動画眼Noteのために(3) ~HDDビデオカメラ、Everio GZ-MC500

ビクター ハードディスクムービー エブリオ(Everio) GZ-MC500 商品情報
 動画眼をより活用するために、テスト撮影をリアルタイムで動画ファイルキャプチャという形で行える機材をあれこれ試し中。その第三弾として、VictorのHDDビデオカメラEverio GZ-MC500を購入し、本日実戦投入してみましたのでレポートします。

・安定性

 とりあえず90分のセッションぶっ通しで録画しても問題はありませんでした。手持ちだと発熱が気になっていたのですが、マニュアルに書いてある保護回路によるシャットダウンなども起きず。ここはCG-PMPPODに比べて大きなアドバンテージですね。
 元々が、あのよく壊れるDVテープからの脱却が目的だったので、非常に強力な対抗馬だと思います。

・収録時間

 上から2番目のFine(6Mbps CBR)という画質設定で録画。付属の4GBマイクロドライブだと90分。σ(^^)のやるテストは90分セッションがもっとも多く、多少長引いたりすることを考えると、きっかり90分では困りますね。今日も最後が少し撮れませんでした。もう1段階画質を落としたNormal(4.5Mbps VBR)大丈夫そうなら良し。ダメなら6GBのマイクロドライブを買うしかないかなぁ、と。
 ユーザテストってそんなに動きは激しくないので、ピクセルサイズ(=解像度)が落ちなければ、ビットレートはあまり高い必要はない気がしています。

・データ転送時間

 Everioの記録メディアは高価なマイクロドライブなので、基本的にセッション毎にPCなどにコピーして使い回すことになります。試しにPCカードにCFアダプタを使ってノートPCのHDDにコピーをしてみました。ほぼ4GBのファイルの場合、非CardBusのアダプタで70分という推定時刻が表示され、慌ててキャンセル。CardBus対応のアダプタに差し替えたところ、10分程度でコピーが完了しました。これくらいならセッションの合間でも充分に吸い出しが間に合いますね。ちなみにσ(^^)はコレを買いました。\2,900程度とそんなに高くないので、CardBus対応のPCカードスロットを持つPCをお使いの方は是非一緒に揃えることをオススメします。
 CardBus環境でない場合は、マイクロドライブを2枚用意してローテションで使うしかないかも知れません。
#USB2.0転送時の時間は後日機会をみて取ってみます。

・操作性

 σ(^^)はユーザテストに使うカメラは、三脚にとりつけたままメディアの交換ができるべきというこだわりを持ち続けているのですが、その点ではEverioは合格です。本体の上側が開いてマイクロドライブを取り出せます。

・接続インターフェイス

 テスト機材としては、外部マイク入力がないのが致命的ですね。テスト専用の静かな部屋が確保できる場合はまだ良いですが、周りが騒がしい場所での使用は難しいと思います。また、静かな部屋でも被験者さんの声が小さい場合などにはマイクを使いたくなりますね。Everioはそもそも入力系のインターフェイスが全くないので、例えばソフトやWebの評価で、画面をダウンスキャンコンバーターでNTSCにして撮りたい、という場合にも対応することができません。

・PCでの再生

 MPEG記録のメリットは、DVD-Videoへ直接焼き込み可能であることが強調されていますが、ユーザテストという文脈では、むしろ分析効率の向上にあります。動画眼を引き合いに出すまでもなく、スライダーで一気にジャンプできるので、テープメディアのように目的のシーンを探し出すのに早送りや&巻き戻しで膨大な時間がかかる、ということがありません。
 Everioが書き出す動画は、拡張子が.MODとなっているMPEG2ファイルです。PowerDVDやWinDVDのようなソフトDVDプレイヤーや、VideoStudioなどのビデオ編集ソフトがインストールされたWindowsマシンであれば再生できます。拡張子は対応付けられていないので、.MPGに変更してしまうと良いでしょう。ただし、音声コーデックがAC3という方式で、割と最近の再生ソフトや編集ソフトでないと対応してないかも知れません。もし、WindowsMediaPlayerなどで「絵は出るけど音が出ない」という状態になったら、こちらからフリーのAC3デコーダー、AC3Filterをダウンロードしてインストールしてみてください。ちなみに動画眼も再生周りはWindowsMediaPlayerのコンポーネントを利用しているので、こちらのデコーダーで音が出るようになるはずです。

