XREAL Air + Nebula for Macを外で使ってみた

ようやくレンズなどの周辺パーツが揃ったのでXREAL Air(以下XREAL)をマクドナルドでノマド中に使ってみました。

装着者以外、なかなか動作イメージがわかりづらいと思うので、イメージ写真を作ってみましたw。

Premiere Proで動画編集作業をしているイメージです。ちなみにWindowsなのは並行して評価中のParsecで自宅のデスクトップPCをリモート操作しているせいです。また別記事にしようと思いますが、iPhoneのテザリングでも割とサクサク使えました。

さてXREALですが、全体としてはやはりアプリNebula for Macの不安定さが厳しいです。特にSpacesなど仮想スクリーン周りとコンフリクトしやすいのか、サブディスプレイにウインドウが開いた瞬間に固まってどうにもならなくなったりしがち。Nebulaを使わないで単純なミラーリング動作にしておけば単純な外付けモニターへのミラーリングと同じで安定感はあるんですが、モニタが空間固定されず頭の位置に追従してしまい、結果として頭の揺れにともなって画面がブルブルするので微妙。

その辺りに一旦目を瞑ればなかなかいい感じです。MacBook側の液晶を最低輝度(オフ)にしておけば、周りに作業内容を見られることがないので、壁を背にした席が確保できなくても気兼ねなく仕事のファイルを開いたりできます。

直接XREALの背面に液晶モニタが光ってなければ遮光アクセサリも特になくていいかなと思いました。試したのは夜で、窓の外が見えてる状態だったので、街路灯や向かいのビルの灯りがちらほら光点として見えたり、クルマが通るとスゥーっと流れてったりはしますが、作業に集中していればそこまで気にならないかなという印象。

キーボードも打てますし、テーブルにおいたドリンクのカップなども周辺視で普通に扱うことができました。

総じてなかなかに可能性を感じるデバイスジャンルだなと思います。これからモデルチェンジのたびに視野角や解像度が上がっていけば、VRデバイスとはまた別の系統のツールとして広がっていくんじゃないでしょうか。

■用途別評価

文章作成(WordPressによる記事執筆)

余裕です。この記事もXREALで書いています。文字サイズと画面倍率のバランスは人それぞれかもですが、個人的には充分な文字の視認性と最低限の画面の広さが確保できてると思います。もちろんより大きな領域を見渡すことができればそれに越したことはないですが、現状でも今書いてる段落くらいは視野に入ってるので大きな問題はないです。

Premiere Proによる動画編集

簡単に過去のプロジェクトを開いていじってみた限り、そこそこ実用になります。後述のLightroom現像と違ってプレビューが小さいので全体を見渡せるますし、メニューやタイムラインを使う時は頭を動かせばOK。音だけヘッドホンを使ってやれば仕事の動画編集も外でできちゃいそうです。

Lightroom Classicによる写真現像

これはちょっと微妙。動画編集と違って写真のプレビューエリアをできるだけ広くとりたいので、若干の手狭さを感じます。細かいピント状態を確認したいなんて時に視点移動量が増えがち。まぁ画面レイアウトをもう少し最適化できれば対処可能かもは知れません。XREALは有機ELで発色は素晴らしいので、その意味では現像向きなので、より視野角/解像度が改善していくのを期待したい利用シーンではあります。

Webブラウジング

これもサイトの種類や目的によるかなという印象。サムネがズラっと並んで広く見渡したいような場面ではちょっと不便というか頭の動きやスクロール頼りになるので効率は悪いかも。

■まとめ

そんな感じで、用途で向き不向きはあるものの、ノマドで守秘性の高い作業をする時なんかには割と良い感じ。期待したマルチモニタ環境としてはまだ安定度が実用域にはちょっと届いてないかなという印象。Mac版のβがとれたり、Windows版が出るのが楽しみです。

P.S.

公式DiscordサーバーでMacのβアップデートやWindows版βが配布されてるぽいので試してみます。

XREAL Air用の遮光カバーが届いた

前回記事の続き

XREAL Airの周辺視部分はサングラスのような半透過レンズなので、目の前に高輝度なモニタがあると透けて見えてしまって見辛いし気が散ります。選択肢として、日本のXREAL Air用度入りレンズの販売店であるJUN GINZAさんが販売しているBlack Lineサポートシールがあります。

こちらは有機ELパネルの背面部分だけを覆い隠すイメージで、メッシュ状になっており完全遮光ではありません(2段階の遮光度合いが選べます)。一応これも購入済みですが実質使い捨てなのでまだ試してません。

もうひとつ完全遮光の選択肢としてアリエクにあるこちらのはめ込み式のカバーを買ってみました。

https://ja.aliexpress.com/item/1005005799795396.html

2023.11.13追記:コメントで上記URLから購入したところ別モノが届いたというご指摘がありました。アリエクなのでさもありなん、という感じですがご購入の際は自己責任でお願い致します。一応購入履歴から貼っているので間違いはないと思うのですが、店舗側の管理が雑だとどうしようもないところです…同機種に間違いなく使えるか確認の問い合わせをするなど自衛をお願い致します。

届いたカバー(写真下)

まぁ本当にただのプラ製カバーです。ボトム側が遮光効果を高めるためか手前まで囲む形状になっています。

装着状態

装着した感じ。度付きインナーレンズもつけているとかなりゴチャついて、総重量もそこそこになります。まぁでもちょっと試した限りではズレ落ちるとかもないかな。

傍目から見るとあきらかに光を通さないのがわかるので、「なにやってんだコイツ!?」感は半端ないです。いっそ、左右レンズ部分に「A」「R」みたいなシールを貼りたい衝動に駆られます。もしくはキャラものアイマスクみたいに目を入れてもいいかも知れません。こういう図柄なら「ARデバイスだぞ」って伝わるかなw?

