WordPress + WooCommerceで自家ECサイトを立ち上げた際、どうしても一部の文言が英語表記のまま日本語化できない問題でハマりました。
WordPressのプラグインは多言語化の仕組みをもっており、多くのプラグインはそれを通して表示する文言を言語ごとに切り替えています。しかしそれがどうも上手く機能しない。WooCommerceの決済や配送設定を日本にあわせてカスタマイズするJapanized for WooCommerceも入れており、どの文言はどちらのリソースで設定されてるかともわからず、ChatGPTにも聞きつつ、色々なところをいじりまくした。
先に結論
うちのWordPressは高速化プラットフォームのKUSANAGI9が導入されています。結論をいうと、その一部である「翻訳アクセラレーター」という機能が原因でした。これをオフにしたら英語だったところがあっさり日本語になりましたとさ。

途中したこと→結果色々カスタマイズできてよかった
以下は結果として原因の根本解決にはなりませんでしたが、結果的に自分で文言を修正したいところがあり(お買い物カゴ→カートなど)、そのための仕組みの理解が深まったので結果オーライかなと思っています。
文言修正方法その1 Loco Translate
まず前述のローカライズファイルで定義されている文言をいじる方法があります。多くのソフトでは.po/.moという拡張子の言語ファイルを使っています。.poファイルに原語(厳密にはどこで使われるか定義するID)と翻訳後のテキストの対応データが入っており、それをコンパイルしたのが.moです。例えばWooCommerceの場合、/wp-content/lanmguage/pluginsにwoocommerce-ja.po/.moがあります。これを直接編集してもいいですが、プラグインの更新などで上書きされてしまうので、Loco Translateというプラグインをインストールして、WordPress上から編集した方がよいです。GUIでプラグインやテーマがもつ言語リソースをリストしてくれて、検索して書き換えることができます。POEditというPC向け編集ツールがありますが、それに近い感覚のUIがWordPress上で使えます。
で、これでみると翻訳率は100%とかになってるのに、公開される画面では日本語にならない。試しに編集してみても反映されない。最新の翻訳定義ファイルを同期すると未翻訳の文言も出てきて、一部はそれで反映もされますが、とにかく英語箇所がめちゃくちゃ残る!
ChatGPTにはKUSANAGIやPHP-fpmのキャッシュの可能性を散々指摘されるのでフラッシュしてみるけどダメ。また最近のWordPressは上記フォルダにある.jsonファイル(たくさんありすぎてどこになにがあるかは追跡不能)を使ってるから.poファイルいじってもダメ、みたいなことも言われたい。
結果として先に書いたKUSANAGIの翻訳アクセラレーターを無効にしたらOKだったわけですが、結果としてこのLOCO Translateはめちゃ重宝してます。翻訳後で気に入らない箇所の修正が手軽に行え、プラグインの更新でリセットされないよう管理もできます。先の「お買い物かご」を「カート」に言い換えたり、文章もなんとなくしっくりこない箇所を直したりといったことに使えます。翻訳のためのプラグインではあるんですが、表記カスタマイズツールとして必須プラグインでしょう。
文言修正方法その1 gettext
それでもそもそも.poファイル(の元の.potファイル)に定義されておらず、PHPコードにハードコーディングされた文字列などがあったりします。そいう時は自分のテーマ(子テーマ)の中のfunctions.phpにgettextというフィルターを使ったコードを書くことで強制的に表示文言を置換することができます。詳しい書き方はこちらなどが参考になると思います。
翻訳アクセラレーターが原因と判明するまで、あらゆるところをせっせとこれで書き換えていましたw。でも最終的にはきちんと標準の日本語翻訳が当たって、一部の不満箇所をLoco Translateで修正、で済んだのでgettextを使った置き換えはすべて削除しました。盛大に遠回りしましたが、パフォーマンス的には無駄も多いと思うので排除できて良かったです。まぁ非常手段としてメモしておきます。
まとめ
ということで、もしKUSANAGI環境でWooCommerce(や他のプラグイン)の英語表記が残る問題に直面したら翻訳アクセラレーターを切ってみることをお勧めします。
またLoco Translateは日本語化された箇所のカスタマイズにも超絶便利なので是非活用してみてください。