奥泉さん、ブログ開設

同じ、以前いた会社と中京大学大学院の後輩であり、フリーランスのユーザビリティ屋仲間であり、最近はユーザビリティ系書籍の翻訳などをやられている、奥泉直子さんがホームページを開設されました。現在は海外にいるんですが、秋頃には帰国して業務再開するので、その準備という感じです。σ(^^)もちょっぴりお手伝いさせてもらいました。

彼女はもともと海外留学経験者ですし、今もヨーロッパやアメリカに長期滞在して文化コンテクストの違いを熱心にブログにまとめておられます。海外クライアントの案件も経験が多いです。英語絡みの業務ではとても頼りになる方です(ちゃんと英語版ページもあるあたりが彼女らしいですね)。海外企業で日本でテスト実施をお考えの方、逆に輸出製品をお作りで海外でテストをしてみたい方は是非彼女にお問い合わせを。形だけなら割と誰でもできるモデテータ―(進行役)ですが、プロジェクトの主旨をきちんと理解して臨機応変に進行しようと思うとそれなりに経験がいります。彼女はその辺りも信頼してまかせられる貴重な人材の一人だと思います。レポートも多分σ(^^)よりしっかりしたものが出てきますよ。

不況でなかなか規模の大きなプロジェクトを実施できないという企業の方々!お値打ちで小回りの利く我々のようなフリーランスを使ってみませんか(^^)/?

P.S.

リコーさんの連載が諸事情で公開が止まっています。6月ころには再開される予定です。楽しみにしていただいてる方には申し訳ありませんが、しばらくお待ち頂ければと思います。

動画眼インストーラーの動作検証

先日リリースしたインストーラー版の動画眼、動画眼Noteですが、パッケージングを帰省中の実家で行ったため、XP環境や.NET Frameworkが未導入の環境で正しく動作するか未検証でした(Vistaでは複数台で検証済み)。

で、横浜に戻ってきたので、(VMWareによる仮想マシンですが)比較的クリーンな状態のWindows XP(SP3)で動作チェックしてみました。結果、当たり前ですがキチンと.NET Framework 3.5の導入プロセスが開始され、勝手にMicrosoftからダウンロード、インストールが行われた後、動画眼がセットアップされました。素晴らしい。マニュアルに「.exeがエラーになって起動できない時は、Windows UpdateやMicrosoftのサイトから、ほにゃららをDLして導入して下さい」などの説明がサックリ不要になったばかりか、ユーザの手間も大幅に減りましたね。Visual Studio 2008に大きく自腹を切った甲斐があったかな?

ちなみに、.NET FrameworkはVisual Studioで作成したアプリに共通で必要になるソフトウェアで、従来にそれを必要とするアプリを利用したことがあれば既に導入されており、その場合は改めて入れる必要はありません。ただ、必要バージョンが異なる場合は個別に導入が必要です。現行の動画眼、動画眼Noteでは.NET Framework 3.5という版を利用します。これは、XPにもVistaにも標準では入っていないので、どちらか先にインストールする際に上記導入処理が行われると思います。少々お時間を取らせますが、最初の1回だけなのでご了承下さい。

動画眼、動画眼Noteをインストーラー形式配布にしました

前エントリにチラっと書いたんですが、動画眼でバグ修正があるたび(11、12月で5回m(..)m)に、差し替えていただくのはユーザビリティ的にどうよ、ってことで、インストーラーが作成できるVisual Studio 2008製品版を導入しました。しかも、Windows MobileやOfficeアプリケーション開発もできるProfessional版にdive from stage of Kiyomizu temple!! (Standard版より4万円ほど高いorz)。なんか開発系で回収できるよう仕事とってこなきゃ…

ともあれそういうわけで、めでたく動画眼および動画眼NoteをMSIインストーラー形式で配布できるようになりました。zipファイルを解凍していただくと、msiファイルとsetup.exeが出てきますので、setup.exeをダブルクリックしてインストールして下さい。デスクトップとスタートメニューにもショートカットが自動登録されます。おそらくですが、次回以降のバージョンも同様の操作で簡単に上書きインストールができるはずです。

また動作に必要な.NET Framework 3.5ですが、おそらくインストーラー起動時に未導入であれば自動的にMicrosoftからダウンロードされインストールしてくれるようになったんじゃないかと思います。ウチのマシンは全部導入済みで試せてないのですが。上手くいった、いかなかった等、お知らせ戴ければ幸いです。

難点はセットアップファイルの分、容量が増えてしまったことですが、まぁ企業ユーザさんがほとんどでしょうからご勘弁いただければと。あと、多分あまりニーズがないだろうということで、ソースファイルの公開を停止しています。単に面倒だからという理由なので、ご入り用の方がいれば用意します。ご連絡下さい。

