暗号バッグ~公開鍵認証を直感的なメタファーで

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暗号バッグ [公式サイト]
 昨今、インターネット上で情報をやりとりすることの危険性が意識されつつあります。…いや、実際そうでもないか。メールは本人しか読めないと頭から信じている人もまだまだ多いですね。わかっていてもPGPとか難しいそうで手が出せないという人もいるでしょう。
 いずれにせよPGPのような比較的安全な方法がもっと手軽に利用できるようなインターフェイスが求められているのは間違いありません。
 やはり公開鍵認証という枠組みそのものが、日常生活でお目にかかる何にも似ていないことが障壁を高くしているんだと思います。公開鍵と秘密鍵??会社の上司や家族に使わせようと思えば、デスクトップOSの「ゴミ箱」のような直感的なメタファーが必要だろうと常々感じていました。
 そんな折り、「NETWORK WORLD」7月号[goo雑誌ナビ]で「暗号バッグ」というソフトウェアを知りました。
 公開鍵認証では、相手に渡しても良い公開鍵をホームページなどで公開し、データの送り手にはそれを使って暗号化をしたファイルを送ってもらいます。暗号を解いて中身を取り出す(復号化)には、本人だけがもっている秘密鍵が必要になります。この公開鍵と秘密鍵のペアの概念がわかりずらいのが問題だったワケです。
 そこを「暗号バッグ」では、“バッグ”というメタファーを用いることで直感的なユーザ・エクスペリエンスを実現しています。本ソフトでは公開鍵を含んだファイルを“バッグ”と捉え、「自分だけが開封できる空のバッグを渡し、それに機密性の高いファイルを入れて送り返してもらう」という考え方をとっています。わかりやすいですよね?更に易しい説明は公式サイトのこちらをどうぞ。
 一度取得した空のバッグは何度でも複製して利用できますし、暗号化強度自体もPGPベースのようで、単にパスワード認証だけのZipアーカイブなどを使うよりは数段強固と考えて良いでしょう。
 これはブレイクするんじゃないでしょうか?

 古田の暗号バッグ
MD5: de7e048b7b547fcaab63f116b1b27674

 試しにσ(^^)の暗号バッグを公開してみます。何かσ(^^)に機密データを送りたい場合にご利用下さい。

 面白いから、他にも一般ウケしようなメタファーを考えてみよう。
○名刺メタファー
 連絡するにはまずその人の“名刺”を入手してから送る、ってのは自然な気がします。現在のvCardのようなフォーマットに公開鍵が載せられれば、メーラーでの扱いが随分楽になるんじゃないでしょうかね。
○直通トンネル
 暗号化クライアント自身に、公開鍵に含まれるメールアドレスへ自己送信するような仕組みがあれば、“その人へ直結したフォルダにファイルを放り込む”ようなユーザ・エクスペリエンスができそう。
○集荷エージェント・メタファー
 ポスペみたいなエージェント・アプリケーションで、“先方のエージェントに取りに来てもらう”みたいなのはどうでしょ?

HTMLにしばられないアプリケーション環境、IBM Workplace

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日本IBM、「Webアプリケーションを超える」クライアントソフト新戦略を発表 [Enterprise Watch]
 これ面白いですね。現在のシン・クライアントなアプリケーションはHTMLの制約にしばられて使い勝手も制限されたものばかりです。IBMがどういうビジネスモデルで展開していくのかはつかめませんが、もしこういうリッチなユーザ・インターフェイス・ライブラリが利用できるフレームワークが、クロス・プラットフォームで提供され、仕様もオープンだったりしたら面白いでしょうねぇ。通信はHTTPかな?
 クライアントはWebブラウザやAdobe Readerみたいなカンジで無料ダウンロードできて、新しいアプリケーションのインストールはURLを指定するだけ。もちろんブックマークしておけばいつでも呼び出して利用可能。あー、ブックマークひとつコピーすれば、別マシンへの環境引っ越しも完了しちゃうワケだ。
 そんなユーザ・エクスペリエンスを妄想させてくれた記事でした。

道具眼コラム、久々の更新!

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道具眼コラム 24. TabletPCを利用した電子観察記録システムの可能性[道具眼コラム]
 先日、TabletPCをユーザテストの観察記録業務に実戦投入してみたので、その感触をレポートしてみました。

情報処理学会でペン入力の研究会

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第108回ヒューマンインタフェース研究会[情報処理学会]
 5/22に開催される情報処理学会のHI研究会で、ペン入力特集みたいですね。情処ってHI学会と顔ぶれも違ってて、普段あまり縁がなくて、研究会もあんまり行ったことないんだけど、都内だし行ってみようかな?

ノートPC用外付けバッテリ

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外付け大容量バッテリー・Slim60・ベイサン [公式サイト]
 これ買ってみました。一見「結構高いな」という印象ですが、よくよく考えてみれば、VAIO TRの標準バッテリなんてもっと高い[yodobashi.com]ワケだし、こっちは、変換コネクタ(チップ)を差し替えれば複数機種に対応するので、

  • 本体を別機種に買い換えても使える
  • 複数機種所有時にそれぞれで使える(ウチだとVAIO TRでもTC1100でもOK)
  • 充電用ACアダプタにもチップがつけられ、本体の充電にも使えるので、汎用ACアダプタ付属だと思えば、
    更に数千円割安感

