7年ぶりのモニター刷新。高解像度化&HDR対応 LG 34WK95U-W

大きな仕事が一本片付いたので、恒例の自分ごほうび設備投資。前々から懸案だったメインモニタ(ディスプレイ)を7年ぶりに買い換えました。

今まで使っていたものは2014年の前々居の時に買ったLGの34UC97-S。3440×1440のウルトラワイド34インチ。60HzでHDR非対応です。それなりに広いモニタですが、コロナ禍でリモートインタビューの機会が増え、「Wordの進行シートで記録とり、Excelで相手のプロフィールデータを閲覧し、PowerPointで提示資料を見せ、OBS Studio経由の映像をZoomで接続」とかやってるとこれでも手狭感が出てきました。サブモニタを1枚足すということも検討したんですが、動画編集などで4KやHDRも欲しいなということでメインをリプレイスすることに。またゲーム用に高リフレッシュレート機も検討したんですが、なかなか全てを満たす製品は見当たらず、言うほどPCゲームしない(結局リビングでPS5でやる)ってことで妥協することにしました。

サイズ制約として、IKEAのFREDDEというデスクを使ってる都合、上方向はこれ以上高くできないというのがありました。普通に16:9の40インチの4Kモニタとかは多分無理。ウルトラワイドに慣れているのもあって今回もウルトラワイドで模索。候補として挙がったのはこの辺り。

候補1 LG 34WK95U-W

タイトルバレしてますが購入したのはコレ。今と同じ34インチながら解像度が上がって5120×2160。27インチ4Kを横に伸ばしたフォームファクタとなります。HDR600のIPS。34UC97-Sの外部入力切替の操作ステップ数が多くて「LGのモニタは二度と買わん!」と思ってたくらいですが、店頭で操作してみて多少して1手間減っていたので許すことにしましたw。ハードウェアキャリブレーションにも対応しているので、追々キャリブレーターを購入したら色校正なども捗るのではと。またThunderbolt3ポートでは85W給電に対応。MacBook Pro 15インチくらいならフル給電可能。16インチだとちょい足りないくらい。

候補2 MSI PS341WU

候補1とパネル同一品じゃないかってくらい似通ったスペック。それでいて4万円ほど安い。仕様上の大きな差はハードウェアキャリブレーションに対応していない点。またデザイン上で気になったのは足の形状が四角形でモニタの足元に色々な機材を配置したい私としてはデメリット。あとOSDコントロール用のジョイスティックが背面のサイド寄りだった点も手を伸ばすのが面倒くさそうで減点。WindowsとMacの行き来などで割と使用頻度高いので。最寄り店舗に展示と在庫がなくて結局現物は視認してないのですが、レビュー動画などをみて候補から外しました。その辺のデザイン仕様が気にならないならばコスパは高いモデルだと思います。

あとUSB Type-Cポートが候補1がThunderbolt3なのに対しこちらはDisplay Port Alt mode付きのUSBのみ。給電についても記載がなく不明。MacBook Proなどで使うにはちょっと気になります。

逆に強みとしては背面デザインでしょうか。端子が下向きかつカバー付きなのでゴチャゴチャするコネクタ周りが見えない。壁面寄りでない場所に設置するなど背面の見た目も重視するならこちらもアリかと。

候補3 LG 38WK95C-W

店頭で候補1の34WK95U-Wと並んで展示されていてちょっと揺れたのがこちら。解像度が3840×1600と、現行の3440×1440から微増となり、その分サイズが34->37.5インチと大きくなっている選択肢。やはり物理的に大きくなるのはインパクトとしては大きい。値段も候補1とほぼ同じで、解像度を取るか物理サイズをとるかという勝負。

その他、ゲーミング性能としてはSAMSUNGのOdessey G9とかも以前から気になってたんですが、

  • 日本未発売で並行輸入になるのでサポートが不安
  • 発熱がスゴいらしい
  • 高い

上に縦ピクセル数が1440と現状というのも微妙な気がして却下。

 