動画眼 1.3.2 を公開しました

入院中の余暇を利用して、動画眼をちょびっとバージョンアップしてみました。

某社の皆さんからリクエストを頂いていたのですが、入力済みのメモ行を右クリックして表示する編集ダイアログを刷新して、タイムコードも変更できるようになりました。

あと、細かい点ですが、いわゆるアバウト画面(ヘルプ->「動画眼について」で表示)を設置。サポートページURLへ跳べるハイパーリンクを貼っておきました。某社さんではクライアントさんに納品するデータに添付することもあるらしく、素性を知らずにもらった人がアクセスできるようにとの配慮です。

そろそろインストーラー形式での配布にしたいところですが、VisualStudio2008 Express EditionってMSIインストーラー作れないんですよね。手持ちの2005 Standard Editionをそろそろアップグレードするとしますかねぇ…お金ないけど。というか、2008からWindows Mobie(スマートフォン)向けのビルドはProfessional Editionからしか作れなくなっていて、どっちかうか決心がつかずにいたんですよねー。WMアプリで作ってみたいものはあるんですが、なかなかヒマもないし、とりあえず2008はStandardにしとこうかな…

というわけで、道具眼では皆様からのカンパを受け付けております(笑)。

「未来のモノのデザイン」感想

ちょっと今体調悪くして入院中なんですが、有り余る時間のおかげで(σ(^^)にしては)早々と読了することができました。

タイトルの通り、近い未来に情報システムがより自動的でインタラクティブになった際、どういうユーザインターフェイス、エクスペリエンスが重要なるのかを語った本です。かなり車系の話題が多いので、それ系の技術者の方には色々と感じるものがあるのではないでしょうか。

「誰のためのデザイン」のように実用的なキーワードがたくさんゲットできるというよりは、前作「エモーショナルデザイン」のように、すごく大事なキーコンセプトを1つ語るために様々な事例や架空のお話を交えてるって印象です。

そのキーコンセプトとは、どうして高度に自動化されたシステムとヒトは上手くつきあえないのか、ということに関するものです。カーナビが嫌いで使わない人のエピソードが一番わかりやすかった気がします。曰く、カーナビの提示するルートは、なにを材料に、どういう基準で算出されたものかがユーザから見えない。だからユーザはそれを信頼することができない、というものです。人同士のコミュニケーションでも一緒に議論して決めた結論と、単に上意下達的に与えられたものとでは、例え指示内容が同じでも受け取り方が違うでしょう?と言うワケです。確かにカーナビは人間よりも多くの情報を考慮してルートを算出していますが、一方で地元ドライバーの経験や勘みたいなもの方が上手くいくこともあります。また電子レンジの自動あたためが思い通りにいかないのは、人間と電子レンジでは基準とする指標が違うからという例も出ていました。現在の電子レンジも様々なセンサーを駆使してくれますがそれは技術的に可能であるというだけで、人間と同じ基準でものを測っているワケではないのです。人間と機械はそれぞれ得意分野が違います。より高度な自動化システムとは、なんでも機械が(ヒトの判断を拒絶して)自律的に出した結論を強引に押しつけるのではなく、機械の視点から見た“オススメ”を理由付きで提示し、それにヒトの判断を加味して協調的に結論を導き出していくようなものなのではないか、というのがNormanの主張であり、σ(^^)も激しく同意するところであります。

動画眼1.2.1リリースしました

動画眼の1.2.1をリリースしました。

ログ欄でマウスのホイールによるスクロールができるようになりました(←今までできなかったのかよっ!)。スクロール量は設定画面でカスタマイズできます。

その他、細かいバグ修正が主です。

  • 設定画面のオフセット秒数が記録時と再生時とで二重に適用されていたのを修正(←かなりアホなバグ)
  • MediaPlayer側の再生カウンタと見かけ上ピッタリ同期するようになった
  • 1.0.2で直したはずの修正ダイアログでキャンセルするとメモが消える件が復活していたのを再修正
  • 追加した行がハイライトされ、スクロールも追従するようになった

など。

あと、今回から設定の保存方法が変更になりました(VB2008のMy.Settings方式)。今までインストールディレクトリ下にあったconfig.iniは使われなくなりましたので捨てて構いません。で、お手間ですが再度設定画面から設定しなおして下さい。といっても今のところオフセット秒数とスクロール行数だけですが。インストールディレクトリに書き込みをしなくなったので、納品データと一緒に光学メディアに焼いたものを直接実行してもエラーが出なくなったんじゃないかと思います(試してませんが)。ちなみに設定はWindowsのアカウント毎に個別に保存されます。デフォルトは1秒と3行です。

