写真で見るAYANEO Airのスティック交換

少し前にAYANEO Airの右スティックをひっかけて折ってしまいました。キャップが外れたのでなく、レバーのステーが根元から折れてしまい、、、

基本これでFPSとかはやらないので不便がなく半年ほど放置してたんですが、同居人がゲーミングUMPCに興味を持ちだしたので、お試しということでFPSプレイできるように直すことに。

本機のスティックはNintendo Switch LiteやJOY-Conに使う薄型のモジュールが使われており入手性は悪くないです。AYANEOはサポートに連絡すると修理を受け付けるかわりに「自分で交換しろ」とばかりに部品を送って寄越すという話も聞きますが、面倒なので市販品を買うことに。最初、RedditでGuliKitのスイッチが使えたという書き込みをみて、こちらを購入(こちらはダメだったやつ)。

GuliKitはゲーミングコントローラーでは割と知られているブランドだし品質も良いだろうと。しかし、取り付けてみると下にドリフトがある。2つセットなのでもうひとつにも付け替えてみたんですが、そちらは右と下にズレる(下図)。できれば0.1は切りたいところ。

ChatGPTさん曰く、AYANEOだとニュートラル位置の電位がSwitchと異なるので互換性がないかも、的な回答が。ホールスティックではなく従来式の可変抵抗タイプ、特にALPSのが無難だぞ、と言われるも、実際に探してみてもこういう薄型で可変抵抗、ALPS製の物は発見できず。可変抵抗タイプだと調整ネジでドリフトを補正できたりするんですが、そもそも薄型でそんなネジがついたものがなさそう。

他に良いのがないか物色していたら、他の出品者が出している、同じGuliKitのアイテムで、「TMG電磁式」と「ホールスイッチ」が選べるのを発見。

たぶんホールスイッチは所謂ホールエフェクト式のスイッチかな?TMRはトンネル磁気抵抗式という更に新しいモジュールっぽい。この業者では値段は同じ。

自分はたまたま別の業者からTMRの方を買っていたという形。これまたChatGPRさん曰く、TMRの方が高精度だが、AYANEOと相性が悪い場合があり、実績のあるホールセンサー式が無難とのことで、買い直してみることに。最初に買ったTMRは無駄になっちゃいますが、あくまでSwitch用なので不良と決めつけて返品するのもなんだなと思い諦めることに。

結果的に、どちらもまぁまぁドリフトが生じています。ただゲームで実害がでるほどでないので、一旦ホールエフェクトの方で様子見。どうしても問題になるようなら別途安物の可変抵抗式を探すか、メーカーに問い合わせて純正部品が調達できるか聞いてみようと思います。

■写真でみる交換手順

以下自分用の記録です。参考にされる方は自己責任でお願い致します。

ちなみにAYANEO公式の分解動画はこちら。修理を目的としたものではないのでやや見づらいし中国語ですが、参考に。

カバーを外すところまではこちらも参考になると思います。

ではやっていきます。

推奨工具

基本は精密プラスドライバーでOKです。PH0がヨサゲですが、一部PH00の方が回しやすかった箇所も。たぶん軸が充分長ければPH0でいけると思います。自分はこちらの電動ドライバーを使いました。先端にLEDライトがあるので小さなネジを明るく照らせてやりやすかったです。

あと、極小のスピーカーコネクターの抜き差しに、こちらのコネクタ引き抜き工具が重宝しました。一箇所しか使わないのでコスパは微妙ですが、この手の作業をちょいちょいするという方は持っていて損はないツールだと思います。

ENGINEER エンジニア 基板コネクター抜き SS-10

ENGINEER エンジニア 基板コネクター抜き SS-10

859円(06/30 06:23時点)
Amazonの情報を掲載しています

あとはフィルムケーブルの抜き差しにピンセットがあると良いです。最近のお気に入りはこちら。

厳密にはトゲ抜きらしいですが、先端が細いわりにしっかりと掴めて良きです。

ケースのこじ開けにはこういうギターピック型のツールを使用しました。極薄の金属タイプのもあるんですが、傷つけやすいので今回は樹脂製を優先して使用し、充分開けられました。

あとはネジが大量に出るので、その管理にマグネットシートとかあると良いと思います。外した順に並べておくと紛失しづらいし、間違えにくいです。

分解手順

今回の交換ターゲットは赤丸の右スティックです。一度交換したスティックが既についている状態ですが、こちらはドリフトが発生しているので、再度交換していきます。

注意事項として、今回バッテリーコネクターが見当たらず電源が接続されたまま作業をしています。金属の工具などを触れさせるとショートの危険性があります。可能なら先端をテープなどで絶縁するといいかも。また電源スイッチに触れて起動してしまいがちです。慌てずその度にシャットダウンさせてください。バッテリーコネクタを見つけられたら抜いておくのが一番確実です。

まずは上面。センターの細長いパネルと、LT/RTボタンを外します。

LBボタンとの境界の隙間に爪を入れて持ち上げるといくつかのロックがパキパキっと音をたてて外れます。細くて折れやすいパーツなので慎重に。左右のLT/RTボタンも外側から爪を入れて持ち上げると外れます。ここまでは素手でOK。

3つの樹脂パーツを外した状態。赤丸がついていた箇所です。

外した下に4つのプラスねじが出てくるので全て外します。

LT/RTボタンの下にも1つずつネジがあります。

続いて、底側。USB-Cポートの両サイドと、microSDカードスロットのフタの中に矢印の向きにネジがあります。計3つ。フタの中のネジは少し長いドライバーが使いやすいでしょう。

これで外装のネジは全て外せたので、いよいよ背面カバーを外していきます。すべてケースパネル同士の爪で固定されているだけなので、ゆっくり慎重にピックを入れてパキパキと剥がしていきます。