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良い点としては装着した状態で純正付属ケースに収まるという点。つまり最低限、保護カバーとしては有用ということですね。脱着は一瞬なので、ケースに入れるにせよ入れないにせよ運搬時に装着しておくと安心感はマシマシです。

まずはシールではなくこちらのカバーで運用してみようと思います。

メインWindows PCのグラボをRTX3070から4090に大幅刷新!~MSI RTX4090 Suprim Liquid X 24G

突然ですがグラボ買えました。清水の舞台からダイブしてRTX4090です。RTX3070から一気に二階級特進(?)です。理由はいくつかありまして、

  • 仕事で動画編集、エンコードの案件が定期的に発生し続けている
    • エンコード解像度はさして高くはないが、トラッキングなどの画像解析処理を多用
  • クルマ写真を撮る機会が増えた
    • LightroomやPhotoshopでAI(Adobe Sensei)機能を多用
  • Meta Quest Pro + Virtual DesktopでワイヤレスPCVRがかなり実用的に動くことがわかり、もっと活用してみたくなった
  • GTX1060でValorantを戦っている姪っ子のPCを強化してやりたかった
    • なかなか値が落ちないRTX4060や3060Tiを新品で買ってやるよりは自分の環境をアップグレードしつつならコスパも良いのではと

などでしょうか。リビングのテレビとかドローンとかを買い換えようと長いこと迷ってたんですが、期待してた新型の展示をみてあまり感動がなかったり、飛行できる場所にいく機会があまりとれなそうだったりを鑑みて、優先順位をつけたらこっちかなとなりました。

■機種選定

今がRTX3070なので、4070、4080、4090辺りが選択肢になります。まずストリーミングエンジンが2機あるということで4080以上がいいんじゃないかというのは早々に思いました。あとVRChatにハマりかかった時にVRAM容量が重要と学んでいたので、今(8GB)の3倍にもなる24GB搭載の4090はかなり魅力に感じました。レンダリング、エンコーディング、メモリとどれをとっても最上級で隙が無い。お値段もかなりしますが、4080との価格差で考えるともう誤差というか勢いのレベルかなと。

お値段は覚悟次第ですが、あと問題になるのは消費電力、サイズ、排熱です。

今の電源は1050Wで一応足りそうではありますが、今の上位RTXは12VHPWRというPCIe 5世代の新しい規格のコネクタが必要です。4090で焼損したと話題のアレです。購入時時期的に12VHPWRネイティブ端子はついていない電源でした。その場合、PCIe Gen4の端子x4つから12VHPWRの変換ケーブルがグラボに付属しているので、それを使います。電源毎買い換えることも検討しましたが、幸いGen4端子とケーブルは足りそうだったので、まずは様子見で変換で使うことに。

ケースもMicroATXだったのであまり巨大なものは入りません。入ったとしてもエアフローが確保できるか不安があります。

そんなことを考えつつ物色して見つけた瞬間に「これだ!」と思ったのがMSIから出ている簡易水冷モデルのMSI GeForce RTX4090 SUPRIM LIQUID X 24Gです。

MSI GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G グラフィックスボード VD8261

MSI GeForce RTX 4090 SUPRIM LIQUID X 24G グラフィックスボード VD8261

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2ファンの簡易水冷ラジエーターがセットになっており、通常4090のグラボ本体は3スロット、4スロットが占有が当たり前なところ、本製品なら2スロットと3070と同じです。全長も短いくらい。また3ファンが多い(気がする)簡易水冷タイプの中で本品は2ファン、かわりにGPU本体側に基板冷却用のファンがついているハイブリッド冷却タイプで、双方のサイズバランスがいい感じにとれている構成です。

こちらのレビューが大変参考になりました。

これまで使っていたASUSの3070との比較がこちら。

購入した4090(上)とこれまで使っていた3070(下)

全長が短いことと占有スロットが少ないことは今回のケースでは非常に重要でした。何故なら、GPUの下に10GbEカードが刺さっており、これ以上厚くすると両立できなくなるからです。MicroATXの辛いところです。

GPUの下に10GbEカード

言い換えれば事実上、簡易水冷しか選択肢がなかったということにもなります。価格的にもそんなに大きくは違わず(元が高いのでそう感じるだけw?)、デザインも好みだったので他の簡易水冷モデルを比較もせずに注文してしまいました。国内知名度的にもMSIならまぁ大丈夫でしょうよ、と。

■組み付けとエアフロー設計(仮)

組み付け前の状態がこんな感じ。

RTX3070の状態

組み替え後はこんな感じになりました。

RTX4090 Suprim Liquid X 24G換装後(パネル開)

ケーブル&ホースマネジメント

懸念だったグラボから出ているホースの突出量でケースのパネルが閉まるか、ですが、多少ホースを押さえ付ける形にはなるものの、つぶれる手前くらいで一応閉じることができました。

ガラスパネルをはめところ

むしろ大変だったのは12VHPWRコネクタ側。短いケーブルで4股分岐していて非常に嵩張ります。thermaltakeの電源に付属するケーブルは2口分岐で2本ひいてくれば4コネクタを埋められるんですが、4090の大電流を安全に流すために二股使用は絶対にヤメロ、と添付紙にも警告してあったので、4本使います。すると8コネクタが手元に来ちゃいます(てかPCIeケーブルって逆向きでもいいのかな?)。まぁいずれにせようちのケースにはL字コネクタ必須だったので延長することにしました。結果的にマザボ背面側なかなりのケーブルぎちぎち状態です。

12VHJPWR延長ケーブルを使わない場合の引き込み量

さらにグラボ付属の変換ケーブルはコネクタの根元がギチギチでほぼ曲げられないので、むしろこちらのせいでガラスパネルが閉じられない状態。ということで、L字にする兼ゴチャつくところを背面側に押しやる目的でこちらのL字延長ケーブルを追加購入。

