APS-C返り咲き?FX30ゲット(仕事用)

買っちめぇやした。

SONYのプロ向け動画カメラFX30。Youtuber御用達のα7SIIIの動画向けカスタムモデルFX3の筐体そのままにセンサーサイズをフルサイズからAPS-Cに落としたのがこのFX30です。FX3登場時から憧れはあったものの、α7SIIIより高く50万円台(ボディのみ)で使用頻度、用途からすると完全にオーバースペックで手を出しあぐねていました。コンパクトさも重視したいので長いことRX100シリーズ(2,6,7)と使ってきて、どうしても猫を綺麗にとりたくてAPS-Cのα6600に行き、そこからズブズブと沼にハマってα7c→α7IVとフルサイズに手を出してきたという経緯があります(途中ZV-E10なども一瞬所有してました)。いらないと思っていた軍艦ファインダーも調節力弱ってきた目には割と重宝するなという気付きもありつつ、ただまぁやっぱりフルサイズはレンズも含めてデカい。トップハンドルやグリップストラップつけるためにケージもつけてるせいもありますが、、

またα7IVは熱耐性にも不安があり、UT業務(三脚で60~90分録りっぱなし)に使うという大義名分も立ちにくいなという感じ。結局仕事では業務用ビデオカメラであるHXR-NX80をメインに使っていました。

そんな中、噂が気になっていたFX3のエントリーモデルFX30が本当に発表されてきました。一回り小さくなる、などということもなく全く共通の筐体でセンサーだけAPS-Cになってきました。画素数だけでいえば1,200万画素→2,010万画素にアップしています。もちろんセンサーサイズが小さいので感度は落ちますが、小型センサー化なので手ぶれ補正も多少良くなるっぽい。4:2:2 10bitや120fpsなど録画フォーマットもFX3同等、もちろん熱対策の冷却ファンも搭載。最近の現場ではDJI MicやWireless Go2などのワイヤレスマイクで音声収録することがほとんどですが、やはりXLR入力があるのは心強い。つまるところ長時間安定して撮影できるなら仕事用のNX80の置き換えできるんじゃないかと。生産完了になったせいか意外とNX80が高く売れそうだということもあり特攻してみることにしました。

■XLRハンドルユニットのバンドル有無を選べる?

FX3ではセットのみだった脱着型のXLRハンドルユニットですが、FX30では同梱版(ILME-FX30)と別売り版(ILME-FX30B)選べます。XLRがあることで業務用途が広がるといいつつも5万円くらい違うので正直迷いました。コロナ禍になってから(マスクやアクリルパーティションや換気の関係で)話者の口元にワイヤレスマイクをつけた方が明瞭に録れるのでXLRマイクはほぼ使ってなかったんですよね。そこケチってレンズにまわした方がいいかなとか。後で必要になった時に買えればいいんですが現時点では単体売りはなく(購入後に来年発売予定があるらしいと知った)。結局セットの方がリセールバリューも高いかもという期待も込めてセットで購入。

ただこれも買ってから知ったんですが、XLR x2とステレオ3.5mm入力で計4ch独立でFX30に録音できることに気付き、後編集でバランス取りたい派としては結果オーライだったかなと。まだ箱から出してもないですが、、

欲を言えばハンドルとXLRユニットが分離合体できれば良かったなと。個人的にはトップハンドルは割と常用したい派なので。結局トップハンドルを別につけたくて後述のケージも注文してしまいました。アクセサリーシューにつけるタイプはちょっと強度的に恐い…

■レンズにSEL11F18を購入

フルサイズのα7cやα7IVを導入してからレンズもフルサイズを少しずつ揃えてきましたが、手元に残っていたAPS-Cレンズとして、純正18-105F4(換算27-158mm)と

SIGMAの16mm F1.4(換算25mm)がありました。

ZV-E10を仕事でUTに使った時は前者を70mm位で使った気がするので前者は保持。パワーズームなのでFX30のレバーが活きますし。気になったのが16mmF1.4。写真画質に定評がありコスパが非常に高いロングセラーレンズですが、

