書評「Web進化論」

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 主にネットディ方面の知人が絶賛していたので、遅ればせながら買ってみました。タイトルだけ聞いていて、著者を知らずにいたんですが、よくよく見たら梅田さんじゃないですか。彼のブログはσ(^^)の周りのブログなんかでもよく引用、トラックバックしてあり、その内容の良さは認識していたので、それなら読んでみよう、と。

 さすがに彼の文章は、内容が鋭く濃いながらも、読みやすくわかりやすいですね。物書きとして見習いたいです。中身はタイトル通り、Web、インターネットの歴史的発展の経緯や、Web2.0を含めた今後どんな面白いことが起きそうかということが綴られています。新書サイズなのでサッと読めちゃいますし。

 とりあえず、

  • Googleは検索エンジンの会社だと思っている人
  • Amazonは本屋(ネット通販小売り業者)だと思っている人
  • ネットビジネス=無料コンテンツに広告バナーを貼って稼ぐこと、だと思っている人

は、是非読んでみると良いと思います。目から鱗だと思います。これからの10年でインターネットが世界をどう変えていくのか?アルファギークな人達が何にそんなに興奮しているのか?等がよくわかるんじゃないでしょうか。

夢見る脳

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 今日、たまたま見た夢から自分の精神状態を云々している友達のmixi日記を見て、ふと大学生の頃に読んだ本を思い出しました。人は夢をどうして見るのかについて最新の(といってももう1992年出版)理論を展開している本で、フロイトの精神分析的な理論をバッサリ否定しています。「フロイトのせいで、夢の科学は100年は遅れ、いまなお大いなる悪影響の下にある」みたいなことを書いてたのが印象的でした。

 (当時読んだ記憶を元に書くと確か、)この本の主張によると、細胞が寝ている間に生体電気的なノイズを発していて、それを外来の感覚刺激と区別できない脳が意味のある情報として解釈しようとした結果が夢である、ということだったと思います。つまり、本来はランダムパターンでしかない電位信号を、例えば視神経方面から来たらそれを視覚刺激だと思って解釈してしまうということですね。当然本来は整合が取れない入力なんですが、視覚、聴覚、触覚、更には思考にいたるまで、通常認知と同様に記憶などを活用してトップダウン的に補完を行い、一応筋の通った“体験”に仕立ててしまうんだからスゴいですよね。夢が矛盾してたり非現実的だったりするのは、そもそもが一貫した意味のある入力を元にしてないから当然なんですね。

the_cat.png

 右の図を見てください。これは人間の知覚が脳のトップダウン的なバイアスを受けて歪むことを示している有名な図版です。「THE CAT」と書いてありますよね?でも実は、二文字目と五文字目は脳への知覚刺激としては同じ入力のはずなんです。しかし、前後の文字と単語に関する記憶が知覚を“歪めて”しまうために、認知結果が異なってしまうんですね。恐らく上で言っている夢の解釈も、これのすごく高度で複雑な処理が行われて、なんとか意味のあるものに仕上がる、というワケです。

 当時認知の状況依存的な性質についての知識があったかどうか定かではないですが、今、認知の知識を多少なりとも得た状態で考えると、逆に昼間起きているうちに行っている認知活動だって、本質的にはこれくらい「でっちあげ」に近いバイアスを受けていたって不思議ではないということに気付きます。もちろん現実世界からの刺激はずっと系統立っているし、そもそもそれと一貫した刺激を長年受けることで構築してきたデータベースを使って解釈を試みるわけですから、基本的にはそうヒドい矛盾が起きたりとかはしないんですけどね。でも言ってしまえば、人の“現実”感なんてのもその程度のもの(過去の記憶と矛盾しない)でしかないのかも、と思ったり。