 

34WK95U-Wレビュー

ハード周り

前面のデザインはほぼ一緒。センター下にあったLGのロゴがなくなった位。大金はたいて買い換えた感が希薄です…

OSD用のジョイスティックも従来通り底面のセンター。しかしOSD自体の操作フローやレスポンスは改善されていてマシになっています。従来は外部入力選択がメニューツリーを2階層くらい辿らないとならなかった(信号がない時だけはトップから左にいけば入れた)のが、34WK95U-Wでは常時左に入力選択がアサインされるようになりました。地味ながら大きな改善です。

スピーカーは7W+7Wから5W+5Wにダウン。まぁどのみち外部スピーカーを使うのでキニシナイ。ただ34UC97-SではPC側からボリューム調整できない仕様だったのが34WK95U-Wでは普通にできるようになったのがこれまた地味ながら実用性の高い改善です。ちなみにWindows10からみて「16ビット/48000Hz (DVDの音質)」のサウンドデバイスになります。

ケーブル周りでは、MSIのところで書きましたが背面直差しなのはコストカット感あります。特に電源ケーブルの付きだし感がスゴい。ただ付属の電源、DP、HDMI、USBケーブルが全てホワイトなのはせめてもの気遣いでしょうか。そこまでするなら別に最初から黒でいいわ、という気もしなくもないですが(結局写真のようにWebカメラつけたりすると浮く)。色味でいえば34UC97-Sのシャンパンゴールドの方が好きだったかな。

背面。端子類は高めの位置にあり、背面パネルから垂直に突き出るタイプ。

別途スタンドに装着できるケーブルホルダーが付属しているので、片側から見る分には割と綺麗にまとめられるかなという気はします。どうせならスタンド支柱の中に隠せるともっと綺麗かも。

脱着式ケーブルホルダー

解像度かサイズか、それが問題だ…

候補1がいくら5120×2160といっても、サイズが34インチのままだと100%表示では文字がめっちゃ小さくなって老眼入ってきてる目には実用になりません。結局150%とかで使うならば実用上の解像度は大してかわらずただフォントや写真が綺麗になるのがメリットという感じになります。それでもまぁWindowsももはや100%で使う時代でもなく、サインインしなおさずにスケールかえても不具合のあるアプリはかなり減って来ているので、用途にあわせて色々なスケールで使える選択肢があることが大事かなということで解像度をとることに。ブラウザやOfficeなら動的にスケールかえて使えるし。

なお、横5120pxを150%スケールで使うとほぼ3440pxディスプレイと同等の広さ感&文字サイズとなります。これだと作業性は変化なし。Windows10の場合その間は125%しか選べない。macOSだと更に選択肢は減るけど、たぶんオンラインユーティリティとかで選択肢は増やせるはず(まだ詰めてない)。

今のところ買い換えた実感が欲しくて125%で使っています。ほとぼりが冷めたら150%になってる予感も(笑)。でもまぁUI類は多少小さくてもメインコンテンツの文字さえ大きくできれば良いので、125%や100%にしつつブラウザやOfficeのデフォルトスケールだけ拡大するってのが落とし所かなぁとか。文字をスケールしても綺麗なのが高解像度の利点ですし。

YoutubeでHDRが見られる幸せ

PCでNetflixでHDRな映画を見るということは基本ないので、HDRコンテンツとしてはYoutubeが主な用途になります。とりあえず普通に見えています。たまにへんな白飛びしてたりしますがこれはたぶんHDRの規格の違いでYoutube側の変換が上手くいってないとかなのかな。追々自分でもiPhone 12Pro Maxやα6600で撮った動画をPremiere ProでHDR編集してYoutubeに出す手習いをしてみようとお思います。