  • デカい
  • デザインがいまいち
  • 最低撮影距離が25cmと長め

という辺りが不満です。こっちを刷新したいなと。

FX30は動画用になるので、パワーズームで18-105mmと相互補完関係になりそうな10-20mm F4(換算15mm-30mm)がまず候補になりました。

本体と同時購入キャンペーンで1万円引きもあったんですが、結局XLRハンドル付きを買ったこともあり予算的にも厳しいなと、結局その日は本体だけ購入。

しかし翌日早速試し撮りと、35mmF1.8(換算53mm)をつけてトレッサ横浜というトヨタ車の展示場のようなところに新型クラウン(クロスオーバー)を録りにもっていったところ、全然画角が足りない。室内展示場なので距離を取れずにあまりよい取れ高になりませんでした。明るさ優先でレンズを選んでいったので完全に選択ミスなんですが、心理的には「ものすごい広角が欲しい」という気持ちが高まりまくり。

そこで、画角が広く、明るく、お値段も春頃出たAPS-C三兄弟の中ではもっとも安価な11mm F1.8(換算17mm)をチョイス。

SIGMA 16mmが405gから181gへと軽量化を果たせました。小型でデザインもSONY-SONYしていてFX30ともマッチングもGood。画角は広がり、明るさはちょい落ちです。動画用と考えると妥当なのかなと。

近日中にトレッサでリベンジしたいと思います。

■ケージは初めてのSmallRig外の製品をチョイス

完全にUT専用で三脚載せ想定ならトップハンドルやケージの必要性はさほど高くないし、機材ケースに入れて持ち歩くにはない方が良いんですが、やはり持ち歩いて使う時にはトップハンドルやグリップストラップ欲しいなということで、買っておくことに。

FX30はFX3用のケージがそのまま使えるので発売直後でもそこそこ選択肢がありました。真っ先に調べたのはα7cでもα7IVでも使っていたSmallRig。

フルケージとハーフケージが出ていますが、残念ながらグリップ側にグリップストラップをつけることができなそうでした。下側にループがないんじゃないかと。またXLRハンドルと排他になるのも微妙。

で見つけたのがTILTA製のケージTA-T13-FCC。

組み替えでフルにもハーフにもなる上、XLRハンドル部分も付け外ししてハンドルを取り付けることも可能と非常に汎用性が高いっぽい。そしてカラーがブラックとタクティカルグレーがあり、後者がカッコイイ。公式サイトだとTA-T13-FCCがタクティカルグレー、TA-T13-FCC-Bがブラックっぽいんですが、上記リンクではTA-T13-FCCなのにブラックと書いてあるので危険。ということで結局アリエクで注文して到着待ちです。別売りでHDMIケーブルクランプもあったのでそれも注文してます(国内通販では見つからず)。無事届いたら写真のっけようと思います(アリエククオリティでしれっとブラックが届く、もしくは届かない可能性…)。

FX3/30のトップのネジ穴を活用した専用ハンドルがあればそれも最低装備用に欲しいところです。

■ファーストインプレ

まずビルドクオリティというか質感はとても良いです。ミラーレスカメラというと黒一択。α7cでもシルバーとのツートンという感じですが、FX3/30はメタリックなグレー。ガンメタと言っていいのかな?とくかくガジェット感は高いです。軍艦部もなく上面がスッキリしていて「こうでなくっちゃ」感。

横からみると割と厚みというか奥行きがあって、その差の部分に放熱口がしっかりついてるというデザイン。三脚ネジ穴がトップやサイドにもついていて、マイクや外部レコーダーなどをつけてリグを組む拡張性が広がります。どうせならUSB SSD収録できれば良かったのに。

GUIはα7IVやSIIIと同じBIONZ XR世代の左サイドバーにタブが並んでカラフルに色分けされているヤツでレスポンスも上々。一方ハードスイッチは動画用に最適化されていてα7IVとかなり勝手が違います。電源スイッチの場所がズームレバーになったり、モード切り替えも作法も全然違います。7IVとFXを行き来すると結構混乱しそう。カスタムボタンの位置や数も違うので似せようにも限界があります。上手く使い分けていけるか、もうFX30メインでいいやとなるか、はたまた2台とも売ってFX30のインターフェイスでフルサイズなFX3に乗り換えるかなど、今後は不透明。動画にはAPS-Cのコンパクトさや手ぶれ補正の強さのメリットが大きいですが、やっぱりどこか映えるところにいったら写真も撮りたい、となる。じゃぁ2台持ってけるかというと現実的じゃない。FX3 1台でレンズだけ使い分けるのもありっちゃありでしょうねぇ。FX3をSuper35mmで使った時と手ぶれ補正の効きはどっちが良いんでしょうね。

