3Dプリントフィラメントの残量をきっちり測る

3Dプリンターで造形する時、スプールに残ったフィラメントで足りるかどうかは常に気になります。造形途中でフィラメントが切れると面倒くさい一方、できるだけ無駄なく使い切りたい。

MakerWorldにこの手のスケールが多数公開されており、写真のように当てるだけでおおまかな残量を調べることができるのですが、さすがに「おおまか」すぎるのと、そもそもスプールの横幅がブランドによって違うので、より正確に測るにはブランド毎にこれを用意して使い分ける必要があり、なかなか厳しいなと思いました。

Bambu Studioでスライすると画面のように使用フィラメント量の予想が距離と重さで表示されるので、足りるか微妙~って時はやはりこれを活用して重量できっちり判定をしたいという考えに至りました(距離で測るのは難しい)。

ブランド毎の空スプールの重量はまちまちですが、少なくとも一度使い切って空スプールができたブランドは重量データを残しておけば、次からそれを引き算して正確なフィラメント残量を調べることができよう、という話です。せっかくなので、ここにも順次記載していきたいと思います。

Bambu純正(通常)248g
Bambu純正(高温)
(樹脂スプールの場合、紙芯を含む)

我が家の場合、フィラメント先端を固定するクリップも取り付けている場合があるので、参考値だとお考えください。

デジタルスケールを買い換える

普段、事務用として作業場にある測りは郵便物くらいにしか使わないので10年以上前に買ったアナログ針式のものしかなかったので、この機会にデジタルスケールに買い換えることにしました。デジタルだと数値が読みやすい他、現在の計量値を引き算できる「風袋(ふうたい)引き」という機能がボタンひとつで使えるのがポイントです。アナログ式だとダイヤルをグルグル回して0g位置に針を合わせるのが地味に面倒。

フィラメントスプールは基本1kg単位なので、スプール重量を加味して1kg強が測れる必要があります。他の用途も考えると2kg~5kgまでは測れるのが良いでしょう。逆に0.1g単位まで測れる必要はあまりない。それよりはデスク周りに置くのにできるだけコンパクトなものがいいです。まとめると今回の用途だと、

  • デジタル表示
  • 2kg以上計測できる
  • 1g単位で充分
  • 風袋引き機能マスト
  • 大きなものを載せた時に画面が隠れにくい、またはホールド機能搭載
  • スリムでそれなりにオシャレな外観(今回の置き場所だと黒が理想)

といった要件定義になりました。

選んだのはこちら。

  • 3kgまで測れる
  • 国産で法規にもきちんと準拠

といったところで信頼性も高そう。ちなみに裏返したところのシールにはKINGJIM L-3010という記載があります。キングジムのOEM品のようですね。商品ページにはないですが説明書をみるとPCS機能、つまりネジなどの小さい部品をジャラジャラっと載せて数を調べる機能もついていました。逆にホールド機能はないですが、表示部と計測台には段差があるので覗き込めばなんとかなるかと妥協。後述の治具も作って対応しました。

最後まで悩んだ候補はこちら。滅茶苦茶小さいのが魅力であると同時に、フィラメントスプールを載せるのにはさすがに小さすぎるかなと思って外しました。

「コーヒースケール」というカテゴリで探すと黒色でコンパクトでオシャレなデジタルスケールがたくさんあるんですが、タイマー機能など今回の用途では不要な機能が色々あって逆に使いづらそうなのと、値段も高い傾向があるので断念。USB充電式だったり、ガジェットとしてはかなりそそるんですけど。

実際のフィラメントを図ってみる

スプールは寝かせると画面が隠れて見えないし、立てると転がって行きやすい形状なので、写真のような固定台を作ってみました。

本機は都度風袋引きの「T」ボタンを押さなくても、電源投入時の重さを0gとしてくれるので、これを載せてから電源を入れれば、この固定台の重さは無視できます。

実際に冒頭の残り僅かなスプールを図ってみると294.5gとなりました。

空スプールが248gなので、残量はあと6.5g程度だな、という計算ができます。常に空スプールが手元にあれば、まずそれを載せて「T」ボタンで風体引きしてさっと測りたいスプールに載せ替えれば実際の残量が直接表示されますが、そのために空スプールを全種用意しておくのがちょっと現実的ではないかな。あらかじめ引き算する値をメモリしておけるようなインテリジェントな量りがあると理想ですね。

IKEAの多孔ボードSkadis用のマウンターも作成

各種ツールをIKEAのSkadis(スコーディス)に壁面収納してるので、これも一緒に入れておけるように専用ホルダーも作ってみました。

まとめ

フィラメントの残量を計測するのに必要充分な精度と基準をもったデジタルスケールが1千円ちょっとで買えて満足です。

唯一ホールド機能がないので、定型外郵便物の計量などで大きい封筒や段ボールを測る時は少し不便かなとも思いましたが、色々バランスを考慮して妥協しました。是非次期モデルではホールド機能を搭載してほしいものです。

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