DP2s他、手持ちカメラ比較 ブツ撮り編

SIGMA DP2s、Powershot G10、Cybershot TX7の3モデルで撮り比べしてみました。性能比較が目的ではないので、設定条件を揃えることには腐心せず、それぞれの機種でブログ用写真を撮るとしたらこうする、という感じで数枚ずつ撮り、一番のお気に入りを挙げました(TX7だけ2枚)。

すべて三脚使用。ホワイトバランスはそこらにあった白封筒で手動設定してます。

■Powershot G10 + 外部ストロボSUNPAC RD-2000

G10

やはり、バウンス撮影だと質感が良いです。一部がテカってしまうこともなく、全体にしっとりした感じ。絞り優先で一杯ですが気持ちボケてる程度(ちょいズームしてます)。指紋やホコリが目立ちにくいのもブツ撮りとしてはポイント高い。ただ、もうちょっと露出上げても良かった。RD-2000はバウンスするにはちと光量が足りないですね。

■Cybershot TX7

TX7_Portrait

まずは一番ボカしが効くはずの「ポートレート」モード。まぁ、こんなもんですかね。クッキリ綺麗に撮れてますが、それ以上ではない。G10のバウンスに比べると、文字盤の各所が光ってしまってるのが気になります。

TX7_HDR

  2枚目はTX7ご自慢のHDR合成「逆光補正HDR」モードを使ってみました。全体にテカりが抑えられてディティールがわかりやすくなりました。iPhone4みたいな単純な造形物ならいいんですが、G-SHOCKみたいな複雑なラインを正確に見せるならこれもいいですね。ただ、背景のテーブルもくすんで締まって、ブログに貼ってあって「ウホ、綺麗!」って写真じゃないですね。

■SIGMA DP2s + 純正クローズアップレンズAML-1

DP2s

RAWではなく直接JPG保存したものです。接写距離の関係で少し引いたアングルに。それもあってか、さすがにボケはダントツ。ちょっとやりすぎ。露出もオーバー気味ですが、一応飛んでもツブれてもない?ダイナミックレンジの広い感じの写り。G-SHOCKのラインも見て取れますね。

 DP2s_RAW

1枚追加。今度はボケを弱めて、RAWで撮ってみました。画角も他のものに極力近くしてみました。

 

いかがでしょう?やっぱボケはダントツにDP2sだけど、ガジェットではバウンス撮影の質感が捨てきれないですね。DP2sにつく手頃なバウンス対応ストロボないかなぁ。SIGMAの一眼用はデカいしなぁ。ただRD-2000は天井バウンスにはちと光量が不足気味なので、どうせ室内専用だしフルサイズのストロボ特攻する手もあるなぁ、と悪魔のささやきが…

あとはディフューザーボックスとかで頑張る手もありますが、ウチのテーブルはいつでも散らかってるし、あんまセットアップに手間暇かかる系はなぁという気もしてます。

クッキリカリカリ画質 DP2s衝動買い

デジカメ少女百景[アキバBlog]という、「萌えるヘッドフォン読本」と同じ作りのレビュー本を買いました。デジカメのレビューなのに本体外観写真はおろか作例すら1点たりとも載っていないという斬新な本ですw。かわりに機種毎に違うイラストレーターや漫画家がその機種を手にした女の子のイラストを見開きで左側全面に配置、という作りです。まぁ、作例も外観写真もググればすぐ出てくるものだから、確かに省略してしまうという潔さもアリなんですが、どうせならiPad向けに電子出版してそれらがリンクで簡単に閲覧でできたりすると神だったかも知れません。

■ヘッドフォン時同様、衝動買いにつながってしまった…

ヘッドフォン読本の教訓が活かされてないというか、うっかりデジカメ1台買ってしまいました。

SIGMAのDP2sという機種です。正直デザインが好みじゃないし、ズームや手ぶれ補正などのユーティリティも皆無でマニアックすぎて今まで視野に入っていなかったモデル、メーカーです。それ以上のことを意識したことすらありませんでした。

が、この本の解説により、Fovion X3[Wikipedia]というCMOSセンサのことを知りました。なんでもRGB各色の素子が奥行き方向に並んでいて色毎のズレがないので原理的に偽色(例えば本来真っ白いところに違う色の滲みが出ること)が発生しない。またそれを防止する為に通常のデジカメには搭載されているローパスフィルターが不要になるため解像度が落ちない、といった特徴があるようです。

作例[マップカメラ]をググってみると、なるほど確かにハッとする解像感があります。偽色もなく、DVDからBlu-rayに乗り換えたようなクラリティです。多くのコンパクトカメラは高解像度で撮ってもなかなかこうはならず、木々などの細部が油絵のように滲んでたり、ビルの外壁の細い線などがのたくってたりします。そういうのがほとんどないに等しい。

同時にコンパクトながらデジタル一眼と同等のAPS-Cサイズなのもあり、ボケも期待できます。

惚れました!