・総評

 外部マイクが使えないというのがほぼ唯一にして結構イタイ弱点ではありますが、その他の面ではかなり満足しています。DVのようにウィーン、カシャ、キュィーンなど神経質なメカ音を出さずに、黙々と撮ってくれる感じが好印象。もうしばらくDVと併用してみて、「ぎゃー、フリーズしたー」とか「データが丸ごと消えたー」とかが起きないようなら、とっとと移行したいと思っています。

動画眼Note 0.9e(バグフィクス)

 動画眼Note 0.9eをリリースしました。
 0.9dの修正時にビデオ同期アシストの指定値がカウンタに反映されないというエンバグをしてしまいました。
 ケアレスミスが多くて済みません。直しました。

動画眼Note 0.9d

動画眼Note
 またまた動画眼Noteを更新しました。いくつかの機能アップ、ユーザビリティ改善を施し、それに合わせて操作フローを変更した0.9cと、稀にタイムコードがマイナス値になってしまうバグを修正した0.9dです。
 詳細の更新履歴は上記リンクからどうぞ。

ハンドヘルド・デバイスのテストに「写ミール」

携帯電話画面拡大用・クリップ付カメラ:写ミール発売開始
 今日、某打合せで現物を見させてもらい、なかなかヨサゲだったのでご紹介。
 ケータイなど手持ち機器のユーザテストをする時に、その画面撮影には難儀します。カメラでしっかり撮影することと、被験者が見やすい&持ちやすいってことは結構相反する問題なんですよね。普段やっているように作業してもらおうとすると、被験者の姿勢や持ち方に合わせて、カメラの方を人が手作業で追従させなければならなくなります。
 この写ミールなら、よくバラエティ番組で絶叫マシーンに乗ってる人の表情を撮っているカメラと同じ要領で、常にデバイスの液晶画面を固定アングルで撮影することができます。根本がクリップになっており、ケータイなどの画面の上に挟んで止めるだけ。あとはいくつかある関節の角度を調整してピントをあわせるだけ。結構しっかりと止まります。出力画面を見ている分には表示はまったくズレません。映像出力はNTSCなのでビデオ機器に直接入力できます。
 ユーザの視線と交差して邪魔と言えば邪魔ですが、持ち方を工夫すればそこそこ対処できる範囲ですし、台に固定されているのを使わされるよりはずっと自然でしょう。
 以前、UPA2003の企業展示で同種のカメラ機器を販売してましたが、確か$1,000以上してました。コイツはそれに比べたら随分安いようです(サイト上に値段が出てないので、一応伏せておきます)。
 写真のようにケータイの内側はシルバー系が多い気がするので、より存在感を感じさせない為に、カラーはグレーなどがあっても良いかも知れないという気はしました。

2009.06.12追記:

ながらく販売終了だった本製品に、後継モデルが登場しました!こちらの記事でレビューしています。

動画眼Noteのために(2) ~CG-PMPPOD実戦投入

 以前購入してこちらのエントリで紹介したcoregaのCG-PMPPODをユーザテストで使用してみたので報告します。
 90min×12セッションのユーテストだったんですが、2回ほどフリーズしそこまでのデータが残りませんでした。また1本丸々録れていなかったセッションもありました。σ(^^)は進行役をしており、別の若手の人に簡単に操作を教えて使って貰っただけなので、丸々録れていなかったのは操作ミスの可能性も無くはないのですが、録画中にフリーズを起こすのはいただけないですね。これもσ(^^)自身は目にしたワケではないですが、カウンタが止まり操作も受け付けなくなったらしく、強制再起動をして続きを録画したそうです。
 また録画開始後数秒は絵は音が乱れる場合もありました。
 付属のスタンドで立てた状態でしたが、結構発熱してたので、放熱不足でしょうか?
 生成されるファイルサイズは最高画質でおおよそ1.2GB~1.4GB程度。搭載HDDが20GBなので、12人分くらいならギリギリ途中吸い出し無しで済ませられそうです。
 データそのものはASFコンテナのMPEG4で最近のWinodwsなら特にコーデックを追加インストールしなくてもMediaPlayerで再生できる点は納品などを考えると都合が良いです。ただし縦横のピクセル比が特殊なので、エクスプローラーでサムネイル表示した時に横にビヨーンと伸びた表示なるのは、場合によってはクライアントに説明が必要かも知れませんね。ASFコンテナの動画は、一般的な動画編集ソフトでは扱えずに困ります。そこでASF対応のツールを物色してみました。AsfToolsがメジャーなようですがダメでした。Microsoftから最近配布されているWM9世代のWindows Media ファイルエディタでは、残念ながらアスペクト情報を保持できないらしく、カットした後のファイルをWindowsMediaPlayerで再生すると横長で再生されるようになってしまいました。
 で、MicrosoftがMediaPlayer7世代の頃に配布していたwmtools.exe(Windows Media Tools 4.1 ?)というパッケージに含まれるWindws Media ASF インデクサならOKでした。ただ、現時点で有効なダウンロードURLを見つけられませんでした。
 というわけで再編集はそれなりにノウハウがないと厳しいですね。撮ったものをべたで納品すれば良いような案件向けだと思います。
 いずれにせよ、現時点での安定性ではやや不安が残りますね。DVなどのバックアップ録画も回しておかなければなりません(まぁ、それはどんなメディアでもそうなんですが)。
 メリットとしては、7インチという比較的大きめの液晶モニタがついているので、少し離れて観察していたクライアントさん用のモニタとしても役だった、という点でしょうか。