まずはRBボタンのところを両手で開き、できた隙間にピックを入れてこじるとパキっと最初のロックが外れます。そこから徐々にピックを下げてひとつひとつ外していきます。

ぐるっとLBボタンまでいくと背面パネルが外れますが、リボンケーブルがつながっているのいでちぎらないよう注意して開き状態にします。本当はこのリボンケーブルを外した方が安全ですが、ちょっと外しにくかったので自分はこのまま作業しました。うっかり落としたりしてテンションがかかると千切れるかも知れないので安定した広い場所で作業します。

次にスティックスイッチの裏にあるボックス(バイブレーター?)を赤丸のネジ4本で外します。一番左のだけネジの長さが違うので区別しておいてください。

こちらもアンテナ線らしきケーブルがついているので、千切らないよう慎重に除けておきます。

つづけてRTボタンを固定しているネジ2本(赤丸)を外します。

この2本のネジでRTボタンスイッチ基板と、RBボタンは外れます。

次の要所を赤丸で示します。一番下の黒いフィルムケーブルは気をつければ外さなくても作業できます。脱着に自信がある人は抜いた方が無難。むしろ抜き差しで破損させてしまいそうならあえて抜かないという選択肢もアリかなと。

中心辺りの黒いテープの下もあわせてネジが2本。テープの上にジョイスティックモジュールからのケーブル、テープの左にもプッシュ式のコネクタがあります。あと赤丸がついてないですが、右上の赤と黒の線が出ているのがスピーカーケーブルです。

テープの下にあるネジ。

フィルムケーブルを抜きます。抜く前にどこまで刺さっていたか憶えておくか印をつけておくといいかも。

この際、コネクター反対側の黒い部品を起こすのが良いはず。自分は気付かず写真ではそのまま引っ張ってます…逆に差し込む時は差し込んだ後で黒い部品を倒すとロックされるんではないかと。

抜けました。

次はテープ左横のコネクター。上から押しつけて挿すタイプなので、抜くのはピンセットやマイナスドライバー、爪などで真上に持ち上げるだけです。

続いてスピーカーコネクター。かなり小さいのでケーブルを千切らないように。先にピンセットでケーブルを基板の下から取り出して遊びを持たせておくと良いです。写真のコネクター引き抜き工具はマジでオススメ。

これでスイッチ裏の基板はフリーになったはずなので、どかせます。もしRB/RTスイッチ側の黒いフィルムケーブルを抜かない場合には、千切らないように気をつけて手前にパタンと裏返します。

これで目的のジョイスティックモジュールが露出しました。赤丸忘れてますが、写真で左上と右下の2本のネジを外せばモジュールが外れます。

モジュールからフィルムケーブルが生えていて、これが黒い基板の裏側(作業目線で上側)に180°折り返すような形で回り込みます。新品のモジュールのケーブルは下の写真のようになっているはずなので、黒基板取付後に折り返してからコネクターに差し込む形です。

当然ながらスティックが反対側に突き出た状態でネジを締めることになるので、下になにか台をかませて持ち上げて作業すると良いでしょう。

あとは外したのと逆に組み付けていくだけです。

個人的にはバックカバーの脱着が面倒なので、その前に一度電源を入れて動作確認をしました。この時のフィルムケーブルを千切らないよう慎重に。電源スイッチは指紋センサーの下に位置する赤丸のボタンになります。カバーを閉めた後は指紋センサー自体がボタンになってこのスイッチを押し込むのでしょう。フィルムケーブルはつながっているのでログインには指紋センサーも使用可能です。

Windowsが起動したら、ブラウザでコントローラーテストサイトを開いて、動作チェック。スティックを放した状態できちんとセンターが出ているか確認します。AYANEOのツールはデジタルデッドゾーン(中立付近の無効領域)のON/OFFはできるもののキャリブレーションはできないので、この状態でセンターに収まらないようだと厳しいかも知れません。一応WindowsのコントロールパネルからOS側のキャリブレーションはできるのですが、ウチの場合だとあまり効果がなかったようです。

■まとめ

以上、AYANEO Air(初代)の右スティック交換手順をまとめてみました。部品と道具さえ揃っていれば、比較的難易度は低いかなという印象です。ネジとコネクターの脱着のみで、ハンダ付けは不要なのが良いです。ただしバッテリーを外さずに作業するのでショートには注意が必要です。

今回左スティックは交換してませんが、見た感じ同じような手順でできそうに感じました。メイン基板とは独立して作業性は良いです。

X1-CarbonのPTFEチューブ交換記録、Modパーツ装着

BambuLab X1-Carbon Combo(以下X1c)を導入して1年3ヶ月。消耗品であるPTFEチューブ他、消耗品を交換したのでメモ。

■PTFEチューブ交換

要所要所でフィラメントを通しているPTFEチューブですが、摩擦ですり減るので消耗品とされています。摩耗しているとスムーズにフィラメントが送れず詰まりの原因となるようです。一概にどれくらいという指示は見当たりませんが、コネクタの抜き差しをするところの変形などが気になったので交換することにしました。

情報画面によると総プリント時間は1,738時間となっています。公式情報ではないですが、ChatGPTさん曰く、

  • 一般的には 500〜1000時間 程度の印刷ごとに点検するのがおすすめ
  • 高温フィラメント(例えばABS、PC、PA、CF混合素材など)を多用する場合は、摩耗や変形が早く進むため 300〜500時間 くらいでの点検を推奨
  • 交換の判断ポイント
    以下の症状が出ていれば交換した方が安心です:
    ☑ フィラメントの抜き差しが固い・引っかかる
    ☑ チューブの内径にスレや削れが見える
    ☑ チューブの先端が焦げていたり、変形している
    ☑ ノズル詰まりが頻発する
    ☑ 弾性フィラメントの押し出しが不安定

とのこと。-CFフィラメントも時々使うことも考えると、充分な時期は来てるというかむしろ遅いレベル。またノズル詰まりも頻繁に発生しています。こういうアナログ的な消耗は明確に発生を認知しづらいので、1年とか決めて定期的に交換するのが良さそうですね。

