ちゃんと4KキャプチャができるUSBキャプチャ Elgato Cam Link 4K

テレワーク需要を受け、高画質なデジタルカメラの映像をPCにリアルタイムでいれてWebカメラのかわりにオンライン会議の顔映像として使いたい、という需要も増し、USBタイプのHDMIキャプチャーがあちこちから安価に出まくっていますね。

私が最初に買ったのはAverMediaのBU110でした。

2018年当時、フルHDR対応していて1.5万円ほど。当時としては小さく、電源不要でHDMI映像をUVCドライバーでカメラ入力でき、様々な現場で活躍してきました。

今回これと同じことができるデバイスがもう1つ、2つ欲しいなということになり物色。BU110もまだ現役で売っていますが、より小型で安い商品が中華勢から続々と登場しています。なんと1,000円を切るようなものまで。一瞬そういうのでいいか、と思いかけましたが、ちょっと不安になって色々リサーチ。というか普通にレビューをみていても遅延が、、などとお値段なりの品質を思わせるコメントが続々。日常のウェブ会議でたまに不具合が出るくらいならいいですが、UT実査などの収録でトラブルは困ります。

新しさには欠けるけど実績のあるBU110を1.5万円ほど出して買おうか、同じくらいの値段で4KまでいけるElgatoのCam Link 4Kにしようかという流れに。

ちなみに安物はきっぱり止めようと思えた動画がこちら。

後半で、LogcoolのWebカメラ、一般的な$20のキャプチャアダプタ、Cam Link 4Kで遅延を比較してくれています。安物はひと目で「これはないな」と思えますw。逆にCam Link 4Kは大丈夫そうだなとも。Logicoolの上級モデルのカメラもさすがですね。今回は光学望遠が使える外部カメラをつなぎたかったので除外ですが(というか同社のBrioは毎日問題なく使えています)。

さて、今回どうして4Kキャプチャーがいると思ったかというと、別に高画質ゲーム配信とかではなく、とあるUT現場で、ある製品の複数箇所、アングルを映す必要があったからです。当初3カメラで個別に映す予定でしたが、4KでキャプチャしてOBS側で必要な部分をズームして使えばカメラ台数を減らせるんじゃないかと。例えば引きの全体像と、表示部分のアップ、みたいなのを1台のカメラで撮れれば、機材も減らせるしキャプチャーの負荷も抑えられるかなと。もちろん4Kは単純にいってフルHDの4倍の解像度なので、1台でフルHD 4ストリーム分の帯域を食う可能性もありますが、どちらかというとUSB周りでデバイスが増えた時の不安定さの方を問題視しました。4Kでキャプチャできていればズームした部分もそれなりの解像度を維持できるのでいいかなと。

ちなみにAmazonでゴロゴロ出てくる中華製4K対応USBキャプチャ(2~3千円程度)のものも「4K」と書いてはありますね。ただこれはトラップです。4Kの信号を受けることはできるものの、キャプチャされるのはフルHDまでだったりします。4Kでゲームしている映像をフルHDに落として配信したい、とかならまぁいいんですが、4Kでキャプチャできるものはこの価格帯では現状ないと思います。

ということで最終候補として残ったのは、ElgatoのCam Link 4Kか、単独で録画もできHDRなどにも対応している4K60S+です。ノートPCで使うのでPCIexタイプは除外。他にはAverMediaなどでもいくつか仕様を満たすものはあります。

後者は単体録画ができたりパススルー端子があり、HDR対応しているので、PS5を4K&HDRで遅延なくプレイしながら録画したり配信したりができるのでかなり魅力でしたが、業務用としてはオーバースペックで、今回Razer Blade 14というCPU/GPUの強いPCを買ったので、懐が寂しかったのと、そちらのソフトエンコードパワーを生かしてやろうということでCam Link 4Kにしました。