12VHPWRのL字コネクタで真下にケーブル出し

エアフロー

当初何も考えずラジエーターはトップ設置と考えてましたが、実際にはCPUファンと干渉して入りませんでした。MicroATXの(以下同文)。

そこで、写真右のフロントファンをトップに移設し、フロントにラジエーターをつける作戦に。もともとトップ設置が基本だからか、風の向きはプッシュで外向きになっています(バラせば逆にもできるでしょうけど)。なのでフロントに設置すると前面に排熱される形になります。さて、残りのリアx1、トップx2の12cmファンはどうしようという話です。

  • 後ろから前へ一直線に風が抜けると良さそう
  • 一番熱くなるだろうラジエーターには冷えた空気を送りたい。
    • グラボ本体には(たぶん)そんなに風が当たらなくて良い
  • CPUにもそれなりに冷えた空気を送りたい
  • 全体を正圧にしてホコリを抑えたい(=外向きファンを多め)

辺りが目標。

一旦ラジエーター組み替えには手を出さない(排気固定)で考えます。

案1.

セオリー通りに奥から手前をストレートに流すのを基本とする案。

案2.

エアフローを極力交差させない案。

一旦2案にしました。何故ならこのケースは上面と前面、底面に出すとフィルターがついてますが、背面にはついていない為、リアファンを吸気にするとホコリが貯まりやすいんじゃないかと。

両方試して比較するほどマメではないので、とりあえず不都合がない限りこれでいこうと思っています。

■ベンチ、温度

換装前後で3DMarkのTime Spyスコアを採ってみました。

スコアは倍以上に跳ね上がってますね。フレームレートも40~99くらいだったのが、160~250くらいで推移するようになりました。瞬間で300いったり。なんかグラフィックつよつよなゲームタイトルやりたくなりますね。

まだこの時点では12VHPWR延長ケーブルが届いておらずケースを閉じてない状態での計測です。温度が3070の時の80℃から58℃へと激下がりしました。消費ワットは増えたものの、プロセスルールの違いで発熱は減ったのかも?もしくはMSIご自慢の冷却システムが優秀?

ただフロントに簡易水冷ラジエーターをつけたせいか、手前側への温風の吹き出しがスゴいです。足元に下駄履かせて設置してるので、ちょうど右足の膝下がセラミックファンヒーターのような温風に晒されます。冬は楽しみだけど、とりあえず夏をどう乗り切ろう。

ケース閉じ後

ケーブルを綺麗にしてケースを閉じた状態での再ベンチ。

さすがに温度は58℃から65℃に上がり、各スコアも少し落ちました。それでも空冷の3070よりは遙かに冷えています。フロントのラジエーター直だった温風も手前にガラスパネルを装着したことで分散して感じにくくなりました。これくらいなら「ほんのり温かい風が来る」レベル。最後のガラスパネルはさすがに触るとほっかほかです。

こちらはTime Spy Extremeを実行中の温度推移。テストの切り替わりで落ち込んでるのはサーマルスロットリングではなく単に処理の合間かな?

やはりグラボはそこまで爆上がりしてなくて、むしろ90℃台が出ているCPUの冷却を改善した方がいいかもですね。なにか良いファンを探してみようかな。今サイズのトップフローだけどトレンドはサイドフロー?今回のエアフロー設計に沿った、90°直角に風が抜けるようなファンってないよなぁ。

■用途別の感想、期待、メモ(随時更新)

Photoshop

AIベースの削除ツールのレスポンスが上がりました。ナンバプレートから数字を塗りつぶして消すみたいな動作がサクサク進みます。

Lightroom

現像書き出し処理が速くなった気がする。複数枚一括処理する時、左上のプログレスバーが速い。

あと最近のアップデートで追加されたAIベースのノイズ除去も結構1枚1枚待たされがちだけど、多少速い気がする。瞬時ではないけど。

Premiere Pro

まだエンコードはしてないですが、トラッキングは期待ほど変わらなかったかな。目線の追従ボカシとかをよくするんですが、そこの処理が結構待たされるがち。プレビューしながらだと便利だけどかなり遅い。プレビュー切ってると割と速いけど途中で失敗してズレってったことに気付かないというジレンマ。プレビューした状態でもリアルタイムくらいの速さになると良かったんだけど、今んとこそこまで違わなそう。あとシークもヌルヌルになった気がしてます。

NVENCのハードウェアエンコーダーが2基になったことで、バックグラウンドでMedia Encoderでエンコしながらフロントで次の動画を編集とかしても平気だったりするのかも検証していきたいです。

TMPGEnc Video Mastering Works 7

最近すっかりなんでもPremiereでこなすようになってあんまり使ってないので保留。だいたいこれ使う時は画質優先で縮めたい時なのでx246エンコが多いし。試す機会があれば追記します。

OBS StudioなどAV1関連

40×0シリーズだとAV1のハードウェアエンコードに対応しました(AVアイではなくAVワンです)。アプリやサービス提供者側に高いライセンス料がかかるH.265の代替と期待される新コーデック。Youtubeとかによりビットレート辺りの画質を上げて配信できます。モバイル機器の再生環境が整ってきたら録画コーデックとしても有望かなと思いつつ、いまんとこ様子見。

Parsecなどのリモートデスクトップ系にも活用できると限られた帯域で高解像度、高画質の遠隔デスクトップ操作ができそうなので期待。こちらは自分の環境で整えれば済む話ですし。

Zoomなんかもこの7月に各プラットフォームでAV1対応したらしいですがユーザが任意で指定できないし何を使ってるかもわからないので、いまいち有り難みがないかも。

PCVR(主にBeat Saber)