写真機として見た時はやはり連写ができないのがネックになります。猫写真を撮る時なんかは連写しまくって後でこれ!っていう一コマをチョイスということが多く、それができないFX30はやはり写真兼用とするには厳しいかなと。ただ秒何コマといった連写ができないだけで、シャッターボタンを高橋名人のように連打する分には遅延なく撮れてる印象です。1枚撮ったら少し待たされて、みたいな昔のSIGMAのFoveonカメラみたいなことはないです。

また撮影面で今までの大きく違うのはデュアルベースISOというノイズが少ないネイティブなISOが2箇所あるという点。具体的にはISO800と2500。普通はISO感度が高く(数字が大きく)なるほど感度が上がって暗いところを明るく写せますがノイズが増えてしまいます。一方このデュアルベースISOだとノイズが少ない基準ISOがこの2箇所で、他よりも低ノイズ美味しい感度ということになります。α7SIII/FX30も事実上は低感度設定が2箇所あるということはユーザ解析でわかっていましたがメーカーとしては公言していなかったようです。FX30ではついに公式で謳い、それを活用するために、ISO800か2500に固定して使うCine EIと、800か2500のどちらか適した方を自動で切り替えるCine EI Quickというモードも搭載しています(Log撮影時)。一番オイシイところを活用するという意味でヨサゲですがまだちょっと使い勝手が掴めてません。Logモード必須になってしまうので、露出補正の考え方というか感覚がだいぶ違ってきてしまうせいでしょうか。なんだか思うように調整ができない感じ。当面はLogにせず10bitで録っておけば編集耐性という意味ではいいのかなという感覚でいます。XAVC HS 4K(H.265)で録れば圧縮率も高いのかなと。

■まとめ

  • 軍艦がなくスッキリコンパクト
  • 冷却ファンで長時間安定動作
  • HDMI出力端子はフルサイズのD型
  • デュアルメモリカードスロット
  • XLR入力付きハンドルユニット
  • 上位モデル譲りの多彩、高画質な録画フォーマット
  • 上位モデルより強力な(?)手ぶれ補正

と業務にも趣味動画にも使える高コスパ機種だなと感じています。長時間耐久テストをした後、早速仕事でも活用していきたいと思います。

2022.11.1追記 実務で使ってみました

1時間のUT調査を7本ほど回してみました。室内、録画なし、HDMI出力のみ、ディスプレイ開です。全く問題なく使えました。録画すらしてなきゃ当たり前やろ、と言われそうですが、以前ZV-E10はこれで落ちていたので、、(ただ当時ディスプレイは畳んでいました)。ドリキンさんのライブ配信とかでも7SIIIだったかでHDMI出力させてると何故か落ちる、みたいな回があったので、SONY機のHDMI出力って割と熱持つんじゃないかと思っています内蔵ディスプレイと別の映像(情報表示なし)を並行して作ってるからでしょうか?ともあれ私の用途的には問題なく使えそうでひと安心です。NX80から完全移行できそう。

ZV-E10のリアルタイム瞳AFが動物も動画撮影対応

猫撮りカメラとしては、動物瞳AFが動画非対応という点が惜しいZV-E10(α6600も同様)でしたが、本日いきなりファームウェア2.0で対応となりました。

正直、ZV-E10は手放してもいいかなと思いつつあったんですよね…。購入した主な動機は仕事で三脚乗せてのHDMI出力デバイスとしての用途で、外部電源が使えることが魅力でした。

ソニー ACアダプター AC-PW20

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こちらのダミーバッテリー型の充電アダプタAC-PW20、もしくはその互換品を使えば、バッテリーレスでAC運用ができ、発熱も抑えられて残量の心配もなく長時間連続録画ができる、と。当時α6600が使うFZバッテリーについてはAC-PW20に相当するアダプタがないと思ってたんですね。ところが、、

ありましたorz。純正品がないからてっきりできないと思い込んでたんですが、ふと探したら普通に互換品売ってましたわ。ちゃんとα6600のバッテリー蓋にもケーブルを通すためのブッシュがついてた!