動画眼Noteのために(1) ~ノートPC向けMPEGキャプチャ”ulead Video Converter”

■おさらい

 せっかく動画眼Noteなんてツールも作ったので、DVカメラで撮ってMPEGエンコードなんてしたくない。というワケで、出張鑑定時にノートPCベースで手軽に直接MPEGキャプチャできる製品を探してみました。
 前にも書いた通り、条件としては、
・CPU負荷の低いハードウェアエンコードであること

・チューナーは不要

・電源不要で動くバスパワー対応

など。
 いくつかは以前のエントリで候補を挙げていましたが、USB外付けタイプなら1万円強くらいで買えますね。


 ただ、σ(^^)はモバイラーなので極力荷物は減らしたいし、ケーブルも嫌い。そこでコチラのulead Video Converterを発見しました。PCカードタイプでしかも出っ張り無しです。

■VideoConverterレビュー

 で、早速購入。
 σ(^^)は後述の理由でVideoStudio7が同梱されていないバージョンをゲットしたので、代わりにMovieWriter2SEを利用しています。テスト機はPentiumM/1.4Ghzにメモリ1GB搭載のdynabook SS M200です。
 選べるビットレートのプロファイルは、
・8Mbps CBR & VBR(720×480)
・6Mbps CBR & VBR(720×480)
・4Mbps CBR & VBR(720×480)
・2Mbps CBR & VBR(352×480)
・MPEG1(1150kbps)
です。最後のMPEG1はVideoCD規格ですね。あまり動きのないユーザテストでは2Mbpsくらいでも結構イケます。ただし縦横のピクセル比がハーフD1という水平方向の解像度を落としたもので、WindowsMediaPlayerのようにアスペクト比がちゃんと反映されない再生ソフトだと縦に伸びて再生されてしまいます。もちろんちゃんとしたMPEG2再生ソフトなら問題ないのですが、クライアントに納品するにはちと説明が面倒かも知れません。
 録画自体は問題なさそうですが、やはり小型で内蔵用ということで発熱が激しいです。M200は左パームレスト直下がカードスロットなので、手の平への熱がかなり気になりました。長時間利用する場合は放熱にも気を配った方がいいかも知れません。この当たりは内蔵型の最大の問題点でしょうね。
 あとプレビューの遅延は1秒から1.5秒程度でしょうか。このあたりはハードウェアエンコード製品なら致し方ないところではありますね。ただカウンタは実際に生成される動画ファイルなどと同期していますので、動画眼Noteのビデオ同期アシスト機能は問題なく利用できます。どうせ遅れてるし、いっそオフに出来たらと思うのですが残念ながらできないようです。録画しないでプレビューを表示しているだけでCPU負荷が60%程度になるので、オフにできればかなり負荷を減らせると思うのですが…
 今時CardBus対応ではないのもCPU負荷が高くなる原因でしょう。
 更に録画中のCPU負荷はほぼ100%になります。ただ優先度は低いのか、動画眼Noteなど他のソフトは問題なく利用できるようです。
 まだ長時間運用をしてないからなんとも言えないですが、PCを録画専用ではなくノート取りにも使う場合は発熱源を外に出せるUSBタイプの方が良いかも知れません。ただし、ノートPCが古くてUSBが2.0非対応の方はカード型が良いでしょう。
 M200の純正の内蔵HDDは60GBですが、残量は12GB程度。うーん、100GBに換装したくなってきちゃいました…