HDRを有効にするとスクリーンキャプチャに支障が出る問題

というのがあるぽいです。というかChrome/Edgeの問題というべきか。主要な画面キャプチャツールがHDRに非対応なため、白トビした画像になってしまう模様。逆にHDR対応のXBox Game Barを使ったら保存形式がHDR対応のJPEG XR(.jxr)になってしまい、一般的な用途には使いづらくなる。

いまのところChrome機能拡張かコントロールパネルから都度ON/OFFしてやるしかないのかな?愛用しているWindows標準の「切り取り&スケッチ」が自動SDR変換に対応してくれるといいんですが…

 

屋根裏部屋の換気に電源が欲しいがコンセントがない!そんなあなたにセパラボディ

昨年移り住んだ賃貸戸建て住宅には屋根裏(天井裏)部屋があります。購入したガジェットの箱などが捨てられない派にはとりあえずの仕舞い場所として大変重宝します。しかし住宅自体はかなり古い作りなのでなんと換気扇がありません。夏の日差し照りつける屋根の真下になるのでこもる熱も半端ない。空き箱類ならまだしも本とかCD/DVDは大丈夫か?というレベルです。

さりとて借家なので勝手に電気工事するわけにも行かないし、そう何万も掛ける気も無い。昨年の夏の終わりに引っ越してとりあえずやり過ごした感じでしたが、今年もそろそろ温度が上がってきており、少し探し物をするだけでも汗だくです。なんとかしないとなぁと思って暇を縫ってリサーチ。

コンセントはないですが唯一E26の電球ソケットがあります(さすがに照明はついている)。これってAC100Vが直接配線されているものなので、理屈的にはここから電気取れるんだよなぁーと思って探してみると、バッチリ私が求めていたものが存在しました。

名前がちゃんとついていてセパラボディというそうです。Wikipediaに載ってすらいます。なんだか怪しげな美容商品みたいですが、PanasonicやELPAなど老舗が販売している真っ当な商品のようです。

パナソニック セパラボディ WH4101

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セパラボディ

奥側がE26口金、手前側がAC 100Vのコンセント穴になっています。

つまりこうなる

適当な電源コードを差し込んでみるとこんな感じ。現在の感覚だと賢いんだか頭悪いんだかよくわからない商品ですね。まぁ電気的には至極当たり前で形状を変換してる(元に戻している?)だけとも言えます。いや本当に電気が家庭に普及しだしたころは、このねじ込み式が先で、これを分岐して使うのが普通だったわけで、むしろそこから現在のコンセント形状に移っていく過程では当たり前に使われていたのかも知れません。

ともあれこれさえあれば屋根裏部屋唯一の電球ソケットから通常のAC100V製品が使えるコンセントを得られるというわけです。ちなみに一般的な壁付けのコンセントや延長タップが15A上限なのに対し、こちらは6Aと半分以下が限界となります。電子レンジやドライヤー、ストーブなどの大きな電力を使う電気器具には向かないので注意が必要です。

■薄暗い照明環境をアップグレードする

電源が取れるとなれば色々可能性は広がります。夏に向けて換気をどうにかするというのはさておき、とりあえず電球ひとつでいまいち薄暗かった照明を改善してみることにしました。まず電球のソケット数を増やすためにライティングレールを導入。既存ソケットが天井ではなく壁面だったので使用したのはこちら。

ELPA ライティングバー コンセント型 1m LRC-100B(IV)

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これで1m幅の任意の位置に電球ソケットを設定できます。足りない場合は延長用レールとジョイントを買えばさらに伸ばすことも可能。