■使用感

基本OBS Studioへの入力用なので専用録画アプリは入れただけでほとんど使っていません。

安定性はそこそこ。たまにOBS落としたりPCがスリープになったりすると映像がブラックアウトして、Cam Link 4KをUSBポートから抜き差ししたり、OBS上でデバイスを無効->有効にしたり、カメラをOFF/ONしたりしないと復活しなくなります。が、まぁこれはBU110も含めて似たり寄ったりじゃないかなという認証。今回話してる人を撮っているわけではないので厳密なリップシンクまでは検証できていませんが、見ていて明らかな遅延はありません。また一度映った状態、録画し続けている状態において途中で切れたとか熱暴走でフリーズとかはないです。

ちなみにUSBは直差しではなくハブ経由ですが電流不足にならないようバスパワーのこちらを使っています。

貴重なUSB 3.2 Gen2対応のハブで、Razer Blade 14のようにUSB Type-CでGen2なポートがあるノートにはぴったり。ちなみにCam Link 4K自体は要求仕様に「USB 3.x port」と書いてあるのでGen1(5Gbps)であれば問題ないですが、他のデバイスも同時につなぐならハブ-PC間はGen2(10Gbps)で帯域に余裕があるといいのかなと思っています(USBがそういう帯域の取り合いの仕方なのかわかっていませんが)。電源がとれてGen2なハブでしたらこれはオススメです(ただしダウンストリーム側にType Cはないのでご注意ください。A x4口です)。

USBポートに対して本体が幅広なので、短いUSB延長ケーブルが付属しています。これもUSB3.0で動作保証されているという意味では貴重ですが、絶対なくしそうなのでとりあえず元箱にしまって現場にはもっていきませんでした。がこれはやっぱり必要だったなと反省。上記ハブでも隣がデバイスだと干渉します。細いケーブルとかならいいんですが。今後はケーブルを本体につけて機材ボックスに保管しておこうと思います。

■まとめ

結果的に今回の現場では思惑の「4Kで撮って必要なところをアップで切り出す」という使い方はボツになりました。撮りたいアングルが乖離してしまったせいです。ただし4Kキャプチャはしていてその品質は満足しています。似たような仕様の中華製品が安くある中で1万円台を出すのは勇気がいりますが、価格なりの品質が伴った商品だと思います。

OBSやATEM MINIのお供に小型なフルHDポータブル液晶を購入

前々から現場のモニタ用に小さいモニタが欲しいと思っていました。有名なとこだとATOMOSのSHINOBIシリーズとか。

ATOMOS SHINOBI ATOMSHBH01

ATOMOS SHINOBI ATOMSHBH01

Amazonの情報を掲載しています

ただこれらは多機能だし色校正とかもしかりしてるんだろうけど、5インチ、7インチとスマホくらいの大きさで老眼にはちょっと微妙。細かいところまでピント来てるか見分けられる気がしません。しかも結構お高い。あと基本”フィールド”モニターなので電源仕様がバッテリー前提だったりして微妙に使いにくい。マイナーなメーカーのもっと安いものもあるけどいまひとつ決定打に欠けていました。

そんな中で今回見つけたのがこちら。

SECOUというメーカーかな?型番もよくわからん商品ですが、

  • 10.8インチ フルHD(1920×1080)60Hz
  • 非光沢IPS液晶
  • HDR対応
  • miniHDMIおよびUSB Type-C接続
  • スタンドにもなるマグネット式カバー付属
  • VESA穴は無し

という仕様。これで1.4万円(購入時更に1,000円クーポンあり、レビュー書くと500ポイント)とお手頃価格です。同じメーカーが作ったとしか思えない類似仕様の4K 15.6インチのものをもってますが、VESA穴がついてて自宅に壁掛けしちゃってるし、現場にもっていって並べるには若干大きかった。OBSやATEM MINIなどで配信画像をモニタするにはフルHD、10.8インチは過不足ないなという印象。折りしもOBSの全画面プレビューという機能を知ったばかりで、外付けフルHDモニタがあるのなにかと便利そうと思っていた矢先だったので飛びついてしまいました。

付属品に、

  • USB Type C to Cケーブル
  • USB Type A to Cケーブル(給電用)
  • USB A充電器(5V 3A)
  • miniHDMI – HDMIケーブル
  • スタンド兼カバー
  • プラスチック製スタンド

