またもタンジブルUIに走るNintendo Wii

 PSPとNintendo DSが揃って登場した時、正直DSのタッチパネルは「ヘッ」って感じでした。でもフタを開けてみると、直感的で新しいインタラクションを盛り込んだアプリケーションでPSPを圧倒、という結果になりました。例えば、σ(^^)が本体と一緒に買った アナザーコードではペンやマイクを使って興味深い演出していましたし、最近は手書き文字認識ライブラリを使った脳力トレーニング系のソフト、言語学習、辞書まで登場しています。

 当初スペックで飛びついたのはPSPの方でしたが、UMDの読み込みストレスもあって、最近ではたまに動画ビューワーとして使うだけ。ゲーム機として活躍しているのは後から買い足したDSばかりです。

 最近ですと、数独というパズルゲームが両機種で発売になっていますが(PSPでは「カズオ」というタイトル)、内容が同じなだけにUIの差が如実に表れていて興味深かったです(DS版しか持ってないですが、UI比較資料としてカズオも買ってみようかと思っています)。

 さて、そんな中、E3で両社の次世代機の詳細が明らかになりました。PlayStation3は、2の時と同じく、次世代メディアの再生機としても利用価値のあるAVセンター的なコンセプトに対し、Wiiはこれまた現行機と同様、完全にゲーム機という姿勢を貫き、大変興味深いコンセプトのコントローラーを前面に押し出して来ましたね。詳細は、言葉で説明するより、下記リンクからイメージ映像をご覧いただいた方が早いでしょう。

コンセプトビデオ : E3 2006 : Nintendo (注:動画です)

 それぞれが実際のタイトルとしてリリースされるかどうかはさておき、かなり刺激的ですね。むしろ逆にこのUIデバイスを利用して、AVセンター的な活用法もできたら、XMBでビデオ予約がいまひとつできないウチの両親とかでもスンナリ使えたりして。

 まぁ、結局いつかは両方買うんだろう、既にXbox360持ちのσ(^^)ですが…

Photocasting

 ただいま、サンフランシスコではMacworldExpoの基調講演中。恒例のライブストリーミングはやってナサゲなので、Engadgetの速報ブログ記事をリロードしまくっています。

 さて、2:50JST現在、目新しい言葉はPhotocastingですかね。なんのことはない、RSSでオンラインアルバムの更新を通知するく仕組みです。でもJobsが例に出してる利用シーンは、「おじいちゃんのマシンのスクリーンセーバーに、常に孫の最新の写真」みたいなもの。これはスゴい。技術的にはなにもスゴくないけど、ユーザ・エクスペリエンス的には画期的だと思います。この機能に特化したフォトスタンドとか出れば面白いと思います。折しも来月妹に子供が生まれ、旦那の実家の両親(PCリテラシー無し)にビデオや写真をどう送ればいいか相談されたりもしたんですが、そんな製品があればうってつけですね。

 やっぱAppleはエクスペリエンス・デザインがウマいなぁ。ちくちょう…

 

 と、感心してたら、ちょうどEngadgetの日本語記事で、こんなのが出てました。

立体物がリンクになる技術

フィギュアをカメラ付き携帯で撮影するとサイトにアクセス、NTTが実験
 これ面白いですね。フィギュアなどの立体物をケータイのカメラで撮影して特徴情報をサーバーに投げることで、一意のリンクにリダイレクトする技術だそうです。
 ってことは、例えば渋谷のモヤイ像を撮って送れば渋谷駅前の地図が返ってくる、なんて使い方もできるワケで、なんだか有名なランドマークへのリンク権争奪戦勃発の予感。
 人の顔撮って人物認証なんてSFまがいなこともできそうでサイバーだ(さすがNTTサイバースペース研)。国民の顔をコレでDB化なんてことになったら恐いぞ。まぁ、サングラスとか帽子とかに弱いんだろうけど。

省電力周りがかなり改善されそうなWindows Vista

これでゆっくりスリープできる?–Windows Vistaの電源管理対策 [CNET Japan]
 この記事を見ると、Windows Vista(XPの次のバージョン)では省電力周り、というか「電源を切る」というユーザ・エクスペリエンスが随分向上しそうで楽しみですね。
 今まで、