そういえば光学メディアに焼く場合のデフォルトは別ファイルを一緒に焼くことで調整できた方が便利かも知れませんね。まぁ、実際に要望があればやってみます。

5秒テスト ~ Webページのファーストビュー記憶テストを簡単に実施

Webページを五秒間瞬間提示して、何を覚えているかを書き出すテストを簡単に実施してくれるfive second testというサイトが百式で紹介されてました

σ(^^)もよく一定時間閲覧をしてもらった後、ボカしを入れた画面写真を提示して、「ここは何でしたか?」という記憶テストをすることがあります(過去記事)。ユーザがどこに着目していたか(あるいはしていなかったか)を検証する為です。それのもっと極端なものを簡単に、しかもネット越しに実施するというワケです。

1. メールアドレスと名前、そして評価したいページのスクリーンショット(1MB未満)を登録すると、テスト用のURLが送られてきます。

2. 被験者がそこにアクセスすると、スクリーンショットが5秒間表示された後、下記のような覚えていた要素を羅列するフォームが表示されます。5秒という時間は今のところ変更できないようです。

five-second-test---A-simple

3. こんな感じのメールで記入結果が届きます。

You have received feedback on your five second test:

古田 had the following to say:

1: ロゴ
2: 過去記事

お手軽な反面、かなり単純な作りですね。メール文面も、カンマ区切りとかにしてくれたらExcelとかにコピペしての集計が楽になるのに(自由記述文だからそうでもないか)。

5秒という時間はなにか根拠があって決められてるんですかね?ユーザは5秒でそのサイトをそれ以上見るかどうか決断している、とかなんとか。

また、テスト終了後にはデータを削除するリンクも用意されていますが、やはり開発中の試作画面などは外部サイトにアップロードするのを躊躇うことも多いでしょう。仕組みとしては至極簡単で、たぶん1時間もつくれるので、仕事でやるとしたら同じものを自作する方が良いかも知れません。ただ、本当にちょっとした試行をその場ですぐに実施できる(たとえば営業の場とか?)のは有益かも知れません。

格安の簡易アイトラッキング調査サービス

【アイトラッキング.jp】あなたのサイトにユーザーの視線を!

ちょっとアイトラッキング調査(アイカメラでユーザがWebのどこを注視しているか調べる手法)のことでググっていてたまたま見つけました。1年ほど前に開始されたサービスのようです。

  • ユーザテストを実施しなくてもアドレスを指定すればアイトラッキングの様子をムービーにして納品
  • 被験者一人1万円~(増えるごとに割引になる)
  • タスクも指定可能

アイトラッキングは本格的な装置を買うと数百万するので、これは破格ですね。

気になるのは、

  • 被験者は性別しか指定できない
  • 主にこの会社の社員の方がやってるっぽい
  • 受注過多でかなり待たされるっぽい
  • タスクはどの程度まで複雑なことに対応してもらえるのか?
  • プロトタイプ評価の場合、一時的にインターネットからアクセス可能にしなければならない

という辺りでしょうか。毎日こればっかやってる人のデータだけだとちょっと公平性に欠ける気がします。年齢層やPCリテラシーも固定だと、我々が普段おつきあいしている様なクライアントの多くには納得してもらえない気も。タスクも単に「○○の商品を探して購入する」というレベルだと限界がありそうです。外部アクセスの問題は、まぁ認証技術を組み合わせればなんとかなるかな?

ただいくつかの制約を前提にしてもこの価格は画期的ですし、実際人気もあるみたいですね。覚えておいてクライアントさんへ提示できる選択肢の1つとしておきたいと思います。アフェリエイトとかやってないかな(笑)。

ちなみに、もう少し本格的なユーザテストと組み合わせてアイトラッキング分析をしたい場合は、ビービットさんやエクスカルさんなどがサービスを提供されています。また今回ご紹介した三社が採用している非装着型のアイカメラ「アイトラッカー」を販売しているtobiiさんでは、システムのレンタルも検討していると営業さんが話していたらしいので興味がある方は問い合わせてみると良いかも知れません。

音声技術イベントでパネルディスカッションに参加します

JEITAシンポジウム:Speech Technology: Today and Tomorrow

来月、JEITA(電子情報技術産業協会)主催の音声技術の普及に関するシンポジウムにて、パネルディスカッションのパネリストとして登壇させていただくことになりました。σ(^^)の師匠も参加するのでちと気を引き締めていかないとです。

なかなか普及しない音声認識技術をもっと広めていこうぜ的なイベントです。後半に各社の技術展示なんかもあって、音声認識マニアにはたまらないイベントになりそうです。

先着150名ですが、参加は無料なのでご興味をもたれた方は是非ご参加下さいませ。