と必要なケーブル一式も含まれているので実質のコスパはさらに安い印象。

■フォトレビュー

外観はこんな感じ。

マグネット式カバーは2段階アングルのスタンドにもなる

ヘアラインのフレームなど、Amazonに溢れている中華モニターのデザイン、質感です。さほど悪くない。背面はフラットで、写真のカバー右寄りの部分がマグネットでモニタ背面上側にひっつく感じ。できればVESA穴があると、普段自宅でサブモニタとして使いやすいんですが、そうなればなったでまた持ち出すのが億劫になりそうなので、これはこれで持ち出し専用として割りきった方がいいかなとも思っています。

背面はフラットでVESA穴は無し(惜しい)

ただウマ娘用(笑)に縦サブモニタが流行ってるようなので、それ用に使うならやっぱりアームはつけたいかもですね。これくらいならタブレット用ホルダーでも固定できるかも?

残念さを感じるのはカバーを閉じた時。微妙にマチが足りないのかピッタリと閉じずにこんな感じ↓で浮いてしまいます。バッグなどに入れてしまう分には実用上の問題はなさそうですが、ちょっと設計精度か個体差の問題か不明ですが中華クオリティ感を感じてしまいます。

カバーは若干浮く

カバースタンドとは別にプラスチック製の可変式スタンドも付属。こちらの方が多段階に角度を調整可能です。

プラスタンドも付属
プラスタンドで立てた状態

持ち出しを想定してとりあえずDELL XPS 9575のUSB-Cポートにケーブル1本で接続して移してみましたが、特に色味や解像度感で違和感はないです。きちんとHDRも有効化できましたし、当然ながらOBSの外部モニターとしても指定OK。ただしその辺にあったAmazonブランドのType-CケーブルではUSBデバイス接続音はするものの画面は映らず。USB2.0ケーブルだからかな。USB Type-Cは見た目同じでも規格違いがものすごくあるので、付属ケーブル以外を使う時はきちんとテストしておかないと現場で慌てることになりますね。

■まとめ

10インチクラスの小型モニタは以前に買ったCENTURY製品もまだ手元にありますがあちらは1366×768止まり。そこから10年近く、解像度も上がりHDR対応し薄くなり、USB Type-Cケーブル1本での使用にも対応し、1万円台で買えるなんて。薄くてノートPCなどと一緒に持ち出すなどハンドリングも楽でこれからの現場仕事で活躍してくれそうです。

とにかくCポートの多い充電器がほしい~UGREEN Power Delivery Fast Charger Gan X 65W

久しぶりの現場仕事を控え、細々と機材を買い揃えています。

1つは前から欲しかったUSB Type Cポートのマルチポートの充電器です。Type-CはPD(Power Delivery)の最大ワット数勝負なところが大きく、ポート数方向で頑張っている製品があまりないように思います。手持ちで最大でも2ポート(+Aポートが1,2口)のもの止まり。なかなかType Aみたいに7ポートとか10ポートとか景気のイイヤツはお目にかかりません。供給電流が大きいのでどうしても発熱の問題などがあるのでしょう。個人的には高出力のものは別で所持しているので、PD18Wでもいいから3,4ポートくらいあるのがいいなと思って探しました。

で、今回見つけたのはC x3 + A x1ポートのこちら。

上2つの口がMax 65W、3つ目が18Wで、合計で65Wという仕様です。つまり1口目が65W使ったら残りの口は使えない(あるいは均等に分配される)というわけです。ノートPC複数台を同時充電できるわけではないです。ただ例えば1つ目が終わったら自動的に2つ目が65Wまで上がるのであれば、寝る前につないでおけば済みます。実際に現場仕事ではホテルで寝る前につないでおける口の数が重要だったりします。口の数が足りないと充電終わったものから差し替えていく手間が発生します。

65WというとミドルクラスのノートPCくらい(MacBookでいうとPro13くらい)までは余裕。ハイエンドもスリープ中にゆっくり充電するくらいはできる、という感じ。(18Wくらいが多い)スマホなら3台同時に急速充電できるくらいですかね。サイズはGaN(窒化ガリウム)タイプなので出力の割にコンパクト。MacBook用充電器でいうと30Wクラスより微妙に大きいかな?くらい。もちろんプラグは折りたためます。

サイドにはUGREENのロゴと斜め縞のシボが入っていて、質感は悪くありません。

まだ全力運転させてないので、発熱の程度はわからないですが、仕様通りに動いてくれれば今回のニーズを満たす良い選択肢かなと思います。

 

BOSE SleepBuds → SleepBuds IIに無償交換でゲットだぜ!