交換用のPTFEチューブは公式ストアで販売されています。別に市販品でも内径と外径だけ揃えばいいんでしょうが、公式のは機種毎に必要な長さにカット済みだし安心感を買う意味で公式サプライを購入しました。X1c用は送料別で680円。なにかのついでに買うのが吉ですね。交換手順も公式Wikiに動画が掲載されています。バッファー部分のチューブ交換は本体背面にアクセスする必要があるのでぎりぎりスペースに設置している我が家ではちと大変でしたが、作業自体は10分ほどで終わりました。

これでフィラメント送出トラブルが減るといいな。

■スティック糊の買い換え

BambuLabプリンターには2種類の糊が付属してきます。固体のスティック糊(ビルドプレート専用スティックのり)と液体のり(ビルドプレート専用液体接着剤)です。正直使い始めた当初は2つある理由はわかっておらず、塗りやすさから液体のりを中心に使っていましたし、そもそもビルドプレートのメンテナンス(洗浄)の手間を惜しんで、どうしても定着しない時以外なるべく使わないようにしていました。特にスティック糊は粘度が高くフラットに塗り広げるのが面倒でほとんど使っていませんでした。

ただやはり2つあるのにはそれなりに理由もあるらしく、接着力の液体糊、剥がしやすさ、洗いやすさのスティック糊という感じっぽい。ABS/ASA/PCのような高温素材では液体糊の接着力がないと剥がれて反りが発生するが、剥がしが大変だったり、乾いてしまうと除去が大変。PLA/PETGくらいならスティック糊くらいの接着力が剥がしやすさとのバランスも考慮すると適当らしい。

ただスティック糊はダマになりやすく底面の荒れにもつながるのでChatCPTさんに相談したところ、「そりゃスティック糊が劣化してるわ」という回答。公式では24ヶ月となってますが、ChatGPTさんは12ヶ月で使い切るのが良い、と。まぁ保管環境によっても違ってくるんでしょうが、とりあえず1年経っているので買い換えてみることに。そもそもPLA/PETGだとそこまで反りに悩むことはないですが、今後はこういう観点で使い分けていってみようかと思います。

あと送料無料条件を満たすのに購入アイテムを詰むのに、安い糊製品は便利だったり。単価でいえばAmazonなんかで社外品を買う方が安いかもですが。

■BIQUのワイパーとプープ詰まり防止プレート

みんな大好きBIQU(Panda)のBIQU Purging Reliability Improvement Upgrades Multi Material Printing Enhancement Kit for Bambu Lab P1/X1 3D Printersという社外アクセサリ製品を導入してみました。

同じくX1cの消耗パーツとしてノズルワイパーがあります。フィラメント交換時にノズル先端を擦り付けてゴミを除去する部位で、X1cでは1cm程度の短いPTFEチューブを使ったローラーのような構造になっています。ノズル先端に前の色のフィラメントが残ってたりすると造型物に意図しない色が残ったりするので、確実に先端を綺麗にするのは重要です。これがA1やH2Dなど後発モデルではシリコンのブラシになっています。MakerWorldなどでこのA1用シリコンブラシをX1cのノズルワイパーの代わりに取り付けるモデルがたくさん公開されていて、自分も2つほど試してみたいんですがどれもイマイチでした。微妙に干渉してエクストルーダーが引っかかったり、PETG程度ではノズルの熱で溶けてフィラメントくずと溶着してしまったり。結局純正ノズルワイパーに戻してたんですが、BIQUで完成品のPanda Brush PXが販売されていたのでゲット。さすがの精度でぴっちり取り付けでき干渉もないです。またアルミ製なので熱で溶ける心配もナサゲ。予備のシリコンブラシも付属しています。MakerWorkdのモデルはもともとのノズルワイパーを固定している小さな小さなネジを外して組み付ける方式がほとんどで、ウチのように天面ガラスにAMSが載っていて全開放できない状態では作業性がとても割です。うっかりネジをパージシュートに落として、慌ててプープの山を探したり。その点、Panda Brush PXは横からスライドしてはめこむだけなのも良き。元のワイパーのネジはドライバーで外す必要ありますが、今後シリコンブラシを交換する時には工具無しでできると思います。

またセット商品で、パージシュート(プープを捨てる穴)にプープが貼り付くのを防ぎ、確実に背面から排出するための金属板Panda Purge Sheld付き。確かに、このパージシュートの手前面にちょいちょいプープが貼り付いて排出エラーが出ることあるので、良いかも!と。

MakerWorldで部品を作ってもA1用シリコンブラシを公式で買うと500円くらいするので、それも差し引くと、これらのセットが2,000円程度ならコスパも悪くないかなと。

■まとめ

1,700時間時点でメンテナンスとして消耗品パーツを交換/アップグレードしました。

世の中はH2Dが話題で、個人的にもデュアルエクストルーダーは魅力ですが、お値段的にも設置場所的にも当面は厳しいので、X1cはまだまだ活用してきたいと思います。

カッティングマシンを15年ぶり新調 Silhouette Portrait4 ~ クラフトロボからのデータ移行も

十数年前の2009年にこちらのカッティングマシン(カッティングプロッター)を購入。

その後、死蔵していたのですが同居人が業務で活用できそうということで、サポートの切れた10年後の2019年にWindows10環境でどうにか動かす方法を模索したりしました。

その後、同居人はバリバリ活用していて、生産完了した今でも予備機機や消耗品であるブレード(カッター刃)をフリマで出品される度にゲットしたりしていましたが、いつ使えなくなるかは不安に感じていました。

そんな中、自分も3Dプリンター造形品を作ったり売ったりするようになり、その貼りつけ用に両面テープを精密カットしたいニーズが出てきたので、改めて現行品の再導入を検討することに。

