遅いネットワークをシミュレートする方法

Pocket

-=NEGiES Official Homepage=-
 とある案件で、遅いネットワークでSkypeビデオがどれくらいマトモに映るかを検証する必要ができたので、なんとかプロキシの類でデモできないかと調べたところ上記のツールを見つけました。Windowsのアプリで、アプリ別、ポート別に帯域制限をかけたり遮断したりすることができます。帯域も絞れるファイアウォールといった感じですね。パケットモニタとしてもなかなか使いやすさそうで、応用が利きそうなので覚え書きがてらご紹介しておきます
 また、Webだけで良いのであれば、SloppyというJavaベースのツールも発見。こちらはJava環境さえあれば、LinuxやMacOSXでも動くようです。しかもインストール不要で、ブラウザからリンクをクリックするだけで立ち上がるようです。

小型トランシーバー DJ-PX2

Pocket

 少し前のエントリで書いた小型トランシーバー、ALINCOのDJ-PX2を購入して、先日実際にユーザテストに使ってみたのでレビューしてみます。

 結論からいえばほぼ満足です。今まではベルトクリップ付きの機種で腰につけて耳までイヤホンを取り回していたのですが、PX2のサイズなら胸ポケットに入れてショートケーブルのイヤホンを使うことで、非常にスッキリさせられます。厚みが薄めなのが良いです。

 下の写真はCFカード、SDカードと並べた様子です。

DJ-PX2

  ショートアンテナは縮めたり外したりはできず固定です。受信専用モデルで割り切れる場合は、DJ-RX2の方が良いでしょう。ただ一般的な胸ポケットならスッポリ隠れてしまう程度ではあります。

 どちらのモデルもイヤホン(マイク)はやや大降りだったので別に用意しました。最初、市販品で代用しようと思ったのですが、まずピンジャックの径が一般的な3.5φではなく、2.5φなのと、普通のモノラル仕様のイヤホンを挿すとピン配列の関係で送信状態にロックされてしまうという問題が発生しました。プラグの挿し具合を途中で止めれば大丈夫なのですが、業務で使うので安定第一で純正品を追加購入しました。胸ポケットからとりまわすにはやや無駄に長いんですが、まぁ仕方ないかなと。

 基本的なUIは上面の電源スイッチと前面のボリューム(四角い方がUp、丸がDown)のみ。チャンネルなどの設定は前面下部の電池カバーを外した中にあるDIPスイッチで行います。急に混線しだしたのでサクっとチャンネルを変えたい時や、二進数が苦手な人にはちょっと扱いづらいかも知れません。

 いずれにせよポケットにすっぽり入ってしまうので、被験者さんからみてイヤホンしか見えないというのは極力意識させない意味では有益かなと思います。これから買う方は片方をこの機種にすることをお奨めします。ただし本体にマイクが内蔵されていないので、観察ルーム用は他の機種が良いと思います(PX2だと付属のイヤホンマイクを使う必要がある)。特殊小電力型のトランシーバーでしたら問題なくつながるはずです。

 あと、ユーザテストで観察室からのメッセージをトランシーバーで伝える場合、1つ問題になるのは、PTTボタンを押してすぐにしゃべると、聞いてる側で最初のコンマ何秒かが欠けてしまう点です。話す側の人に「ボタンを押して一瞬待ってから話しだす」ことを徹底してもらいましょう。

トランシーバー物色

Pocket

 観察室設置型のユーザテストではトランシーバーがあると便利です。観察室側から進行役にメッセージを出すのに便利だからです。

 聞くところによると、多くのインタビュー調査会社ではそういったサービスを拒否するところも多いそうです。実際、σ(^^)が時々臨時で進行役を依頼される某調査会社もそもそも機器を持ってすらいませんでした。確かに進行役の負荷は高いので嫌がる気持ちもわかります。しかし、より適切でスムーズな進行のためにはやはり用意するべきだと思います。単に観察室(クライアント)側から追加の質問が出せる、というだけでなく、例えば以下の様に進行役にとってもメリットがあります。

  • 被験者から対象製品・サービスなどに関する背景質問が出た時にフォローしてもらえる
  • 機器トラブルの時に解決方法をアドバイスしてもらえる
  • 進行上のミス(タスクをとばした等)や進行ペースの遅れ等に関する指摘を受けられる