BOSEのイヤホンもどきというか快眠デバイス、SleepBudsをめぐる顛末。

SleepBudsは2018年に登場したイヤホン型の快眠デバイスです。完全ワイヤレスイヤホンのような形状ですが好きな音楽を鳴らすことはできず、ノイキャンもない。単に寝室周りのノイズ(いびきとか)をかき消しやすい環境音(雨音、風音、飛行機のキャビンの騒音、たき火のパチパチ音、etc.)や専用音楽を流すだけのデバイスです。なんですが、機能を削ったおかげか普通のTWSイヤホンよりも一回り小型で、寝ホンとしてのつけ心地が最高というかノーストレス。横向けに頭を枕に押しつけるようにしても全くといっていいほど干渉しない。どちらかというと自身がイビキ音源な私ですが(CPAP療法中)、エアコンや時計の針の音、動物達の活動音でも寝付けなくなる達なのでメッチャ重宝していました。つけて寝ると途中覚醒が格段に減る感じ。

しかし設計上の欠陥がありバッテリー充電不良問題が勃発。多くの人が交換してもらうも根本的な解決に至らず、ついに2019年には発売中止、希望者には全額返金という措置がとられました(2019年末まで受け付け)。

しかし私は本製品を気に入っており他に代わりになる製品もなく、BOSEからも後継モデルが出るかどうかも定かではなかった為、返金よりも手元に残すことを選びました。

翌2020年、BOSEは欠陥を修復した後継モデルSleepBuds IIを発売。

個人的にはギャフン!という感じでした。充電問題が(たぶん)修正されている上、ケースの充電ポートがType-Cになってたり、レビューをみるとBLE接続も速くなったとの評価で初代を返品しておかなかったことを後悔しました。まぁ、性格的に資金をプールしておいたとも思えないけどw。

とはいえもう3万ぶっこむのもキツいので、騙し騙し使いつつ、やっぱり右側が使いたい時に充電できてなかったりスマホで認識できなかったりで徐々に使わなくなっていきました。

そして先日から毎朝オンライン会議があるプロジェクトに参加することになり、少しでも睡眠状況を改善しようと久しぶりに使おうとしたところ、、ついにどう足掻いても右側が認識しない。ケースの充電ランプからみても全く充電できてない気配。右ユニットを左ユニット用の充電スロットに無理矢理セットすると充電してそうな点滅パターンになるので一縷の望みを託して様子見したりしたけど結局どうやっても復活はならず。

もう改善できまへんとばかりに返金まで受け付けてたくらいなので修理サポートしてもらえるかすらわかりませんでしたが、自分でバラして電池交換した猛者の記事とかも見付からないし、ダメもとでサポート依頼してみることに。ネットに書かれているケースファームウェアの更新やリセット操作などやれることはやり尽くしたので、サポートにそれをしてみてと言われる手間を避ける為に、やったことを列挙しようとするも、なぜかサポートフォームの故障状況説明欄がTwitter並に文字数制限が厳しく、メッチャ苦労しました。そしたらなんということでしょう、人力を介さず、その場で「その製品はSleepBuds 2への無償交換対象だから着払いで送ってくれたら新型送るで」的な画面に!

画面の文面を規定文字数に縮めた苦労ェ…先に言えよ!っていうか2に交換決まった時点で既存ユーザに通知送れよ!!と思ったり思わなかったりしたものの、棚ボタ的に新型が手に入ることに。まぁ欠陥があったので当たり前といえば当たり前かも知れませんが、いちど返金措置をつっぱねて自己責任で使い続けたユーザに改めて交換提案してくれるという意味では太っ腹のイケメン対応と言えるんじゃないでしょうか。