■DP2sかDP1sか

とはいえDP2sは実売で6,7万します。ブツ撮りの多いσ(^^)はオプションのクローズアップレンズなども買うことになります。ズームや手ぶれ補正もないマニア機なのでメインにするワケにもいきません。趣味の買い増しにはちょっと高い。

一方、レンズ違いのDP1sなら3万強で買えることを発見。こちらならまぁやんちゃ買いとしてはアリです。

DP2sは41mm/F2.8、DP1sは28mm/F4です。DP1sはかなり広角なので固定焦点カメラとしてはかなり使い道が限られる。またDP2sの方が明るいのでボケ写真なんかは撮りやすいでしょう。

てことでヨドバシ店頭で触り比べてきたところ、やはり上記の通りの印象で、ブツ撮りにはやはりDP2sの方が画角的に使いやすいし、ボケも綺麗。

本当は触り比べだけして帰ってから検討する予定だったんですが、Amazonと価格差に開きがあるDP1sに比べ、DP2sは実質ほぼ同価格。「DP2sなら今日買って帰っても損しない!」と思ったらもう気絶コース一直線でした。

マクロ用にフードアダプタとクローズアップレンズもセットにしてお買い上げ。

■ハード周り

正直、デザインも質感も操作性も液晶画面性能もひと昔、ふた昔前のショボさが漂います。これが好きな人にはたまらないのかも知れませんが、個人的にはCybershotのようなスタイリッシュさやPowershotのような無骨さの方が好みです。

バッテリーは外して充電する充電器が付属ですが、別売りで直接給電もできるようです。インターバルタイマーとかがついてるみたいなので、そうした使い方を意識してのことでしょう。

操作性もやや古くさい上に独特の操作感で慣れるまでやや違和感があります。ただDP2になって追加されたQS(Quick Setting?)ボタンで基本的な設定がサクっと換えられるのでなかなか便利です。これだけでもDP2sにした甲斐を感じます。ボタンのカスタマイズ性も高いので熟練すればそれなりに使いやすいのかも知れません。

撮った直後のプレビュー状態でゴミ箱ボタンを押しても即削除できないのが不便。特にこの機種は書き込みが遅い上に、RAW使用前提みたいなところがあるので。

内蔵ストロボは収納式で開閉は完全手動。その気がないのにうっかり光らせてしまう失敗が起きにくいのはストロボ嫌いなσ(^^)的には歓迎。

ただバウンスができる外部ストロボの選択肢がほとんどないのが悩ましい。変換アダプタとかもざっと探してみた限りでは見つからず。

■作例

今日も仕事を早く片付けて試写に出かけたかったんですが、結局夕方になってしまいました。のでピーカンの下でカリカリに解像感のある写真はまだ撮れてません。のでとりあえず近所を軽く廻った作例をば。手持ち機種(G10、TX7)と録り比べもしたかったんですが、時間がなく断念。またどれもRAWで撮ってそれなりに現像段階でいじってます(クリックで拡大)。

 

SDIM0016

自販機。なかなか綺麗な色味で、細かいところまで滲み無くクッキリしている印象。

ちょっといじりすぎてHDRっぽくなってしまった。


SDIM0017

自販機2。これもホワイトソーダの白地に黒文字のところが偽色もなく綺麗に撮れてます。

奥はもう少しボケて欲しいな。

これだけ付属のSigma Photo Pro 4.1ではなく、Photoshop Elements 8で現像。こっちの方が使い勝手いいかも。ホワイトバランスのオートも一発で綺麗に決まりました。


SDIM0029

某マンションのエントランス。タイルや目地の質感がイイカンジです。ランプの光も飽和しないで綺麗に撮れました。


 

第一印象としてはやはり手ぶれしやすいということ。APS-Cだし開放中心だったんですが結構ブレてました。液晶で確認しづらいのも厳しいです。もともとカリカリの写真を撮るのが目的だし、ブツ撮りも多いので三脚を多用することは折り込み済みではあるんですが。スナップ用はTX7があるし。

それもあって最近Powershot G10は自宅で三脚に載せたまま、ブツ撮り専用と化しています。DP2sをもう少し使ってみて、ブツ撮りに充分使えそうならG10は処分して購入費用に充てますかねぇ。その為にはバウンスできる外部ストロボが欲しくなってしまうんですが…