 今、この本が研究の最先端でどういう位置づけにあるのかは知りませんが、これを読んだ時、なんだかスゴく興奮しました。もともとカウンセラー志望で心理学科を選んだものの、勉強してみて「なんか違うな」と思い、3年で知覚、記憶などを扱う基礎心理学系のゼミを選んだ頃だったのも重なったんでしょう。もともと既存の概念を根底からひっくり返すような発言や思考が大好きですし(^^;)。一時は真面目に卒論で夢について取り組みたいと思ってました。実験が大変だから無理と教官に止められましたがw…

エモデザ発見

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出てました。ブック1st渋谷で最後の一冊。
地下のデザインのコーナー。今までの著作とは置き場も異なるんですね。
想定は今までと同じ。カラー写真は冒頭にちょっぴりだけ。ちと残念。

「Emotional Design」邦訳が出ます!

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Yahoo!ブックス
 待ちに待ってたEmotional Designの日本語版が出るようです。まだAmazonには登録されてないみたいですね。ISBNからして、このリンク先にそのうち登場するでしょう。是非こちらからお買い求め下さい(笑)。
 しかし例によって微妙なタイトル(副題)だなぁ。「微笑を誘う」だけでは偏った部分しか表せてない気がしますね。
2004/10/18 追記
 出たようです。渋谷のブック・ファーストには在庫があるとのこと。Amazonにはまだ掲載されてないなぁ。
2004/10/19 追記
 Amazonにも載りましたね。上記リンクからたどれます。

『Emotional Design』概要

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『Emotional Design』概要<道具眼流お作法 [道具眼流お作法]
 少し前になりますが、『誰のためのデザイン?』のD.A.Norman氏の新刊『Emotional Design』の概要を、日本語版刊行に先だって解説してみました。

Apple Human Interface Guideline復刊

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Human Interface Guidelines(Apple Computer, Inc.) 復刊リクエスト投票 [復刊ドットコム]
 へぇ、あの本が復刊されるんですね。当時のMacintoshのソフトウェアをデザインする上での指針がまとめられた公式本です。学生の頃、視覚障害者のために、ボリュームを0にした時は音のかわりに画面をフラッシュさせて視覚的にアラームを知覚できるようにしておきましょう、とか書いてあって「なるほど」と思ったものです。こういう良質な資料のおかげで、当時のMacintoshのソフトウェアの品質や一貫性が保たれていたんですよね。
 復刊ものにしてはそんなに値段もハネ上がってないし(当時もこれくらいだったような?)、お読みになったことがないという方はこの機会にゲットしてみてはいかがでしょう?
 はて、ウチのはどこに埋まってるかな…
P.S.
 おや、一緒に電子出版要望の投票も行われていますね。σ(^^)はむしろこっちが欲しいなぁ。みなさん、投票よろしくお願いします。

UMLとユーザビリティ

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 連休中にUMLについてかじってみました。
 元々はJavaなんかのオブジェクト指向言語の仕様書を図解し、プロジェクト・メンバーとのコミュニケーション・コストを軽減するのが目的だったようですが、要求定義やタスク分析に使うアクティビティ図やユースケース図あたりは、営業なんかの非プログラマーが顧客とのやりとりに活用するようなケースも増えてきているみたいですね。そういう人向けの本[Amazon.co.jp]まで出ているようで。
 σ(^^)が契約社員をしている会社では従来から独自の操作フロー図、思考フロー図といったダイアグラムを用いて分析をしてきましたが、これからはクライアントからUMLで描いてくれ、とか資料としてUMLを渡されるケースも増えてくるのかも。

Emotional Design 発売!

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Emotional Design: Why We Love (Or Hate) Everyday Things [Amazon.co.jp]
 出ましたね。ユーザビリティ屋の必読書「誰のためのデザイン?」のDonald A. Normanの最新刊。
 使い方がわかりやすいだけじゃなくて、楽しく目的を達成させられないと本当に「良い道具(製品)」とは言えない、ということで、道具の「楽しさ」はどこから来るのかを、Norman得意の様々な例を交えての議論で展開しています。
 日本語版は2月か3月に出る、、、かな?