■ファーストインプレ

初代を送ってしまったので比較写真が撮れないですが、充電ケースとの接触端子が2ピンから3ピンに変更されています。より安定して充電を行うための措置でしょうか?雑に放り込むだけでマグネットで定位置にスチャっと収まる仕組みも同じですが、マグネットの位置なども変更されています。USB充電端子がmicroBからType-Cになったのは地味ながら嬉しい。出張とかにも持っていくので、microUSBケーブルが必要な製品が1つでも減るのは有り難い。カラーもシルバーからシャンパンゴールド的な色になって高級感が増した感じ。LEDも真っ白なものから少し暖色寄りのカラーになっていて、就寝前に暗くした部屋で使っても目に刺さらない感じがナイス。

本体のつけ心地は今のところそんなに違いは感じず。

サウンドライブラリも随分数が増えており、転送速度も上がったみたい。初代は何十分もかかるので、寝る前にオンラインのライブラリから選んでもその場ですぐに本体に転送して使うのは無理でしたが、新型では2,3分くらいあれば転送できます。ただしバッチ転送はできないので、1曲(?)ごとに操作が必要。本体のメモリはさほど余裕がないので、あれもこれも試すには毎度削除して空き容量を作ったりと面倒ですが、お気に入りが見付かって固定されるまでは我慢かな。ちなみにこちらからサンプルを聞く事が出来ます。

■まとめ

BOSEが失敗にめげずにこんなマイナージャンルの製品でも後継改良モデルを出してくれたことも、旧モデルユーザーに交換サービスしてくれたことも感謝感激です。これで毎朝早起きワークスタイルも頑張れそうです。

もしまだ初代を頑張って使っている方がいらしたら、是非一度修理依頼フォームにシリアルNo.入れて進んでみるといいと思います。

ノイキャンもないどころか好きな音楽すら聴けないデバイスに3.3万円というとかなり覚悟のいる製品ですが、BOSE公式サイトで購入すれば90日間返品返金保証があるので興味がある方はそちらをご利用になってみるのも手かも知れません。

あと、これはこれで素晴らしいガジェットですが、そろそもこれくらいの完全枕対応の寝ホンが登場しないですかね。電池2時間くらいでいいので…

 

ロボット掃除機買い換え ECOVACS DEEBOT OZMO T8+

2015年に発売日買いしたDyson 360EYE、前居では使いどころがなく死蔵されてましたが、新居で再度活用できるかなと再起動。電池がヘタってたので、活入れしたり新品交換したりもしたものの、ケーブルやカーペット、衣類などをタイヤ(キャタピラ)に噛みこんでしまい走行不能になることが非常に多く、せっかくロボット掃除機におまかせとばかりに外出したり寝たりしたのに、リビングに戻ったら途中で擱座して止まっていた、なんてことばかり。

ハイテク好きとして、ランダム走行タイプは買いたくないので、買い換えるなら同じDyson 360の後継機Heuristか、ルンバのS9+やi7クラスかなと。しかしどれも発売から時期が経っており、いまにも新型機が出るんじゃないかと思うと(主に同居人の)食指が動きませんでした)。また新型にして吸引力やマッピング性能が向上しても、現在懸念となっている噛み込みによる擱座問題が改善されなければ意味がありません。ルンバの短期サブスクやDyson公式サイトの返品可能サービスを駆使して実地検証するしかないかなぁなどと日々思っていました。

■ECOVACSとの出会い

Dysonのコードレス掃除機V12/15が出たのでレーザー照射がどんなものか試してみようとヨドバシの掃除機コーナーに立ち寄った際、販売員さんと雑談したり、手持ちタオルを360Heuristやルンバのコース上に置いて「やっぱ噛みこんで止まっちゃうねー」とか話をしていた折り、そういう布やコードを巻き込まないことを売りにしたメーカーがあるんですよ、とそこのメーカーから来ていた販売員さんにつないでくれました。

それがECOVACSというメーカーのDEEBOT OZMO T8 AIVIというモデルでした。

家電ウォッチのレビュー記事が詳しいので見てみていただきたいのですが、簡単にいうとD-ToFのレーザー測距(いわゆるLiDAR)に加えフロントカメラの映像をAI解析してコードや靴下みたいな障害物を判別して避ける、というシロモノです。しかもリモートでそのカメラ映像をみられ、動くネットワークカメラとしても使えるということでかなり興味をひかれました。しかし、実際にタオルを目の前に置いてやったらあっさり擱座(笑)。まぁずっと待ってたら異常検知して自力脱出した可能性はありましたが、とりあえず噛むことは噛むぞと。

