CD/DVDの破棄

 年末の大掃除に向けてネタのひとつをば。

 ユーザテストの記録映像をDVD-Rで残すことは多いと思いますが、その処分はどうしてますでしょう?そのまま捨ててしまうのはさすがにマズいですが、手で割るのを割と力が要りますし、金属片やプラスチック片が飛び散って大変です。かといって何万円もする本格的なメディア・シュレッダーを購入するのもなぁ、と思ったりします。

 先日DVD-Rを処分する時にちょっとリサーチしてみましたのでまとめてみます。

■もっとも安価な方法

 こちらで紹介されている方法が簡単でヨサゲです。CD/DVDは記録面にレーザーを照射することで情報を書き込みますが、実際にはレーベル面からの方が記録部分には近い(記録面から見ると透明な保護層が分厚いだけ)ので、レーベル面を破壊するところがポイントですね。

 枚数が多いとちょっと手間ですが、プロジェクト単位(数枚?十数枚)の破棄ならこれで充分かも知れません。破壊レベルもかなり高いです。 ガムテを使うあたりはゴミ分別的には無駄が多い気はします。

 あとは、電子レンジで“焼く”と激しく火花が散ってヒビだらけになるという話ですが、なんだかレンジに悪そうなので試してません(^^;)。

■記録面にキズをつける系

 ELECOM ディスクデータクラッシャーSCR-CD001 は記録面にキズをつけることで読み込みを不可能にするという商品のようです。お値段\3,150とお手頃ですが、研磨機で記録面を磨いてやれば読めちゃうんじゃないの?という不安はありますね。まぁ、よほど重要なデータが入ってそうなディスクでない限り、キズをみて諦めるんでしょうけど。ただ、USBから電源を取る、というのがやや面倒ですね。乾電池式の方が手軽だったかも知れません。

 マクセルのCD-Poit(CDポイッと)はディスクの最内周部にTOC情報(ディスク全体のデータの管理情報)が記録されているのに着目し、その部分だけにキズをつけることに特化したお手軽な製品です。今回紹介する中ではもっとも手早く実施でき、かつ普段場所もとらないという長所がありそうです。実売価格も下のシュレッダーと同じか少し安い程度みたいです。こちらも破壊レベルとしては低めですが、現状あまり問題ではないかも知れません。ただ将来、「TOC情報が壊れていてもピットレベルでデータを取り出せます」みたいなデータ救出ツールが登場したら、なんて一抹の不安はあります。

■PLEX ERASER(ソフト版)

 先日CD/DVDドライブで有名なPLEXTOR社から、PLEX ERASERなる光学メディアのデータ破壊装置が発売されました。 記録用のレーザーでデータを上書きすることでデータを読めなくする仕組みのようです。ディスクを挿入すると自動的にデータ破壊が始まるので、通常の外付けドライブと間違えないようにトレイがオレンジ色してるのもユーザビリティ屋的には感心してみたり。ガジェット好きなσ(^^)としては最もそそるソリューションですが、お値段\25,000ほどするので、ちょっとなぁ、と。

 と思いつつ情報を精査していると、どうやら元々はPLEXSTOR製のドライブに添付のソフトで実現していた機能とのこと。あれ?ウチのマシンにも1台PLEXTORのDVDドライブあるぞ、と思い調べるとなんと対応していました!ちょっとわかりづらいですが、添付ユーティリティのPlexTools Professionalの中にあります。ちょっと完成度がイマイチで、処理中でも「開始」ボタンが押せるようになっていて、うっかり押すとハングアップしたり(^^;)。処理時間はクイックで数秒、フルで3分半程度でした。おそらくクイックはTOCのみを破壊してるのでしょう。DVD-Video形式で焼いたDVD-Rをクイック処理した後でプレーヤーにかけてみましたが、ちゃんと読めなくなっていました。ちょっと得した気分です。ここ1年位の同社製DVD-Rドライブをお使いの方は対応しているか調べてみてはいかがでしょう。

 ただ、こういった手法は外見的には破壊したことが見てとれないので、例えば半透明ゴミ袋で見えてると漁られそうで気分的には不安が残りますね。「データ破壊済み」みたいなスタンプ作ってレーベル面に押しときたい気分です。

■CD/DVD対応ハンドシュレッダー

 意外にもハンドシュレッダーでも光学メディアに対応したものがありました。例えばサンワサプライのPSD-16はAmazonで\2,361と値段もお手頃です。クロスカット(より安全な縦横のカット)と書いてありますが、CD/DVDやクレジットカードはストレートのみのようです(製品ページに破砕写真有り)。クレジットカードやキャッシュカードのような磁気ストライプだとクロスの方が安心な気もしますが、光学メディアならストレートでもあまり問題はない気はしますね。

