Softbankが配布しているFONルーター設定時の罠

iPhone4を購入した時に、fonルーターを無料でもらいました。無線LANルーターをもっていない人はウホ、ラッキーとか思ってるかも知れませんが、これには少々裏があります。fonというシステムは数年前に海外のベンチャー企業が立ち上げた無線LAN相互利用システムで、自宅にfonルーターを設置している人(fonではLinus会員と呼ぶ)は、他人の設置しているfonルーターを通してインターネットにつなげる、という仕組みです。接続できるのはあくまでインターネットで、(正しく設定していれば)他のLinus会員に自宅のLANを覗かれたりといったことはありませんが、BB Excite等一部の例外を除き国内の多くのプロバイダはこうした第三者への回線の又貸しを禁じているので使用には注意が必要です。

増加する3Gトラフィックを少しでも各家庭のブロードバンドi経由に逃がしたいSoftbankの思惑は理解できますが、こういう微妙なものをホイホイ配布するのはどうかという気がしますね。むしろ、数年たっても一向に進まない対応プロバイダの増加を積極的に後押しするなどの行動込みなら賞賛に値するのですが。

ちなみに我が家で利用しているIIJmioは何年か前にサポートに直接尋ねたところNGという回答をもらっています。

■fonルーターばらまきの弊害

さて、そんな事情なので我が家ではfonルーターの導入は基本NGなのですが、ユーザビリティ屋として最近のモデルで設定フローがどう変わったのかとか興味があったのでちょっと試してみました。

ちなみにSoftbank的にはあくまでiPhoneやiPad、その他SBMのWi-Fi対応端末向けに配っているものなので、添付の説明書はそれらのデバイスからの設定しか書かれていません。それら専用だと勘違いしてPC用のアクセスポイントを別に運用するなどの無駄をする人も少なくなさそうですね。

さて、fonルーター(ウチがもらったのはFoneraNというモデルみたいです)を既存ルーター配下に接続して電源を入れると、MyPlaceとFON_FREE_INTERNETという2つのESSIDをもったシグナルを発信します。前者は自分専用でデフォルトでWPA/WPA2による暗号化が施されています。後者は暗号化無しで誰でもつなげられます(ただし接続後にfonのサイトでユーザ認証をしないと他のインターネットサイトにはつながりません)。無事インターネットにつながったfonルーターに対し、ユーザーがまずするべきはそのルーターを自身のfonアカウントに登録することです。fonアカウントに登録され稼働が確認されたルーターが1台もないとLinus会員としての権利も与えられません。σ(^^)の場合、既に実家で稼働させているfonルーターがあるのでアカウントも開設済み。今回はそれに2台目として追加登録する形です。

PC用マニュアルがないので色々想像を働かせながらの手順になったワケですが、まずは有線LANポートにPCをつなぎ、192.168.10.1を開いて管理ページにアクセスします。初期パスワードはadmin。するとMyPlaceに設定されているWPA/WPA2暗号キーが調べられます。物置に設置した関係で有線接続しながらは暑いし立ち作業になるので、早々に場所を移しMyPlaceに無線でつないで続きをしようとお思ったんですが、先ほど調べた暗号キーを入れてもつながらない。何度か物置にいって有線接続に切り替えつつやったのですが全くダメ。で、ふとiPhone4発売日直後くらいに既にFON_FREE_INTERNETなるESSIDが自宅で検知できてて「あぁ、ウチのアパートの誰かもiPhone買ったのかなぁ」等と思った記憶が蘇る。「これもしかして他人のfonルーターが発しているMyPlaceなんじゃね?」と。そこで再度有線経由で管理ページを開き、MyPlaceのESSIDをMyPlace_hogeなどと変更してみる。すると案の定、ノートPCからはMyPlaceとMyPlace_hogeの両方が検知された!知らないうちに他人のルーターに不正アクセスをしようとしてたよっ!!