  • スタンバイ…Suspend。メモリ上にデータを保持。すぐ起きるが、電気を消費している。Macはこっちのみ
  • 休止状態…Hibernation。HDD上にデータを保持。完全に電源が切れるが復帰もちょっと待たされる

という2つのスリープ状態があったのですが、「ようわからんのでそのまま(起動しっぱなし)」って人が多かったらしく、単純化することで環境問題にも寄与しようってなことみたいです。
 記事によるとデスクトップ向けにはハイブリッドなモードが提供されるらしく、HDDに待避をしつつスタンバイ状態を保持。つまりすぐに起きられる浅い眠りをしつつ、もし停電とかでメモリ上のデータがトンでもHDDから復帰可能ってワケです。これは素晴らしい。言われてみると、今までなかったのが不思議なくらいですね。 
 アプリケーションがスリープに入るのを拒否できなくなるってのも重要だと思いますね。今までは、ノートPCの液晶をバタンと閉じてカバンに放り込んでしまうと、何かの調子でスリープに入るのを拒否するアプリがいて電源入ったままになってしまったりしてました。だから完全に電源が落ちるのを見守るまでカバンにしまえなかったんですが、原則それが無くなるのだとすればとても良いことだと思います。
 Office12の目的指向UI [PC Watch]にしてもそうですが、Microsoftはユーザビリティに本当に莫大なリソースを費やしている企業だと思います。(使いやすさに関して)「MSはダメで、Macは素晴らしい」と言われていた時代が懐かしいですね。今や完全に逆転してる気がします(もちろん、Microsoft製品にもまだ改善の余地はありますし、Appleも時折独創的なUXを創出している点は見逃せませんが)。
 成果が世の中の役に立つスケールを考えても、ユーザビリティ屋が仕事をする場所として、今もっともエキサイティングな会社なのは間違いないですね。羨ましい。

ジャストシステム逆転勝訴

ジャストシステム、「一太郎/花子」訴訟で逆転勝訴 [PC Watch]

社会 一太郎差し止め取り消し ジャスト社が逆転勝訴(09/30 15:58) [Sankei Web]

 まぁ、とりあえず良かったですね(意外に審議が早かったなぁ)。

 結局、アレがアイコンかどうかという争点ではなく、そもそも松下の特許が出願時点でありふれたものであり、進歩性がないから特許として無効、つまり侵害も起こりえない、という裁定だったみたいですね。ジャスト側が海外の文献を証拠として提出したようです。

 そう聞くと、「そもそもそんなものに特許を認めるなよ>特許庁」って気もしますが、まぁ先行例が「ないことを証明」するのは「悪魔の証明」なワケで、そんなことを要求したら特許取得にかかる時間が無限に伸びてしまうワケです。とりあえず特許の審査官は先行特許くらいしか調査対象にはできないってことですね。異議申し立てや今回みたいな裁判になって始めて真面目に検討される。しかも異議を唱える側が証拠を揃えなければならない。まぁ、その方が合理的ではありますねぇ。後はもっと異議申し立て時の審査手続きが簡略化できればいいのかも知れませんね。特許にしろ意匠や商標登録にしろ、今はネットを通じた世間の目があるわけですから、「とりあえず私(審査官)には拒絶すべき要件は見つからなかったので特許として認めようと思うがどうよ?」と公示して、一定期間のうちにみんなでダメ出しをするような仕組みにはならないもんですかね?

 ちなみに、もし過去に松下の主張に従って特許料を既に支払っていた会社がいた場合、返してもらえるんでしょうかね?

 さて、松下は最高裁に上告するんでしょうかね?