自分と同居人の用途、ニーズは若干違っており、

  • 両面テープがカットできる
  • トンボ印刷による位置合わせができる
  • できればPCレスで使用したい
  • サイズはA4で足りる

というのがありました。

両面テープは1mm前後のやや厚めの基材を使用したものを使いたい。よくガジェット製品についてくる3Mとかの少しクッション性のあるヤツ。あぁいうのを自分でカットしたいという感じ。ウチにある16年選手の我が家のCraftRobo C330-20では多分対応したブレードが入手困難だし、下手に今あるブレードを使ってダメにしてしまったら同居人も巻き込んで困ったことになります。

トンボ印刷とは、ステッカー印刷などでプリンターで印刷したものをカッティングマシンでカットするといった場合に、正確な位置合わせをするための手法です。印刷データの用紙外周に目印となるトンボを印刷しておき、カッティングマシンが内蔵スキャナでそれを読み取りトンボからの相対位置基準でカットを実行します。これがマスト。

また同居人が業務で作成するステッカーの形状は数パターンだけなので、CraftRoboではSDカードにテンプレートデータをコピーしておき、本体液晶画面でそれを選んでカット実行をしていました。データ作成時にはPCが必要ですが、普段の運用はスタンドアローンなわけです。このスタイルもできれば継続したい。

そんな観点で現行品を眺めてみたところ、ブラザーの製品はタッチパネル液晶でファイルを選んでカットが実行できる一方、トンボによる位置合わせ機能があることは確認できませんでした。かわりにプリントや手書きした紙をスキャンさせてその外形を認識してカットする機能を売りにしています。それでも実現できそうな気がしますが、

  • 正円は画像認識で検出した境界線より正円のベクターデータで切り抜いた方が綺麗なはず
  • 同じパターンで複数シートを連続カットする時に効率が悪そう

といった理由で、トンボ方式の代わりにはならないなということでブラザーは除外しました。商品ページに書いてないだけで、あるのかもは知れないです。

■シルエット製品からのチョイス

ということでトンボ方式が使えると明示されているシルエット製品群から選択することにしました。候補に挙がったのはこれら。

たぶん主力ラインのカメオの最新世代。3mm厚まで対応。デュアルヘッドでカッターとペンなど2本のツールを同時差しして使い分けながらカット/描画/箔押しなどが可能。本体カラーは4色。

A4サイズまでに抑えることで小型化、低価格化したポートレート4。こちらは2mm厚まで。カッター/ペンも1本のみ。カラーはホワイトのみ。CrafRobo C330-20に限りなく近いサイズ感、機能と言えます。

ローラーで用紙を動かすのでなく、ヘッドをX-Yで動かすことで、厚みのある素材に箔押しやペン書きができるモデル。デカい。薄い紙を静電気で吸着するベッドも標準で一体化。

実際に三機種とも展示があるビックカメラ有楽町店まで見に行って決めました。箔押しなどのクラフトワークもちょっと興味あったのでキュリオ2もいいなと思ってたんですが、まーデカい。使ってない時も常時このスペースをとるのはちょっと無理だね、となりました。カメオ5とポートレート4は最後まで迷いましたが、当面のやりたいことはポートレート4でできそうだし、そこまで高くもないので、使ってみてまた不満が出たらアップグレードしても良いかってことでポートレート4をお持ち帰り。

廉価モデルながらロール紙も使えるし、別売りの静電気マットユニットもあるし、ヒートペンを買い足して箔押しもできるしと、なかなか妥協のない仕様になっています。サイズがA4で足りるという人ならそうそう不満は出なさそうです。

シルエット社の製品は本体に液晶画面がなく、CraftRoboのように単体でファイルを選んでカット実行するようなことはできないですが、どうやらBluetooth経由でスマホアプリからカットができるようなので、おそらくPCで作ったカット設定もスマホにコピーしておけば呼びだせるのではないかと期待(結果は後述)。

■CraftRoboのカットデータを読み込めた!

さて導入にあたって何はなくとも今までCraftRoboでやってきたことをPortrait4でもできるようにしなければなりません。これまでIllustratorで作ってあるステッカーのデザインオブジェクト(例えばA4の紙に円形ステッカーの図柄が6つ配置されている)+CraftRobo用トンボの.aiファイルと、それを元にCraftRoboの専用ツールRoboMasterで作ったカットデータファイルがあります。RoboMasterで編集できるデータファイルの拡張子が.gpd、それをプロッターで実行可能な定義ファイルにしたのが.gspです。SDカードには.gspファイルをコピーして使いますが、元となるファイルは.gpdの方です。なんとこの.gpdファイルが、Silhouette Studioというシルエット製品用のツールでそのまま読み込めたのです!

よくよく調べると、RoboCraftを設計販売しているグラフテック社(本社:神奈川県)は、米Silhouette America Inc.の親会社でした(あー、なんか以前にもどこかで認識してたかも…)。グラフテック社はRoboCraftこそ終息させましたが、業務用の大型カッティングマシンは現役で販売しており、ホビー向けのエントリーグレードを「シルエット」ブランドに移行したという形でしょうか。Silhouette America Inc.の子会社として日本向けの販社であるシルエットジャパン株式会社があるという構図のようです。なるほどそりゃトンボ機能なども共通して搭載してるわけですね。偶然にもCraftRobo C330-20からの移行先を求めて、実質後継機Silhouette Portrait4を引き当てたと言えるかも知れません。

ちょっと悩んだのは、Silhouetteアカウントを開設するともらえる1GBのクラウドライブラリに.gpdファイルをドラッグ&ドロップして登録しても、スマホアプリSilhouette Goからは見えない点。ライブラリ上では拡張子が非表示なのでわかりにくいですが、.gpdデータのままではスマホは開けず、一度PCソフトのSilhouette Studioで開いて保存しなおすと、拡張子が.studio3になって別名保存されます。その状態であればスマホアプリからも認識でき、もちろんスマホから選んで出力できます。懸念だった同居人の通常運用(既存データのカット)はスマホは必要なものの一応PCレスで実現できる運びとなりました。