Softbankが契約者にタダでバラまいていることで、普通では考えられない数のfonルーターが国内に出回っており、日本中のあちこちでこういうトラブルが起きてるんじゃないですかね?マニュアルでも言及しておくべきだと思いました。

ちなみにMyPlaceだけでなくFON_FREE_INTERNETの方もFON_だけ固定で後は自由に設定することができます。ただそれをしちゃうと端末側は自動認識しなくなるので利用者にとっては微妙に不便なんですよね(まぁどうせ暗号化されてないからたいした手間ではないですが、ファイアウォールソフトなんかの設定が個々に必要になったりするかと)。

■アカウントへの紐付けがFON_FREE_INTERNET経由な不思議

さて無事にMyPlace_hoge経由で設定画面にアクセスできるようになったワケですが、肝心のfonアカウントに登録する項目がない。おかしいなぁと思ってiPhoneでの手順を見て驚愕。FON_FREE_INTERNETでつないでそこから登録ページにアクセスし、フォームからメールを送信して、、、という手順になっています。試しにPCからFON_FREE_INTERNETに接続し、http://www.fon.com/にアクセス。既存のIDとパスワードを入れてログインすると自動的に今使っているルーターがアカウントに登録されました。

これおかしくないですか?つまり登録が済んでいない他人のルーターの電波がつかめたら、勝手に自分のものとして登録できてしまうことになりますよね?普通に考えたらMyPlace側でしかこういう管理設定は出来ないようにするべきだと思うんですが…

確かにiPhoneに登録するESSIDをFON_FREE_INTERNET側1つに絞る方が設定を簡素化できるメリットはありますが、自宅でも暗号化されていない無線ネットワークを常用させるのは今時どうよ?という感じですね。

■そもそもSoftbank的にはMyPlaceを使わせる気がないらしい

よくよくSoftbankの説明書を見てみると、FON_FREE_INTERNETを使う設定しか説明してないんですね。インターネットへのトラフィックが使えればいいやろ、的な発想なんでしょう。AirVideoスレなどでFONルーターで使えないと質問してる人が多いのも納得です。RDP系のアプリやEPSONの印刷アプリはもちろん、FTPでファイルをやりとりする系のソフトも、Softbankの説明手順に沿っただけでは全滅ということになります。

それってどうなんでしょ?

とりあえずなかなか有意義な知見が得られました。知人に相談された時にFONルーターを使ってると言われたら要注意ですね。

皆さんもお気をつけ下さい。

■どうすりゃいいの?

FONルーターで他のPCと通信ができなくて、ググってこのエントリにたどり着く方もいるかも知れないので、一応簡単に説明しておきます。基本は同じESSIDの無線LANにつなぐ事です。

・PCはFONルーター以外の無線LANアクセスポイントでつながっている場合

iPhone/iPadもfonルーターを使わずPCと同じアクセスポイントに接続するようにしましょう。

・PCはMyPlaceに接続している場合

iPhone/iPadもMyPlaceを使う設定に変えましょう。

・PCもiPhoneもFON_FREE_INTERNETで接続している場合

そもそも単一のfonアカウントで2台を同時につなげるかどうかも定かではありません。仮に同時接続が可能だったとしても、この種の暗号化されていない無線LANではセキュリティの為に相互の通信が遮断されていることが多いです。むしろ遮断されてなかったら相当危ないです。他人に通信を覗かれる可能性もあります。基本的に自宅のfonルーターではPCもiPhoneもMyPlace経由で使うようにしましょう。

2012.03.07追記: そもそもFONルーターを使わないという選択肢について

本記事を書いたのはだいぶ前ですが未だに多くのアクセスがあります。iPhone4Sに機種変更した時はFONルーターもらえませんでした、新規の人には未だに配られているんでしょうか?

最近ではFON_FREE_INTERNETというESSID(無線親機についている名前)はSoftbank Wi-Fiスポットでも使われており、かつ整備不良のそれにつながってネットができなくなる現象も増えているので、この名前の無線LANにつながらないように設定プロファイルを無効にしている人もいるでしょう。

上に「どうすりゃいいの?」という選択肢を書きましたが、個人的には「安物でいいので一般的な無線LANアクセスポイントを買う」がベストだと思います。今時は通販なら2,000円台からあります。お店でも3,000円台でしょう。いくつか候補をご紹介しておきます。

 

 

おそらく日本で一番売れてる機種でしょう。Amazonの簡易包装(FFP)版が執筆時点で2,370円。厳密にはルーターという家のネットワークとADSLや光回線の分岐点におく機械ですが、すでにある人は、本機のルーター機能をオフにして単なる無線LAN親機(アクセスポイント)として使うこともできます。逆に既にあるルーターの機能をオフにして、こちらをルーターとしても使うように設定すると、外出先から自宅のパソコンにアクセスする機能などが使えるようになり色々と便利です。


 

