォームの類を下に敷いて使うことは考えてないみたいですが、一応JPEGとBMPをインポートして貼ることができました。なので、Wordなどで作った観察記録シートをA4で印刷する一方、それをPDF化->Photoshopでビットマップ保存したものを読み込むという手間が必要です。ただ割と簡単なキャリブレーションで実用レベルの位置合わせはできてるっぽいです。9pointで作ったチェックボックス(記号の□)にチェックすると、1文字分程度は左右にズレるかな、という程度で、どのチェックボックスにチェックしたかを判別する分には問題無しです。
 問題なのはページめくりをソフト側に伝える手段がない点ですね。記録者がページをめくると同時に、ソフト側でもボタンをクリックしてページ切り替えをしないと、すべて同じ画面上に重ね書きされてしまいます。センサ部にページ送り&戻しでもついてればよかったんですが。
 ユーザ・テストで役に立ちそうなシーンとしては、

  • インカム経由で観察室から問いかけがあった時に、進行役がノートをとる振りをしつつ筆談で応じられる
  • 進行役と観察室で重複した記録をとらないで済む
  • 進行役修行者が、進行役の記録内容をリアルタイムで習うことができる
  • 被験者に記入してもらったアンケートの内容をリアルタイムで観察者で読み取れる

といった点などでしょうか。他に有効な使い道が思い当たるかたは是非教えて下さい。
 一応、マウス・モードもあるので、OneNoteとかでも使えそうです。
 これでBluetooth化でもしてワイヤレスで使えたらなぁ。