[3Dプリント] OBSBot Tiny2 熱停止防止ヒートシンク入りブラケット

WebカメラのOBSBot Tiny2は画質はとても満足していますが、最近30分くらいWeb会議をしていると動作停止します。その時ベース部分を触ると「熱っ!」と声が出るくらい発熱しているので、おそらく熱暴走ないし保護回路による停止状態になっているんだと思われます。ユーティリティOBSBot Centerもデバイスを見失った状態に。しばらく冷ますとなにごともなかったように復帰します。普通にWebカメラとして使うだけなら平気なんでしょうが、本機の大きな特長であるボカシや美顔、仮想カメラといった機能を駆使すると厳しい。

検索すると熱停止まで行っている報告はないようですが、ウチは以前自作した逆さづりブラケットで上下逆さまにして釣っていることや、底面をマグネットでプレートにつけている状況が影響しているのかも知れません。

ともあれこれでは業務に支障があるので改善を試みたいと思います。

■ヒートシンクをハンガーに内蔵

いきなり完成状態ですがこんな感じ。

基本形は以前製作したスライドレールハンガーのマウントと同じなんですが、

  • M.2 SSD用の銅製ヒートシンクを底面に密着させる
  • ヒートシンクとの固定にも金属製三脚ネジを使い内部フレームから熱伝導を期待

というコンセプト。銅やアルミで三脚ネジが生えているブラケット/プレートなどがあれば良かったのですが、そういう金属は柔らかくて固定具としてはあまり使われないのでしょう。今回はスチール製のこちらのネジを使いました。

ヒートシンクはこれ。

グラフェン加工でブラックだったので。グラフェン加工自体で放熱性がすごく高まるというものでもなさそうですが、表面の腐食を防げるので長期的にみれば良さそう。今回はPCケース外での使用ですし。

金属加工は素人ですが、狙った場所に正確に穴をあけるために、3Dプリンターでこういう治具を製作しました。

ヒートシンクを装着して裏側から真っ直ぐにドリル刃を挿入するもの。一度に大穴をあけると失敗しやすいので、2.5mm->4.5mm->6.5mmと順に径を拡大していきます。またChatGPTさんのアドバイスに従い、穴周辺に潤滑油を塗り滑らせるように少しずつ削ります。CRCでえぇよ、と言われたけど手近になかったのでシリコングリスで…

気付きとしては、

  • ヒートシンクは角が鋭くて空転しだすと痛いので、全体を覆うような治具にすれば良かった
  • 金属のバリが治具を持ち上げて外れてくるので、少し空間を作っておくといいかも
  • 放熱板側の薄い版が歪みやすいので、仕上がりを重視するならひたすら裏面から削るのがいいかも。放熱板側の方が早道ではあるけど。
  • 軍手、ゴーグルなど安全装備をきちんとする

といったところ。

ヒートシンクにはサーマルパッドも付属しているので間にはさんでいます。

■成果は?

冷房が効いた部屋で2時間ほどOBSBot Centerのプレビューを表示している限りは落ちませんでした。ヒートシンクがしっかり放熱しており、逆にOBSBot Tiny2本体のベース部分の熱さはやわらいでいる気がします。

実際にZoomとかTeamsにつないでも負荷はかわらない気がするので、まずは成功かなと思いますが、もしまた実際のWeb会議で落ちるようなら追記します。

[3Dプリント] OBSBot Tiny2のスライドレールハンガーを製作

我が家の現在の主力WebカメラはOBSBot Tiny2です。

最近YUV(非圧縮出力)などを省いた廉価モデルのTiny2 Liteも出ましたね。

これの良いところ画質もさることながら、PTZ機能を活かして手元撮影にも使える点。我が家では写真のようにデスクの上の棚板に3Dプリントで逆さ吊りホルダーを作ってぶら下げていました。

ウチはモニター上は棚板のせいで狭い上に、バーライトがいるので、モニター上部に直接付属ホルダーで引っ掛けて置くことができないので苦肉の策です。

ただ、会議などで顔を映す時と、天吊りで真下の手元作業を映したい時とで、最適な左右位置が異なることに気付いて、今回スライドレール式で左右に動かせるように改良しました。

またホルダーのプレートとカメラは従来両面テープで貼り付けてあったんですが、今回のアップデート作業中にカメラ底面にマグネットが入っていることに気付き、急遽プレート側にも百均のマグネットを埋め込んで、簡単に脱着できるようにしました。Tiny2はとても性能が良いのでWeb会議に使うだけでなく、業務で現場に持ち込んだりもしたいので、その度にベリベリと両面テープを剥がしていかなくて済むようになったのもナイス。三脚穴もついてはいるんですが、デザイン的にどうしても上側にネジ(ローレット)をつけたり、カメラ自体を回転させる余白をもたせたりが必要になるので、マグネットの方がシンプルで小型化できるという判断です。

あと写真でもよく見るとわかるのですがカメラの重みでプレートが僅かにたわんでいることに気付いているので、プレートの厚みも増しておきました(材質はPLA)。

完成品がこちら。

写真ではわかりづらいので3Dモデル図も載せます。レールパーツをデスク天面に両面テープ止めして、サイドからホルダーの嵌合部分を差し込む形です。これでモニター中央から少し横にオフセットした位置まで自在に位置決めができるようになり、かつ無駄にズレたりはしなくなりました。

本当は顔を映す時はもっと下げたいので、上下スライド機構も持たせたかったんですが、カメラ背面からUSBケーブルのコネクタが突き出るので、カメラだけをこれ以上下げる事は出来ない、というかそれをするにはカメラを手前に突き出す必要があるので断念。むしろレール分だけ高くせざるを得なかったのですが、なんとかギリギリに抑えて数mmアップに留めました。

カメラは真横を向けることもできるので、台座を90度回転させてケーブルを横出しにすれば解決なんですが、ケーブルが丸見えなのもイヤだなと。USB Type-CのL字アダプタですごく小さいものがあればまた検討してみるかも知れません。