上の2つは無線LANの規格が通常の2.4GHz(ギガヘルツ)のみ対応だったのに比べ、こちらは5GHzにも対応したものの中で最安値クラスのものです。4SまでのiPhoneは5GHzに対応していませんが、iPadはしています。2.4GHzは利用者も多いですし、コードレス電話や電子レンジとも同じ周波数なのでスピードが落ちやすいですが、5GHzならその心配が少ないです。5,000円台とちょっと高いですが、iPadで動画など大きなデータをバンバン扱う人は5GHzに対応したものがオススメです。外部アンテナも付いているので、戸建てなど広いお宅で使う場合の電波の到達距離なんかもポイントです。もちろん2.4GHzにも対応しているので、PC、iPhoneはもちろんPSPやDSなどのゲーム機でも使えます。


 

上の2つはFONルーター(フォネラ)に比べるとデカくて嫌だなぁ、って人向けなのはこちら。フォネラに近い大きさで、比較的安価(2,000円台)です。ルーター機能をもっていないだけに設定項目も少なくて設置が一番簡単かも知れません。2.4GHz専用です。

もっと小さくて安いものもありますがACアダプタが別売りだったりするものもあるので必ず確認してみて下さい。


 

Apple純正品です。8,000円台とちとお高いですが、

・iPhone/iPad/iPod touch向け専用アプリで設定ができる

・コンポ等にケーブルをつないでおくと、iPhone等から音声を無線でとばしコンポで鳴らすことができる

という他にない特長をもっています。2.4GHz、5GHz両方対応。

純正品なのでもともと値引きは期待できませんが、Amazonだとむしろ割高な時すらあるので、こちらは量販店で探した方がいいかも知れません。


 

Softbankがプラチナバンドを取得し、2012年の7月下旬にはiPhone4/Sからも利用可能になるので、3Gのパケット通信にも随分余裕ができるかも知れません。ただそれでも自宅にブロードバンド回線を契約しているならそちら経由の方が速いですし、そもそもFaceTimeのようにWi-Fiでないと使えないサービスがあったり、一定サイズ以上のアプリはWiFiでないととれないなんて制限もあります。この記事を読まれたのを機会に是非ご自宅のWiFi環境整備をオススメします。

iOS向け高機能MP4自炊まとめ

iPhone、iPad、iPod touchなどで機能するチャプターとマルチ音声入りのMP4を自炊するために、昨日からあれこれ試行錯誤した結果を覚え書き。

■マルチトラックオーディオ

いままで、HandbrakeでDVD-Videoから直接エンコードした場合のみiOSで切り替え可能なマルチ音声トラックなファイルを生成できていました。が、それ以外の形式から最近愛用しているMediaCoderなどで生成した場合、どうしても上手くいきませんでした。MediaCoder自体にもそれ系の項目はあるんですが、エラーになったり同じトラックが複数含まれるファイルになったり。特にMediaCoderは最後にmuxする時にエラーで落ちることが多く、延々かけた時間が無駄になるのが痛い。

で、あれこれ試した結果わりと安定して作れるのは、映像と音声を別々にエンコードしてmp4boxでくっつけるという方法(demuxはソースによって方法が異なるのでとりあえず割愛)。mp4boxはMP4コンテナにまつわるいろいろな編集を行うコマンドラインツールで、MediaCoder自体も裏で使用しています。またyambという優れたグラフィックフロントエンドもあるんですが、iOSで認識する形式でmuxするには、直接コマンドラインで下記のようにする必要がありました。

mp4box.exe -add "映像.mp4" -add "音声1.m4a":lang=jpn:group=1:delay=100 -add "音声2.m4a":disable:lang=jpn:group=1:delay=100 "出力.mp4"

へんなとこで折り返してますが実際は一行です。音声ファイルにそれぞれgroup=1を付与するのと、メインではない方の音声ファイルにdisableオプションをつけるのがポイントらしいです。またmuxした結果音がズレる場合は上記のようにdelay=100などと指定します(ズレてなければ不要)。lang=jpnは別になくてもいいかも知れませんが、指定しておくと、iOS上で選択肢に「日本語」と表示されます。