VRChat

24GBのビデオメモリが一番活きそう。オブジェクトが多いワールドやアバターがヌルヌル動くと期待。どこを見に行けばいいかな。

■まとめ

今年トップレベルのやんちゃ買いをしてしまいましたが、しっかり多方面で活用していこうと思います。コスパの評価は難しいですが、もうこの価格帯になるとクルマやレンズと一緒で、ある程度残価値があるうちに後継モデルに買い換えていった方がお得な気がしています。今年50×0が出るかわかりませんが、60×0くらいまでひっぱれるといいなぁと。

とりあえずケースと電源はそのままで動かすことには成功しましたが、CPUファンくらいはアップグレードしてもいいかなと思います。

今更ながらXREAL AirでImmersed的なことをする

NREAL改めXREAL Airを買いました。カテゴリはARグラスになるんでしょうか。VRゴーグルよりも小さくて普通のサングラスに近い見た目で、全方位の視角を仮想映像で覆うのではなく、現実の視界の一部に仮想スクリーンを浮かべて見えるタイプの視角デバイスです。スタンドアローンではなく外部映像入力を映す純粋な表示機器で、バッテリーすらついていません。電源と映像を他から入力する必要があります。最初は一部のGalaxyやXperiaしか対応しておらずスルーしていたんですが、いつのまにかmasOS向けのユーティリティが(β版ながら)リリースされており、空中に最大3モニタまで浮かべられるとのこと。ただデバイスとしては真正面方向にフルHDの表示を浮かべられるだけなので、左右のモニタは首を左右に振って覗くみたいな感じになります。同時に三面見えるわけではないので注意が必要です。1920×1080ののぞき穴を通して3つの画面を部分的に覗くイメージ。

色々を制約が大きいかわりに非常に軽量で小型なデバイスとして成立しています。Meta QuestのようなVRゴーグルとは使途が全く異なりますね。むしろAppleのVision Proの方が近いかも?

逆に最近VRゴーグルで注目したい用途としてImmersedなどのような仮想モニタを空中に浮かべて非VRなデスクトップ作業をするという意味では、MetaQuest Proよりもずっと軽量な装備で実現できそうということで、にわかに関心が高まった感じ。Vision Proの予習というか、またMetaQuest Proでは重すぎてあまり実用してなかったところの代替になるかなと。4万円台で買えるし(後述のトラップあり)。

■近眼野郎には専用レンズが必要!

色々情報収集しつつ、以前秋ヨドにデモ機あったのを覚えていたので、再訪した今回改めて試して見ました。そこで勘違いが発覚。当初の理解では、XREAL Airには度入りレンズ用フレームが付属しており、提携店(後述)で自分の視力にあわせたレンズを入れることで自分のような近視の人間でも”周囲が”見られる、と思っていました。つまり度入りレンズをいれなくても仮想映像は度入りレンズがなくても見えて、周囲はぼやける、みたいなイメージでした。しかし店頭で試して見ると仮想映像もボケボケ。本機には競合機のように視度調整はないので、どうしようもない。眼鏡をした上からすれば一応見えたんですが、互いのレンズを傷つけるリスクもあるので最終的には専用フレームに度入りレンズをいれないと使えないぞと発覚。うーん、どうしようかなとしばし店頭で思案しましたが、結局買ってしまいました。

■JUN GINZAさんでレンズ作成

XREALの度入りレンズを作れるのは銀座にあるJUN GINZA銀座店さんのみとなります。度数の値がわかれば通販でオーダーもできるものの、事前にフレームを送る必要があるし、やはりXREALがもっともよく見える4m先に最適化したレンズを作りたいということで直接店舗にいって検眼して作ってもらうことに。Webから前日までに予約をいれて向かいました。

2Fで視力測定をしてもらった後、レンズのラインナップを説明され、今回は公式ページの比較表のうち一番下(高い)

  • アイケアレンズ
  • 遠近両用レンズ
  • ブルーライトコーティング付

からブルーライトコーティングだけ抜いてもらいました。普段の眼鏡も遠近両用(累進)レンズ使ってるものの、XREAL Air用はたぶんそこまで実視界は重視しないので累進じゃなく安いレンズでいいかなと思ったんですが、もしスマホをつないで使うことになった場合、手元の見え方も重要になるかなと。そもそも全く実機を使ってない段階なので、どんな使い方をして、どんなレンズが適しているかわからない状態なのがつらいところです。アイケアレンズは「眼に入る光のうち、眼にダメージを与える波長を大きくカット」とのこと。色が変わってしまうブルーライト(カット)コーティングは却下ですが、それと似た効果があるということです。ブルーライトはあんまり信じてないですが、「通常の発光物より更に近いところで発光する光を直視しますので」と言われてなんとなくつけとくかと。あらためて表をみると、どのみち累進レンズだとこの組み合わせしかなさげ。さらに出来上がったレンズの宅配送料が1,100円かかって、総額3万円弱となりました。本体が4万円台だったのを思えば、思わぬ追加出費となりました。元々追加レンズいらないと思ってた訳ですし…ただまぁ安いレンズなら1万円強くらいからあるようです。

ちなみに注文時にXREAL Airに付属してくるレンズフレームを預ける必要がありますが、これは梱包時本体に取り付けられている方ではなく、箱の底の方に入っているものになりますので、持参/郵送する時には注意しましょう。自分は本体についてる方と勘違いして当初本体だけ入ったキャリングケースをもって入店したんですが、車の中に箱も積んでいたので駐車場まで戻るだけで事なきを得ました。

納期は2023年7月現在、1週間〜10日で発送とのことでした。

インナーレンズ装着状態

到着したレンズを装着した状態がこちら。交換ではなく追加になるので総重量は増してしまいます。また気軽に人に貸して体験してもらったりもしづらくなるのが難点。脱着は素手では難しく、小さなマイナスドライバー的な工具が必要。さらに小傷を嫌うならばマステで巻くくらいはした方が良いかと。基本的に頻繁に脱着する想定ではないと思います。

それでもド近眼の自分には選択肢はなし。購入から10日ほど待ってようやくきちんと使える状態になりました。

写真右に見えているのが後述のJUN GINZA製の遮光シールです。

■入力機器、追加オプションどうする?