ソケットはとりあえず3つ、角度が変えられるものがいいかなと思ってこちら。

3個中、1つだけ接触が微妙なのがありましたが、一度位置決めすればそうそう触るものでもないかと思いそのまま使っています。

そして電球ですが、いずれ換気扇なりをつけたなら廊下にある壁スイッチは常時通電することになります。ので電球だけ独立でON/OFFできなければならず、他の廊下や階段でも愛用しているIKEAのTRÅDFRI(トロードフリ)を追加導入することにしました。E26口金タイプでホワイト系だと1000lmで色温度も変えられる2,499円の対応と、806lmで調光(明るさ変更)のみ799円のものがあります。今までの階段、廊下はセットモデルだったのもあり前者だったんですが今回は後者にしてみました。価格が3倍違う割に明るさはそこまで差がないので調色が不要ならばかなりコスパが高いです。ライティングレールで数を増やさずに一番明るい電球にする手もありましたが、今回は物陰ができやすい屋根裏部屋物置なので、配光的には点光源で明るいよりは複数箇所から照らせることが重要だろうと。806lmタイプは60W相当の明るさで消費電力は8.9Wとなっています。3つ点けても27Wなので、6A(x100V=600W)のセパラボディ経由でも余裕ですね。

IKEAのTRÅDFRIはスマホアプリで制御できるのはもちろん、Google Home、Amazon Echo、Apple HomeKitなどと連携することもでき、声でON/OFFもできます。ちょうど廊下の天井から屋根裏への格納式階段を下ろしたあたりにGoogle Home miniがあるので、階段を出し入れしたり上り下りしながら「OK Google、屋根裏の電気を点けて」などと言えばバッチリです。なんならモーションセンサーを追加してもいいかなと思っています。IKEAのTRÅDFRIシリーズはコスパも高いですが、こうしたアクセサリが豊富なのもポイント高いです。

ともあれまずは照明環境をアップグレードでき、収納物を探索する時の快適度が大幅アップしました。いつでも元に戻せる非破壊施工できたのはセパラボディのお陰です。あとは夏が本格到来するのに備え、本命の換気環境を検討していきたいと思います。

Atom Camなどネットワークカメラの延長用に適したmicroUSBケーブル

Atom Camいいですよね。3,000円前後の低価格ながら、画質良し、マイク、スピーカーも搭載、初期設定が簡単、スタンドが優秀で取り付け自由度が高い、USB 5V給電で稼働、アプリも使いやすい、モーション検知、クラウド録画、別売りセンサーと弱点無しです。

先日ついに防水モデルのAtom Cam2も登場(残念ながらセンサーは非対応に)。ケーブルを通す場所さえあれば屋外監視にも使えるようになりました。価格ほほぼ変わらず。

我が家ではIO-DATAの1万円超のカメラを使っていましたがもはや完全にこちらに移行し、猫の隠れ家監視なども含め5台が稼働しています。IO-DATAのは12Vくらいの専用ACアダプタが必要で取り回しがイマイチでしたが、Atom CamはmicroUSB端子のUSB 5V給電なのでとても汎用性が高いです。既にAnkerの他ポート充電器がある場所からなら一緒にそこから電源とることもできますし、市販ケーブルで長さを最適化したり壁の色にあわせたケーブル色を選ぶこともできます。

さて、最近猫の新たなお気に入りスポットとして、天井ギリギリの本棚の上があることがわかりました。Atom Camもまとめ買いして余っていたので設置しようとしたのですが壁コンセントは足元のやや離れた場所にしかなく付属ケーブルでは届きませんでした。AC延長ケーブルを使うという手もあったんですが、配線経路の途中にコネクタやUSB充電器など膨らむのもイヤだなということで、USBケーブル側を長いものに交換することに。

そして見つけたのが5mのコレ。

まさにネットワークカメラ用として売っているもので、壁に止めるためのコードクリップも10個付属していました。ハンマーなどで打って止めるタイプのものです。

付属のコード止め

またAtom CamのmicroUSBジャック部分は強度を出すためだと思われますが少し奥まったところにあり、コネクタ部分が少しでも太いと刺さらない場合があります。しかし本ケーブルは問題なく奥まで刺さりました。ケーブルは本体付属品のようなフラットタイプではありませんが、普通に細くて柔軟で扱い易いタイプだと思います。iPhoneに付属の充電ケーブルくらいと言えばいいでしょうか。もちろんAC 100Vの延長ケーブルを引き回すよりもスマートで目立たないので綺麗に配線することができました。Atom Camを設置したいけど電源の場所が遠くて、、という方は候補に検討してみてください。