トンボデータの打ち替えが必要かどうかはまだ未検証です。

ちなみに最後に実行したカットデータは本体内に保持されており、「もう一度実行」だけなら本体単体でもできるっぽいです。

クラウド経由でファイルを共有できるので、こちらでデータを作成して同居人に納品するという受け渡し作業もNASを介さなくてもスムーズにできるようになりました。

小さいメディア(用紙)の紙送りトラブルの回避策

同居人の運用データは移行がスムーズに移行できそうなので、あとは自分の用事です。こちらはステッカー用のシール用紙ではなく、少し厚みがある両面テープです。基本的には3Dプリント造型物に貼って出荷するので、ハーフカットではなくてもいいかもと思っています。まぁ半端にシートを使うとロスが多くなるので、シールだけ多めに作って在庫しておくにはやはりハーフカット(台紙まで切り抜かず元のシートのまま)が便利かもですが。

A4にびっしり敷き詰めるような数を一度に使うことはまずないので、少し小さめのシートを物色しました。とりあえずテストで買ってみたのは以下の2点。

3Mについでよく見かける気もするNITTOブランドの両面テープ。厚みはそれほどでないく、0.16mm。ナイスタックでいえば青色の強力タイプ(0.15mm)に近い厚みで、粘着材も同じアクリル系。青色は普段ももっともよく使っており、そのままシートタイプにしたという位置づけ。サイズはほぼA6。

もうひとつはA4しかなかったんですが、もうちょい単価が安いものを物色してこちら。

0.05mm厚なので、ナイスタックの赤(一般タイプ、0.09mm)よりもさらに薄い。0.08mmとも書いてありますが、おそらく剥離紙2枚を足すと0.08mmという意味?まったく知らない、おそらく中華ブランドでしたが、レビューもそれほど悪くないのでともかくコスト重視な場合用に。

あとは車載パーツの貼り付けなどに使うエーモンのNo.3930。

厚みが1mmもあり、基剤はグニっと柔らかいアクリルフォーム。滅多なことでは千切れないので、綺麗に剥がせる点が重宝します。単価はNITTO NW-5000NSよりも更に高いですが、なんだかんだでよくカットして使うので、これも切れたら嬉しいなと。

小さい用紙はローラーが送れない!?

Portrait4には紙送りのローラーが左右両端に2つ+その間に補助のバネ抑えが2つ。モーターで駆動するのは一番左の1つだけです。なので、小さいメディアを左のローラーだけで回すと、すぐに傾いてしまいます。メディアがナナメになってしまうと正しい形状にカットできるはずがなく、最初に試したエーモンNo.3930は惨敗でした。またカット厚の調整も上手くいかず裏側の台紙までカットが貫通しない。ちょっと高くてもったいないので一旦保留。

次にNITTO NW-5000NSです。これもやっぱり真っ直ぐに紙送りができず、「やはり小さい紙は粘着台紙を使わないとダメか?」と思い始めたんですが、よくよくメカをじっくり眺めると、ローラーが当たる金属バーの一部範囲に写真のようなザラザラした加工が入っている箇所があります。すごく目の細かいおろし金みたいな。左右端と真ん中辺りの三箇所に、それぞれ幅4cmくらいんも区間がこうなっています。

もしやと思って、左端のローラーをこの区間にあわせてみるt、、

ローラーがザラザラ区間に載る位置に調整

ばっちりローラーが紙を噛んで真っ直ぐ紙送りできました!A5級のメディアを使う場合、横置きにして右端がこのザラザラ区間にかかるようにしたらよさそうです。

2026.6.15追記:

何度かやってみましたが、やはり小さめの用紙送りには難がある気がします。だんだんナナメになっていきます。A4などの用紙を使うのが無難かもしれません。

試しに小さい3Dプリントパーツを貼り付ける様のシールをカットしてみました。コの字状で1辺の太さはわずか2mmの形状です。ピンセットでないと貼れないレベル。これを人力でカッターを使って切るのもなかなか大変ですが、この通り。時間的にも10秒程度なので量産も軽々。

カット設定はプリセットの「両面粘着シート」を使用。ハーフカットではないですが、厚みがあるので意識して取り外さない限りはシートにはまったままという絶妙な切れ具合。両側に剥離紙がついた状態で切り抜けるので、貼らずにそのまま添付品として同梱することもできます(予備用とか)。

実際に貼り付けた様子がこちら。まさにこれがやりたかった!

わかりにくいですが、上の直線パーツは上辺の両角がナナメに切り落としてあるんですが、そこもきっちり再現されています。

このギザギザを意識してセットすればエーモンのNo.3930シートもいけるかも?追々試してみます。

Silhouette Studio無課金版だとSVGが読み込めない!?

Silhouette Studioはマシンを買えば無料で使用権がもらえますが、一部の機能は追加課金でアップグレードしないと使えません。その中でも割と申告なのがベクターデーター形式である.svgのインポートができない点。JPEGやPNGのビットマップを読み込んでトレースして切り取り線を決定することはできますが、Illustratorなどのベクターツールで綺麗な正円などを描画してその通りに切り抜くにはベクターデーターのままエクスポート/インポートしたい。もちろん.aiファイルも非対応な上に、ベクターデータの近年の標準である.svgを封印するとは…

別途Silhouette CONNECTというIllustratorのプラグインとして機能するツールもありはするのですがこれも5,500円の有料…

などと「グヌヌ…」となっていたのですが、私が3Dモデリングに使用しているCADツールのAutoDesk Fusionではスケッチを直接右クリックから.dxf形式(Autodesk RealDWGフォーマット)で書き出すことができ、それならばSilhouette Studioに読み込めることがわかりました。しかもIllustratorもdxf書き出しができる!