本機はUSB type-CのAltModeによる映像入力が基本になるようです。元々対応していた一部のAndroid端末に加え、2023年7月現在、MacBookやWindows機の一部、USB-C端子のiPad等はとりあえずフルHDディスプレイとして表示はできます。Macでは専用アプリNebulaのβ版によって3画面表示などもできます。Windowsも出る予定はあるっぽいです。通常のHDMIは直接入力でできませんが、別売りのXREAL Adapter経由でなら使えます。

iPhoneの場合は純正のLightning-Digital AVアダプタが必要です。ピッタリ設計ぽいので互換品だとはまらない可能性があります。現時点の型番はMD826AM/Aですかね。定価7,980円。

Nintendo Switchは当初音が出なかったらしいですが、今はファームウェアアップデートで無事使えるようになったらしい。

またこのアダプタはバッテリーが内蔵されているので、HDMI信号をうけつつパワーを上乗せしてUSB Type-CでXREALに送り込むという作り。4時間稼働できるそうな。ただUSB端子が1つしかなく外部電源から充電しながらXREAL Airを使うことは不可能という点が不評のようです。

個人的にはまずMacでImmersed的な仮想デスクトップを体験してみたかったので後回しにしました。iOSならiPadがありますし。ただYoutubeやNetflixといった配信動画を視聴するならブラインド操作しやすいリモコンのある視聴デバイス(FireTV StickとかAppleTV、ChromeCast with GoogleTVなど)の方が楽だろうと思うので、追々純正アダプタかサードパーティのHDMI->USB-C AltMode変換アダプタを買う可能性大です。

■装着感、見え方など

接続機器別の感想は節を分けますが、まずはARグラスとしてハードウェアとしてのレビュー。

気になるのはツルが硬くてまったくしならないので、自分の顔に馴染まず、耳周りが少し締め付けというか角が当たって痛い感じです。慣れて気にならなくなるかどうかはもう少し時間が必要そう。

またツルを耳にしっかりかけた場合、レンズの一番美味しいところ(ピントが合うところ)が若干外れる印象。通常、メガネ店でレンズを作る際、フレームと顔のマッチングをとって、焦点位置を目と最適化すると思いますが、JUN GINZAさんでの検眼プロセスではそういうステップがなかったように思います。測定機で視力を測って最適な度を決めただけ。IPDは測ったかな。ハードやインナーレンズフレームは共通なのでなんらかマッチングはされてる可能性もありますが、ともかく自分の顔でXREALを装着した時に目はここがど真ん中だよね、みたいなレベルで最適化されてるかは微妙?結果、ちょっとだけ耳の上を浮かせて、レンズをちょっと下に向けるみたいな感じにしたところがスイートスポットな気がしています。上述の通りフレームの締め付けがキツイのが幸いしてそれでズレることはあまりないっちゃないんですが、、、

ちなみにノーズパットは足の長さが3タイプ付属しており、一番長いものに交換して使っています。

結果として、その辺りの微調整をすれば一応かなりクッキリ文字まで読める見え方は実現しています。あとは長時間使って重さや締め付けがどうかというところですね。

Macで使う(本命)

XREALのコンパニオンアプリNebula for Macのβ版をインストールすると利用できます。現状ユーザアカウントでログインなどAndroid版のようなことは不要で、インストールしてUSBケーブルでつなぐだけです。

モードは2つあって、

  • 3Dモード
  • 3Dモードじゃないモード(ここでは通常モード)

という感じw。「3Dモードをぬける」というボタンで切り替えるんですが名前がどこにもないので後者の呼び方が不明。仮に「通常モード」としておきます。

通常モードはデバイスの1920×1080のドットバイドット固定の状態、つまりUSB接続のディスプレイとして機能している状態。おそらくNebulaアプリがないWindowsやHDMI入力したゲーム機やFireTV/AppleTV/Chromecastなどもこの見え方だと思います。常に顔の真正面の固定位置にフルHDの映像が浮かんでいて移動もできません。顔を動かせばそれに追従する感じ。大きさもちょっと小さい(または遠い)なという印象でPC作業にはちょっと厳しいなと思います。

一方3Dモードは逆にジャイロを使って顔に追従しない空中の固定位置にモニタを浮かべるイメージです。よりホンモノのスクリーンが前方に固定位置で浮いている感じでまさにARな体験です。やはり本命はこちらでしょう。モニタ数は1〜3で、自分は普段からSpaces(仮想スクリーン)を3画面にしてるので、それがそのまま対応する感じ。初期倍率だと3つある画面のちょうど1つが物理フルHD領域にハマる感じ。両側のモニタは見えません。頭を少し左にふると端から左画面が出現し、センター画面の右が欠けていく、といえば伝わるでしょうか。冒頭にも書いた「フルHDサイズの”のぞき穴”から覗く」という感覚です。それ以外は見えないというかサングラス経由の物理視界がうっすら見えている形。「正面に手のひらサイズくらいの穴が開いた濃いスモークのかかった箱をスポっと被ってる感じ?ここまでは購入前時点で理解していました。実際に使ってみて「お!」と思ったのはNebula上で倍率を変更できる点。覗き穴のサイズに対して画面サイズを1:1ではなくより拡大することができるのです。つまり1画面すら1度に見渡せなくなる一方、より高い解像度のモニタを扱ってる状態。文字も大きくなってかなり見やすくなります。試してないですが動画や写真の編集作業でも細部までしっかり確認できてかなり実用的な気がします。周辺視が完全にマスクされる形にはなりますが、顔を動かせば遅延なくそちらも見渡せるのであまり違和感はないです。いちいち設定画面を開かずとももう少し簡単にズーム倍率が変更できればなとは思いますが、そこは正式版に期待でしょうか。ちなみに視界下方のキーボードやマウス周りはもともと表示領域にかぶっていないので(多少暗くはなりますが)違和感なく確認できます。やはり自分の場合、累進レンズにしておいて正解だったかも知れません。