それでもまぁ説明員さんによるプレゼンテーションに感化されたり、スマホでレビューが非常に高評価なのをチェックしたりしてこのDEEBOT OZMOというシリーズはかなり良いものだということになり、同じT8系統で自動ゴミ収集スタンドの付属したT8+をゲットしました。

その時のヨドバシ店頭価格が99,800円でしたがAmazon最安値が7.5万円くらい。詳しく説明してくれた販売員さんの実績になるならできるだけその場で買おうとしましたが、価格相談したところ「自分はメーカーから来てる人間なのでどちらで売れても全然構わない」と言ってくれたので、お言葉に甘えてAmazon(マケプレでイーベスト電器)でゲット。価格.comでの最安値も99,800円だったので、イーベストの値段だけ突出して安く、後で間違えましたって取り消されたり、違う機種が届いたりしないかドキドキでしたが、無事二日後にT8+が到着しました。

なお、自動ゴミ収集スタンドが付属しないT8無印だと5万円台。

後述する性能の高さ、多機能、完成度さを考えると非常にコスパの良いシリーズだと言えます。不覚にも知らないメーカーでしたが、家電批評ベストバイを取っていたりコスパも含めDysonやiRobot(ルンバ)と勝負できるメーカーだと思います。

■Deebot OZMO T8+の特徴

  • D-ToD(iPad Proとかについてる測距システム)によるマッピング
  • 立体検出でケーブルやカーテンの裾などを噛みこむトラブルを従来比20~40%減
  • 自動ゴミ収集スタンドで30回分のゴミを自動吸引し蓄積(紙パック)(+のみ)
  • 同時水拭き機能
  • スマートスピーカー対応(Google Home/Alexa)
  • 家電批評2021年4月号ベストバイ(水拭き付きロボット掃除機として)
  • 別売りストロング電動モップ装着で、毎分480振動で圧力をかけながらモップがけ

とのこと。もちろん今時のスマホアプリで、

  • リモート操作
  • マップ確認(リアルタイム)
  • 禁止エリア指定
  • 指定エリア清掃

などは可能。

後継モデルとしてT9/T9+が発表されていますが、ホワイトカラーになったのとニオイ玉入れてニオイ巻き散らかしながら掃除ができるようになったくらいが違いで、価格がリセットされることを思うと、(その違いに魅力がなければ)安くなったT8/+がお買い得だと感じます。私が買った7万代はたまたま運が良かったようですが、それでなくとも10万切るというのはコスパ高いでしょう。

もちろん、きちんと動いてくれれば、、ですがはてさて。

■ファーストインプレ

トップカバーを開いたとこと

トップカバーを開くとゴミタンクやメイン電源スイッチがあります。T8+なら勝手にスタンドにゴミが吸引されていくので、基本的にここはあまり触る必要がないでしょう。手前のグレーのプレートはなんと掃除ツールです。

髪の毛などが絡んだ時に使うカッター搭載

タイヤの軸などに絡んだ髪の毛などを除去するのに使います。安全優先で刃が奥まったところにあるのでやや使いづらい気もしますが、慣れれば使いこなせるかな?

本体底面

上側が進行方向。両端の回転ブラシは消耗品ですが2セット付属しています。手前側が水拭き用の水タンク。安っぽさ、壊れそうなどの感じはなく質感は充分です。

メインブラシ部分

黄色いメインのブラシはシリコンのスイーパーとブラシのハイブリッド。カバーを外せば簡単に脱着、清掃できます。

タイヤ部分

タイヤはDyson360Eyeのような無限軌道(キャタピラ)式ではないですがグリップの良さそうな大きめのもので、沈む量も360Eye並で走破性は高そう。

おそらく段差落下防止の距離センサー
ステーションは紙パック式

開封して始めて気付きましたがステーション側は紙パック式です。ここに消耗品があるのカーって感じですが、まぁせっかく掃除毎にゴミを触らずに済むようになっているので、最後にまとめて捨てる時もゴミは見たり触りたくないよねっことでしょうか。紙パック式の掃除機を使うのは10年以上ぶりなのでちょっと逆戻り感。ちなみに2つ付属。