 観察室から適切なフォローが受けられれば、むしろ進行役の負担は減ることすらあると言えます。もちろん、なるべく完結な言葉で用件を伝えるなど、進行役と被験者の会話を阻害しない配慮が観察室側にも必要ですが…。慣れていないクライアントさんにマイク持たせちゃうと、要領を得ない質問を長々とされて(被験者とも)会話を中断せざるをえなくなったりなんてことも実際にありますしね。

  • 悪い例 「えーっと、聞こえますか?もし時間があったらついでに聞いてみて欲しいんですけどぉ、先程被験者の方が純正ナビではなく後付を選んだと言ってたじゃないですか?その理由をどうしてかなと思いまして…」
  • 良い例「後付ナビにした理由を聞いてください」

■そろそろ買っちゃおうかな…

 さて、土日に某社のお手伝いで久しぶりに観察室アリのテストをしました。そこではσ(^^)が昔薦めて買ってもらった赤外線のオーディオレシーバーを使っていました。なぜか電池は充分にあるのにセッション中に雑音が入りまくって会話を中断する羽目になりました。またこれは前から思っていたんですが、イヤホンのコードが長すぎて取り回しが不便です。この会社では特殊小電力のトランシーバーもあるんですが、ややデカくて重いのと、これまた時々混信があって不便に感じていました。

 冒頭に書いたように結構大手の調査会社でもトランシーバーを持っていないケースもあるし、いっそ今時のより良い製品を自前で持っておこうかなと思いました。誰かの参考になるかも知れないので、物色履歴を覚え書きしておきます。

■Bluetoothレシーバーでなんとか

 まず今時、トランシーバーを使わなくていいんじゃないかと。どうせすぐ隣の部屋で到達距離はさして必要ではないんだし、最近の数グラムのBluetoothレシーバー(ヘッドセット)で代用できないかと。例えばウチにあるPlantronicsのDiscovery640Eなんかだとわずか9g。受信だけで良いのでオーディオ用のレシーバーに片耳イヤホン挿して使う手もありますね。またこんな製品も見つけました→。ちょっと攻殻機動隊っぽくてイカしますねw。

 というか、いっそモノラルの受信だけでいいので補聴器くらいのサイズの製品がないもんかと思ったんですが、残念ながら見つかりませんでした。

 送信側はPCを使うのが一番簡単かも知れません。それも2台用意して普通にSkypeとかでつなぐのが楽でしょう。1台でマイク入力の音声をBluetoothデバイスに直接流すのは意外に工夫がいりそうです。ケータイ用の送信機は最近どこにでも売っていますが、これもマイクの音声を直接は入れられずラインアンプなどが必要になりそうです。なるべくシンプルな組み合わせでできないかもう少し物色してみます。

■王道のトランシーバーでは?

 チャンネルによっては混信の可能性があったり、PTTボタンを押してすぐに話すと受信側で頭がわずかに欠けてなんてしゃべったか聞き取れなかったりする問題はありますが、手軽さではやはりトランシーバーが良いかも知れません。場合によってはクライアントさんに直接使ってもらうこともあるものですから、シンプルさは大切です。

 そんなトランシーバーでなるべく小さいものを物色したところ、アルインコのDJ-RX2という機種を見つけました。この機種はガイド用途などを狙った受信専用モデルで、W54×H75×D15mm/約36g(電池別)という小型っぷりがGoodです。送信側は普通の特殊小電力トランシーバーでOKだそうです。ヨドバシで14,000円くらいのようです。

 また普通のトランシーバーでも同社のDJ-PX2というモデルがRX2と同じディメンションであるようです。値段は3,000円ほど高い模様。でもこの価格差だと普通に送受信できるPX2を買っておいた方が良いかも知れませんね。アンテナが邪魔っぽいですが。

 受信専用モデルとしては、SONYにもRCB-U33というのがあったみたいですね。こっちの方が微妙に小さく厚い、W50×H72×D20mmだそうです。どこかに売れ残っていればこれでもいいかも。

 とりあえず、近いうちにお店で現物を見てこようと思います。

ビデオ分析に便利な動画プレーヤー DV

Pocket

窓の杜 – 【NEWS】DVDやSWF/RMファイルの再生にも対応するシンプルで軽量な動画プレイヤー「DV」

 昨今はHDD内蔵ビデオカメラも普及してきて、ユーザテストをMPEG撮りしてる方も多いのではないかと思います。動画ファイルだとPC上で閲覧すればスライダーで再生点をサクサク移動できる点も便利ですよね。