ただこのアプリの挙動が若干不安定で、特にMacに外付けモニタをつけてる時の挙動があやしいです。両眼(左右)の有機ELディスプレイが別々のデスクトップが映ったりへんな状態にハマりがち。どうもこのアプリが不可視の仮想ウインドウを作って、その中にMacOSが認識してる仮想モニタを三次元、2分割表示したビューを生成し、その内容をダイレクトにXREAL Air側に送ってるぽいんですが、なにかのはずみでそのウインドウが見えてしまったりして、入れ子みたいな状態になる。そうなるとNeburaを終了したり中途半端に設定変更されたディスプレイの解像度やミラーリング設定をあれこでいじって戻してからやり直したりとか。あくまでβ版だなという感じ。

また仮に正常に動いたとしてですが、3画面状態で左右のモニタを見るのに結構な角度で首を振らないとならないので、あまりモニタを大きくしたり倍率上げない方が無難かもという気がしています。

今この記事を実際にXREAL Airを通して書いていますが、多少解像度を落として大きめの文字サイズにしておけば文字はしっかり読めて違和感なくかける感じです。まだノマドというかノートPCと比較までできてないですが、一般的なノートPCのモニタ位置よりも高いところに表示が来るので、ストレートネックな自分には首の負担が減るかなという期待も。ただメガネの重量は増しているので差し引きどうなるかについてはもう少し検証してみたいと思います。

あとMacBookの液晶は一番暗くして真っ黒な状態にしてもXREAL側は影響を受けないので、知らないうちに誰かに画面を盗み見られていた、みたいなことは防げるかなと思います。

Androidスマホで使う。

Surface Duo 2でアプリを入れて普通に使えましたが若干不安定かな?本体が再起動したり。装備としてはかなり軽くていいですね。

モードは「ARモード」と「Air Cast」の2つ。「ARモード」は空中固定のAR表示ですがコンテンツは独自のもので実用性はほぼなし。一旦忘れてよさそう。

Air Cast本体の画面をそのままフルHD領域にミラーリングしたもの。頭に追従するモードのみです。これは普通にAndroidアプリを目の前に投影できるので、寝転がったりしながら電子書籍や動画を閲覧するには普通に便利。操作は本体のタッチパネルが基本なので、サングラス部分から透かして操作することになります。もしくはBluetoothなどで外部キーボードやマウス、コントローラーがあれば普通に使えるはず。多くの電子書籍アプリだとボリュームボタンでページめくりができるので、それを使えば指一本でブラインド操作できてなかなか快適です。ただSuraface Duoだと折り返して片側の画面を横表示にすると解像度が落ちて、小説の細い線が消えて読みづらくなることも。開いて2画面つないだ状態の画面を投影すれば綺麗ですが、片手で保持しつつボリュームボタンでページめくりするのは辛い。

普通の1画面スマホを横持ちで使う方がいいかも。

iPadで使う

iPad mini 6thに付属USBケーブルを挿すだけで使えました。Androidアプリで「Air Cast」と呼ぶ状態と同じ、特にアプリによる特殊処理などなく、単に画面が常に真正面にフルHDで投影されるだけという状態。厳密にはiPadは16:9ではないので縮小されて有機ELデバイスの左右が多少使われずに余らせてる状態かも知れません。動画アプリなど16:9の外付けモニタを想定したアプリならば、外付けモニタ扱いになって16:9でフル表示されるかと思ったんですが、見た感じそうなってないように思いました。本体側でタッチ操作が必要なので、本体側アスペクト比でミラーリング専用という感じなんでしょうか。アプリの実装にもよるかもなので、引き続き検証してみますが、iPad miniならさほど大きくもないし、これがあればわざわざアダプタを使ってまでiPhoneで使うこともないかなという印象です。iPhone専用アプリでiPadで少し小さく表示されてしまうようなアプリ(Instagramとか)はちょっと厳しいかもですが、逆に電子書籍系のアプリでスワイプでめくるような時は画面が大きい方が雑な操作でも扱い易いかなとか。

Windowsで使う

ポータブル機のAYANEO Airでテストしました。

WindowsもNebulaアプリは未リリースなので、基本的にはフルHDモニターを外付けしたような動作になります。「Air」という名称のセカンドモニタがWindowsから認識されます。AYANEO AirもフルHDなのでまさにそのままの画面がミラーされる感じ。

こういうSwitchスタイルのゲーム機だとコントローラーでの操作がマッチすると思います。本体側に目を向けなくても、目の前の仮装スクリーンを注視したまま使用できるので。有機ELの鮮やかで遅延の少ない表示でFPSとかヨサゲ。ただ現状リフレッシュレートは60Hzではあります。Androidアプリで72Hzの項目があるのでハード的にはできてもよさそうですが、現状、Windowsの設定画面では60Hzしか選択肢に表示されません。

紙芝居ゲーとかもグラフィックが綺麗だし、うまくコントローラーで扱えるようReWASDなどのアサインツールで設定すれば快適そう。

AYANEO Air自体があまりバッテリーも持ちが良い機種ではないので、さらにXREALにUSB給電までしてたらそれほど保たないかもは知れません。

いずれNebula fow Windows(?)がリリースされたらMacのように3画面で実用作業にも使いやすくなるのかなと思います。

■半透過部分の課題と対処

少し気になるのは、サングラスの向こう側に煌々と光るMacの液晶画面があると、仮想画面に若干透けて見えるのでやや見辛くなる点。いずれ新幹線の窓際席など明るい場所で使おうと思った時にも不満点になりそう。折角の鮮やかな有機EL表示を100%堪能するには、PC本体側の液晶をオフ(真っ黒)にする機能がほしいです。MacBookの場合、画面閉じちゃうとキーボードやトラックパッドも使えなくなってしますので、Nebula側でなんとかできないかなと思います(MacBookの液晶を最低輝度に落とせば解決でした)。