AppleTV 4Kを2021年モデルに買い替え

2021年5月発売のApple新製品群の中では、iPad ProもiMacもスルーでしたが、AppleTV 4Kだけゲットしました。これとてある注目要素がカタログ値ではわからないので購入者レポートの報告待ちということで予約もせず発売日を待っていたというところです。

2021 Apple TV 4K(32GB)

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その要素とは「Youtubeで4K HDRが再生できるのか?」という点。AppleTVは2017に4Kモデルを発売しており、普通に考えたらなんだって4K対応だと思うのですが、実はそうではありませんでした。Youtubeでは3820p(4K)と1440pについてはVP9というコーデックを使用していたんですが、AppleTVがそれに対応しておらず長いこと4Kは非対応(フルHD再生止まり)だったので。tvOSの更新で低レート(24fpsや30fps)ならば4Kでも再生可能となったのが2020年。それでも4K/60pやHDRには非対応のままだったのです。本体が4K/HDR対応だからといって個別のアプリがそうとは限らないわけです。こういう使用はカタログには可とも不可とも記載がないため、購入したユーザの報告を待つしかなかったというわけです。

■ついにYoutubeの4K/60p/HDRに対応

A12 Bionic搭載のおかげか、わざわざVP9ハードウェアデコーダーを搭載したのかは定かではありませんが、ついに今回のモデルチェンジでYoutubeアプリでも4K/60p/HDRが再生できるようになりました。まぁ日常的に見るコンテンツで4K/60p/HDR率はそう高くはないですが、たまにdrikinさんが実験的にアップする動画や、自分でiPhone 12 Pro Maxで撮った動画など、リファレンス的に検証したい時があります。またこれぞ4K/60p/HDRというのを味わいたい時に、店頭デモ映像のような美麗コンテンツがいつでも無料で見られるのもYoutubeのメリットです。今まではそのためにChromecast with GoogleTVを買っていました。一方AppleTVはHomePod 2台を使って仮想サラウンドを組めるアップデートが提供され、わざわざ買い増しして環境を組んだのに、4K/60p/HDRをとるかシアターサウンドをとるか、みたいな状態でした。これでようやくそのジレンマが解消することになります。

Youtubeで4K/60p/HDR動画を再生した時の統計画面

写真は実際にYoutubeアプリで4K/60p/HDRなコンテンツを再生し、統計データを表示したところです。上から2段目はViewportなので出力画面サイズ(4K TVがつながってますねってこと)。3段目が重要。「Current / Optrimal Res」(現在/最適解像度)で、両方とも「3820 x 2160@60」となっています!またCodecはVP9(5段目)、Colorが「bt2020」つまりHDRであることを示しています(SDRだとここが「bt709」と出ます)。

■ARC/eARCにも対応(ベータ)

同時にたぶん発表イベントでも触れられていなかったサプライズアップデートとして、ARC/eARCへの対応が判明。ARC (Audio Return Channel)は、HDMI経由で出画デバイス(TV)からサウンドデバイス(AVアンプなど)に音声データを逆送りできる規格です。通常HDMI信号は再生デバイス(プレーヤー、ゲーム機など)から出画デバイスに向かって信号が送られます。ホームシアターを組む場合はその途中にAVアンプを経由し、AVアンプがセレクターの役目も兼ねます。この場合、AVアンプが最新規格に対応しなくなると、再生デバイスと出画デバイスが対応していてもその規格では再生できなくなります。過去にも3Dとか4KとかHDRとかいうたびに途中経路のAVアンプまで対応/買い替えを迫られた人も多いんじゃないでしょうか。これがARCであれば、再生デバイス->TV-(ARC)->AVアンプ、のような経路が組めるようになり、(音声規格が刷新されてないなら)AVアンプは古いままでOKということになります。eARCはさらにその進化版でより新しい音声規格が通せるようになります(ウチのリビングのBRAVIA X9300cは非対応)。