 そんなPC上でのビデオ分析を更に便利にするのに、動画眼ではキーボードショートカットで一定秒数の早送りや巻き戻しを搭載してきました。ようするにトランスクライバ(テープ起こし用のカセットプレーヤー)のビデオ版みたいなことができるわけです。この機能、マウスホイールでできたらずっといいなぁ、と思っていて、実は以前IPA認定の天才プログラマーである近藤さん@中京大にプロトタイプを付くってもらってあり、個人的には非常に便利に使わせてもらっていました。ソースももらっているのでいずれ動画眼にも取り込もうと思っていました。しかし、どうもVistaと相性が悪く動画再生時にエラーが頻発してしまう現象に見舞われていました。近藤さんも忙しい身なのでなかなか時間をとってもらうのは心苦しく、σ(^^)のスキルではお手上げ状態でした。

 そこで当面の代替策がないかと思ってググったところ、ホイールでスキップができるプレーヤーを発見しました。それが冒頭のリンクで紹介されている「DV」です。静止画ビューワーの「MangaMeeya」並にUIのカスタマイズの自由度が高いです。ホイールは標準では音量調節ですが、カスタマイズすればスキップに充てられます(標準では15秒)。その他にもキーボードにあらゆる機能を割り当てられますので、多ボタンマウスでキーストロークを割り当てられるマウス/トラックボールと組み合わせれば、片手でかなりの操作が可能になると思います。

 またWindows Media Playerのサイドバーのように同一フォルダ内のファイル一覧を出しておけるので、セッション毎の動画ファイルの行き来もワンクリックで可能です。

 まだ試してないですが、簡単にスクリーンショットを撮る機能もついているので、レポート作成にも有用ですね(XP以前のWindowsでは、オプション->メディア->レンダラをオーバーレイミキサ以外(VMR9など)にしないと撮れないかも知れません)。

 MPEG2コーデックがインストールされていれば、DVD-Video形式の再生にも対応するようなので、DVDレコーダーで記録したDVD-Rにも対応するはずです。

 設定項目が多いので、導入時にちょっと敷居が高いかも知れませんが、設定をつきつめると手足のように馴染むプレーヤーだと思います。是非おためしあれ。ちなみにフリーソフトです。

 トランスクライバ的に使うには、FFとREWの時間が個別に指定できた方が良いんですが、これは作者の方に要望メールを送ってみました。将来的に対応していただけると嬉しいですね。

 あと、ウチの環境では最初音声にノイズが入ってたりしたんですが、オプション->メディア->プロセスの優先度順位を「リアルタイム」にしてみたらおさまったようです。

 

 いずれ動画眼にもホイールスキップ機能は実装していきたいとは思いますが、当面はこのDVでシアワセになれそうです。

CD/DVDの破棄

Pocket

 年末の大掃除に向けてネタのひとつをば。

 ユーザテストの記録映像をDVD-Rで残すことは多いと思いますが、その処分はどうしてますでしょう?そのまま捨ててしまうのはさすがにマズいですが、手で割るのを割と力が要りますし、金属片やプラスチック片が飛び散って大変です。かといって何万円もする本格的なメディア・シュレッダーを購入するのもなぁ、と思ったりします。

 先日DVD-Rを処分する時にちょっとリサーチしてみましたのでまとめてみます。

■もっとも安価な方法

 こちらで紹介されている方法が簡単でヨサゲです。CD/DVDは記録面にレーザーを照射することで情報を書き込みますが、実際にはレーベル面からの方が記録部分には近い(記録面から見ると透明な保護層が分厚いだけ)ので、レーベル面を破壊するところがポイントですね。

 枚数が多いとちょっと手間ですが、プロジェクト単位(数枚?十数枚)の破棄ならこれで充分かも知れません。破壊レベルもかなり高いです。 ガムテを使うあたりはゴミ分別的には無駄が多い気はします。