後発の競合製品であるVITURE Oneだとブラインドカバーが付属するようです。XREAL Air用だと上述のJUN GINZAさんのオリジナル製品で穴空きシールがあります。

表示デバイス部分だけを覆う感じで穴があいているので100% 遮光ではならない模様。2種類の濃さ(穴空き量)があり、シールとしては再張り付け可能となっています。外面がちょっとカッコ悪くなるのが気になる点かな。でも注文してみました。

またアリエクだと真っ黒っぽいアクセサリがありますが、詳細不明。clipと書いてあるのでクリップ脱着式かな?うーん、これも買ってみて比較かな?たぶん、全面覆ってしまうと手元が見えづらくなるので、JUN GINZAのシールで充分暗くなるならそちらの方が良い気がします。

■寝モバできるか?

寝モバ(寝転がってコンテンツ視聴)デバイスとしてどうかと思った時に、気になるのはツルとケーブルでしょうか。ツルは割と太くてゴツいくてどうしようもないので、基本仰向けで使うしかないでしょう。ケーブルはツルの終端部分にUSB-Cコネクタがありそこに接続しますが、付属ケーブルは少し角度がついていて干渉しにくくはなっています。

斜めになった特殊なUSB-Cコネクタ
反対側の普通のコネクターだと後頭部方向への突き出しが大きくなる

市販のL字ケーブルならなお良しか、逆に耳側に深くなりすぎてしまうかも知れません。いずれにせよサードパーティ品のケーブルに交換する時は角度付きでなるべく小さなコネクターのものを選んだ方が良さそうです。こういう付属品はなるべく未使用のままにしておきたい派ですが、こればかりは素直に付属品を使った方がよいかもです。USB AltModeを使うので外観USB C-CなケーブルでもUSB2.0仕様のものだったりしてきちんと動作しない、なんてこともありそうですし。

付属ケーブルのテスト結果

代替品を使う場合、こんな感じで全結線のUSB3.x対応ケーブルである必要がありそう。

■まとめ

発売からかなり経っている製品ですが、当初シーズ(技術)先行で「こんな軽量でARが”体験”できるよ」「ふーん」という微妙な位置づけだったのが、ソフトウェアの更新、特にMac版アプリのリリースでかなり実用性がアップしてユニークな存在になったと思います。ノマド環境でマルチモニタが使いたい人や、ノートPCでは猫背やストレートネックが気になる人には良さそう。

眼鏡ユーザには追加投資が必要になってしまいますが、それでもMetaQuest Proよりはかなり安価だし、軽量で持ち運べて、ちょっとした拡張作業環境が得られるのはなかなか興味深いです。バッテリーライフなども追々評価しつつ活用していきたいと思います。

外部電源型ケルヒャー導入 K3サイレントプラス

昨年末に洗車用にモバイル(バッテリー式)高圧洗浄機のKHB6を購入。

昨年末バッテリー型のKHB6を買った時の記事

新車も納車されてEXキーパーもかけたのでメンテ洗車を月に2,3度しています。純水器まで導入しました。

当初バッテリー型の水圧やバッテリー持続時間で満足していたんですが、ガンガン洗車することを思うと少し不満も出てきました。

  • バッテリーは1台には充分だが2台まとめて洗おうとすると足りない
  • 洗剤のすすぎ不足のような跡が残っていることがある

バッテリーは100%充電で始め、最初の砂落としとシャンプー後のすすぎをすると30%とか時には10%を切るなど、いずれにせよ半分は切ってしまうので、時間と元気があって「ついでにもう一台も洗うかー!」ってなっても諦めざるを得ません。

更に気になるのは、純水をケチる意識が働くのかすすぎが足りず、後でみると石鹸跡みたいなのがガラスなどに残っていることがあります。単により長くすすいでいればいいのか、もっと水圧をかけてやる必要があるかは不明ですが、なんとなくモヤモヤしていました。

■ホースを買いにいったはずが高圧洗浄機を買っていた。何を言って(ry

また庭の蛇口からKHB6までは同居人が買ったステンレス製のホースを使っていました。耐候性は良いのですが重くて取り回しが悪いのと、うっかりクルマのボディに当ててしまわないか気を遣う、またワンタッチジョイント部分から水漏れが気になったので、そのホースで駐車場までひっぱり、そこからは別のホースリールをとりつけて樹脂製の軽くて車体に当たっても傷つかないホースを使ったいいんでは?ということでCAINZまで物色に。

例えばこんな感じの短くていいので、ホースが軽く、ある程度耐圧性能があり、紫外線による劣化を防げるカバーがついていればいいかなと。

だいたいの品定めを終えて久しぶりのCAINZなのでブラブラしていたらケルヒャーコーナーを発見。なんとなく同居人と眺めていて、やはり庭や玄関の掃除で強力なのがあれば使いたいという話になり、家計でGoとなりました。

以前検討していたのはK2サイレントでしたが、なぜかこの日CAINZでは2022秋発売のK3サイレントプラスがAmazonよりもかなり安い価格になっており、多少大きく重いけどむしろ車輪がついててゴロゴロ移動できるならアリじゃね?ということになりました。K2サイレントとの価格差も数千円程度。さらに上のK4プレミアムだと一気に高くなる上、吐水力は誤差レベルの違い(ただし後述しますが付属品が結構違う)。バランス的に手頃なんじゃないかということで決定。

(電源接続型のケルヒャーは東日本用(50Hz)と西日本用(60Hz)でモデルがわかれているので購入時にご注意ください)