 割と力がいりそうなイメージがあるんですが、実際にはどうなんでしょう?ちょっと試してみたいですね。 見かけたら買ってしまうかも知れません。


Captcha認証の是非

 ご無沙汰しております。

 ここんとこリコーさんとこの連載の掲載のお知らせくらいしか更新がなくて恐縮です。

 あ、16回目も無事掲載された様です。

 “使いやすさ”への取り組み / 古田さん、それって使いやすいですか? 第16回 | Ricoh Japan

 さて、ロクにエントリはない一方で、スパムコメントの多さには辟易しています。本ブログで利用しているMovableTypeも色々対策がなされており、TypeKeyというID無しの場合はコメントの即時掲載がされない仕組みになっていますが、このID無しでスパム投稿スクリプトによるコメントが多く、時々スパム以外のコメントも見落としてしまうという失礼をおかしてしまっています。

 で、ふと思ったのは、最近流行のCaptcha認証(ぐにゃっと変形した文字を読み取って記入させることで、スクリプトではなく人間が操作していることを証明する技術)が利用できないかな、ということ。探してみるとやっぱり、MovableTypeで利用できるプラグインを見つけました。厳密にはMovableTypeのプラグインというよりAuthen::CaptchaというPerlモジュール(やっぱりあるんですねぇ)を利用した簡単なハックみたいですね。

 さて、このCaptcha認証。初めて知った時には非常に感心したものですが、1つだけ欠点があります。それは視覚障害者の方が音声読み上げブラウザなどで閲覧する際にバリアになってしまうという点です。随分前にCNETでも取り上げられています。曲がりなりにもユーザビリティ屋のサイトで使ってもいいのかなぁ、と(^^;)。あと、当サーバーでホストしている他のブログも一律にこのプラグインが機能してしまうことになるので、σ(^^)の一存でも決められません(意見下さい。>利用者の方)。従来のTypeKey認証とは併用可能のようです。つまり、TypeKey認証を通った後はCaptcha認証は不要になります。

 TypeKey認証ってやっぱり敷居が高いんですよね。MovableTypeやその派生ブログシステムを利用している人には馴染みがあるでしょうけど、それ以外の通りすがりの人がコメントしようとした時なんかにはそこで「めんどくさそうだからいいや」ってことになっちゃうでしょうね。現実問題、ウチのサイトを視覚障害者の方がご覧になっていて、なおかつコメントしてくださる可能性は低そうなのと、その場合は従来通りTypeKey認証という手段が選択可能、ってことでアリかなぁ、とも。

 うーむ。

 Captcha認証以外にもスパムコメントを受けにくくするテクニックはいくつかあるんですよね。hiddenでパラメーターを埋めるとか、半角英数字だけのコメントは受け付けないとか、CGIのパスを変えるとか。ただこれらはMovableType本体に手を加える必要があるので、バージョンアップの度に同じ手間がかかったりしてメンテナンスが大変なんですよね。

 うーむ。

mixiの機能要望サービス

 皆さんはmixiを利用されていますか?今朝方は500万人突破が報じられましたね。女性比率がわずかに大きいというのも珍しいですね。

 さて、そんなmixiの中で面白いサービスが立ち上がりました。表題の「機能要望サービス」です。ユーザがmixiに対して、「こんな機能が欲しい」という要望を出し、他のユーザが「良い(ほしい)/悪い(いらない)」をコメント付で投票できる仕組みです。

 開設から三日目ですが、既に2,000件に迫る要望が挙げられているようです(内容的には重複も目立つ)。今までも、一部のオンラインソフトウェアなどで配布サイトに掲示板を設けて要望やバグレポートを受け付ける試みをしていたところはありましたが、ここまで大規模なものはなかったんじゃないでしょうか。研究対象としても美味しそうなだけでなく、単純に、一般ユーザでもこうして受け入れ口を用意してあげればこんな良い意見を発することができるんだ、ってことが嬉しいですね。

 今後運営側がこの膨大な要望をどう捌いていくかが見物ですが、他の企業が取り入れたくなるような良い成功事例が残せると良いですね。

(ちなみに利用方法ですが、(少なくとも今日現在では)自身のトップ画面の右サイドバーの一番下に「あなたの機能要望をお待ちしています」というテキストリンクがあります。)

 

NielsenのAlertbox書籍版発売になりました

人机交互論: ニールセンのAlertbox

 タルさんのブログ経由。

 U-Siteで連載していたNielsenのコラムAlertboxが書籍化されて発売されました。タルさんの書いてらっしゃる通り、内容はWebで読めるものですが、やはり紙の本になってると読みやすさが違います。内容も細切れなので電車などのちょっとした時間に読むのにも切りがつきやすくて良いかと。

 よく一緒に仕事をする奥泉直子さんも翻訳に携わっているので、売れるといいなと(^^)/。是非買ってあげて下さい。

#そんでもってどうせ買うなら是非こちらのアフェリエイトリンクから(笑)→

『古田さん、それって使いやすいですか?』第十三回掲載

"使いやすさ"への取り組み / 古田さん、それって使いやすいですか? 第13回 | Ricoh Japan
 恒例のが掲載されました。今回はちゃんと写真がありますよ(^^;)。普段あんまりユーザビリティなんて気にしない、って方を巻き込む、という本来のテーマに立ち返って、日用品を題材にとりあげ、「そういわれてみれば、道具の使いやすさって普段からやってることなのね」と身近に感じてもらうことを狙ってみました。