 あとは、電子レンジで“焼く”と激しく火花が散ってヒビだらけになるという話ですが、なんだかレンジに悪そうなので試してません(^^;)。

■記録面にキズをつける系

 ELECOM ディスクデータクラッシャーSCR-CD001 は記録面にキズをつけることで読み込みを不可能にするという商品のようです。お値段\3,150とお手頃ですが、研磨機で記録面を磨いてやれば読めちゃうんじゃないの?という不安はありますね。まぁ、よほど重要なデータが入ってそうなディスクでない限り、キズをみて諦めるんでしょうけど。ただ、USBから電源を取る、というのがやや面倒ですね。乾電池式の方が手軽だったかも知れません。

 マクセルのCD-Poit(CDポイッと)はディスクの最内周部にTOC情報(ディスク全体のデータの管理情報)が記録されているのに着目し、その部分だけにキズをつけることに特化したお手軽な製品です。今回紹介する中ではもっとも手早く実施でき、かつ普段場所もとらないという長所がありそうです。実売価格も下のシュレッダーと同じか少し安い程度みたいです。こちらも破壊レベルとしては低めですが、現状あまり問題ではないかも知れません。ただ将来、「TOC情報が壊れていてもピットレベルでデータを取り出せます」みたいなデータ救出ツールが登場したら、なんて一抹の不安はあります。

■PLEX ERASER(ソフト版)

 先日CD/DVDドライブで有名なPLEXTOR社から、PLEX ERASERなる光学メディアのデータ破壊装置が発売されました。 記録用のレーザーでデータを上書きすることでデータを読めなくする仕組みのようです。ディスクを挿入すると自動的にデータ破壊が始まるので、通常の外付けドライブと間違えないようにトレイがオレンジ色してるのもユーザビリティ屋的には感心してみたり。ガジェット好きなσ(^^)としては最もそそるソリューションですが、お値段\25,000ほどするので、ちょっとなぁ、と。

 と思いつつ情報を精査していると、どうやら元々はPLEXSTOR製のドライブに添付のソフトで実現していた機能とのこと。あれ?ウチのマシンにも1台PLEXTORのDVDドライブあるぞ、と思い調べるとなんと対応していました!ちょっとわかりづらいですが、添付ユーティリティのPlexTools Professionalの中にあります。ちょっと完成度がイマイチで、処理中でも「開始」ボタンが押せるようになっていて、うっかり押すとハングアップしたり(^^;)。処理時間はクイックで数秒、フルで3分半程度でした。おそらくクイックはTOCのみを破壊してるのでしょう。DVD-Video形式で焼いたDVD-Rをクイック処理した後でプレーヤーにかけてみましたが、ちゃんと読めなくなっていました。ちょっと得した気分です。ここ1年位の同社製DVD-Rドライブをお使いの方は対応しているか調べてみてはいかがでしょう。

 ただ、こういった手法は外見的には破壊したことが見てとれないので、例えば半透明ゴミ袋で見えてると漁られそうで気分的には不安が残りますね。「データ破壊済み」みたいなスタンプ作ってレーベル面に押しときたい気分です。

■CD/DVD対応ハンドシュレッダー

 意外にもハンドシュレッダーでも光学メディアに対応したものがありました。例えばサンワサプライのPSD-16はAmazonで\2,361と値段もお手頃です。クロスカット(より安全な縦横のカット)と書いてありますが、CD/DVDやクレジットカードはストレートのみのようです(製品ページに破砕写真有り)。クレジットカードやキャッシュカードのような磁気ストライプだとクロスの方が安心な気もしますが、光学メディアならストレートでもあまり問題はない気はしますね。

 割と力がいりそうなイメージがあるんですが、実際にはどうなんでしょう?ちょっと試してみたいですね。 見かけたら買ってしまうかも知れません。


Webレイアウト再生課題の提案と議論

Pocket

mixiホーム画面のサンプル

 ほとんど思いつきだったんですが、こないだとあるユーザテストで、トップページのスクリーンショットをボカした用紙を被験者に渡して、どこに何があったか再生してもらう、とういタスクを実施してみました。

 基本的にはクライアントに「ほらこんなに詰め込んでも、読み手は目に留めてもいないでしょ」的なことを言えればと思ってのトライアルです。まぁ概ねそんな感じの結果になりました。

 こういうことされてる方っていますか?いくつか検討の余地もあるかと思っていて、色々と意見がいただければ思い紹介してみます。

■提示方法

 おそらくWebページの閲覧自体は心理学用語でいう再認課題なので、完全な白紙に書き起こしてもらう必要はないはずです。Webを訪れてパっと見の瞬間で想起ができればいい話ですからね。では具体的にどれくらいのボカし具合が適切なんでしょう?