などのメリットがあります。
 今時のマシンなら3、4時間は使えるので、普段の打ち合わせくらいには充分なんですが、困るのは学会などに全日参加する時なんですよね。ノートとったり、ヒマつぶしにネットしたり(笑)。会場の電源は使っても良いというコンセンサスはあるように思いますが、壁際の席に座れないと電源ケーブルが届かなかったり。そういう時にコイツがあれば、寿命が延ばせますし、本体は自席で使いつつ、コイツとACアダプタだけ壁際に残して充電かけといたりできるかなと。
 幸いなことに、充電アダプタをこのバッテリに接続するためのチップがTC1100用のと同じだったので、VAIO用チップとあわせて2つ持ち歩けば済むのが、微妙に特したカンジ。

[TIPS] Symbol Commanderからテキスト入力パネル

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 Symbol lCommanderに慣れてくると、テキスト入力パネル(TIP)もこいつで呼び出したくなってきます。TC1100の場合、標準では画面枠のハードボタンで呼び出せるのと、TabletPCにプリセットされたジェスチャー(ペン先を上下に振る)で呼び出せますが、どっちもペン移動量が長め。
 TIPの実行(.exe)ファイルさえ突き止められればSymbolCommanderに登録できるので、システム関連のフォルダを探ってみました。結果、

  c:\Program Files\Common files\Microsoft Shared\Ink\TabTIP.exe

がそれであることが判明。無事、Graffitiの「K」のようなジェスチャーで呼び出せるようになりました。
 ついでに、持ち方を変えると微調整したくなるタブレットのキャリブレーション画面も下記で一発呼び出しできました。

  c:\WINDOWS\system32\tabcal.exe

UMLとユーザビリティ

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 連休中にUMLについてかじってみました。
 元々はJavaなんかのオブジェクト指向言語の仕様書を図解し、プロジェクト・メンバーとのコミュニケーション・コストを軽減するのが目的だったようですが、要求定義やタスク分析に使うアクティビティ図やユースケース図あたりは、営業なんかの非プログラマーが顧客とのやりとりに活用するようなケースも増えてきているみたいですね。そういう人向けの本[Amazon.co.jp]まで出ているようで。
 σ(^^)が契約社員をしている会社では従来から独自の操作フロー図、思考フロー図といったダイアグラムを用いて分析をしてきましたが、これからはクライアントからUMLで描いてくれ、とか資料としてUMLを渡されるケースも増えてくるのかも。

TabletPCとジェスチャ・ソフト

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Symbol Commander [製品サイト(日本語版)]
 TC1100に上記のジェスチャ・ソフトを入れてみました。自分でジェスチャをデザインすることもできるPro版って方(非Pro版は既定のアルファベットやシンボルに任意の動作を割り当てるのみ)。フリーで使えるものも2種類ほど試したんですが、やっぱり高くてもこれが一番機能が豊富で使いやすいかなと。
 いや、いいっス。認識トリガが右ボタンなので、通常の右ドラッグ操作が使えなくなるのが痛いけど(ジェスチャ認識を一時的にオフすることは可能)、ペン使ってて「あぁ、Backspace1つ押したいだけなのにいちいち仮想キーボード呼び出して…」とかやってたのが不要になるのがGood。とりあえずGraffiti的なジェスチャでコピペや削除、後退ができるようにカスタマイズ。これだけでもメチャメチャ使いやすくなりやがりますな。
 最近、一緒にTabletPCにハマってる相棒と一緒に道具眼的ジェスチャーをデザインしてみる予定。
P.S.
 ATOKがTabletPCとはビミョーに相性悪い、というかMS-IMEでないとJournalで「手書きをテキストに変換」した時に、「必要なコンポーネントが見つからないため、要求されたコマンドを完了できません。」とか言われちゃう。OneNoteでも手書きをテキストに変換した後の、修正操作ができなくなったりと不具合が出る。う~む、キーボード使う時だけATOKに切替とか自動化できないもんかな。

リブリエ見てきました

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 SONYの読書端末「リブリエ」を触ってきました。巷で言われているほど画面切替のブラックアウトは気にならないですね。一部かすれたように遅れて表示されるムラのようなものは気になりましたが(これも時間が経つと消えるし)。
 うーん、やはりデバイスとしてはかなり魅力です。物欲そそります。1.4KgあるTabletPCでeBookとかマンガと読み出したりしてる昨今だけに、この軽さは素晴らしい。
 PDFとかテキストなんかの汎用性のあるビューワとして使えるなら即買いなんだけどなぁ。
 てか、コンテンツ・サイトはユーザ登録しないとコンテンツ一覧すら見られないって、どういうことよ?

TabletPCで電子観察シート

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 買っちゃいました。>タブレットPC HP TC1100
 以前書いたとおり、ユーザテストで観察記録に使えないかと目論んでおります。手書き記録は自由にとりつつ、チェックボックスなどのカウントは自動化したい、というニーズを満たせるんではないかと。
 で、MicrosoftからTabletPCのSDK[Microsoft]が出ていて、結構簡単にインク・アプリケーションを作れそうだったので、早速以下のようなアプリケーションを小一時間で試作してみました。
画面写真
 クリックすると拡大
 あくまでユーザ・インターフェイスのプレビューなので、保存も印刷もできないですが、とりあえずペン描画、マーカー描画、消しゴム、範囲選択、移動、拡大縮小などが上記SDKを使えば結構簡単に実装できることがわかりました。保存&読み出しもできそう。ラジオボタンなどは普通のコントロールなので、コードさえ書けばリアルタイム集計とか、観察室側のマシンにネットワーク送信とかいくらでも応用はできます。
 大変そうなのは、エンド・ユーザがタスクセットやチェックボックスなどを設定・追加するインターフェイスですかね。CSV形式あたりで定義してインポートする、なんてのが手頃かなぁ。でもタスク途中にチェックボックスを足したいんですよね。
 時間がとれたら真面目に作り込んでみたいです。