 

OpenUsability.org

OpenUsability:Welcome
 元々、当サイト道具眼は、σ(^^)が学生の頃、「せっかくもっている知識を活かして、お世話になっているフリーソフトウェア、オープンソフトウェアなどのユーザビリティ向上のお手伝いをしたい」というコンセプトで始まりました(有料製品ならちっとはお金もらおうかともw)。
 結果として無名サイトがそんなことやりまっせ、といってもあまり引き合いはなかったんですが、海外で同じような取り組みをしっかりとしたポータルを作って実行しようとしているサイトを見つけました。
 ユーザビリティ的なアドバイスを欲しているプロジェクトと、アドバイスをしても良いというユーザビリティ屋さんのマッチング的なサイトのようです。
 ユーザビリティ屋メンバーのピア・レビュー制度もあるようで、実績を蓄積したい人にはヨサゲですね。でも、この評価軸が遊んでいて笑えます。例えば協調性みたいな項目(Teamwork / Attitude:)では選択肢が、Q

現場はみんな予想してたろうに…>vodafone

ITmediaモバイル:3G端末の失敗認め、“日本向け”に立ち返るボーダフォン
 海外との端末共通化を推し進めた結果、日本で馴染みの薄いGSM系UI搭載機種ばかり投入して契約者数が大幅減になってしまったvodafoneのトップがようやく失敗を認めたようですね。
 海外では当たり前のGSM系端末では、
・ソフトキーによるオペレーションが中心。発話、終話キーがないものすらある
・ClearとBackが別ボタン
・テキストメニューが主
・SMS、MMSなどメールシステムが異なる
といった特徴があり、日本のPDC/i-mode文化に慣れた身からは違和感ありまくりなんですよね。
 また画面のピクセル数などスペック的な面でも国産端末に比べて見劣りのする点ばかり。
 社内でも現場の人はみんな「これは日本じゃ受け入れられない」と心配していたのに、トップが押し切った形なんですよね。きっと今頃、社員の人たちは「ケッ、だから最初から無理だって言っただろうがよっ」とクサってそうでお気の毒です。
 端末がグローバルに使えるようになること自体は、今後間違いなく必須要件になっていくでしょうから、今回の失敗を取り込みつつ、強みを生かした端末展開をしていってほしいものですね。

石井裕@中京大学公開講座

日本認知科学会
 Tangible bitやAmbient Mediaなどのインターフェイス構想で有名なMITの石井裕氏の講演が5月に名古屋で開かれるようです(上記リンクは認知科学界の最近のお知らせページなのでしばらくすると中身が差し替わっている可能性があります)。
 σ(^^)の母校、中京大学が定期的に開いている公開講座、ソフトサイエンスシリーズですね。昨年Normanが来たのと同じヤツです。
 石井さんの講演は一昨年くらいに新宿のICCで開かれた時にも聞いてますが、その後、どんな進展があったんでしょうね?彼のNTT時代のCSCW分野の業績(クリアボード等)は、σ(^^)がインターフェイスの世界に興味を持つ大きなきっかけとなったものですし、現在の(どっちかっていうとTangibleよりは)Ambient系の研究も非常に興味深く思っています。仕事が重ならなければ是非行っておきたいと思います。
 上記リンクからでは事前申し込みの可否などがわかりませんが、研究室に問い合わせてみたいと思います。大学が一般向けに行っているシリーズなので参加は無料のはずです。

超音波で脳に知覚刺激

ITmediaニュース:味やにおいを感じるゲームがいつか登場? ソニーが新特許取得
 スラド経由。
 わぉ。もし本当に実現したらスゴいですね、コレは。
 でも、「脳の特定部分に向けて」ってのがよくわかんないですね。ある一意の事象に関する記憶って人によって違うでしょうし。
 脳に電極さして特定部位を刺激するとイメージが想起されるような実験は大昔にやられてたと思いますが、はてしてどこまで具体的で情報呈示ができるんでしょうね。しかもソニーだけにエンターテイメント分野への応用が期待されてるみたいですが、メディアとして使えるほど人類共通なものになるんでしょうか?最初のキャリブレーションとか初期学習がひどく大変だったりして。

1分で充電できるバッテリ

東芝、1分間で充電可能な新型電池を開発 – CNET Japan
 やや遅ればせながらですが、これスゲーですな。ノートPCなんかの利用形態が激変する気がします。
 これを機にACアダプタの規格を業界で統一していってほしいものです。出先でバッテリが切れた時に、ちょいと「アダプタと電気貸してください」とか言えるし、街頭充電スタンドなんかのサービスもいっきに現実的になりますよね。