ちなみにこのやり方でVLC、MediaPlayer Classic Home Cinema等でも切り替え再生ができていますが、なぜかQucikTime Playerではダメでした。QuickTime Playerで動けばiOSでもいけるだろうと動作チェックに使ってたんですがハマりました。iOSで使えるとわかれば重たいQuickTime Playerなんか使わないので認識しなくてもキニシナイことにします。

yambがこのオプション付きでのmuxに対応してくれるといいんですが、まぁこれくらいなら自分でフロントエンドGUIアプリを作ってもいいかも知れません。

■チャプター

これもハマりました。yambやmp4boxでもチャプターを設定できるはずなんですが、これもやはりPCソフトでは認識するがiOSではNG、というファイルになります。Nero由来の独自形式のようです。iOSでも再生できるQuickTime形式互換のファイルを作るには、下記の手順が必要でした。

hoge.mp4という動画ファイル名だったら、hoge.chapters.txtというテキストファイルを同フォルダに用意し、中身を次の書式にします。

00:00:00.000 アバンタイトル
00:03:45:000 オープニング
00:05:00:000 本編Aパート

日本語を使った場合は文字コードをUTF-8で保存します。改行コードはCRLFで大丈夫っぽいです。チャプター名をつけておくと、iOSデバイスやQuickTime Player上でリストで選択できるようになります。

書き込みにはmp4chap.exeを使います。これはmp4v2 toolsというユーティリティ集に含まれています。ググればすぐに見つかるでしょう。これまたコマンドラインから、

mp4chap.exe -i hoge.mp4

とします。mp4ファイルは上書きされます。安定動作を確認するまでは念のためバックアップをとるのが無難でしょう。今度はQuickTime Playerでも動作確認できます。シークバーの右側にポップアップメニューが出現してれば成功です。

iPhoneに入れた場合は、矢印の部分にボタンが出現します。タップすると右の一覧画面になります。

IMG_0519 IMG_0517

また、拡張子がm4vでないと認識されないという指摘も散見されますが、とりあえずiOS4ではmp4のままで大丈夫みたいです。ただiPadでは>>|ボタンは効くものの、一覧表示はできないみたいです。

ただ、精密に指定しても環境によってドンピシャの位置からは始まらなかったりするようです。iフレーム以外だと前後のiフレームに強制移動されたりするのかも知れません。色々試した中ではむしろiPhoneが一番精度高く頭出しされるようだったので、とりあえず良しとすることにしました。

■チャプター情報の生成

さて、やり方はわかりましたが、自分で作成するのは結構手間です。そこでTMPGEnc MPEG Editor 3.0のカット編集画面でキーフレーム一覧をテキストで書き出す機能に着目。この機能は単純にフレーム番号を1行1件で書き出します(拡張しは.keyframeですが中身はテキストファイル)。TV録画したファイルの場合、29.97で割れば先頭からの秒数になりますので、ちょっと計算式を組めば上記の00:00:00.000形式にできます。

そこで、このkeyframeファイルをchapters.txtファイルに変換するアプリケーションを自作しました。当初コマンドラインツールにして全自動で変換しようと思ったんですが、やっぱりチャプター名も指定したいなということで、GUIツールにしました。リクエストがあれば公開します(公開しました。下記参照)。

これでとりあえずTME3でCMカットしたりリップしたりするファイルに関しては半自動でチャプター情報ファイルも生成できるようになりました。ちょっと手間ですが、今期から(お気に入り作品だけでも)チャプター入れてみましょうかね。

2010.07.14追記:

今回のレシピで作ったファイルをPlayStation3でも再生してみました。マルチ音声はOK、チャプターはNGという結果でした。また、44.1KHzだと音程が高くなってしまう現象が発生。48KHzにしておくのが良さそうです。

2010.07.20追記:

上記レシピによるmuxを簡単に実行できるGUIフロントエンドを作成、公開しました

2011.10.06追記:

コメントでリクエストをいただいたので、TMPGEncシリーズの.keyframeファイルをmp4chaps.exe用の.chapters.txtに変換するツールを公開しました

ScanSnapとは違うのだよScanSnapとはっ!

ついカットなってポチった。後悔はしていない。

てことで、ScanSnapの上位シリーズで主に業務用を想定したドキュメントスキャナfiシリーズの中では比較的お手頃(それでもS1500の倍強)のfi-6130を衝動買いしました。

ScanSnapの不満点として、

  • ライン状の歪み(ズレ?)が発生する
  • 傾きが発生する
  • ユーティリテイが使いづらい

というのがありました。特に1番目は後工程でも直しようがないので困りものです。小説だとあまり気にならないですが、コミックで直線が歪むのは気になって仕方ありません。

当初はなにかしらフラッドベッド系に逝ってみようかとも思ったんですが、どう考えても我が家には設置スペースが残されていない。その点、fi-6130はフットプリントはS1500と似たり寄ったりなのでそのままリプレースできるんじゃないかと。