ベクターデータのやりとりには.svgにこだわらず.dxfを使っていけば問題なさそうです。上のコの字パーツのデータもFusion上で3Dモデルからおこしたスケッチを.dxfに書き出し、Shilhouette Studioにインポートしてカットしました。

2025.6.15追記:

.dxfで読み込む際の問題点として、インポート時、Studio側で用紙サイズ一杯にリスケールされてしまう、というものがありました。Illustrator側でエクスポートする時にスケール設定をしても効果なし。.dxf形式には絶対サイズ情報が含まれないのでこういう仕様のようです。幸い縦横比をロックしておいて正しい縦か横のサイズをボックスに入力してやれば補正は可能ですがひと手間ですね。複数オブジェクトの場合は先にグループ化しておけば大丈夫そうです。.svgであればこのような手間もないのかも知れません。

また、FusionではなくIllustratorで.dxf書き出しをする際、2018形式だとエラーになることがあり、2007など古いフォーマットを指定すると書き出せました。ただその後試したら2018でもエラーでなかったりとちょっと謎です。

■まとめ

3Dプリンターで造形した出力物を貼り付けるのに、貼り付け面形状にあわせたカット済み両面テープを綺麗に作成したくて久しぶりにカッティングマシンを導入しました。

  • 想定通りに綺麗にカットできた(1mm厚で柔らかいアクリルフォームのものは要追加検証)
  • RoboCraftのデータ形式とも互換性があり最低限の操作で引き継げた
  • Bleutooth接続したアプリでファイルを選んでリピートカットも簡単

と期待通りの働きをしてくれました。カッターなどの消耗パーツもしばらく入手に不安を覚えることはないし、最新のWindows11などでもサポート付きで利用できます。当時CraftRobo C330-20が2.3万円、今回のSilhouette Portralit4がポイント還元で実質2.7万なので、16年ぶりの物価高も加味すればほぼ据置きのお値段で買えて満足です。

人力では綺麗にカットできないような複雑な形状の粘着シートも作り放題なので、3Dプリント品の商品力向上に貢献してくれるでしょう。また機会があれば箔押しなどにもチャレンジしてみたいと思います。

RFIDタグで無くし物発見?XIAOMAI BH-01-C

我が家にはガジェットがたくさんあり、細かい付属品なども含めると行方不明になる品も多いです。フリマアプリで手放そうとしたら箱がない、純正付属充電器はどれ?などなど日常茶飯事。そんな時に役に立ちだなと思ったのがGREEN FUNDINGでクラファンしていたXIAOMAI BH-01-Cです。

こういうさも画期的っぽい中華ガジェットのクラファンは、AliExpressとかで格安で既に一般販売されてるものを輸入してるだけだったりしがちですが、本品については探した限り同一品ぽいものも同価格帯で類似した商品も見付からなかったので、超早割の25% OFFだしいっか、と買ってみました。

正直ハードもソフト(アプリ)も60点くらいの出来映えですが、現時点ではユニークで(家庭用では)代替品が見付からないカテゴリのアイテムなのでまぁアリかってところです。

■どういうもの?

日本人に馴染みが深いのは、特許侵害訴訟で話題のUNIQLOやGUのレジシステムです。商品のひとつひとつにRFIDタグをつけてあり、買い物カゴをレジにセットするだけで非接触で何が入っているか読み取って会計できるアレです。

Suicaなどでも使われるNFCチップを読み取り専用で極小のシールやカードにして安価な使い捨てにしたものというイメージで良いと思います。NFCチップは改札や決済端末などにほぼゼロ距離でかざす必要がありますが、RFIDタグは数m離れていても読み取りができる点も大きな特長です。またNFC同様にAirTagなどと違ってタグ側にバッテリーがいらず、スキャナーからの電磁波を電力源として応答します。バッテリー不要なので恒久的かつ安価に読み取りができます。

BH-01-CはUNIQLOレジよりも長い距離(公称6~7m)の範囲でRFIDタグの内容を読み取れるスキャナーで、スマホアプリとBluetooth接続することで、特定のRFIDタグを探すことができます。スマホアプリから探したい物品(事前に登録したタグを貼り付けたもの)を指定して、スキャナをもって部屋の中をウロウロすると、近くにある時に音が鳴って教えてくれます。

タグ捜索中の表示

ウチみたいにガジェット機材が何十点、細かい付属品までいれれば3桁はありそうな環境で、「あれどこしまったっけ?」みたいな時に重宝してくれます。公称6~7mですが実際には電磁波を反射する金属製の障害物(壁や箱)があると検知できないので、「家の中のどこにあるか見つける」というより、ロッカーや引き出しを1つ1つ開けて中にむけてスキャナーをフリフリする位の距離感だと思っておいた方がガッカリしないと思います。AirTagなどと違ってタグ自らが電波を発するわけでないので、どうしても通信距離は短いです。それでも電子マネーのようにビタ付けはしなくても数m先まで検知できるのはありがたい場面もあるでしょう。

■本体仕様

本体は充電式で、珍しく電池タイプ3,300mhAのバッテリーが脱着可能な形で搭載されています。一般的な電池サイズではないですが、将来的に劣化した際にすぐ交換できそうなのは良いですね。

普段の使用ではUSB-Cで充電して使います。ただしPower Deliveryには非対応で、A-Cケーブルでないと充電できないタイプです(60点)。

スマホとはBluetooth経由でリンクして使います。

■RFIDタグの種類

3種類のタグが用意されています。製品にも一定数同梱されていますが、もちろん追加購入も可能です。消耗品で、なければはじまらないものなので、本体と同時に追加パックもいくらか購入しておきました。

写真の右上が「汎用タグ」、左が「書籍タグ」、右下が「洗濯タグ」です。

共通要素として、表面に中国語と英語でタグ形状と、ユニークID、QRコードが記載されています。自分で何かを書き込める余白はほぼありません。ぱっと見なんだかわからないので、例えばこれを貼ったノートPCを拾得した人がみても「???」となりそう。海外旅行者の忘れ物かな?的な。NFCタグみたいに情報書き込みができるといいんですが、

