以前から名前くらいは知ってたんだけど、知り合いが買ったのを機に改めて仕様とかを読み返してみて便利かもしれないという気になって購入してみました。
ハードとしては生活防水対応なアウトドア向けBluetoothヘッドセットなんですが、専用アプリと組み合わせることで、以下のような特徴があります。
- 10人までグループ通話
- 電波状況などが悪化してコネクションが途切れても自動再接続
- というよりそもそもコネクションレスで発話があった時だけ音声データを送信
- 発話認識はPTT(ボタン押してる間だけ)だけでなく、自動認識ができてそれが比較的優秀
通常SkypeでもFacetimeでも最初に相手またはグループに対して接続(発信)の手続きがあります。意図せず切れた場合でも手動で再度「かけ直す」という行為が必要です。一方BONXでは一度トークルームを作って参加しておくと、24時間は自動的に再接続をしてくれます。我が家はアウトドア用というより普段の買い物で広いお店で別個に歩き回ってる時とか、片方が留守番してる時とかに「こんなの売ってるけどいる?」「あれまだ残ってたっけ?」みたいな会話をする様に買いました。こういう時に、切れた時にわざわざかけ直してまで聞くか、っていうと結構面倒になってしまいがち。あるいはテキストチャットで済ませたりするんですが、長文で説明するのが面倒なものがあったり、店内のスマホ利用に回りの目が冷ややかだったりします(歩きスマホはもちろん、立ち止まっていてもそれはそれで周りの迷惑になりがち)。そんな時に何も操作しなくても「常時接続」なテレパシー的な通話ができるのが便利かなと。
一方、常時接続とはいえ、本当に常時すべての音が相手方に流れてもノイズになってしまうだけです。BONXはトランシーバーのように必要な時だけ最低限の通信をする仕組みでパケットや電池の消費が優しいです(逆説的ですが技術的には常時接続してない故なわけです)。さりとて本当にトランシーバーのようにPTTでは手間で、そこをVAD的な処理で話者の音声がある区間だけ自動で識別して送信モードにしてくれます。これがなかなか優秀で、同じ人の声でも店内放送やテレビの声などは割とちゃんとフィルターしてくれます。自分が音声を伝えたいと思った時だけマイクがオンになり、その他の雑音はできるだけ流さない、という点が本製品の一番のウリなんだと思います。
■ハード周り
防水、耐衝撃性能のせいで、いわゆるBluetoothヘッドセットに比べるとフットプリントは大きいです。写真の通り丸い形をしていて、耳の上にかぶるような形状。ただし、カナル部分に3筋の凹みがあって周りの音はさほど遮断されないです。これで自転車乗っててお巡りさんに停められないかどうかは定かではないですが、耳栓感は低いです。実は先日出たばかりのXperia Ear Duoも買ったんですが、開放感はいい勝負だと思います。どちらも十分軽くて首を振っても一体感があります。
カナル部分は2サイズ、イヤーフックが3サイズ付属。イヤーフックはLサイズをしばらくつけてみましたが若干耳が痛くなります。見た目の割に軽いし、カナル側に固定様の突起もあるので相当ハードなアクティビティをするのでなければイヤーフックは外してしまってカナル部分だけの保持でも足りそうです。
音質はまぁBluetoothなり。音楽にはまったく使えません(モノラルだし)。
ノイズキャンセル/VAD周りの処理は、少なくとも余計な音が相手に伝わる感じはほぼないです。店内放送とか人の声の周波数帯を誤認識するかなと心配したんですがそれはなさげ。ただ逆に、話しかけてるけど返事ないなって時はあって、もしかすると発話と見なされずに送られていない、というケースは割とあるのかも知れないです。そこはちょっとフィードバックがない(アプリを見ればレベルメーターでわかりますが)ので、大事な話題で返事がなければ「今の聞こえた?」と都度確認するしかなさげ。感度調整もあるのでそこは追々試行錯誤してみようと思います。最終手段としてはマニュアルのPTTモードも選べますし。
約1.5万円の専用ハードが必要なので、不定期なイベントのために友人に買わせるのも自腹で相手分まで買い揃えるのもちょっと勇気がいりますが、独特の使い勝手をもった製品だと思います。これでサバゲーとかやったら楽しいんでしょうなぁ。