 一応今回は、mixiのホーム画面の例で言えば、右の画像くらいのボカし具合で、例えばバナーや画像、検索フォームなどは仮に初見でも想像はついてしまうレベルで実施しました。それはそれで再生課題でも再認課題でもないんじゃないの?という議論はあるかと思います。

■分析

 相手が「ほらね」、「う~ん、ホントだ」で納得してくれればいいんですが、それなりに定量的な分析も必要になる場合もあるかも知れません。そうだとして、何をどうカウントすべきなんでしょう?

 その他、先行事例やアイデアなどありましたら是非お聞かせ下さいませ。

 なお、手軽にお試しいただけるよう、mixiのホーム画面を使ったお試しPDFファイルを用意しました。よろしければお手元で印刷して「ここは何で、こっちは何…」と実際に書き込んでみてください。

ビデオカメラ用ワイヤレスマイク

Pocket

 前エントリでちらっと触れた、ワイヤレスマイクユニット[SONY]を購入してみました。

 (前エントリの)コメント欄に書いたんですが、やはり前評通り、本体マイクで録画すると5.1chのMPEG2ファイルができあがるので、PC上での取り扱いでやや問題が起きます。Windows Media Player(=動画眼)の場合、AC3コーデックで一応音は出るのですが、やたら音量が小さいなどの現象が起きています。5.1ch対応の編集ソフトも必要になりますし。

 ユーザテストの記録に5.1chは不要なので、2chで記録したいのですが、DCR-SR100は本体だけでは2ch記録ができません(アナログ出力は2chダウンミックスになりますが)。そこで必要になるのがアクティブインターフェースシューに装着する外部マイクです。

受信機の写真

 で、いくつか選択肢があるんですが、やはり買うならこのハイテク感あふれるBluetoothワイヤレスマイクでしょう(笑)。 もう見るからにサイバーです。まるでSF映画に出てくる電波兵器のようです。型番からして、ECM-HW1[hatena]ですもん。絶対狙ってますって!

 右の写真がレシーバーを取り付けた状態です。電源は本体から供給。スイッチは通常のON/OFFと5.1ch CENTERモードがあります。ONだと内蔵マイクがオフになり、ワイヤレスマイクからの音声のみが2chで記録されます(ただしマイク自体はモノラルのような気がしています)。

 5.1ch CENTERモードの場合、内蔵の4chに加え、ワイヤレスマイクの音声がセンタースピーカー用チャンネルに記録されます。つまり、ホームシアター環境で視聴した場合、セリフ用の真正面のスピーカーからの声に割り当てられるワケです。

送信機の写真

 つづいて左の写真がマイク(送信機)です。このようなネックストラップの他に、クリップやアームバンドも付属しています。スイッチはON/OFFだけです。受信機とのBluetooth接続認証も自動で行われます(数秒)。 電源は単四電池2本。

 内蔵のマイクは無指向性です。この手のマイクは机上で使うと、マウスの音など雑音を広いやすいので、被験者にネックストラップで下げてもらうか、進行役の被験者側の腕にアームバンドでつけるのが良いかも知れません。

 ちなみに受信機側にイヤホン端子があり、ワイヤレスマイクが拾った音をモニタすることができます。最近のビデオカメラ本体はイヤホン端子が省かれてることが多いのでこれは助かりますね。



 で、まだ実戦投入はしていないのですが、テレビの前にマイクを置いて、カメラを持って部屋中ウロウロしたり、戸を閉めてみたりしたんですが、その限りでは音が途切れたりすることはありませんでした。我が家にはIEEE801.11a/b/gの無線LANが稼働していますが、今のところ影響は受けていないようです。電子レンジまでは試してないですが、開発者が30m飛ばすことにこだわった[SONY]というのは伊達ではないようです。

 ユーザテストの場合、音声が途切れるのは致命的だったりもしますが、一方では設定の手軽さもポイントです。品質的に問題が無さそうであれば、強力な評価機材になりそうな気がします。