■ハード周り

付属品をまとめた様子がこんな感じ。

ランス(ガン)はフロントに差し込め、ホースは巻いて背面のフックに引っ掛けておけ、電源ケーブルはその下のネット部分に格納できます。

ケルヒャー(KARCHER) 高圧洗浄機 K2 サイレント 1.600-920.0 (50/60Hz)

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K2サイレントに比べて大柄なのは確かなんですが、こうして周辺パーツをまとめて保管、移動できることを考慮するとトータルの使い勝手はかなり良いんではないかと。しかもタイヤで転がしていけるのです。

■豊富なサードパーティパーツとイケてないホース

先端パーツ選び

同じケルヒャーでもバッテリー式のKHB5/6と大きく違うのは、社外パーツが豊富に出ている点。例えばガンも付属の長いものに対し、ショートタイプのものが各社から出ています。

充分水圧が強ければ、遠くまで水が飛ぶので、長いノズルはいらない、ということでしょうか。例えばクルマの屋根を洗う場合も、踏み台に乗れば一気に反対側まで洗える水圧があるので、取り回しが優先できるぽいです。

とても興味がありますが、今回はお隣さんまで無駄に水を飛ばしてしまわないことを優先して、純正オプションのフレキシブル可変ノズルを買ってみました。

長いノズル(ランス)の先端に取り付け、クイっと水流の方向を曲げられるものです。同様に踏み台でクルマの屋根を洗う時、伸ばしたノズルから真下に向けて水を出せれば、無駄に向こう側に水を飛ばさないで済むんじゃないかと。

めちゃくちゃ評判が悪い付属ホース

ケルヒャーの各機種のレビューをみていると付属ホースの評価がとにかく悪い。硬くて扱いづらいし、グニっと曲げると破損しやすく寿命も短いと。

とにかくさばきづらいと評判が悪い付属ホース。見るからに硬そう…

純正や社外品のしなやかなホースに買い換えた人はみんな幸せになっているようです。社外ホースは3,000円程度から1万円以上するものまで様々。そしてケルヒャー自身もわかっているのか上位グレードの「プレミアムフレックス高圧ホース」を発売しています。

こちらのホースは約1.2万円と本体を2万円台で買ってることを思うとかなりお高い。ただ使ってる人の評価は高いようです。「わかってるなら最初からつけろや」というレビューが非常に多い(笑)。実はK4以上のモデルだとこちらのホースが標準で付属しているのです。

しかもこちらはホースフックではなくホースリール。先に性能はあんまりかわらないと書きましたが、付属品が意外と豪華。正直店頭ではブラシとかの違いは認識してましたが、ホースの違いは気付きませんでした。K3系を買って後からプレミアムフレックス高圧ホースを買う前提ならば、最初からK4クラスを視野にいれるのもアリかも知れません。まぁ互換ホースで評価の高いものがあればそれも良いとは思いますが。

ということで今回は思い切って純正のプレミアムフレックス高圧ホースを注文してしまいました。標準ホースは未使用のままヤフオクへ。3,000円弱で売れましたが手数料や送料差し引くとそんなに回収にはならない感じ。

というわけで以下の感想はプレミアムフレックス高圧ホースに交換したものなのでご注意ください。

使用感

給水側はホースが付属していません。ネジ式になっていますが、一般的なワンタッチコネクターのアダプタが付属しています。基本それ経由でしか使わないので、つけ外ししない想定で手持ちの防水テープをネジに巻いた上でとりつけちゃいました。

こんなヤツ。ホームセンターなら100円以下で売ってます。

作業効率

使ってみてまずわかるのはガンの軽さ。バッテリーがないので当たり前なんですが、軽量なので取り回しがすごく楽。今回はランス(延長ノズル)はつけず、フレキシブル可変ノズルをつけて使用。それでも勢いがあるので、台の上に立てば屋根の反対側も楽々水流が届く感じ。

また水流がキメ細かいというか霧状感が強く、手をかざすと痛いくらい勢いはあるんだけど、なんとなく辺りが優しそうな感触。虹が綺麗に出てました。

交換したプレミアムフレックスホースの軽さも功を奏していたと思います。例のタイヤにかますアレもあいまってスルスルとホースを引っ張れます。

結果として泡をしっかり洗い流せたのか、拭き上げ無しでも目立った跡は残りませんでした。もちろんさらに寄ってじっくり見れば多少の水滴跡はありますが、これはもう水の純度の問題であってシャンプー成分が落とし切れてないという類のものではない印象でした。個人的にはこれくらい綺麗になってれば普段は拭き上げ不要かなと思います。オフ会とか特別な日くらい拭き上げればいいやと。

騒音レベル

予想よりは全然静かです。夜中に使うものではないですが、日中お隣さんが慌てて出てくるみたいなものでもなく。また水を出していない間はほぼ無音になるのも良いです。ガンをもってトリガを握って水が出ている時だけブィィィィーと鳴ります。ボディをスポンジで洗っている間、わざわざ本体のもとまでいってスイッチを切る、といったことはしなくて良さそう。

■まとめ

全体としては大きく、電源コードもあるのでセッテイングの取り回しとしては多少手間が増え、洗うまでの工程がやや増えましたが、一方で洗っている間の操作感、洗浄力ははっきりと向上したと思います。より短時間&少量の水で、きっちり洗えるのであれば時短になるし、純水生成コストも抑えられると思います。

仕方ないこととはいえ、50Hzと60Hzでモデルが違って富士川をまたいで使えないのは、自分みたいに居住地と実家が違う人間には不便です。帰省の時にちょろっと積み込んでって実家のクルマ達を綺麗にしたるかー!みたいなことはできません。バッテリー式のKHB6が完全に不要かなと思ったらそちらを実家用にしちゃおうかなと思っています。