■入手の顛末(もしくはお買い得情報)

 お暇な方だけどうぞ。
 このVideoConverterですが、VideoStudio7の強化版がついて2万強と、USBタイプのものに比べちょっと高い。“強化版”の部分はMPEG4対応のようですが、後からソフトエンコードで変換できるってだけのようなので正直どうでも良いですね。ちなみにハード自体はMonster VR Mobileと同等品のようで、こちらは1万4千円くらいで買えるようです。バンドルソフトはMovieWriter2SEになります。
 「うーん、編集部分はどうでもよくて、MPEGで録れさえすれば良いしなぁ」ということで、Monsterにしようかと安いショップを探していると、ナントuleadのオンラインショップでVideoConverterが\13,440!出てからかなり立つ製品だし、そろそろ処分なのか?と「ご購入」を押してみるとなんと今度は\7,800表示に!プチ祭りかw?!
 商品ページには「ulead VideoConverter with VideoStudio7」とあるのに、ここには「ulead VideoConverter」としか書いてない。もしかしてVideoStudio7が別売りか?という疑念を抱きつつも、「詳細」ボタンをクリックするとちゃんと「…with VideoStudio7」のページにリンクされているので、最悪、後でゴルァしてもいいやと思いつつ購入。届いた商品は写真と違ってただの無地の段ボール箱に梱包されたもの。CD-ROMには「ulead VideoConverter with VideoStudio7」と印刷されているものの、開いてみるとドライバとキャプチャ用プラグインのみでVS7は入っておらず。あちゃー。とりあえず気づかないフリしてサポートに「このページから詳細を辿ると書いてあるVS7が入ってなかったので至急送れゴルァ」メールを送って返事を待ちつつ、元々もっていた(笑)MovieWriter2にプラグインをインストールして無事動作しました。さて、どんな返事が返ってくるかな(^^)/。
 ということで、VideoStudio7、MovieWriter2、DVD Workshopをお持ちの方は、VideoConverter単独版を買うのがもっともお買い得でしょう。そうでない人はMonsterVR Mobileかな?内蔵にこだわらない人はUSB製品でもいいでしょう。

dgMSヘルパー、バグ修正リリース

道具眼製Palmware
 動画ファイルをPSPやPDAなどで再生するために、メモリカードの\MP_ROOT\100MNV01\などの特定フォルダに\M4V00001.MP4のような特定ファイル名でコピーしなければならない手間を軽減するドロップレット、dgMSヘルパーのバグ修正版をリリースしました。
 .mp4ファイルをコピーする際、同名の.THM(サムネイル用静止画)が存在する場合に一緒にコピーする処理の中で、.mp4が小文字の場合に.THMファイルではなく.mp4ファイルを.THMとしてコピーしてしまい、メモリカードが溢れてしまうという問題を修正しました。元動画ファイルが.mp4でも.MP4でも正しく動作するようになったはずです。
 ちなみに問題は把握していたのですが時間がとれず、先日発売されたPSPマル裏活用マニュアルというムック本で紹介され、見本が贈られてきたので、慌てて対応しました(^^;)。
 どうもご迷惑をおかけしました。

動画眼も色々改良。1.0RC1へ。

 更に動画眼の方も色々いじってみました。
#動画眼Noteに対し、こっちも動画眼○○みたいな名前にしないとややこしい?
 詳細は更新履歴をご覧下さい。
 ポイントとしては、ログを追加読み込みできるようにしたので、複数の動画眼Noteやシミュレータで吐いたログなどを直接マージできるようになった辺りです。
 あと、窓3つが横並びで画面幅をとっていたので、右にいた動画操作パネルは動画窓の下に持ってきました(機能的なゾーニングを考えてもこの方が真っ当。そもそもなんであんな配置にしたんだろ。>自分)。
 それと環境設定がちゃんと機能するようにして、ようやく「実際のタイムコードより一定秒数手前から再生する」機能が動くようになりました。
 また、ログファイルと動画ファイルの関連付けも強化。動画ファイル”hoge.mpg”を開いた時に、もし”hoge.txt”が一緒に存在すれば自動的にログとして読み込みます。「名前を付けて保存…」のデフォルトもこのルールです。つまり、動画ファイルと同フォルダに拡張子違い(.txt)で保存するのが動画眼の標準ルールということにしたいと思います。
 さて、そろそろマニュアルとインストーラーを整備したら1.0正式版としてリリースしても良いかという気になってきましたので、本バージョンをRC(Release Candidate)1としました。特にバグ報告がなければ実行ファイルはこのままフィーチャーフリーズかなと。といいつつアイコンに動画ファイルをドロップして起動できるようにしようか、とか思ってたり。まぁ、どうせ一人でちまちま作成してるツールなので、別に正式版とか1.0とかどうでもいいんすけどね。単に気分の問題w。
 ともあれ、ご興味ご関心のある方は是非お試し下さい。コメント、バグレポートもお待ちしています。