 来週、某社スタッフの運転教習 兼 最新車種の装備をいじろうぜイベントがあるんですが、例えばバックモニタを試用する際に、車内にこのマイクを設置してドライバの声を拾いつつ、映像は車外から車全体の挙動を撮る、なんてことをしてみようかなと思っています。「私(運転者)はこの辺がギリギリだと思います」なんて発話プロトコルと、実際のバンパーの位置の映像とを同時に録れれば、車両感覚の訓練にはよさそうかなと。

HDDビデオカメラ新調しました(SONY DCR-SR100)

Pocket

 大嫌いな書類仕事の中でも特に嫌いな確定申告を終わらせた自分への御褒美として、ビデオカメラを買ってあげました(^^)/。

 過去に何度か書いたかも知れませんが、ユーザテストなどのビデオ分析にはシークが速いデジタルメディアが便利です。特に当サイトでは「動画眼」というPC上の動画ファイルを用いる分析支援ツールを作ってる関係上、撮影データを手軽にMPEGなどのPCで扱える動画形式にできることは重要視しています。

 で、従来はVictorのEverio GZ-MC500[do-gugan]を使用していたんですが、いくつか不満がありました。ひとつは4GBのCFメディアを使うため、1セッション毎にデータをPCに吸い出さないといけないこと。もうひとつは外部マイク入力がなかったことです。この機種を買った後に、1.8インチの20~40GBのHDDを内蔵したEverio[do-gugan]が発表され、周りのユーザビリティ屋さんが買ったりもしてましたが、やはりマイク入力は無しで買い換えるには至っていませんでした。

 ユーザテストはそう騒がしい部屋で行うわけではないので、大抵は内蔵マイクでも足りるんですが、時々声が小さい被験者さんがいたり、音響製品など音を出すものを評価する時なんかには、バウンダリマイクやピンマイクが使いたくなるんですよね。

 で、このSONY DCR-SR100[製品サイト]もやはり外部マイクはなくて、発表時にはスルーしていたんですが、たまたま読んだレビュー記事で、アクセサリシューにガンマイクや Bluetoothを使ったワイヤレスマイクユニット[製品サイト] があることを知り、急遽購入に至りました。

 まだ買ったばかりで、実際の業務には投入していませんが、とりあえずのファーストインプレッションをば。

■主な特徴

 前述の通り、ワイヤレスマイクユニットが使え、マイクユニットをここ[製品サイト] の一番下にあるような形で被験者に身につけたりしてもらえば、綺麗に声がとれるのではないかと。 Bluetoothは802.11b/gの無線LANと周波数帯が同じで環境によっては混信の不安はありますが、どうなんでしょうね。通常のガンマイクとどちらを買おうか思案中です。ちなみに本体内蔵マイクは4chで、作成されるMPEG2データはDolbyDigital 5.1ch形式になるようです。ユーザテストで使うには余分なスペックですね。しかもガンマイクをつけない限り2ch記録にはできないようで…

 通常のマイク入力はないので、選択肢は純正のガンマイクかワイヤレスマイクのみになりますが、とりあえずHDD型のビデオカメラでは唯一外付けマイクが使える、というのが、ユーザビリティ業務用としては最大のポイントかと思われます。

 あと、カメラ本体のの操作で、USB経由でつながったPCの内蔵DVDドライブを使って直接DVDメディアにDVD-Video形式の書き出しができる、という点も、ヨサゲです。ユーザテストの記録として残す(あるいは納品する)だけなら手間暇かけて編集などせず、簡単に焼ければ用は足りますしね。年明けに実家の親にEverioを買わせたばかりなんですが、ちょっと早まったなぁと思います(Everioも光学ドライブを直づけできるモデルが出ましたしね)。

 また直接焼くのではなく、とりあえずMPEGファイルをPC側に吸い出すのことも可能で、ちゃんとバックアップ済みのファイルを記憶しており、新規撮影分だけを自動でPCに転送してくれるようです(まだ試してない)。

■ハードウェア全般

 一般的なDVカメラに比べると、あるいは他社のHDDカメラに比べてもやや大ぶりな筐体ですね。業務では三脚での使用が中心でしょうからあまり問題ではないでしょうが、長時間の手持ちだとやや疲れそうな気はします。

 エルゴ的なデザインはさすがSONYというカンジで、右手で持った時の各種操作スイッチの位置が非常にしっくりきます。店頭で手にもってみた瞬間にかなり買う気が強まりました。個人的には久しぶり(というか買うのは初めて)の横型カメラですが、やはりこのスタイルが廃れないのは持ちやすさの点が理由なんでしょうね。