さてこれがAppleTVにどう関わってくるかというと、前述の通りAppleTVは少し前にHomePod 2台に対して音声を送ってHomePodをホームシアタースピーカーとして鳴らすことが可能になっていました。しかしAppleTV自体は入力端子を持たないため、AppleTV上で再生できるコンテンツでしかHomePodをスピーカーとして使うことができなかったわけです。ところが2021年モデルのAppleTV 4KがARC/eARCに対応したことで、例えばPS5 -> TV -(ARC)-> AppleTV -> HomePodという鳴らし方ができるようになったというわけです。TV側がセレクターとしても機能するのでTVの入力端子数だけ機器をつなげることもできます。高い出費だったHomePod 2台の活躍の場が広がります。

■新型リモコン Siri Remote 2

アップデートの目玉としてリモコンがフルリニューアルされました。従来タッチパッドだった部分に物理的な4方向ボタンが復活。おそらくゲーム利用を促進させる狙いではないかと思います。中心の円部分は従来通りタッチパッドとして使えます。また若干レイアウトがかわり、材質や厚みがかわりました(分厚くなった)。Lightning端子で充電する方式は継続です。

背面がフラットではなくなったため、多少握りやすさは良くなった気もしますが、テーブルなどで安定感がないのは個人的には気になります。そのうちカバー製品が出てきたらつけるかも知れません。

このリモコン、単体販売もされているようなんですが、\6,500円とややお高いです。単価がどうのというより、新型AppleTV 4Kが32GBモデルで2万円であることを考えた時の割高感が否めません。旧モデルユーザなら買い換えて旧型売却費用を新型購入費用の足しにした方が総合的な満足度は高そうです。

Siri Remote

Siri Remote

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■画質補正機能

iPhone X以降のFaceID対応フロントカメラを備えたiPhoneでTV画面を映して画質のキャリブレーションする機能もイベントで発表されました。正直これが一番刺さりました。これを使えばAppleリファレンスに近い画質で映像を楽しめるぞと。しかし直後にリリースされたtvOSで旧モデルでもこの機能が利用できることが判明し、一時的に買い替え良くが萎んでいましたw。でもまぁ良いものです。

BRAVIA X9300cは画質モードを[HDR]にすると微調整できる項目が減りがちなので、あとは再生デバイス側が補正を行ってくれるなら歓迎。キャリブレーション後に補正前後を比較できる画面があるんですが、わずかながら補正後の方が色温度が低くなり「シアター」モード寄りの色味になりました。個人的には普段地上波番組でもシアター寄りの色味が好きなくらい(スタンダードは青白すぎる)なので、満足度の高い補正です。

 

■ファーストインプレ

物理リモコンこそかわれど、画面上のUIは旧モデルとなんら変わりがなく新鮮味はあまりないです。早速ARCを使ってPS5やBDレコーダー(SHARP 4B-C40AT3)でBlu-rayを再生してみましたが、どうもPS5での音はしっくりこなかったです。PS5では音声出力設定としてTV、AVアンプ、サウンドバーが選択でき、AVアンプにした場合は5.1chや7.1chといったチャンネル数の指定ができるようになります。また優先出力コーデックとしてリニアPCM、ドルビー、DTSが選べます。正直細かいんだかおおざっぱななんだかわからない設定画面です。サウンドバーや今回のAppleTV+HomePodだって疑似サラウンドスピーカーとして振る舞うわけなので、「AVアンプ」を選んでおくべき?その場合チャンネルは?となります。コーデックもどうすればいいのかよくわかりません。DTSだったかにドルビーだとセンターチャンネルがならずにセリフがほとんど聞こえない状態になりました。AppleTV側の仕様がはっきりしない問題もありますが、どうもこの組み合わせはしっくり来る設定が見つけられませんでした。

