Mac用お手軽H.264ハードエンコードソリューション turbo.264 HD

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Macで手軽に使えるUSBスティック型ハードウェアエンコーダー(トランスコーダー?)のturbo.264 HDを買って見ました。比較的低スペックのノートPCのCPUでもエンコードができるという点もさることながら、専用付属ソフトが比較的使えそうな印象だった点が選択の理由です。この手のハードウェアトランスコード製品の付属ソフトって、プロプライエタリに自社開発してるせいかあまり機能的、操作性的にイケてない製品が多いんですが、本製品はどうもそうでもなさそうだったのです。

■HDDに取り込まなくてもAVCHDカメラ上の動画を変換できる

例えばMac付属のiMovieで同じことをしようとした場合、フルHDの映像を一旦内蔵ストレージに取り込み、そこから変換をかける形になります。これはMacBook Airのような容量の小さなSSDの場合、かなりの足枷です。Turbo.264 HD(付属ソフト名は先頭大文字)だと、USBでつないだAVCHD規格のビデオカメラから直接ファイル一覧(サムネイル付き)を取得し、そこから必要なものを選んで直接トランスコードできます。内蔵ストレージには圧縮後のファイル容量しか食われないわけです。簡単なカット編集もできます。

既存ソフトでも直接.m2tsファイルを読み込んで変換できるものはあるんでしょうけど、AVCHDフォルダ構造を辿って目的のファイルを探す苦労がついてまわります。

未確認ですがどうも日付かなにかでファイルをひとまとまりにして扱う習性があるようです。

■字幕、音声多重にも対応

(CSSのかかっていない)VIDEO_TSフォルダを放り込めば、字幕と音声を選んで一発トランスコードできます。これも高機能な汎用ソフトならまだしも、ハードエンコーダーの付属ソフトでの対応はなかなか貴重ではないでしょうか。とりあえずモバイルで見れれば良いという作品をサクっと変換するのには便利です。残念ながらチャプター単位でのファイル分割することはできませんでした(カット編集を駆使すれば可能かもは知れませんが)。続き物をエピソード単位で出力できないのは惜しい。

■肝心のエンコード能力は?

あえてCPU能力が低いMacBook Air 2011(Core i5/1.6GHz)でテストしてみました。HandyCamをUSBで接続し、3分10秒のフルHD録画をソースにしています。プリセットは比較的古い基準のようで、「iPhone」は3G/S世代、「AppleTV」は第一世代を対象としているみたいです。iPhone4/Sや第二世代AppleTVなら全て「iPad」で出力しておけばよさそう。他にもYouTube HD(変換後アップロードまでしてくれるみたい)や1080p、720pのようなプロファイルもありますし、自分で追加することもできます(設定項目も割と豊富でインタレ解除の方法まで選べます)。

プロファイル名 変換時間 出力解像度 ファイルサイズ
iPhone 1分50秒 480×270 24.7MB
AppleTV 2分55秒 960×540 93.4MB
iPad 3分13秒 1280×720 97.4MB

 

720pの「iPad」設定でちょうど実時間というところですね。もう少し爆速を期待したんですが、少し期待外れです。またCPU占有率もそれほど低くなく、70%前後位は行ってます(ただいくつか連続で変換しても冷却ファンが全開になるといったことはなかったです)。画質は目立ったブロックノイズも出ず、iPadやYouTubeで使う分には充分かなという印象。ただ少し大きいですね。この辺りは設定でバランスを見極めていきたいと思います。

参考に、アニメで試したものはさすがにブロックノイズも出ており保管用に常用はできない感じ。また、洋ドラマ2エピソードが入ったDVDを字幕付きで「iPhone」設定で変換したところ、100fps程度の表示で682MBになりました。SD用途にはまずまずかも知れません。

■その他の使い勝手

  • バッチエンコードはできます。複数ファイルをドロップし、ファイル毎に出力プロファイルが選べます。
  • PT2な生tsも変換できました。
  • 付属ソフトの表示はちゃんと日本語
  • 自動アップデート通知での更新内容もちゃんと日本語だったのでそれなりのサポート体制と思われる

 

ソフトウェアエンコードと比べてみないとなんともですが、変換能力自体は最新のCore iクラス、特にi7級のマシンだとあまり恩恵はないのかも知れません。各プロファイルの設定からみても、少し前のCoreDuo、Core2Duoクラスの頃のマシンでこそ最大限の恩恵が受けられる製品なのかも知れません。ただ付属ソフトがそこそこ使い勝手が良いことも考えれば、Macでのお手軽動画変換にはなかなか良い製品ではないでしょうか。

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