とりあえずまだ3,4冊スキャンしてみた時点でのファーストインプレッションですが。

■ハード面

家庭用のS1500と比べると若干不親切です。給紙側のトレイは畳めないので埃が溜まりそうだし、トライを開くと自動的に電源が入るといった親切機能もありません。

スペックは光学解像度は600dpiとS1500同等。超音波センサによる重送検知などももちろん装備しています。ADF積載量も50枚で同じ。スキャン速度はカラーの300dpiの場合で、S1500の20枚/分に対し、30枚/分と1.5倍程度速いようです。上位モデルのfi-6140は更に速い40枚/分ですが、不満点は速度ではなかったので価格差を考えて選びませんでした。

■ソフト面

ソフト的にはやはり業務量だけあってちょっとややこしいです。その割にできることはあまり変わらない気がします。メインのスキャンソフトはScandAll Proというのなんですが、TWAINドライバ経由で利用する仕組みになっていて、設定がScandAllのの「スキャン設定」とTWAINドライバ側の「スキャナ設定」に分散していてわかりづらいしプロファイルの管理もしづらいです。例えばスキャナ設定がカラーでもスキャン設定がグレーだと保存されるのはグレー、みたいな。

一方で、ScanSnapのように「100枚超えちゃったけど全部消去する?」的な意味不明でデンジャラスなダイアログが出たりはしない分、一度プロファイルを作り込んでしまえば、ルーチン回すのは楽そうです。

まだ設定を追い込んでないのでもしかするとどうにかできるのかも知れないですが、基本的にサイズ自動認識がダメダメです。外枠が黒っぽい原稿なんかだとご認識しまくりで、ページがざっくり半分くらいになったりします。で、自動認識をオフにしてB5とかB6とかのテンプレートを使うと、今度は裁断して小さくなった分、両脇に背景(原稿台?)がカットされずに残ってしまいます。このあたりはScanSnapの方がなにも考えなくてもスキャン画像に背景が残るようなことは全くなかったのでちょっとショックでした。いまんところ、サイズ固定に加え、指定量をカットする設定を原稿サイズ別に作って運用するしかなさそうです。まぁ、それはそれで原稿のピクセル数がきっちり揃って良いんですが。

またScanSnapと違ってTWAINドライバが提供されていることで、なにも付属のScandAllにこだわらなくても、BTScanのようなTWAIN対応ソフトを使うこともできます。BTScanは取り込んだ画像に一定の処理をほどこして連番保存するだけの軽量ツールです。今回初めて使ってみましたが、機能的には充分でこれがあればScandAllはいらないんじゃないかなと思っています。BTScan上で「入力開始」ボタンを押すとfi-6130のTWAINドライバ画面が出てきてそちらで設定をしてりプロファイルを切り替えるなししてスキャン実行、という感じです。スキャンが終わってもTWAINドライバ画面は閉じないので、例えば、カラー設定で表紙、グレー設定で本文、カラー設定で裏表紙、という一連の作業を連続して進めることができます。この辺りは、無駄に確認ダイアログが多いScanSnapとは大きく違う点ですね。

そういえばまだ一度も重送が発生してないので、発生時の挙動などが評価できていません。

■画質面

3、4冊試した限りでは歪みは見当たりません。これは基本的に直しようがないので一番嬉しい。

傾きはScanSnapと似たり寄ったりな気がします。後工程でeTilTlanによる補正は結局必要です。

ScanSnapを片付ける前に比較用原稿のデータをとっておかなかったので厳密な比較はできてませんが、画質自体もよくなっている気がします。ScanSnapではカラー設定とグレー設定を使い分けて、グレーの時は「くっきり」設定みたいなのを有効にしていたんですが、本機の場合、とりあえず全部カラーで取り込んで、最後にグレースケール変換するだけでも画質的に全く不満がない感じです。同人誌などをスキャンするのに、表紙から裏表紙までひとまとめにして取り込めるのが作業効率的にも大助かりです。無駄にカラーを多様してもスピードが速いので平気な点も効いています。

 

ともあれ、効率が上がった上に悩みの歪みが解消されたっぽいのが大きいです。それが倍の値段だけの価値を持つかは微妙なところです。自炊用としては、読めりゃぁいいよって人はS1500の方がコストパフォーマンス的にも導入の敷居の低さ的にも良いでしょう。σ(^^)のように直線が直線として取り込めないなんてイライラする!でもフラベは邪魔、って人には悪くない選択肢じゃないでしょうか。発売からそれなりに時間も経ってるので、ソフトがもう一皮向けて、自動サイズ認識がScanSnapレベルになった新モデルを期待したいところです。

実家メインPCのHDDも交換

 実家の録画PCのSSD化をしてみると、メインPCの方の遅さも気になってきました。ドライブ高速化スパイラルとでも言いましょうか。

どうもアプリ起動とか、ゴリゴリいうばかりで上がってこないとか、ログオン後、真っ黒時間が長いとか。で、ベンチとってみるとビックリするくらい遅い。録画PCにSSDを入れる前(現データドライブのWDの2.5inch)に多くのスコアで負けてる!