4B-C40AT3の方は特に設定をいじらずともそこそこ良い音で鳴ってくれました。TVと比べて明らかに重低音は増し、PS5と違ってセリフもしっかり聞こえてきます。ちょっとバリバリにサラウンドを感じられるコンテンツ/シーンまでは試せてないので疑似サラウンドの効果までは確認できていませんが、普通にTVで聞くより良い音です。ただまぁHomePod自体が重低音出過ぎな嫌いがあるので、若干やりすぎに感じるシーンがあったり、深夜に使いづらい感はあります。ほんとこれマニュアル調整させてほしい…

BRAVIA側の視聴中メニューで音声出力先を内蔵か外部か切り替えられるので、適宜使い分けかなという気がしています。いずれにせよ映画とかアニメとか音質重視なコンテンツでより良い音が選べるようになったのは買い換えた価値があったなと思います。

一方、ネットコンテンツの複合ブラウズUIとしてChromecast with GoogleTVがなかなか優秀なので、日常使い端末として捨てがたい印象もあり、こちらの音声をARC経由でHomePodで鳴らして使っていくのもアリかなぁと思ったり…

 

5年使った洗濯機を分解大清掃 Panasonic VX9600

2016年に購入した洗濯乾燥機Panasonic NA-VX9600が二度の引越しも経て色々と不調になってきました。

症状は乾燥性能の低下(時間がかかる、「ふつう」では乾ききらず「しっかり」常用)と、トップパネルにある乾燥フィルターの部分に水が残る(フィルターの下1/3位が水に浸かった状態)といったもの。

乾燥フィルターの掃除用に純正のおそうじブラシ(VX用)を買ってみてダクトの埃を取れる限りとってみたものの改善せず。

Panasonic おそうじブラシ AXW22R-9DA0

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ヤマダのThe安心に加入しているので(洗濯乾燥機は6年)修理を手配しようと思いつつ、片付けとか面倒で放置していました。

しかし価格.comで分解清掃の話題がいくつも出ているのに気づきDIYチャレンジ。手順についてはYoutubeでザクザク見付かります。わかりやすかったのはコレかな。

作業に手一杯で写真が全然撮れなかったんですが、次回に備えて記憶の限りメモ。

道具立てとしては、長い目のプラスドライバーがあると良いです。後述の脱水受けカバーのネジがかなり奥まったところにあるためで、ネジを落とさないようマグネタイズされたもの、電動ドライバーがあるならロングビットを使うのがいいと思います。ウチで使ったのはたぶんこれ。

脱水受けカバー以外はさほど奥まったネジはなく、ロングビットだと取り回しが悪いので、ほどほどの長さのものと使い分けるのが理想だと思います。あとケーブルを固定しているプラスチックパーツをつまんで引き抜く時に細めのラジオペンチがあると楽です。

ネジの総数と種類が多いので、白紙にペンで各部位のスケッチを描きその上にネジを並べて置いておくようにしました。

■乾燥フィルターボックスの水溜まり対策

このシリーズの作りとしては、乾燥フィルダーを取り外したボックスの奥にヒートポンプユニットのアルミフィンがあり、手前側は拳大のゴムダクトを通ってドラム側に落ちていきます。まず後者は上記おそうじブラシである程度清掃できますが、いちど分解して仕組みを把握した方がより効率的に掃除できます。ブラシを入れられる口が上の写真の右上に移っている部分で大きな異物が入らないよう水平のガードがついており、手などを直接入れることはできません。最初ここから奥の綿ゴミを一生懸命掻き出すイメージで掃除していましたが、むしろ奥につっこんでドラム室に落としてしまう方が良さそう。最終的には排水とともに排水フィルターの方へ流れてキャッチされるはず。

問題は前者のアルミフィンです。これはトップパネルを外さないとアクセスできません。トップパネルは蓋で隠れているものも含め、9本のネジで止まっていますが割と簡単に外れます。フィルターボックスの奥側のガードも2本のネジを上から抜けば外すことができ、フィンの手前側は露出します。ここにゴミがビッシリ詰まっていて言われなければエアコンのようなアルミフィンだとわからない状態でした。