動画眼Noteにビデオ同期アシスト機能を追加

道具眼製ツール

 動画眼Noteにちょっとした機能を追加しました。名付けて「ビデオ同期アシスト」機能です。PCやHDDレコーダーなど直接動画ファイルを記録する録画装置限定なんですが、先に録画をスタートさせておいて、5秒目なら5秒目で録画カウンタを見ながらエイっと計時開始ボタンを押せば、動画眼Note側も5秒からカウントを開始してくれるというものです。


 録画ソフトのカウンタが実際に生成されるファイルのそれとキッカリ同期していることが前提ですが、実際どうなんでしょうね?
 しかも、このツールの計時は内蔵時計から現在時刻を秒単位で取得して時間計算をしているので、OKボタンを押したタイミングによっては1秒近くの誤差が生じてしまいます。これはちゃんとVBのTimerコントロールを使えば解決できそうですが、今のところ1秒程度の誤差が問題になる類のソフトでもないので放置しています。
#つーか、Timerコントロールから経過時間を取得する方法がわからんかっただけ…

動画眼補助ツール「動画眼Note」リリース

動画眼Note
 とある業務で必要になったので作ってみました。
 ビデオ分析ツール“動画眼”は、動画ファイルを再生しながらメモを記入しておくと、後でメモをクリックした時に該当シーンが瞬時に頭出しされて視聴できる、というシロモノです。キーボード・ショートカットで一定秒数早戻ししたりといった機能が充実しており、ビデオ・ディクテーター(テープ起こし)などに便利です。
 ただ、残念なことに動画眼は既存の動画ファイルを再生しながらの記録を行うことしかできず、ユーザテストの本番中にメモを取っていくことができない為、イマイチ実用性に欠けていました。動画眼から直接キャプチャデバイスを制御するのが大変なんです。機種毎の互換性の問題もありますし。
 そこで発想を転換して作ったのが「動画眼Note」です。動画の再生も録画も行わずに、ただ空タイマーをまわして、メモを記録していくだけのシンプルなツールです。メモは動画眼で直接読み込める形式で保存されるので、タイマーとビデオデッキの開始だけ「せぇの」で揃えてやれば、別々に作成したログと動画ファイルを同期させることができる、というワケです。「では始めます」などと言いながらタイマーを開始。ビデオの方は少し早めに回し始めておいて、後でキャプチャする時に編集ツールで「では始めます」のところまでを切り落としてしまえば良いでしょう。
 また5つの定型文を簡単に設定、利用できるショートカットも用意しました。Alt+1~5キーで一発入力可能です。
 ロックオン機能も健在です。まずAlt+Lでタイムコードだけロックし、それからゆっくり手入力メモを書いていくことができます。
 とてもチープな実装方法ですが、おかげで以下のような使い方もできます。
 動画眼のログは単純な「タイムコード(秒)<TAB>メモ<改行>」形式のテキストファイルです。なので、複数の観察者が各個に動画眼Recorderでメモをとったログを、Excelなどでマージ&ソートしたりできます。シミュレーター側で画面遷移などのイベントログを吐かせたものを混ぜても良いでしょう。
(動画眼側でも自動ソートがかかるので、ログのサイズがあまり大きくないものであれば、単に連結するだけでも良いはずです)
 mixiのユーザビリティ屋のコミュニティで、この手のツールの要求仕様をまとめて、誰かに委託して作成してもらおう、という動きがあります。是非この手のツールを使ってみて要望があればお知らせ下さい。

2005/5/31 名称変更

 録画機能もないのにRecorderとはこれいかに、とツッコミをいただいたので、ソフトウェア名称を「動画眼Note」に変更しました。