5VのmicroUSBでは安定給電は望めないと、長回しでの使用は諦めていたα6600でもできるとなれば、普段の静止画利用にはボディ内手ぶれ補正は使えるし、(ZV-E10のバリアングル液晶より使いやすい)チルト液晶だし、α6600でいいじゃん!と。

しかもです!せっかく別売りアダプタまで買ってバッテリーレス給電にしたZV-E10が、熱停止(熱暴走)したんですよね。先日の実務で外部出力(つまり録画してない)していたら、唐突に映像が切れた。慌てて本体をチェックすると完全に無反応。電源入れ直したら復帰しましたがまた数分でブラックアウト。数回これの繰り返し。高熱エラーが出るとかではなく突然のダンマリ。もしかして熱かなーと思って急遽部屋の冷房を入れ、バリアングル液晶を起こして液晶裏の本体が放熱しやすいようにしたところピタリで収まりました。翌日からは4cmファンをそこに貼り付けて運用して再現はしていません。高熱エラーやアイコンは出ていないので本当に熱による停止なのかも確定ではないですが、録画もしておらずHDMI出力もFHD設定、秋の室内という比較的負荷の低い状態で止まるようでは頼りない。もちろん自動電源OFF温度も「高」にしてました。同じ状況でα6600(+外部電源アダプタ)で平気かどうかはまだ検証できていないですが、ZV-E10であるべき理由が薄れたという感じ。

まさかの動物瞳AFの動画、初対応!!

ZV-E10は現在も品薄が続いており、今なら売却してもそう悪くない値で売れるかもという気がしてきた折り、いきなりのアップデート。α6600どころかフルサイズ機でも使えてなかった動画での動物瞳AFとなれば一気に価値があがります。現状、ZV-E10と近日発売のα7IVのみの特権です。これはちょっと手放せないです。

残念ながら4Kは不可で1080/60pまでです。α7IVなら4K/60p時もいけるんですかね。軍艦型の形状好きじゃないんですがちょっと7IV気になり出しました。HDMI端子もフルサイズだし、10bit対応だしで、それでいて7SIII/FX3よりかなりお手頃価格。うーむ。

2021.12.26追記: 初出時4K不可と書きましたが間違えていました。マニュアルによると、

  • 以下のときは、顔検出/瞳検出機能は使えません。
    • 光学ズーム以外のズーム
    • 撮影モードが[スイングパノラマ]のとき
    • 撮影モードがシーンセレクションの[風景]、[夜景]、[夕景]のとき
    • [ピクチャーエフェクト]が[ポスタリゼーション]
    • ピント拡大時
    • 動画撮影時で[記録設定]が[120p]のとき
    • スロー&クイックモーション撮影時で[S&Qフレームレート]が[120fps]のとき
    • [記録方式]が[XAVC S 4K]、[記録設定]が[30p 100M]または[30p 60M]で、[4K映像の出力先]を[メモリーカード+HDMI]に設定しているとき
    • [記録方式]が[XAVC S 4K]で、[プロキシー記録]が[入]のとき

となっています。分かりづらいですが、4K動画撮影に限っていうと、

  • 電子ズーム
  • HDMI同時出力
  • プロキシー記録

をOFFにしていれば4Kでも動物瞳検出が使えるということっぽいです。気付かず最近はずっと1080pで撮ってました…

撮ってみた

以前ねこがまだ小さかった頃、この動画を撮りました。

ものすごい勢いでレンズに近づいたり遠ざかったりするので、絞った状態だと顔からピントが外れることが多く、床にいる時は完全にピンボケしています。まさに「動画でも瞳AFが使えたらなぁ」と思ったものです。

なので、同じ構図で再チャレンジ。

PP10で撮ってCatarystでMXFに変換し、Premiere ProでQT(ProRes422HLG)書き出しをしてアップ。LUTとかはあててないんですが妙に色が赤くなっちゃいました…この辺りはまた研究しておきます。

検証用のスローパートを含んで前半後半ありますが、前半はちょいちょいピントはずれてる瞬間がありますが、後半はそこそこ追従できている気がします。そもそも速すぎてピントあってるかどうか見えないレベルですがw、それでも床でタイミングを図っている時などはちゃんとピント来てるんじゃないでしょうか。

いややは、これはZV-E10手放せなくなりましたね。α6600にも同様のアップデートがくるか、思い切って全部売り払ってα7IV+レンズ買うかでもしない限りは持っておかねばです。まぁ猫を撮りたい時って突然来るので、iPhoneやGoPro使っちゃうことが多いんですけど…

これ目当てで猫飼い勢からの引き合いが増えて、ますます争奪戦が激化しそうです。