 ただモードスイッチはビデオ->静止画->再生のサイクリック動作で、基本的にビデオカメラで静止画と撮るつもりがないσ(^^)にはやや煩雑ですね。こういうので静止画撮影を兼用する人って本当に多いんでしょうかね?詳しくない人には訴求すると思いますが、ビデオカメラとしては不要なレベルで高画素化することにはり弊害も色々あるんですけどねぇ。この辺りは消費者を啓蒙していきたいところであります。

 形状的に右手でつかむ部分にHDDが入ってそうな雰囲気ですがどうなんでしょうね。だとしたら発熱が気になります。EverioはCFタイプも内蔵HDDタイプも鬼のように熱くなりますからね。初めて使う人に必ず「なんかこれスゴい熱いですけど大丈夫ですかね?」と聞かれrますw。SR100もマニュアルに「高熱になると回路保護のためシャットダウンすることがあります」みたいなことは書いてあるので、それなりに熱くはなるんでしょう。この辺りは追って長時間運用をしてみて報告します。

 もう1点、試用してみて購入に傾いた理由は動作のレスポンスの良さです。電源オンの時間がEverioに比べると圧倒的に速いです。この手のカメラは総じてバッテリの持ちがあまりよろしくないので、AC利用の業務用途はまだしも、普通に外に持ち出して使うには、マメに電源をオフにして節電をすることになるんですが、「あっ」っとシャッターチャンス(って言うんですか?動画の場合)が来たって時にすぐに撮影が開始できるのは有り難いですね。

■GUI

 最近のハンディカムによく見られるタッチパネル式のUIです。秀逸なのは、トップメニューを自分でよく使う項目にカスタマイズできる点ですね。詳細なセットアップの中のフローはやや使いにくいんですが、よく使うものをトップ階層に出しておけば、それほど困ることはないでしょう。ただ、手ぶれ補正や操作音等の単純ON/OFF操作はトップ画面上のボタンをタッチする度にトグル動作で切り替わって欲しかったですね。二値しかないのに、一旦階層を下がらなければいけないのは面倒に思いました。タッチパネルUIのおかげで、本体のハードスイッチ数が非常に少なくなっている点は大きなメリットだと思いますが、従来ON/OFFトグルでできていたような操作の操作ステップ数が増えるようなことはなるべく避けるべきかと。GUIボタンにインジゲータがついていて、トグル動作しような期待をしてしまいがちだけに余計に気になりました。

 あと、更に細かいことを言えば、トップメニューを呼び出すボタンは画面右端にあって、トップメニューでページをめくるボタンは左端なんですよね。続けてタッチするので、同じ側に寄っていたら良かったのにと思います。また基本的にタッチ操作は左手でやるので、右端のボタンは押しづらいんですよね。

 またこれも最近のハンディカムのお家芸ですが、「シンプル」ボタンでメニュー構成を極基本的なものだけに限定して操作を簡単にする機能がついています。同様の機能はSANYOなどのデジカメにもありますが、この機種のシンプルモードは相当にシンプルです。迷い様がないくらい。しかもシンプルボタンですぐに抜けることもできます。画面内の文字表示が大きめになるのも良いですね。

 削除やプロテクトで指定した日付のものをまとめて処理する機能なんてのも気が利いてるなと思いました。「こないだスキーに行った時のだけまとめて消す」なんて使い方ができるわけですね。

■HDVカメラ とどっちが良いか?

 余談ですが、購入時に同じくSONYのHDR-HC3と悩みました。DVテープに1080iのハイビジョン撮影ができる製品ですね。画面を撮ったりするのに撮影解像度が高いのは良いのですが、再生環境が限られるため、σ(^^)のように受託でテストして納品するような使い方だとあまりメリットが活かせないかなと。インハウスで利用するのであれば候補に入れても良いかも知れません。

 HC3も外部マイク端子がないですが、上記のシューで2種類の外部マイクを利用することは可能です。

 また、HC3でなにより感激したのは、テープの出し入れが上からできるため、三脚にとりつけたままテープ交換できる点ですね。σ(^^)がユーザテスト用カメラとしては必須だと思っている要件なんですが、久しぶりに満たした製品が登場して嬉しい限りです。