汎用タグ

その名の通り一般的に使う基本形です。実測で60 x 15mmのシールタイプ。長期的にはわかりませんが、ガジェットなどの曲面にもしっかり貼れるくらいの粘着力はもっている印象です。

書籍タグ

蔵書管理などに使う用で、細長いです。実測93 x 8mmでこちらもシールタイプです。クラファンのページをみる限りでは、特に粘着力や通信距離に違いがあるかどうかは不明で、単に形が違うだけかな?という理解。貼り付けるスペースにあわせて使い分けてもいいのかどうか、いまいちはっきりしませんが、普通にそうしています。アプリ上でも特に書籍タグだから書籍アイテムにしか紐付けできない、みたいなことはなさそうです。

洗濯タグ(防水)

こちらは上の2つと違って粘着テープがついておらず、穴があいておりぶら下げる紐もセットになっているまさに「タグ」という感じ。サイズは60 x 25mm。衣料品店で値札やサイズタグと一緒にタグガンで留めて使うような感じです。ただタグカードというにはやや薄くてペラペラな感じ。また特徴として防水仕様であると書かれています。

衣類などにぶら下げるようの紐が同数付属してきます。プラパーツでパチっと留める方式。

個人的に衣類に使うことは考えていませんが、シールで貼り付ける必要がなく再利用もしやすいので、箱やバッグに入れておくような利用方法もアリかなと思っています。書籍なども一時的な用途であればしおりの様に挟んでおくのもアリかな?

RFIDタグのコスト

気になる価格ですが、クラファン後の一般販売価格はそれぞれ90枚で税込1,780円になる予定らしいので、1枚の単価は約20円というところです。3種セットパックなどもあります。もし一般通販サイトや家電量販店で販売されればもう少し安くなる可能性もあるでしょうかね?

■気になる点

使用アプリが探しづらい

専用アプリとして「Xiaomai Home」というのを使うんですが、付属のマニュアルペラ紙の記載がやや不親切。Android版はQRコードが載ってますが、iOS版は「AppStoreで”xiaomai home”と検索」とだけ書かれており、正式なアプリ名称やアイコンなども載っていません。検索した結果、違うアプリがトップに出てきたりしてもわかりません。なんといっても名前が紛らわしい。「Xiaomi(シャオミ) Home」というアプリも実在します。こちらはXiaomai(シャオマイ)です。これを手打ちで検索してインストールしろ、というのは危険すぎます。今時、iOS/Android共通のQRコードだって難しくはないと思うのですが、なぜこういう表記にしたのか謎です。ちなみにワンチャンリダイレクトしてくれるかな?と思ってiPhoneでQRコードを読み込んでみたんですが、Xiaomaiサイトから謎の(数字ファイル名の)zipファイルをダウンロードしようとしました。もしかしてAndroidもGoogle Play経由ではない?!

色々とあやしいです。一般販売までにもう少し体制が整うとよいのですが、、

起動が遅い

デバイスの電源ボタンを押してから、スマホとBluetooth接続できる待機状態にいくまでがけっこうかかります。起動画面が消えてホーム画面的な表示にかわるまで1分。そこからアプリで接続ボタンを押しても何度もタイムアウトになり、最終的に接続完了までコミコミで1分38秒かかりました。一般的なマウスやイヤフォンのようなBluetoothデバイスの接続と比べるとフラストレーションです。

タグが大きい

タグの中にはコイル的なアンテナが入っているので仕方ない(小さくすれば検出距離が縮む)のですが、小物ガジェットに貼ろうとするとはみ出てしまうケースも多々あると思います。機材でいえばRODE Wireless Proみたいなワイヤレスマイクとかは本体はもちろん充電ケースも微妙。小さいものほど無くしやすいと考えると、使いどころ自体が限られてしまう可能性も。

またデザイン的にも正直カッコいいとは言えないので、背面や底面にこっそり貼ろうと思うと、なかなか場所探しが厳しいなという感じ。

金属(アルミ)と相性が悪い

これまたRFIDタグの技術的弱点だと思いますが、金属面に貼ると電波が遮断なり反射されてしまい正常に機能しません。例えば、AppleTVの「Siriリモート」リモコンの裏面に汎用タグを貼ってみたんですが、数cmの距離まで寄せても検知できません。シールをペロっと剥がすと途端にピーピー鳴る、という感じ。たぶんアルミだと思うのですが、アルミはとても電波を通さないランキング上位の金属なんですよね。Apple製品の多くはアルミ筐体なので相性悪いかも知れません。追々iPadやMacBookでもテストしてみたいと思います(ていうか普通に使いたい)。

アプリが中国語中国語しい

Xiaomai Homeの主要な画面は一通り日本語化されているんですが、全体に中華フォントだし、一部画面で中国語が残っており、「中華製品」感がとても高いです。

実用面でも、意味がまったくわからない表示があったりして結構困ります。例えば、以下の画面はどういう状況だと思いますか?

これも是非一般販売までには改善していってほしいところです。

日本語翻訳されたワードがラベル領域からはみ出てしまっていて「マイデ…」とか「フィー…」とか意味不明な表示になってる箇所も目立ちます。これは英語表記に切り替えても同様です。

もう少しローカライズに力を入れてほしいところです。

アイテム登録に写真登録が必須

操作フロー面では、物品や部屋の登録に写真登録が必須な点が煩わしいです。

個人的には登録物からテキスト検索で探したい物品を選んで、スキャナーでピーピー音が鳴ってくれてよくて、画面で写真を見たり写真で探したりはしないかなと思います。何十、何百というアイテムを登録するのであればなおさらです。登録の手間は少しでも少ない方がよい。本を百冊登録しましょうって時に、1冊1冊表紙の写真を撮る手間があるとないとでは大違いでしょう。部屋(保管場所)にもいちいち写真を要求する意味がわかりません。アイテム登録時の部屋選択UI上は文字タグしか出ないのです(写真赤丸部分)。