今年もHQLでセミナーやります

人間の構造と特性の理解と製品展開(東京)|講座「人間生活工学」|教育|人間生活工学研究センター(HQL)
 今年もHQL(人間生活工学研究センター)でセミナー講師をさせていただくことになりました。まだ若干名空きがあるようなので、ご興味、ご関心をお持ちの方は是非いらして下さい。
 認知科学や心理学の知見から、ものづくりの参考になりそうなものをピックアップしてご紹介し、ちょっとしたグループ演習作業をしていただく予定です。
 内容は昨年とほぼ同じになりそうなので、去年ご参加いただいてる方はちょっともったいないかも知れません。それ以外、特に工学がご専門の方など、今までソフトサイエンス(人間など定量化が難しい対象をテーマにした“ユルい”科学)にご縁が無かった方などにはちょっと風変わりで目新しいお話になるかも知れません。

『古田さん、それって使いやすいですか?』第十二回掲載

"使いやすさ"への取り組み / 古田さん、それって使いやすいですか? 第12回 | Ricoh Japan
 掲載されました。また写真がない。やっぱ寂しいなぁ。機能重視な性格なので、つい必須でない写真はケチってしまいます。例えば今回、UXでの商品選びみたいな話をしているので、σ(^^)がまさにそれを理由に乗り続ける愛車の写真くらいポンと入れりゃいいんでしょうけどね…。今後の課題にします。
 当初1年間(12回)の予定で始まった連載でしたが、皆様に応援いただいたお陰で、引き続き書かせていただくことになりました。ありがとうございます。
 ちょっとネタ切れ気味なので、少し毛色がかわるかも知れません(認知科学寄りのネタとか)が、これからもご愛読いただければと思います。ご意見、感想なども歓迎です。

簡易テキスト入力スピード測定ツール

 近日某所でVAIO type U(UX90PS)とOrigamiのSmart Caddieの比較レビュー記事を書く予定なので、超簡単なテキスト入力スピード測定ツールを作ってみました。

画面写真

 任意に設定した課題テキストを任意回数入力し、その時間推移を記録します。Excelなどにコピペして集計することを前提に、CSV(カンマ区切りテキスト)で表示しますので、適当にコピーして利用してください、というヌルい仕様ですw。

 しかも思いつきで1時間ほどで作ったのでタイマー精度とか適当です(悪評高いVisualBasicのタイマーコントロールを利用)。なので秒単位でしか記録しないようにしてあります。

 普通にテキストフィールドの入力文を判定しているので、ソフトキーボードだろうが手書きパレットだろうが測定できます。基本コントロールしか使ってないので、もしかしたらWindowsMobile用にビルドできるかも知れません。そしたらW-ZERO3でも比較できますね。後で挑戦してみます。

 興味のある方はご自由にもっていって下さい。 要望があればソースも置きます。

 ちなみにσ(^^)の場合、デスクトップ機で画面の課題テキストを打った場合3秒程度。type UXのキーボードだと9秒くらいかかります(ATOK2006。予測変換使用せず)。

 ちゅうか、Smart Caddieがコネー !

Webレイアウト再生課題の提案と議論

mixiホーム画面のサンプル

 ほとんど思いつきだったんですが、こないだとあるユーザテストで、トップページのスクリーンショットをボカした用紙を被験者に渡して、どこに何があったか再生してもらう、とういタスクを実施してみました。

 基本的にはクライアントに「ほらこんなに詰め込んでも、読み手は目に留めてもいないでしょ」的なことを言えればと思ってのトライアルです。まぁ概ねそんな感じの結果になりました。

 こういうことされてる方っていますか?いくつか検討の余地もあるかと思っていて、色々と意見がいただければ思い紹介してみます。

■提示方法

 おそらくWebページの閲覧自体は心理学用語でいう再認課題なので、完全な白紙に書き起こしてもらう必要はないはずです。Webを訪れてパっと見の瞬間で想起ができればいい話ですからね。では具体的にどれくらいのボカし具合が適切なんでしょう?

 一応今回は、mixiのホーム画面の例で言えば、右の画像くらいのボカし具合で、例えばバナーや画像、検索フォームなどは仮に初見でも想像はついてしまうレベルで実施しました。それはそれで再生課題でも再認課題でもないんじゃないの?という議論はあるかと思います。

■分析

 相手が「ほらね」、「う~ん、ホントだ」で納得してくれればいいんですが、それなりに定量的な分析も必要になる場合もあるかも知れません。そうだとして、何をどうカウントすべきなんでしょう?

 その他、先行事例やアイデアなどありましたら是非お聞かせ下さいませ。

 なお、手軽にお試しいただけるよう、mixiのホーム画面を使ったお試しPDFファイルを用意しました。よろしければお手元で印刷して「ここは何で、こっちは何…」と実際に書き込んでみてください。