 HDDでかつHi-Visionな機種が登場すればベストなんですけどね。個人的にはテレビで観る必要性を感じないので、1080iよりは720p希望です。ようするにXacti DMX-HD1のHDD版ですね。PCで観られれば良いし、保存サイズも小さいにこしたことはないので、MPEG4歓迎です。今年中にどっかから出ませんかねぇ…

■追伸

  σ(^^)はこういう機材をいじるのが大好きなので、「テストに有効だ!」というエクスキューズが成り立つとすぐに買ってしまうクチです。しかしペースがペースなのであまり元が取れている気がしません(^^;)。今後は、機材のみの貸し出しサービスも提供を考えていきたいと思っていますので、社内でテストを実施してみたいけれど、機材がなくて、という方はお気軽に御相談下さいませ。カメラはもちろん、エアボード(無線でとばせるモニタ)やストリーミングサーバーなどウチの倉庫には新品同様で眠っている機材がいっぱい(笑)。

EOS Capture、イイ!

Pocket

EOS Capture 画面写真

 EOS Kiss Digital Nに付属のEOS Captureというツールを使ってみました。これはカメラをUSBケーブルでPCに接続して、遠隔シャッター操作をしたりするユーティリティです。撮影した画像はカメラの内蔵メモリではなく、直接PCのHDD上に保存され、Canon製写真管理ソフトDigital Photo Professionalですぐに展開表示されます。デジカメに外付けの巨大なストレージとモニタを増設したカンジです。

 利点としては、

  • PCの大きな画面で確認ができるので、カメラ内蔵の小さな液晶画面では気付かないようなブレやピンぼけもしっかりチェックできる
  • 遠隔シャッターを使えば本体のシャッターボタンを押した揺れでブレてしまう失敗もない(普通はリモコンやセルフタイマーを使う)。
  • 現在の設定モードが右の写真のように見やすく表示されるので、本体の液晶やファインダ内の表示で確認する必要がない。

 室内でブツ撮りする時にはすごく便利です。レポート作成用にケータイの画面写真をバシバシ撮りまくる時にも使えそう。


 最近までこのツールの存在しら知らなかったんですが、意外な付加価値ですね。Windows版だけでなくMacOSX版まで提供しているところがエラい。次回以降のカメラ選びでは重要な要件になりそうです。他社がどうなのか調べてみたところ、コニカミノルタは一部機種用にフリー。ペンタックスもフリー(Win/Mac)。ニコンは別売りのようですが有料だけあってかなり多機能っぽいです。

オープンなユーザテスト風景ビデオ素材

Pocket

事前説明してるところ
事前説明してるところ
テスト風景
タスク実施してるところ
観察室の様子
モニタールームで観察してるところ
今まで、こんな写真も気軽に出せるものがなかったんですよね
(施設提供:株式会社ユー・アイズ・ノーバス)

 今日はmixiの「ユーザビリティの会」コミュニティ内の有志で集まって、模擬ユーザテストの実施と撮影を行いました。

 世の中にユーザテストってこんなもんですよ、ということを気軽に参照できるビデオってのがないね、ってことが発端で、フットワークの軽い同コミュニティで「サクっと作ってフリーで公開しましょうよ」ってことになりました。どこも業務で実施したテストの映像は山ほど抱えてるのですが、気軽に外に公開できるものって持ってなかったりするんですよね。

 ユーザテストの被験者入室から退室までの流れを複数のアングルで収めました。タスクは携帯電話の電話帳登録で、被験者の発話は多めです。

  • 画面のアップ
  • キーを押す指のアップ
  • 被験者と進行役が並んで座ってる絵
  • それをマジックミラー越しの観察室から見ているスタッフの絵

などです。

 とりあえずそれぞれDVテープで収録してあります。近日中にMPEG2をDVDに焼いて実費負担で配布できる体制を作り、サンプルをネットでダウンロードできるようWMV形式あたりで作ってみる予定です。ご興味のある方は、mixiの同コミュや、ここをウォッチしておいていただくか、なにがしかの手段でご連絡をいただければと思います。

 基本的には編集無しの生素材の配布です。欲しい人が適宜必要な部分を自由に活用してください、というスタンスです。参加スタッフの思惑としては、

  • クライアント向けの営業用に
  • 被験者募集時にどんなものか知ってもらう為に
  • 教育用に

などがあるようです。何か面白い活用方法があればご提案くださいませ。