いちいち全ての写真を要求するのは手間だし容量の無駄でもあります。使えてもいいですが必須にするのはやめていただきたい。

その他、全般的にアプリが使いづらい

その他にも、デバイスとBluetooth接続する時にいちいち確認ダイアログが出るとか、ユーザー名がメールアドレス表記で、識別しやすい名前をつけられないとか、微妙に使いづらい、気が利かないところは多いです。おいちゃんユーザビリティの専門家だからコンサル発注しないかい?と。

■まとめ

全体にこなれてない感が拭えませんが、現状家庭用製品としてはかわるものがなく、ユニークな価値をもっている商品だと思います。一般販売時までには色々とブラッシュアップを期待したいところです。

あと予備タグの販売経路も充実させ、かつ継続を期待したいですね。

[3Dプリント] Sesame Face用クイックハック2点

Sesameフェイス(以下Sesame Face)は概ね順調に使えていますが、ちょっとだけ不便なところがあったので3Dプリンターでサポートツールを2点ほど製作しました。

■施錠ボタンを押しやすくする拡大カバー

Sesame Faceはサイドに施錠ボタンが装備されました。Sesame Touchでは「登録されていない指で指紋センサーにタッチする」必要があり、認証失敗を踏む必要があるので若干タイムラグがありました。

Sesame Faceは物理ボタンになってノータイムでロックができスムーズに外出ができるようになっています。ただ、このボタンがいささか小さく狙って押すのがややストレス。特に夜間の薄暗い玄関だと手探りが必要になります。

そこでボタンサイズをちょっとだけ拡大するカバーを作ってみました。

色もあえて派手めのフィラメントを使って目立つようにしています。

■NO.00(PH00)ドライバーL字アダプタ

Sesame Faceのスライドバックプレートには小さな固定ネジがついており、両面テープでドアに貼り付けたベースプレートとがっちり固定することでスライドできなくし盗難しづらくすることができます。

ただプレートの厚さ内に抑えるため、

  • ネジがとても小さい(No.0/PH0相当)
  • ドアにビタ付け

となりとても回しづらいのです。

アネックス(ANEX) 精密ドライバー +0×75 No.3450

アネックス(ANEX) 精密ドライバー +0×75 No.3450

261円(07/01 03:46時点)
Amazonの情報を掲載しています

それでも通常はこのような細身のドライバーを使えば問題ないのですが、我が家では更に困ったことに2つ上の写真のように凹んだガラス面に取り付けていて、右方向にクリアランスがなく、長いドライバーだと入りません

DAISOのメガネ用ドライバー(PH00)でどうにか締められたのですが、外すのが大変でした。細くて力が入りづらい上に、このドライバーは反対側がマイナスになっていてネジでフタになってるのですが、緩める時はこのフタ側も回ってしまうのです。あらかじめ外しておけばいいんですが、そうすると掴める箇所がかなり短くなります。入手性が良いので緊急用としてはいいのですが、何度も使ってるとネジをナメそう…

六角レンチのようなL字になったドライバーを探してみたのですが00サイズのものは見当たらず、仕方ないので自作しました。

・Ver.1 ビット使用タイプ

まず以前購入したこちらの精密電動ドライバーセットに含まれるPH00サイズのビットを流用するタイプ。

このビットは細身の六角タイプです。一般的な6.35mm(しぶいち)の六角ビットよりも細い太さ4mmのものです。単品で購入するとしたらコレでしょうか。

これを利用する形て作ったのがこちら。

リアにマグネットを仕込んで、ビットがピタっと吸い付くようにしました。

これでも若干軸が太くて手前に傾いてしまいますが、丁寧にやれば回すこと自体は可能です。

厚みが8mmあり、ドライバーの選択がΦ2mmなので、3mmほど奥にでっぱる形になります。3Dプリントなのであまり外周を薄くすると強度的にも不安なのでこれくらいが妥協点かなと思います。奥側に出っ張らないよう、オープンエンド(C型)レンチみたいな形状も考えましたが、やはり回す度に付け外しするのもそれはそれでビットを落としたりして不便そう。

あとストラップホールくらいつければ良かったなとも。

・Ver.2 ANEX 特小ドライバー流用タイプ

4mm六角の単体ビットも売っている様子がなかったので、もし今度同じお悩みの方に相談を受けた時に調達しやすい形にするため、こちらのドライバーをベースにしたバージョンも作成しました。

アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特小タイプ +00×23 No.1030

アネックス(ANEX) 精密ドライバー 特小タイプ +00×23 No.1030

51円(06/30 22:13時点)
Amazonの情報を掲載しています

写真ではわかりにくいですが、柄の太いところが六角、お尻側が円柱状になっています。この六角部分にトルクをかけて回す作りになっています。ドライバーの価格も安いので、接着してSesame Face専用にしてしまっても惜しくないです。

ただ残念ながらこちらはメガネ用ドライバーと同じNo.00/PH00サイズの製品しかなく、回せなくはないけど、ちょっと気を遣う感じ(しっかり差し込まないとネジを舐めそう)。

・Ver.3 ビット使用タイプ改良版

ということでVer.1のビット使用タイプに回帰。できるだけギリギリまでドライバー先端を真っ直ぐにネジに当てられるように、フロントを後方にオフセットし、傾斜もつけてみました。

またできるだけ回転角をかせげるように、ベタ付け状態でも指を入れて持ち上げやすいよう、持ち手の部分を長方形から六角形に変更(3Dプリンターの特性として円柱よりは六角形の方が綺麗に出せるという事情がありあえての六角形です)。

ネジ自体が小さいので楽々とはいきませんが、丁寧にやればしっかりナメずに締めたり緩めたりできるようになりました。

BOOTHに出品しておきます。BOOTHアカウントがなく直接取引をご希望の方はコメントにて。