こちらの動画の5分辺りのところがわかりやすいと思います(ここまでではなかったですが)。

アルミフィンは簡単に曲がってしまうので、乱暴に擦ったりはできませんが、動画のようなブラシもなかったので、価格.comで言われていたDoltzのジェットウォッシャーとスチームクリーナーを試しました。結果的にはスチームよりドルツの方が聞きました。元が髪の毛などの繊維的な綿ゴミが水分吸って重くなっているようなものなので、熱よりは水量と勢いで流したという感じでしょうか。

最近すっかり使わなくなったドルツがまさかこんなところで役立つとは…処分しないでおいて良かった(笑)。

ただフィンの奥へゴミを押し戻すのはよろしくないので、できるだけ上下方向から水圧をかけて手前に押し出すように意識しました。タンクに数杯分の水を吹きかけるので、その水は排水路に溜まります。続けて下部を分解していくと排水フィルターを外した時に水が大量に溢れるので注意してください。ドルツ洗浄の後はいちど電源を入れて脱水(排水)操作をしましょう。

基本、前面の見えている部分を綺麗にしたことで水溜まりは改善されました。が結局後述の事情でもう一度分解することになったので、その時はさらにヒートポンプユニットの天面カバーも外してさらに奥の方までドルツで徹底洗浄しておきました。

■ドラム周辺のゴミ取りと部品交換

次にフロントパネルを外していき、上述のダクトやドラム周辺部のゴミを除去しました。その際、上記写真に写っている白いドラム前面のリングパーツの手前にかぶっている「脱水受けカバー」という部品が破損していることが判明。この方のケース(4:50秒辺り)と同じ。

一度は見なかったことにして組み上げたんですが、同居人がこれを見たあと、「このせいで水が溜まらなくなったのだ!前はもっと水位が高かったと思う」と言うので交換することに。有り難いことに楽天で普通に買えました。

脱水受けカバーと脱水受けパッキングAという2つのパーツがセットになっています。後者は別段劣化は見られなかったですが、セットで売られているということは一緒に替えることが推奨ということでしょうし温存しておいても仕方ないので交換しちゃいました。脱水受けカバーのネジが数が多い上に奥まった場所にあるので、うっかり下に落とさないよう慎重に作業する必要があります。ケチらず上述のロングビットを用意するのが吉。ドラムは手で動くので隙間を広げるように押さえながら脱着します。幸いここのネジは一周全て同一なので、どれがどこのものかは憶えておかなくて大丈夫です。

同居人曰く、洗濯やすすぎ中に常時脱水フィルターの方に水が流れているような音がしていたのが収まったとのこと。ただいまのところ体感できるほど乾燥力が復活した気はしていないです。

■まとめ

2回に渡り写真のところまでバラしを決行し、とりあえず乾燥フィルターボックスの水溜まりは解決することができました。フィルターにつく綿ゴミも乾いているので除去も簡単になりました(本来当たり前)。

乾燥時間や消費電力などについては不明。本機はNFC経由でAndroidアプリにログを転送できるんですが、カスタムコースについてはデータが取れないんですよね…

価格.comの書き込みによるとヒートポンプユニットは保障期間が3年(5年の説/機種も)で、基本的には経年でゴミがどんどん詰まっていくのは構造上避けられないようです。特にペットがいる家庭(ウチも)なんかはどの毛がダメぽい(説明書にはそういうものを洗うなと書かれていますが、そういうワケにもいかないですよね)。ペットの毛が見付かった場合保証対象になるのかは不明ですが、理想は保証期間が切れる前にいちどサービスを呼んで清掃なり交換なりしてもらうのがヨサゲ。ウチはペット用品洗いまくりの後ろめたさもあるし、今回マスターしたDIY清掃を定期的にしていくのがいいかな。