調べてみると2005年発売モデル。たぶんそう古いモデルは買わないと思うので単純に考えて5年使ってることになります。これはもう保険的にもそろそろ替えていいレベルですよね。

ってことでさくっと物色。WD1002FAEXにしました。SATA3.0(6Gbps)モデルの中では普及モデルです。マザー側は3Gbpsまでしか対応してないんですが、それでもベンチみてると結構速いみたいだし、後々SATA3.0ボードつけて更に高速かする余地を残しておくのもサイヤ人っぽくて楽しいかなと(ただASUSの後付けボードU3S6で比較した例ではあまり差はでないようでした)。また普段は家族が使うだけなので基本的にあまり容量もいらない。20EARS買える値段でこちらは1TBになりますが、まぁその分速度が稼げる方に投資するのもアリだろうと。

Nagisa_Orig

Nagisa_New
換装前(HGST HDT722525DLA380) 換装後(WD WD1002FAEX)

 

で、ベンチ結果。うーん、シーケンシャルは読み書きとも2倍程度速くなってるのは目をひきますが、よくみるとランダム周りがあまり振るってないし、むしろ負けたところすら。普段使いの体感にはそっちの方が効くのでこれはちょっと残念な結果。マッハドライブやReady Boostで補完してみるかなぁ。

また動作音も少し大きくなった気がします。モーター音などは静かですがアクセス時のゴリゴリ音がスチールのケース内に共振してゴロゴロ鳴る感じ。少し制震シートなどで対策しようかしら?

2011.01.05追記:

SATA3.0ボード経由で計測してみましたが違いは誤差の範囲内でした。

コストパフォーマンスの高いUSBスピーカー TW-S7

 

自宅の仕事用PCのスピーカーはSONYの3,500円くらいの安物をずっと使ってたんですが、もう少し音質の良いものにしたいなぁとずっと思っていました。BOSEのM2なんかはいつも店頭でいいなぁと思いつつ3万円超はなぁ、などと思って指をくわえてました。

そんな折り、AV Watchの「気になるアクティブスピーカーを聴く」という短期連載企画でTW-S7のことを読み、反射的にAmazonでオーダーしてしまいました。連載1回目なので、この後どんな競合製品が出てくるとも知れないワケですがつい…

レビュー中でM2の上位モデルであるM3と勝負できるかのような評価で、それが1万円を切るといえば買うしかないな、と。

実際届いて聴いてみてるところですが、かなり良いです。低音もしっかり出てますし全体的な解像度も高めだと思います。もうちょっとキラキラ感があるといいかなとも思いますが、全体がしっかり出てるのでイコライザ調整でどうにでもなりそうな印象です。

この卵型デザインは単に奇をてらったものではなく、それなりの理論があってこうなっているんだそうで、詳しくは公式サイトをご覧下さい。とてもわかりやすいイラスト入りで説明されています。で、この形故に自立せずシリコンのスタンドが付属するワケですが、これがまた良い。好きな角度で設置できるので、自分の顔に向けてビシっとセッティングできます。そのせいかやけに定位が決まって、ボーカルなどは左右のスピーカーの真ん中から聞こえてくる感じ。

tws7

 

面白いのはUSBバスパワー駆動にもかかわらずキャパシタを搭載することでUSB電源容量以上の出力を実現している点。このサイズのアクティスピーカーにありがちな邪魔なACアダプタがないのも取り回しが良いです。

レビューにもありますがスピーカー側で音量調節ができないのは確かに不便な場面がありそう。特にゲーム用PCで全画面にしてる時なんかはOS側の音量調整もしづらいですしね。

今までのスピーカーよりは一回り大きいので少し整理しないと置けなさそうですが、それだけの価値はある気がします。というかこの値段なら実家用、寝室用にも欲しいです。が、まぁ上記連載の他の機種も見定めてからにしましょうかね。