本体からタンクに吸い上げる経路

関心したのはステーションの底面。掃除機本体の底面からここを経由して負圧で吸い上げるのですが、経路が多重化されており万一片方が詰まってもバックアップ経路があるということになります。しかも外して洗えるっぽい。公式サイトによると収集スタンドを付属したのはEcovacs社が世界初なんだとか。iRobotのスタンドをあまりマジマジと見たことはないですが、こちらも充分に作り込まれている印象です。

動作音はオートならかなり静か。吸引力番長のDyson360Eyeがことさらうるさかったのもありますが、店頭で動いているルンバと比べても充分静かなんじゃないかと思います。じゃぁゴミが吸えてないかというとそういうこともなく、ほこりからペレット状の猫砂までしっかりととれてる気がします。ただし基本的に毎回ゴミタンクを目にすることがないので、Dysonのように「昨日の今日でまたこんだけとれてるカー!」みたいな達成感はないです。部屋に目立ったゴミが落ちてないからいっか、みたいな。まぁ本来それでいいんですけどね。まだ水拭きは試してません。別途同居人お気に入りのブラーバジェットが継続稼働中なので、そちらの拭き取りもあって床の綺麗さに不満はなし。

そしてDysonで最大の不満だった落ちているタオルとかケーブルとかに絡まって動けなくなるみたいなエラーはほぼなし。初日に7cm位のSカンを丸ゴとブラシに巻き込んで警告出たり異音を鳴らしてたりはしていたけど掃除自体は続行してました。感動したのは、そこで一時停止してひっくり返した異物を除去した後。今まで使って来たロボット達はなるべく現在地を見失わないように元の位置、元の向きに置き直すことを意識していましたが、こいつは再開時にすぐに動き出さずに数秒測位を行って現在位置を確認します。なので、同居人のように雑に持ち上げて「いいからこっちやってて」みたいな置き直しをしてもきちんと継続できるんじゃないかと思います(一時停止を伴った時だけか、持ち上げただけで再計測するのかは未検証)。

マッピングが優秀なのか比較的短時間で掃除を終えてベースに戻っていきます。「あれ?もう終わった?」という感じ。でもマップをみるとだいたい部屋全体をまわってるという。ただ地続きな洗面所とか廊下の奥までは(マップ上では見えてるのに)何故か行きたがらない。どういう基準なのか行かないエリアは手動指定しても行かないことがあります。メインであるリビングの掃除っぷりは不満なし。

アプリのデザイン、ユーザビリティも上々です。機能も操作フローもこなれており、仮に実家の家族に贈っても通常利用にはそれほど困らないんじゃないかという印象。

アプリのトップ画面

唯一このトップ画面(複数ロボットを選択できる)でローカライズが残念なところが2点。「オンライン」が文字幅足りなくて欠けてしまっているところと、一番大事な選択したロボットの詳細マップ画面に遷移するためのボタン。「ロボットを入力する」ってなんやねん!たぶん「Enter robot」を直訳したんでしょうけども(笑)。「ロボットを選択」とか「詳細画面」とかに意訳してほしいところです(公式サポートアドレスに意見メールしておきましたが特に返信なし)。

スマートスピーカー対応の掃除機も初ですがなかなか便利。Google Homeは掃除機クラスがあるので「掃除して」でOK。Alexaはスキル経由になるので「ディーボットを使って掃除して」みたいな言い方が必要。ただし定型アクションで好きな言い方を登録してリダイレクトしてやれば問題なし。

■まとめ

家電好きを自称するくせにEcovacsを知らなかったとは不覚もいいところですが、運良く上位モデルをお手頃な値段で買えました。今のところ大きな不満もなくいつか余裕ができたら実家にもプレゼントしたいな、と思うくらいには気に入っています。

ロボット掃除機といえばルンバ一択だと思っている方は一度店頭に見に行ってみるのもいいかも知れません。